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3センチメンタル・ヤング・ピーポー【2】
[8] -25 -50 

1: ◆UTA.....5w:2012/7/31(火) 17:25:45 ID:N3rkjbtVuM


高校生の馬鹿馬鹿しくて、

ちょっぴりセンチメンタルな

青春グラフィティ───続行。


【前スレ目次】
http://llike-2ch.sakura.ne.jp/bbs/test/mread.cgi/2ch3/1327757079/993-995

【登場人物】
>>2-3

【当スレ目次】
>>768-769


134: ◆UTA.....5w:2012/8/30(木) 17:59:16 ID:oGncu4DJc6

──教室


担任「──えっと、以上でSHRを終わります」


桃山「ねぇ、担任ちゃん」

担任「……」フルフル

桃山「そう……」

担任「で、でも、検査結果も異常なかったし、お母さんからちゃんと連絡は貰ってるから、ね?」

桃山「……怪我の心配をしてる訳じゃないんだけどね」

担任「あれ、喧嘩でもしたの?」

桃山「アタシが愛しの篠くんに喧嘩なんて売る訳ないでしょ。教えてくれてありがと」トボトボ

担任「……何かあったのかしら」

担任(“愛しの”には、触れるべきだったのかな?)ウーン


135: ◆UTA.....5w:2012/8/30(木) 18:01:08 ID:oGncu4DJc6

桃山「……」トボトボ

橘「今日も篠原は欠席、か……」

鳴海「あれからもう一週間近く経つんだけど」

桃山「篠くん、文化祭にも参加しないのかしら……」

橘「まだ俺の美しきメイド姿を見ていないんだ。来るに決まってる」

鳴海「……誰がお前のメイド姿目当てで来るんだよ、馬鹿」

桃山「そんなの誰も期待してないわよ……」ハァ

橘(ツッコミに勢いが足りん……!)

橘「まったく、心配掛けやがって……」ハァ


136: ◆UTA.....5w:2012/8/30(木) 18:02:59 ID:Ow7SAWLc86

──昼休み、食堂


ワイワイ ガヤガヤ…


鈴木「鳴海くん」

鳴海「う、お!?なんだお前か、いきなり後ろから声掛けんなよー」

鈴木「君、小さいから。見失う前に捕まえとかないと」

鳴海「俺は野生の動物か何かかよ」

鈴木「篠原くんは、まだ?」

鳴海「……ん」

鈴木「そう、来てないのね」


137: ◆UTA.....5w:2012/8/30(木) 18:04:16 ID:Ow7SAWLc86

鈴木「そういえば一人でも買いに来るんだね、プリン」

鳴海「え?あー……うん。あいつがサボってる間に手に入れてやろうと思ってんだけど、なかなか」

鈴木「君達は本当に友達思いの良い子達だね」

鳴海「べ、別にあいつの分なんか買うつもりじゃねぇし!写メ送って自慢するつもりなだけだし!」

鈴木「……ツンデレ」ボソ

鳴海「は?」

鈴木「元気出してね。清瀬も随分暗い顔してるから、私まで滅入りそうだよ」ポンポン

鳴海「……」

鈴木「じゃあね、しょんべんくん」

鳴海「しょんべんって言うな、ばーか」

鳴海(あーあ、なんか調子狂うわ……)


138: ◆UTA.....5w:2012/8/30(木) 18:06:09 ID:Ow7SAWLc86

──教室

ガラガラ


桃山「なるみん、お帰り」

鳴海「……ん」ガタン

橘「どうせまた売り切れてたんだろう」

鳴海「うん」

桃山「早くご飯食べなさいな。お昼休み終わっちゃうわよ」

橘「まったく、いつもいつも道草を食うから時間がなくなるんだぞ」

鳴海「鈴木とちょっと喋っただけだって。なんか、元気出せとか言われたけど……」


139: ◆UTA.....5w:2012/8/30(木) 18:10:06 ID:oGncu4DJc6

橘「ご尤もな意見だな」

桃山「……そうね、アタシ達がシュンとしてたってしょうがないものね」

鳴海「……なあ、」

鳴海「“ハル”って、誰の事なんだろ」


 『──ハルは、俺じゃない』

 『俺じゃないんだよ』


桃山「確かに篠くんの名前じゃないけれど……誰なのかしらね」

橘「……」

鳴海「“貴方まで”って、篠原の母ちゃん言ってた」

鳴海「やっぱり、それって──」


 ガラガラッ!


140: ◆UTA.....5w:2012/8/30(木) 18:12:56 ID:Ow7SAWLc86

橘「!」

鳴海「篠原!」

桃山「篠くん……!」

篠原「……」

篠原「おはよ、皆」ヘラッ


女子A「嘘、本物!?」

女子B「篠原くん……皆心配してたんだよ……!」

女子C「篠原ー!サボりすぎだよー!」

男子B「うわー!久しぶりー!」

男子C「……よかった、無事で」

男子A「篠原……おれ、俺……俺が頼んだりしたからってずっと思ってて……」

男子A「よかったよおおお!」ウワァァン

篠原「あはは、皆ごめんねー。ちょっとサボりすぎちゃった」


141: ◆UTA.....5w:2012/8/30(木) 18:15:04 ID:oGncu4DJc6

篠原「えーと……おはよう」

桃山「篠くん……」ウォ

鳴海「気持ち悪いグズり方すんなよ」

橘「もう昼過ぎだぞ、篠原。正しく挨拶したいのなら“こんにちは”だ」

篠原「……あは。相変わらずだなぁ、もう」

桃山「篠原くんんんん!」ウォーン

篠原「桃ちゃん、心配掛けてごめんね」

鳴海「ったく、怪我人に抱き付くなよオカマ」

篠原「鳴海もごめんね。毎日メールくれて嬉しかった」

橘「ほう。そんな事をしていたのか、このチビは」

篠原「橘も、ごめん。あの時言ってくれた事、嬉しかった」


142: ◆UTA.....5w:2012/8/30(木) 18:17:56 ID:Ow7SAWLc86

桃山「あの時って……篠くんを口説くつもりだったのね!」

橘「お前と一緒にするな。俺は弾力性のある女の曲線美以外興味はない」

鳴海「何だよメガネ、どんな格好良い事言ったんだよ」ニヤニヤ

橘「あー喧しい!チビは黙って食ってろ!篠原もつっ立っていないでいい加減座れ!」

篠原「はーい」クスクス

桃山「でも、本当によかった。これで安心して文化祭に臨めるわね」

篠原「全然手伝わなくてごめんね。後ちょっとしかないけど、全力でお手伝いします!」

橘「お前は黙ってメイド修行してろ。もう皆は完璧なメイドだぞ」

鳴海「カツラも全員分ありゃ完璧なのになー」


143: ◆UTA.....5w:2012/8/30(木) 18:18:51 ID:oGncu4DJc6

篠原「皆の修行も清瀬さんと鈴木さんが手伝ってくれたの?」

桃山「やだ、流石にそんな事まで頼めないわよー」

橘「清瀬には一度、萌え萌えビームを披露してもらったがな」

篠原「上級生の男子に囲まれて萌え萌えビーム……可哀想に」

鳴海「メガネが萌え萌えビームしたら凄まじいブーイングが浴びせられたからな」

橘「あれはいまいち納得がいかん。俺の萌え萌えビームは完璧な萌え萌えビームだった筈だ」

篠原「よく分かんないけど、萌え萌えビームって奥が深いんだね……」ゴクリ

桃山「ねぇ、そろそろ萌え萌えビーム連呼するの止めましょうか」


144: ◆UTA.....5w:2012/8/30(木) 18:20:22 ID:Ow7SAWLc86

桃山「そういえば篠くん、お昼は済ませたの?」

篠原「ううん、今日はまだ何にも食べてない」

橘「何も、だと?何やってるんだお前は。ちゃんと食え」

鳴海「まだ時間あるし、購買行けば?」

篠原「あー……うん、もういいや」

鳴海「そういや、鈴木達食堂で飯食ってたぞ。心配してた」

桃山「そうね、鈴木ちゃん達にも篠くんが来た事教えてあげなきゃね」

篠原「うーん、流石にもう食堂にも居ないだろうし、やっぱりいいや。会ったらちゃんと謝るよ」

鳴海「ふーん。ま、別にいいけど」


145: ◆UTA.....5w:2012/8/30(木) 18:24:33 ID:oGncu4DJc6

桃山「なんか喉渇いちゃった。ジュースでも買いに行こうかしら」

橘「それなら俺の──…」

桃山「コーヒー牛乳ね。アンタ達は何かいる?」

篠原「ううん、俺はいい。ありがと」

鳴海「俺もいいや」

桃山「そう?じゃあ行ってくるわね」ガタン

橘「しかし、もうあまり時間がないぞ。道草食わずに真っ直ぐ帰って来いよ」

桃山「分かってるわよ、お兄ちゃん」バチコン-☆

ガラガラ──ピシャン

鳴海「……うぇー」

橘「オカマのウィンク程ゾッとするものはないな」

篠原「あはは、二人共酷ーい」


146: ◆UTA.....5w:2012/8/30(木) 18:27:38 ID:Ow7SAWLc86

タッタッタッ…


桃山(やっぱり、ちゃんと教えてあげなきゃねぇ……)

桃山(同じ学校と言っても、毎日会える訳じゃないもの)

桃山「やーだ!アタシってばお節介な乙女ちゃんっ!」キャッ

鈴木「一人で何をクネクネしてるの?」

桃山「あら、随分簡単に会えちゃったわね……」

清瀬「こ、こんにちは、桃さん」

桃山「丁度よかったわ。二人の事を探してたのよー」

鈴木「私達を?」


147: ◆UTA.....5w:2012/8/30(木) 18:30:06 ID:oGncu4DJc6

──────‐‥


鈴木「そう。篠原くん、来たんだね」

桃山「ついさっきなんだけどね。鈴木ちゃん達も気になってただろうから珍しく階段掛け降りちゃったわよー」

鈴木「……よかった、本当に」

清瀬「……っ」

桃山「!?」ギョッ

清瀬「ホンマよかっ……よかった……っ」

桃山「やだ、泣かないで頂戴な」おろおろ

鈴木「清瀬、ずっと元気なかったから。君達みたいに」

桃山「……そう。そうね、心配だったわよね」


148: ◆UTA.....5w:2012/8/30(木) 18:37:15 ID:Ow7SAWLc86

清瀬「ご、ごめんなさい。ホッとしたら、なんか……」ズビ

桃山「いいのよ、アタシも泣いちゃったもの」

鈴木「泣く程思ってくれる人が居るなんて、篠原くんは幸せ者だね」

桃山「……そう思ってくれてたら嬉しいわね」

鈴木「?」

桃山「下手な興味本位は、かえってあの子を傷付けてしまうのかも……」

桃山「それでも力になりたいし、大好きな子の事は知りたくもなるんだけどね」ニコ

清瀬「うち、も……うちも力になりたいし、篠原くんが知りたい、です」

清瀬「うちなんかに、出来る事なんかないかもやけど……」

桃山「ピヨちゃん……」


149: ◆UTA.....5w:2012/8/30(木) 18:38:37 ID:oGncu4DJc6

キーン コーン カーン コーン…


鈴木「あ、予鈴」

清瀬「す、鈴木さん次移動教室やから走らな……!」

鈴木「了解」スッ

桃山「クラウチングスタート!?」

清瀬「あ、えっと、失礼します。わざわざありがとうございました」ペコ

鈴木「ありがとう、桃ちゃん。ごきげんよう」

──ビュンッ!

清瀬「鈴木さん待ってえええぇ!」



桃山「ご、ごきげんよう……」ポカーン

桃山「いっけない!アタシもぼーっとしてる場合じゃないわ!」


タッタッタッ──ピタリ


桃山「……」

桃山「乙女の勘は当たるかも、ね……」


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