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3センチメンタル・ヤング・ピーポー【2】
[8] -25 -50 

1: ◆UTA.....5w:2012/7/31(火) 17:25:45 ID:N3rkjbtVuM


高校生の馬鹿馬鹿しくて、

ちょっぴりセンチメンタルな

青春グラフィティ───続行。


【前スレ目次】
http://llike-2ch.sakura.ne.jp/bbs/test/mread.cgi/2ch3/1327757079/993-995

【登場人物】
>>2-3

【当スレ目次】
>>768-769


651: ◆UTA.....5w:2013/2/20(水) 17:40:09 ID:ckuIzWtpdw

──食堂


清瀬「な、なんか外騒がしいけど何かあったんやろか?」

鈴木「生徒指導先生の声だね。またあの子達が何かしたのかも」モグモグ

清瀬「なんやかんや言うて仲良しやんね、生徒指導先生」

鈴木「手の掛かる子程可愛いものなんだよ」モグモグ


\ マタンカヘンシツシャガァァァァ! /


清瀬「変質者とか聞こえるんやけど、ホンマに鳴海くん達なんやろか……」

鈴木「さあ、どうだろう」モグモグ

清瀬「よう考えたら鳴海くん達な訳あらへんやんね。さっき橘くんが教室でチョコ、食べてるって……」

鈴木「……」モグモグ


652: ◆UTA.....5w:2013/2/20(水) 17:40:55 ID:ckuIzWtpdw

清瀬「篠原くん、一杯貰てはるんやろなあ……」

鈴木「大丈夫だって言ってたじゃない、橘くんが」

清瀬「ど、どうやって渡したらええんやろか!?」ワタワタ

鈴木「私もそれを考えていたんだけれど、昼休みを逃した以上は放課後しかないだろうね」

清瀬「そうやんね。二年生フロアに行く勇気はないし、やっぱり放課後……うう、緊張する……」

鈴木「……」モグモグモグ

清瀬(? 鈴木さんも緊張してやんのかな……?)

清瀬(そら緊張するやんね。初恋なんやもん。う、うちがしっかりせな!)

清瀬「しゃきっとせんかい!」

鈴木「」ビクッ

清瀬(気合いや!気合いやで、清瀬!)グッ

鈴木(清瀬のキャラ崩壊はいつになったら落ち着くんだろう……)


653: ◆UTA.....5w:2013/2/20(水) 17:42:22 ID:ckuIzWtpdw

──校門近くの物陰


清兄「ふう。えらいしつこい先生やったなあ。外に逃げたはええけど、ずっと校門で見張っとるし……」

清兄「気付けばもう学校終わる時間とちゃいますのん。僕お昼ご飯も食べてへんのにー」

清兄「えと、何やっけ。し、し……アカン、彼氏の名前ほぼ忘れてもうた!」

清兄「とにかくアレや!早くせな何とかくんも帰ってまうし!」

清兄「まずはあの先生をどないかせん事には……」チラッ

清兄「! 居てはらへんやないの!ラッキー!」

清兄「ほな、もう一度お邪魔させて頂きますかね」コソコソ

清兄「……アカン、僕ホンマに変質者みたいや」


654: ◆UTA.....5w:2013/2/20(水) 17:43:34 ID:0qRAev2QxY

清兄「中に入ったはええけど、生徒さんが見当たらへんやん。アレか、皆さんHRっちゅうやつか」

清兄「なんかええなあ……響きがもう青春やなあ。僕にもあんな時代がありましたよ」ニマニマ

女生徒「聞いた?変な人が学校内うろついてるらしいよ」

女生徒「お昼休みに生徒指導が追い掛けてたやつでしょ?キモいよねー」

清兄「おや、言うてる間に生徒さんとバッタリですわ。お嬢さん達ちょっとええかな?」

女生徒「」

女生徒「……ねえ、もしかしてこの人……」

清兄「?」ヘラヘラ

女生徒「ぎゃああああ変質者ああああああ!!!」

清兄「へ、変質者……!?」


655: ◆UTA.....5w:2013/2/20(水) 17:44:13 ID:ckuIzWtpdw

清兄「ちゃう、ちゃうねん。僕は別に怪しい奴やないんです」ワタワタ

女生徒「誰かー!変質者が居るー!」

清兄「ちょっ……だから変質者ちゃうんやってば」

女生徒「いやああああ!触らないでええええええ!」

清兄「止めて!誤解を招くような事叫ばんといて!」


 ドドドドド…

生徒指導「また現れやがったかタココラァァァ!!」


清兄「ひっ……また現れよったあの先生!」

清兄「お嬢さん達、驚かせてごめんやで。捕まる訳にはいかへんから逃げさせてもらいまーす!」ダッ

女生徒「いやあああ!逃げたあああ!」


656: ◆UTA.....5w:2013/2/20(水) 17:45:27 ID:ckuIzWtpdw

──廊下


鳴海「うへへ、大量大量。プライドなんか捨てちまえばこんなにも義理チョコ貰えんだぞー」

桃山「アタシの手作りチョコまで奪うなんて、本当にプライドないわよね」

橘「まったくだな。そんなもの頭を下げなくとも手に入るだろうに」

篠原「? 橘、チョコ貰ったの?」

桃山「あらやだ!いつの間に?」

橘「昼休みにな。眼鏡を掛けた控えめなおさげ女だったぞ」ドヤァ

鳴海「うーわ、物好きも居たもんだな」

篠原「本命だったの?告白されちゃった?」ワクワク

橘「ふむ。告白、か……」


657: ◆UTA.....5w:2013/2/20(水) 17:53:09 ID:0qRAev2QxY

橘「確かに何かを言おうとはしていたが、そんな事より気になる事があってな」

桃山「気になる事って何よ。アンタまさか……」

橘「乳だ」

桃山「……」

橘「あの女、見るからにサイズの合っていない下着を着用していたんだよ。まだ十代だというのに明らかにたわんでいた。聞けばスポーツブラだと言うではないか」

橘「いや、運動をするのであれば上下の揺れを軽減させるのには非常に有効だと言える。ストラップのずれも起こりにくく、負担はかなり減るだろう。見た目こそ華やかではないが、スポーツブラを悪だとは俺は思わないんだ」

橘「しかしどうだ。あの女は運動をする為に着用しているのではないと言うではないか。楽だから、ワイヤーが苦手だからという理由でサイズの合っていないスポーツブラを使用してやがった。乳がたわむ訳だ」

橘「だから俺は言ってやったんだよ。乳を育てて出直して来い、ありがとう、と」

鳴海「長ぇよ変態が」

桃山「ありがとう以外全部余計よ!」

篠原「その子、橘にそれ言われてどうしたの?」

橘「走り去った。己の意識レベルの低さに羞恥したんだろう」

鳴海「いや、ドン引きしたんだろうよ……」


658: ◆UTA.....5w:2013/2/20(水) 17:55:04 ID:0qRAev2QxY

 バタバタバタ…


篠原「ん?なんか足音が……近付いてきてない?」

鳴海「階段の方だな」ヒョコ

清兄「ぬわあっ!」

鳴海「!?」


\ ドッシーン! /


清兄「あいたた……」

鳴海「危ねぇな!ちゃんと前見ろよ!」

清兄「ごめんなさ……あれ?」

橘「なんだ、昼間の兄じゃないか」

清兄「あー、お兄さんやー」ヘラ

桃山「知り合い?」

橘「いや、昼に少し話しただけだが……まだ探していたのか」

清兄「えへへ、此処まで来たらムキになってしもて。しつこい先生に追い掛け回されて予定狂いまくりですわ……」

篠原「しつこい先生?」


659: ◆UTA.....5w:2013/2/20(水) 17:56:09 ID:0qRAev2QxY

\ ヘンシツシャデテコイヤァァァ! /


清兄「アカン、来よったー!」

鳴海「全然話が見えねぇんだけど、あの声って生徒指導じゃね?」

桃山「間違いないわね。でも、変質者って確か担任ちゃんがHRで言ってた……」

清兄「ちゃうねん、誤解やねん。説明してる時間がないんやけど助けて下さい!」

橘「人探しをしているだけで、こいつは変質者ではないぞ。それだけは確かだ」

篠原「あはは、じゃあ一緒に逃げよっかー」ヘラヘラ

清兄「なんや、緊張感のない子やねぇ。お兄さん達、お名前は?僕は──」

生徒指導「やっと見付けたぞタココラァァァ!!」ダダダ

鳴海「うわっ!来た!とりあえず逃げるぞ!」

生徒指導「またお前らか4馬鹿共おおおおお!!!」

桃山「違うのよ先生、誤解よー!」

生徒指導「だったら止まらんかクソガキがああああ!!!」


660: ◆UTA.....5w:2013/2/20(水) 17:58:10 ID:ckuIzWtpdw

──────‐‥


鳴海「上手く撒けたか……?」ハァハァ

桃山「こ、声は聞こえなくなったわね……」ゼイゼイ

橘「前にも言ったがな……俺は運動は得意としてないんだよ……」グッタリ

篠原「あはは、何とか逃げ切れたけど、此処屋上だよ。見付かったら逃げ道ないじゃん」

清兄「へへ、体力には結構自信あったんやけど、お兄さん凄いなあ。僕もヘトヘトやー」

篠原「いやあ、それ程でもー」

橘「ヘラヘラしやがって。似た者同士め……」

清兄「いやあ、それ程でもー」

桃山「何だか可愛らしい子ね。でも褒めてないんだからね」

清兄「オカマちゃんのツッコミもなかなか鋭いなあ。この学校はおもろい子が一杯やね」ニコニコ


661: ◆UTA.....5w:2013/2/20(水) 17:59:06 ID:0qRAev2QxY

鳴海「つーか、アンタなんで此処に来たわけ?」

桃山「そうね、アタシも気になるわ。人探しならわざわざ生徒指導先生から逃げなくてもいいんじゃない?」

清兄「あー、うん。ただの人探しなら先生方に訊いた方が早いんやけどね」

清兄「僕の妹がこの学校に通ってるんよ。ほんで、えらい青春しとるって聞いたもんやから覗き見したろ思て……妹にバレたら怒られるやろし、こっそり見ようかと……」

篠原「あはは、お兄さんシスコンだ」

清兄「ファミコンです!」キリッ

鳴海「んで、妹って誰だ?俺達の知ってる奴?」

橘「特徴は聞いたが、どうやら俺達の知り合いではないようだ」

桃山「あら、それじゃあ何も協力してあげられないじゃないの」


662: ◆UTA.....5w:2013/2/20(水) 18:04:24 ID:0qRAev2QxY

清兄「いや、ホンマはもうええかなーとか思たりしてるんよね」

橘「しかし……」

清兄「アカンたれな妹が慣れん土地でどう過ごしてるんか心配やったけど、君ら見てたら大丈夫な気がしてきたし」

清兄「きっと恋に友情に勉強にと、目まぐるしい青春の日々を過ごしてるんやろね」

桃山「アタシ達の周りだけでも本当に色々あったものね。案外忙しいわよ、高校生も」

鳴海「俺達の周りは色々ありすぎな気がするけどな」

篠原「最近漸く落ち着いてきたよねー」

清兄「あはは、そっか!そら羨ましい!」

橘「兄よ、幸いまだ生徒の大多数は下校していない。大人しく生徒指導に捕まって、せめて妹に挨拶でもしたらどうだ。帰るのだろう、地元に」


663: ◆UTA.....5w:2013/2/20(水) 18:04:58 ID:ckuIzWtpdw

清兄「うーん、やっぱりいいや。怒られるん嫌やし、ほら、今日バレンタインやしね!」

鳴海「バレンタインは関係ねぇだろ」

清兄「甘いな少年。学生にとってイベントとは、背中を押す重要な役割を果たしているのだよ」

篠原「学生限定なの?」

清兄「大人にとってもそうかもしれんけどね。でもまあ、君らよりはやっぱり上手になるよ、上辺の付き合いとかは」

清兄「好きな人に渡す為に徹夜でチョコ作ったり、頭ん中それで一杯にしてキャッキャ出来るんは今の内ですよ。大人になっても出来ひん事はないけどね」

清兄「君らも今みたいにずっと一緒に居れる事ないんやから、後悔のないようにね」

鳴海「そんなの、どうすりゃいいか分かんねぇよ……」

清兄「簡単簡単!素直になればええんよ!」

桃山「素直に、ね。案外難しい事よね」


664: ◆UTA.....5w:2013/2/20(水) 18:05:59 ID:0qRAev2QxY

清兄「そうやね、思春期なら尚更やね。でも、あの時ちゃんと伝えてればっていう後悔は、少なくともせんで済むよ」

清兄「ごめんね、ありがとう、大好き。この気持ちが伝えられたら十分です!」

桃山「それが出来ないのが子供なのよねぇ」

橘「そんなこっ恥ずかしい事、簡単に言えるわけがないだろう」

清兄「あはは、まあそうやんね。うん、僕もそうやった」

篠原「……俺は、」

清兄「?」

篠原「俺は素直になれなくて後悔したから……もうあんな思いはしたくない、と思う。ちゃんと、本当の自分で向き合っていきたい、です」

清兄「そっかそっか、うん。色々あったんやろねぇ、特に君は」ヨシヨシ

清兄「今のこの瞬間は今しかないんやから、何事にも必死になるとええよ。諦める事を覚えるんはもっと先でええんやから」

清兄「……って、僕ちょっとクサすぎやろか」ヘラヘラ


665: ◆UTA.....5w:2013/2/20(水) 18:07:31 ID:0qRAev2QxY

鳴海「クサすぎ。んで、生徒指導と似たような事言ってる」

桃山「そういえば言ってたような気がするわね」

清兄「あれ、そうなん?あの先生もなかなか熱い人なんやね」

篠原「あのー、さっきから思ってたんだけど、お兄さんの妹って本当に俺達の知らない人?」

橘「さっき言っただろう。特徴を聞いても思い当たる人物が居なかったんだよ」

篠原「でもさ、何となく話し方とか言葉のイントネーションとか……そういえば名前、聞いてないし」

清兄「あ、そっか自己紹介してへんかった。僕の名前は──」


清瀬「お、おお、お兄ちゃん!?」

鈴木「ほら、やっぱり屋上だった」


清兄「あちゃー、よりによって妹に見付かってもた」

鳴海「え?マジで?ピヨの兄貴?」

桃山「ちょっと!何が『知り合いではないようだ』よ!」

橘「……あれ?」


666: ◆UTA.....5w:2013/2/20(水) 18:08:37 ID:ckuIzWtpdw

清兄「なんや、君ら知り合いやったんかいな!」

篠原「やっぱり!なんか似てる気がしてたんだもん!」

清瀬「皆が走り回ってるん見掛けて探しとったんやけど、な、なんでお兄ちゃんが一緒なんよ!」

鈴木「噂の変質者の正体はお兄さんだったんだね」

鳴海「何だよ!全然話が見えねぇ!」

桃山「可愛らしい子だと思っていたけれど、ピヨちゃんのお兄ちゃんだったのね。ちょっと納得したわ」

\ ワイノワイノ /


橘「ええい!一気に喋るんじゃない!」

橘「順番に喋れ!順番に!」


667: ◆UTA.....5w:2013/2/20(水) 18:10:02 ID:0qRAev2QxY

清瀬「えっと、うちの兄です……ご、ご迷惑お掛けしまして……」

清兄「改めまして、お兄ちゃんでーす」ヘラヘラ

鈴木「鈴木です」

鳴海「知ってるわ!」

清兄「あはは、ナイスツッコミ!」

清瀬「ナイスツッコミ!やないよ!色んな人に迷惑掛けて!阿呆!」

橘(本当に阿呆って言った……)

橘(待てよ。だとすると兄が会いたがっていたのは……)

篠原「仲良しだねー」ヘラヘラ

橘「おいお前、ヘラヘラしてる場合じゃないぞ。兄は誤解をしているようだ」コソコソ

篠原「へ?何が?」

橘「いいか、兄がこの学校に来たのには理由があるんだ。どうやら清瀬に彼──」

桃山「ちょっと、アンタ達なにベタベタしてんのよ。離れなさいよ」

清兄「オカマちゃんはその、恋愛感もオカマちゃん……?」

鳴海「あー、違う違う。こいつオカマのくせに恋愛対象は女なんだよ。篠原だけ特別なんだってさ」


668: ◆UTA.....5w:2013/2/20(水) 18:10:51 ID:ckuIzWtpdw

清兄「なるほど……って、篠原?あれ?どっかで聞いたような……」

篠原「? 篠原は俺だけど」

清兄「あー!分かった!なんとかくん!なんとかくんや!」

清瀬「お兄ちゃん、何言うてんの……?」

鳴海「そりゃ全員なんとかくんになるだろうよ」

清兄「んん?ちょっと待ってや。よう考えたら君、小さい男の子……?」

鳴海「は?」

清兄「なんか僕、分かってしもたかも。君が鈴木さんの──」

鈴木「バレンタインおめでとう!」シュッ

清兄「んぎゃ!」スコーン!

清兄「いったあ!?何かおでこに刺さった!」

鈴木「チョコレートです。召し上がれ」

清兄「なんでこのタイミング……」

鈴木「召 し 上 が れ」

清兄「何なんめっちゃ怖いやん」ブルブル


669: ◆UTA.....5w:2013/2/20(水) 18:11:58 ID:ckuIzWtpdw

鈴木「皆にもあるんだよ、チョコレート。渡そうと思って探してたの」

橘「ほう。なかなか気が利く」

清瀬「あの、う、うちからも皆さんに……」

桃山「まあ、嬉しい!」

鈴木「……」

鳴海「? 何だよ?」

鈴木「鳴海、甘いものが好きだと言った。だから私、カップケーキも作った」

鳴海「お、おう……ありがとう……?」

鈴木「味の保証、ない。でも、食べてほしい」

鳴海「つーか、なんで片言……」

清瀬(鈴木さん緊張しとる……!)キュンッ

桃山(うふふ、緊張してるのね)ニマニマ

清兄(何これ甘酸っぱい!)プルプル

橘「何だこいつら気持ち悪い」


670: ◆UTA.....5w:2013/2/20(水) 18:12:41 ID:0qRAev2QxY

清瀬「あの、えっと、うちもクッキーブラウニーを……し、しし、篠原くんっ……」

篠原「わーい、作ってくれたの?」

清瀬「は、はい!よかったら食べ──」

清兄「ちょっと待ったー!!」

清兄「君、篠原くんやんな?話は聞いたで!」キリッ

篠原「え?話って何を……」

橘「ちょっと待て、兄。お前は勘違いをだな……」

清兄「ええねんええねん、皆まで言うな。僕は何も口出しするつもりはないねん」

清瀬(なんでお兄ちゃんが篠原くんの事知ってるんやろか……)

鈴木「……ごめん、私の所為だ」

清瀬「?」

鈴木「私、昨日うっかり篠原くんの話をお兄さんに……」

清瀬「何……やて……!?」


671: ◆UTA.....5w:2013/2/20(水) 18:17:01 ID:0qRAev2QxY

清兄「篠原くん!」ガシッ

篠原「うわっ、はい!何でしょうか!」

清兄「遊びやないやんね……?」

篠原「……へ?」

清兄「だってなんかイケメンなんやもん!もっとヒョロヒョロした地味な子想像しとったのに元気ハツラツな爽やか男子なんやもん!」

清兄「絶対モテるやろ!引く手数多やろ!何なら僕も抱かれてもええくらいやわ!」

篠原「ええ!?」

鳴海「今さらっと恐ろしい事言ったよな」

桃山「言ったわね。一部の女子が喜びそうだわ」

清瀬(アカン、絶対いらん事言われる……!)

清兄「浮気なんかしたらお兄ちゃん許さへんねんからね!」

篠原「う、浮気……?」

清瀬「イエーイ!ハッピーバレンタイーン!」シュッ

篠原「んぎゃっ!?」スコーン!

桃山「きゃー!篠くん!」

清瀬「……お兄ちゃん、」

清兄「?」

清瀬「そろそろ帰った方がええんとちゃうか……?」ゴゴゴゴ


672: ◆UTA.....5w:2013/2/20(水) 18:17:33 ID:0qRAev2QxY

──校門前


清兄「えーと、色々とご迷惑をお掛けしまして……」ゴニョゴニョ

桃山「今度はゆっくり来て頂戴ね。生徒指導先生へはアタシ達から説明しておくから」

清瀬「学校へは来んでええよ、もう二度と」ニコニコ

清兄「めっちゃ怒ってるやん!怖い!」

鳴海「ピヨってこんなキャラだったっけ……」

鈴木「最近不安定なんだよ、キャラが」

清瀬「あの、兄がご迷惑をお掛けしてすみませんでした。責任持って連れて帰りますんで」

鈴木「お兄さんが送ってくれるそうなので、私も此処で」

清兄「お兄さん達、また会おなー」ヘラヘラ

清瀬「ほら、早よ行くで!」グイッ

清兄「またねー」ズルズル

鳴海「……何だったんだ、アレ」

篠原(おでこ痛い……)ズキズキ


673: ◆UTA.....5w:2013/2/20(水) 18:18:19 ID:0qRAev2QxY

桃山「可愛らしい子だったじゃない、ピヨちゃんのお兄ちゃん」

鳴海「なんかヘラヘラした奴だったけどな。そもそも何しに侵入してたのかよく分かんねぇし」

篠原(スコーン!っておでこに刺さった……)ズキズキ

橘「……年の離れた妹を持つと心配にもなるんだよ。下が居ないお前達には分からないだろうがな」

橘「ましてや、あんな奥手なガキが彼氏などと聞かされれば尚更……」

桃山「彼氏って……誰のよ?」

橘「清瀬のだよ。どうやら兄は恋人が出来たと勘違いしていたらしい」

鳴海「ふーん。で、どんな奴か気になって忍び込んだって訳か」

橘「そういう事だ。結局誤解も解けないまま行ってしまったがな」

篠原(おでこ割れてないかな……)ズキズキ


674: ◆UTA.....5w:2013/2/20(水) 18:19:30 ID:0qRAev2QxY

桃山「ま、その辺はピヨちゃんが説明するでしょ」

鳴海「でもさー、それって誤解なのかよ?」

橘「さて、どうだかな。何にせよ、中途半端はよくないと思うぞ」

篠原「? なに?」

桃山「お兄ちゃんも言ってたでしょ、何事にも必死になれって。そういう事よ」

篠原「うん……?」

鳴海「鈍チン過ぎて可哀想に思えてくるわ」ハァ

桃山(アンタには言われたくないと思うけどねぇ……)ハァ

橘「お前の額に突き刺さったそれが、あいつの気持ちなのだろう。ちゃんと考えてやれよ」

鳴海「待ちくたびれて愛想尽かされても知らねぇぞー?」ニヤニヤ

桃山「さて、アタシ達も帰りましょうか!生徒指導先生に見付かったら面倒だしね!」

橘「そうだな。妹達の迎えがあるから俺は此処で失礼する」

鳴海「俺も帰ってチョコ食わねぇとだからまたな!」

篠原「また明日ねー!」


篠原「……」

篠原「気持ち、かぁ……」

篠原「……痛いなぁ」ズキズキ


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