神様「神様だっ!」 神使「神力ゼロですが・・・」
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426: ◆8YCWQhLlF2 :2020/10/30(金) 00:29:46 ID:rwDMruAs
――― 山ノ駅
神様「うへ~ やっと駅かよ。 こんなに遠かったっけ?」
主神「神社からですと本当は隣町の海ノ駅の方が近いんですが・・・」
神様「じゃぁそっちから乗れよ!」
巫女「こちらの駅の方が電車の本数が多いんです」
神様「あ~ そういう事ね」
神使「では、行きましょうか」
427: ◆8YCWQhLlF2 :2020/10/30(金) 00:30:24 ID:rwDMruAs
――― 電車内
ガタンゴトン
神様「どのくらい乗るの?」
巫女「二駅先ですからすぐ着くと思います」
神様「良かった。 38時間とか言われたらどうしようかと思った」
巫女「38時間!?」
神様「冗談だと思うでしょ? でもこのクソ犬は平気でそういう事するの」
神使「金銭的に色々ありまして・・・」
428: ◆8YCWQhLlF2 :2020/10/30(金) 00:31:21 ID:rwDMruAs
主神「神様はお金いっぱい持っているじゃないですか」
神様「あ?」
神使「神宮銀行の神様の口座には18円しか残高がないんです」
主神「あれ? 神宮資産管理銀行の方がメインですよね?」
神様「ねぇ、そういうトップシークレットをベラベラ話さないでくれる?」
主神「あっ、そうでした。 すみません・・・」
神使「毎日金欠金欠言ってるならその銀行からお金下ろせば良いじゃないですか」
神様「キャッシュカードがねーんだよ。 そもそも、その銀行がどこにあるかも知らねーし」
神使「そうなんですか・・・」
429: ◆8YCWQhLlF2 :2020/10/30(金) 00:32:04 ID:rwDMruAs
放送「まもなく~ 海山の境駅に到着しま~す」
巫女「あっ、私ちょっとお手洗いに行ってきます」
神様「あんまり長いことブリブリしてると置いて行っちゃうよ~」
巫女「そ、そんなに長くありません! それに・・・し、小の方です///」スタスタ
神使「神様・・・ はしたなさ過ぎますよ」
主神「あまり虐めないで下さい。 30年ぶりの大切な巫女さんなんですから」
神様「分かってるって。 あそこまで優秀な巫女は中々――― !?」クルッ
ポワ ポワ~ン
神使「どうしました?」
神様「・・・・・・。 後ろの車両から変な力を感じた」
430: ◆8YCWQhLlF2 :2020/10/30(金) 00:32:36 ID:rwDMruAs
神使「後ろって、巫女さんがトイレに!」
神様「しまった!」タッタッタッ
神使「あっ、神様!」タッタッタッ
神様「主神はこの車両で待機! 何かあったら――― ウギャッ」ドンッ
巫女「キャッ!」ドンッ
神様「痛たた・・・」
巫女「どうされたんですか!?」
神使「巫女さん無事でしたか」ホッ
431: ◆8YCWQhLlF2 :2020/10/30(金) 00:33:08 ID:rwDMruAs
巫女「そんなに慌てて何かあったんですか?」
神様「隣の車両で変な物を見たり感じたりしなかった?」
巫女「いえ、特には。 お手洗いに行っただけですから」
神使「後ろの車両を見てきます」スタスタ
神様「気をつけろよ」
神使「あれ?」キョロキョロ
神様「どした、何かあったか?」
神使「後ろにの車両には誰もいないようです。 ただ・・・」
神様「ただ?」
神使「いえ・・・ 何でも・・・」
神様「?」
432: ◆8YCWQhLlF2 :2020/10/30(金) 00:33:40 ID:rwDMruAs
――― 数分後
神使「一体何だったのでしょう」
主神「私にも微かですが神力に近いものを感じました」
神様「巫女ちゃんは何か見たりしなかった?」
巫女「いえ、特に何も」
神使「・・・・・・。 お手洗いに不審な点はありませんでしたか?」
巫女「なかったと思います」
神使「・・・そうですか」
433: ◆8YCWQhLlF2 :2020/10/30(金) 00:34:15 ID:rwDMruAs
放送「まもなく~ ストロベリー温泉駅に到着しま~す」
巫女「あっ、そろそろ着くみたいですね」
神使「どうされますか?」
神様「決まってるだろ」
神使「そうですね、このまま放置しては―――」
神様「ストロベリー温泉で私はイチゴ姫になる!!」
神使「・・・・・・」
プシュー
神様「ほら、早く降りるぞ」トテトテ
435: ◆8YCWQhLlF2 :2020/11/02(月) 23:50:59 ID:QSF0Es.Q
――― 海ノ中学・教室
生徒A「どう? 見つかった?」
生徒B「保健室にはいなかったよ」
少女「どうしたの? こんな時間まで」テクテク
生徒A「あっ、少女ちゃん」
生徒B「少女ちゃんもまだ学校に残ってたんだ」
少女「委員会が長引いて。 下校時間過ぎてるけど何かあった?」
生徒A「実はC子ちゃんがいなくて」
少女「C子ちゃん? 先に帰ったんじゃないの?」
生徒B「でも鞄はまだあるんだよね」
生徒A「今朝のこともあるし、ちょっと心配で・・・」
少女「・・・・・・」
436: ◆8YCWQhLlF2 :2020/11/02(月) 23:51:50 ID:QSF0Es.Q
生徒A「神ちゃんに相談してみる?」
生徒B「そうだね。 電話してみようか」
少女「まって」
生徒AB「?」
少女「私が電話する。 その間にC子ちゃんを探しましょう」
生徒A「探すって・・・ 校舎は全部探したけど当てでもあるの?」
少女「私はもう一度校内を探すから、2人は校外の近場を捜してみて」
生徒B「うん」
生徒A「分かった」
少女「何かあれば携帯で連絡を取り合いましょう」
生徒A「じゃ、私達外行ってくるね」タッタッタッ
少女「・・・・・・。 まさか・・・」ボソッ
437: ◆8YCWQhLlF2 :2020/11/02(月) 23:53:29 ID:QSF0Es.Q
――― ストロベリー大浴場
チャポン
神様「いや~ 良い気持ちだねぇ~」ブクブク
巫女「この温泉は美容にとても効果があるみたいです」
神様「マジで!? んじゃ、体の内側も綺麗にしちゃお~」ゴクゴク
巫女「流石にそれは・・・ あまり飲まない方が良いかと」
神様「卵臭い・・・ そういえば温泉の元って・・・」ウエー
巫女「色はピンクでも、成分は温泉ですから」フフフ
神様「・・・巫女ちゃんはさぁ、どうして巫女になろうと思ったの?」
巫女「そうですね・・・ 私、将来は神社で働きたいと思っているんです」
神様「もう働いてるじゃん」
438: ◆8YCWQhLlF2 :2020/11/02(月) 23:54:29 ID:QSF0Es.Q
巫女「その・・・ 巫女としてではなくて、神社を管理できる立場になりたいと」
神様「あ~ 宮司って事ね」
巫女「まぁ・・・ そんな感じですね」
神様「今この業界は大変だよ~ 儲からないし」
巫女「そうみたいですね。 私はあまりお金には興味がないので」ハハハ
神様「まあ、困ったことがあったら何でも言ってね。 相談に乗るから」
巫女「その時はよろしくお願いします」ニコッ
神様「この町に立ち寄って巫女ちゃんと出会えたのも何かの縁だろうしね」
巫女「・・・・・・。 神ちゃん様は海ノ町で起こっている件でこちらに来たんですよね?」
神様「まぁね。 何か知ってたりするのかな?」
439: ◆8YCWQhLlF2 :2020/11/03(火) 00:07:24 ID:3RtMd9Mw
巫女「いえ、その・・・・ 私も見たことありますので」
神様「なるほど。 何か隠してそうな感じはしてたけど」
巫女「海ノ町では目撃情報は以前からありましたし。 特に最近は多いですから」
神様「まぁ、私的にはあまり触れたくないんだけどねぇ~」
巫女「モノノケは本当に悪い存在なんでしょうか・・・ 私にはそうは思えないんです」
神様「・・・・・・。 平安の末期、とある地から魑魅魍魎が出ると相談があってさ」
巫女「え?」
神様「私は実際にその地に足は運ばなかったから真偽は不明だけどね」
巫女「どうして、対処なさらなかったのですか?」
神様「対処・・・ か」
巫女「・・・・・・」
440: ◆8YCWQhLlF2 :2020/11/03(火) 00:08:30 ID:3RtMd9Mw
神様「私にはモノノケの気配は感じ取れなかったっていうのが正直なところ」
巫女「・・・・・・」
神様「私の知らない事柄に首突っ込んでも良し悪しの判断が出来ない」
巫女「神でも分からない事があるんですか?」
神様「そりゃあるさね。 犬ころが隠してるへそくりの場所とか、全く分からないし」
巫女「それは・・・ 分かってしまったらへそくりではなくなりますから・・・」
神様「それと同じ」
巫女「?」
神様「分かっていたら対処せざるを得ないから」
441: ◆8YCWQhLlF2 :2020/11/03(火) 00:09:30 ID:3RtMd9Mw
巫女「もし、神ちゃん様の知らない世界が存在していたとしたら・・・」
神様「したら?」
巫女「神ちゃん様は何かしらの対処をして頂けるんですか?」
神様「面白い質問だ」
巫女「・・・」
神様「今の私の気持ちとしてはやっぱり対処はしないかな」
巫女「それはこの国を治める神としてあまりにも無責任では?」
神様「へぇ~」
巫女「あっ・・・ すいません、失礼な発言でした」
神様「気にしないで。 ただ巫女ちゃんは一つ勘違いをしている」
巫女「勘違い?」
442: ◆8YCWQhLlF2 :2020/11/03(火) 00:10:09 ID:3RtMd9Mw
神様「神はこの国を治める存在じゃない」
巫女「え?」
神様「極論を言えば私が知ることが出来ない世界は私の管轄じゃない」
巫女「・・・随分と割り切られているんですね」
神様「ん~ その考え方もちょっと違うな」
巫女「?」
神様「まあ、私が守護する対象である人達に危害を加えるというなら話は別だけど」
巫女「・・・・・・」
神様「あともう一つ、対処をして欲しいと誰かの強い願いがあればその望みは叶える」
巫女「・・・・・・」
神様「まぁ、今は紙一重かな~」
巫女「・・・そうですか」
443: ◆8YCWQhLlF2 :2020/11/03(火) 00:10:47 ID:3RtMd9Mw
神様「さて、そろそろ上がりますか」サバッ
巫女「神ちゃん様・・・ お願いがあるのですが・・・」
神様「おや? 何かな?」
巫女「せめて前は隠して下さい///」
神様「そっちか~!」
巫女「・・・・・・」
444: ◆8YCWQhLlF2 :2020/11/03(火) 00:12:40 ID:3RtMd9Mw
――― ロビー
神様「うひょ~ このイチゴ牛乳うますぎ!」ゴクゴク
神使「ちょっと神様! 何本飲んでるんですか」
神様「だってこの自販機、手首に巻いた輪っか近づけるだけで出てくるんだもん」
神使「それ買ってるんですよ・・・ 後で精算されるんです・・・」
神様「気にすんなって。 あれ? 巫女ちゃんは?」キョロキョロ
主神「急ぎの用があるようで先に帰りました」
神様「そうなの?」
神使「もしかして、お風呂で巫女さんに引っ付いたりペロペロしたりしたんじゃないですか?」
神様「してねーよ! いつ私がそんな事したよ!」
神使「いつもしてます」
主神「何か携帯の留守電を聞いて慌てて飛び出していったようですが」
神様「ふ~ん・・・」
446: ◆8YCWQhLlF2 :2020/11/05(木) 02:20:30 ID:D.8AdPPc
――― 夜・本殿
神様「Zzz」グガー
神使「神様、寝るなら部屋に戻ってから寝て下さい」
神様「ん~ Zzz」モゾモゾ
神使「あっ、ご神体を枕なんかにしてバチ当たりますよ?」ユサユサ
神様「当てられるもんなら当ててみろってんだよ」ムニャムニャ
神使「まったく・・・」
447: ◆8YCWQhLlF2 :2020/11/05(木) 02:21:44 ID:D.8AdPPc
prrrr prrrr
神使「? 神様、携帯が鳴ってますよ」
神様「んだよこんな夜中に~」モソモソ
神使「夜中って・・・ まだ夜9時前ですが」
神様「もひもひ~ 皆のアイドル神ちゃんでしゅ」
生徒A『あっ! 神ちゃん! 助けて!』
神様「その声・・・ どうしたの! 何事!?」ガバッ
生徒A『海ノ町の神社! きゃ!』
神様「海ノ・・・ 今行く! 5分で着くから!」
448: ◆8YCWQhLlF2 :2020/11/05(木) 02:22:39 ID:D.8AdPPc
神使「どうされたんです?」
神様「主神は!」
神使「隣町にお酒を飲みに行かれましたが」
神様「つかえねーなー!」タッタッタッ
神使「ちょ、神様!」
神様「犬ころはここで待機してろ! 何かあったら電話する!」
神使「わかりました・・・」
神使「っていうか、ご神体置いていって下さい!」
449: ◆8YCWQhLlF2 :2020/11/05(木) 02:23:17 ID:D.8AdPPc
――― 海ノ神社前
神様「お~い!」タッタッタッ
生徒A「あっ! 神ちゃん! 助けて!!」
生徒B「お化け! お化けが!!」
変な生き物「ハロー ハロー」
神様「!? キテェー・・・」ゴクリ
キテェー「あなた失礼ね。 初対面なんだからさん付けで呼ぶのが礼儀じゃないの?」
神様「あっ、すいません・・・ っていうか声髙っ!」
450: ◆8YCWQhLlF2 :2020/11/05(木) 02:24:25 ID:D.8AdPPc
生徒A「神ちゃん! 向こうからもたくさん来る!」
神様「神社の中に入って隠れよう」
生徒B「それが門に鍵がかかってて入れないの!」
神様「神力錠か・・・」ガチャガチャ
生徒A「しんりきじょう?」
神様「液晶画面付って、いつの間にこんな最新型を作ったんだよ・・・」
生徒A「神ちゃん! 左からも何か変なのが来てる! 囲まれちゃう!」
神様「至急の対策が要の料、神の名におきて鍵を開くことおきつ!」ポワッ
“文法が正しくありません”
神様「ざけんなよ! 最高神の言うこと聞けや!!」ガチャガチャ
カチャ
神様「開いた! 2人とも早く神社の中に!」
生徒AB「うん」タッタッタッ
451: ◆8YCWQhLlF2 :2020/11/05(木) 02:25:28 ID:D.8AdPPc
――― 海ノ神社・本殿内
神様「よし! これで内側から鍵かけときゃしばらく持つかな」
生徒A「ねぇ神ちゃん、さっきの何?」
生徒B「やっぱりお化けかな?」
神様「う~ん・・・ キテェーさんをお化けと言って良いのか微妙だけど」
生徒A「どうしよう。 ここに隠れていてもすぐ見つかっちゃうよ」
生徒B「私達食べられちゃうのかな?」
神様「さ~て、どうすっかなぁ~」
生徒A「あれ? 神ちゃん何持ってるの?」
神様「ん? これは・・・ 枕だね。 さっきまで寝てたから持って来ちゃった」
生徒B「随分と硬そうな枕だね・・・ 何かの像に見えるけど」
神様「・・・・・・。 あのさ、二人に協力してもらいたいことがあるんだけど」
生徒A「協力?」
神様「ちょっと巫女してみない?」
452: ◆8YCWQhLlF2 :2020/11/05(木) 02:26:45 ID:D.8AdPPc
生徒B「神ちゃん、こんな時に何言ってるの?」
神様「やっぱり神の力の行使には巫女が必要じゃん?」
生徒A「え? どういう事?」
神様「私だけだと力の暴走が心配でさ。 二人に中和をしてもらいたい訳よ」
生徒AB「?」
神様「私が神力解放したら2人で神力が暴走しないようにコントロールして」
生徒A「神ちゃんが何を言っているのか分からないんだけど・・・」
神様「すぐ分かるから。 二人とも少し眩しいかも知れないから気をつけてね」
453: ◆8YCWQhLlF2 :2020/11/05(木) 02:27:32 ID:D.8AdPPc
神様「持ってて良かったご神体! ごめんね主神! 神力解放!!」
ピカー
生徒A「ちょ! なにこの光!?」
生徒B「眩しい!!」
シュー
神様「もう大丈夫。 目を開けて」
生徒A「ん・・・ って神ちゃん!?」
生徒B「え!? その格好・・・ 何?」
454: ◆8YCWQhLlF2 :2020/11/05(木) 02:28:16 ID:D.8AdPPc
神様「装束。 まぁ着なくても良いんだけど雰囲気が出るし」
生徒AB「・・・・・・」
神様「あー・・・ 驚いちゃった?」
生徒AB「うん・・・」
神様「私は一応神宮の女神。 俗に言う神さまってやつ」
生徒AB「・・・・・・」ポケー
神様「お~い」フリフリ
生徒A「え? あの・・・ え!?」
神様「まぁ驚くのも無理ないよね。 今は基本的に神の存在を隠してるし」
生徒A「嘘でしょ・・・」
生徒B「信じられない・・・」
455: ◆8YCWQhLlF2 :2020/11/05(木) 02:29:28 ID:D.8AdPPc
神様「と言うわけで、二人もお着替え~」ピカッ
ポワポワ
生徒A「え!?」
生徒B「何この格好!? いつの間に・・・」
神様「お、いいね~ 巫女服似合うじゃん」
生徒B「あっ・・・ 神ちゃんに後光が差してる・・・」
神様「期間限定だけど神付巫女になったからだね。 お付きの巫女には見えるんだよ」
生徒A「本当に神ちゃんって神さまなんだ・・・」
神様「さてと、それじゃちょっと暴れますか!」
456: ◆8YCWQhLlF2 :2020/11/06(金) 01:26:29 ID:zBp4sbDQ
生徒A「暴れるって何する気?」
神様「さっきも言ったけど、二人は私が神力解放している時に神力の流れを弱めてね」
生徒A「え!? ちょ、何それ!」
生徒B「流れってどうするの!?」
神様「大丈夫。 何とかなるさ」ポワポワ
生徒A「そんな急に言われても―――」
神様「モノノケめ! 私のマイフレンズ達に牙を向けたこと後悔するが良い!」ウヒャヒャ
ボワー
神様「う~ん 久しぶりやね~ この感じ。 全力で行きまっせ!」ポワポワ
457: ◆8YCWQhLlF2 :2020/11/06(金) 01:27:03 ID:zBp4sbDQ
生徒A「すごい・・・ これが神さまの力・・・」
生徒B「神ちゃんの神力が体に流れ込んでくる・・・」
神様「さて、それじゃ発動しますか! 破魔の―――」
バチン!
神様「痛ッ!? これは・・・ 外部からの対抗? 嘘だろ!?」
バチン!
神様「うぎゃーん!」ズサー
モクモク
生徒A「きゃっ!」バタッ
生徒B「うっ!」バタッ
458: ◆8YCWQhLlF2 :2020/11/06(金) 01:27:35 ID:zBp4sbDQ
シュー
生徒A「痛たたっ・・・」
生徒B「何が起こったの? 電気ショックみたいなの感じたけど・・・」
生徒A「あれ? 神ちゃんは?」キョロキョロ
生徒B「・・・消えた」
ギー
生徒AB「!?」クルッ
??「こんばんは。 2人ともケガはない?」
459: ◆8YCWQhLlF2 :2020/11/06(金) 01:28:24 ID:zBp4sbDQ
――― 某所
神様「うへぇ~ 凄え神力対抗だったな・・・ ん?」
「ちょっと何あの子・・・」
「おいおいマジかよ・・・」
神様「あれ? どこだココ??」キョロキョロ
警官「ねぇ・・・ 君何やってるの?」
神様「え?」クルッ
460: ◆8YCWQhLlF2 :2020/11/06(金) 01:29:23 ID:zBp4sbDQ
警官「こんな時間に駅前で・・・ その・・・ ちょっとマズいんじゃないの?」
神様「駅前? ってか、何でこんなに人だかりが・・・ 何かあったの?」
警官「まあね。 女の子が全裸で駅前にいたら人だかりはできるでしょ」
神様「何その痴女! どこ? 私も見たい」
警官「君だよ」
神様「?」
警官「駅前で全裸になっている女の子は君」
神様「・・・・・・。 んが!!」
462: ◆8YCWQhLlF2 :2020/11/09(月) 21:45:42 ID:VdMOdJgM
――― 1時間後・交番
神使「本当にご迷惑をおかけしました」フカブカ
神様「もう全裸で外には出ません」フカブカ
警官「事件性はないようだし、今日の所は大目に見るけど気をつけて」
神使「温情ありがとうございます。 キツく言って聞かせますので」
神様「本当にごめんなさい」ペコリ
463: ◆8YCWQhLlF2 :2020/11/09(月) 21:47:48 ID:VdMOdJgM
――― 帰り道
テクテク
神使「警察から電話が来たときはビックリしましたよ」
神様「私の方がビックリしたっちゅーの。 久しぶりに超恥ずかしかったわ」
神使「神様でも恥ずかしいと思うことがあるんですね。 ちょっと意外です」
神様「お前・・・ 私だって多少の恥じらい位は持ってるっつーの」
神使「多少・・・ それより一体何があったんです?」
神様「あ? 海ノ神社に行ったんだよ。 んで、気付いたら駅前で真裸だった」
464: ◆8YCWQhLlF2 :2020/11/09(月) 21:48:51 ID:VdMOdJgM
神使「海ノ神社? それって、ご学友の方と関係があるのですか」
神様「そうだ! 助けに行かないと!」
神使「ご安心下さい。 みなさん山ノ神社の方にいますよ」
神様「は?」
神使「私が交番へ向かうのと入れ替わりで山ノ神社へ来まして」
神様「マジで!? 私と同じように飛ばされたのか? まさか真裸!?」
神使「いえ、歩いて来ました。 でも2人は巫女さんの格好をしてましたね」
神様「良かった~ 無事だったか」ホッ
465: ◆8YCWQhLlF2 :2020/11/09(月) 21:49:34 ID:VdMOdJgM
――― 山ノ神社
ガラガラ
神様「たでーま」
主神「あっ、神様。 お帰りなさい」
神様「私のマイフレンズ達が来てるって聞いたけど」
主神「先程みなさんお帰りになりました」
神様「帰った!? まさかJCだけで帰したのか?」
主神「いえいえ。 巫女さんにお願いしました」
神様「巫女ちゃんに?」
主神「はい。 こちらには巫女さんが連れてきたので」
神様「・・・・・・」
466: ◆8YCWQhLlF2 :2020/11/09(月) 21:50:26 ID:VdMOdJgM
――― 社務所
神様「巫女ちゃんが連れて来たってどういう事?」
主神「海ノ神社の前でウロウロしている子達を巫女さんが見つけたようで」
神様「それで保護してここに連れてきたと?」
主神「はい。 巫女さんはそう言ってましたね」
神様「2人の様子は? 何か言ってたか?」
主神「2人? あ~ 巫女服を着ていた子達は何も覚えていないと言っていましたが」
神様「覚えてない?」
主神「私服を着た子の方は何か知っている感じでしたが、何も話してくれませんでした」
神様「ん? ちょっと待って。 2人だけじゃないの?」
467: ◆8YCWQhLlF2 :2020/11/09(月) 21:51:15 ID:VdMOdJgM
主神「3人ですね。 同じ学校の子のようでしたが」
神様「誰だ? それ」
神使「神様の認識と食い違う点があるみたいですね」
神様「私が電話を受けて海ノ神社に行ったときは、クラスメイト2人だけだった」
神使「海ノ神社で何があったんです?」
神様「キテェー・・・ いや、キテェーさんに囲まれてた」
主神「キテェー?」
神様「キテェーさん。 ちゃんとさん付けしないとダメ」
主神「はあ・・・」
468: ◆8YCWQhLlF2 :2020/11/09(月) 21:52:03 ID:VdMOdJgM
神様「んで、ちょっとヤバそうだったから神力使って破魔をしようとした」
神使「破魔?」
主神「珍しいですね。 神様がそんな大技を出すなんて」
神様「しかも結構本気なヤツ。 久しぶりだったから中和のために2人を巫女にたてたんだけど」
神使「なるほど。 それで2人は巫女服を着ていたんですか」
神様「その後は~・・・ そうだ! 私が神力解放したら打ち消されたんだよ」
主神「え!?」
神様「んで、気がついたら駅前で痴女してた」
主神「ちょっと待って下さい。それ本当ですか!?」
神様「本当。 久しぶりにビックリしたわ」
神使「確かに気がついたら駅前で全裸になっていたらビックリですよね」
主神「いえ、そちらはいつものことですので大して驚かないのですが・・・」
神様「おい」
469: ◆8YCWQhLlF2 :2020/11/09(月) 21:52:42 ID:VdMOdJgM
主神「神様の破魔を打ち消すって流石に何かの間違いでは?」
神使「私にはよく分らないのですが、そんなに大変なことなのですか?」
主神「少なくとも神様の力を超える神力容量が必要ですから」
神使「神様の神力が弱かったという事は?」
神様「装束付けたしほぼMAX。 神体からの神力を極限まで圧縮して放出したから」
主神「神体?」
神様「うん。 丁度手元に神体があってさ、助かったよ」
主神「あの・・・ それって・・・」
神様「全部使っちゃった。 ごめーんね!」テヘッ
主神「うおっぷ!」バタリ
470: 以下、名無しが深夜にお送りします :2020/11/11(水) 20:46:36 ID:YIugBEd.
あちゃー
――― 山ノ駅
神様「うへ~ やっと駅かよ。 こんなに遠かったっけ?」
主神「神社からですと本当は隣町の海ノ駅の方が近いんですが・・・」
神様「じゃぁそっちから乗れよ!」
巫女「こちらの駅の方が電車の本数が多いんです」
神様「あ~ そういう事ね」
神使「では、行きましょうか」
427: ◆8YCWQhLlF2 :2020/10/30(金) 00:30:24 ID:rwDMruAs
――― 電車内
ガタンゴトン
神様「どのくらい乗るの?」
巫女「二駅先ですからすぐ着くと思います」
神様「良かった。 38時間とか言われたらどうしようかと思った」
巫女「38時間!?」
神様「冗談だと思うでしょ? でもこのクソ犬は平気でそういう事するの」
神使「金銭的に色々ありまして・・・」
428: ◆8YCWQhLlF2 :2020/10/30(金) 00:31:21 ID:rwDMruAs
主神「神様はお金いっぱい持っているじゃないですか」
神様「あ?」
神使「神宮銀行の神様の口座には18円しか残高がないんです」
主神「あれ? 神宮資産管理銀行の方がメインですよね?」
神様「ねぇ、そういうトップシークレットをベラベラ話さないでくれる?」
主神「あっ、そうでした。 すみません・・・」
神使「毎日金欠金欠言ってるならその銀行からお金下ろせば良いじゃないですか」
神様「キャッシュカードがねーんだよ。 そもそも、その銀行がどこにあるかも知らねーし」
神使「そうなんですか・・・」
429: ◆8YCWQhLlF2 :2020/10/30(金) 00:32:04 ID:rwDMruAs
放送「まもなく~ 海山の境駅に到着しま~す」
巫女「あっ、私ちょっとお手洗いに行ってきます」
神様「あんまり長いことブリブリしてると置いて行っちゃうよ~」
巫女「そ、そんなに長くありません! それに・・・し、小の方です///」スタスタ
神使「神様・・・ はしたなさ過ぎますよ」
主神「あまり虐めないで下さい。 30年ぶりの大切な巫女さんなんですから」
神様「分かってるって。 あそこまで優秀な巫女は中々――― !?」クルッ
ポワ ポワ~ン
神使「どうしました?」
神様「・・・・・・。 後ろの車両から変な力を感じた」
430: ◆8YCWQhLlF2 :2020/10/30(金) 00:32:36 ID:rwDMruAs
神使「後ろって、巫女さんがトイレに!」
神様「しまった!」タッタッタッ
神使「あっ、神様!」タッタッタッ
神様「主神はこの車両で待機! 何かあったら――― ウギャッ」ドンッ
巫女「キャッ!」ドンッ
神様「痛たた・・・」
巫女「どうされたんですか!?」
神使「巫女さん無事でしたか」ホッ
巫女「そんなに慌てて何かあったんですか?」
神様「隣の車両で変な物を見たり感じたりしなかった?」
巫女「いえ、特には。 お手洗いに行っただけですから」
神使「後ろの車両を見てきます」スタスタ
神様「気をつけろよ」
神使「あれ?」キョロキョロ
神様「どした、何かあったか?」
神使「後ろにの車両には誰もいないようです。 ただ・・・」
神様「ただ?」
神使「いえ・・・ 何でも・・・」
神様「?」
432: ◆8YCWQhLlF2 :2020/10/30(金) 00:33:40 ID:rwDMruAs
――― 数分後
神使「一体何だったのでしょう」
主神「私にも微かですが神力に近いものを感じました」
神様「巫女ちゃんは何か見たりしなかった?」
巫女「いえ、特に何も」
神使「・・・・・・。 お手洗いに不審な点はありませんでしたか?」
巫女「なかったと思います」
神使「・・・そうですか」
433: ◆8YCWQhLlF2 :2020/10/30(金) 00:34:15 ID:rwDMruAs
放送「まもなく~ ストロベリー温泉駅に到着しま~す」
巫女「あっ、そろそろ着くみたいですね」
神使「どうされますか?」
神様「決まってるだろ」
神使「そうですね、このまま放置しては―――」
神様「ストロベリー温泉で私はイチゴ姫になる!!」
神使「・・・・・・」
プシュー
神様「ほら、早く降りるぞ」トテトテ
435: ◆8YCWQhLlF2 :2020/11/02(月) 23:50:59 ID:QSF0Es.Q
――― 海ノ中学・教室
生徒A「どう? 見つかった?」
生徒B「保健室にはいなかったよ」
少女「どうしたの? こんな時間まで」テクテク
生徒A「あっ、少女ちゃん」
生徒B「少女ちゃんもまだ学校に残ってたんだ」
少女「委員会が長引いて。 下校時間過ぎてるけど何かあった?」
生徒A「実はC子ちゃんがいなくて」
少女「C子ちゃん? 先に帰ったんじゃないの?」
生徒B「でも鞄はまだあるんだよね」
生徒A「今朝のこともあるし、ちょっと心配で・・・」
少女「・・・・・・」
436: ◆8YCWQhLlF2 :2020/11/02(月) 23:51:50 ID:QSF0Es.Q
生徒A「神ちゃんに相談してみる?」
生徒B「そうだね。 電話してみようか」
少女「まって」
生徒AB「?」
少女「私が電話する。 その間にC子ちゃんを探しましょう」
生徒A「探すって・・・ 校舎は全部探したけど当てでもあるの?」
少女「私はもう一度校内を探すから、2人は校外の近場を捜してみて」
生徒B「うん」
生徒A「分かった」
少女「何かあれば携帯で連絡を取り合いましょう」
生徒A「じゃ、私達外行ってくるね」タッタッタッ
少女「・・・・・・。 まさか・・・」ボソッ
437: ◆8YCWQhLlF2 :2020/11/02(月) 23:53:29 ID:QSF0Es.Q
――― ストロベリー大浴場
チャポン
神様「いや~ 良い気持ちだねぇ~」ブクブク
巫女「この温泉は美容にとても効果があるみたいです」
神様「マジで!? んじゃ、体の内側も綺麗にしちゃお~」ゴクゴク
巫女「流石にそれは・・・ あまり飲まない方が良いかと」
神様「卵臭い・・・ そういえば温泉の元って・・・」ウエー
巫女「色はピンクでも、成分は温泉ですから」フフフ
神様「・・・巫女ちゃんはさぁ、どうして巫女になろうと思ったの?」
巫女「そうですね・・・ 私、将来は神社で働きたいと思っているんです」
神様「もう働いてるじゃん」
438: ◆8YCWQhLlF2 :2020/11/02(月) 23:54:29 ID:QSF0Es.Q
巫女「その・・・ 巫女としてではなくて、神社を管理できる立場になりたいと」
神様「あ~ 宮司って事ね」
巫女「まぁ・・・ そんな感じですね」
神様「今この業界は大変だよ~ 儲からないし」
巫女「そうみたいですね。 私はあまりお金には興味がないので」ハハハ
神様「まあ、困ったことがあったら何でも言ってね。 相談に乗るから」
巫女「その時はよろしくお願いします」ニコッ
神様「この町に立ち寄って巫女ちゃんと出会えたのも何かの縁だろうしね」
巫女「・・・・・・。 神ちゃん様は海ノ町で起こっている件でこちらに来たんですよね?」
神様「まぁね。 何か知ってたりするのかな?」
439: ◆8YCWQhLlF2 :2020/11/03(火) 00:07:24 ID:3RtMd9Mw
巫女「いえ、その・・・・ 私も見たことありますので」
神様「なるほど。 何か隠してそうな感じはしてたけど」
巫女「海ノ町では目撃情報は以前からありましたし。 特に最近は多いですから」
神様「まぁ、私的にはあまり触れたくないんだけどねぇ~」
巫女「モノノケは本当に悪い存在なんでしょうか・・・ 私にはそうは思えないんです」
神様「・・・・・・。 平安の末期、とある地から魑魅魍魎が出ると相談があってさ」
巫女「え?」
神様「私は実際にその地に足は運ばなかったから真偽は不明だけどね」
巫女「どうして、対処なさらなかったのですか?」
神様「対処・・・ か」
巫女「・・・・・・」
440: ◆8YCWQhLlF2 :2020/11/03(火) 00:08:30 ID:3RtMd9Mw
神様「私にはモノノケの気配は感じ取れなかったっていうのが正直なところ」
巫女「・・・・・・」
神様「私の知らない事柄に首突っ込んでも良し悪しの判断が出来ない」
巫女「神でも分からない事があるんですか?」
神様「そりゃあるさね。 犬ころが隠してるへそくりの場所とか、全く分からないし」
巫女「それは・・・ 分かってしまったらへそくりではなくなりますから・・・」
神様「それと同じ」
巫女「?」
神様「分かっていたら対処せざるを得ないから」
441: ◆8YCWQhLlF2 :2020/11/03(火) 00:09:30 ID:3RtMd9Mw
巫女「もし、神ちゃん様の知らない世界が存在していたとしたら・・・」
神様「したら?」
巫女「神ちゃん様は何かしらの対処をして頂けるんですか?」
神様「面白い質問だ」
巫女「・・・」
神様「今の私の気持ちとしてはやっぱり対処はしないかな」
巫女「それはこの国を治める神としてあまりにも無責任では?」
神様「へぇ~」
巫女「あっ・・・ すいません、失礼な発言でした」
神様「気にしないで。 ただ巫女ちゃんは一つ勘違いをしている」
巫女「勘違い?」
442: ◆8YCWQhLlF2 :2020/11/03(火) 00:10:09 ID:3RtMd9Mw
神様「神はこの国を治める存在じゃない」
巫女「え?」
神様「極論を言えば私が知ることが出来ない世界は私の管轄じゃない」
巫女「・・・随分と割り切られているんですね」
神様「ん~ その考え方もちょっと違うな」
巫女「?」
神様「まあ、私が守護する対象である人達に危害を加えるというなら話は別だけど」
巫女「・・・・・・」
神様「あともう一つ、対処をして欲しいと誰かの強い願いがあればその望みは叶える」
巫女「・・・・・・」
神様「まぁ、今は紙一重かな~」
巫女「・・・そうですか」
443: ◆8YCWQhLlF2 :2020/11/03(火) 00:10:47 ID:3RtMd9Mw
神様「さて、そろそろ上がりますか」サバッ
巫女「神ちゃん様・・・ お願いがあるのですが・・・」
神様「おや? 何かな?」
巫女「せめて前は隠して下さい///」
神様「そっちか~!」
巫女「・・・・・・」
444: ◆8YCWQhLlF2 :2020/11/03(火) 00:12:40 ID:3RtMd9Mw
――― ロビー
神様「うひょ~ このイチゴ牛乳うますぎ!」ゴクゴク
神使「ちょっと神様! 何本飲んでるんですか」
神様「だってこの自販機、手首に巻いた輪っか近づけるだけで出てくるんだもん」
神使「それ買ってるんですよ・・・ 後で精算されるんです・・・」
神様「気にすんなって。 あれ? 巫女ちゃんは?」キョロキョロ
主神「急ぎの用があるようで先に帰りました」
神様「そうなの?」
神使「もしかして、お風呂で巫女さんに引っ付いたりペロペロしたりしたんじゃないですか?」
神様「してねーよ! いつ私がそんな事したよ!」
神使「いつもしてます」
主神「何か携帯の留守電を聞いて慌てて飛び出していったようですが」
神様「ふ~ん・・・」
446: ◆8YCWQhLlF2 :2020/11/05(木) 02:20:30 ID:D.8AdPPc
――― 夜・本殿
神様「Zzz」グガー
神使「神様、寝るなら部屋に戻ってから寝て下さい」
神様「ん~ Zzz」モゾモゾ
神使「あっ、ご神体を枕なんかにしてバチ当たりますよ?」ユサユサ
神様「当てられるもんなら当ててみろってんだよ」ムニャムニャ
神使「まったく・・・」
447: ◆8YCWQhLlF2 :2020/11/05(木) 02:21:44 ID:D.8AdPPc
prrrr prrrr
神使「? 神様、携帯が鳴ってますよ」
神様「んだよこんな夜中に~」モソモソ
神使「夜中って・・・ まだ夜9時前ですが」
神様「もひもひ~ 皆のアイドル神ちゃんでしゅ」
生徒A『あっ! 神ちゃん! 助けて!』
神様「その声・・・ どうしたの! 何事!?」ガバッ
生徒A『海ノ町の神社! きゃ!』
神様「海ノ・・・ 今行く! 5分で着くから!」
神使「どうされたんです?」
神様「主神は!」
神使「隣町にお酒を飲みに行かれましたが」
神様「つかえねーなー!」タッタッタッ
神使「ちょ、神様!」
神様「犬ころはここで待機してろ! 何かあったら電話する!」
神使「わかりました・・・」
神使「っていうか、ご神体置いていって下さい!」
449: ◆8YCWQhLlF2 :2020/11/05(木) 02:23:17 ID:D.8AdPPc
――― 海ノ神社前
神様「お~い!」タッタッタッ
生徒A「あっ! 神ちゃん! 助けて!!」
生徒B「お化け! お化けが!!」
変な生き物「ハロー ハロー」
神様「!? キテェー・・・」ゴクリ
キテェー「あなた失礼ね。 初対面なんだからさん付けで呼ぶのが礼儀じゃないの?」
神様「あっ、すいません・・・ っていうか声髙っ!」
450: ◆8YCWQhLlF2 :2020/11/05(木) 02:24:25 ID:D.8AdPPc
生徒A「神ちゃん! 向こうからもたくさん来る!」
神様「神社の中に入って隠れよう」
生徒B「それが門に鍵がかかってて入れないの!」
神様「神力錠か・・・」ガチャガチャ
生徒A「しんりきじょう?」
神様「液晶画面付って、いつの間にこんな最新型を作ったんだよ・・・」
生徒A「神ちゃん! 左からも何か変なのが来てる! 囲まれちゃう!」
神様「至急の対策が要の料、神の名におきて鍵を開くことおきつ!」ポワッ
“文法が正しくありません”
神様「ざけんなよ! 最高神の言うこと聞けや!!」ガチャガチャ
カチャ
神様「開いた! 2人とも早く神社の中に!」
生徒AB「うん」タッタッタッ
451: ◆8YCWQhLlF2 :2020/11/05(木) 02:25:28 ID:D.8AdPPc
――― 海ノ神社・本殿内
神様「よし! これで内側から鍵かけときゃしばらく持つかな」
生徒A「ねぇ神ちゃん、さっきの何?」
生徒B「やっぱりお化けかな?」
神様「う~ん・・・ キテェーさんをお化けと言って良いのか微妙だけど」
生徒A「どうしよう。 ここに隠れていてもすぐ見つかっちゃうよ」
生徒B「私達食べられちゃうのかな?」
神様「さ~て、どうすっかなぁ~」
生徒A「あれ? 神ちゃん何持ってるの?」
神様「ん? これは・・・ 枕だね。 さっきまで寝てたから持って来ちゃった」
生徒B「随分と硬そうな枕だね・・・ 何かの像に見えるけど」
神様「・・・・・・。 あのさ、二人に協力してもらいたいことがあるんだけど」
生徒A「協力?」
神様「ちょっと巫女してみない?」
452: ◆8YCWQhLlF2 :2020/11/05(木) 02:26:45 ID:D.8AdPPc
生徒B「神ちゃん、こんな時に何言ってるの?」
神様「やっぱり神の力の行使には巫女が必要じゃん?」
生徒A「え? どういう事?」
神様「私だけだと力の暴走が心配でさ。 二人に中和をしてもらいたい訳よ」
生徒AB「?」
神様「私が神力解放したら2人で神力が暴走しないようにコントロールして」
生徒A「神ちゃんが何を言っているのか分からないんだけど・・・」
神様「すぐ分かるから。 二人とも少し眩しいかも知れないから気をつけてね」
453: ◆8YCWQhLlF2 :2020/11/05(木) 02:27:32 ID:D.8AdPPc
神様「持ってて良かったご神体! ごめんね主神! 神力解放!!」
ピカー
生徒A「ちょ! なにこの光!?」
生徒B「眩しい!!」
シュー
神様「もう大丈夫。 目を開けて」
生徒A「ん・・・ って神ちゃん!?」
生徒B「え!? その格好・・・ 何?」
454: ◆8YCWQhLlF2 :2020/11/05(木) 02:28:16 ID:D.8AdPPc
神様「装束。 まぁ着なくても良いんだけど雰囲気が出るし」
生徒AB「・・・・・・」
神様「あー・・・ 驚いちゃった?」
生徒AB「うん・・・」
神様「私は一応神宮の女神。 俗に言う神さまってやつ」
生徒AB「・・・・・・」ポケー
神様「お~い」フリフリ
生徒A「え? あの・・・ え!?」
神様「まぁ驚くのも無理ないよね。 今は基本的に神の存在を隠してるし」
生徒A「嘘でしょ・・・」
生徒B「信じられない・・・」
455: ◆8YCWQhLlF2 :2020/11/05(木) 02:29:28 ID:D.8AdPPc
神様「と言うわけで、二人もお着替え~」ピカッ
ポワポワ
生徒A「え!?」
生徒B「何この格好!? いつの間に・・・」
神様「お、いいね~ 巫女服似合うじゃん」
生徒B「あっ・・・ 神ちゃんに後光が差してる・・・」
神様「期間限定だけど神付巫女になったからだね。 お付きの巫女には見えるんだよ」
生徒A「本当に神ちゃんって神さまなんだ・・・」
神様「さてと、それじゃちょっと暴れますか!」
456: ◆8YCWQhLlF2 :2020/11/06(金) 01:26:29 ID:zBp4sbDQ
生徒A「暴れるって何する気?」
神様「さっきも言ったけど、二人は私が神力解放している時に神力の流れを弱めてね」
生徒A「え!? ちょ、何それ!」
生徒B「流れってどうするの!?」
神様「大丈夫。 何とかなるさ」ポワポワ
生徒A「そんな急に言われても―――」
神様「モノノケめ! 私のマイフレンズ達に牙を向けたこと後悔するが良い!」ウヒャヒャ
ボワー
神様「う~ん 久しぶりやね~ この感じ。 全力で行きまっせ!」ポワポワ
457: ◆8YCWQhLlF2 :2020/11/06(金) 01:27:03 ID:zBp4sbDQ
生徒A「すごい・・・ これが神さまの力・・・」
生徒B「神ちゃんの神力が体に流れ込んでくる・・・」
神様「さて、それじゃ発動しますか! 破魔の―――」
バチン!
神様「痛ッ!? これは・・・ 外部からの対抗? 嘘だろ!?」
バチン!
神様「うぎゃーん!」ズサー
モクモク
生徒A「きゃっ!」バタッ
生徒B「うっ!」バタッ
458: ◆8YCWQhLlF2 :2020/11/06(金) 01:27:35 ID:zBp4sbDQ
シュー
生徒A「痛たたっ・・・」
生徒B「何が起こったの? 電気ショックみたいなの感じたけど・・・」
生徒A「あれ? 神ちゃんは?」キョロキョロ
生徒B「・・・消えた」
ギー
生徒AB「!?」クルッ
??「こんばんは。 2人ともケガはない?」
459: ◆8YCWQhLlF2 :2020/11/06(金) 01:28:24 ID:zBp4sbDQ
――― 某所
神様「うへぇ~ 凄え神力対抗だったな・・・ ん?」
「ちょっと何あの子・・・」
「おいおいマジかよ・・・」
神様「あれ? どこだココ??」キョロキョロ
警官「ねぇ・・・ 君何やってるの?」
神様「え?」クルッ
460: ◆8YCWQhLlF2 :2020/11/06(金) 01:29:23 ID:zBp4sbDQ
警官「こんな時間に駅前で・・・ その・・・ ちょっとマズいんじゃないの?」
神様「駅前? ってか、何でこんなに人だかりが・・・ 何かあったの?」
警官「まあね。 女の子が全裸で駅前にいたら人だかりはできるでしょ」
神様「何その痴女! どこ? 私も見たい」
警官「君だよ」
神様「?」
警官「駅前で全裸になっている女の子は君」
神様「・・・・・・。 んが!!」
462: ◆8YCWQhLlF2 :2020/11/09(月) 21:45:42 ID:VdMOdJgM
――― 1時間後・交番
神使「本当にご迷惑をおかけしました」フカブカ
神様「もう全裸で外には出ません」フカブカ
警官「事件性はないようだし、今日の所は大目に見るけど気をつけて」
神使「温情ありがとうございます。 キツく言って聞かせますので」
神様「本当にごめんなさい」ペコリ
463: ◆8YCWQhLlF2 :2020/11/09(月) 21:47:48 ID:VdMOdJgM
――― 帰り道
テクテク
神使「警察から電話が来たときはビックリしましたよ」
神様「私の方がビックリしたっちゅーの。 久しぶりに超恥ずかしかったわ」
神使「神様でも恥ずかしいと思うことがあるんですね。 ちょっと意外です」
神様「お前・・・ 私だって多少の恥じらい位は持ってるっつーの」
神使「多少・・・ それより一体何があったんです?」
神様「あ? 海ノ神社に行ったんだよ。 んで、気付いたら駅前で真裸だった」
464: ◆8YCWQhLlF2 :2020/11/09(月) 21:48:51 ID:VdMOdJgM
神使「海ノ神社? それって、ご学友の方と関係があるのですか」
神様「そうだ! 助けに行かないと!」
神使「ご安心下さい。 みなさん山ノ神社の方にいますよ」
神様「は?」
神使「私が交番へ向かうのと入れ替わりで山ノ神社へ来まして」
神様「マジで!? 私と同じように飛ばされたのか? まさか真裸!?」
神使「いえ、歩いて来ました。 でも2人は巫女さんの格好をしてましたね」
神様「良かった~ 無事だったか」ホッ
465: ◆8YCWQhLlF2 :2020/11/09(月) 21:49:34 ID:VdMOdJgM
――― 山ノ神社
ガラガラ
神様「たでーま」
主神「あっ、神様。 お帰りなさい」
神様「私のマイフレンズ達が来てるって聞いたけど」
主神「先程みなさんお帰りになりました」
神様「帰った!? まさかJCだけで帰したのか?」
主神「いえいえ。 巫女さんにお願いしました」
神様「巫女ちゃんに?」
主神「はい。 こちらには巫女さんが連れてきたので」
神様「・・・・・・」
466: ◆8YCWQhLlF2 :2020/11/09(月) 21:50:26 ID:VdMOdJgM
――― 社務所
神様「巫女ちゃんが連れて来たってどういう事?」
主神「海ノ神社の前でウロウロしている子達を巫女さんが見つけたようで」
神様「それで保護してここに連れてきたと?」
主神「はい。 巫女さんはそう言ってましたね」
神様「2人の様子は? 何か言ってたか?」
主神「2人? あ~ 巫女服を着ていた子達は何も覚えていないと言っていましたが」
神様「覚えてない?」
主神「私服を着た子の方は何か知っている感じでしたが、何も話してくれませんでした」
神様「ん? ちょっと待って。 2人だけじゃないの?」
467: ◆8YCWQhLlF2 :2020/11/09(月) 21:51:15 ID:VdMOdJgM
主神「3人ですね。 同じ学校の子のようでしたが」
神様「誰だ? それ」
神使「神様の認識と食い違う点があるみたいですね」
神様「私が電話を受けて海ノ神社に行ったときは、クラスメイト2人だけだった」
神使「海ノ神社で何があったんです?」
神様「キテェー・・・ いや、キテェーさんに囲まれてた」
主神「キテェー?」
神様「キテェーさん。 ちゃんとさん付けしないとダメ」
主神「はあ・・・」
468: ◆8YCWQhLlF2 :2020/11/09(月) 21:52:03 ID:VdMOdJgM
神様「んで、ちょっとヤバそうだったから神力使って破魔をしようとした」
神使「破魔?」
主神「珍しいですね。 神様がそんな大技を出すなんて」
神様「しかも結構本気なヤツ。 久しぶりだったから中和のために2人を巫女にたてたんだけど」
神使「なるほど。 それで2人は巫女服を着ていたんですか」
神様「その後は~・・・ そうだ! 私が神力解放したら打ち消されたんだよ」
主神「え!?」
神様「んで、気がついたら駅前で痴女してた」
主神「ちょっと待って下さい。それ本当ですか!?」
神様「本当。 久しぶりにビックリしたわ」
神使「確かに気がついたら駅前で全裸になっていたらビックリですよね」
主神「いえ、そちらはいつものことですので大して驚かないのですが・・・」
神様「おい」
469: ◆8YCWQhLlF2 :2020/11/09(月) 21:52:42 ID:VdMOdJgM
主神「神様の破魔を打ち消すって流石に何かの間違いでは?」
神使「私にはよく分らないのですが、そんなに大変なことなのですか?」
主神「少なくとも神様の力を超える神力容量が必要ですから」
神使「神様の神力が弱かったという事は?」
神様「装束付けたしほぼMAX。 神体からの神力を極限まで圧縮して放出したから」
主神「神体?」
神様「うん。 丁度手元に神体があってさ、助かったよ」
主神「あの・・・ それって・・・」
神様「全部使っちゃった。 ごめーんね!」テヘッ
主神「うおっぷ!」バタリ
470: 以下、名無しが深夜にお送りします :2020/11/11(水) 20:46:36 ID:YIugBEd.
あちゃー
神様「神様だっ!」 神使「神力ゼロですが・・・」
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