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キモオタ「我輩がおとぎ話の世界に行くですとwww」ティンカーベル「そう」
Part174


308 :◆oBwZbn5S8kKC :2017/01/30(月)01:35:11 ID:w7G
キモオタ達がここに来てしばらく後…
シンデレラの世界 魔法使いの屋敷
・・・
ゴーテル「さてと、止血と応急処置はこんなもんじゃろ。あとは包帯を巻いて…ありゃ、どこにやったかの…おお、これじゃこれ」ゴソゴソ
カイ「……」
ゴーテル「よしよし、これでいいじゃろ。しかしこれはあくまで応急処置、あとでキチンと医者に診てもらう事じゃ。よいな?」
カイ「……」
ゴーテル「こりゃぁ!気落ちなんざ好きにしとりゃあええが返事ぐらいせんかい!」ベシッ
カイ「……っ!痛ぇだろうがババァ!傷口叩いてんじゃねぇよ、こちとら怪我人だぞ!?」ズキズキ
ゴーテル「ほう、自分が怪我人だという自覚はあるようじゃな。じゃったらもう少し怪我人らしくすることじゃ!こんな状態で戦いの場に戻ろうとするなど自殺行為じゃぞ!まったく…」
カイ「……わぁったよ。あと、悪かったな。応急処置してもらってよ」
ゴーテル「感謝するんならアンタんとこの女王にすることじゃ。もう少し処置が遅れたらお主、アリスの目の前で倒れていたところじゃったろうからな」
カイ「…そうだろうがよ、あいつには感謝なんざできねぇよ。自分を犠牲にするような真似しやがって、残された方がどう思うか考えろってんだよ」
ゴーテル「ふむ…お主の言う事は尤もじゃな、命が失われて本当に苦しい思いをするのは残された方じゃからな」
ゴーテル「じゃがあまり責めんでやって欲しいのぉ、女王の気持ちも痛いほどわかるでな。ワシも娘が危機にさらされておればこの身を犠牲にしてでも助けるわい」
カイ「そりゃあ、あんたんとこは親子だから当然だろ?」
ゴーテル「親子だとか血の繋がりなんざは関係無いわい。女王はあやつらやお前さんはどうしても生きていて欲しいと願った、そうでなけりゃ命など投げ出さんわ」
ゴーテル「女王がそれだけの覚悟をした以上…お前さんがすべき事は気落ちすることなんかじゃありゃせん。そうじゃろ?」

309 :◆oBwZbn5S8kKC :2017/01/30(月)01:39:15 ID:w7G
カイ「あぁ…そうだな。あいつはキモオタに言っていた、アリスを止める方法をもう一度考えろってな」
カイ「戦ってみてわかったが…あいつの時間停止は思った以上に厄介だ。あれをなんとかしねぇと…あいつを止めるなんざできねぇ」
ゴーテル「ほう…じゃが本の虫であるお前さんなら、アリスの時間停止を阻止する方法を知っておるのではないかの?」
カイ「……そりゃあ、心当たりはあるけどよ。そう言うなら女王だって千代だって知ってたはずだ、それで止められなかったってことはそういう事だろ」
カイ「つぅか【不思議の国のアリス】を読んだことある奴なら知ってるはずだろ、どうすりゃ時間を操れなくなるのかなんかよぉ」
カイ「こんな事に首突っ込んでんだ、キモオタ達だって【不思議の国のアリス】くらい読んでんだろ。俺が今更話す事なんかあるとは思えねぇぜ」
ゴーテル「じゃがな…あやつら結構いい加減じゃぞ?それにあやつらが読んだ本が原書の翻訳とは限らんぞ?あのおとぎ話ほどの知名度ならばそれこそ星の数ほど本があるじゃろうし」
ゴーテル「キモオタの事じゃ、手に取りやすい薄手の本…内容が簡略化された子供向けの本を読んでおるかもしれんしのぅ」
カイ「そういや千代が言ってたな…現実世界のおとぎ話の本にはわかりやすく読みやすくされたもんも多いってな」
ゴーテル「なんにせよあやつらは時間停止を阻止する方法を知らん。そしてお前は心当たりがある、ならば協力しない理由はあるまい?」
カイ「まぁ、そうだがよ…」
ゴーテル「それにあやつら、お前さんの事を心配しておったぞ。そうじゃろティンカーベル、いつまで扉の向こうに居るつもりじゃ?こっちへ来たらいいじゃろ」
キィッ
ティンカーベル「……いや、なんかさ、気まずくて。あのさ、カイ、大丈夫?怪我…」
カイ「見ての通りだ、大丈夫じゃねぇよ」
ティンカーベル「だよねぇ…。あのさ、さっきの事なんだけど…」
カイ「なんつうか…悪かったな。あの時は感情を抑えきれなくてよ、お前にも言いすぎちまった。許してくれ」スッ

310 :◆oBwZbn5S8kKC :2017/01/30(月)01:41:04 ID:w7G
ティンカーベル「ううん、気にしてないよ。私もなんていうか…力になれなくてごめん、でもやっぱりあそこで戻っちゃいけないって思ったから…女王の覚悟無駄にしたくないし…」
ティンカーベル「だからカイのお願いは聞けなかった。それだけはわかって欲しいなって…思うんだけど」チラッ
カイ「あぁ、今はもう大分落ち着いた、もう無茶は言わねぇよ」
カイ「あいつの行動を認めるってのは難しいが…俺がやらなきゃなんねぇ事はあいつに文句を言ってやる事じゃあねぇしな。お前じゃねぇがあいつの覚悟を無駄にするってのも嫌だしな」
ティンカーベル「そっか…!そうだよねそうだよねっ!折角女王が時間作ってくれたんだもん、一緒にアリスをぶっ飛ばす方法考えよう!ねっ!」
カイ「なんだお前テンション高ぇな…」
ゴーテル「こやつ、お前さんの処置しとる間ずーっとこっちをチラチラ見ておったからのぉ。お前さんと仲直り…というかわかりあえて嬉しいんじゃろ」ホッホッ
ティンカーベル「い、いいんだよそんな余計な事言わなくても!っていうか喧嘩してたままじゃなんか嫌なの当たり前じゃん!」
カイ「別に喧嘩じゃねぇだろありゃ、ところであいつはどうしたんだよ?」
ティンカーベル「あっ、キモオタは今みんなに連絡してる。アリスにこっちの作戦バレバレだったし、みんなに手を出さないとも限らないし注意してって言っとかないとね」
カイ「あぁ、あの時計で他の連中と連絡が取れるんだったか」
ティンカーベル「そうそう。それにアリスはもう【アラジンと魔法のランプ】の結界破る準備ができてるっぽい事言ってたからね…」
ティンカーベル「だから【アラビアンナイト】のシェヘラザードにも連絡するって言ってた。多分もうそろそろ戻ってくると思うんだけどーー」
ドタバタドタバタ…バターンッ!
キモオタ「ブヒイイイィィッ!」ゴロゴロゴロ ガシャーン

311 :◆oBwZbn5S8kKC :2017/01/30(月)01:43:32 ID:w7G
ティンカーベル「噂してたら肉団子が転がってきた…」
ゴーテル「こりゃあ!キモオタ!人の家であんまり暴れるんじゃないわい、迷惑じゃろうが!」
カイ「つぅかなんで転がってきたんだよ歩いてこいよ、豚界でのトレンドかなんかかよ…」
キモオタ「ドゥフwww辛辣ですなwww我輩、カイ殿の声が聞こえた故ダッシュで戻ってきたというのにwww」コポォ
キモオタ「しかし慌て過ぎてつまづいてしまいましてなwwwそのままゴロゴロと思いっきりこけてしまったわけでござるwww時にゴーテル殿、我輩、腕をすりむいてしまった故に手当てをお願いしt」
ティンカーベル「そんなことどーでもいいからさ、みんな何って言ってた?それ報告してよ」
キモオタ「ちょwww少しは心配して欲しいwww」コポォ
キモオタ「まぁそれはさておきwww皆の者に連絡してきたでござるよwww赤ずきん殿、桃太郎殿、裸王殿、ラプンツェル殿…共に居る者たちにも伝言頼んだでござるwww」
カイ「で、どうするんだよ?アリスにバレちまっている以上、作戦は続行できねぇだろ?」
キモオタ「でござるな、かといって今、個々で動くのも危険でござるし十分に警戒しつつ待機してもらう事にしたでござる。そしてもしも各々の世界が消えそうならば十分に注意して【不思議の国のアリス】に移動してほしいと伝えましたぞ」
ティンカーベル「アリスが全部の世界を消しちゃったらどこに行っても危ないし、絶対消えない保証があるのそこだけだもんね…」
キモオタ「ぶっちゃけ敵地でござるし危険度で言えばヤバイのでござるが、こうなればやむを得んでござる。ここに今一度集まる事も考えたでござるが…」
ゴーテル「一網打尽にされる可能性もある、一か所に集まるのは危険に思えるのぉ」
キモオタ「我輩もそう思うでござる、故に今回はそれを避けたのでござるが…それよりも一つ気になる事があるのですぞ」

312 :◆oBwZbn5S8kKC :2017/01/30(月)01:45:09 ID:w7G
ティンカーベル「えっ、気になる事って何?もしかして誰かが危ない目にあってたとか…!」
ゴーテル「ワシの娘は無事じゃろうな!」ガタッ
キモオタ「ラプンツェル殿は無事でござるから座っていただきたいwwwなんか親衛隊が出来たとか言ってましたぞwww」コポォ
ゴーテル「どんな状況じゃいそれ。まぁラプンツェルの可愛さならば遅いくらいじゃがな」
カイ「おい、話を進めてくれ」
キモオタ「そうでござったwww実はでござるな…シェヘラザード殿に連絡がつかないのでござる」
ティンカーベル「えっ…なんで?」
キモオタ「それがわかれば苦労はしないでござる。おはなしウォッチは正常に機能してるのでござるが、連絡に応じてくれないのでござるよ」
ゴーテル「ふむ、シェヘラザードは【アラジンと魔法のランプ】の作者。連絡がつかないとは嫌な予感がするのぅ…」
ティンカーベル「でもさ、ラプンツェルってシェヘラザードのとこにいるんじゃなかった?」
キモオタ「それが親衛隊と別の世界で修業しているとかで同じ世界には居ないらしいのでござる。ラプンツェル殿からはシェヘラザード殿に連絡する手段もないとかで…」
ティンカーベル「だったらさ!私がひとっ飛びして【アラビアンナイト】に行って来るよ!」
カイ「でもよ、その世界には結界があるんじゃあなかったのか?」
ティンカーベル「そこでゴーテルだよ!ゴーテルの魔力なら結界破って世界移動できるじゃん!」

313 :◆oBwZbn5S8kKC :2017/01/30(月)01:48:39 ID:w7G
ゴーテル「……」
キモオタ「おおwwwそういえばそうでしたなwwwではゴーテル殿、頼みましたぞwww」
ゴーテル「それは無理な相談じゃ」
ティンカーベル「えぇっ!?なんで?前は出来たじゃん!」
ゴーテル「…今のワシにはそれだけの魔力は残っとりゃあせんのじゃ。あの結界を破る事は、もうできん」
キモオタ「以前よりも魔力が減っているという事ですかな?それはどういう……」
ガチャッ
魔法使い「ふむ、どうやら皆揃っておるようじゃな。カイとやら、傷は一先ず大丈夫じゃな?お主にもこの場に居て欲しい」
カイ「あぁ、問題ないけどよ…なんだ?なにをしようっていうんだ?」
魔法使い「お前たちはアリスを今度こそ止めるための策を練るためにここに飛ばされたのだろう?ならばすべきは奴の時間操作能力を防ぐ事。その件について少し話をしようと思ってな。お主なら【不思議の国のアリス】についても詳しいだろう、カイよ」
カイ「まぁ…何度も読んだからな。ゴーテルばぁさんにも言ったが時間停止を防ぐ方法にも心当たりがある」
キモオタ「おぉ…!それは心強いですな!」
魔法使い「うむ。実はワシとゴーテルも思うところがあってな…アリスの時間停止に対抗する方法を考えておった。そしてとある魔法具を作っておったのじゃよ」
ティンカーベル「あっ、もしかして前にちらっと言ってた奴?二人もなんか策があるって言ってたもんね!」
ゴーテル「そうじゃ、ワシと魔法使いの魔力を駆使して作ったアリスに対する対抗策」
魔法使い「さぁ、キモオタ。この魔法具を受け取るのじゃ、必ずやお主等の役に立つ」
コトッ
キモオタ「これはおはなしウォッチ…!?まさかこれは…我輩の持つおはなしウォッチの改良版でござるか?」
魔法使い「うむ、その通り。新たな機能を搭載したおはなしウォッチ…」
キモオタ「名付けて『おはなしウォッチドリーム』…というわけでござるな!?」キラーン

314 :◆oBwZbn5S8kKC :2017/01/30(月)01:52:58 ID:w7G
その頃…
現実世界 本屋
店員「えーっと…この本はこっちの棚で、あの本はあっちの棚で…うーん忙しい!」ドタバタ
店員「そんでえーっと…次はおとぎ話か、このジャンルは数多くないから楽勝だな…よいしょっと!」ドサッ
店員「さてと、リストと照らし合わせて五十音順に並べていって……んっ?」
スゥゥゥッ
店員「あれ、おかしいな…リストにはあるのに本が無いぞ?さっきまであったのに…」ガサゴソ
先輩「おーい、どうした?無い本でもあったのか?」
店員「あっ、先輩。おかしいんですよ、ほらこれ。リストにはちゃんとあるのに本が無いんですよ、ミスですかね?」
先輩「マジで?なんて本?」
店員「【アラビアンナイト】です。ほら、リストにはあるんですけど…」
先輩「おいおい!お前目の前にあるじゃん【アラビアンナイト】!ほらこれ!」スッ
店員「えぇっ!?ホントだ!おかしいな…さっきは絶対無かったのに…」
先輩「もーっ、頼むよほんとにー!店長に怒られるの俺だぞー?じゃあ俺自分の仕事に戻るからなー」
店員「すんませーん…おかしいなぁ…さっきは確かに無かったのに……ん?」
スゥッ
店員「あれっ!?また無い!?えぇっ!?先輩ー!ちょっといいですかー!やっぱり無いんですけど…」
先輩「あのなぁ、お前も見ただろ?さっきちゃんと……ほらあるだろうがバカ!ちゃんと見なさい!」プンスカ
店員「えぇぇ…ホントだ。どうなってんのこれ……」

315 :◆oBwZbn5S8kKC :2017/01/30(月)02:01:36 ID:w7G
不思議の国のアリス編 きょうはここまで
魔法使い「おはなしウォッチドリームって…なんじゃいそのネーミングセンス」
レスありがとう!
次回をお楽しみ!

317 :名無しさん@おーぷん :2017/01/31(火)02:46:21 ID:t3L
乙!
アラビアンナイトの世界がすごく不安定になってるわけね
…ということはシェヘラザードが危ないってこと!
千夜一夜物語はどうなのか

318 :名無しさん@おーぷん :2017/01/31(火)11:48:19 ID:Tvf
千夜一夜物語の通称がアラビアンナイトだから、シェヘラザードがかなりヤバい状態にあるって事には変わりない
無事でありますように!
…眠ったままのかぐや姫を起こす方法はないのだろうか…

321 :◆oBwZbn5S8kKC :2017/02/06(月)01:08:02 ID:TiB
魔法使い「相変わらずお前のネーミングセンスは理解できんな…、どこから来たというのだその『ドリーム』は…」
キモオタ「ドゥフフwww現実世界のキッズ達に人気のアイテムから名を借りているのでござるよwwwっと、それはさておきwww早速でござるがこの魔法具の説明をしt」コポォ
ティンカーベル「ねぇねぇ魔法使い、おはなしウォッチの新しい機能ってなんなの?二人がアリスに対抗するために作ったって事は…やっぱり時間停止に対抗する力?」
キモオタ「ちょwww我輩のセリフがwww」コポォ
魔法使い「ふむ、長くなるのでその説明は後々するとして…。実はその新型おはなしウォッチ、まだ完成しておらんのだ。最後の仕上げが残っておる」
ティンカーベル「最後の仕上げ?なにそれ?」
ゴーテル「おはなしウォッチは使用者が他者との間に紡いだ絆を感知して会話を可能にしておるじゃろ?つまりキモオタが使って来たおはなしウォッチには様々な絆やこれまでの旅の記憶が込められておるというわけじゃな」
ゴーテル「その情報を新しいウォッチに移動させる必要があるんじゃよ。そうしなければ折角新型を手にしても今までと同じように使う事ができんのでな」
キモオタ「なるほどwwwつまり携帯の機種変みたいなもんでござるなwwwドゥフフwwwファンタジー機種変キタコレwww」コポォ
ゴーテル「機種変が何かは知らんが…前のウォッチから魔力を取り出して新ウォッチに流し込むだけの簡単な作業じゃ。では以前使っていたウォッチを貰おうかの」
キモオタ「了解でござるwwwではこのおはなしウォッチはゴーテル殿へ…ではよろしく頼みますぞwww」スッ
ゴーテル「うむ確かに。さてキモオタよ、今からこの旧ウォッチの魔力をその新型の方に転移させるでな…新ウォッチを腕に巻き、そのまま高く掲げよ」
キモオタ「ほうwww腕を高く掲げるとはまたベタベタな少年漫画的ポーズでござるなwwwさて、こんなもんでよいでござるかなwww」シュタッ
ゴーテル「腕を掲げるだけでいいんじゃ、ポーズまでとる必要はないのじゃが…まぁよかろう、そのままじっとしておれ」
ポオオォォ
キモオタ「おおおwwwおはなしウォッチが光に包まれていきますぞwwwこれはなんともふつくしいwww」コポォ
ティンカーベル(どうでもいいけど決めポーズが絶望的にダサい)

322 :◆oBwZbn5S8kKC :2017/02/06(月)01:11:12 ID:TiB
ゴーテル「…よし、もう手を下ろしても構わんぞ。これでその新たなおはなしウォッチも今までと同じように使えるでな」
キモオタ「ありがたいでござるwwwしっかし以前のおはなしウォッチとさほど見た目は変わりませんな」
ティンカーベル「うんうん、言えてる!どうせパワーアップすんなら見た目もかっこよくすればよかったのにねー」
魔法使い「そんなものは必要あるまい、魔法具のデザインを競っているわけではないのだからな」
キモオタ「確かにそうでござるけどwww」コポォ
魔法使い「安心するといい、外見の変化は少ないが魔法具としてはより優れたものへと変化を遂げておる。一回りも二回りもな」
キモオタ「ほうwwwプロである魔法使い殿がそう仰るのならば間違いは無いでござろうwwwしっかし旧タイプのおはなしウォッチも相当便利な魔法具だったでござるが…」
キモオタ「この新型はそれを凌駕するというのでござるから驚きでござるよwwwバージョンうpしたおはなしウォッチの新たな機能に今からココロオドリますなwww」コポォ
ティンカーベル「でさ、結局…このおはなしウォッチは何ができるようになったの?やっぱり時間停止には時間停止で対抗する感じなの?」
魔法使い「まぁ、簡単に言えばそういう事になる」
ゴーテル「アリスが時間を止めている間、停止した時間の中を自由に行動できるのはアリスだけじゃ。それに対抗するにはアリスの能力自体を無効化するか、こちらも時間を止めて同じ舞台に立つ必要があるでな」
魔法使い「アリスが魔法や魔法具を使って時を止めているのならば話は早かったのだが…アリスの能力は少々特殊。こちらも時間停止の能力を得たほうがよいと判断した」
カイ「マジかよ、女王ですら出来なかったってのに【シンデレラ】と【ラプンツェル】の魔女が手を組めば時間を操る魔法すら可能ってのか…すげぇな」
キモオタ「ほうwwwまさか我輩が時間操作系の能力者になる日が来るとはwww凄まじいパワーアップでござるぞこれwww」コポォ
ティンカーベル「だよね。実際アリスが強いのも時間停止が厄介だからってのが大きいし、アニメや漫画でも時間操作できるキャラは強いし人気あるもんね」
キモオタ「ジョジョのDIO様とかラスボスでござるしなwwwちなみに時間停止キャラなら我輩の推しは断然、まどマギのほむほむですなwww」コポォ

323 :◆oBwZbn5S8kKC :2017/02/06(月)01:15:01 ID:TiB
カイ「つーかよぉ、言っちゃ悪いがそんな便利なもん作れるならもっと早く作ってくれって話なんだが…」
魔女s「……」
ティンカーベル「ちょ、そんな言い方しちゃ悪いよ!」
カイ「だから悪ぃって前置きしただろ。でも実際よぉ、こっちにも時間停止の能力がありゃあアリスにあそこまで苦戦する事も無かったって事だろ?」
キモオタ「むむっ…確かにそうかもしれんでござるが…」
カイ「考えても見ろよ、もっと早くにこの能力もってりゃあきっと数え切れないほどの世界を救えたはずだぜ。それ以上の命だって守れたはずだ」
ティンカーベル「そ、そーだけどさ…なんか理由があるんだって…」
カイ「だとしてもだ。ばーさん達を責めるつもりなんかねぇけど、こういう便利なもんがあるならもっと早くーー」
ガタッ
ゴーテル「たわけ!容易くできるもんならワシらもとっくにやっとるわい!考えてモノを言わんか馬鹿者!」ビュン
ゴスッ
カイ「痛ぇ…!殴るこたぁねぇだろばーさん!」ギッ
ゴーテル「お主の言いたい事ぐらいわかるわい!確かにもっと早くこの能力があれば雪の女王を失わずに済んだはずじゃ。お前さんはそこが気に食わんのじゃろ?」
カイ「……」チッ
ゴーテル「雪の女王を失ったお主の辛さは理解しとるつもりじゃ。じゃがな、大事なもん失っておるのが自分だけじゃと思わん事じゃ!」
キモオタ(魔法使い殿はシンデレラ殿を我が子のように思っていたでござる。魔法使い殿もまた、アリス殿の手によって大切な人を失った独りでござったな…)
魔法使い「もうよい、ゴーテル。相手は子供でしかも怪我人だ、それに気持ちはわかる…そこまでだ」

324 :◆oBwZbn5S8kKC :2017/02/06(月)01:16:57 ID:TiB
ゴーテル「しかしじゃな魔法使い…」
魔法使い「もうよいと言っているだろう。それにワシも少々後悔しているのでな、確かにもっと早く時を止める魔法具を作っていればシンデレラを守れたかもしれぬ」
カイ「聞いた話じゃあシンデレラは確か…」
キモオタ「詳細は不明な点が多いでござるが、とりあえず今は…アリス殿のところに捕われているようでござる」
ゴーテル「言ったじゃろカイ、大事なもんを失っておるのはお前さんだけじゃないとな」
カイ「そうだったのか…。悪かった、俺はあんたの気持ちも知らないで言いすぎちまった。許してくれ」
魔法使い「気にするでない。感情的になった子供に責められて落ち込むほど純粋じゃありゃあせんよワシは」
カイ「あんたも俺と同じでアリスに家族を奪われちまってたんだな……」
魔法使い「ワシらは家族などという間柄ではありゃせんよ、シンデレラはこの国の王妃じゃがワシはただの魔法使い……いいや」
魔法使い「今のワシはただの老婆に過ぎん。魔法も使えぬただの老婆だ」
ティンカーベル「えっ?それってどういう事?魔法使えないって…?」
カイ「おい、あんたまさか…」
キモオタ「魔法使い殿!お主…もしかしてこの時間停止機能付きの魔法具を作るために魔力を……!?」ガタッ
魔法使い「……」
ゴーテル「数日前、ここでワシ等がシンデレラを捜索した話をした際、二人とも不思議に思っておったじゃろ?」
ゴーテル「魔法使いは世界移動をすると魔力が制御できなくなる体質じゃ、それなのに何故問題無く【美女と野獣】の世界へ行く事が出来たのか…」
ティンカーベル「そうそう!それ不思議に思ってたんだよね…でももしかして、その時にはもう…!」
ゴーテル「そうじゃ、その時点で魔法使いは完全に魔力を失っておった。いいや、自ら捧げたと言った方が正しいじゃろう」
ゴーテル「シンデレラを救いだすため、アリスを止めるため…魔法使いはその身に宿す魔力を全て投げ出したのじゃ」

325 :◆oBwZbn5S8kKC :2017/02/06(月)01:21:22 ID:TiB
ティンカーベル「完全に魔力を失ったって…。で、でも魔法の知識はあるわけだしなんとか魔法使う事も…!」
カイ「できねぇだろうな…グレーテルと似たようなもんだ。本人に魔法の知識があったとしても魔力が無けりゃ独りじゃ魔法は使えねぇ」
キモオタ「すまんでござる…その様な覚悟が込められた魔法具とは知らず、我輩はただただ浮かれてしまい…」
魔法使い「えぇい、何をしんみりしておる!まったく…ゴーテルが仰々しく語るからこやつらが責任を感じておるだろうが」
ゴーテル「そうは言うが大切な事じゃろう、こやつらに悪気が無い事くらいはわかるが…少々物事を軽く見過ぎじゃ」
ゴーテル「時間の流れは絶対、そして一方通行じゃ。そして空も海も大地も、そこに住む様々な生物もその流れに従って生まれそして死んでいく。何者にも干渉することは許されない、それが例え魔法使いや魔女でもじゃ」
キモオタ「むむ…我々、魔法使い殿やゴーテル殿に助けられてきたせいか、魔法さえ使えば何でもできると思い込んでいたようでござるな…」
ティンカーベル「うん…私もだ、しかもちょちょいのぱっぱでお手軽にできるって思ってた…」
魔法使い「それは大きな間違いじゃな。魔法とて万能ではない、確かに魔法は不可能を可能にする、理を覆す事が出来る、時に干渉するという事も…それ自体は不可能ではない」
魔法使い「だが何事にも代償は必要だ。紙切れを宙に浮かす魔法と時を止める魔法、同じ魔法でもその代償が同じというわけではないのだ。強力で影響力の高い魔法ほどその代償は大きい」
魔法使い「ワシの持つ魔力全てとゴーテルの魔力半分以上、それに数種類の希少な魔法植物と鉱物…それが時を止める為に必要な代償じゃ」
キモオタ「ゴーテル殿も魔力を…!」
ゴーテル「大丈夫じゃ、ワシはそもそも魔法植物の栽培がメインじゃしな。だが先に言ったように【アラビアンナイト】の結界を破る事は出来ん」
ゴーテル「ワシも魔法使いも…魔力を手放した事を後悔などしておらん。その事を恩着せがましくするつもりもありゃあせん」
ゴーテル「ただ、時間に干渉するという事は本来…それほどの代償と覚悟が必要と言う事じゃ」

326 :◆oBwZbn5S8kKC :2017/02/06(月)01:24:27 ID:TiB
ティンカーベル「…ずるい!ずるいじゃんアリスの奴!」バンッ
ティンカーベル「魔法使いとゴーテルが魔力を失ってようやく時間に干渉出来るんだよ?でもアリスは何回も何回も時間を止めて…ずるい!」
カイ「ズルイも何も…アリスの能力は魔法じゃねぇんだ。魔力を必要とするわけじゃねぇから比較にならねぇだろ」
キモオタ「アリス殿の時間停止…そのメカニズムについては以前司書殿が教えてくれたでござる」
カイ「あぁ、あいつに聞いてたかそれなら話は早い」
ティンカーベル「うん、教えてくれたよね。えっと確か…」
キモオタ「【不思議の国のアリス】の主人公であるアリス殿は『時間』そのものとの対話ができるのでござる。そして親しいが故に時間はアリス殿の頼みを聞いて時間を止めたりできる…のでござったな?」
魔法使い「その通りじゃな」
ゴーテル「キモオタにしてはよく覚えておったのぅ。忘れておると思ってカイに説明させようと思っておったんじゃが」
キモオタ「流石に覚えておるでござるよwww重要ポイントでござるからなwww」
ティンカーベル「うーん…でもそれ聞くとなおさらずるいよ!なんなの時間と話せるって!時間と仲良しって何!?意味わかんないし!」
カイ「そんな事言い出したらお前が住んでたネバーランドも大概意味わかんねぇよ、あそこに居ると歳をとらないんだろ?なんでだよ」
ティンカーベル「それはそういうもんなの!なんでもクソもないんだよ!」
キモオタ「ちょwww暴論wwwとはいえ確かに時間と対話できるというのはハチャメチャというか…なんとも不思議な話でござるな」
魔法使い「それはそうだろう、アリスが住む世界に理屈だとか常識だとかそういった類の者は通用しないだろう」
魔法使い「なにしろあそこは『不思議の国』なのだからな」