神様「神様だっ!」 神使「神力ゼロですが・・・」
Part145
Part1<<
Part141
Part142
Part143
Part144
Part145
Part146
Part147
Part148
Part149
>>Part160
評価する!(9969)
評価する!(9969)
224: ◆8YCWQhLlF2 :2020/05/05(火) 22:25:40 ID:dRZoMmQw
――― 本殿裏
少女「・・・・・・。 分かったわ、あなたが物音を立てたら突っ込む」
少女「大丈夫よ、覚悟は出来てる。 準備して」
少女「絶対に・・・ 絶対に殺してやる」シャキン
神様「あれ~ 少女ちゃん、日本刀なんか持って何してるの~?」トテトテ
少女「!?」クルッ
神様「お~こわっ、そんな怖い顔見たら流石の私でもブルッちゃうよ」
少女「あなた・・・ どうしてここに・・・」キッ
225: ◆8YCWQhLlF2 :2020/05/05(火) 22:26:17 ID:dRZoMmQw
神様「チョウセンアサガオで眠らせたと思った? あとでこっそり調合教えてよ」
少女「・・・・・・」
神様「まぁ私以外はグッスリだけど」ウヒャヒャ
少女「ちょ、大きな声を出さないで」
盗人「!? ちっ、感づかれたか」タッタッタッ
少女「あっ!」クルッ
神様「おや、こんな遅くに参拝者かな?」
226: ◆8YCWQhLlF2 :2020/05/05(火) 22:26:50 ID:dRZoMmQw
少女「待ちなさい! 逃がさな―――」
神様「追いつかないよ」グイッ
少女「離して! あいつを殺さないと!!」
神様「・・・・・・。 そんな事聞いたら余計離せないって」
少女「!」クッ
神様「歳のわりに良い目つきだ。 中学生には出せない重みがある」
少女「・・・・・・」
神様「おい、もう一人・・・ って言って良いのか分からんが誰かいるんだろ?」
シーン
神様「この状況でも出てこないのか」ハァ
少女「・・・・・・」
227: ◆8YCWQhLlF2 :2020/05/05(火) 22:27:35 ID:dRZoMmQw
神様「詳しい話をして欲しい」
少女「あなたに話しても信じてもらえないわ」
神様「そうかな? これでも結構その手の話には造詣が深いんだけど」
少女「今更話したところで・・・ もう、手遅れよ」
神様「じゃぁ、私から先に話をしよう」
少女「一人にして。 今はあなたと話をする気力は無いの」
神様「だったら、何で私達を招き入れたの?」
少女「え?」
神様「邪魔だったら泊めてくれるはずないよね? 普通は追い返す」
少女「・・・・・・」
228: ◆8YCWQhLlF2 :2020/05/05(火) 22:28:33 ID:dRZoMmQw
神様「さっきだって、私に気付かれるような所で話をしてた」
少女「それは・・・ たまたま油断して―――」
神様「嘘だね。 うちの諜報が2年監視してても隙を見せなかったくせに」
少女「・・・・・・」
神様「私は神宮の神、この国で最高神の役を司っている」
少女「神?」
神様「神の存在は信じない口? んな訳ないよね?」
少女「そうね。 流石神宮の神さま、話の持っていき方が上手いわ」
神様「お褒めにあずかり至極光栄だね」
少女「そんな事思ってもないくせに」フッ
神様「お互い様。 じゃ本題、詳しい話を聞かせて欲しい」
少女「・・・・・・」
神様「たぶん私達は少女ちゃんの力になれる。 だから―――」
少女「・・・少し黙っててちょうだい」
神様「?」
少女「ごめんなさい、あなたに言ったんじゃないわ」
神様「可能なら、少女ちゃんの意思で話して欲しい」
少女「私・・・ 明日の夜に―――」
230: ◆8YCWQhLlF2 :2020/05/06(水) 17:54:23 ID:D9Lav2yM
――― 寝室
神使「Zzz」スヤスヤ
バンッ
神様「起床!!」ゲシゲシッ
神使「痛っ! 痛たた!!」
神様「敵襲!! 夜討だー!!」
忍神「何? 夜討!? 敵はどこだ!!」ハッ
神様「二人ともやっと起きたか」
神使・忍神「神様?」
神様「話がある。 付いてこい」トテトテ
神使・忍神「?」
231: ◆8YCWQhLlF2 :2020/05/06(水) 17:55:57 ID:D9Lav2yM
――― 本殿前
神使「こんな所に連れてきて何があるんです?」
忍神「私は姿を現していても大丈夫なのでしょうか?」
神様「大丈夫。 お、居たいた」
神使「あれは・・・」
神様「お待たせ」トテトテ
少女「・・・・・・」クルッ
神使「少女さん?」
232: ◆8YCWQhLlF2 :2020/05/06(水) 17:56:34 ID:D9Lav2yM
少女「こんばんは、神使さん。 それと・・・」
神様「紹介する。 こいつは忍神」
忍神「こうしてご挨拶するのは初めてになります。 忍神と申します」
少女「そう、あなたが。 初めまして忍神さん」フフッ
神使「少女さんの雰囲気がいつもと違う気がしますが・・・」
少女「どっちが本当かなんて忘れちゃったけど、こっちの方がしっくりくるわ」
神様「見た目とのギャップが萌え萌えで良いねぇ~」
神使「あの・・・ これは一体・・・」
少女「私からも、もう一人紹介します」
神使「もう一人って、まさか・・・」
神様「どこにいるのかなぁ?」キョロキョロ
233: ◆8YCWQhLlF2 :2020/05/06(水) 17:57:06 ID:D9Lav2yM
少女「あの子は、私以外に見ることが出来ないの。 だから私を媒介にするわ」
神様「媒介?」
少女「あの子と一時的に入れ替わる」
忍神「そんな事が・・・」
少女「入れ替わっている間は私の記憶が飛ぶ。 もし、私に戻す場合は3回手を叩いて」
神様「3回拍手をすれば良いって事?」
少女「そうよ。 じゃぁ入れ替わるわ」パンッ パンッ パンッ
ポワッ
少女「」ガクッ
神様「入れ替わった・・・ のか?」
234: ◆8YCWQhLlF2 :2020/05/06(水) 17:57:46 ID:D9Lav2yM
少女「・・・・・・」キッ
忍神「瞳が赤く・・・」ゴクリ
神使「失礼ですがあなた様は・・・」
少女「我に言葉を発するなど無礼にも程があるぞ貴様」ギロッ
神使「・・・・・・」
神様「お前は・・・」
少女「久しいな」ニヤッ
神様「・・・・・・」
少女「言葉も出ぬか。 まぁそれも仕方の無いこと、我を前にして―――」
神様「」パン パン パン
少女「ちょ、おま―――」
ポワ ポワッ
235: ◆8YCWQhLlF2 :2020/05/06(水) 17:58:24 ID:D9Lav2yM
少女「・・・ん・・・。 あの子と話は出来た?」
神使「ちょっと神様! 何で戻してしまったんですか!?」
神様「いや、だって生意気だったから」
神使「すいません少女さん。 まだ何も話しておらず・・・
少女「・・・・・・。 まぁ理由は大体察しが付くけど」
神様「すっげー嫌な感じだったんだけど、なにアイツ」
少女「あの子、いま神ちゃんさんを全力で蹴りまくっていますよ?」フフッ
神様「え~・・・ マジかよ」
少女「あの子だと余計に話がこんがらがりそうだし、私から触りを話すわ」
236: ◆8YCWQhLlF2 :2020/05/06(水) 21:49:04 ID:D9Lav2yM
――― 本殿内
神使「人守様?」
少女「本当はどういう名称だったか今となっては分からないけど」
神様「それって少女ちゃんしか認識できないの?」
少女「この子は私専用。 一人に対して一人の人守が付いていたそうよ」
神使「いた、という事は・・・」
少女「今は私だけみたいだけど」
神様「背後霊みたいのもの?」
少女「あの子が一番嫌っている呼び名だけど、簡単に言えばそうね」クスッ
237: ◆8YCWQhLlF2 :2020/05/06(水) 21:50:32 ID:D9Lav2yM
忍神「神様はご存じで?」
神様「ん~・・・ 私もそんな存在は初耳だなぁ」
少女「嘘つけこの女、耳齧るぞ! ってツグが叫んでるわ」
神使「ツグ?」
少女「さっき私を介して会った子よ。 本名は継姫って言うらしいけど、ツグで良いわ」
神使「継々神社でツグ様ですか・・・」
少女「“様”なんて付けるほど立派じゃな――― ちょっと、耳元で大声出さないでよ」シッシッ
神様「ツグちゃ~ん、おイタしちゃダメよ~」
神使「神様、あまりちょっかい出してはダメですよ」
神様「へいへい。 んじゃ聞きましょうか、特に少女ちゃんが明日殺されるって言う件を詳しく」
神使・忍神「え!?」
238: ◆8YCWQhLlF2 :2020/05/06(水) 21:51:36 ID:D9Lav2yM
少女「私の家系は、代々ツグのような人守をもつ家だった」
神使「それが、この神社の巫女の勤めということですね?」
少女「その言い方は遠慮してもらえると助かるわ」
神使「?」
少女「私は何とも思っていないんだけど、ツグが嫌がるの」
神様「神社」
忍神「どういう事でしょうか」
神様「ここは神社じゃないんでしょ?」
少女「そうね。 ここには神なんかいないし、ご神体も無いから」
神使「しかし、本殿や鳥居も・・・ 社務所もあるようですが」
239: ◆8YCWQhLlF2 :2020/05/06(水) 21:52:35 ID:D9Lav2yM
神様「時代の流れで一緒くたにされたんだろ」
忍神「失礼ながら、ツグ様は神とは違うのですか?」
少女「さぁ、ツグは一緒にされるのは嫌みたいね」
神使「ではどうして神社の形式に?」
少女「色々あってね。 神宮の管理下にしておいた方がこっちも助かるの」
神様「背に腹は代えられないって事か」
神使「?」
240: ◆8YCWQhLlF2 :2020/05/06(水) 21:53:15 ID:D9Lav2yM
神様「毎年登記書類が提出されたって事は、神宮から補助金が支給されてる」
忍神「なるほど。 確かに神宮に運営困難神社補助制度がございますね」
少女「これでも維持にはお金がかかるの。 未成年である私の生活もあるし」
神様「わかる。 分かるよ、働かずもらうお金ほどありがたい物はないし」
神使「少女さんは中学生だから働けないだけです。 神様の不純な考えと一緒にしないで下さい」
忍神「しかし、よく今まで神宮にバレませんでしたね」
少女「こんな田舎の末端まで調べてたら切りが無いんじゃないかしら」
神様「まぁ今年は気付かれたみたいだけど」
少女「構わないわ。 私の命も明日で終わりだしね」フッ
241: ◆8YCWQhLlF2 :2020/05/06(水) 21:54:51 ID:D9Lav2yM
神使「先程、その・・・ 少女さんが殺されると仰っていましたが」
少女「えぇ。 私は明日殺される」
神使「一体誰に?」
少女「この社にある土器を盗もうとしている男よ」
神使「そんな・・・ でも、何故そんな事が分かるんですか?」
少女「だって、もう60回も殺されてるんだもん」
神使「え・・・」
少女「何度繰り返してもダメだった・・・ 土器を予め壊しても、私がこの地を離れても・・・」
242: ◆8YCWQhLlF2 :2020/05/06(水) 21:55:29 ID:D9Lav2yM
少女「必ず私はあの男に殺される・・・」
神様「そのツグとか言うヤツがその度に時間を戻しているって事?」
少女「そう。ツグの力で私が死んだ後に1年戻してくれているわ」
忍神「そんな事が・・・ 神である私達でさえ人の死は戻すことが出来ないのに・・・」
神様「・・・・・・。 ちょっとツグちゃんと話がしたいな」
少女「もう一度変わりましょうか?」
神様「いや、少女ちゃんも同伴で」
少女「でも、どうやって・・・」
神様「土器はある?」
243: ◆8YCWQhLlF2 :2020/05/06(水) 21:56:09 ID:D9Lav2yM
少女「土器ならその隅っこに転がっているわ」
神様「あ~ あれね・・・」
神使「扱いがあんまりですね・・・」
少女「何度もあれで殺されているし、正直あまり見たくないの」
神使「確かにそうですよね。 軽率な発言失礼しました」
少女「気にしないで。 はい、これが土器よ」スッ
神使「見たところ普通の土器のようですね」
忍神「特に神力が溜っているような事もございません」
神様「好都合だ。 忍神ちょっと手を出して私の手を握ってくれ」
忍神「?」
神様「お前の力が必要だ」キリッ
忍神「仰せのままに」スッ
神様「んじゃ、歯を食いしばって」ギュ
忍神「?」
神使「この流れはまさか・・・」
忍神「一体何をなさるつもりで―― ウギャギャギャー!!」
ポワポワ
神様「お前って結構神力持ってるのな。 頑張れ~」
245: ◆8YCWQhLlF2 :2020/05/06(水) 21:57:45 ID:D9Lav2yM
忍神「ウギャギャギャー!!」
神様「男を見せろ、お前なら出来る。 もっとだ、もっと土器に力を!」
ポワポワ
神様「よしっ」
忍神「ふへっ・・・」フラフラ
神様「あっ、ごめん。 ちょっと取り過ぎちゃった」テヘッ!
忍神「・・・・・・」バタリ
246: 以下、名無しが深夜にお送りします :2020/05/07(木) 19:52:35 ID:URKiWvQg
忍神ちゃんかわいそう
神様「神様だっ!」 神使「神力ゼロですが・・・」
Part1<< Part141 Part142 Part143 Part144 Part145 Part146 Part147 Part148 Part149 >>Part160
評価する!(9969)
ショートストーリーの人気記事
女「ハローハロー。誰かいませんか?どうぞ」
→記事を読む
キモオタ「我輩がおとぎ話の世界に行くですとwww」ティンカーベル「そう」
→記事を読む
魔王「世界の半分はやらぬが、淫魔の国をくれてやろう」
→記事を読む
男「少し不思議な話をしようか」女「いいよ」
→記事を読む
同僚女「おーい、おとこ。起きろ、起きろー」
→記事を読む
妹「マニュアルで恋します!」
→記事を読む
きのこの山「最後通牒だと……?」たけのこの里「……」
→記事を読む
月「で……であ…でぁー…TH…であのて……?」
→記事を読む
彡(゚)(゚)「お、居酒屋やんけ。入ったろ」
→記事を読む
魔法使い「メラしか使えない」
→記事を読む