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キモオタ「我輩がおとぎ話の世界に行くですとwww」ティンカーベル「そう」
Part171


238 :◆oBwZbn5S8kKC :2017/01/05(木)01:26:47 ID:vL8
ティンカーベル「そうなの!?じゃあ私にも教えてよキモオタ!」
キモオタ「いや、確信があるわけではないのでござるけど…。アリス殿、お主もしかして元々は【不思議の国のアリス】の主人公ではなく、現実世界の住人なのでは……?」
ティンカーベル「はぁっ!?いくらなんでもそんな事があるわけ…」
アリス「そもそも【不思議の国のアリス】は他の雑多なおとぎ話のように大勢の人間の為に執筆されたおとぎ話じゃない」
アリス「ルイスは一人の親しい少女をモデルに、その少女の為だけにそのおとぎ話を執筆した」
キモオタ「その少女と言うのが…お主、アリス殿と言うわけでござるな?」
アリス「そうだ。【不思議の国のアリス】は元々現実世界でルイスがボクの為に書いてくれたおとぎ話だ」
ティンカーベル「待ってよ!あんたが現実世界の住人だって言うなら、おとぎ話の主人公の方のアリスはどこにいるってのさ!」
アリス「わからない奴だな君は、目の前にいるじゃないか。主人公のアリスがさ」
ティンカーベル「ちょ、ちょっと待って!全然理解が追い付かないよ…キモオタァ!説明!」
キモオタ「つまりアリス殿は元々、我輩と同じ現実世界の住人。そして…おそらく何らかの理由で【不思議の国のアリス】の主人公の代役を担ったわけでござろう、つまり……」
アリス「ボクはアリスであってアリスではない。そしてアリスではないけれど…アリスだ。折角だ、あらためて名乗らせて貰おうか」
アリス「ボクの名前はアリス、【不思議の国のアリス】の主人公…。そして……」
アリス「アリスのモデルとなった現実世界の住人…アリス・プレザンス・リデルだ」

239 :◆oBwZbn5S8kKC :2017/01/05(木)01:34:12 ID:vL8
今日はここまで 不思議の国のアリス編 次回に続きます
不思議の国のアリスの成立知ってないと分かりにくいかな、この展開…
俺はロリコンじゃないけど史実のアリスリデルの幼少時代可愛らしいと思う
このssはフィクションです

244 :◆oBwZbn5S8kKC :2017/01/10(火)00:24:55 ID:gL5
更新していきます
後々本編でも触れると思うけど【不思議の国のアリス】の成立をざっくりのせとく
チャールズは数学者としてイギリスの大学に勤務してた

そこで親しくしていた男性の娘がアリス・プレザンス・リデル
チャールズはアリスと親しくなり一緒に出かけたりするようになる

ある時、アリスに即興のおとぎ話を聞かせてやるとそれをアリスはとても気に入り続きを聞かせてほしいとねだる

チャールズはその即興の物語を完結させ、手作りの本にしてアリスにプレゼントする

その物語が素晴らしいという評価を受け、出版するように勧められる

ルイス・キャロル名義で【不思議の国のアリス】出版

これが大ヒット。現在でのアリスの知名度は知っての通り
このSS本編でアリスが言ってたように特殊な成立で
民間伝承のおとぎ話や、それをまとめて加筆修正して出版したグリム兄弟
大勢の人々に読んでもらう事を前提としたアンデルセンをはじめとする創作童話作家とはその成立が異なって
結果はどうあれ、元々はアリスの為だけに作られたおとぎ話です
以下、本編ですー

245 :◆oBwZbn5S8kKC :2017/01/10(火)00:26:52 ID:gL5
ティンカーベル「そ、そんな話信じられるわけないじゃん!だって…突拍子が無さ過ぎるもん!」
ティンカーベル「あんたはアリスだけど本当は主人公の『アリス』じゃなくて代役なんだとか、元々は現実世界の住人で『アリス』のモデルだとか…そんなの言われたって信じられないよ!」
アリス「信じようと信じまいとこれは本当の話だ。元々ボクは『アリス』のモデルだ、そしてある事情で『アリス』はもう居ない…だからボクがアリスを務めている」
キモオタ「にわかには信じがたいでござるが…おそらく、アリス殿の言葉は偽りではないのでござろうな」
ティンカーベル「でも、やっぱ簡単には信じられないって…。ねぇ、実はこれ全部あいつのデマカセでさ、私達を混乱させる作戦って可能性は……」
キモオタ「無いでござろう。ただ我々を混乱させたいのならもっと現実味のある虚言を用意するはずですからな、例えばシンデレラ殿の安否を偽るとか…いくらでも方法はありますぞ」
ティンカーベル「確かにそうかも知んないけど…、でも…」
アリス「ティンカーベル、君がどう思おうがこれは真実だ」
アリス「ボクが現実世界のイギリスで生まれ育った事も、父の友人だったルイスに出会い親しくなった事、【不思議の国のアリス】のモデルになった事、これらは全て真実」
アリス「そしてボクやルイスがマイノリティだからという理由で差別され迫害され…後ろ指を指されてきたという事も。当然、真実だ」
ティンカーベル「……」
アリス「これでもまだ理解ができないというなら、君にもわかるように端的に言おう。ボクは現実世界の人間、そしてボク自身も大切な人もあの世界でひどい差別や迫害を受けた」
アリス「その復讐の為、あの忌々しくて最悪な世界を…現実世界を、ボクは消滅させる」

246 :◆oBwZbn5S8kKC :2017/01/10(火)00:29:41 ID:gL5
キモオタ「ふむ…なんといいますかな、アリス殿の言葉が真実ならば、現実世界を消滅させたいという考えも理解できますな…」
ティンカーベル「キモオタ!そりゃ差別や迫害を受けたって言うのが本当なら可哀そうだよ?でも、だからってあいつのやってる事は…!」
アリス「あの世界に住んでいるお前なら理解できるだろうね、これは正当な復讐だ。ボク達を虐げてきた連中に対する当然の報復だ」
キモオタ「しかし、理解は出来ても納得はできませんぞアリス殿。我輩には先ほど言ったように現実世界を守りたい理由があるでござるからね」
アリス「別に納得してもらおうなんて思っていないさ。過去の話をしたのは納得してもらうためでもなければ同情してもらうためでもない」
アリス「ボクの正当性を証明するためだ。どっちにしろボクは現実世界を消す、誰にも文句は言わせない」
キモオタ「ほうwwwならば我輩がお主の思惑を阻止することに関してもwww文句は言わせませんぞwww」コポォ
アリス「好きにしなよ。ボク達の行動は正しい、正義に基づいている。誰にもボク達を止めるなんて出来ないからさ」
キモオタ「ドゥフフwww復讐とは何の関係もないおとぎ話の世界まで消滅させているお主が正義を口にするなどwwwちゃんちゃらおかしいですなwww」コポォ
アリス「関係無くはないさ。お前たちが知らないだけでおとぎ話の世界には現実世界の平和と秩序を何より大切にする酔狂な輩がいるのさ、そういう連中をボクは知っている」
アリス「奴等はもう始末したけどさ、同じような輩が別の世界にもいるかもしれない。そうなれば邪魔されるのは目に見えている、だから先手を打ったまでさ」
キモオタ「ほうwwwそんな者たちがいるのですかなwwwちなみにどこの世界に居たのですかなwww」ドゥフ
アリス「そんなことまでお前に教えてやる義理はないよ。大方、上手く聞き出して何かに利用しようって魂胆だろう?」
キモオタ「ドゥフフwwwバレバレでしたなwww」

247 :◆oBwZbn5S8kKC :2017/01/10(火)00:31:54 ID:gL5
アリス「知ったところでどうにかできるもんじゃないけどね。あの世界にはもう何もないんだから、主人公も居ないし物語の要になる人物も居ない」
アリス「あるものと言えば朽ち果てた海底の城くらいのものだ。まぁ…当然の末路さ、現実世界なんかに入れ込むからああなる」
キモオタ「ほう…」
アリス「まぁ、そういう酔狂な連中が居なかったとしてもボクは最初からおとぎ話の世界を全て消すつもりだったけどね」
アリス「そもそもこの世にいくつもの世界が存在している事が間違っている。世界はたった一つ…【不思議の国のアリス】の世界があればそれでいい。それ以外は消えても構わない」
ティンカーベル「そんなのあんたが決める事じゃ無いじゃん!私は断然、世界はいっぱいあった方が良いと思うもん!」
アリス「どうしてそう思うんだ?ボクには理解できない」
ティンカーベル「決まってんでしょ!そっちの方が楽しいからだよ!」
ティンカーベル「キモオタと深夜アニメ見ながらピザ食べるのも、シンデレラやラプンツェルと恋バナするのも、赤ずきんや赤鬼とお茶飲むのも、裸王の筋トレ見るのも桃太郎からかうのも、ヘンゼルの一緒にいるドロシー見てニヤニヤするのも…私は全部好きなんだよ!」
ティンカーベル「別の世界の事否定しちゃったら、そういう友達との楽しい思い出も否定することになっちゃうでしょ!だから世界はいっぱいあっていいんだよ!」
キモオタ「ちょwww後半ちょっとアレな気もしますがなwwwとはいえ我輩も激しく同意ですぞwwwというか現実世界しか存在しなければ我輩ボッチでござるしwww」
アリス「お前たちは何も分かっていないな。都合のいいところしか見ていない」
ティンカーベル「はぁ!?そんなこと無いし!」
アリス「様々な世界が存在するという事がどういう事か、お前たちは理解していない。世界が違うということは当然文化も環境も違う、それぞれが持つ『常識』の形が違うのさ」
アリス「そして…人間というのは自分の中の『常識』とかけ離れている事をする相手を受け入れることは出来ない。そういう相手に直面した時、とる行動は決まっている」
アリス「差別、迫害、そして自分の常識に沿わせるための攻撃…果ては戦争だ」

248 :◆oBwZbn5S8kKC :2017/01/10(火)00:34:06 ID:gL5
ティンカーベル「そんなことないよ!いくら文化や環境が違うからってそんなこと…」
アリス「わかりやすい例が身近にいてそんな事をいうのか?それなら聞くけど、お前の主張が正しいなら何故…【泣いた赤鬼】の世界では人間と鬼がわかりあえていない?」
アリス「赤鬼が心優しい鬼だという事はお前も知っての通りだ。なのに赤鬼はどうして村の人間に受け入れられなかった?」
ティンカーベル「そ、それは…。やっぱり、種族が違うから…小さな誤解がアレして…」
アリス「鬼と人間に限った事じゃない。お前たちはヘンゼルとグレーテルが【キジも鳴かずば】の世界に迷い込んだ時の話を覚えているか?」
キモオタ「そんなことまでリサーチ済みでござったか…」
ティンカーベル「ヘンゼル達がその世界に迷い込んだ時…?えっと、確か……あっ!」
キモオタ「ヘンゼル殿とグレーテル殿は…髪の色と瞳の色が日本人のそれとは違うという理由で薄毛のおっさんに迫害されたのでござったな…」
アリス「例をあげればキリが無い。桃太郎はその数奇な生まれのせいで家族ごと迫害を受けたらしいじゃないか、それならば魔力を持って生まれたラプンツェルも…ゴーテルが引き取らなかったらどうなっていたか、考えるまでもない」
アリス「必ず家族ごと迫害される、桃太郎の一家のように。ゴーテルはその事も懸念して彼女を引き取ったんだろう」
ティンカーベル「そ、そうだとしても…そんなのたまたまだよ、まれにそういう場合もあるって事で…」
アリス「本当にそう思っているのか?お前たちの仲間内だけでもこのありさまだ、もっと広い視点で見ればどうなっているか…想像できないはずないだろう?」
ティンカーベル「うぅ…」
アリス「お前の仲間達が証明しているじゃないか。人間は、自分と違う相手を決して受け入れない」

249 :◆oBwZbn5S8kKC :2017/01/10(火)00:37:03 ID:gL5
アリス「違う国の人間を受け入れない、特別な力を持つ人間を受け入れない、種族の違う相手を受け入れない」
アリス「そんな状態で、複数の国や世界が一つになる事など絶対に不可能。その問題を解決するにはもう、方法は一つしかない」
キモオタ「一つの世界だけ残し、他の世界は全て消す…でござるな」
アリス「そうだ、そしてたった一つだけ残すのならば一番ふさわしいのは【不思議の国のアリス】の世界だ」
キモオタ「ほう…。しかし我々が出会った帽子屋殿も大概でござったし…そうは思えませんがな」
ティンカーベル「そうだよ!あんたは自分のとこのおとぎ話だからってひいきしてるだけだよ!」
アリス「そんなことないさ。まぁ個性的な連中だし、みんな自分勝手だからね…冗談交じりに仲間を馬鹿にしたりすることは確かにある」
アリス「それでも絶対に一線を越える事は無い。決して同じ世界に住む仲間を迫害したりしない」
キモオタ「言いきれるほどの自信があるのですな?」
アリス「あぁ、ボクは仲間の事を信頼している。それに…全員が迫害される苦しみと差別される苦痛を知っている」
アリス「だから仲間内でそんな愚かで無意味な事、するはずがない」
キモオタ「全員…?おとぎ話の登場人物、全員がでござるか?」
ティンカーベル「それって脇役とか持って事だよね…どういうことだろう?」
アリス「言っただろう、【不思議の国のアリス】は他の雑多なおとぎ話とは訳が違うと」
アリス「ボクの仲間は全員が同じ願いを持っている。差別も迫害もない平和な世界を手に入れるという願いだ」

250 :◆oBwZbn5S8kKC :2017/01/10(火)00:40:56 ID:gL5
アリス「そしてボクは仲間たち全員の願いを…ルイスの想いを背負っている。だから負けない、負けられるはずが無い」ヒュッ
ティンカーベル「アリスの奴また消えたよ!キモオタ!今度は気をつけて!」
キモオタ「ガッテン承知!先ほどのようにはいきませんぞ!」
ヒュッ
アリス「学習能力があるんだか無いんだかわからない奴だなお前は…」ピトッ
ティンカーベル「あぁっ、キモオター!」
キモオタ「ぬぅっ!?一瞬で背後に回ってナイフを首筋に…!」
アリス「ボクはお前を殺せないんじゃない、万が一に備えてお前たちの手の内を探っていただけだ…忘れたのか?」
アリス「だからその気になればお前のような豚を殺すのは容易い」
キモオタ「ドゥフフwwwそれはやめた方が良いかとwww我々、とんでもない奥の手を隠し持っている故www」
アリス「へぇ、見せてもらおうかな。その奥の手とか言うやつを。どうせ、得意のブラフだろう?」ピトッ
キモオタ「……それはどうですかなwww」
アリス「本当に奥の手なんてものがあるのなら、これだけ長々と時間を与えてやったにもかかわらず何もしないハズが無い」
ティンカーベル「ぐぅ…!私達にいろいろ話したのも、奥の手があるかどうか探るためだったなんて…!」
アリス「つまり…お前たちも雪の女王も私を退ける手段を持っていない、完全に手詰まりって訳だ。それさえわかれば…」
アリス「心おきなく、お前たちを始末できる」

251 :◆oBwZbn5S8kKC :2017/01/10(火)00:43:11 ID:gL5
アリス「今まで散々邪魔をしてくれたけど、それももう終わりだ」チャキ
キモオタ「ぬぅ、万事休すでござるか…!」ブヒッ
ティンカーベル「くぅっ!間に合えぇー!」ピューッ
アリス「無駄だ、間に合ったところでお前の力じゃあボクを止めることは出来ない」ググッ
ヒュッ
ガッ カシャーン
キモティン「……っ!!」
雪の女王「カイ…!」
アリス「……何のつもりだ?ボクは言ったはずだ、お前はお呼びじゃあないと」ギロリ
カイ「フンッ、その割にはナイフ蹴り飛ばされてんじゃねぇか。情けねぇ奴だな」クックッ
アリス「ボクがお前に手を出さなかったのはその必要が無かったからだ。でも本気でボクの邪魔をするっていうなら話は別だ」ヒュッ
ズバッ
カイ「ぐあ…っ!」ブシュッ
雪の女王「クッ…だから危険だとあれほど…!」
キモオタ「ぬぅ、カイ殿!」
ティンカーベル「カイー!」
アリス「言っておくが今更後悔しても遅い。もうボクにはお前を殺すだけの理由がある、望み通り相手をしてやるよ。カイ」

252 :◆oBwZbn5S8kKC :2017/01/10(火)00:47:11 ID:gL5
カイ「フンッ…こんな攻撃でデカイ口叩かれてもなぁ?これなら昔ヘンゼルと喧嘩して殴られた時の方がずっと効いたぜ」ボタボタ
アリス「へぇ、ヘンゼルの拳は腕一本動かなくするほど鋭いのか?」ヒュッ
ズバッ
カイ「…っとぉ、そう何度も喰らってやれるほど俺は優しかねぇぜ」ビュバッ
アリス「そうかい、でもボクには次の攻撃なんか必要無さそうに見えるけど?」
キモオタ「そうですぞカイ殿!その出血量、明らかにヤバイ奴でござる…すぐに逃げるでござrぶひぃいいぃっ!」ベシッ
カイ「テメェがあいつに殺されそうだったから俺が出ざるをえなかったんだろうがブタァ!」ギロッ
キモオタ「申し訳ない……」
カイ「女王も俺もあいつを止められそうにねぇんだぞ!テメェ等が死んだら誰があいつを止めんだ!おいティンカーベルテメェもだぞ!」
ティンカーベル「ご、ごめん…」
カイ「ったく、なんで俺がテメェらの尻拭いを…。……ぐあっ!」ザシュッ
アリス「威勢よく出てきた割には大した事が出来ずにやられるだけ、まさに無駄死にだ。だからボクは言っただろう」
ドサッ
アリス「お前はお呼びじゃあないんだよ、カイ」

253 :◆oBwZbn5S8kKC :2017/01/10(火)00:49:16 ID:gL5
雪の女王「カイ…!アリス、君は…なんと言う事を、なんと言う事を…!」ワナワナ
キモオタ「女王殿!まだ…まだですぞ!カイ殿、まだ息があるでござる!すぐに治療を施せば…今すぐに安全な場所へ移動させますぞ!」ソッ
ヒュッ
アリス「そんな余裕は無いはずだ、不意な割り込みがあったとはいえ…お前を殺す事は決定事項だ」ズバッ
キモオタ「ぬおおぉぉぉっ!我々に託してくださったカイ殿の心意気無駄にはしませんぞぉぉ!!」スカッ
アリス「よく避けたな…だが二度目は無い。お前がどこに走ろうと、ボクは一瞬で背後にまわれる」
ヒュッ
ティンカーベル「だったらキモオタの後ろ飛んでればあんたは勝手に近づいて来てくれるってことでしょ!」ギギギッ…パピュンパピュン
アリス「……っ」スッ
ティンカーベル「ぐぬぬ、避けられた…!って、うわぁー!」ギュッ
アリス「ちょこまかと鬱陶しい。近づけばスリングショットの威力は高くなるだろうが、こんな風にとらえられる事を想定しなかったのか?」
ティンカーベル「くっそぉー!放せバカー!」ジタバタ
キモオタ「ティンカーベル殿…!今すぐに救出したいでござるがカイ殿を放置するわけにも…」クッ…
アリス「さぁ、どうする?カイを助けるかティンカーベルを助けるか…ボクはどっちでも構わない、どちらにしろお前の心を折る事は出来そうだ」

254 :◆oBwZbn5S8kKC :2017/01/10(火)00:51:13 ID:gL5
キモオタ「ぐぬぬ…」
カイ「……おい、ブタテメェ…何悩む事、あんだよ…」ボタボタ…
キモオタ「カイ殿…!喋っては傷口が広がりますぞ!」
カイ「甘っちょろいのも大概にしろ…そもそもオメェがアリスをさっさと殺さねぇからこうなんだぞ……敵に情けなんざかけんじゃねぇ…」
キモオタ「……」
カイ「だがよぉ…うちの女王も似たようなもんだから否定はしねぇ…。でもな、今回ばっかりは…俺とティンカーベルのどっちを優先すべきかわかんだろ…」
カイ「お前らがあいつをなんとかしてくれねぇと…うちの弟妹共にも被害が及ぶんだよ、んな事になってみろ……俺は死んでもお前を殺しに戻ってくるぜ…」ゼェゼェ
キモオタ「……わかりましたぞ」
カイ「よし、だったらいい……って、おい…なんで俺を背負い直す?俺の事は地べたに置いてでもティンカーベルを…」
キモオタ「我輩の選択はお主を背負いつつティンカーベル殿を救う事ですぞ!それだけ喋れるのならしばし我輩の背に捕まる事くらいできるでござろう?」
カイ「馬鹿か…お前何もわかってねぇ…。ここは俺の事見切ってでもあいつを…」
キモオタ「あいにく我輩、強欲でござるからなwwwピザもいつも二種類以上の味を同時に頼むでござるしwww」コポォ
アリス「……」
キモオタ「さぁ行くでござるよアリス殿!手負いと侮らない事ですぞぉ!!」ドスドスドス

255 :◆oBwZbn5S8kKC :2017/01/10(火)00:54:35 ID:gL5
アリス「侮ったりしないさ。ただお前を見ているとこっちが真面目に戦略立てているのがバカバカしくなってくる」ブンッ
ベチン
ティンカーベル「ぐえっ!ちょ、地面に叩きつけるとかありえないし…!あっ、でも逃げられた!キモオター!」ピューッ
キモオタ「何はともあれ無事なら良かったでござる!さぁ女王殿を連れてひとまず撤退を…」
アリス「させるわけが無いだろう」カチカチッ ボボゥッ
ティンカーベル「あっ…!炎で逃げ道が防がれた…!」
キモオタ「むむっ…これでは女王殿と合流する事ができませんぞ…!」
雪の女王「キモオタ。ティンカーベル!私の事は構わずに別の世界へ渡って体勢を立て直すんだ、これ以上続けても…今は勝ち目が無い」
キモオタ「何を言い出すでござるか女王殿…!お主を放置して逃げるなどできませんぞ!」
カイ「自己犠牲とか…かっこつけてんじゃねぇぞ…」ボタボタ
ティンカーベル「そうだよ!女王も一緒に逃げる方法が絶対にあるって!だからなんとかそれを探そう!」
キモオタ「ですぞですぞ!散々世話になった女王殿を見捨てるとかナシですぞ!」
雪の女王「君たちは…どこまで…!」クッ

256 :◆oBwZbn5S8kKC :2017/01/10(火)00:58:40 ID:gL5
アリス「呆れるほど現実が見えていないな、この炎の壁を抜けるなんて不可能だ。女王を犠牲にするかまとめて死ぬか、二つに一つだキモオタ」
キモオタ「ならば三つ目の選択肢を作るまでですぞ!おはなしサイリウムを使ってこの炎の壁をぶちぬきますぞ!」
ティンカーベル「……どうやって?」ヒソッ
キモオタ「……それを今から考えるでござる」ヒソッ
カイ「聞こえてんだよ…バカ共……」
雪の女王「キモオタ、その魔法具は君が絆を紡いだ相手の能力が宿るんだったな…?」
キモオタ「そうですぞ!しかしあいにく、我輩の友人にこのレベルの炎をなんとかできる者は…」
雪の女王「私は炎には弱いが…私が魔法を使えばこの炎の壁はなんとかできるかもしれない」
キモオタ「おぉ…!しかし女王殿はもう魔法を使う事は…」
雪の女王「私は雪の女王…暑さにやられている状態では魔法を使えない。だが身体を冷やす方法があれば…話は別だ」
キモオタ「ファッ!?しかし…」
雪の女王「キモオタ…君は私の家族の為に全力で行動してくれた、身を危険にさらしてまでだ。そんな君の事を…」
コォォォォ
雪の女王「私が友だと思わないはずが無いだろう」
キモオタ「こ、これは…!我輩の魔法リストに雪の女王殿の能力が…!」

257 :◆oBwZbn5S8kKC :2017/01/10(火)01:07:11 ID:gL5
雪の女王「君と私が紡いだ絆、それは間違いなく…氷結の能力。それを私に向けて放つんだ、声で大方の場所はわかるだろう」
キモオタ「なるほど…!我輩が氷結能力を女王殿に放てば、女王殿は魔法が使えるまでに回復できるのですな!?」
雪の女王「あぁ、そういうことだ。できるな?」
アリス「この期に及んでそんな小細工を…!」バッ
ティンカーベル「おおっと!させないよ!キモオタ、今のうちに急いで!!」ペチペチ
キモオタ「うおおぉぉぉ!渾身のオタ芸いきますぞぉぉぉ!」フリフリフリ
おはなしサイリウム『コード認識完了『雪の女王』 魔法発現状態へ移行……モード『Frozen』』
キモオタ「おぉぉ…!なんだか冷たい力が全身を駆け廻りますぞぉ!」パキパキパキ…
アリス「チッ、面倒な事を…!」
雪の女王「よし、その氷結魔法を私へ放て!」
キモオタ「承知!行きますぞおおぉォォ!!炎の壁を飛び越えるように…いっけぇぇぇでござるうぅぅぅ!!」パキパキパキ…