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キモオタ「我輩がおとぎ話の世界に行くですとwww」ティンカーベル「そう」
Part172


258 :◆oBwZbn5S8kKC :2017/01/10(火)01:11:13 ID:gL5
パキパキパキパキ
キモオタ「ぬぅ…上手くいったと思うでござるが炎の壁で向こう側が見えないでござる…!」
ティンカーベル「女王!聞こえる!?どうなった!?」
雪の女王「あぁ、成功だ。君の氷結魔法を受けたおかげでもう一度魔法を放てる程度には回復したよ」
カイ「ったく、無茶しやがって…」
キモオタ「おぉ!成功して何よりですぞ!では女王殿の魔法で一気にこの炎をかき消してくだされ!」
ティンカーベル「うんうん!そんで女王の魔法でアリスを捕まえよう」
アリス「……」スッ
雪の女王「よし、準備は整った。それじゃあ…さよならだ」スッ
ブォンッ
カイ「…おい、なんだこりゃ。あいつは吹雪で炎の壁を消すんじゃねぇのか!?なんで俺やお前らに魔法が…」コォォ
ティンカーベル「ちょ、ちょっと待ってよ女王!これ…世界移動の魔法でしょ!?もしかして、私達だけ別の世界へ飛ばそうって訳!?」コォォ
キモオタ「は、話が違いますぞ女王殿!?」コォォ
雪の女王「君たちには悪いが少し嘘をつかせて貰った。私の魔力が回復したところで…この炎の壁を完全に取り除くことはさすがに難しい」
雪の女王「だが君たちの居場所さえ分かれば、見えなくても別の世界へ飛ばすことは可能だ」
キモオタ「女王殿…お主、お主一人だけここに残るつもりでござるな!?」
雪の女王「余計な事は考えなくていい。君たちは一度退いて、アリスにどう対抗すべきか考えるんだそして彼女を必ず止めてくれ」
雪の女王「私にできる事は、もうこの程度だ」
キモオタ「女王殿…!!」
雪の女王「私の大切な家族、君に任せるぞ。キモオタ」
シュンッ

259 :◆oBwZbn5S8kKC :2017/01/10(火)01:18:21 ID:gL5
今日はここまで、不思議の国のアリス編 次回に続きます
迫害や差別は知っての通り今でもあるわけで
アリスの時代どころかアイソーポスの時代からなにも変わっちゃいないんです
次回もお楽しみに!

265 :◆oBwZbn5S8kKC :2017/01/16(月)01:16:31 ID:hSS
雪の女王の世界 雪原…だった場所、炎燃え盛る荒野
メラメラメラ…
雪の女王「三人の気配が消えた…。どうやら無事にこの世界から抜け出す事ができたみたいだな…」ヨロッ
雪の女王「最後に騙すような真似をしてキモオタ達には悪い事をしてしまったな…。だが、これでいい」
雪の女王「あのまま足掻いていても、君を止める事はおそらく出来なかっただろう。…そうだろう、アリス?」
ヒュン
アリス「あぁ、そうだね…。あのまま戦っていたならボクは邪魔者の首を四つ手土産にすることが出来たんだけどな」
アリス「でもあんたの悪足掻きのせいで、それもフイになった。あいつらをここで始末できなかったのは少し面倒だ、余計な事をしてくれたな雪の女王」ジロリ
雪の女王「そう睨まないでくれ、私だってこの選択は…本意じゃない」
雪の女王「きっと今頃カイは私に対して怒り狂っているだろうし、この事を知ればヘンゼルも君に対して憎しみを燃やすだろう。あぁ…でも一番心配なのはグレーテルだな、実は感情が昂ると一番手に負えないのは彼女だから」
雪の女王「なんにせよ、あの子達は感情的になりやすいうえにそうなると身体が先に動く、なだめ役の千代には随分と苦労させてしまいそうだ」
アリス「この期に及んで子供達の心配か。今のあんたにそんな余裕は無いはずだけどね」
アリス「もはやろくに戦う事も出来ないあんたがこの場に一人きりで残る事…それがどういう事かわかっているだろうに」
雪の女王「あぁ、わかっているさ。だからこそ私は子供達の事を心配しているんだ、でもそれは当然だろう」
雪の女王「死を覚悟した者が、残される家族を心配するのはどの世界でも同じなんだから」

266 :◆oBwZbn5S8kKC :2017/01/16(月)01:18:34 ID:hSS
アリス「確かにそれは道理だ、でもその心配は無意味だと思うけどね」
アリス「もうじき世界は変わる、ボクが望むように【不思議の国のアリス】の世界ただ一つになる。そしてそこに君の家族の居場所は無いよ」
アリス「彼等が命乞いをしてボクに従うというのなら別だけどね。でも…君の家族は決してそんな選択はしないだろう」
雪の女王「…そうだろうな。例え私が彼等にそうするように言ったとしても聞き入れてくれないだろう」
アリス「当然と言えば当然だ。大好きな女王様を殺した相手に命乞いなんか出来ないだろう」
雪の女王「…いや、それは少し違うな」
アリス「違う…?他に何の理由があるというんだ?」
雪の女王「先にも言ったが彼等は感情的になりやすい、時には選択を間違える事もあるだろう。それでも彼等はきちんと善悪の区別ができる子だ、少なくとも私はそう教えてきた」
アリス「…どういう意味だ、雪の女王」
雪の女王「私の家族は自分の命可愛さに『間違った事をしている人間に従ったりはしない』という事だよ」
ジャキッ
アリス「魔女といえど首を切られれば死ぬ。そしてそれはこのナイフを引くだけで事足りる」
雪の女王「……」
アリス「炎と熱によって封じられたあんたの魔力はあの豚の氷結魔法のおかげでいくらか回復できたようだけど、それもたかが知れている」
アリス「あいつらを逃がすのが精いっぱい、ボクに抗うだけの魔力はもうない。それにどうやら…身体を冷やしたところで受けたダメージや疲労は回復できないんだろう?」
アリス「あんたはここで死ぬ。そうなればもうボクが魔法のランプを手にする事を止められない、あの豚が体制を整えてボクの元に来たとしても…間に合いはしないだろう」
アリス「この戦いの勝者はボクだ。敗者であるあんた達に間違っているなんて言える資格なんかない」

267 :◆oBwZbn5S8kKC :2017/01/16(月)01:22:31 ID:hSS
雪の女王「フフッ…それは違うよ、アリス」フフッ
アリス「何がおかしい?まだ私に対抗する策でも隠し持っているのか?」
雪の女王「いいや、残念だけど私に出来る事はもう無い。君の予想通り、彼に身体を冷やして貰って回復した魔力も使いきった」
雪の女王「身体を冷やしたところで傷は癒えない、魔力の完全な回復にも時間がかかる。私はもはやちょっと魔力がある程度の一般人と言ったところだ」
アリス「それなら何故、死を前にしてそんな風に笑っていられる?お前はもう死を待つだけの敗者だ」
雪の女王「確かに私は君に敗北した。残念だが私の力不足のせいで君を説得することは出来なかった、それはとても無念だ」
雪の女王「でも負けたのは私だけだ、『私達』はまだ負けていない。私が死んでも君を止めようという想いを継いでくれる仲間はまだいるのだからな」
アリス「バカバカしい、あの豚に何を期待している?」
アリス「あいつをどこに逃がしたかは知らないけどさ、あいつが誰かに頼ってボクと再び戦う態勢が整ったとしても…その頃にはもう世界は【不思議の国のアリス】だけになっているだろう」
アリス「ボク一人にすら勝てなかった豚が、ボクの仲間やルイスの想いを相手にして何かできると本当に思っているのか?」
雪の女王「思っているさ、私は信じているからな。キモオタは自分に殺意を向けるヘンゼルや君相手でも決して諦めない、強く優しい心を持っている。信じるに値する人物だ」
雪の女王「そして、私のかつての後輩であり君の物語の作者であるチャールズの事も私は信頼している」
アリス「……」
雪の女王「だから信じている…いいや、もはや確信しているよ。彼等なら必ず、君を改心させる事ができると」

268 :◆oBwZbn5S8kKC :2017/01/16(月)01:25:46 ID:hSS
アリス「…どうしてそこでルイスの名前が出てくる?ボクの大切な人の名前を出せば、ボクが油断するとでも?」
雪の女王「そんなことで油断をするような君じゃないだろう?」
アリス「当然だ。その程度でなにか変わるほど、ボクの憎しみは浅くは無い」
雪の女王「でも君は知っているだろう、かつて私が現実世界に居た頃…アンデルセンの助手を務めていた頃、彼と交流があった事を」
アリス「あぁ、ルイスからアンデルセンの弟子をしていた事は聞いていた。当然、助手のあんたが雪の女王だってことは知らなかったようだけど」
雪の女王「だから私は知っている、チャールズがどんな人間だったのか」
雪の女王「彼は確かにいつもロリロリ言っていたし他にも…いや、ほとんどその事しか考えていないような男だったけど。それだけじゃない事を私は知っている」
雪の女王「優しい心と真っすぐで強い意志を持っていた。物語を書き記すことへの情熱と、愛する者を守りたいという決意に溢れていた」
アリス「そんな事、今更あんたに言われなくてもボクは知ってる」
雪の女王「そうだろうな、でもチャールズの事を知っている私だからこそわかる」
雪の女王「彼は人を見る目がある男だ。君が少女だったからだとか外見を気に入ったなんて理由で一緒に居たわけじゃない、君の内面に惹かれるものがあったからだろう」
雪の女王「そして彼と共に過ごし、彼の為に世界中を敵にまわすことさえ厭わない程彼を思う君ならば…きっと受け継いでいるはずだ。彼が持っている優しい心と真っすぐな思いを」
アリス「……」
雪の女王「それならば…君が過ちに気付けないはずがない」

269 :◆oBwZbn5S8kKC :2017/01/16(月)01:29:16 ID:hSS
アリス「…通用しないよ、そんな手は」
雪の女王「通用も何も私は打算や策略で口にしているわけじゃない」
雪の女王「君が私の後輩と…チャールズと親しいと聞いたから、思っている事を言ったまでだよ」
アリス「ルイスはボクが出会った中で最も魅力的な人物だった。人としても学者としても作家としてもだ、ボクは彼を尊敬していた」
アリス「そしてルイスはアンデルセンとグリム兄弟、そして弟子時代に生活を共にした先輩…あんたのことを尊敬していた」
雪の女王「そうか、それは光栄だな」
アリス「厳しいけれど優しい女性だと言っていた。他の作家共々、いずれ恩を返したいと言っていた。それは叶う事は無かったけどね」
アリス「ボクも最初はあんたがその助手だって知らなかった。でもあんたを調べるうちにその事実にたどり着いた」
雪の女王「……」
アリス「雪の女王はルイスの恩人、そして彼が尊敬する人間の一人。本来ならば丁重に扱うべき相手だ」
アリス「それでもボクはあんたを殺す事を選択した。この選択に関してだけは…ルイスも反対するかもしれない。彼が生きていればボクを叱るかもしれないな」
雪の女王「それだけじゃないだろう。彼が生きていれば…君がしてきた全ての行為を叱責するはずだ、いいや必ず叱責する。彼は自分の為に他人を犠牲にする事を良しとなんかしない」
アリス「……」
雪の女王「なぁ、アリス…君は……」
アリス「そうだとしても、ボクは引き下がるつもりはない。生半可な覚悟で別世界を消してきたわけでもない」
アリス「ボクに出来るルイスへの弔いはただ一つ、ボク達のようなマイノリティが幸福に暮らせる世界を生み出す事だけだ」

270 :◆oBwZbn5S8kKC :2017/01/16(月)01:33:35 ID:hSS
雪の女王(…私とアンデルセンは、初対面のチャールズを不審者だと思った)
雪の女王(当然、今ではそんな風には思わない。彼は幼女少女をだれより愛しているがそれを性につなげる事は決してない、健全なロリコンという自称にも大いに頷ける)
雪の女王(だがそれは彼と生活しその人柄を知っているからだ。何も知らない他人が傍から見れば……やはりチャールズはロリコン、不審者に見えるかもしれない)
雪の女王(当時まだ青年だったチャールズでさえそれだ。ならば年齢を重ねたチャールズ…ルイスは周囲にどのように見られていたのか、想像するは容易い)
雪の女王(……)
雪の女王(チャールズが故郷へ戻った後も私はアンデルセンが亡くなるまであの街に居た。けれど、チャールズがその頃どうなったかは知らなかった)
雪の女王(てっきり学者にでもなって、作家の職につかなかったのだろう。それもまた彼の人生だと思っていたけれど……もしかしたら、そうではなく)
雪の女王(彼は周囲の酷い差別によって…私達に手紙を書くことすら、ままならなかったのだとしたら……?)
雪の女王(もちろんこれは私の推測にすぎない。あの明るい性格のチャールズがそうなるとは思えない…だが、しかし……)
アリス「…駄目だなボクは、あんたの策略にまんまと乗って話し過ぎてしまった。でもボクは…考えを曲げない」ググッ
雪の女王「なぁ、アリス…もう一度私ときちんと話をーー」ヒュッ
帽子屋「駄目ねぇ、前ばっかり見てちゃ。命を狙われてるんだもの、背後にこそ注意しなくちゃ…死んじゃうわよぉ?」ブホホ
ドスッ
雪の女王「ぐっ…!いつのまに背後に…!」ドサッ
帽子屋「それにねぇ、悪いけどウチのアリスちゃんは女王様とお話しする事なんかもうこれ以上はひとっつも無いのよぉ」ブホホ

271 :◆oBwZbn5S8kKC :2017/01/16(月)01:38:40 ID:hSS
帽子屋「ほらっ、トランプ兵ちゃん!雪の女王の事、厳重に縛っちゃって!抜かりないように頼むわよっ!」ポイポイッ
トランプ兵達『Yes my lord』
グルグル ギュッギュッ
アリス「帽子屋…。なんだ、君もこの世界に来たのか」
帽子屋「なんだじゃないわよぉ!いくら魔力を失ってるって言っても相手は雪の女王なのよぉ?さっさと始末しちゃわないと何が起きるかわからないじゃないのぉ〜…んもう、アリスちゃんらしくないわねぇ」
アリス「悪かったよ。少し…ルイスの事を話されてね」
帽子屋「アラ…アリスちゃんルイスちゃんの話題にだけは弱いものねぇ…。聞くまでもないけれど、大丈夫よねぇ?気持揺らいじゃったりしないでしょう?」ブホホ
アリス「大丈夫だよ。今更気持ちが揺らいだりなんかしない」
帽子屋「言ってみただけよっ。まぁそれに関してはぜんっぜん心配してないけど、ねぇ……」ジーッ
アリス「なんだい?」
帽子屋「アタシは【アラジンと魔法のランプ】諸々の襲撃準備ができたからアリスちゃんを呼びに来たんだけど。このままじゃちょっとねぇ…?」ブホホ
アリス「何を言ってるんだい、ボクはなんともないよ。準備ができてるならさっさと魔法のランプを奪いにーー」
帽子屋「雪の女王からルイスちゃんの事聞いちゃって、彼の事思いだしちゃって…ちょっぴりセンチメンタルかしらぁ?アリスちゃんってば強がってるけどさみしがり屋だものねぇ」ブホホ
アリス「あのねぇ帽子屋、茶化さないでくれ。そんな場合じゃ…」
帽子屋「大丈夫よアリスちゃん、アナタは正しい。ルイスちゃんもアナタを叱ったりしないわよ。ルイスちゃんだって私達が幸せに暮らせる世界を望んでる」
帽子屋「アナタは間違ってなんかいないわ、アタシはそう信じてるもの。白ウサギちゃんも三月ウサギもハートの女王もチェシャ猫も…他のみんなだってそうよぉ?」
帽子屋「だからホラ、ここにはアタシとアリスちゃんしかいないんだし。強がらずに思ってる事あるなら吐きだしちゃいなさいなっ、弱音でも愚痴でもゲロでもうけとめたげるわよっ!」ブホホ
アリス「心配しないよう言っておくけど…決意は全く揺らいでないよ、それは大丈夫だ。でもルイスの名前を出されてふと…今のボクを見て、彼がどう思うか考え込んでしまった。雪の女王がおかしなことを言うからだな…まったく」
アリス「でも、そんなこと考え込む必要無かったよ。雪の女王がなんと言おうと…ボク達は正しいんだ。ありがとう、帽子屋」
帽子屋「いーえっ、どういたしましてっ!さぁ、元気出たらさっさと【アラジンと魔法のランプ】の世界を襲撃しちゃいましょ!」ブホホ
・・・

272 :◆oBwZbn5S8kKC :2017/01/16(月)01:46:16 ID:hSS
今日はちょっぴり短くなったけどここまでです 不思議の国のアリス編 次回に続きます
アリスの心境、なかなか書くの難しいです
次回、別世界に飛ばされたキモオタ達
原作読めば割とバレバレなアリス最大の強みのひとつでもある時間停止の秘密と攻略にせまります
そしてアリスはランプ奪取の為【アラジンと魔法のランプ】の世界へ…
だがその魔の手はその作者であるシェヘラザードにも伸びようとしていた…
次回、お楽しみに!

273 :名無しさん@おーぷん :2017/01/16(月)01:51:39 ID:vEo
この帽子屋の黒幕感よ

275 :名無しさん@おーぷん :2017/01/16(月)17:55:09 ID:PIW
女王様を殺さず縛った!?何故だろう

276 :名無しさん@おーぷん :2017/01/17(火)16:29:01 ID:VL4
元々いた『アリス』が今はいない理由って、現実世界のアリスを童話世界に呼び込む為に…とか?
まさか童話世界のアリスは黒幕が消したんじゃ…

277 :名無しさん@おーぷん :2017/01/18(水)22:15:09 ID:mkm
アリスは黒幕の仲間みたいなこと言ってたし

278 :名無しさん@おーぷん :2017/01/19(木)00:35:22 ID:o1i
別に黒幕が存在する説がでてるけど黒幕は普通にアリスなんじゃない?
自らの意思でやってるんだし

279 :◆oBwZbn5S8kKC :2017/01/20(金)23:22:03 ID:9m1
ヘングレ大好きな>>1による番外編
『子供組徹底討論!女子力が一番高いのは誰だ!?』
ヘンゼル「僕はお千代だと思うよ。司書の仕事忙しいみたいなのに絶対に料理や家事の手を抜いたりしないしさ、勉強家だし自分磨きも怠らないし…僕としては不本意だけどそこそこモテるらしいしね」
ドロシー「お千代さん綺麗だもんね。知的だし優しいし手先も器用で…前に私の髪の毛結ってくれた時、すごく手際良かったです」
グレーテル「いつも私の髪の毛結ってくれてるからね…。確かにお千代ちゃんは女子力高いよ…。でも、私は一番じゃないと思う……二番くらいだよ……」
ヘンゼル「それじゃあグレーテルは誰が一番だと思うの?」
グレーテル「ラプお姉ちゃん…。いつも元気いっぱいだし…とてもかわいいと思うの…それによくお菓子くれるし」
ヘンゼル「いや…お菓子くれる人=女子力高いじゃないからね」
グレーテル「他にもちゃんと理由あるよ…。ラプお姉ちゃん、ずっと塔でお掃除とかお洗濯とかお料理一人でしてたから、きっと一番得意だよ…そうは見えないけど…」
グレーテル「お裁縫も得意だし…髪の毛すっごく可愛くしてくれるし…ラプお姉ちゃんはとってもオシャレ…ちょっと憧れる…」
ドロシー「で、でもこの間外で見かけた時、明らかに部屋着だったけど…」
グレーテル「部屋着を余所行きみたいに着こなせるセンスの持ち主……それがラプお姉ちゃん……」
ヘンゼル「確かにそういう面ではラプンツェルに分があるかな」
グレーテル「ドロシーちゃんは、誰が一番だと思うの…?一緒に居たかぐやさんは…女子力、高くないの…?」
ドロシー「あの、えっと…かぐやさん、箱入り娘だから……」
グレーテル「そうなんだ…それじゃあラプお姉ちゃんの勝ちだね…。フフッ、私のお姉ちゃんの方が女子力高い…」ドヤァ…
ヘンゼル「僕、ラプンツェルを姉にした覚えは無いんだけど」

280 :◆oBwZbn5S8kKC :2017/01/20(金)23:27:55 ID:9m1
グレーテル「でも私達もラプお姉ちゃんも…おんなじ作者、だから私達は姉妹だって…ラプお姉ちゃんが言ってた……」
ヘンゼル「その理屈だと赤ずきんとも姉妹になるんだけど…」
グレーテル「細かい事気にしちゃダメだってラプお姉ちゃんが言ってた…。とにかく…ドロシーちゃんが誰も推薦しないなら……女子力一番はラプお姉ちゃんかお千代ちゃんのどっちかって事で……いいかな……」
ドロシー「ちょ、ちょっと待って…!確かにかぐやさん家事とかは……だけど、でもとても素敵な人です!優しいし、強いし…私を励ましてくれたし、それにそれに……」アワアワ
ヘンゼル「そんなに慌てて良い所探さなくてもさ、五人もの権力者に求婚されてる時点で女性としての魅力は十分あるって解釈でいいんじゃない?」
ドロシー「そ、そう!そうだよねっ!だから私はかぐやさんを一番に推しますっ!」
グレーテル「今、お兄ちゃんドロシーちゃんの味方した……」ムッ
ヘンゼル「いや、味方とか敵とかじゃなくてね。誰の女子力が一番なのかを決めるのが今回の趣旨なんだからさ、この三人の候補の中から決めようか。ここは多数決かな…」
赤ずきん「あら、三人揃って楽しそうね。何の相談かしら?」
グレーテル「赤ずきんちゃん…。今ね、誰の女子力が一番高いのかなってお話……してたとこ」
ドロシー「そうなの、今候補に挙がってるのがお千代さん、ラプンツェルさん、かぐやさんで…今から多数決で一番を決めようって話をしてて…」
赤ずきん「…物好きなことしてるのね、あなた達」
ヘンゼル「折角だ、君の意見も聴かせてくれないかな赤ずきん?」
赤ずきん「私の意見?私だったら誰を一番に推すかって話?」
ヘンゼル「あぁ、君が今まで出会った人の中で一番女子力が高いと思うのは…だれだい?」

281 :◆oBwZbn5S8kKC :2017/01/20(金)23:33:00 ID:9m1
赤ずきん「女子力ねぇ…そもそも何を持ってして女子力が高いって言えるのかしら?私にはよくわからないのだけど」
ドロシー「えっと…家事や料理が得意だとか、オシャレだとか男性に好かれるかどうかとか…?」
グレーテル「気配りができたり…優しいとか…かしこいとか…こだわりがあるとか…お菓子くれるとかも重要……」
赤ずきん「なるほどね。家事に料理、身だしなみ等々…あなた達の話を総合すると……」
『おう赤ずきん、お前の頭巾だが端がほつれてたから直しといたぞ!ついでに取れかかってた洋服のボタンも付けなおしといたからな』
『今日の茶菓子はシンデレラに習ったシフォンケーキとかいうやつだ!なかなかうまく出来たから遠慮せず食ってくれ!』
『町中に鬼が出たとなると騒ぎになるからな外套を羽織らねぇとな。何?似合ってる?ガハハ、世辞はよせよせ!』ガハハ
『まったく…鬼神の奴、昨日は遅くまで身体を寄こせ寄こせってうるさくてなぁ。寝られやしなかったぜ』
『なぁ赤ずきん、お前あんまり飯食ってねぇけど具合でも悪いのか?少しばかり休んでもかまわねぇぞ?』
『おっ、この草とこの木の根は薬になるぞ。おおっと、そっちの草はかぶれちまうから触らないほうが良いぞっ』
『よし、そんじゃあつきたての餅配ってくるとするか!折角だからきな粉やら小豆も一緒に持っていってやるか!』
『ツノは鬼の命だからな、いつもピカピカに磨かねぇとなぁ〜』キュッキュッ
赤ずきん「……」
ヘンゼル「考えがまとまったみたいだね、それじゃあ聞かせてもらおうか。君が一番女子力が高いと思うのは誰だい?」
赤ずきん「…赤鬼かしらね」
ヘンゼルドロシー「えっ」
おしまい(本編は後日!)

282 :名無しさん@おーぷん :2017/01/20(金)23:54:56 ID:kXC
やはり赤鬼か…

283 :名無しさん@おーぷん :2017/01/21(土)09:41:52 ID:TyT
まぁ赤鬼だろうな

284 :名無しさん@おーぷん :2017/01/21(土)16:00:20 ID:13g
すごく納得した
赤鬼の作るケーキとお餅食べたい

285 :名無しさん@おーぷん :2017/01/22(日)19:32:42 ID:8TB
女子力高い赤と女子力そうでもない赤か…