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キモオタ「我輩がおとぎ話の世界に行くですとwww」ティンカーベル「そう」
Part197


962 :◆oBwZbn5S8kKC :2017/08/01(火)02:30:41 ID:9tl
ハートの女王の城 王座の間へ続く廊下
ラプンツェル「桃太郎!きびだんご!お腹すいたからきびだんご早くー!」ペチペチ
桃太郎「ちゃんとやるからそう急かすなって!でもきっとお前驚くぞ、なんつってもアリスとの戦いに備えて用意したこのきびだんごはーー」
ラプンツェル「知ってる!【シンデレラ】の世界で貰ったのとは違うんだよね!あれだよね『とくべつ製』ってやつ!」
桃太郎「お、おう。確かに前にあげたには拙者が作ってるいつもの奴で、今日持ってる奴はばあちゃんに作ってもらった特別な奴だけど……見ても無いのにわかるのか?」
ラプンツェル「だってこないだのとは入ってる袋が違うもん、おばあちゃんっぽいセンス!あと匂いも違うから違う味だなーって思った!」
桃太郎「マジか…女子の甘味に対する嗅覚すげぇ…」
ラプンツェル「そーいうのはいいから!早く食べようよ、いっぱい頑張ったらお腹すいたー」
桃太郎「そうだな、それじゃあこのきびだんごをやr」スッ
ラプンツェル「わーい!いただきまーす!」モチャモチャ…
桃太郎「あっ、お前そのまま食べても…」
ラプンツェル「……なんかおいしくない。甘みが足りなくない?」
桃太郎「ばあちゃんなぁ…最近やたらと犬猿キジの健康気遣っててな、そのままのだんごは甘さ控えめなんだよ。それでもお供達にとっちゃ十分な甘さらしいけど」
桃太郎「でも拙者達人間にとってはちょっと物足りないからな。そこでこれ!このばあちゃん特製の糖入りきな粉の出番ってわけだ!うまいぞー!」テテーン
ラプンツェル「おぉー!あとで甘い粉つけて食べるシステムだぁー!そういうのって楽しいよね!」ワクワク
ライオン・シンデレラ((なんだかすごく盛り上がってる…))

963 :◆oBwZbn5S8kKC :2017/08/01(火)02:34:23 ID:9tl
プンツェル「ねーねー、そのきな粉って奴どーするの?付けて食べるんだよねー?」
桃太郎「そうそう、きびだんごにきな粉をたーっぷりつけて…がぶっと食べる!これがうまいn…げーほげほげほ!ゲーッホゲホ!」
ライオン「桃太郎さん!?またきな粉が喉の変なとこに入ったのっ!?一気に食べるから…!」ワタワタ
ラプンツェル「ありゃー…日ノ本一の桃太郎もきな粉には勝てないのかー…」
桃太郎「ちょっと変なとこ入っただけだから!拙者がきな粉に負けてるみたいな物言いするのやめr…えーっほえほえほ!!」
ラプンツェル「あははは!これじゃ桃太郎は強から日ノ本二だね!」ケラケラ
桃太郎「!? きびだんごあげたのにこの言われよう…」ガーン
シンデレラ「……」
ライオン「シンデレラさん?どうかしたの…?」
シンデレラ「ううん?どうかした?ライオンさん?」
ライオン「い、いや…なんだか元気なさそうに見えたから…。あっ、なんていうかあんな事があって元気な訳ないとは思うんだけど…僕に何かできる事があったらいいなって…」
シンデレラ「ライオンさんは優しいですね。話に聞いていた通りです。桃太郎さんも、ラプちゃんも……みんな優しい」
シンデレラ(皆、私が余計な心配をしないように…あえて賑やかに振る舞ってくれている。そんな皆の気持ちはとても嬉しい)
シンデレラ(罪を償う必要はあるけれど、それでも仲間達の前では私はきっと『シンデレラ』のまま笑っていられるんだと思う。でも、それに甘えてばかりじゃいけない)
シンデレラ(私にはしなければいけない事がある。そう、彼女との…アシェンプテルとの決別だ)

965 :◆oBwZbn5S8kKC :2017/08/01(火)02:37:04 ID:9tl
シンデレラ(彼女は…アシェンプテルは私にとって見知らぬ他人なんかじゃない)
シンデレラ(私が日常を過ごしていく中で心の奥深くにしまい込んだ憎しみの感情。あるいは気づいていながら眼を背けていた現状への不満……)
シンデレラ(私の心の奥底に沈んでいた負の感情。悪魔の鏡の破片のせいで浮上してきたその感情こそが……アシェンプテルなんだ)
シンデレラ(眼を背けて生きてきた今までは、それでよかったかもしれない。でも一度彼女の存在を知り、彼女の想いを知ってしまった以上私は……それをほったらかしにしてはいけない)
シンデレラ(私の中の負の感情…アシェンプテルと向き合い、そして決別をしなければいけない。いつまでも負の感情を抱えていては、皆と本当に笑い合う事は…きっとできない)
シンデレラ(でも、どうすればいいんだろう…?)
シンデレラ(アシェンプテルが特に気にしていた事は…継母への復讐。そして現状、王妃である事の不満…努力もせず運だけで手に入れた地位に対する疑問…)
シンデレラ(継母への憎しみは…確かにある、けれど復讐をしようとはやっぱり思えない。けれど…)
シンデレラ(関係をなぁなぁにしたままではやっぱりいけない。世界を取り戻して、国に帰ったら……はっきりと言おう)
シンデレラ(縁を切るんだと。王妃として処罰を与える事はしない、その代わりにもう二度と私の目の前に現れないで欲しいと……はっきりと伝えよう)
シンデレラ(継母との確執は…それでいいはず、私はそれで納得できる。けれど……運だけで王妃に成り上がったという現実は、変えられない)
シンデレラ(一体どうすべきなんだろう…。どうすれば、アシェンプテルは納得する?どうすれば私は…この心の底の不満を解消できるんだろう…?)

966 :◆oBwZbn5S8kKC :2017/08/01(火)02:43:31 ID:9tl
ラプンツェル「シーンデーレラッ?なんか難しい顔してるー?」
シンデレラ「えっ…?あっ…ごめんね、ちょっと考え事してた」
桃太郎「大丈夫か?きびだんご食べるか?他にも飴とかあるぞ?」
ラプンツェル「えっ!?キャンディあるの!?ちょうだいちょうだい!」
桃太郎「おいぃぃ!今シンデレラがなんか深刻な顔してたって話だろ!話の腰を折るんじゃないよ!あとでやるから!」
ラプンツェル「そうだった!何か悩みがあるんだったら私、聞くよー?だから話してよシンデレラ!」
シンデレラ「……えっとね、ラプちゃんと桃太郎さんにはとても感謝してる。私の事を救ってくれた事も、こうやって変わらず接してくれる事も。もちろんキモオタさんや皆にもね」
シンデレラ「それに友達が居なかった私にとって皆は大切な親友だよ。その気持ちに偽りはないの、だけど……」
シンデレラ「この悩みは……私が一人で決着をつけなきゃいけない事なの。だから…私の中で折り合いがついたら話す、だから今は…ごめん」
ラプンツェル「えーっ?でも皆で考えた方がきっとうまくいくよー?だから話しt」モガモガ
桃太郎「……わかった。お前がそうしたいって言うなら拙者達は何も言わない。でも拙者達に遠慮する必要なんかないからな、頼ってくれたらいつだって手を貸すから」
シンデレラ「…うん」
桃太郎「それと!一応見守るけどお前があまりにも苦しそうだったり辛そうだったら、例えお前が嫌がったとしても助けるから、その余計なお世話は勘弁な」
ラプンツェル「ぷはっ!そーいうことなら私も聞かない!でも無理したらあたまんなかうわーってなるから、それはダメだからね!わかった?」
シンデレラ「ううん、ありがとうね。桃太郎さん、ラプちゃん」フフッ

967 :◆oBwZbn5S8kKC :2017/08/01(火)02:55:04 ID:9tl
シンデレラ(二人に頼れば楽かもしれない、キモオタさん達に頼ればすぐに解決するかもしれない)
シンデレラ(でも、それじゃいけないと思う)
シンデレラ(私は、魔法使いさんやキモオタさんに出会って…舞踏会で王子様に出会って…何の苦労も無く王妃になった)
シンデレラ(幸せな生活を送っていると思う、それに疑問を持つなんておかしいって多くの人は言うと思う)
シンデレラ(それでも私は…アシェンプテルは…納得できていないんだ)
シンデレラ(王族が嫌な訳でもない。ましてや今の恵まれた生活が嫌な訳でも、国王様に愛想が尽きたなんて訳でも無い)
シンデレラ(それでもきっと私は……自分で決めたかったんだ。私だけの目標、私だけの夢、私だけの…なりたい私)
シンデレラ(苦労しても挫折してもいい、努力して努力して…自分だけの目標を掴みたかったんだ。誰かに与えられたものなんかじゃなく)
シンデレラ(それに気がつけたなら、きっと今からでも遅くは無い。王妃をやめるなんてことは出来ないけれど、でも夢や目標を持つ事は出来る)
シンデレラ(そしてそれは、私にだけしか決められない事だ。私の夢は、私にしか決められない事だから)
シンデレラ(私の夢、なりたいもの…今はまだ見つからないけれど、いつか必ず…見つける)
シンデレラ(その為にもアリスを倒さなければいけない、世界を取り戻す。まずはそこからだ)
・・・

968 :◆oBwZbn5S8kKC :2017/08/01(火)02:58:10 ID:9tl
少しだけ時間は遡り…キモオタサイド・シンデレラとの通話後
ハートの女王の城 廊下
キモオタ「解りましたぞwwwお主もあまり気に病まぬようwwwでは後ほどwww」コポォ
ピッ
キモオタ「ぶふぅ〜www一時はどうなるかと思いましたがなwwwシンデレラ殿を奪還できたとなればまずは一安心でござるwww」コポォ
ドロシー「シ、シンデレラさん正気に戻れたんですね…。良かったですよぉ〜…ほんどうによかっだでずぅ〜…」ポロポロ
キモオタ「まーたお主はすぐに泣くwww無事に彼女を救いだす事ができたのでござるから、ここは涙を流すよりも喜ぶべきですぞwww」
ドロシー「そ、そうですね…。でもよかった…きっと皆さんも喜んですよね、赤ずきんちゃん達も、今は消えちゃってるけどティンクちゃんも……きっと喜んでます」
キモオタ「うむ、そうですなwwwあとはアリス殿からランプを取り戻し、消えてしまった世界を元通りにするだけでござるwww」
ドロシー「わ、私も出来る事は何だってやります…!だから頑張りましょうね、キモオタさんっ!」
キモオタ「モチのロンですぞwww」コポォ
†鮮血に染まりし深紅の鍵†『クックック…。アシェンプテルがやられたか…。だが奴はアリス配下最弱の存在……』カチャカチャ
キモオタ「出たwwwお主そういうの言いたいだけでござろうwww」コポォ
†鮮血に染まりし深紅の鍵†『フッ…戯れだ、奴の実力は相当なものだと聞いている。しかし『悪魔の鏡の破片』の呪縛を打ち破るとは…お前の仲間もまた、相当な実力を持つ能力者≪スキルホルダー≫のようだな』
†鮮血に染まりし深紅の鍵†『†運命に抗いし豚†…そして†憤怒と嗚咽の同居人†。お前達の実力も、この俺が力を貸すに相応しいものだと期待している』
†憤怒と嗚咽の同居人†「深紅ちゃん…。あのっえっと、その呼び方なんとか……い、いや別にいいんだけど……」
†運命に抗いし豚†「ちょwww嫌ならばはきちんと断らなければお主の性格だとそのまま流されてしまいますぞwww」コポォ

969 :◆oBwZbn5S8kKC :2017/08/01(火)03:01:17 ID:9tl
†鮮血に染まりし深紅の鍵†『それよりもまだ目的の場所には辿り着かないのか?もう随分と歩かされているのだが…』
キモオタ「ちょwwwお主は微塵も歩いていないでござろうにwww」コポォ
ドロシー「ごめんなさい。でもルイスさんのお部屋までもう少しです、だからもうちょっとだけ頑張ってね、深紅ちゃん」
†鮮血に染まりし深紅の鍵†『まぁいいだろう…。行動を共にすると決断したのは俺自身、ならばお前が負うべき苦難を共に背負うもまた、俺に課せられた運命≪ディスティニー≫』
キモオタ「カッコイイ感じで言ってるでござるけどwwwお主ドロシー殿に運んでもらってるだけでござるからねwww」
†鮮血に染まりし深紅の鍵†『フッ…眼に見えるモノが必ずしも真実だとは限らない…。果たしてその瞳に映る俺の姿は真実か虚構か……』フッ…
ドロシー「わぁー…なんだか深紅ちゃんって難しい言葉をよく使うよね、哲学的って言うのかな?なんだかカッコイイね」
†鮮血に染まりし深紅の鍵†『おっ?おっ?そうか?ーーフッ、中々見る目があるじゃあないか。流石はこの俺が認めた能力者≪スキルホルダー≫…侮れんな』
キモオタ「ドロシー殿wwwあまり調子に乗らせると後が面倒ですぞwww」
ドロシー「そうなんですか…?あっ、それよりも見えてきましたよ!そのつきあたりの部屋がルイスさんのお部屋です!」
†鮮血に染まりし深紅の鍵†『ほう…確かに強力な魔力を感じる。まるで何かを護るする為に張られた強固な結界の様な守護の魔力をーー』
キモオタ「ちょwwwドロシー殿wwwこの扉『第二書庫』って書いてあるでござるけどwww本当にルイス殿の部屋なのですかなwww」
ドロシー「あっ…ごめんなさい、私間違えちゃって…。その部屋じゃなくて二つ右隣の部屋がルイスさんのお部屋です。あっ、でも深紅ちゃんはここから魔力を感じるんだよね?それじゃあこの部屋も調べてみる…?」
†鮮血に染まりし深紅の鍵†『……そ、その必要はない。どうやら気のせいだったようだ』
キモオタ「ちょwwwこれはwww流石の我輩もwww大草原不可避wwwwwwwww」wwwwww

970 :◆oBwZbn5S8kKC :2017/08/01(火)03:03:28 ID:9tl
ハートの女王の部屋 ルイス・キャロルの部屋
ドロシー「さっきは間違えちゃってごめんなさい。今度こそ間違いなく、ここがルイスさんのお部屋です…!でもやっぱり、鍵はかかってますね…」ガチャガチャ
キモオタ「そのようですなwww時に鍵殿、この部屋から魔力は感じますかなwww」
†鮮血に染まりし深紅の鍵†『貴様…俺を侮辱するつもりか?もしも『YES』と答えるのならば、俺は貴様に力を貸さんぞ?』ゴゴゴゴゴ
キモオタ「ちょwwwそれは反則でござろうwww足元を見るとは卑怯ですぞwww」コポォ
ドロシー「なんだかよくわかんないけど…深紅ちゃん、あなたが力を貸してくれないと私はとても困るの。だからお願い、そんな事言わないで、ね?」
†鮮血に染まりし深紅の鍵†『……安心しろ、一度交わした約束を違える俺ではない。†憤怒と嗚咽の同居人†…いや、ドロシー。お前には望むままの力を貸してやる』
ドロシー「わぁっ、ありがとうね深紅ちゃんっ!それにキモオタさんも許してあげて?あんなの冗談だから、ね?」ナデナデ
†鮮血に染まりし深紅の鍵†『†愚かなる豚†よ、ドロシーに免じて今回はおおめに見てやる。ドロシーに感謝する事だ』
キモオタ「わかりましたぞwww少々からかいすぎましたな、申し訳ないwwwそれにしても†愚かなる豚†はあんまりでござろうwww」
†鮮血に染まりし深紅の鍵†『その名は貴様への戒めだ、恨むのならば己の軽口を恨むんだな†愚かなる豚†よ』
キモオタ「ちょwww言わなきゃよかったwww」コポォ
†鮮血に染まりし深紅の鍵†「フン…いつまでも戯言を並べている暇は無い。ドロシー、早速だがこの部屋の鍵を解く。もう少し扉に近寄れ、そして俺を掲げろ』
ドロシー「あっ、はい!えっと、こうでいいのかな……?」スッ
†鮮血に染まりし深紅の鍵†「上出来だ。そのままの状態を維持していろ、俺の能力≪スキル≫を魅せてやる……!』
パァァァァ…!

971 :◆oBwZbn5S8kKC :2017/08/01(火)03:05:47 ID:9tl
カチャッ
†鮮血に染まりし深紅の鍵†『……こんなものか。ドロシー、これでこの扉は開くはずだ。試してみろ』
ドロシー「う、うん…。えっと、えいっ!」ガチャッ
キィッ
キモオタ「おぉwww本当に扉が開きましたぞwww先程まで確かに鍵が閉まっていたというのにwww」
†鮮血に染まりし深紅の鍵†『フッ…他愛も無い。もっと複雑な錠前や守護の魔力を帯びた扉を期待していただけに、拍子抜けもいいところだ』
ドロシー「でもすごいよ、深紅ちゃんっ!ありがとうね、とっても助かったよ!」
†鮮血に染まりし深紅の鍵†『そうか?それは良かっtーーお前が助かろうが俺には関係の無い事だがな、まぁ悪い気はしないな。お前が望むのならば今後も力を貸してやる』
ドロシー「私としてはそうしてくれると助かるけど…。でも深紅ちゃんはそれで良いの?」
†鮮血に染まりし深紅の鍵†『愚問だ。男に二言は無い。』
ドロシー「そっか、深紅ちゃんは男らしくてカッコイイね」ナデナデ
キモオタ「ドロシー殿wwwお主、すっかり鍵殿に気に入られておりますなwwwドロシー殿とゆかいな仲間達にまた一人異色のメンバーがwww」
†鮮血に染まりし深紅の鍵†『†愚か豚†何をボケっとしている?扉を開けてやったんだ、先ずは貴様が部屋の中へ入り危険が無いか調べろ。ドロシーはその後だ』
キモオタ「えぇぇwwwそれでは我輩、実験台ではござらんかwwwまぁドロシー殿に先陣切らせる訳にもいかない故に、我輩が行くでござるがwww」コポォ

972 :◆oBwZbn5S8kKC :2017/08/01(火)03:10:37 ID:9tl
ギギィ
キモオタ「ルイス殿、申し訳ないでござるが少々お邪魔しますぞ…」スッ
キモオタ「ふむ…どうやら罠や魔法などの心配はなさそうでござるし、ドロシー殿も入って来ても大丈夫そうですぞwww」
ドロシー「はい、失礼しまーす…」ヒョコ
キモオタ「それにしても…いかにも作家先生の書斎、といった感じでござるなぁwww」コポォ
ドロシー「そうですね、大きな机と立派な椅子…それに背の高い本棚には本がびっしり並んでます」
キモオタ「やはりというか当然というかwwwおとぎ話の本が多いように見えますなwww」
ドロシー「…というかよく見ると、有名なおとぎ話はほとんどありますよ。グリム童話集もイソップ寓話もありますし、アンデルセン童話なんかとても大切そうにガラス扉に入ってます」
キモオタ「そのようですな、消えてしまっているおとぎ話もあるところを見ると雪の女王殿の本棚と同じシステムのようでござる」
キモオタ(ルイス・キャロル殿…。【不思議の国のアリス】の作者であり、アリス殿が世界を崩壊させる動機となった人物……)
キモオタ(故に、ルイス殿の部屋もまた一風変わっているというか異彩を放っているものと思って居たでござるが、そういうわけでもなさそうですな)
ドロシー「えーっと…キモオタさん、この後どうしましょう…?」
キモオタ「そうですな…。この部屋はアリス殿でさえ足を踏み入れた事は無いらしいでござるし、アリス殿を説得する上で使えそうな『何か』が見つかるかもしれないでござる」
キモオタ「まずは手分けして、机や本棚を探してみますぞ。二人の思い出の品とか、ルイス殿の想いが伝わるような品があれば……アリス殿を止める事も叶うかもしれませんからな」

973 :◆oBwZbn5S8kKC :2017/08/01(火)03:12:18 ID:9tl
キモオタ「まず、我輩は机の方を調べて見るでござるよ。作家といえばやはり机でござろうしなwww」
ドロシー「そ、それじゃ私達は本棚を調べてみますね」
キモオタ「がってん承知wwwではそっちは任せましたぞwww」
ドロシー「は、はい。わかりました。えっと、ルイスさんごめんなさい、少しだけお部屋いじっちゃいます」ペコッ
†鮮血に染まりし深紅の鍵†『誰に頭を下げているんだ?いや、まぁルイスなんだろうが…奴は随分昔に死んだんだろう?意味があるのか、そのお辞儀は』
ドロシー「で、でも勝手に部屋を荒らすなんて悪い事だから…」
†鮮血に染まりし深紅の鍵†『まぁ、いい。それよりも捜索を開始すべきだ、あの豚に遅れをとってしまう。そうだな…そのカゴから捜索を開始するというのはどうだ?』
ドロシー「う、うん。えーっと…このカゴに入っているのは手紙、かな?」ゴソゴソ
†鮮血に染まりし深紅の鍵†『無数の差出人、異なる消印…察するに様々な地域からルイスに宛てて贈られたファンレターと言ったところだろうな』
ドロシー「そうだね…。でもここには私達が探しているようなものは無いかもしれないね」
†鮮血に染まりし深紅の鍵†『確かにな、アリスと繋がりがあるような手紙はないだろう。ならば棚に並ぶ無数のスケッチブックやアルバムに標的を変えてみるとするか』
ドロシー「そうだね、そっちなら何かアリスと関係があるモノが見つかるかもね!」

974 :◆oBwZbn5S8kKC :2017/08/01(火)03:14:32 ID:9tl
ドロシー「……どのスケッチブックを開いても幼い女の子のスケッチばっかりだ。アルバムの方も女の子の写真が大半だし……」
ドロシー「……でも、アリスのスケッチも写真も一枚も無いなぁ。でも流石に一枚も無いって事はありえないとおもうし、どこか別の場所にしまってるのかな?」
ドロシー「とりあえず、ここはもういいかな…?他には何も無さそうだし、スケッチブックとアルバムを棚に戻して別の場所を…」スッ
トサッ
†鮮血に染まりし深紅の鍵†『ドロシー、棚から何か落ちたぞ。これもスケッチブックのようだが、他のそれとは違って少し小さいな…まるで子供用n』
ドロシー「……あっ!これっ!スケッチブックに書かれてる名前を見てください、深紅ちゃん!」
†鮮血に染まりし深紅の鍵†『名前?ルイスのスケッチブックじゃないのか?だとしたら一体誰の…。なん…だと…!?この名は…!』
 『ありす・ぷれざんす・りでる』
ドロシー「この小さなスケッチブック、アリスの物だ…。それに名前、子供が書いた字みたいだし…きっとまだアリスが幼かったころのものだと思う…」
†鮮血に染まりし深紅の鍵†『ドロシー、中を見て見たらどうだ?何か掴めるかもしれない』
ドロシー「……うん、じゃ、じゃあ開くねっ」ペラペラッ
†鮮血に染まりし深紅の鍵†『…どうだ?』
ドロシー「えーっと…絵はやっぱり幼い子が描いたものに見えるんだけど、えっと…これはみてもらった方が早いかなぁ…?」

975 :◆oBwZbn5S8kKC :2017/08/01(火)03:18:02 ID:9tl
†鮮血に染まりし深紅の鍵†『どれどれ…。どうやら単なる子供のラクガキの様だな、残念だがお前達の役に立つとは……』
ドロシー「確かにほとんどのページがただのラクガキなんだけど、でも…例えばこのページ、見てくれる?」スッ
†鮮血に染まりし深紅の鍵†『あぁ…鳥の様な絵が描かれているな。だが他のページと違いがあるようには思えないが……んっ?』
≪ジャブジャブ鳥≫
一年中、常に発情している鳥類。その行動が厄介である事は発情期の猫を見れば明らかだろう
†鮮血に染まりし深紅の鍵†『絵の隅に説明文の様なものが記されているな。これは大人の文字…いや恐らくはルイスが書いたものだろうな』
ドロシー「ですよね、私もそう思います。こんな感じのページは他にもあって…えっと、例えばこれとかも…」ペラペラ
≪バンダースナッチ≫
非常に獰猛な性格。強靭な顎と俊敏な動きを併せ持つ獣、首を自由自在に伸縮させて得物を追い詰める
ドロシー「きっと、幼い頃のアリスが描いた絵にルイスさんが設定を加えたんだと思う…。でも、何のために?おとぎ話に登場させるつもりだったのかな…?」
†鮮血に染まりし深紅の鍵†「……」
ドロシー「深紅ちゃん?どうかした?」
†鮮血に染まりし深紅の鍵†『魔獣図鑑≪モンスターカタログ≫…!!これぞまさに古の魔獣を記録せし伝説の書物…!』
ドロシー「し、深紅ちゃん…?」
†鮮血に染まりし深紅の鍵†「流石はプロの作家!イラストはともかく設定がカッコイイ…!他にはないのか!?漆黒で混沌で絶望で久遠みたいな最強の魔獣≪モンスター≫は…!」
ドロシー「はわわ…深紅ちゃんの変なスイッチが入っちゃった…」アワワ

976 :◆oBwZbn5S8kKC :2017/08/01(火)03:20:39 ID:9tl
†鮮血に染まりし深紅の鍵†『次のページを、早急に次のページをめくってくれ、ドロシー!』
ドロシー「あ、あのっ…深紅ちゃん?本来の目的を忘れちゃってるんじゃ……でも手伝ってもらってるしページめくるくらいはするけど…」ペラペラ
†鮮血に染まりし深紅の鍵†『……見つけた!見つけたぞ、これぞまさしく魔獣を統べるモノ…!最強最悪の魔獣…!』
ドロシー「え、えーっと…?わっ、なんだろうこれ…ドラゴン…?魔獣?うまく表現できないけど、なんだか……強そうって言うのは解るけど……」
†鮮血に染まりし深紅の鍵†『ああ、一目で解る…この魔獣は只者ではない。それにこのページだけ、ルイスの説明文が妙に多いし詳細だ』
ドロシー「本当だ、何か意味があるのかな…?」
†鮮血に染まりし深紅の鍵†『どうだろうな…。だがアリスが姿を描き、ルイスが魂を吹き込んだものだ、お前達が探している『何か』の断片の可能性はある』
ドロシー「そ、そうかも…。ルイスさんの説明文になにか隠されているかも…。えーっと……」
・・・
決して、その魔獣に近寄ってはいけない。命が惜しいのならば。
食らい尽くすアギト それは何物をも容易く噛み砕き死に誘う
引き裂き掴む鉤爪 それは全てを引き裂き殺し
炯々と燃やす両の眼 それに捕らえられればもう逃げる事は叶わない
理解の及ばぬ言葉を喚き散らしながら 獣の姿をした『絶望』は怒めきずる
それは全てを滅ぼし絶やす、何よりも恐ろしき魔獣。人はその魔獣の名をーー
ドロシー「……ジャバウォック。と呼ぶーー」

977 :◆oBwZbn5S8kKC :2017/08/01(火)03:23:42 ID:9tl
・・・
キモオタ「……さぁて、どうしたもんでござるかな。しょっぱなからとんでもないもんが机の上に置いてあったでござるが」ピラッ
キモオタ「ルイス殿宛ての一枚の封筒…。中身は入っていないでござるけど、この差出人の名前…というかペンネーム…」
差出人 マリー・ルイーズ・ド・ラ・ラメー 『PN.ウィーダ』
キモオタ「確かかぐや殿がネロ殿と出会った世界【フランダースの犬】というおとぎ話の作者もウィーダという名だったはずでござる…」
キモオタ「ルイス殿もウィーダ殿も作家でござるから交流があってもおかしくは無いでござるが……かぐや殿の話では、ウィーダ殿はおとぎ話の世界の存在を知っている……」
キモオタ「そして当然ルイス殿も……うーむ、これは後ほど司書殿に話を聞いてみる必要がありそうですな」
キモオタ「となると封筒だけでなく中身の便せんも見つけたいところですな、引き出しの中に入っていたりしないでござろうか」ゴソゴソ
キモオタ「……むむっ?これは……?」
ドサッ
キモオタ「原稿の束、でござるな…。という事はこれはルイス殿が執筆した作品という事なのでござろう」
キモオタ「とはいえ我輩、ルイス殿が書いたおとぎ話は【不思議の国のアリス】しか知らないのでござるよね…。とりあえずタイトルを確認して司書殿に聞いてみるでござるか」
キモオタ「さてさて…このおとぎ話のタイトルはーー」
【鏡の国のアリス】

978 :◆oBwZbn5S8kKC :2017/08/01(火)03:35:58 ID:9tl
鏡の国のアリス
それは誰も知らない、語られることの無かったおとぎ話…
続きは次回!

979 :名無しさん@おーぷん :2017/08/01(火)04:51:46 ID:4Br
乙!
シンデレラ頑張れ!
†愚かなる豚†…じゃなくて、†運命に抗いし豚†・†憤怒と嗚咽の同居人†も頑張れ!
ふと考えたんだが、†鮮血に染まりし真紅の鍵†には成長とか無いだろうから、その言動は将来においても黒歴史にはならないんだろうか
そして、なにやらいろいろと散りばめてある感があるなあ
11冊目が待ち遠しい

980 :名無しさん@おーぷん :2017/08/01(火)23:06:01 ID:Q6v
ここで鏡の国キタ━(゚∀゚)━!
11冊目楽しみにしてるでござるよ(゚∀゚*)