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戦争の体験談を語るわ

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二十年近く前の話です、と前置きし、これから登場する子供たちの結末から語り出す>>1。彼らの運命を変えたのは、大人が始めたユーゴ紛争だった。悲痛な体験を掘り起こし、そして>>1は…。かなり深く、胸の痛いお話です。
Part1
1:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/19(水) 12:57:06.07 ID:sViwJ6eP0
15年以上昔の出来事だから、よく知らない人が多いかもしれないけどさ。

4:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/19(水) 13:02:19.57 ID:sViwJ6eP0
少し長くなるから、先に何が起きたから軽く書いておくね。
今から20年近く前の話だから、多少忘れてたり、間違ってたりするかもしれない。
そこは許して欲しい。
先に結論というか、書いておくけど。
今から話す内容に出てくる子がどうなったか、先に書いておく。
ソニアは殺された。
サニャは爆発に巻き込まれて死んじゃった。
メルヴィナはレイプされて連れ去られた。
メフメット・カマル・ミルコはわからない。
カミーユも死んでしまった。
ドラガンって子は、裏切ったと思っていたけど、実際は違った。
それじゃ、書いてくね。わからない事あったら聞いてください。

5:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/19(水) 13:04:37.75 ID:sViwJ6eP0
あー、書き忘れてたorz ユーゴスラビア紛争の話ね。
俺は色々あって、母親に捨てられちゃってさ、海外に単身赴任している
父親と一緒に暮らす事になったんだ。

8:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/19(水) 13:06:31.41 ID:VHzbDDmi0
セルビア人さん怖いって話ですか

14:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/19(水) 13:08:21.16 ID:sViwJ6eP0
>>8
俺はスルツキの人達を悪く言うつもりは無い。
実際、どっちが悪いと言えるような状況じゃなかったんだ。
どちらも同じ事をやって、そしてお互いに殺しあってた。
だから、俺が話す内容は、どの民族が悪かって話にはならないように
書くつもりだよ。スルツキの人々を悪とするつもりは毛頭ない。


9:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/19(水) 13:06:45.15 ID:sViwJ6eP0
トルコ経由で向かったわけだけれど、機内から見る空は美しかった。
というより眩しかった。
途中で降りた空港には、飛行機の中とは比べ物にならない程の
異国の人々がごった返していた。
そこから首都まで乗り換えて向かい、初めて降り立った外国の
地というものは、少し気持ち悪かった。
日本と違い、建物はみな似たような作りと色合いで、
何で?と疑問に思ったものだ。外国人も背が高く怖いし、
そもそも日本語ではない言葉を話している。

15:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/19(水) 13:10:06.72 ID:sViwJ6eP0
俺が父親と住む事になった街は人口数千人ぐらいか。
日本と比べたら人口密度はかなり低い場所だった。
周りは山に囲まれてる盆地で、建ち並ぶ統一された住居は、とても綺麗だった。
オレンジ色の屋根は当時日本(といっても俺の地元)では
目にする事が無かったから、初めは奇抜だと思ったよ。

16:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/19(水) 13:13:17.32 ID:sViwJ6eP0
子どもが親についていき、海外で暮らす場合、多くは日本人学校等に
入る事になると思うのだけれど、俺の住む街には日本人学校どころか日本人すらいない。
いや、俺と父さんの二人はいたけどさ。
不安を抱きながら学校へ行っても、皆何を言っているのか理解出来ないわけだ。
当然、俺は一人ぼっちだった。
自己紹介すらきちんと出来なかったからな。
もう少し年を取っていれば、ノリで仲良くする、フレンドリーに接するなんて事が出来たかもしれない。
だけど、当時の俺にそんなスキルがあるはずもなく、どうしようもなかったんだ。
その為、最初の2週間ほどは非常に苦痛だった。

17:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/19(水) 13:15:27.06 ID:sViwJ6eP0
遊びたい盛りの当時の俺にとって、こうした寂しさを我慢するというのは、
限界が近づきつつあったんだ。だから、何か遊ぶものを探そうと思って、休みの日に
ふらっと一人で街を散策していたんだ。一人で街中に行くのは初めてだったから、
少し迷ったりしたけれどね。街を行きかう人々を見ながら、学校の方へと歩いていくと、
道の端にある空き地で子ども達がサッカーをしていた。
とても羨ましくて、「いいなぁー。」と思ったわけだけれど、「いーれーてっ!」といった言葉は
かけられない。というより、その言葉が話せないからな。だから、何も声に出せず、
もじもじしながら、その子ども達が遊んでいるのを空き地の端っこでぼーっと眺めていたんだ。

18:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/19(水) 13:19:32.84 ID:sViwJ6eP0
そうとう入れて欲しそうな顔をしていたのかもしれない。サッカーをしている
男子の輪の中にいた一人が、じっと見つめている俺に気づいてさ、「一緒に遊ぶ?」と
聞いてきてくれたんだ。実際には、そう言ったのだろうというレベルで、俺にはまだこの子が
何を話しているのか理解できなかったけれどね。
仮にその男の子をカミーユとしておく。最初は「?」状態だった俺も、ジェスチャーで身振り手振りで
話してくれたおかげで、俺を誘ってくれているんだと理解してさ。とても嬉しくなった。
これが現地の子と初めて会話?した日だったと思う。やっと友達が出来るってウキウキしたよ。

19:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/19(水) 13:19:40.52 ID:uKzE7YX+0
戦争のくだりは何時頃になるのか不安です

20:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/19(水) 13:22:59.41 ID:sViwJ6eP0
>>19
まだ先が長い。俺が暮らしていたのはボスニア・ヘルツェゴビナだったんだけど、
その時はまだユーゴスラビア連邦の構成国だったんだ。
そこには大体3つの民族、ボシュニャチ(ボスニア人)、スルツキ(セルビア人)、
フルヴァツキ(クロアチア人)が混在して一緒に暮らしてたんだ。
そこからどうやって泥沼の紛争になったかを書かないと意味がないと思うから、
まだ長くなる。今話してるのは戦争が始まる2年前の話。

21:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/19(水) 13:23:47.10 ID:YWuqNrNI0
書き溜めてるって訳ではないのか

23:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/19(水) 13:26:42.94 ID:sViwJ6eP0
>>21
一応、書き溜めてあるよ。
ただ、全部で20万字くらいあるから、その中から必要そうなのを選んで
今書き込んでる。本当は手記を出そうと思ったけれど、もう時間がないんだ。
だから、この場を借りてぱぱっと書くよ。

24:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/19(水) 13:28:35.02 ID:sViwJ6eP0
次の日学校へ行ったらさ、小さい街だからやっぱり同じ学校だったわけよ。
放課後に校庭でカミーユ達がサッカーしているのを見つけて、そこに駆けていったね。
カミーユも俺を見るなり駆けてきてさ、「サッカーやろう!」って誘ってくれたんだ。
昨日いたメンバーの他にも、クラスの子とかがいたりして、
身振り手振りのコミュニケーションしかできなかったけれど、仲良くなるきっかけになったよ。

25:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/19(水) 13:28:54.04 ID:C4wlKxOPi
時間がないと書かれると先が短いと理解していいのか?

27:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/19(水) 13:31:19.58 ID:sViwJ6eP0
>>25
うん。今仕事も引き継ぎ終えて、来週ぐらいには多分、日本にも居ないよ。
その前に、約束を果たさなきゃいけなくてさ。
その日以降から、言葉は殆ど通じなくても、一緒に鬼ごっこしたりサッカーしたりして遊んでさ、
クラスでも徐々に一緒に過ごす友達が増えてきて、学校がとても楽しかった。
特にカミーユとかドラガンはクラスが違うっていうのに、休み時間になると俺のクラスまで
来てくれてさ、一緒にくだらない遊びしてたな。昼休みはワンバンっていって、
サッカーボールを一回のバウンドだけでキャッチして相手に蹴るゲームとかやったりしたなー。
何でここまでカミーユ達、特にカミーユが仲良くしてくれるのかはわからなかったけれど、
ありがたかったよ。その理由がわかった時は、すごく辛かった。

30:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/19(水) 13:33:47.44 ID:sViwJ6eP0
とはいってもさ、学校のない日はやっぱ暇な時が多い。毎回カミーユ達と遊べるわけじゃないしね。
それで色んな所を一人探検したりしてた。高原っていうか平原が無限に広がってる感じで、
なかなか面白かったよ。
そんなある日、カミーユ達はモスクだとか教会がどーのこーので遊べないから、
いつものように一人で探検してたんだ。
そしたらさ、少し丘を登って過ぎたあたりに、家があったんだよね。結構ぼろっちい。
最初廃墟かと思って、潜入を試みたわけなんだけど、庭に入ったところで同い年位の女の子と
ばったり鉢合わせちゃったんだ。
二人同時に「ビクッ!」ってなったね。ヤバイ。人が住んでたってわかった俺は、そのまま逃げれば
いいものをさ、慌てちゃって何故か自己紹介しちゃったんだ。日本語でだけどね。

32:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/19(水) 13:34:19.90 ID:/m92g2yW0
カミーユなんて女みたいな名前だな

36:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/19(水) 13:35:53.31 ID:sViwJ6eP0
>>32
バリバリあっちだと男だよw日本のアニメとかで付けられる名前は変だと思う。
そしたら、俺が大体何言ったのか理解したっぽくて、名前を教えてくれてさ、豆?みたいな
お菓子をくれたwあ、仮にこの女の子をソニアってしとくわ。
街の中心からソニアの家までは子どもの足で大体1時間か2時間ぐらいなんだけど、
ソニアは同じ学校じゃないんだよね。同じ学年なのになんでだろうって思ったけど、
当時はまだ何も知らなかったから、ふーんって位にしか思わなかった。
それから夕方ぐらいまで近くの丘で花摘んだりしながら遊んでたんだけど、
気づいたら暗くなってきてたんだ。このまま歩いて帰っても、また1・2時間かかっちゃう。
どうしようって思ってたら、丁度ソニアパパが帰宅してさ、ソニアと何か話した後に
俺をソニアと一緒に車で街まで送ってくれたんだ。


37:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/19(水) 13:37:35.83 ID:AGBuz6HR0
スレブレニツァじゃないよな?

39:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/19(水) 13:38:29.51 ID:sViwJ6eP0
>>37
あそこは悲惨だったと思う。でも、俺はカリノヴィクだ。
家の前まで送ってもらった後に、
「ドビジャニヤ!ハンデダゼニカジェネチェニデルデ!」って感じで、
バイバイ、また遊ぼうねって約束して別れたんだ。
送ってもらう途中、言葉話せないってアピールしてるのに、ソニアパパが
笑顔で色々と話しかけてきて少し困った覚えがある。
ソニアはソニアで一緒に作った花の輪を俺の頭にのせてきたりしてた。

44:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/19(水) 13:44:01.41 ID:ny91FMOy0
>>39 強姦のオンパレードじゃねえか

47:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/19(水) 13:46:34.19 ID:60HAO/620
>>44
だけど、本当に辛い出来事は、カリノヴィクから脱出してフォチャそしてゴラジュデに向かう途中で
おきたんだ。はっきりいって、感動とかの話じゃない。人が死んで、そして殺しての話だから。
だから最初に、皆がどうなったか書いたんだ。苦手な人が読まないようにね。
夏休みに入った時期だったかな。学校で普段一緒に遊んでたメンバーと
飽きずにサッカーしてたんだ。まだこっちの気候に慣れていない俺にとって、
乾燥した夏ってのはそれはそれで辛いものだった。喉が凄い渇く。
日本のじめじめした夏が懐かしかったな。
少しサッカーして、休憩した後にさ、俺が休みの日に何してるのかって話しになって、
ソニアって同い年の女の子の家に遊びに行ってる事を話したんだ。俺らの居る街は
人口も少ない。だから子どもは殆ど同じ学校に通っているわけだけれど、ソニアは
通っていない。じゃあ、俺らで遊びに行っちゃうか!?という話へ自然となったんだ。

38:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/19(水) 13:38:29.11 ID:3TzxK/Q00
手記データにしてあるなら最後にそれアップして欲しいかも

40:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/19(水) 13:40:20.54 ID:sViwJ6eP0
>>38
わかった。最後にアップするよ。
その日は父さんの夕飯食ってる最中に、ソニアの話ばっかりしてたなー。
思い返せば、この時既に俺はソニアに一目ぼれしてたんだと思う。
それからは、学校ある日はカミーユ達とサッカーしたりして遊んで、
休みの日は毎回2時間位歩いてソニアの家まで遊びにいってた。
学校も楽しかったけど、週に1度ソニアのトコに遊びに行くのは
もっと楽しかった。楽しいと言うより、楽しみだった…だな。

41:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/19(水) 13:40:41.34 ID:Hu8APTN70
そっちいた頃は主に何食ってたの?

43:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/19(水) 13:43:29.19 ID:60HAO/620
>>41
ブレクだとかたまに、ボサンスキ・ロナッツ。
ただ、父さんは仕事から帰ってくるの遅いのが多いから、
豆とか多かった気がする。
大体する事と言ったら、花を摘んだり、オママゴトしたりさ、
人形遊びしたり、ソニアパパの猟にくっついていったりぐらいなんだけどね。
ソニアのパパもママも、毎回来て迷惑だろうにソガンドルマとか作って
お昼に食べさせてくれた。あの味は今も忘れられないよ…本当に。
野菜嫌いだった俺に野菜の美味しさを教えてくれたよ。

48:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/19(水) 13:48:12.56 ID:60HAO/620
ただ、女の子の家に男だけで行くのも少し恥ずかしいらしい。そういうわけで、他に学校の
女の子二人と俺を含めて6人の男子、8人でソニアの家に向かったわけだ。
当時ペットボトルとかいう画期的な容器はないから、重い水筒らしきものを背負って
皆で高原を歩いていったわけだ。日本に比べて気温は高くないんだけどさ、
日によっちゃ凄い熱くなったり、夏なのに気温低かったりしてな。その日は
凄く暑かった。皆汗だくになってヒーヒーいいながらも、何時もより時間かけつつも
到着したわけだ。

49:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/19(水) 13:50:13.60 ID:60HAO/620
あー、俺以外の7人は、
カミーユ
ミルコ
メフメット
カマル
ドラガン
サニャ
メルヴィナね。
ソニアの家の前でさ、皆で
「ソニャー!ハンデダゼニカフゥバルサマナー!」って呼んだんだ。
少ししたらバタバタしながらソニアが出てきてさ、俺達みた瞬間目が点になった様に固まってた。
俺はさ、学校の友達連れてきたから、皆で遊ぼうって言ったんだ。
そしたらソニアは少し怯えながら
「こんなに大勢で遊んだことないから怖い」って言うんだよ。

50:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/19(水) 13:53:24.94 ID:vW+HEIyl0
その時点では言葉はなせたのか

53:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/19(水) 13:56:36.69 ID:60HAO/620
>>50
俺が来たのが1990年4月で、この夏っていうのはその年の7月の事なんだ。
カタコトではあるけれど、多少理解できるようになってたよ。まだ6歳ぐらいだったから
覚えるの早かったのかもしれない。
そうなのかーとは思ったけど、なら良いチャンスだ!というわけで、
皆でサッカーをする事にしたんだ。実際は、男子6人がサッカーをして
ソニアたち女子は3人で花を摘んだりしてたわけだけどさ。
帰り際にソニアが目をキラキラさせながら、今日は楽しかった!ありがとう!と
言っていたのが印象的だった。帰り、街までソニアパパがいつものように送ってくれると
言ってくれたんだけど、8人は流石に乗れないので、サニャとメルヴィナだけ車で送ってもらって、
カミーユや俺といった男子は歩いて帰る事にしたんだ。夏だからまだ外も明るいしね。

52:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/19(水) 13:54:52.50 ID:0/cUsgWH0
>>1
たぶん大丈夫だと思うがIDかわると偽物とか出てくるかもしれないんでトリップつけてもらえると助かる

56:祐希◆fyiPNhmVqk :2010/05/19(水) 13:58:27.57 ID:60HAO/620
この年の夏は、俺がこの国に滞在した期間の中で最良の夏だった。
毎日何も心配せずに遊び、疲れたら寝て、そして朝起きて遊ぶを延々と繰り返していたよ。
ただ、金曜と日曜は殆どの子達がモスクやら教会に行く為暇なんだ。
だから、その日は大体ソニアの家で過ごしてたな。
当時は宗教というものをよく理解していなかったし、何かのイベント程度に思っていた。

57:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/19(水) 14:00:21.82 ID:LAjnRD+4i
>>1
同い年か
当時はファミコンでロックマンしてたなぁ

59:祐希◆fyiPNhmVqk :2010/05/19(水) 14:02:55.15 ID:60HAO/620
>>57
今26歳?
このバクラヴァは今でこそ日本にもあるらしいけれど、現地では特別な日に
食べられる事が多いデザートなんだ。何故、この日が特別なのかは
最初俺にはわからなかった。だから、「何で?」と質問したんだ。
すると、ソニアは少しモジモジと照れながら、
「祐希が私の友達になってくれた。一杯のお友達を連れてきてくれた。そのお礼の日だから。」
確かこんな事を言われたんだ。当時の俺は気づかなかったんだけど、前にも書いたとおり、
ソニアは俺達と同じ年齢にも関わらず学校へは行っていなかったんだ。学校自体に通っていな
かったのか、それとも不登校だったのかは未だにわからないけれどね。

58:祐希◆fyiPNhmVqk :2010/05/19(水) 14:01:33.57 ID:60HAO/620
初めて皆で遊んでから少し経った金曜日、この日も毎週と同じく非常に暇を持て余していた。
じゃあ、またソニアの家に遊びに行こう!と考えた俺は、水筒を担いで向かったんだ。
家に行っていつもの様に遊んでいると、お昼ぐらいになった。
ソニアパパとママは礼拝があるからと言って、お昼を準備した後、
ソニアと俺を残してモスクへ出かけていった。
この日は普段と違って特別な昼食だったよ。
いつもはご飯の後にデザートなんて出ないんだけど、この日はバクラヴァが出たんだ。
最初は、ただのデザートだと思っていたんだ。だけど、ソニアがニコニコしながら、
「特別なんだよ」って教えてくれた。

61:祐希◆fyiPNhmVqk :2010/05/19(水) 14:05:26.68 ID:60HAO/620
だから、ソニアには全然友達が居ないんだ。俺はソニアにとって、
初めて出来た異性の友達で、そして久しぶりに出来た友達だったんだ。
こんな目と鼻の先、数キロしか離れていないのに、
不思議だよな。おかしな話だ。でも、それがこの国の現実だったんだ。
この時は、そういった事を何も知らなかった俺には、そうなんだー位にしか思わなかった。
そういった事もあって、ソニアパパは、一ヶ月前に出会った日の帰りの道中、
ニコニコしながら俺に一杯話しかけてくれたし、遊びに行くたびに歓迎してくれて、
そして帰りはわざわざ車で送ってくれていたんだ。
この時は謙虚だとか遠慮だなんて言葉すら知らなくてさ、ソニアパパやママには
図々しい事を沢山してしまったなと思う。

62:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/19(水) 14:06:16.69 ID:ABhAIbvT0
なんで先に>>4書いたんだ・・・なんで・・・っ!

64:祐希◆fyiPNhmVqk :2010/05/19(水) 14:09:05.27 ID:60HAO/620
バクラヴァを食べながら「美味しいね。」ってソニアに言うと、
ソニアは照れくさそうにしながら、
「私も作るの手伝ったんだよ。」と言ったんだ。
そしてこの日、俺は夕飯前に帰ろうと思っていたんだけど、ソニアパパやママの勧めで
夕飯を食べていくことになったんだ。ソニアのパパやママは朝と昼のご飯を食べていなかったから、
夕飯はとても豪勢だった。お肉はなかったけれどね。ソニアも笑顔で笑っていてさ、
とても幸せな食卓だった。優しい家族だった。
>>62
先に書かないと、読んでいて辛い気分になる人が出てくると思う。
だから、最初に書かせてもらった。最初に書いてあったほうが、
皆も辛くないと思ったんだ。ごめん。

63:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/19(水) 14:07:12.40 ID:LAjnRD+4i
ごめん下げわすれてた
そそ26
11の時の被災体験くらいしかないから戦争なんて想像が出来んぜ

68:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/19(水) 14:16:02.83 ID:0/cUsgWH0
>>63
自分は24だけどソ連崩壊はそのニュースがあった日の昼に友達とマクドナルド行ってハッピーセットとアップルパイ頼んだことまで覚えてるけどイランイラクやユーゴ紛争は遠くの国どころか別世界で戦争やってるみたいだと他人事にすら思ってなかったな。
しかも戦争=悪=戦争やってる国は悪と思い込んでいた。

65:祐希◆fyiPNhmVqk :2010/05/19(水) 14:11:29.05 ID:60HAO/620
夕飯を食べ終わった後はソニアの家族と日本の話はこの国の話をしたりしてた。
気づくと時間も遅くなっていたんだ。父さんに連絡して早く帰らなければと、
慌ててソニアパパにそろそろ帰るという事を伝えた。
すると、「今夜は遅いから、家に泊まりなさい」と言われたんだ。

67:祐希◆fyiPNhmVqk :2010/05/19(水) 14:15:41.53 ID:60HAO/620
流石に一緒のベットではなかったけれど、俺とソニアは夜遅くまでおきて、
ベットの横にある窓から、澄んだ夜空を見上げて、色々と話していた。
初めてヒジャブを外したソニアを目にした。照らされた褐色の髪が
キラキラしていた。
この時だったと思う。漠然としたソニアに対する自分の好意が、
ソニアに対する恋だと気づいたのは。月明かりに照らされたソニアの顔は、
とても綺麗だった。短い6年という人生しか歩んできていなかった俺にとって、
この時のソニアは美しすぎた。そして、こうして26歳になった今でも、
この夜のソニアを超える美しい女性とは出会えていない。

70:祐希◆fyiPNhmVqk :2010/05/19(水) 14:16:54.12 ID:60HAO/620
ずっとこうしていたいと思っていたよ。二人で顔を手を繋ぎながら、
「ずっと一緒にいたいね。」、「ずっと一緒にいようね。」
そう約束したんだ。

71:祐希◆fyiPNhmVqk :2010/05/19(水) 14:18:39.53 ID:60HAO/620
ごめん。書いてて気持ち悪くなってきたぜ。少し休憩させて下さい。
何かわからない事あったら、答えられる範囲で答えるよ。ごめんよ。

72:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/19(水) 14:20:49.48 ID:5swMK0ox0
そんなに書き溜めてあるなら本でも出せばw

73:祐希◆fyiPNhmVqk :2010/05/19(水) 14:22:51.64 ID:60HAO/620
>>72
出さないし、出せないよ。もうすぐ俺死ぬしさ。
時間がないんだ。書くのは約束を果たす為だからなんだ。

74:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/19(水) 14:23:39.14 ID:hZv16Vja0
なんだよその約束って
復讐でもするのか?

75:祐希◆fyiPNhmVqk :2010/05/19(水) 14:26:47.94 ID:60HAO/620
>>74
復讐は何も生まないよ。それを身をもって体験したつもり。
約束は、俺が経験した事を何時か遠い国の人にも伝えろって事なんだ。
だから、今それを果たさなきゃいけなくてさ。
続き書くね。

77:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/19(水) 14:28:16.15 ID:YzltUJCP0
>>75
じゃあ癌かなんかか?

76:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/19(水) 14:27:03.94 ID:Hu8APTN70
病気か何かなの

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