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3センチメンタル・ヤング・ピーポー【2】
[8] -25 -50 

1: ◆UTA.....5w:2012/7/31(火) 17:25:45 ID:N3rkjbtVuM


高校生の馬鹿馬鹿しくて、

ちょっぴりセンチメンタルな

青春グラフィティ───続行。


【前スレ目次】
http://llike-2ch.sakura.ne.jp/bbs/test/mread.cgi/2ch3/1327757079/993-995

【登場人物】
>>2-3

【当スレ目次】
>>768-769


705: 名無しさん@読者の声:2013/3/10(日) 19:43:10 ID:TkgFiDF/82
なんという信者
706: ◆UTA.....5w:2013/3/10(日) 23:02:14 ID:ToIi8eaZ1k

──昼休み


 キーン コーン カーン コーン…

鳴海「っしゃー!プリン争奪戦行くかー!」

篠原「おー!三年生が卒業した今こそが狙い目!新入生が入る前にプリン手に入れるぞー!」

桃山「ちょっとアンタ達、今日が何の日か分かってるんでしょうね」

篠原「ホワイトデーでしょ?」

鳴海「本当うるせぇオカマだな。毎日言われてりゃ嫌でも覚えるっつーの」

桃山「だってアンタ達、いつまで経っても話題に出さないんだもの」

鳴海「そんなのわざわざ話題に出す事でもねぇだろ。食堂行く時に渡すつもりだったし……」ゴニョゴニョ

橘「ほう。つまり今から行く訳だな」ニヤニヤ


707: ◆UTA.....5w:2013/3/10(日) 23:02:55 ID:D8RNZnI1As

桃山「じゃあ今日は食堂で食べましょうよ。アタシも二人にパック渡したいしね」

篠原「橘も?」

橘「あ?何故俺が一年コンビに物を与えなきゃならんのだ」

桃山「やだアンタ、貰うだけ貰ってお返しもないの?これだから乙女心が分かってない男は……」

橘「俺は寄越せと言った覚えはない!」

桃山「やだもう!最低!」

篠原「あの、早く行かなきゃプリン売り切れちゃう……」

鳴海「うわっマジだ!売り切れたらお前らの所為だからな!」ダッ

篠原「俺も先に行くねー!」ダッ

 バタバタバタ…


桃山「毎日通っても買えないのにアタシ達の所為にされても困るわよねー」

橘「よくもまあプリンごときに必死になれるもんだな」


708: ◆UTA.....5w:2013/3/10(日) 23:07:26 ID:D8RNZnI1As

──階段


鈴木「清瀬、大丈夫?」

清瀬「ご、ごめんな鈴木さん……皆とお昼食べててよかったのに……」フラフラ

鈴木「無理しないでって言ったのに。保健室まで歩ける?」

清瀬「保健室の先生、男の人やから言いに行きづらくて……」

鈴木「ああ、なるほど。何かあるかもしれないからじゃなかったのか」

清瀬(な、何かって何やろか……?)

鈴木「顔色が悪いね。やっぱり担ごうか」

清瀬「……ありがとう、大丈夫……です」フラフラ


709: ◆UTA.....5w:2013/3/10(日) 23:08:02 ID:D8RNZnI1As

 バタバタバタ…


鳴海「あーもう!絶対間に合わねぇ!」

篠原「……あれ?」ピタ

鳴海「? 何だよ?」

篠原「今、一瞬視界に鈴木さんと清瀬さんが……、ほらやっぱり!階段の上に居た!」

鳴海「おー、本当だ。おーい」ヒラヒラ

鈴木「……あ、どうも」

篠原「鈴木さん達も今から食堂?今日はゆっくりだねー」

鈴木「え、あー……」

鈴木(……保健室の先生に言うのも嫌がっていたくらいだもの。篠原くんに言うのはもっと嫌だよね)

鈴木(迂濶に二人に近付けないな。どうしたものか……)ウムム

鳴海「なに唸ってんだあいつ……?」

篠原「なんで降りて来ないんだろね」


710: ◆UTA.....5w:2013/3/10(日) 23:08:43 ID:ToIi8eaZ1k

桃山「篠くーん!待っててくれたの?」キャッ

橘「こんな所でつっ立って何をしてる。プリンは諦めたのか」

清瀬「あ、こんにちは……」

桃山「あら、ピヨちゃん達じゃないの。今から食堂?」

鈴木(全員集合……)チッ

桃山「え、何?鈴木ちゃん怖いんだけど!」

篠原「うーん、なんか様子がおかしいんだよね。どうかしたの?」

清瀬「……いえ、何ともないです」

鳴海「顔面蒼白じゃねぇか」

清瀬「だ、大丈夫です!ほら、めっちゃ元気──」フラッ

篠原「! 危ない!」

鈴木「清瀬っ……!」バッ


 ガガガガッ──ドスン!


711: ◆UTA.....5w:2013/3/10(日) 23:09:41 ID:ToIi8eaZ1k

──食堂


桃山「ねぇ、ピヨちゃん大丈夫かしら……」

橘「見たところ軽度の鉄欠乏性貧血だ。保健医も問題ないと言ってただろう、少し休めば大丈夫だ」モグモグ

鳴海「てつけつ……何だそれ?」

橘「要するに鉄分不足で赤血球の生産が追い付いてないんだよ。理由は様々だが若い女には珍しい事ではないし、恐らく……」モグモグ

橘「月経だ」キリッ

桃山「あらやだ///」

鈴木「」モグモグモグモグ

鳴海「よく分かんねぇけど鈴木が反応する辺り図星か」

橘「17にもなって月経も知らないだと?お前まさか赤ん坊はコウノトリが運んで来るなどとぬかすんじゃないだろうな……!」

鳴海「馬鹿にすんなインテリもどきが!ヤる事ヤりゃあデキる事くらい知ってるわ!」

桃山「もう!女の子の前ではしたない話しないで頂戴!」

鈴木「……」モグモグ


712: ◆UTA.....5w:2013/3/10(日) 23:10:38 ID:ToIi8eaZ1k

鳴海「しっかしお前も無茶するよなー」

桃山「ピヨちゃん抱えて転がり落ちて来たもんね。ビックリよ、本当に大丈夫なの?」

鈴木「ご心配なく。何処も怪我してないよ」ケロッ

橘「鈴木のか弱い部分は一生見る事がないんだろうな……」

桃山「そんな事ないわよ。鈴木ちゃんだって立派な女の子じゃない」

桃山「……と、女の子といえば。はい、これ!鈴木ちゃんにプレゼント!」

鈴木「プレゼント?私に?」

桃山「美味しいチョコをくれたお礼よ。アタシみたいにぷるぷるもち肌になれるパックなの」ニコニコ

鈴木「おお、ぷるぷる……ありがとう、使わせてもらいます」ペコリ

桃山「ピヨちゃんにも渡そうと思ったんだけど、また全員で押し掛けたら保健室の先生に怒られちゃうから鈴木ちゃんに渡しておくわね」

鈴木「了解した。清瀬には責任を持って届けておく」


713: ◆UTA.....5w:2013/3/10(日) 23:11:46 ID:ToIi8eaZ1k

桃山「ちょっと、なるみん」ツンツン

鳴海「あ?」

桃山「あ?じゃないでしょ?忘れたとは言わせんぞ?あ゙?」ニコニコ

鳴海「わ、忘れてねぇよ!(何だこいつ怖ぇ……)」

橘「月経も知らないお子ちゃまが何を用意したんですかねぇ」ニヤニヤ

鈴木「???」

鳴海「……鈴木、お前ちょっとこっち来い」ガタン

鈴木「上等だね。受けて立とう」ガタン

桃山「鈴木ちゃん!決闘じゃないわよ!」

橘「あれあれ?席を立つ必要がおありで?」ニヤニヤ

桃山「アンタも煽らないの!」


714: ◆UTA.....5w:2013/3/10(日) 23:14:34 ID:D8RNZnI1As

──────‐‥


鳴海「……」スタスタ

鈴木「……」スタスタ

鳴海「……」ピタリ

鈴木「……」ピクッ

鳴海「鈴木、」

鈴木「いざ、尋常に──」スッ

鳴海「お前なぁ……決闘じゃねぇんだから……」ハァ

鳴海「……ん。これ、やる」

鈴木「? 私の誕生日は非公開の筈だけど」

鳴海「だー!もう!いいから!受け取れ!」グイッ

鈴木「……ありがとう。でも、どうして?」

鳴海「今日、ホワイトデー、じゃん?」

鈴木「!」

鳴海「い、言っとくけどな!オカマがお前に何か返せってうるせぇからだぞ!毎日うるせぇから仕方なくっ……」

鈴木(一年女子さんの言う通りだ。何かあった……!)

鳴海「俺が何渡したか、他の奴に言うなよ!特にメガネには!」

鈴木「うん。ありがとう」ニコ

鳴海「……っ、も、戻るぞ!」フイッ


715: ◆UTA.....5w:2013/3/10(日) 23:18:00 ID:D8RNZnI1As

──保健室


清瀬「」パチ

清瀬(天井……?そうや、うち保健室に運ばれて……)

清瀬(いつの間に寝てしもたんやろか。ちゅうか、今何時なんやろか……)ボー

清瀬(……そういえばお腹痛すぎて動けんかったけど、うち、)

清瀬(篠原くんにお姫様抱っこ……!)キャー

篠原「清瀬さん……?」

清瀬「ふぎゃい!?」ガタン

清瀬「しの、篠原く……なんで此処に!?ご飯は、授業は、学校は!?」

篠原「此処は学校だし、まだ昼休みだから落ち着いてー」クスクス

清瀬(そ、そんなに寝てた訳やなかったんや……)カァ


716: ◆UTA.....5w:2013/3/10(日) 23:19:05 ID:D8RNZnI1As

篠原「少し顔色はマシになったみたいだけど、まだ辛そうだね。大丈夫?」

清瀬「はい。あ、あの、すみません……重たかったですよね、うち……」

篠原「へ?あはは、全然。前に橘の事も抱っこした事あるし、それに比べたら子供みたいなもんだよー」ヘラヘラ

清瀬「うう……ホンマにごめんなさい……」

篠原「それに、自分でもビックリするくらい必死だったから。俺もあんまり覚えてないんだよね」

清瀬「……え?」

篠原「二人が階段から落ちて来た時、鈴木さんはケロッとしてたけど清瀬さんは蹲ったまま唸ってた。声掛けても返事ないし、どうしようって思ってたらね、」

篠原「清瀬さん抱っこしたまま全力疾走してたみたい」


717: ◆UTA.....5w:2013/3/10(日) 23:27:00 ID:D8RNZnI1As

篠原「死んじゃうのかと思った」

清瀬「死ん……えぇ!?そ、そんな事……!」

篠原「大袈裟だけど、本当にそのくらい必死だったんだ」スッ

清瀬「ふえ?な、なんれふか?」

篠原「あはは、清瀬さんの頬っぺたふにふにだ」ムニムニ

清瀬「ひのはら、ふん……?」

篠原「……」

篠原「ごめんね、ありがとう」

清瀬「???」キョトン

篠原「清瀬さんのお兄ちゃんが言ってたんだ、後悔のないようにねって」

清瀬「うちのお兄ちゃんが?」

篠原「うん。素直になればいいって言ってた」

清瀬(また訳の分からん事を……)


718: ◆UTA.....5w:2013/3/10(日) 23:31:56 ID:ToIi8eaZ1k

篠原「俺、色々考えてて……どうすればいいのか分かんなくて。まだ怖いし、逃げてばっかりだけど、」キュッ

清瀬「……っ!?(な、なんで、てて、手を握っ、握って!!)」アワアワ

篠原「清瀬さんが手の届く距離に居なくなるのは嫌だと思った」

清瀬「……それって、」


 『ずっと此処に居ます』

 『ずっと、こうやって手の届く距離に』


篠原「俺、清瀬さんがクリスマスに言ってくれた言葉の重みがやっと分かったんだ」

清瀬「……」ポロ


719: ◆UTA.....5w:2013/3/10(日) 23:34:02 ID:D8RNZnI1As

篠原「ずっと傍に居てくれてありがとう」

清瀬「……」ポロポロ

篠原「泣かせてばっかりで、ごめんね」

清瀬「……っ」フルフル

篠原「それから──」

篠原「大好き、です」


清瀬「う、ううー……ゔぢも゙でずぅー」ボロボロ

篠原「あはは、清瀬さん鼻水出てる」

清瀬「ずびばぜん……だい゙ずぎな゙ん゙でずぅー」ズビズビ

篠原「あははは!」


 ***


保健医(どうしましょう、非常に入りづらい……!)

保健医(青春、ですねぇ……)ニヤニヤ


720: ◆UTA.....5w:2013/3/10(日) 23:44:46 ID:ToIi8eaZ1k
>>706-719
これにて投下終了します。

この数日間、当スレや他のスレで色々とありましたが、良くも悪くも見ていて下さる方が居るのだと感謝しています。
随分と長い間続いてしまっていますが、グダグダと長引かせるつもりはありません。あと数回の更新で、当SSは終了する予定です。
今回の事で不快に感じた方や疑問に感じた方もいらっしゃるかとは思いますが、最後まで書きたいという気持ちには変わりありませんので、もう暫くこの掲示板をお借りする事をお許し下さい。
頂いた支援レスにも返事を返せなくて申し訳ございませんでした。有難く読ませて頂きました。

それでは、今日も読んで下さった皆さんに最大級のありがとうを!
721: 名無しさん@読者の声:2013/3/11(月) 01:05:08 ID:l1Qc8sJ4M6
更新してくれてよかった!!素直に嬉しいです
篠原とピヨもよかった!!うぉぉってなったww

っCCCCC
722: 名無しさん@読者の声:2013/3/11(月) 15:06:45 ID:j5qzLHuYzM
応援してる人の方が圧倒的に多いし、作者さんは作者さんのペースで書きたいものを書いたらいいと思いますよ
一読者としては、3センチメンタルは出逢えて良かったSSだと思っています
勿論、◆UTA.....5wさんにもね∀

あと数回で終了するなんて寂しいですが、前スレではリクエストしたものを書いて頂いたり、本スレでも支援への返レスを頂いたり、作品を通してキュンッやドキドキやジタバタをたくさん頂きましたし、絵スレにも降臨してコメントまで頂けたり…貰ってばかりですねw
私から上げられるのは支援だけですwww
長文でごめんなさい;

つ支援☆
723: 名無しさん@読者の声:2013/3/12(火) 15:05:36 ID:xg.CNki.aI
応援してます、頑張って!

っC
724: 名無しさん@読者の声:2013/3/14(木) 05:07:52 ID:vVlmdQVFb2
つCCCCCCCCCCCCCC
少ないですがよろしければ(・ω・`=)ゞ


ところで漫画化はいつですか?
(・ω・`)
_/_つ_/ ̄ ̄ ̄/
  \/___/
_________


725: ◆UTA.....5w:2013/3/14(木) 21:51:09 ID:D2oMMwzVPY
>>721
篠原と清瀬、告白するのは篠原からだと最初から決めていました。漸く此処に持ってこられて私自身ほっとしています。
引っ張った割にはあっさりしすぎた気もしますが、私にはこれが限界のようですw

>>722
色んな人が居るように、文章の書き方も十人十色。全ての人に受け入れて頂けるのはなかなか出来る事ではありません。それでも722さんのように出会えてよかったと言って頂けただけで、書いてよかったと思えます。
絵スレという事はもしかして描いて下さった方なのでしょうか。自分の妄想を具現して頂けて、絵スレの皆さんには本当に感謝しています。
長くなってしまいましたが、私も沢山のものを頂きました。本当にありがとうございました!

>>723
ありがとうございます!
残すところあと僅かですが、頑張らせて頂きます!

>>724
少ないどころかとても沢山……!
Cで「支援」とは、よく思い付いたものだと今だに関心します。
私に画力があれば描いてみたいところですが、残念ながらそのようなセンスは持ち合わせていないので漫画化の予定はありませんw
726: ◆UTA.....5w:2013/3/14(木) 21:51:55 ID:D2oMMwzVPY

──橘くんのお言葉


橘「篠原と清瀬?あんな奴らは知らん!気付いたらどうにかなっていたらしい」

橘「オカマもチビも早くに清瀬から聞いていたようだが、俺が知ったのは春休みが開けて今月に入ってからだ」

橘「あの二人は清瀬から相談を受けていたらしいからな。俺だって篠原に色々とアドバイスをしてやったつもりだったんだが」

橘「お前達も清瀬から聞いていたんだろう?篠原は何も言って来ないからな。薄情な奴め……」ブツブツ

橘「まあ、何かが変わった訳ではないが仲良くやっているようだぞ。一応お互い親や兄弟と面識もあるし、壁という壁もないだろう」

橘「あとは知らん。他人の色恋なんぞに興味はない」

橘「俺か?ふむ、そうだな。妹も小学生になった事だし、弟が保育園を卒園したら考えてやらん事もない」キリッ


727: ◆UTA.....5w:2013/3/14(木) 21:57:29 ID:D2oMMwzVPY

橘「そういえば妹のランドセルを祖父母と買いに行ったのだが、最近のランドセルはカラフルなんだな」

橘「女らしい色も沢山あったのに、うちの妹は茶色いランドセルがいいと言い出してな。勿論ねじ伏せてやったさ、ランドセルといえば赤だからな」

橘「そんな話には興味がないだと?貴様、俺の妹と弟をどうでもいいと言うのか!」

橘「……まあいい。それで?何が聞きたいんだ?」

橘「鈴木?あいつがどうかしたのか?」

橘「鈴木は相変わらず意表を衝くような事ばかりをしているが……何を考えているのかよく分からん」

橘「思えば清瀬と鈴木に初めて会ったのが一年前か……そう考えると感慨深いものがあるな」

橘「ほら、もうすぐ対面式だ。お前達も早く自分のクラスの所に整列しに行け」


728: ◆UTA.....5w:2013/3/14(木) 21:58:28 ID:amYUaxLhAw

──篠原くんのお言葉


篠原「あ、どうも。こんにちはー」

篠原「清瀬さん?ああ、うん。先月からお付き合いする事になりました」

篠原「ちゃんと報告しろって橘に怒られちゃった。別に報告するような事でもないと思ってたんだけど、皆清瀬さんから色々聞いてたんだね」

篠原「うーん、特に何が変わったとかはないよ。暖かくなってきたから、たまに皆で屋上でご飯食べたりとか」

篠原「そんな突然何も変わらないよー。相変わらずプリンも買えないし」ヘラヘラ

篠原「俺達も三年生になったし、こうなったら意地でもプリンを手に入れます!」

篠原「二階は三年生、三階に二年生、四階が一年生。一階にある食堂への道程は圧倒的に三年生が有利だからね!」


729: ◆UTA.....5w:2013/3/14(木) 21:59:49 ID:D2oMMwzVPY

篠原「鈴木さん?鈴木さんはいつも元気だよ。鳴海も桃ちゃんも、橘も元気!」

篠原「鳴海がちょっとギクシャクしてる感じだけど、鈴木さんと何かあったのかな?」

篠原「あはは、まあ二人が戯れてるのはいつもの事なんだけどね」

篠原「皆面白いから毎日楽しいよ。あと一年も経たない内に卒業って考えたら寂しいなー」

篠原「一年生も入学してきたし、面白い子居るといいね」

篠原「あ、そういえば今日が対面式だった!ブレザー着なきゃだよ、やだなー……あ、」

篠原「……ブレザー忘れたかも」テヘ

篠原「対面式までまだ時間あるよね?ちょっと先生に借りれるか訊いてくる!また後でねー!」


730: ◆UTA.....5w:2013/3/14(木) 22:03:14 ID:D2oMMwzVPY

──鳴海くんのお言葉


鳴海「おー、お前も聞いたのか。やっとくっつきやがったよあの二人」

鳴海「ったく、時間掛かりすぎだよなー。俺でも文化祭ら辺で気付いたっつーの」

鳴海「あー、今んとこ特に進展なしじゃね?篠原の前だと今だにピヨってるし、あいつ」ケラケラ

鳴海「つーか、ピヨの事なら俺よりお前らの方が知ってるだろ」

鳴海「俺が知ってるのは、篠原がホワイトデーに渡したのは大量の駄菓子だったって事くらいだなー」

鳴海「う○い棒とかどんぐり○ムとか、そんな感じ。栄養全部身長に持ってかれたんじゃねぇの?」ケラケラ

鳴海「は?俺?お、俺は別に、何だっていいだろ!」

鳴海「オカマがうるせぇから仕方なく、だよ!言っとくけど、あんなの俺の趣味じゃねぇからな!」

鳴海「……え?あ、お前何も知らねぇの?」

鳴海「そういえば他の奴に言うなって、俺が……いや、何でもねぇから忘れろ!」


731: ◆UTA.....5w:2013/3/14(木) 22:04:34 ID:D2oMMwzVPY

鳴海「あ?す、鈴木がどうしたんだよ。俺は何も知らねぇぞ!」

鳴海「あー、鈴木の好きな人ねぇ……そういや、あいつのそういう浮いた話は聞いた事ねぇな」

鳴海「黙ってりゃ悪くねぇんだし、彼氏の一人や二人その内出来るっしょ」

鳴海「はっ!?誰があいつの事可愛いっつったよ!耳糞溜まってんじゃねぇの!?」

鳴海「ホワイトデーの時にちょっと、ほんのちょっとだけ……そういえばこいつ女子なんだなーって思っただけで……」ボソボソ

鳴海「な、何でもねぇよ!あんなもんで喜ばれたらそりゃ女子だって思うだろうが!」

鳴海「大体、あんな見える所に……」

鳴海「あーもう!早くどっか行けよ!もうすぐ対面式だろ!」

鳴海「あーあー聞こえねー!さよならー!」


732: ◆UTA.....5w:2013/3/14(木) 22:05:45 ID:D2oMMwzVPY

──桃山くんのお言葉


桃山「あら、こんな所で何してるの?お話?いいわよ、お相手してあげる!」

桃山「そうなのよー!ピヨちゃん!やったわね!」キャッキャッ

桃山「そりゃあ、篠くんはアタシの王子様だし?寂しくないって言えば嘘になるけど……」

桃山「でも、ピヨちゃんの事は応援していたから素直に嬉しいわ。アタシは篠くんと結婚出来ない運命だしね」

桃山「此処だけの話……あんまりピヨちゃんを待たせるようなら、アタシがどうにかしちゃおうかと思っていたのよ」

桃山「……ぶふっ、ふひひ、やーね!冗談よう!」ゲラゲラ

桃山「アタシは乙女な男子だもの。今は、ね?」


733: ◆UTA.....5w:2013/3/14(木) 22:09:00 ID:amYUaxLhAw

桃山「鈴木ちゃんの事も勿論応援してるんだけれど……ほら、あの子達ったら鈍感でしょう?」

桃山「鈴木ちゃん自身も自分の気持ちには疎いというか、感情を表に出すのが不得意というか。とにかく、見てるこっちがやきもきしちゃう!」

桃山「直接鈴木ちゃんから何かを聞いた事は一度もないわよ?オカマの勘、ってやつかしら」

桃山「あの子達に初めて会った時から何だか予感がしてたのよ。いつか、こんな風になるんじゃないかってね」

桃山「ついでにもう一つオカマの勘なんだけど、最近鈴木ちゃんがアタシみたいに身に付けてるアレ……」

桃山「あら、アンタ達何も聞いてないの?んもうっ、つまんない!」

桃山「あらやだ!つい喋りすぎちゃった!アンタ達も可愛い後輩ちゃんとの対面式に間に合わなくなっちゃうわよー!」


734: ◆UTA.....5w:2013/3/14(木) 22:12:35 ID:amYUaxLhAw

──鈴木さんのお言葉


鈴木「清瀬と篠原くん、上手くいって本当によかった。あの二人なら仲良くやっていけるんじゃないかな」

鈴木「私には男女の交際がどういうものか、よく分からない。でも、高校生はキスとハグまでだって桃ちゃんが」

鈴木「あの二人はまだ、そこまで至ってないと思う」

鈴木「どんな交際であれ、清瀬が幸せそうだから私も嬉しいよ。ずっと好きだったんだもの、篠原くんの事」

鈴木「私も清瀬みたいに可愛らしくいられたら、何かが変わっていたのかな」

鈴木「……あ、こういうモヤモヤした気持ちを嫉妬っていうんだって。羨ましくて、妬ましく思う気持ち」

鈴木「私は清瀬から沢山のものを貰った気がする。あの子とはずっと、友達でいられたらと思う」


735: ◆UTA.....5w:2013/3/14(木) 22:15:57 ID:amYUaxLhAw

鈴木「……これ?猫の人形だけど」

鈴木「可愛らしいでしょう、胸ポケットに収まるからいつも此処に入れてる。桃ちゃんがパンダ入れてるのを見て、なるほどって思ってね」

鈴木「うん、貰い物……じゃない。私は誰からも貰ってない。忘れて頂きたい」

鈴木「……」ホクホク

鈴木「……あれから一年か。早いね、一年って」

鈴木「そっか。一年後には、あの子はもう居ないのか」

鈴木「清瀬は前に進んだ。私は……」

鈴木「……何でもない。そろそろ時間だ、体育館に行かなきゃね」


736: ◆UTA.....5w:2013/3/14(木) 22:17:53 ID:D2oMMwzVPY

──清瀬さんのお言葉


清瀬「へ?ち、違っ……黙ってた訳とちゃうよ!」

清瀬「その……なんか、恥ずかしくて……」ゴニョゴニョ

清瀬「今でもまだ信じられへんのよね、うちなんかが、って。相手にされる訳ないって思てたから……」

清瀬「えへへ、すぐネガティブな方に考えてまう。アカンなあ」

清瀬「あ、でも、毎日楽しいです。たまに食堂で食べてってくれたりしはるし、その内また皆で篠原くんのお家行こかって話してて……」テレ

清瀬「い、いやいや!惚気とか、そんなんやなくて!」

清瀬「今だにあれは夢やったんちゃうかと思う事もあるし。まさか、篠原くんから、そんな……」

清瀬「ちゃうちゃう!だから惚気とかちゃうねん!ああもう、うちの阿呆!何言うとんねや!」

清瀬「……そ、そうやねん、最後までキャラがおかしいままやわ」ハァ


737: ◆UTA.....5w:2013/3/14(木) 22:19:42 ID:amYUaxLhAw

清瀬「鈴木さんは、ホンマに凄いと思う。美人やし、勉強も出来るし、足めっちゃ速いし」

清瀬「沢山うちにないもん持ってて、羨ましいって思う事もあるくらい!あ、憧れに近いかな」テレ

清瀬「いつも周りをちゃんと見てて、うちも一杯助けて貰た。だから、うちも鈴木さんの力になれる事があれば全力で助けてあげたいと思てます」

清瀬「えへへ、親友かぁ……えへへへ」

清瀬「鈴木さんは可愛いし美人やし、自慢のお友達です」デレデレ

清瀬「……あ、皆もう体育館に向かうみたい。うちらも行こ!」


738: ◆UTA.....5w:2013/3/14(木) 22:23:51 ID:amYUaxLhAw

──ABCのお言葉


男子A「もう俺の出番なくなっちゃうの!?やだやだやだー!」ウワァァン

男子B「安定のモブっぷりだったけど、絵スレで俺達なんかまで描いて貰えて、俺は満足してるよ」

男子C(……メタ発言)

男子A「4馬鹿の話?知るかよ!俺ほぼ絡みなしだし!」

男子B「そうだね、一番絡みあったのは男子Cだしね。ちょっとでも絡めて、俺は満足してるよ」

男子C「……」

男子A「おい男子C、最後くらい喋れよ!」

男子B「4馬鹿達に囲まれた高校生活はどうだった?」

男子C「…………賑やか、だった」

男子A「何だそれ!もっと何かあるだろ!」

男子B「はいはい、時間ないし体育館行くよー」

男子C「……」バイバイ


739: ◆UTA.....5w:2013/3/14(木) 22:24:26 ID:D2oMMwzVPY

女子A「4馬鹿?ああ、4馬鹿ね。すっかりその呼び方定着しちゃったね」クスクス

女子B「ふふ、私はいつも仲良しで微笑ましいと思うな」

女子C「デカ乳呼ばわりされてたよね、女子B」ニヤニヤ

女子A「あ、そういえば一年生の子と篠原が付き合ってるんでしょ?やるじゃん!」

女子B「入学当初から仲が良かった子だよね?小さくて可愛い子だよね」ニコニコ

女子C「ていうか、あたし達もう三年生だからその子も一年生じゃなくて二年生だけどな」

女子A「細かい事は気にしなーい!女子生徒の嫉妬の嵐に負けるなよ、一年生!」グッ

女子B「ちゃんとお話した事ないけど、応援してます」グッ

女子C「どうやって落としたのか教えてって言っといて!すっげー興味ある!」グッ


740: ◆UTA.....5w:2013/3/14(木) 22:25:26 ID:D2oMMwzVPY

──先生方のお言葉


生徒指導「あん?4馬鹿ぁ?あいつらまた何かしでかしたのか!」

担任「あ、あの、あの子達は騒がしいけど、悪い子じゃないですよ。私は皆大好きですっ……!」

保健医「僕は篠原くんにマジギレされてから彼が少し怖いです」

生徒指導「俺はいつも4馬鹿にマジギレさせられてますがね」

担任「でも、彼らのお陰で学園は賑やかですよ」ニコニコ

保健医「保健室の先生は生徒のドタバタな日常とはほぼ無縁なので」

生徒指導「まあ、手のかかる子程可愛いとも言うがな。とにかく俺を走らせるような事はしないでもらいたいよ」

担任「明るく元気に伸び伸びと!残り一年、楽しんでもらいたいですね」

保健医「たまには怪我してくれても構わないよ。暇だし」ニヤ


741: ◆UTA.....5w:2013/3/14(木) 22:28:33 ID:D2oMMwzVPY

──────‐‥


二年女子「……ふう。こんなもん?結構調査したよねー」

二年女子「乙wまさか清瀬っちの惚気が聞けるとはww」

二年女子「鈴木さんが結局謎なんだけど。胸ポッケの猫マスコット、超怪しいのに」

二年女子「あれ絶対誰かに貰ったんだぜww」

二年女子「えー……でも、誰に?」

二年女子「知らねwww」

二年女子「もう!惚気話聞いただけじゃん!」

二年女子「ふひひw春ですなぁww」

二年女子「あたし達も体育館に向かおっか。対面式とか興味ないんだけどなー」

二年女子「実は名前が二年女子に変わってんだぞw我々はもう一年じゃないからなww」

二年女子「あー、そっか。一年生に可愛い男の子居ないかなー!」ルンルン

二年女子「さてwどうでしょうなあwww」


742: ◆UTA.....5w:2013/3/14(木) 22:36:09 ID:D2oMMwzVPY
>>726-741
これにて投下終了します。

春といえども寒い日が続きますね。まだまだコートは脱げそうにありません。

それでは、読んで下さった皆さんに最大級のありがとうを!
743: 名無しさん@読者の声:2013/3/15(金) 08:57:54 ID:40mJhwrqSI
男女のABC好きだ!

っCCC
744: 名無しさん@読者の声:2013/3/16(土) 02:28:40 ID:40mJhwrqSI
リア充どもめw
俺もこんな高校生活を送りたかったよ

っC
745: 名無しさん@読者の声:2013/3/16(土) 23:42:03 ID:3T27UnospE
頑張って下さい、支援
746: 名無しさん@読者の声:2013/3/19(火) 18:55:32 ID:VyqdL9ZeDc
4馬鹿達がとうとう最高学年に…感慨深いですね
別れと新たな出逢いの季節
あの頃は不安と不安しかなかったなーwww
っCCC
747: ◆UTA.....5w:2013/3/22(金) 15:42:52 ID:fghNgYo0JE
>>743
女の子ABCにはもう少し出番をあげたかったのですが、一年女子さん二人組が居るので下がって頂きましたw
モブキャラにまで目を向けて頂けて嬉しいです。ありがとうございます。

>>744
恋とか愛とか関係なく、こういうのをリア充と呼ぶのでしょうね。
自分で書いておきながら高校生をエンジョイしている彼らが憎らしく思えてきました。現実世界ナメんなと言ってやりたいですねw

>>745
沢山の方々に支えられながら、ついに今日の日を迎える事が出来ました。応援して下さってありがとうございました!

>>746
考えてみれば、始めた当初の4馬鹿はまだ一年生だったんですよね。運動会やその他諸々、学校行事がなかった事になってしまいましたw
彼らの成長を見届けて下さってありがとうございました。今でも不安しか残らないような面子ですが、何とかなると信じています。
748: ◆UTA.....5w:2013/3/22(金) 15:43:29 ID:fghNgYo0JE

──体育館


鳴海「あー、めんどい。どっかでサボんねぇ?」

桃山「馬鹿な事言わないの。アンタ去年の対面式でも面倒臭いとか言ってたでしょ」

鳴海「そうだっけ?お前記憶力すげぇな」

橘「お前の脳みそが猿以下なんだよ」

篠原「あはは、俺も覚えてるよー。対面式で鳴海が体育館の真ん中で叫んだやつ!」

橘「まるで昨日の事のようだな、しょんべん先輩?」ニヤニヤ

鳴海「黙れメガネ!嫌な事思い出させんな!」


749: ◆UTA.....5w:2013/3/22(金) 15:44:11 ID:fiOCmQA6jg

桃山「でも、あれから一年なのよね。本当にあっという間だった」

篠原「この一年、色々あったもんね」

橘「色男さんは思い出深い一年だったでしょうね。主に清瀬さんと」ケッ

篠原「まだ怒ってんの?別に隠してたんじゃないんだってばー。ごめんなさいー」

桃山「対面式の日になるみんと鈴木ちゃんが出会わなければ、あの二人とも今みたいな関係じゃなかったかもしれない……」

桃山「そう考えると不思議なものよね」シミジミ

鳴海「本当失礼な奴だったよな、あいつ。女じゃなかったらぶっ飛ばしてるとこだし」

橘「まあ確かにあの頃は顔を合わせればギャンギャン喚いていたが、今では随分仲良くなったじゃないか」

篠原「うんうん。鳴海と鈴木さんの凸凹コンビ、今じゃすっかり定着したしね」


750: ◆UTA.....5w:2013/3/22(金) 15:45:35 ID:fiOCmQA6jg

鳴海「べ、別に仲良くなんかっ……」

桃山「最初は凄く変り者だと思ったけれど、なかなか純粋で可愛い子だしね」

篠原「そう?鈴木さんは最初から面白い子だったよー?」ヘラヘラ

鳴海「まあ変り者は変り者だけど、それなりに面白いし悪い奴じゃない……とは思う」

橘「そうだな。それには俺も同意だ」

橘「乳はともかく見た目は悪くないんだ。あいつは言動が意味不明なものが多いから近寄り難いだけだろう」

桃山「乳を判断基準にするのいい加減止めなさいよね」

橘「何を言うか。女が持つ最大の武器とも言える乳を評価して何が悪い」

桃山「女の子は乳だけじゃないのよ!」

篠原「始まった……」


751: ◆UTA.....5w:2013/3/22(金) 15:46:16 ID:fiOCmQA6jg

鳴海「……」

篠原(? 鳴海……?)


担任「あの、あのっ!もうすぐ一年生が入場するから皆、せ、席に着いてー!」

鳴海「……」ガタッ

桃山「なるみん?どうしたのよ、急に立ち上がって」

担任「鳴海くん……?」

鳴海「……悪い、ちょっと憚りー」

担任「あっ……もう。始まっちゃうのに」

橘「去年も同じ事言っていたような……デジャヴか?」

男子A「憚りって何?」

男子B「トイレの事らしいよ」

男子C(……男子Aも同じ事、言ってた)


752: ◆UTA.....5w:2013/3/22(金) 15:47:21 ID:fiOCmQA6jg

二年女子「もうすぐだって、一年生!」

二年女子「去年は向こう側の立場だったのにw早いもんですなw」

清瀬「そういえば対面式で鈴木さんが鳴海くんの事引っ張って……えへへ、懐かしいなあ」

鈴木「そうか、もう一年前の事なんだね」

二年女子「あの日から清瀬っちの恋が加速したんだよねー」ニヤニヤ

清瀬「な、なな何を言うてはるんですか!」カァァ

鈴木(あの日から……)

二年女子「ん?あれれ?噂をすればしょんべん先輩じゃないですかww」

二年女子「あ、本当だ。何処行くんだろ?」

鈴木「……」ガタッ

清瀬「す、鈴木さん?」

鈴木「私も、あの日から始まったんだ」

清瀬「!」

二年女子「ちょっ……おーい、鈴木さん何処行くのー?」


753: ◆UTA.....5w:2013/3/22(金) 15:48:07 ID:fghNgYo0JE

教師「一年生、もうすぐ入場するからちゃんと整列しろー」

 ワイワイ ガヤガヤ


鳴海「対面式、ね……一年ってあっという間だな」

鳴海「初っぱなから失礼な奴だったし、デカいし、愛想ねぇし、敬語は使わねぇし」

鳴海「あんな奴、女子じゃねぇって思ってたのに……」


 『俺が何渡したか、他の奴に言うなよ!』

 『うん。ありがとう』ニコ


鳴海(あんなんで意識しちまうとは……)ハァ

鳴海(毎日嬉しそうに持ち歩かれると何つーか……)

鳴海「あーもう!なんで俺が悶々としなきゃなんねんだよ!そもそもあいつが此処で俺の事っ……」


 グイッ!


?「君、何組?」


754: ◆UTA.....5w:2013/3/22(金) 16:02:48 ID:fiOCmQA6jg

鳴海「なっ……お前!」

鈴木「……なんてね」

鈴木「何してるの、こんな所で。また一年生と間違われて連れて行かれるよ」

鳴海「あのなぁ……そんな失礼な奴お前くらいだっつーの」

鈴木「そんな事ないよ。鳴海くん、小さくて可愛らしいもの」

鳴海「か、可愛いとか、男に言う事じゃねぇだろ!」

鈴木「そう?褒めてるつもりなんだけどね。男の子に可愛らしいは褒め言葉にならないのか……気を付けます」

鳴海「……だから、調子狂うんだよ」

鈴木「?」キョトン

鳴海「あー……とにかく、もういいだろ。二年連続でしょんべん呼ばわりはごめんだからな」

鈴木「……」


755: ◆UTA.....5w:2013/3/22(金) 16:03:44 ID:fghNgYo0JE

アナウンス「一年生、入場です」


鳴海「ほら、もう始まるからさっさと離して戻れよ」

鈴木「……」グッ

鳴海「?」

鈴木「拒否する」

鳴海「は?何言って……」

鈴木「このまま私と行こう」グイッ

鳴海(なんか、何もかもが一年前の再現みたいだな……)

鳴海「……って、違う違う!お前もう一年じゃねぇだろ!一緒に入場してどうする!」

鈴木「行こう、鳴海くん」

鳴海「待て待て待て。上級生二人で一年に混ざってたら目立つだろうがあああぁ!」ズルズル


756: ◆UTA.....5w:2013/3/22(金) 16:06:01 ID:fiOCmQA6jg

──────‐‥


桃山「あ、来たわよ一年生!初々しいわねぇ!」

篠原「見て見て!去年も思ったけど、制服が新品だー!」

橘「ふむ。一年生の制服はやはり色が鮮やかだな。自分の制服がどれだけ傷んでいるのかがよく分かる」

篠原「あはは、そりゃ二年も着てたらテカテカのツルツルだよー」

橘「……ん?あれは、」

篠原「え?どれ?何?」

桃山「あらまあ、なるみんじゃないの。あの子また女の子に引き摺られて……って、鈴木ちゃん!?」

橘「あいつらは二年も連続で何をやってるんだ」


757: ◆UTA.....5w:2013/3/22(金) 16:07:10 ID:fiOCmQA6jg

二年女子「あれ?あそこに居るの、鈴木さんじゃない?」

二年女子「ちょwしょんべん先輩も一緒じゃないっすかww」

清瀬「……へ?」

清瀬「えぇ!?」

二年女子「何してるんだろ?体育館の真ん中で愛の告白とか?」クスクス

二年女子「まっさかーww」

清瀬「あは、あはは、まさかー……」ドキドキ


 ***


生徒指導「……何か騒ついてないですかね?」

保健医「一年生だけが入場して来る筈が、彼らも一緒だからじゃないでしょうか」

生徒指導「彼ら……?」キョロキョロ

保健医(青春の予感、だねぇ……)


758: ◆UTA.....5w:2013/3/22(金) 16:10:28 ID:fghNgYo0JE

鳴海「おい、離せって!鈴木!」

鈴木「鈴木、か……変な感じ」クスクス

鈴木「覚えてる?あの時は鳴海くん、私の事“デカ女”って」

鳴海「あ?何だよいきなり」

鈴木「名前を教えても、どうでもいいって言ってた」

鳴海「それは、その……俺も焦ってたし、お前の事も全然知らなかったから」

鈴木「うん、そうだね。私も君の事、ただの背の低い可愛らしい子だとしか思ってなかった」

鈴木「だけど、今は違う」

鈴木「あの瞬間から、私は──私の恋は、始まってたんだ」

鳴海「……は?」


759: ◆UTA.....5w:2013/3/22(金) 16:13:46 ID:fghNgYo0JE

鈴木「好きだよ、鳴海くん」

鈴木「友達としてじゃなく、君が好き」

鈴木「これって、恋だと思うんだ」


鳴海「……え?」

篠原「えー!?」ガタッ

橘「はああぁ!?」ガタッ

桃山「〜〜っ!///」グッ

二年女子「マジで!?」

二年女子「うっはwww」

清瀬「鈴木さん……!」キュンキュンッ

生徒指導「な、何じゃありゃあ!」

保健医「青春の一ページ、ですかねぇ」クスクス


 \ ウオォォォォォ!? /


鈴木「諦めるつもりはないから、宜しくね」ニコ


760: ◆UTA.....5w:2013/3/22(金) 16:15:23 ID:fiOCmQA6jg


春、出会いと別れの季節。

何度も何度も繰り返し、

大人の階段を少しずつ登る。

高校生の馬鹿馬鹿しくて

ちょっぴりセンチメンタルな

青春グラフィティは、

これにて──閉幕?



 3センチメンタル・ヤング・ピーポー

    ‐fin.‐


761: ◆UTA.....5w:2013/3/22(金) 16:23:09 ID:fghNgYo0JE
>>748-760
これにて最後の投下を終了します。

このSSを書き始めて約一年余り、長々と続いていた物語に漸く終止符を打つ事が出来ました。
不完全燃焼な終わり方をしているようですが、当初から考えていた結末です。何だそれ、という終わらせ方にしようと、話を思い付いた段階から思っていました。

沢山の方々に評価を頂いたこのSS、学ぶ事が沢山あったように思います。
暫くSSからは離れようと思っているので、いつになるかは分かりませんが、この物語について頂いた言葉を活かせるように精進致します。

頂いたリクエストもお応え出来ず申し訳ございません。書き溜めもしていたのですが、すっぱりと終わらせるのが一番だと判断致しました。
語りだすと止まらないのが悪い癖です。これ以上は止めておきます。
読んで下さった方、支援を下さった方、投票して下さった方、絵を描いて下さった方、このSSに関わって下さった皆さんに最大級のありがとうを!

保管庫の依頼は少しやりたい事があるので、それが終わり次第出させて頂きます。
762: 名無しさん@読者の声:2013/3/22(金) 16:37:58 ID:HhFpt/AuHs
え?マジで?!
乙でした(T_T)っC
763: 名無しさん@読者の声:2013/3/22(金) 18:05:23 ID:ubAuOJ8AqM
最期に最大のキュンッがっ!ありがとうございました!
書き溜めされてる分も、またいつの日か発表してくださる事を祈りつつ…本当にお疲れさまでした!

追伸
不安て書いたのは、自分のあの頃(高校生の頃)には、進級も新入生も不安でしかなかったなーって思い出しただけだからねwww
この作品には1oの不安も無いですよー本当に
これからも、密かに応援してますよ>>1先生( 〃▽〃)ノシ
764: 名無しさん@読者の声:2013/3/22(金) 19:18:09 ID:40mJhwrqSI
長らくSS版から離れていた自分の唯一の楽しみが3センチでした
ずっと書き続けるなんて無理なのはわかってるけど、いよいよ終わるとなると淋しいですね
またあなたのSSが読める日を楽しみにしています

盛大に乙でした!
765: 名無しさん@読者の声:2013/3/22(金) 21:32:16 ID:01mgT8MVbo
ドキドキもハラハラもワクワクも色んなものが沢山詰まったSSだった
一人一人のキャラが立ってて、同じSS書きとして勉強させてもらいました
楽しかったです
お疲れ様でした!!!!

っ最後のC
っ花束
766: 名無しさん@読者の声:2013/3/27(水) 00:37:05 ID:.CRmiyliWE
お疲れ様でした!
1さんのSS、面白いです。いつもものすごく楽しみにしてました
いつぞや橘くんに渡したクッキー&ブラウニーを作品の中で採用してもらえたのは嬉しかったです…!!!!まさか採用してもらえるとは思いませんでしたwありがとうございました!

橘くんへ
つ愛
つコーヒー牛乳

そして1さんへ
つクッキー&ブラウニー
つCCCCCCCC


767: ◆UTA.....5w:2013/3/28(木) 17:08:33 ID:n8fTcDe3SQ
>>762
はい、マジであります。最後らしくない終わり方だとは思いますが、鳴海と鈴木が男女交際をしている様は私も想像が出来ませんw
ありがとうございました!

>>763
おおう、最後の最後に何という勘違い……orz
そうですね、私は今でも新たな出会いに胸をときめかせるよりも不安の方が勝っていますw
763さんは恐らく、前スレから何度も支援を頂いている方ですよね。此方こそ本当にありがとうございました。先生と呼ばれずとも、文字の印象でそうではないかと思う事が何度もありました。
とても励みになりました、ありがとうございました。

>>764
自分の遅筆の所為でもありますが、此処まで長い期間書き続けるとは思ってもいませんでした。そりゃ早く終われとも言われるよ、と。
それでも764さんのように言って下さる方が居る事を、とても有難く思います。またいつかSSを書こうと思い立った時、764さんの目に触れる機会がある事を祈っています。

>>765
何と同じSS書きの方でしたか。以前別の方に頂いた支援に対しても同じ事を言いましたが、書き手の目線でご意見を頂けるのはとても嬉しいです。
暫くSSからは離れるつもりでいますが、読み手としてお邪魔させて頂くつもりではあります。765さんのSSにもお邪魔する事もあるかもしれませんねw

>>766
その節はありがとうございました。実は私、お菓子作りはあまりした事がないのでその辺の知識は皆無だったのです。なので、お洒落な響きに即採用を決意したのでしたw
クッキー&ブラウニー、いつか挑戦してみたいと思います。此方こそありがとうございました。
768: ◆UTA.....5w:2013/3/28(木) 17:09:15 ID:n8fTcDe3SQ

 3sentimental young peopleU

 【menu】

 Act.1 >>4-14>>21-32
‐オカマ喫茶、始動‐

 Act.2 >>39-50>>57-69
‐女心と秋の空‐

 Act.3 >>80-91>>99-108
‐秘密兵器は双子の予感‐

 Act.4 >>114-125>>134-149
‐崩れ始めた道化の仮面‐

 Act.5 >>157-171>>178-190
‐崩れ始めた道化の仮面U‐

 Act.6 >>196-211
‐戻れない日常‐

 Act.7 >>223-231>>240-247
‐篠原少年の憂鬱‐

 Act.8 >>253-262>>276-285
‐篠原少年の憂鬱U‐

 Act.9 >>301-309>>317-327
‐篠原少年の憂鬱V‐

 Act.10 >>340-352
‐取り戻された笑顔と日常‐


769: ◆UTA.....5w:2013/3/28(木) 17:09:51 ID:n8fTcDe3SQ

 Act.11 >>361-371>>381-396
‐世界にひとつだけの‐

 Act.12 >>405-415>>423-440
‐秋の夜空の一番星‐

 Act.13 >>455-464>>471-480
‐The schedule of your Christmas?‐

 Act.14 >>492-501>>513-527
‐僕らのメリークリスマス!‐

 Act.15 >>534-546>>553-562>>570-581
‐女の子組、始動‐

 Act.16 >>595-602
‐明けました2013‐

 Act.17 >>611-623>>630-639
‐ファミリーコンプレックス‐

 Act.18 >>651-674
‐額に刺さったあの子の気持ち‐

 Act.19 >>680-690>>706-719
‐動き出した小さな恋‐

 Act.20 >>726-741
‐それぞれのお言葉‐

 Act.21 >>748-760
‐青春の一ページ‐


770: ◆UTA.....5w:2013/3/28(木) 17:13:52 ID:tcdpPh7h0s

絵スレにて描いて頂いた当スレの登場人物達です。


http://l2.upup.be/jIGFBRcJ20

http://n2.upup.be/H0h0j97W0X

http://l2.upup.be/TdiPpR5tx4

http://m2.upup.be/CYcpvRw28f


本当に本当にありがとうございました!


771: 名無しさん@読者の声:2013/3/29(金) 18:59:53 ID:k1eCfZA4HE
暫くSSから離れてしまうのですか…
また>>1さんのSSが読める日を楽しみに待っています!

本当にお疲れ様でした!
772: 名無しさん@読者の声:2013/3/29(金) 22:04:57 ID:ZOgDAyprW6
橘は私の嫁!!

何度キュン死にした事か…。心が潤う作品をありがとう(^-^)お疲れ様でした(はぁと)

次の作品も楽しみにしてていいんかな?

>>1への愛
つ全キャラにプリン
773: 名無しさん@読者の声:2013/3/31(日) 17:22:22 ID:nO7atJatII
:-O
774: ◆UTA.....5w:2013/4/1(月) 09:49:46 ID:JmpPBq7p9c
>>771
私生活が忙しい為なかなか時間が取れないのと、去年骨折した右手のリハビリがまだ終わっていない事が重なって、妄想を膨らます事がなかなか出来ないでいます。なので、暫くはSSからは離れようかと。
その内ひょっこり帰って来るかもしれないので、お気付きになられましたら生ぬるく見守って頂ければ幸いです。
ありがとうございました!

>>772
最後の最後まで、彼らの人気順はメガネの圧勝でした。772さんのように嫁に貰って下さる勇気あるお方まで……ただの変態メガネなのに何故でしょうか。
次回はまたいつか、余裕が出来た時に書ければと思っています。書く事はせずとも掲示板にはお邪魔させて頂くつもりなので、何処かでお会いした時は宜しくお願いしますねw
此方こそありがとうございました!

>>773
:)
こういう顔文字(と呼んでいいのでしょうか)を使った事がないので自信はありませんが、一番よく見掛けるのがこれだった気がします。
775: 名無しさん@読者の声:2013/4/2(火) 23:25:34 ID:/Dl5nP/ZbY
桃ちゃんは俺の嫁っ!
大好きだーっ
1さん、お疲れさまでした
776: 名無しさん@読者の声:2013/4/7(日) 16:59:00 ID:uZroJqJ26A
うぉぉお!乙でした!
最初から最後まで一気読みしてしまった…

4馬鹿も清瀬も鈴木もその家族達も
全てのモブも愛してる!!!!
そして1には…

つ抱えきれない愛♡
777: ◆UTA.....5w:2013/4/8(月) 07:31:10 ID:U3c/2fGU32
まだ保管庫には入っていないようなので、sageにてレス返させて頂きます。そして>>777get


>>775
そういえばメガネに引き続き、桃山くんにも775さんのように有難いお言葉を何度も頂きました。
当初はオカマキャラなんて気持ちの悪い設定をした為、皆さんにもおすピーやクリス松村で脳内再生させてしまって。激しく同意と同時に、高校生だという事を考えると気持ちの悪さが際立ってしまっていましたw
ありがとうございました、また何処かでお会い出来ればと思います。

>>776
こんなにも長いSSを一気読みして下さったとは……!どれ程のお時間を頂戴してしまったのでしょうか。ありがとうございます、お疲れ様です。
本当は最後に何らかの形でモブと家族達を出してあげたかったのですが、小話以外で登場させる術を思い付けませんでした。あまり出番のなかった彼らの事まで、ありがとうございます。
776さんがわざわざ最初から読んで下さった苦労を考えただけで、抱えきれない感謝の思いが一杯です。本当にありがとうございました。
778: 名無しさん@読者の声:2013/4/9(火) 16:44:04 ID:0iXrAJD98I
楽しかったよありがとう!
おつかれさん!
779: 真・スレッドストッパー:停止
停止しますた。ニヤリ・・・( ̄ー ̄)
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sage:


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