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神様「神様だっ!」 神使「神力ゼロですが・・・」

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Part149

311: ◆8YCWQhLlF2 :2020/05/21(木) 20:48:27 ID:985J2PeM

――― 1時間後/深夜・本殿前


モクモク


盗人「・・・ん・・・ ここは・・・ 何だ、この煙は?」ゲホゲホ

少女「あら、お目覚めかしら?」

盗人「!? お前は・・・」

少女「何で生きてるのか、って顔をしているわね」

盗人「くたばってなかったのかよ」チッ

少女「人ごときが私を殺す? そんな事が出来る訳ないじゃない」クスッ

盗人「はぁ?」


312: ◆8YCWQhLlF2 :2020/05/21(木) 20:49:59 ID:985J2PeM

少女「そうだ、さっきはこの子が失礼したわね」

神使「・・・がう」

盗人「ひぃ!! な、なん何だよソイツは!」

少女「狛犬は初めて? あまり刺激すると、あなたも仲間みたいになっちゃうわよ?」

盗人「仲間? 何言ってんだ、俺は一人で――― !?」


忍神「」グテッ


盗人「おい・・・ 何だよアレ・・・ 干からびてるじゃないかよ・・・」

少女「あら、仲間じゃなかったの? 間違えて殺しちゃった。 可哀想に」クスッ

盗人「どうやったら人があんな風になるんだよ・・・」

少女「精気を吸い取ったの。 干からびるまで、た~っぷりと」ニヤッ

盗人「!?」


313: ◆8YCWQhLlF2 :2020/05/21(木) 20:51:12 ID:985J2PeM

少女「神を怒らせた人間は死ぬ定め。 だから殺した」アハハハハハ

盗人「!?」ゾクッ

少女「ねぇ、逃げないの?」ズイッ

盗人「ひぃ!」ブルッ

少女「あなた、美味しそうね。 私が直接食べちゃおうかしら」ニタァ

盗人「た、頼む! 助けてくれ!」

少女「じゃぁ逃げれば? この子が追いかけるより速く逃げられればだけど」

神使「・・・がう」

盗人「た、助けて・・・」ガタガタ

少女「やっぱり私に食べられたいんだ」

盗人「違う! くそっ! 足が震えて立てねぇ!!」

少女「たっぷり悲鳴を上げて、苦しんで死になさい」グワッ

盗人「ひー!!!」バタリ


314: ◆8YCWQhLlF2 :2020/05/21(木) 20:52:17 ID:985J2PeM


少女「やれやれ」フッ


神様「少女ちゃん怖すぎ。 犬ころは必要なかったな・・・」

神使「お役に立てず、すみません・・・」ボンッ

神様「てか、あれ大丈夫か?」

神使「気絶しているだけですよね? 死んでませんよね?」


盗人「・・・・・・」ブクブク


少女「そこまで脅してないけど? ちょっと焚きすぎじゃないかしら?」

神使「いえ、危険なので煙だけで麻薬は焚いておりませんが」

少女「あら、そうなの?」

継姫「少女、格好いい也」キュン

神様「お前、どういう神経してんの? あんなのホラー映画より怖いじゃん」


315: ◆8YCWQhLlF2 :2020/05/21(木) 20:53:25 ID:985J2PeM

少女「ま、これで少しは懲りたんじゃないかしら」

神使「解放した後で仲間とか連れてきませんかね?」

神様「忍神が起きたら神宮の諜報室に連れて行って処理してもらおう」

神使「・・・・・・。 処理って一体何をなさるんです?」

神様「それは私の口からはちょっと・・・」プイッ

神使「・・・・・・」

少女「それより、忍神さんはあのままで大丈夫なの?」

神様「大丈夫だって。 忍びだよ?」

継姫「我の見た感じでは息をしていないように見える也が」

少女「そうね、もう1時間は止まっているわね」

神様「そんな事ないって・・・ 大丈夫だよ・・・」ハハハ


忍神「」グテッ


神様「・・・・・・。 神使君、私のお守りってまだある?」



316: ◆8YCWQhLlF2 :2020/05/21(木) 20:58:41 ID:985J2PeM

――― 翌日・社務所


少女「ツグ、書けたの? 神ちゃんさん達が待ってるわよ」

継姫「丁度出来た也。 我ながら会心の出来也よ」

少女「へぇ・・・ ツグって字が下手くそなのね」

継姫「んが! 酷い也よ少女・・・」グスッ

少女「ま、まぁ初めて書いた字にしては上出来かしらね」クスッ

継姫「やっぱりもう一度書き直して―――」

少女「何度やっても同じよ。 早く行くわよ」


317: ◆8YCWQhLlF2 :2020/05/21(木) 20:59:46 ID:985J2PeM

――― 鳥居前


少女「待たせてごめんなさい」スタスタ

神使「丁度こちらも準備出来たところですので」

忍神「こちらが神宮から寄贈された神額になります」

継姫「神額ってなん也か?」

忍神「鳥居の上部につける神社名が入った飾りです」

神様「随分立派だな。 高そう」

神使「後はこの額に社名の入った額束をはめて鳥居の上に設置すれば完成ですね」

少女「ツグ、神使さんにそれ渡して頂戴」

継姫「分かった也」スッ

318: ◆8YCWQhLlF2 :2020/05/21(木) 21:00:47 ID:985J2PeM

神様「うひゃ~ 汚ねー字だな」

継姫「お前、マジで殺すぞ?」

神様「・・・だからマジ切れは止めろって、怖いよ」

忍神「趣があって良い字だと思います」

神使「そうですね。 重みのある独特の力強さがございます」

継姫「良く分かっているではない也か」ドヤッ

神様「はいはい、上手い上手い」

忍神「それでは、私が設置いたしますので危ないですからお下がりを」

継姫「あんな高い所にどうやって設置する也か?」

少女「神よ? 忍びなのよ? きっと格好いいわよ」


319: ◆8YCWQhLlF2 :2020/05/21(木) 21:01:55 ID:985J2PeM


 忍神「ヨイショ、ヨイショ」ヨジヨジ


継姫・少女「・・・・・・」

神様「まぁ、あれだよ。 神は飛べないし・・・」

継姫「もっと忍びらしい登り方はできぬ也か?」

少女「せめてピョンピョンって感じで昇る姿は見たかったわね」

神使「ご期待を裏切るような展開ですみません・・・」


 忍神「神様、位置はこの辺りでしょうか?」


神様「もうちょい右・・・ そこ! そこでOK」


 忍神「では、こちらで固定します!」

 ポワポワ


320: ◆8YCWQhLlF2 :2020/05/21(木) 21:02:54 ID:985J2PeM

継姫「固定するのは力を使う也か・・・」

神様「まぁアレが落ちるとヤバいし。 それに紙で書いてあるから劣化しないように一応ね」

継姫「ふ~ん」


神様「でも、本当に社名を変えちゃっていいの?」

神使「今までの社名も神秘的でとても良かったと思いますが」

少女「今日からここは本物の神社になるんだし、それに・・・ 新しいスタートの日でもあるわけだしね」

神様「ツグは良いのか?」

継姫「ツグと言うな。 ま、我はそんな小さい心の持ち主などではない也よ」


 忍神「固定完了しました! これで嵐が来ても耐え忍ぶでしょう」


神様「お疲れ~ 降りてきて良いぞ」


321: ◆8YCWQhLlF2 :2020/05/21(木) 21:03:59 ID:985J2PeM

少女「思ったより良い感じね」

神使「神額もさることながら、それに負けないとても綺麗な社名ですね」

忍神「参拝者が最初に見る、まさに神社の顔に相応しき額束にございます」


少女「そういえば、盗人ってどうしたの?」

継姫「今朝早くにそこの忍びがどこかへ担いでいったみたい也が」

神様「盗人って何? そんな奴いたっけ」

忍神「さぁ、私は存じ上げませんね」

神様「この社に盗人は来なかった。 いいね?」

少女「あっ、そういう事にするんだ」


322: ◆8YCWQhLlF2 :2020/05/21(木) 21:04:36 ID:985J2PeM

神様「そてと。 じゃ少女ちゃん、これからもこの地をよろしく」

少女「私より、ツグに頑張ってもらわないとね」

継姫「我が也か!?」

少女「そうよ? だって・・・」


少女「今日からここは“継姫神社”なんですから」


323: ◆8YCWQhLlF2 :2020/05/22(金) 02:25:07 ID:UJ8ner7w

〓〓〓修正

神様「そてと。 じゃ少女ちゃん――」
   ↓
神様「さてと。 じゃ少女ちゃん――」

〓〓〓

神様「高貴な神は“そてと”と言うナリ」

継姫「貴様はもう帰り給え」シッシッ

―――

324: ◆8YCWQhLlF2 :2020/05/22(金) 02:26:25 ID:UJ8ner7w

――― 帰り道


 テクテク

神使「色々と後処理に骨が折れそうですが、無事解決できて良かったですね」

神様「まぁ私にかかれば、どんな難事件もこんなもんよ」ウヒャヒャ

神使「・・・・・・。 あの神様、気になることがあるのですが」

神様「盗人の件は知らないぞ? 諜報室に任せてあるから」

神使「いえ、継姫様の件なのですが」

神様「あのガキんちょがどうした?」

神使「神様、本当に初対面なんですか?」

神様「・・・・・・」


325: ◆8YCWQhLlF2 :2020/05/22(金) 02:27:14 ID:UJ8ner7w

神使「やっぱり、ご存じだったんですね」

神様「あんなの忘れるわけないだろ、ちゃんと覚えてるよ」

神使「どうして隠してたんです?」

神様「その方がすんなり解決できそうだったし」

神使「過去に何かあったんですか?」

神様「さぁね。 でも・・・ 私の目に狂いはなかったな、って」

神使「?」

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