神様「神様だっ!」 神使「神力ゼロですが・・・」
Part62
739: ◆8YCWQhLlF2 :2016/10/29(土) 04:55:00 ID:OpaaqRyo
〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓
テクテク
神様「はぁ〜 お腹いっぱい」ゲープッ
神使「神様・・・ そんな大きな・・・ はしたないですよ」
神様「出ちゃうものは仕方ないの!」ゲップ
神使「一人で牡蠣60個とか食べ過ぎですよ。 お店の人ビックリしてましたし」
神様「食べ放題だしさぁ〜 でも産地で結構味違うもんだな。 食べ比べできたのも食が進んだ原因だね」
神使「私には全く分からなかったんですが・・・」
神様「塩気が全然違っただろうが。 だからお前はいつまで経っても犬ころなんだよ」
神使「そう・・・ なんでしょうか・・・ でも沢山食べて元気百倍ですね」
神様「そうね〜」
神使「では、次の場所ではお仕事頑張って下さいね」
神様「任せろ!」
ゲップ
740: ◆8YCWQhLlF2 :2016/10/29(土) 04:55:54 ID:OpaaqRyo
〜あらすじ〜
神様「私は神様! みんな大好き、とってもかわゆい理想の女神! 私の神力で皆の願いをビビッと叶えちゃう!」
神使(訳)「神宮が誇るダメ女神。 問題行動連発による無期出向と減給、多額のローンにより手取り50円。 財布に300円しかない残念な神様です」
741: ◆8YCWQhLlF2 :2016/10/29(土) 04:57:18 ID:OpaaqRyo
【#13】
ーーー りんごちゃん神宮前
神様「い〜や〜だ!」ジタバタ
神使「ダダこねないで下さい」グイグイ
神様「絶っ対、嫌!」
神使「どうして、そんなに嫌がるんですか」
神様「ふざけんなよ! 嫌にきまってんだろうが! りんごちゃん神宮じゃないかよ!」
神使「はい」
神様「はい、じゃねーよ! 極悪邪道腐れ犬ころ変態アホ神使!」
神使「なんですかそれ・・・」
742: ◆8YCWQhLlF2 :2016/10/29(土) 04:58:38 ID:OpaaqRyo
神様「りんごちゃん神宮だよ? 凄爺のお膝元だよ?」
神使「凄爺神様は最高位の神階を持つとても立派な神とお伺いしております」
神様「お前・・・ 神階が高けりゃ会いたいのかよ!」
神使「勿論です。 最高位の神ですからお目にかかるのが楽しみです!」
神様「神使君さぁ、勘違いしてるよ? あにあに神社の時に気づけよ」
神使「?」
神様「じゃ、私は体調不良だから駅前で買い物してそのまま神宮に帰るね?」スタスタ
神使「ちょと神様、300円しか持っていないのに何買うんですか? 電車で県外からも出られませんよ」ガシッ
神様「放せよ〜 神宮まで歩いて帰る〜」ジタバタ
神使「無理です。 先ほど仕事を頑張ると仰ったばかりですよ? ほら、行きますよ」
神様「ノー! 私まだ死にたくない〜!」ズルズル
746: ◆8YCWQhLlF2 :2016/10/30(日) 02:54:06 ID:zVC08qI2
ーーー りんごちゃん神宮
神使「これは・・・」
神様「でかっ!」
神使「さすが神宮と名の付くだけありますね」
神様「中庭が学校のグランドくらい広いんだけど・・・ 何この無駄な空間」
神使「神様はりんごちゃん神宮には来た事が無いんですか?」
神様「室町くらいの時に一回来たけど、こんなに広くなかったぞ?」
神使「かなり昔なんですね・・・」
神様「新年の挨拶に来い! ってうるせーから行ったのに、滅茶苦茶怒られたからすぐ逃げ帰ってきたけど」
神使「また何か生意気な事を言ったんじゃないですか?」
神様「言ってねーよ。 半年くらい行くのが遅くなっただけで」
神使「そうですか・・・ 取りあえず社務所の方へ行きましょう」
747: ◆8YCWQhLlF2 :2016/10/30(日) 02:56:22 ID:zVC08qI2
テクテク
神使「建物も大変立派ですね。 色鮮やかで神宮とはまた違った荘厳さがありますよね」
神様「なんか、平城京の大内裏みたい」
神使「そう言えば、神様は平城京は生で見ているんですか?」
神様「住んでたね」
神使「え!?」
神様「私これでも人が素っ裸で走り回っていた時代からいるんだよ?」
神使「そ、そうですよね。 すいません、神様が昔は偉い方だったと言う事をつい忘れがちで・・・」
神様「なにその言い方・・・ それより社務所あれじゃないの?」
神使「あれは第四社務所ですね。 私達が最初に行くのは第三社務所です」
神様「そうなんだ・・・」
748: ◆8YCWQhLlF2 :2016/10/30(日) 02:58:14 ID:zVC08qI2
ーーー 第三社務所
ガラガラ
神使「すいません」
巫女「はい?」
神使「神宮から参りました神使と申します」
巫女「ご苦労様です」
神使「宮司様はおられますでしょうか?」
巫女「あいにく宮司は本日不在でして」
神使「そうでしたか。 神宮から今日こちらに伺うように言われておりまして」
巫女「そういたしましたら、向かいの第五社務所の方へお願いいたします」
神使「わかりました」
神様「反対側じゃん・・・」
神使「仕方ありません」
749: ◆8YCWQhLlF2 :2016/10/30(日) 02:59:48 ID:zVC08qI2
ーーー 第五社務所
神使「こんにちは」
巫女「こんにちは」
神使「神宮から参りました神使と申します」
巫女「遠い所ご苦労様です」
神使「神宮から伺うように言われておりまして」
巫女「お約束でしょうか?」
神使「主神様にお目にかかりたく」
巫女「主神? あ〜 本殿への立ち入りですね? 第二社務所の方で立ち入り手続きをお済ませ下さい」
神使「第二社務所ですね。 ありがとうございます」
神様「・・・・・・」
750: ◆8YCWQhLlF2 :2016/10/30(日) 03:00:43 ID:zVC08qI2
ーーー第二社務所
神使「失礼します」
巫女「はい」
神使「神宮から参りました神使と申しますが、本殿への立ち入り申請はこちらでよろしいでしょうか?」
巫女「本日ご予約などはございますか?」
神使「神宮から連絡などありませんでしたでしょうか」
巫女「確認いたしますので少々お待ち下さい」スタスタ
神様「ねぇ、面倒くさくない?」
神使「これだけ大きいお社ですから、仕方ありませんよ」
神様「いや〜 なんか嫌な感じがする」
751: ◆8YCWQhLlF2 :2016/10/30(日) 03:01:55 ID:zVC08qI2
巫女「お待たせいたしました」スタスタ
神使「いかがでしょうか?」
巫女「まだこちらの方へは申請が上がって来ていないようですね」
神使「はぁ」
巫女「ちなみに、どの部署宛でしょうか?」
神使「部署・・・ ですか? 主神様とお話しできるとありがたいのですが」
巫女「主神? 祭祀担当でしょうか?」
神様「凄爺!」
巫女「すごじい?」
神様・神使「・・・・・・」
巫女「?」
神様「あ〜 また出直すね。 行くぞ、犬ころ」テクテク
神使「え? ちょっと神様?」スタスタ
752: ◆8YCWQhLlF2 :2016/10/30(日) 03:03:08 ID:zVC08qI2
ーーー 中庭
テクテク
神使「神様、どうされたんですか?」
神様「面倒くせーよ。 それにあの巫女ちゃん、凄爺に会った事無いぞ。 たぶん神がいる事自体知らないんじゃない?」
神使「え!?」
神様「ハァ〜・・・ ん?」ピタッ
神使「神様?」
神様「ねぇ、あそこでアイス食べたい」
神使「休憩所・・・ そうですね」
753: ◆8YCWQhLlF2 :2016/10/30(日) 03:04:15 ID:zVC08qI2
ーーー 休憩所
おばちゃん「いらっしゃいませ」
神使「神様は何にしますか?」
神様「りんご味とかあるよ・・・」
神使「それにします?」
神様「ん〜・・・ りんご味とチョコ味」
神使「え? 二つも食べるんですか?」
神様「お前はストロベリーな」
神使「私、抹茶が食べたいんですけど・・・」
神様「じゃぁ抹茶とストロベリー頼めよ」
神使「・・・・・・」
754: ◆8YCWQhLlF2 :2016/10/30(日) 03:05:35 ID:zVC08qI2
神様「おばちゃん! 私はりんごとチョコ、こいつは抹茶とストロベリーで!」
おばちゃん「二人で四個食べるの?」
神様「やだな〜 私が三個食べるんだよ」
おばちゃん「すごいね〜。 はい、落とさないでね」
神様「うほ〜 渦巻きが綺麗! うまそ〜」ペロペロッ
神使「椅子に座って食べて下さい」
神様「へいへい」ヨイショ
神使「この抹茶アイスほろ苦くて美味しいです」ペロッ
神様「おい犬ころ、ストロベリー私の方に向けてろ」
神使「はいはい、どうぞ」
神様「ん。 お〜 ストロベリーも美味しいね〜」アムッ
755: ◆8YCWQhLlF2 :2016/10/30(日) 03:06:34 ID:zVC08qI2
神使「両手にアイスを持って・・・ 凄い食べ方しますね」
神様「気取って食べても仕方ないだろーが。 高速ペロペロ〜!」ペロ ペロ ペロッ
神使「もう少し上品に召し上がって下さい。 神の品格に関わります」
神様「私に品格なんてありません〜」ベー
神使「・・・・・・」ハァ
神様「それよりさぁ」
神使「?」
神様「向こうの柱の影からこっちを見てるのってお前の知り合い?」ペロ ペロッ
神使「柱?」
756: ◆8YCWQhLlF2 :2016/10/30(日) 03:07:33 ID:zVC08qI2
?「・・・」ジー
神使「あっ、もしかして狐娘さん!?」
狐娘「やっぱり! 神使先輩ですか?」スタスタ
神使「お久しぶりですね」
狐娘「ご無沙汰してます! どうしたんですか、こんな所で!?」
神使「神宮から派遣されてきたんですが、たらい回しにされていまして・・・」
狐娘「そうでしたか、申し訳ありません」ペコリ
神様「神使君の知り合い?」ペロ ペロッ
神使「はい、神使研修所で一緒だった後輩の狐娘さんです」
757: ◆8YCWQhLlF2 :2016/10/30(日) 03:09:04 ID:zVC08qI2
狐娘「りんごちゃん神宮で神使を務めております狐娘と申します」ペコリ
神様「私は、かわゆい神ちゃん! 神宮の内宮巫女長」フンスッ
狐娘「初めまして、社務所の方へご案内しますのでよろしければ」
神使「ありがとうございます。 助かります」ニコッ
狐娘「はぅ・・・ ど、どうぞ///」スタスタ
神様「ほぉ〜」ニヤリ
神使「?」
759: ◆8YCWQhLlF2 :2016/10/31(月) 03:21:08 ID:Xo70zgpE
ーーー 第一社務所
狐娘「どうぞ」コトッ
神使「ありがとうございます。 あっ、これは」
狐娘「先輩は濃いめの緑茶に、お抹茶を少し入れるのが好きでしたよね?」
神使「覚えていてくれたんですね。 嬉しいです」ニコッ
狐娘「・・・///」
神様「」ニヤニヤ
神使「神様、先ほどから何ニヤニヤしているんです?」
神様「ん? 何でもない」
狐娘「ここへはどのようなご用でいらっしゃったんですか?」
神使「実は私も詳しい事は聞いておらず・・・ 宮司様か主神様にお目にかかれればと思ったのですが」
狐娘「宮司はあいにく出張中でして・・・」
神使「そのようですね。 主神様は?」
狐娘「・・・・・・少しお待ち下さい」スタスタ
760: ◆8YCWQhLlF2 :2016/10/31(月) 03:22:51 ID:Xo70zgpE
神様「可愛い子だね〜」
神使「私の妹と同期なんです。 研修所では成績も優秀で聡明な方でした」
神様「あ〜 妹ちゃんと同期か・・・」
神使「神宮に神付き神使として奉職申請を出されていたようですが空きがなく・・・ こちらに御奉職されていたんですね」
神様「ふ〜ん。 憧れを追うのは大変だね〜」
神使「?」
神様「お茶美味しい」ズズッ
神使「お抹茶が入っていますからね」
神様「犬ころこれ好きなの?」
神使「はい。 お抹茶の上品な甘みがあって美味しいと思いませんか?」
神様「玉露で良いじゃん。 面倒くさい」
神使「・・・・・・違います」ズズッ
761: ◆8YCWQhLlF2 :2016/10/31(月) 03:24:23 ID:Xo70zgpE
スタスタ
狐娘「お待たせいたしました。 三日前に神宮からお二人の主神謁見書類が届いていますね」
神使「良かったです」ホッ
狐娘「ただ、本殿への立ち入りは申請に一週間ほどかかるんです」
神使「え? そうなんですか!?」
狐娘「その後、主神様への謁見審査がありまして・・・ 私の知る限りここ数年は申請自体通った事はないんですが・・・」
神使「それは・・・」
神様「うへ〜 面倒くさ!」
狐娘「神にはそう簡単に会えないんですよ? 特に凄爺様は神階も最高位なので」
神使「まぁ、普通はそうですよね」チラッ
神様「なに? 何か言いたいの? 神使君」
神使「いえ、別に」
762: ◆8YCWQhLlF2 :2016/10/31(月) 03:25:54 ID:Xo70zgpE
狐娘「私も四年ほどここにいますが数回しかお目にかかった事ありませんし。 神宮も同じじゃないんですか?」
神使「確かに・・・ 神宮も神職や神付き神使でもそう簡単に会う事はできませんからね」
狐娘「先輩は神宮の神付き神使ですよね? 主神様とはお会いになれるんですか?」
神使「えぇ・・・ まぁ・・・ 私の主神様はちょっと特殊でして・・・」
神様「毎日会ってるよね〜」
狐娘「毎日!? 神宮の神なのにそんな頻繁にお会いになれるんですか!?」
神使「・・・はい。 その・・・ 今も私の隣にいますね」
狐娘「?」
神様「ハロー」
狐娘「え?」
神様「神宮所属 内宮神籍の女神、かわゆい神ちゃんと申します。 この犬ころの主神をやらせて頂いております」ペコリ
狐娘「・・・・・・」
763: ◆8YCWQhLlF2 :2016/10/31(月) 03:26:46 ID:Xo70zgpE
神使「信じられないかも知れませんが本当なんです。 こちら神宮の神です」
狐娘「で、でもさっき巫女って!」
神使「それも本当で・・・ 神様は神宮で巫女のアルバイトもやっておりまして」
狐娘「・・・・・・はい?」
神使「お給料が低いのでアルバイトをしないと生活が苦しーーー」
神様「アッチョー!」ゲシッ
神使「痛っ!」
狐娘「神・・・ さま・・・ !!」スッ
神様「ストーップ! ふかぶか禁止!」
狐娘「!?」
神使「神様はそういう畏まられたり奉られたりするのが苦手でして・・・ 友達のように普通に接してあげて下さい」
神様「うんうん」コクコクッ
〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓
テクテク
神様「はぁ〜 お腹いっぱい」ゲープッ
神使「神様・・・ そんな大きな・・・ はしたないですよ」
神様「出ちゃうものは仕方ないの!」ゲップ
神使「一人で牡蠣60個とか食べ過ぎですよ。 お店の人ビックリしてましたし」
神様「食べ放題だしさぁ〜 でも産地で結構味違うもんだな。 食べ比べできたのも食が進んだ原因だね」
神使「私には全く分からなかったんですが・・・」
神様「塩気が全然違っただろうが。 だからお前はいつまで経っても犬ころなんだよ」
神使「そう・・・ なんでしょうか・・・ でも沢山食べて元気百倍ですね」
神様「そうね〜」
神使「では、次の場所ではお仕事頑張って下さいね」
神様「任せろ!」
ゲップ
740: ◆8YCWQhLlF2 :2016/10/29(土) 04:55:54 ID:OpaaqRyo
〜あらすじ〜
神様「私は神様! みんな大好き、とってもかわゆい理想の女神! 私の神力で皆の願いをビビッと叶えちゃう!」
神使(訳)「神宮が誇るダメ女神。 問題行動連発による無期出向と減給、多額のローンにより手取り50円。 財布に300円しかない残念な神様です」
741: ◆8YCWQhLlF2 :2016/10/29(土) 04:57:18 ID:OpaaqRyo
【#13】
ーーー りんごちゃん神宮前
神様「い〜や〜だ!」ジタバタ
神使「ダダこねないで下さい」グイグイ
神様「絶っ対、嫌!」
神使「どうして、そんなに嫌がるんですか」
神様「ふざけんなよ! 嫌にきまってんだろうが! りんごちゃん神宮じゃないかよ!」
神使「はい」
神様「はい、じゃねーよ! 極悪邪道腐れ犬ころ変態アホ神使!」
神使「なんですかそれ・・・」
742: ◆8YCWQhLlF2 :2016/10/29(土) 04:58:38 ID:OpaaqRyo
神様「りんごちゃん神宮だよ? 凄爺のお膝元だよ?」
神使「凄爺神様は最高位の神階を持つとても立派な神とお伺いしております」
神様「お前・・・ 神階が高けりゃ会いたいのかよ!」
神使「勿論です。 最高位の神ですからお目にかかるのが楽しみです!」
神様「神使君さぁ、勘違いしてるよ? あにあに神社の時に気づけよ」
神使「?」
神様「じゃ、私は体調不良だから駅前で買い物してそのまま神宮に帰るね?」スタスタ
神使「ちょと神様、300円しか持っていないのに何買うんですか? 電車で県外からも出られませんよ」ガシッ
神様「放せよ〜 神宮まで歩いて帰る〜」ジタバタ
神使「無理です。 先ほど仕事を頑張ると仰ったばかりですよ? ほら、行きますよ」
神様「ノー! 私まだ死にたくない〜!」ズルズル
746: ◆8YCWQhLlF2 :2016/10/30(日) 02:54:06 ID:zVC08qI2
ーーー りんごちゃん神宮
神使「これは・・・」
神様「でかっ!」
神使「さすが神宮と名の付くだけありますね」
神様「中庭が学校のグランドくらい広いんだけど・・・ 何この無駄な空間」
神使「神様はりんごちゃん神宮には来た事が無いんですか?」
神様「室町くらいの時に一回来たけど、こんなに広くなかったぞ?」
神使「かなり昔なんですね・・・」
神様「新年の挨拶に来い! ってうるせーから行ったのに、滅茶苦茶怒られたからすぐ逃げ帰ってきたけど」
神使「また何か生意気な事を言ったんじゃないですか?」
神様「言ってねーよ。 半年くらい行くのが遅くなっただけで」
神使「そうですか・・・ 取りあえず社務所の方へ行きましょう」
テクテク
神使「建物も大変立派ですね。 色鮮やかで神宮とはまた違った荘厳さがありますよね」
神様「なんか、平城京の大内裏みたい」
神使「そう言えば、神様は平城京は生で見ているんですか?」
神様「住んでたね」
神使「え!?」
神様「私これでも人が素っ裸で走り回っていた時代からいるんだよ?」
神使「そ、そうですよね。 すいません、神様が昔は偉い方だったと言う事をつい忘れがちで・・・」
神様「なにその言い方・・・ それより社務所あれじゃないの?」
神使「あれは第四社務所ですね。 私達が最初に行くのは第三社務所です」
神様「そうなんだ・・・」
748: ◆8YCWQhLlF2 :2016/10/30(日) 02:58:14 ID:zVC08qI2
ーーー 第三社務所
ガラガラ
神使「すいません」
巫女「はい?」
神使「神宮から参りました神使と申します」
巫女「ご苦労様です」
神使「宮司様はおられますでしょうか?」
巫女「あいにく宮司は本日不在でして」
神使「そうでしたか。 神宮から今日こちらに伺うように言われておりまして」
巫女「そういたしましたら、向かいの第五社務所の方へお願いいたします」
神使「わかりました」
神様「反対側じゃん・・・」
神使「仕方ありません」
749: ◆8YCWQhLlF2 :2016/10/30(日) 02:59:48 ID:zVC08qI2
ーーー 第五社務所
神使「こんにちは」
巫女「こんにちは」
神使「神宮から参りました神使と申します」
巫女「遠い所ご苦労様です」
神使「神宮から伺うように言われておりまして」
巫女「お約束でしょうか?」
神使「主神様にお目にかかりたく」
巫女「主神? あ〜 本殿への立ち入りですね? 第二社務所の方で立ち入り手続きをお済ませ下さい」
神使「第二社務所ですね。 ありがとうございます」
神様「・・・・・・」
750: ◆8YCWQhLlF2 :2016/10/30(日) 03:00:43 ID:zVC08qI2
ーーー第二社務所
神使「失礼します」
巫女「はい」
神使「神宮から参りました神使と申しますが、本殿への立ち入り申請はこちらでよろしいでしょうか?」
巫女「本日ご予約などはございますか?」
神使「神宮から連絡などありませんでしたでしょうか」
巫女「確認いたしますので少々お待ち下さい」スタスタ
神様「ねぇ、面倒くさくない?」
神使「これだけ大きいお社ですから、仕方ありませんよ」
神様「いや〜 なんか嫌な感じがする」
751: ◆8YCWQhLlF2 :2016/10/30(日) 03:01:55 ID:zVC08qI2
巫女「お待たせいたしました」スタスタ
神使「いかがでしょうか?」
巫女「まだこちらの方へは申請が上がって来ていないようですね」
神使「はぁ」
巫女「ちなみに、どの部署宛でしょうか?」
神使「部署・・・ ですか? 主神様とお話しできるとありがたいのですが」
巫女「主神? 祭祀担当でしょうか?」
神様「凄爺!」
巫女「すごじい?」
神様・神使「・・・・・・」
巫女「?」
神様「あ〜 また出直すね。 行くぞ、犬ころ」テクテク
神使「え? ちょっと神様?」スタスタ
752: ◆8YCWQhLlF2 :2016/10/30(日) 03:03:08 ID:zVC08qI2
ーーー 中庭
テクテク
神使「神様、どうされたんですか?」
神様「面倒くせーよ。 それにあの巫女ちゃん、凄爺に会った事無いぞ。 たぶん神がいる事自体知らないんじゃない?」
神使「え!?」
神様「ハァ〜・・・ ん?」ピタッ
神使「神様?」
神様「ねぇ、あそこでアイス食べたい」
神使「休憩所・・・ そうですね」
753: ◆8YCWQhLlF2 :2016/10/30(日) 03:04:15 ID:zVC08qI2
ーーー 休憩所
おばちゃん「いらっしゃいませ」
神使「神様は何にしますか?」
神様「りんご味とかあるよ・・・」
神使「それにします?」
神様「ん〜・・・ りんご味とチョコ味」
神使「え? 二つも食べるんですか?」
神様「お前はストロベリーな」
神使「私、抹茶が食べたいんですけど・・・」
神様「じゃぁ抹茶とストロベリー頼めよ」
神使「・・・・・・」
754: ◆8YCWQhLlF2 :2016/10/30(日) 03:05:35 ID:zVC08qI2
神様「おばちゃん! 私はりんごとチョコ、こいつは抹茶とストロベリーで!」
おばちゃん「二人で四個食べるの?」
神様「やだな〜 私が三個食べるんだよ」
おばちゃん「すごいね〜。 はい、落とさないでね」
神様「うほ〜 渦巻きが綺麗! うまそ〜」ペロペロッ
神使「椅子に座って食べて下さい」
神様「へいへい」ヨイショ
神使「この抹茶アイスほろ苦くて美味しいです」ペロッ
神様「おい犬ころ、ストロベリー私の方に向けてろ」
神使「はいはい、どうぞ」
神様「ん。 お〜 ストロベリーも美味しいね〜」アムッ
755: ◆8YCWQhLlF2 :2016/10/30(日) 03:06:34 ID:zVC08qI2
神使「両手にアイスを持って・・・ 凄い食べ方しますね」
神様「気取って食べても仕方ないだろーが。 高速ペロペロ〜!」ペロ ペロ ペロッ
神使「もう少し上品に召し上がって下さい。 神の品格に関わります」
神様「私に品格なんてありません〜」ベー
神使「・・・・・・」ハァ
神様「それよりさぁ」
神使「?」
神様「向こうの柱の影からこっちを見てるのってお前の知り合い?」ペロ ペロッ
神使「柱?」
756: ◆8YCWQhLlF2 :2016/10/30(日) 03:07:33 ID:zVC08qI2
?「・・・」ジー
神使「あっ、もしかして狐娘さん!?」
狐娘「やっぱり! 神使先輩ですか?」スタスタ
神使「お久しぶりですね」
狐娘「ご無沙汰してます! どうしたんですか、こんな所で!?」
神使「神宮から派遣されてきたんですが、たらい回しにされていまして・・・」
狐娘「そうでしたか、申し訳ありません」ペコリ
神様「神使君の知り合い?」ペロ ペロッ
神使「はい、神使研修所で一緒だった後輩の狐娘さんです」
757: ◆8YCWQhLlF2 :2016/10/30(日) 03:09:04 ID:zVC08qI2
狐娘「りんごちゃん神宮で神使を務めております狐娘と申します」ペコリ
神様「私は、かわゆい神ちゃん! 神宮の内宮巫女長」フンスッ
狐娘「初めまして、社務所の方へご案内しますのでよろしければ」
神使「ありがとうございます。 助かります」ニコッ
狐娘「はぅ・・・ ど、どうぞ///」スタスタ
神様「ほぉ〜」ニヤリ
神使「?」
759: ◆8YCWQhLlF2 :2016/10/31(月) 03:21:08 ID:Xo70zgpE
ーーー 第一社務所
狐娘「どうぞ」コトッ
神使「ありがとうございます。 あっ、これは」
狐娘「先輩は濃いめの緑茶に、お抹茶を少し入れるのが好きでしたよね?」
神使「覚えていてくれたんですね。 嬉しいです」ニコッ
狐娘「・・・///」
神様「」ニヤニヤ
神使「神様、先ほどから何ニヤニヤしているんです?」
神様「ん? 何でもない」
狐娘「ここへはどのようなご用でいらっしゃったんですか?」
神使「実は私も詳しい事は聞いておらず・・・ 宮司様か主神様にお目にかかれればと思ったのですが」
狐娘「宮司はあいにく出張中でして・・・」
神使「そのようですね。 主神様は?」
狐娘「・・・・・・少しお待ち下さい」スタスタ
760: ◆8YCWQhLlF2 :2016/10/31(月) 03:22:51 ID:Xo70zgpE
神様「可愛い子だね〜」
神使「私の妹と同期なんです。 研修所では成績も優秀で聡明な方でした」
神様「あ〜 妹ちゃんと同期か・・・」
神使「神宮に神付き神使として奉職申請を出されていたようですが空きがなく・・・ こちらに御奉職されていたんですね」
神様「ふ〜ん。 憧れを追うのは大変だね〜」
神使「?」
神様「お茶美味しい」ズズッ
神使「お抹茶が入っていますからね」
神様「犬ころこれ好きなの?」
神使「はい。 お抹茶の上品な甘みがあって美味しいと思いませんか?」
神様「玉露で良いじゃん。 面倒くさい」
神使「・・・・・・違います」ズズッ
761: ◆8YCWQhLlF2 :2016/10/31(月) 03:24:23 ID:Xo70zgpE
スタスタ
狐娘「お待たせいたしました。 三日前に神宮からお二人の主神謁見書類が届いていますね」
神使「良かったです」ホッ
狐娘「ただ、本殿への立ち入りは申請に一週間ほどかかるんです」
神使「え? そうなんですか!?」
狐娘「その後、主神様への謁見審査がありまして・・・ 私の知る限りここ数年は申請自体通った事はないんですが・・・」
神使「それは・・・」
神様「うへ〜 面倒くさ!」
狐娘「神にはそう簡単に会えないんですよ? 特に凄爺様は神階も最高位なので」
神使「まぁ、普通はそうですよね」チラッ
神様「なに? 何か言いたいの? 神使君」
神使「いえ、別に」
762: ◆8YCWQhLlF2 :2016/10/31(月) 03:25:54 ID:Xo70zgpE
狐娘「私も四年ほどここにいますが数回しかお目にかかった事ありませんし。 神宮も同じじゃないんですか?」
神使「確かに・・・ 神宮も神職や神付き神使でもそう簡単に会う事はできませんからね」
狐娘「先輩は神宮の神付き神使ですよね? 主神様とはお会いになれるんですか?」
神使「えぇ・・・ まぁ・・・ 私の主神様はちょっと特殊でして・・・」
神様「毎日会ってるよね〜」
狐娘「毎日!? 神宮の神なのにそんな頻繁にお会いになれるんですか!?」
神使「・・・はい。 その・・・ 今も私の隣にいますね」
狐娘「?」
神様「ハロー」
狐娘「え?」
神様「神宮所属 内宮神籍の女神、かわゆい神ちゃんと申します。 この犬ころの主神をやらせて頂いております」ペコリ
狐娘「・・・・・・」
神使「信じられないかも知れませんが本当なんです。 こちら神宮の神です」
狐娘「で、でもさっき巫女って!」
神使「それも本当で・・・ 神様は神宮で巫女のアルバイトもやっておりまして」
狐娘「・・・・・・はい?」
神使「お給料が低いのでアルバイトをしないと生活が苦しーーー」
神様「アッチョー!」ゲシッ
神使「痛っ!」
狐娘「神・・・ さま・・・ !!」スッ
神様「ストーップ! ふかぶか禁止!」
狐娘「!?」
神使「神様はそういう畏まられたり奉られたりするのが苦手でして・・・ 友達のように普通に接してあげて下さい」
神様「うんうん」コクコクッ
神様「神様だっ!」 神使「神力ゼロですが・・・」
Part1<< Part58 Part59 Part60 Part61 Part62 Part63 Part64 Part65 Part66 >>Part160
評価する!(10089)
ショートストーリーの人気記事
女「ハローハロー。誰かいませんか?どうぞ」
→記事を読む
キモオタ「我輩がおとぎ話の世界に行くですとwww」ティンカーベル「そう」
→記事を読む
魔王「世界の半分はやらぬが、淫魔の国をくれてやろう」
→記事を読む
男「少し不思議な話をしようか」女「いいよ」
→記事を読む
同僚女「おーい、おとこ。起きろ、起きろー」
→記事を読む
妹「マニュアルで恋します!」
→記事を読む
きのこの山「最後通牒だと……?」たけのこの里「……」
→記事を読む
月「で……であ…でぁー…TH…であのて……?」
→記事を読む
彡(゚)(゚)「お、居酒屋やんけ。入ったろ」
→記事を読む
魔法使い「メラしか使えない」
→記事を読む