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キモオタ「我輩がおとぎ話の世界に行くですとwww」ティンカーベル「そう」
Part168


153 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/12/12(月)01:28:19 ID:zru
そのころ…
雪の女王の世界 女王の宮殿 エントランス
シーン…
ティンカーベル「ねぇキモオタ…きっと今こうしている間にも女王はアリスと戦ってるわけでしょ?」
キモオタ「侵入者がアリス殿ならばおそらくそうでござろうなwww」コポォ
ティンカーベル「でさ、私達はもしあいつらがこの宮殿に来た時返り討ちにするために待機してるわけじゃん?」
キモオタ「そうでござるなwww故にこうして外の様子をうかがっているわけでござるしなwww我々はwww」ドゥフ
ティンカーベル「とはいってもさ…なんの動きも無いし、正直やる事が無いって言うのはわかるんだよ。だとしても今が緊急時で非常時だってことには変わりないんだよ、それなのに…」チラッ
カイ「……」ペラペラ
ティンカーベル「カイ、こんな時だっていうのにのんきに読書なんか始めちゃったよ!?いいのあれ!?ちょっと空気読めてなくない!?」
キモオタ「ドゥフフwww確かにwwwとはいえ我々も基本的には空気読めてないでござるから人の事をとやかく言えた立場ではないですぞwww」コポォ
ティンカーベル「女王の事信頼してんのかもしれないけどさ…さすがに酷くない!?女王が戦う理由の一つには『カイを守るため』っていうのもあるはずだよ?それなのに薄情すぎるよカイは!」プンスコ
キモオタ「落ち着くでござるよティンカーベル殿wwwとはいえ我々も時間を持て余しているというのも事実www」
キモオタ「ここはひとつ退屈しのぎにひとつカマを掛けてみて、カイ殿が本当に薄情かどうか試してみるというのはどうですかなwww」コポォ
ティンカーベル「…?」
キモオタ「まぁ見ているでござるよwww」コポォ

154 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/12/12(月)01:29:02 ID:zru
キモオタ「ドゥフフwwwカイ殿www今、ちょっといいですかなwww」
カイ「あぁ…?何の用事だ?見ての通り俺は読書で忙しいんだ、くだらない用事なら出直せ」
キモオタ「いやいやwwwお時間は取らせませんぞwww少し告げ口をしようかと思いましてなwww」コポォ
キモオタ「実はでござるな、先ほど『カイはこの緊急時に読書とかしてて全然空気読めてない』とかティンカーベル殿が陰口叩いていたでござるwww」コポォ
カイ「ほぉ…」チラッ
ティンカーベル「ちょ…!なんでチクるのさバカ!最悪だよもぉー!」ペシペシ
キモオタ「ドゥフフwww口止めされていたわけではないでござるしwww」
ティンカーベル「んもぉー!一番空気読めてないのはキモオタだよ!まったく!」
カイ「好きに言え、俺は気になんかしねぇさ。だが俺の時間をどう使おうと俺の勝手だ、お前らに口出しされる筋合いはないぜ」
カイ「そもそも外の様子はお前らが見ていただろ?それにあいつ…女王は強力な魔力を持ってる、アリスなんざに負けねぇよ。心配なんざするだけ時間の無駄だ」
キモオタ「ほうwwwカイ殿は女王殿の事を一切心配していないとwww」
カイ「当たり前だろうが、あいつは魔力に関しちゃ化物だ。そもそもなんで俺があいつの心配なんざしてやらなきゃなんねぇんだ」
キモオタ「ほうwwwとか言いながらお主が読んでいる本、サカサマでござるよwww」コポォ
カイ「なっ…!?そんなはずが……!?」バッ
ハッ
カイ「逆さになんかなってねぇじゃねぇか…!騙しやがったな…!」

155 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/12/12(月)01:29:42 ID:zru
キモオタ「ドゥフフwwwおかしいでござるなぁwww先ほどまで読んでいた本が逆でないことなどわかって当たり前のハズでござるがwww」
キモオタ「それなのに慌てたという事は…wwwどうやらカイ殿、女王の事が心配で本の内容が頭に入っていなかったようでござるなぁwww」コポォ
カイ「……っ」クッ
ティンカーベル「なるほどねー!そっかそっか!なんだかんだ言ってカイも女王の事が心配なんだね!うんうん、わかるよ!女王がいくら強くても心配なものは心配だよね!」
キモオタ「おそらく気を紛らわせるために読書を始めたものの…女王殿が気になってそれどころではなかったのでござろうなwwwドゥフフwww……って、あれ?カイ殿何故こっちに来るのでごz」
ゲシッ ゴシャァ
キモオタ「おうふっ!ぬぅぅ…戦闘前に無駄なダメージを負ってしまったでござる…」ヨロヨロ
ティンカーベル「うわぁ…てっきりインドア派かと思ってたけどすごいキレのある蹴りが炸裂したよ…」
カイ「暇人が。こんなくだらないことしている暇があったら外見張ってろ、豚が」チッ
ティンカーベル「う、うわぁ…なんかメッチャ怒ってるよ?からかいすぎたかな?」
キモオタ「大丈夫でござるよwwwカイ殿はツンデレ気質がありますからなwww本音を突かれると気恥かしくて怒ってしまうのでござるよwww」
カイ「……」ツカツカ
キモオタ「ちょ、まっ…わ、吾輩が悪かったでござるから無言で近寄るのはやめていただきt…ぬぅぅっ!」ゲシッ

156 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/12/12(月)01:34:06 ID:zru
・・・
キモオタ「さ、流石はヘンゼル殿グレーテル殿の兄貴分…まったく容赦が無いですぞ…」ヤムチャ
ティンカーベル「今のキモオタ見て思い出したけどさ、イベリコ豚は生でも食べられるから豚肉のタタキに出来るんだって」
キモオタ「なんで披露したのでござるかその豚知識www」コポォ
カイ「ったく…無駄な体力使わせるんじゃねぇよ」
キモオタ「ドゥフフwww申し訳ないwww」コポォ
ティンカーベル「でも私はカイも少しは素直になればいいのにって思うけどね!心配なら心配だって言えばいいのにー…意地っ張りだなー」
カイ「まだ言うかお前。まったく懲りない奴等だな、黙って見張ってろよ……俺はもう知らねぇ好きにしろ」ハァ…
ティンカーベル「……」ジーッ
カイ「なんだよ、何か言いたい事があるならはっきり言えよティンカーベル」
ティンカーベル「いや、ちょっと思ったんだけどね。カイってさ…結構暴言吐くし、暴力振るうし、目つき悪いし、柄も悪いし、ぶっちゃけチンピラ予備軍なわけじゃん?でも実はいい子だよね?」
キモオタ「ブッフォwww前半ディスり過ぎでござろうwww」
カイ「俺が良い子?ハッ、面白い冗談だなティンカーベル」
カイ「良い子ってのはな、千代みたいな真面目で品行方正な奴の事だ。そもそもだ、俺には性格を捻じ曲げちまう『悪魔の鏡の破片』が突き刺さってんだぜ?忘れちまったか?」
ティンカーベル「それそれ、私が気になってるのはそれだよ!」

157 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/12/12(月)01:36:43 ID:zru
カイ「あぁ?何が言いてぇんだお前?」
キモオタ「我輩にもさっぱりですなwww」コポォ
ティンカーベル「悪魔の鏡は突き刺さった人の心を捻じ曲げる。だから元々は優しくて良い子だったカイはすんごい悪い子になっちゃった……ってのがこのおとぎ話の始まりでしょ?」
カイ「まぁそうなるな。実際俺は親友だったゲルダに暴言を吐くわ冷たく当たるわで良い子なんて言葉とはかけ離れたことしてたじゃねぇか。このおとぎ話読んだなら知ってんだろ?」
カイ「挙句家族も友人もほったらかして知識を求めてここに居座ってる。ゲルダが厳しい旅を強いられてるのなんざ気にも留めずにな……これのどこが良い子だティンカーベル?」
キモオタ「ははぁんwww吾輩にはなんとなく言いたい事がわかりますぞwww」
ティンカーベル「カイは悪魔の鏡のせいで悪い子になったっていうのにさ、なんで律儀にこの宮殿を守ろうとしたり私達にご飯作ってくれたのかなーって気になってさ」
カイ「……あぁ、そういうことか」
ティンカーベル「だってさ、魔法具の影響で悪い子になっちゃったんなら…女王の事なんか気にも留めないだろうし私達なんかほったらかすはずだよ?」
キモオタ「そういえば以前、ヘンゼル殿が帰って来た時も気を使っておりましたしなwww」
ティンカーベル「でしょー?今だってなんだかんだ話し相手してくれてるし、魔法具で悪い子になっちゃったってワリにはさ、カイはちょいちょい優しい所あるとおもうんだよねー」
キモオタ「確かにそう言われるとそうでござるなwww現実世界のアレな方々と比較すればだいぶマトモでござるしwww」

158 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/12/12(月)01:39:11 ID:zru
カイ「なんなんだよお前は…俺がマトモな事しちゃ何か問題あんのかよ?」
ティンカーベル「んー…そういう事じゃないけどさ、ちょっと気になってさ!気になったことは空気読まずに聞いちゃうのが私達のスタンスだし!」
キモオタ「ちょwwwそんな聞いたことないスタンスに我輩をセットにしないでいただきたいwww」
カイ「暇なのはわかるけどよ、んなどうでもいいこと気にしてんじゃねぇよ……」
ティンカーベル「まぁまぁ、ちょっとした話題だと思って付き合ってよ。ぶっちゃけ暇だし」ヘラヘラ
カイ「ったく、緊急時に空気が読めてねぇのはどっちだって話だよ…」
カイ「まぁ…考えられる可能性としちゃ、俺の中の魔法の鏡の破片が少し溶けちまってるのかもな。俺がこの宮殿に来た当初はもっと尖ってた気がするしよ」
キモオタ「今でも大概尖ってる気がしますがなwww」ヒソヒソ
カイ「聞こえてんぞ。とにかく…悪魔の鏡の破片はな、溶けることで消滅すんだよ。【雪の女王】の結末は宮殿にたどり着いたゲルダの涙で俺の中の破片が溶かされるわけだしな」
ティンカーベル「再会を喜ぶ涙で魔法が溶けるとかなかなかロマンチックな結末だよね!私そういうの大好き、王子様のキスで目覚めるとか…いいよね?」
キモオタ「それをメンズの我々に聞かれてもwwwとはいえゲルダ殿はまだ宮殿にたどりつけてないというのに…鏡の破片が溶ける要素なんかあるでござるか?」
カイ「そうだな……強いて言うなら、ヘンゼルとグレーテル…千代がこの宮殿で暮らすようになったからかもな」
カイ「女王と二人の時はよ、まぁ女王こそ今とそんなに変わりはしなかったが…静かに落ち着いて読書する時間なんざいくらでもとれたもんだ」
カイ「だが、あいつら三人が来てからは毎日騒がしくてよぉ。やれグリム童話教えろだ、魔法書探してだ…女王も子供好きだからいっしょに騒ぐしで、俺の読書時間はがくんと減っちまった」
カイ「でもまぁ…今思えばあいつらとの生活の中で俺の中の悪魔の鏡の破片は…少しずつ溶けだしちまったのかもしれねぇな」

159 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/12/12(月)01:41:01 ID:zru
キモオタ「……ナンカカイドノガ」
ティンカーベル「……ポエミーナコトイッテル」
カイ「……。おい、今のは忘れろ。柄にもない事口走っちまった」フイッ
ティンカーベル「もーっ!照れなくったっていいよー!カイってば言動はチンピラだけど家族想いなんだね!うんうん!ちょっと素直に慣れたじゃーん!」ペチペチ
カイ「おい、やめろ。からかわれるのは一番嫌いなんだ。俺は家族想いなんかじゃn」
キモオタ「ふぅーっ!wwwさっきのはなかなか名言でしたぞwwwカイ殿wwwお主なかなかポエミーといいますか詩的でロマンチストですなぁwwwドゥフフf」
ヒュッ ゴシャア
キモオタ「ぶひいいいいぃぃっ!?」ドシャー
カイ「次、口走ったら養豚所にぶち込む」
キモオタ「ぶふぉ…カイ殿にはジョークが通じませんなwwwこの調子ではいくらライフがあっても足りませんぞwww」
ティンカーベル「さっきのでそんなのわかってるんだからもうからかわなきゃいいのに……」
カイ「……おい、キモオタ!ティンカーベル!」バッ
キモオタ「ぶひっ!?我輩まだ何も言ってないでござるよ!?」ビクゥ
カイ「そうじゃねぇよ!窓の外…!見てみろ!どうやら馬鹿話してる時間は終わりみてぇだぜ…」

160 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/12/12(月)01:44:42 ID:zru
キモオタ「窓の外…!敵の襲撃ですかな!?」バッ
カイ「そうじゃねぇ。あっち見てみろ、東の空だ。少しばかり明るいの、見えるな?」
ティンカーベル「えっ…?ちょっと待って…!これ…おかしくない!?」
パアァァァァ!!
キモオタ「東の空がほんのり色づいていると思いきや…あっという間に太陽が天高く昇ったでござる…!明らかに異常な速度でござるよ…!」
ティンカーベル「おかしいじゃん!だってまだ太陽が昇るには早い時間だよ!?それなのにこんなにサンサンと照ってるって…おかしくない!?」
カイ「あぁ、おかしいんだよ…!そもそもここは年中雪と氷に包まれた極寒の地、あんなサンサンと輝く太陽なんざどう考えても異常だ…!」
キモオタ「ま、まさか…まさかとは思うでござるがあの太陽…アリス殿が意図的に出現させたものでは!?」
ティンカーベル「そんなことありえないよ!だって…いくらなんでも太陽を意のままに操る魔法具なんかないでしょ!?」
カイ「……キモオタ、お前確かそのサイリウムとかいう魔法具で高速移動ができるんだったな?俺とティンカーベルを担いで女王のところへ走れ」スッ
キモオタ「それは構わぬでござるが…。しかし、それでは……!」
ティンカーベル「そんなことしたらこの宮殿がガラ空きだよ!?この宮殿を守るって女王と約束したのに…破れないよ!」
カイ「何を悠長なこといってやがる…!雪も氷も太陽の前では無力、そんなもん当然だろうが!もう宮殿を守るとか守らねぇとかの話じゃねぇんだこれは…!いくらこの場所を守り切っても女王が死んじまったら無意味だってんだ!」
ティンカーベル「そ、そうだけど…」
カイ「そうときまれば急ぐぞキモオタ!女王を倒されでもすりゃあ…アリス共に勢いをつけさせちまう事になる!それは阻止しなきゃならねぇ」
カイ「それに俺は宮殿に住んでた連中のなかで唯一この世界に居る。何もできずに女王を倒されちまったりしたら弟妹に合わせる顔がねぇんだよ…!」バッ

161 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/12/12(月)01:47:24 ID:zru
同じころ
ゲルダが襲われた地点から最も近い村
ザワザワ ガヤガヤ
「な、なんじゃあ…!まだ陽が昇るには早い時間だってのにどうしてこんなに太陽が照っておるんじゃあ!?」
「こんな現象…村に伝わる古い文献にも載っていない!異常気象というやつか…!?」
「天変地異の前触れか…どこぞの魔女の仕業か…。ん…?あれは…一匹のトナカイ?」
パカラッパカラッパカラッ
ゲルダ「……」ガタガタブルブル
トナカイ「雪の女王から逃げおおせたと思えば今度は異常気象…一体何が?しかしご安心を、村に到着しましたよゲルダさん!」パカラパカラッ
村人1「おぉい、そこのトナカイぃ!そんなに急いでどうかしたのかぁ!」
トナカイ「おぉ、この村の方ですね!突然で申し訳ありませんが私のご主人に暖を貸しては頂けませんか!?」
村人2「なんと…!こんな若い娘が一人であの雪原を越えてきたのか…!」
村人3「酷い凍傷だわね…もう大丈夫だお譲ちゃん、あたしに任せな。トナカイさんや、この子はうちで面倒みよう」
トナカイ「おぉ…!ありがとうございます!なんとお礼を言えばいいのか!」
村人1「ところであんたら、あの雪原を越えてきたんだろう?なにか変わった事は無かったのか?この異常な太陽に関係する情報…何か知らないか…?」
・・・
白鳥「よし…ゲルダさんは無事に村の人たちに保護された。これで一安心だ」
親指姫「……」

162 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/12/12(月)01:50:40 ID:zru
白鳥「あの太陽のおかげ…という言い方はアレだけど、そのせいで村人たちは警戒ムードだ。トナカイさんが事実を話せばゲルダの事もちゃんと守ってくれるだろうよ」
親指姫「白鳥」
白鳥「…なんだい?」
親指姫「お前は…!あの太陽を見てなんとも思わないのか!?この極寒の地に真夏のような日差しを向けているあの太陽!」
親指姫「あれは明らかにアリスの仕業だ!どうやってこんな無茶な芸当を実現させたかは知らんが…氷雪が太陽に弱いなど周知の理!女王の身が危険だ!」
白鳥「……だから今すぐに君を乗せて女王様の元へ戻れっていうのかい?」
親指姫「言われなくてもわかるだろう!アリスはおそらく炎や熱を扱って女王様を攻撃するだろうとは思っていたが……完全に予想外の規模だ!早急に援護しなければ!」
白鳥「断るよ。僕は女王様のところへは向かわない」
親指姫「貴様…!こんな時に冗談はよせ!早くしなければ手遅れに…」
白鳥「冗談なんかじゃないよ、親指姫。女王様を窮地に立たせられるほどの強敵じゃ僕らがいってもどうにもならないし、僕たちがいってどうにかなる程度の敵ならハナから女王一人で余裕だよ」
白鳥「僕たちが戻って行ってもかえって邪魔になるくらいだ」
親指姫「そんな事を言っている場合か!たとえ邪魔になったとしても私は女王様をお守りしたいのだ!」
白鳥「…忘れたのかい?女王様が僕達に与えた命令はゲルダさんの保護だ。今はそれに注力すべきだよ」

163 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/12/12(月)01:52:54 ID:zru
親指姫「馬鹿な…!融通が利かないのかお前は!?こんな真夏のような日差しを浴びさせられていては女王様は……苦しんでおられるはず!」
親指姫「それを!女王様のピンチを!貴様は見捨てるというのか!?」
白鳥「じゃあお前は女王様の命令を無視しろっていうのかい?」
親指姫「そ、それはだな…!臨機応変と言うだろう!」
白鳥「僕たちがこの場を去って、それでゲルダさんが殺されでもすればこの世界は消滅する」
白鳥「敵が他の目的がこの世界の消滅ではない以上、その可能性は低い…でもゼロではない。だからこそ女王様は僕たちを同行させた、その意味はわかるだろう?」
親指姫「わかるさ…女王様にとってこの世界は、ご自分の命よりも大切な存在だ」
親指姫「だが…!ならば私に女王様の危機を見過ごせというのか!?そんなこと…騎士たる私にはできない!」
白鳥「気持ちはわかるけど、僕たちが今すべきことは女王様の護衛じゃなくゲルダさんの護衛だよ」
白鳥「女王様は僕とお前を信用して、この任務を任せてくれたんだ。心配する気持ちはわかるけど、今はこの任務に集中しよう」
親指姫「……女王様に何かあった時はお前に八つ当たりするからな、それでもいいんだな」
白鳥「それでお前がいう事を聞いてくれるなら安いもんだよ」
親指姫「……わかった、女王様の命令を最優先する」
白鳥「そんなに心配しなくてもい大丈夫さ、僕たちの女王様は誰より気高く優しい。少々の不利なんかに屈したりはしないよ」

164 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/12/12(月)01:56:11 ID:zru
雪の女王とアリスが対峙する雪原
パァァァァッ!!
雪の女王「太陽…と来たか」
雪の女王「アリス、君は随分と思い切った手を使ってくるんだな。私が知る限り太陽を操るような魔法具は知らないが…どんな手を使った?」
アリス「知りたいかい?教えてあげてもいい、だが…こんな氷の檻の中じゃ話をする気にはなれないな」
雪の女王「私がそんなことで君を解放するとでも思うのか?」
アリス「しないだろうね、ボクだってしない。言ってみただけさ、そもそも……自力で出ようと思えば出られる、今ならね。さぁトランプ兵、手伝え」スチャッ
トランプ兵達「「「Yes my l……!?」」」ベチャッ
雪の女王(氷の檻を囲むトランプ兵達に黒い液体を…。この独特な匂い、コールタール…!)
アリス「気付いたかい?真夏の日差し+魔法の紙製兵士+魔法のコールタープ+魔法の火打石の炎+魔法の靴での効果底上げ…これだけの魔力を上乗せすれば、強固な檻だって溶かせる」カチカチッ
ボボゥ!!メラメラメラ!!!
トランプ兵「GYAAAAAA…!!」ブズブズブズ…
雪の女王「なにをやっているんだ…!そんな炎に包まれては檻の中に居る君だって一溜りもない…!」
ザッ
アリス「敵であるボクの事を心配するなんて呆れる優しさだね、女王。まぁ安心しなよ」
アリス「『火鼠の皮衣』…知ってるだろう?ボクには火炎も炎熱も通用しないのさ」クスクス

165 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/12/12(月)02:00:48 ID:zru
リス「おっと…檻から出たんだし、約束通り教えてあげるよ。この太陽をどうやって使役しているのかをね」
雪の女王「…あぁ、教えてもらおうかな。折角だから」
アリス「僕たちの頭上に輝いている彼は【北風と太陽】の住人でね、脅したのさ。僕に協力しなければお前の世界を消滅させるとね」
雪の女王「…たしかその世界は随分前に完結していたはずだが?結末まで物語が展開したもおとぎ話を消すことなど、現実世界において忘れられるか…あるいは作者の手によって消されるかでなければ不可能だ」
アリス「だからそうしたのさ、作者に頼んで太陽を脅した。それだけの話さ」
雪の女王「…信じられないな【北風と太陽】の作者はもう何千年も前に死んでいる。存在しているはずが無い」
アリス「信じる信じないはあんたに任せるけどさ、一つだけはっきりしてる事があるんじゃない?」
アリス「……汗、かくんだね?女王サマでもさ」クスクス
雪の女王「……」
アリス「さぁさぁ、せっかくだから本気を出して見せてよ女王?ボクを改心させようなんて考えがクソ甘い事、もうわかっただろう?諦めて僕を殺すつもりで足掻きなよ」
雪の女王「おかしなことを言うんだな、アリス」
アリス「…何が?」
雪の女王「私は言ったはずだ、君を改心させると」
雪の女王「それに、子供相手に本気を出す大人なんか…見苦しいだけだろう?たとえ苦手な熱気にあてられようと、私は君相手に力ずくで頭を押さえつけるような真似はしない。」
アリス「そうかい、せいぜい強がって見苦しい死にざまをさらして見せなよ」バッ

166 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/12/12(月)02:04:40 ID:zru
次回、バトルパート突入
更新が遅い時間になって申し訳ない
ヤムチャのように倒されるキモオタ
不思議の国のアリス 次回に続きます

172 :名無しさん@おーぷん :2016/12/14(水)07:32:53 ID:AD2
イッチお疲れ!
カイの弟妹発言で泣けてきた…
女王危機だけどなんとかなるよね?いやしてくださいw
アリスの闇もなんか胸がいたくなるしどうしようもう!
更新が待ち遠しい!!!ww

175 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/12/18(日)22:31:32 ID:DiB
今日は番外編の更新のみです、待っててくれた人は申し訳ない
本編は明日の更新になります!もうしばしお待ちを!

176 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/12/18(日)22:34:18 ID:DiB
サンタさんへの手紙
ラプンツェル「あっ、いたいた!おーい、ヘンゼルー!ヘンゼルはプレゼント何をお願いするのー?」ニコニコ
ヘンゼル「なんなの突然。プレゼントって、なんの話?」
ラプンツェル「この時期にプレゼントって言ったらクリスマスに決まってるよー!サンタさんにお願いするプレゼントの話!」
ヘンゼル「君の世界にもあるんだねその風習。というか君、サンタクロースにプレゼント貰うような歳じゃないでしょ…」
ラプンツェル「えー?でも去年もサンタさん来たよー?ちゃんと良い子にしててサンタさんに欲しいものをお手紙でお願いしたら来てくれるってママが言ってた!」
ヘンゼル「まぁゴーテルさんはそう言うでしょ…君が欲しいモノ知りたいだろうし」
ラプンツェル「でね、今からサンタさんにお手紙書くんだけどね。どーせなら他の子供たちが欲しいモノも一緒に伝えておこうと思って!ナイスアイディアでしょ!だからヘンゼルが欲しいモノ教えて!」フンス
ヘンゼル「あのさ、ラプンツェル。夢を壊すようで悪いけどサンタクロースなんて……」
グレーテル「……サンタさんのプレゼント、楽しみだねお兄ちゃん」ヒョコッ
ヘンゼル「本当だね。グレーテルは良い子にしてたから絶対プレゼント貰えるよ」
グレーテル「そうだといいなぁ…。私はね、スニッカーズとブラックサンダーを一ダースずつお願いするの……あとキットカット」
ラプンツェル「チョコ美味しいよね!私がお願いするプレゼントはねー…新しい手鏡とシュシュ!着けてるだけで魔力が強くなる感じの奴くださいって書いといた!」
ヘンゼル「無茶ぶりでしょそんなの。いや、君のサンタさんならできそうだけど…」
ラプンツェル「欲しいモノはなんでもいいから書いたらいいんだよー。あとねー、ドロシーと赤ずきんにも聞いて来たんだけどねー」
ラプンツェル「ドロシーは『強い心』赤ずきんは『マスケットの命中精度が上昇する魔法具。あるいは連射性能を向上させる魔法具』だって!」
ヘンゼル「ドロシーは物ですらないし赤ずきんに至っては誰に手紙が届くか想定してるじゃないかそれ」
ラプンツェル「まーまー、他の子はいいからさ!ヘンゼルが欲しいモノを教えてよ、一緒に書いとくから!」ニコニコ
ヘンゼル「それじゃあ……『グレーテルをありとあらゆる危険から守る魔法具』ってゴーt…サンタさんに伝えておいてくれる?」
ラプンツェル「りょーかい!ちゃんとサンタさんに伝えとく!」ニコニコ
後日、魔法使いの書庫で倒れているゴーテルが発見された

177 :名無しさん@おーぷん :2016/12/18(日)23:39:49 ID:xlP
ゴーテ……サンタさんへの無茶振りがすごいwww
ドロシーが健気過ぎる

178 :名無しさん@おーぷん :2016/12/19(月)00:04:14 ID:Vy1
なんだかんだで頑張ってくれるゴーテルで和む

180 :名無しさん@おーぷん :2016/12/19(月)08:52:51 ID:xUa
ゴーテルお母さんなにやってんだよwwwwwww
ほんとお疲れさまです