神様「神様だっ!」 神使「神力ゼロですが・・・」
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326: ◆8YCWQhLlF2 :2020/05/22(金) 02:29:00 ID:UJ8ner7w
―
――
――― 太古の昔
継姫「痛みはない也か?」
少女の遠いご先祖「継姫の燻してくれた薬草が効いてるみたい」
継姫「それは良かった也」
ご先祖「ごめんね継姫・・・」ゲホゲホ
継姫「我のことなど心配せずとも良い」
ご先祖「この村最後の人守様だったのに、私が病弱でこんなに早く・・・」
継姫「我は主と一緒に過ごせて楽しかった也よ」ニコッ
327: ◆8YCWQhLlF2 :2020/05/22(金) 02:29:45 ID:UJ8ner7w
ご先祖「ありがとう、継姫・・・ ごめんね・・・」
継姫「謝るでない、我は最後の人守として主に寄り添えた事を誇りの思う也ぞ」
ご先祖「・・・・・・」ニコッ
継姫「ありがとう、安らかに・・・」
ご先祖「」
継姫「我も、すぐそちらへ行こう・・・」グスッ
??「最後の人守、継姫というのは其方か?」
―――
――
―
328: ◆8YCWQhLlF2 :2020/05/22(金) 02:32:21 ID:UJ8ner7w
――― 本殿前
少女「ツグ、そっちの薬草を持ってきてくれる?」
継姫「・・・・・・」ボー
少女「ねぇ、ツグ?」
継姫「え!? な、なん也?」
少女「どうしたの? ボーっとして」
継姫「何でもない也。 少し昔を思い出していただけ也」
少女「・・・・・・。 神ちゃんさんと過去に何かあったの?」
継姫「彼奴は我の宿敵であり―――」
少女「そうじゃなくて」ジー
継姫「・・・・・・」ハァ
329: ◆8YCWQhLlF2 :2020/05/22(金) 02:33:25 ID:UJ8ner7w
少女「聞きたいな」
継姫「我ら一族は落第だった也」
少女「?」
継姫「人を導く役を、我らは上手く果たせなかった・・・」
少女「神ちゃんさんはツグより後に生まれたって言っていたわね」
継姫「我らは任を解かれ、神と名乗る存在が後を継ぐ事になった也よ」
少女「じゃあ、ツグ達の一族はそれで消滅したと言う事?」
継姫「そう也。 人守は共にした人間が亡くなると一緒に消え、新たな人守は生まれてこなくなった」
少女「そうなんだ」
継姫「遠い昔のつまらぬ話也よ」
330: ◆8YCWQhLlF2 :2020/05/22(金) 02:34:24 ID:UJ8ner7w
少女「次いでだし、前から気になっていたことがあるんだけど聞いても良いかしら?」
継姫「なん也か?」
少女「何でツグだけは消えなかったの?」
継姫「・・・・・・」
少女「人守ってその人専用なんでしょ? ツグは私より前の先祖からずっと付いているのって変じゃない?」
継姫「忌々しき話也よ・・・」
少女「?」
継姫「・・・・・・。 消える直前に、ヤツが我の前に現れたのだ」
少女「それって、神ちゃんさんの事?」
継姫「そう也」フッ
―
――
―――
神様「最後の人守、継姫というのは其方か?」
継姫「・・・お前は我の姿が見える也か?」
神様「初めてご挨拶します。 我はこの地を新たに任されることになった神様と申す」
継姫「・・・そうか」
神様「早速ですが、あなた様一族の任はこれで終わりとなります」
継姫「分かっている。 じきに我も消えるであろう」
神様「申し訳ございませんが、それを阻止させていただきます」フカブカ
継姫「なに?」
神様「狭い地ではございますが、この場所を継姫様にお預けいたします」
継姫「どういう事也や?」
332: ◆8YCWQhLlF2 :2020/05/22(金) 02:37:08 ID:UJ8ner7w
神様「いや~ 私めんどいこと嫌いでさぁ、上手くこの地を導けたら私に手柄頂戴よ」ニヤッ
継姫「おま・・・ ちょ、何を申して―――」
神様「子子孫孫の人守になる何か良い感じのおまじない~」
ポワポワ
継姫「うぐっ!」
―――
――
―
333: ◆8YCWQhLlF2 :2020/05/22(金) 02:38:26 ID:UJ8ner7w
少女「ぷっ! 神ちゃんさまらしい」フフフ
継姫「笑い事ではない也!」
少女「なるほど、それでツグはず~っとこの地にいるんだ」
継姫「いい加減疲れた也よ」ハァ
少女「神ちゃんさんに感謝しないとね」
継姫「少女は神になって頭まで毒されてしまった也か?」
少女「そうかもね」クスッ
継姫「彼奴め・・・ やはりコテンパンにのしてやるべきだった也」グヌヌ
少女「ありがとう」
継姫「いきなりどうした也?」
334: ◆8YCWQhLlF2 :2020/05/22(金) 02:39:17 ID:UJ8ner7w
少女「だって、ツグとこうして一緒に居られるのはその時のおかげでしょ?」
継姫「それは結果論であって!」
少女「因果でしょ?」
継姫「・・・・・・。 そう也な」フッ
少女「?」
継姫「ありがとう」
少女「そのお礼は誰宛?」
継姫「ご想像にお任せする也よ」ニコッ
335: ◆8YCWQhLlF2 :2020/05/22(金) 02:39:49 ID:UJ8ner7w
少女「それよりツグ?」
継姫「?」
少女「神ちゃんさんから高級チョコってもらったの?」
継姫「・・・・・・。 あっ」
少女「追いかければまだ間に合うかもしれないわよ?」
継姫「あのタヌキめ! 我のチョコー!!!」ダッダッダッ
336: ◆8YCWQhLlF2 :2020/05/22(金) 02:40:44 ID:UJ8ner7w
少女「ツグってば実体化して余計騒がしくなったわね」クスッ
継姫「少女! 一緒に来る也!」
少女「あら、どうして?」
継姫「どうしてって、我は少女から離れられない也よ!!」
少女「私の神力はこの村全体をカバーしてるのよ?」
継姫「?」
少女「試しに一人で鳥居から出てみたら?」
継姫「・・・・・・」ソー
337: ◆8YCWQhLlF2 :2020/05/22(金) 02:41:54 ID:UJ8ner7w
少女「お先に失礼」ダッダッダッ
継姫「えっ!?」
少女「神ちゃんさんの高級チョコは私が全部もらいに行くわ」ダッダッダッ
継姫「卑怯也ー! 待つ也よ、少女ー!」ダッダッダッ
少女「ふふっ、私の早さにツグは付いてこられるかしら?」
継姫「負けない也よー!」
少女・継姫「せーの! チョコを寄越せー!!」タッタッタッ
神様「神様だ!」 神使「神力ゼロですが・・・」
~ 番外編 2020年春『継々乃社之領域』~
おわり
338: ◆8YCWQhLlF2 :2020/05/22(金) 02:45:27 ID:UJ8ner7w
終わったね
339: 以下、名無しが深夜にお送りします :2020/05/22(金) 05:56:41 ID:wHFjR.bE
面白かったよ
いつもありがとう
341: 以下、名無しが深夜にお送りします :2020/05/23(土) 12:21:29 ID:XBemi9l2
楽しかった、ありがとうナリー!
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