神様「神様だっ!」 神使「神力ゼロですが・・・」
Part63
764: ◆8YCWQhLlF2 :2016/10/31(月) 03:27:58 ID:Xo70zgpE
狐娘「でも、神宮の神にそんな不敬なことは」オロオロ
神様「別に偉くないんだし。 それにこの犬ころだって普通に接してるでしょ?」
狐神「はぁ・・・」
神使「私は、本心では崇め奉りたいほど尊敬しているんですよ?」
神様「よせやい、照れるじゃないか〜」クネクネ
神使「きちんと仕事をして頂ければ。 神としての威厳を出して頂ければ。 下着姿で寝なければ・・・ ですが」
神様「それもう私じゃないじゃん!」ゲシッ
神使「痛っ!」
狐娘「・・・・・・」
765: ◆8YCWQhLlF2 :2016/10/31(月) 03:28:43 ID:Xo70zgpE
神様「それより、ジジイは居るの?」
狐娘「はい?」
神使「神様? きちんと凄爺神様と言わないとダメです。 先日も生意気な口聞いて怒られているじゃないですか」
狐娘「!?」
神様「良いんだよ。 あんなジジイ逆に私がお尻ペンペンしてやる!」
狐娘「あの!」
神様・神使「!?」ビクッ
狐娘「凄爺様とお会いになったんですか!?」
神使「直接お目にかかった訳ではないのですが・・・」
神様「神力越しで会話したくらい。 相変わらず堅物なお節介ジジイだったよ」
狐娘「そうですか・・・」ホッ
766: ◆8YCWQhLlF2 :2016/10/31(月) 03:29:49 ID:Xo70zgpE
神使「何かあったんですか?」
狐娘「あっ、いえ・・・」
神様「凄爺、ここに居ないんでしょ?」
狐娘「!?」
神使「それは、お出かけ中という意味ですか?」
神様「いや、年単位で不在かな?」チラッ
狐娘「・・・・・・」
神使「どういうことです?」
神様「凄爺の神力が全く感じられない」
神使「神様、凄爺神様が居ない事を知っていたんですか・・・」
神様「ここに凄爺がいたら私がノコノコと足を踏み入れる訳ないだろ?」
神使「ずいぶんと威勢が良いと思ったのはそういうことでしたか」
神様「そんじゃ主神もいないし帰りますか〜」
神使「しかし・・・」
767: ◆8YCWQhLlF2 :2016/10/31(月) 03:30:54 ID:Xo70zgpE
狐娘「あの! 神宮神様!」
神様「?」キョロキョロ
神使「神様の事です」
神様「ミー?」
狐神「非礼を承知で・・・ ご相談に乗っていただけないでしょうか・・・」
神使「分かりました」
神様「ちょっと待って神使君。 今の私宛だよね? 私の意見は?」
神使「牡蠣ご馳走します」ボソッ
神様「よろしい、この神ちゃんに何でも相談しなさい。 たちどころに解決して進ぜよう」フンスッ
神使(この単純さ、私も少し見習いたいですね)
768: 以下、名無しが深夜にお送りします :2016/10/31(月) 04:10:25 ID:qMAMZG3E
神ちゃん安定な軽さだな
いい神様だ
769: ◆8YCWQhLlF2 :2016/11/01(火) 04:40:07 ID:Eq46KQaE
ーーー 本殿入り口
テクテク
狐娘「本殿はこの門の先になります」
神使「大変立派な門ですよね」
神様「羅城門かよ・・・」
神使「神様、羅城門は実物を・・・」
神様「もちろん見てるね。 悪戯書きして凄爺に折檻された」
狐娘「・・・あの、失礼ながら神宮神様は何の神なのでしょうか?」
神使「何の神なんです?」
神様「・・・・・・かわゆい神?」
神使・狐娘「・・・・・・」
770: ◆8YCWQhLlF2 :2016/11/01(火) 04:41:42 ID:Eq46KQaE
テクテク
神主「あっ、狐娘さん。 どうされたんですか?」
狐娘「こちらの方達を本殿へご案内いたします」
神主「え!? 本殿への立ち入り申請は今日はなかったと思うんですが」
狐娘「神宮からの御使者です」
神主「しかし、入館審査証がないと・・・」
狐娘「御正体をお話ししてもよろしいでしょうか?」
神様「オッケ〜」
狐娘「こちらは神宮の神さまです。 対応をわきまえて下さいませ」
神主「神宮の神さま!?」
771: ◆8YCWQhLlF2 :2016/11/01(火) 04:42:56 ID:Eq46KQaE
神様「うむ。 神宮所属内宮神籍の神であるぞぉ〜」
神使「こちら神様の神籍証と、私の神使籍証です」スッ
神主「!? た、大変失礼いたしました」フカブカ
神様「フカブカいらないぞぉ〜」
神主「え!?」
狐娘「神宮神様はお忍びで来られておりますのであまり公にしたくないそうです」
神主「そ、そうですよね。 失礼いたしました」フカブカ
神様「ユー、面白いぞ〜」
狐娘「私達が本殿から出るまで誰も中に入れないようお願いします」
神主「分かりました。 中央の扉からお入り下さい」
772: ◆8YCWQhLlF2 :2016/11/01(火) 04:45:42 ID:Eq46KQaE
ギィ
狐娘「神宮神様、どうぞ」
神様「我が神使よ、参るぞぉ〜」
神使「・・・・・・はぁ」
スタスタ
狐娘「この庭を抜ければ本殿です」
神使「お庭も大変立派ですね・・・」キョロキョロ
神様「我が神使よ。 我は疲れた、おんぶせよぉ〜」
神使「調子に乗らないで下さい」
神様「え〜 もう少し神さまごっこしよーぜ〜 おんぶ〜」
神使「ダメです。 あまりみっともない行動しないで下さい」
神様「んだよ、ケチ!」
773: ◆8YCWQhLlF2 :2016/11/01(火) 04:46:39 ID:Eq46KQaE
狐娘「・・・・・・」
神使「どうされました?」
狐娘「!? いえ・・・ 神宮神様に随分と何と言いますか・・・ 対応が・・・」
神様「そうだよ。 もう少し優しく扱えよ。 私はガラスのように繊細なんだから」
神使「厚さ1メートル位の強化防弾ガラスですよね」
神様「うへ〜 ちょっと聞きました? 狐娘さん。 うちの子ったら」
狐娘「・・・・・・」
神様「?」
774: ◆8YCWQhLlF2 :2016/11/01(火) 04:47:23 ID:Eq46KQaE
狐娘「あっ・・・ すいません。 仲がよろしいんですね」シュン
神様「・・・・・・ごめん、そんなつもりじゃ」
神使「どうされたんですか神様?」
神様「・・・」ジロッ
神使「?」
神様「」ゲシッ
神使「痛っ! え!? 私なんで蹴られたんです?」
神様「アホ神使」
775: ◆8YCWQhLlF2 :2016/11/01(火) 04:49:06 ID:Eq46KQaE
ーーー 本殿
ギィー
狐娘「こちらが本殿です」
神様「なんだよこの広さは!」
狐娘「本殿の広さだけで言えば最大の面積はあるかと思います」
神様「あれがご神体の内内陣かな?」
狐娘「はい」
神様「ちょっと中見るね」トテトテ
776: ◆8YCWQhLlF2 :2016/11/01(火) 04:49:41 ID:Eq46KQaE
ギィ
神様「あ〜・・・」
神使「どうされました?」
神様「我、神体の神力を解放す」
ポワ
狐娘「!?」
神様「・・・やっぱり」ハァ
神使「神様?」
777: ◆8YCWQhLlF2 :2016/11/01(火) 04:51:04 ID:Eq46KQaE
神様「凄爺が最後にここに来たのっていつ?」
狐娘「確か二年ほど前だったと思います」
神様「あのジジイ・・・」
神使「何か分かったんですか?」
神様「ん〜 まずは狐娘ちゃんの話から聞きましょ」
神使「そうですね。 狐娘さん、相談というのは?」
狐娘「はい。 実は凄爺神様が行方不明でして・・・」
神使「行方不明・・・ ですか?」
狐娘「はい。 二年前から一度もこちらにはお入りになっていないんです」
神使「神宮に報告は?」
狐娘「いいえ・・・ 宮司の判断で、その・・・ 体面的な事もありますので」
神様「神宮って名前が付いているのに神不在じゃ、間違いなく社位は落ちるしねぇ〜」
狐娘「・・・・・・」
778: ◆8YCWQhLlF2 :2016/11/01(火) 04:51:49 ID:Eq46KQaE
神使「凄爺様が出て行かれたお心当たりは?」
狐娘「いいえ」
神使「しかし、ご神体はあるんですよね」
神様「今ここに納められている神体は中継神体だ」
神使「中継神体?」
神様「本体は別の所にあって中継しているだけのお飾り。 摂末社とかでよく使うんだけど」
神使「と言う事は、凄爺神様は別の場所におられると?」
神様「ジジイの居場所はこの中継神体をたどればすぐ分かるけど」
狐娘「!?」
779: ◆8YCWQhLlF2 :2016/11/01(火) 04:53:07 ID:Eq46KQaE
神使「では、早速」
神様「いや〜 でもそれじゃ解決にはならないでしょ」
神使「しかし、お会いになって理由を聞けば・・・」
神様「ん〜 ジジイ自分の事は喋らない主義だしなぁ〜」
狐娘「・・・・・・」
神様「狐娘ちゃん、相談する事はそれだけ?」
狐娘「・・・・・・はい」
神様「そう」ヨイショ
神使「神様?」
神様「取りあえず、今日は疲れたし寝る。 宿行こう、宿」
神使「・・・・・・。 狐娘さん、お願いがあるのですが」
狐娘「?」
781: ◆8YCWQhLlF2 :2016/11/02(水) 01:06:09 ID:cuozD91I
ーーー 客間
狐娘「申し訳ありません。 急でしたのでこんなお部屋しか用意できなかったのですが・・・」
神使「無理言ってすいません」
神様「・・・広っ!」
狐娘「本当に本殿でなくても良いんですか? 神宮神様にこのようなお部屋というのも・・・」
神使「いえ、こんなに広いお部屋贅沢すぎです。 ねっ、神様?」
神様「旅館が良い。 温泉入りたい。 神社ヤダ」
神使「そんなお金ありません。 折角用意して頂いたのに失礼ですよ?」
神様「へいへい。 でもこの1/4の広さで良いのに・・・ 20畳くらいあるよね、この部屋」
782: ◆8YCWQhLlF2 :2016/11/02(水) 01:07:36 ID:cuozD91I
狐娘「本来は別々にお部屋をご用意したいのですが・・・ すぐに間仕切りを入れますので」
神使「お気遣いなく。 このままで大丈夫です」
狐娘「しかし、それでは・・・」
神使「主神と同行の神使は一緒にいないといけないもので。 同じ部屋で大丈夫です」
狐娘「・・・・・・」
神様「大丈夫だよ、犬ころは悪さしないように隅っこの一畳だけで生活させるから」
神使「・・・・・・」
狐娘「では、何かご用がございましたらご指示下さい」
スタスタ
ガチャッ
783: ◆8YCWQhLlF2 :2016/11/02(水) 01:08:44 ID:cuozD91I
神使「神様、何か解決策はありますか?」
神様「う〜ん・・・ 神使君ってさぁ、モテた?」
神使「・・・はい?」
神様「女の子からモテたかって」
神使「・・・・・・質問の意味が分からないのですが」
神様「告白された回数は?」
神使「それは今回の件と何か関係あるのでしょうか・・・」
神様「うん」
784: ◆8YCWQhLlF2 :2016/11/02(水) 01:09:50 ID:cuozD91I
神使「・・・・・・8回ほど」
神様「」イラッ
神使「すいません、9回でした」
神様「」ゲシッ
神使「痛ぃ! 何ですか・・・」
神様「極悪邪道腐れ犬ころ変態すけこまアホ神使」
神使「それ言いにくくないですか?」
神様「寝る!」モソモソ
神使「私買い物に行ってきますので、夕方に目覚まし掛けておきますから起きて下さいね」
神様「ん」モソモソ
785: ◆8YCWQhLlF2 :2016/11/02(水) 01:10:40 ID:cuozD91I
ーーー 夕方・社務所
テクテク
神使「コーラが特売で助かりました。 これだけあればこちらにいる間は大丈夫でしょう」
神使「しかし、神様のコーラ代もバカにならなくなってきましたね・・・」
ザワザワ
あの子下着姿でどうしたのかしら・・・ ヒソヒソ
何で廊下で寝てるの? ヒソヒソ
神使「?」
786: ◆8YCWQhLlF2 :2016/11/02(水) 01:11:51 ID:cuozD91I
狐娘「あの、大丈夫ですか? 風邪引いてしまいますが・・・」
神使「狐娘さん、どうされたんですか?」スタスタ
狐娘「あっ、神使先輩。 それが・・・」
神様「Zzz・・・」グガー
神使「あ〜 すいませんご迷惑をおかけして」
狐娘「何度かお声をおかけしているんですが・・・」
神使「神様は揺らさないと起きませんので」
狐娘「しかし、神宮神様に触れるだなんて・・・」
神使「気にしないで下さい。 すぐ片付けますから」
狐娘「片付け!?」
787: ◆8YCWQhLlF2 :2016/11/02(水) 01:12:37 ID:cuozD91I
神使「神様、廊下で下着姿なんかで寝てちゃダメですよ。 通行の邪魔です」ヨイショ
狐娘「!?」
神使「お騒がせしました」スタスタ
すごーい! 脇に抱えて持ってった
あの男の人格好いいね〜
狐娘「・・・・・・」
788: ◆8YCWQhLlF2 :2016/11/02(水) 01:19:22 ID:cuozD91I
ーーー 客間
ガチャッ
神使「神様、まだ寝ます?」
神様「まんにゃむみゃ・・・」
神使「はいはい」ヨイショ
神様「みゅみょむ・・・」
神使「はい、布団です。 ちゃんと肩まで掛けて下さい」パサッ
神様「ん〜 Zzz・・・」スースー
神使「フフッ」ニコッ
神使「さて、コーラを冷やしてきましょう」スタスタ
狐娘「でも、神宮の神にそんな不敬なことは」オロオロ
神様「別に偉くないんだし。 それにこの犬ころだって普通に接してるでしょ?」
狐神「はぁ・・・」
神使「私は、本心では崇め奉りたいほど尊敬しているんですよ?」
神様「よせやい、照れるじゃないか〜」クネクネ
神使「きちんと仕事をして頂ければ。 神としての威厳を出して頂ければ。 下着姿で寝なければ・・・ ですが」
神様「それもう私じゃないじゃん!」ゲシッ
神使「痛っ!」
狐娘「・・・・・・」
765: ◆8YCWQhLlF2 :2016/10/31(月) 03:28:43 ID:Xo70zgpE
神様「それより、ジジイは居るの?」
狐娘「はい?」
神使「神様? きちんと凄爺神様と言わないとダメです。 先日も生意気な口聞いて怒られているじゃないですか」
狐娘「!?」
神様「良いんだよ。 あんなジジイ逆に私がお尻ペンペンしてやる!」
狐娘「あの!」
神様・神使「!?」ビクッ
狐娘「凄爺様とお会いになったんですか!?」
神使「直接お目にかかった訳ではないのですが・・・」
神様「神力越しで会話したくらい。 相変わらず堅物なお節介ジジイだったよ」
狐娘「そうですか・・・」ホッ
766: ◆8YCWQhLlF2 :2016/10/31(月) 03:29:49 ID:Xo70zgpE
神使「何かあったんですか?」
狐娘「あっ、いえ・・・」
神様「凄爺、ここに居ないんでしょ?」
狐娘「!?」
神使「それは、お出かけ中という意味ですか?」
神様「いや、年単位で不在かな?」チラッ
狐娘「・・・・・・」
神使「どういうことです?」
神様「凄爺の神力が全く感じられない」
神使「神様、凄爺神様が居ない事を知っていたんですか・・・」
神様「ここに凄爺がいたら私がノコノコと足を踏み入れる訳ないだろ?」
神使「ずいぶんと威勢が良いと思ったのはそういうことでしたか」
神様「そんじゃ主神もいないし帰りますか〜」
神使「しかし・・・」
767: ◆8YCWQhLlF2 :2016/10/31(月) 03:30:54 ID:Xo70zgpE
狐娘「あの! 神宮神様!」
神様「?」キョロキョロ
神使「神様の事です」
神様「ミー?」
狐神「非礼を承知で・・・ ご相談に乗っていただけないでしょうか・・・」
神使「分かりました」
神様「ちょっと待って神使君。 今の私宛だよね? 私の意見は?」
神使「牡蠣ご馳走します」ボソッ
神様「よろしい、この神ちゃんに何でも相談しなさい。 たちどころに解決して進ぜよう」フンスッ
神使(この単純さ、私も少し見習いたいですね)
768: 以下、名無しが深夜にお送りします :2016/10/31(月) 04:10:25 ID:qMAMZG3E
神ちゃん安定な軽さだな
いい神様だ
ーーー 本殿入り口
テクテク
狐娘「本殿はこの門の先になります」
神使「大変立派な門ですよね」
神様「羅城門かよ・・・」
神使「神様、羅城門は実物を・・・」
神様「もちろん見てるね。 悪戯書きして凄爺に折檻された」
狐娘「・・・あの、失礼ながら神宮神様は何の神なのでしょうか?」
神使「何の神なんです?」
神様「・・・・・・かわゆい神?」
神使・狐娘「・・・・・・」
770: ◆8YCWQhLlF2 :2016/11/01(火) 04:41:42 ID:Eq46KQaE
テクテク
神主「あっ、狐娘さん。 どうされたんですか?」
狐娘「こちらの方達を本殿へご案内いたします」
神主「え!? 本殿への立ち入り申請は今日はなかったと思うんですが」
狐娘「神宮からの御使者です」
神主「しかし、入館審査証がないと・・・」
狐娘「御正体をお話ししてもよろしいでしょうか?」
神様「オッケ〜」
狐娘「こちらは神宮の神さまです。 対応をわきまえて下さいませ」
神主「神宮の神さま!?」
771: ◆8YCWQhLlF2 :2016/11/01(火) 04:42:56 ID:Eq46KQaE
神様「うむ。 神宮所属内宮神籍の神であるぞぉ〜」
神使「こちら神様の神籍証と、私の神使籍証です」スッ
神主「!? た、大変失礼いたしました」フカブカ
神様「フカブカいらないぞぉ〜」
神主「え!?」
狐娘「神宮神様はお忍びで来られておりますのであまり公にしたくないそうです」
神主「そ、そうですよね。 失礼いたしました」フカブカ
神様「ユー、面白いぞ〜」
狐娘「私達が本殿から出るまで誰も中に入れないようお願いします」
神主「分かりました。 中央の扉からお入り下さい」
772: ◆8YCWQhLlF2 :2016/11/01(火) 04:45:42 ID:Eq46KQaE
ギィ
狐娘「神宮神様、どうぞ」
神様「我が神使よ、参るぞぉ〜」
神使「・・・・・・はぁ」
スタスタ
狐娘「この庭を抜ければ本殿です」
神使「お庭も大変立派ですね・・・」キョロキョロ
神様「我が神使よ。 我は疲れた、おんぶせよぉ〜」
神使「調子に乗らないで下さい」
神様「え〜 もう少し神さまごっこしよーぜ〜 おんぶ〜」
神使「ダメです。 あまりみっともない行動しないで下さい」
神様「んだよ、ケチ!」
773: ◆8YCWQhLlF2 :2016/11/01(火) 04:46:39 ID:Eq46KQaE
狐娘「・・・・・・」
神使「どうされました?」
狐娘「!? いえ・・・ 神宮神様に随分と何と言いますか・・・ 対応が・・・」
神様「そうだよ。 もう少し優しく扱えよ。 私はガラスのように繊細なんだから」
神使「厚さ1メートル位の強化防弾ガラスですよね」
神様「うへ〜 ちょっと聞きました? 狐娘さん。 うちの子ったら」
狐娘「・・・・・・」
神様「?」
774: ◆8YCWQhLlF2 :2016/11/01(火) 04:47:23 ID:Eq46KQaE
狐娘「あっ・・・ すいません。 仲がよろしいんですね」シュン
神様「・・・・・・ごめん、そんなつもりじゃ」
神使「どうされたんですか神様?」
神様「・・・」ジロッ
神使「?」
神様「」ゲシッ
神使「痛っ! え!? 私なんで蹴られたんです?」
神様「アホ神使」
775: ◆8YCWQhLlF2 :2016/11/01(火) 04:49:06 ID:Eq46KQaE
ーーー 本殿
ギィー
狐娘「こちらが本殿です」
神様「なんだよこの広さは!」
狐娘「本殿の広さだけで言えば最大の面積はあるかと思います」
神様「あれがご神体の内内陣かな?」
狐娘「はい」
神様「ちょっと中見るね」トテトテ
776: ◆8YCWQhLlF2 :2016/11/01(火) 04:49:41 ID:Eq46KQaE
ギィ
神様「あ〜・・・」
神使「どうされました?」
神様「我、神体の神力を解放す」
ポワ
狐娘「!?」
神様「・・・やっぱり」ハァ
神使「神様?」
777: ◆8YCWQhLlF2 :2016/11/01(火) 04:51:04 ID:Eq46KQaE
神様「凄爺が最後にここに来たのっていつ?」
狐娘「確か二年ほど前だったと思います」
神様「あのジジイ・・・」
神使「何か分かったんですか?」
神様「ん〜 まずは狐娘ちゃんの話から聞きましょ」
神使「そうですね。 狐娘さん、相談というのは?」
狐娘「はい。 実は凄爺神様が行方不明でして・・・」
神使「行方不明・・・ ですか?」
狐娘「はい。 二年前から一度もこちらにはお入りになっていないんです」
神使「神宮に報告は?」
狐娘「いいえ・・・ 宮司の判断で、その・・・ 体面的な事もありますので」
神様「神宮って名前が付いているのに神不在じゃ、間違いなく社位は落ちるしねぇ〜」
狐娘「・・・・・・」
778: ◆8YCWQhLlF2 :2016/11/01(火) 04:51:49 ID:Eq46KQaE
神使「凄爺様が出て行かれたお心当たりは?」
狐娘「いいえ」
神使「しかし、ご神体はあるんですよね」
神様「今ここに納められている神体は中継神体だ」
神使「中継神体?」
神様「本体は別の所にあって中継しているだけのお飾り。 摂末社とかでよく使うんだけど」
神使「と言う事は、凄爺神様は別の場所におられると?」
神様「ジジイの居場所はこの中継神体をたどればすぐ分かるけど」
狐娘「!?」
779: ◆8YCWQhLlF2 :2016/11/01(火) 04:53:07 ID:Eq46KQaE
神使「では、早速」
神様「いや〜 でもそれじゃ解決にはならないでしょ」
神使「しかし、お会いになって理由を聞けば・・・」
神様「ん〜 ジジイ自分の事は喋らない主義だしなぁ〜」
狐娘「・・・・・・」
神様「狐娘ちゃん、相談する事はそれだけ?」
狐娘「・・・・・・はい」
神様「そう」ヨイショ
神使「神様?」
神様「取りあえず、今日は疲れたし寝る。 宿行こう、宿」
神使「・・・・・・。 狐娘さん、お願いがあるのですが」
狐娘「?」
781: ◆8YCWQhLlF2 :2016/11/02(水) 01:06:09 ID:cuozD91I
ーーー 客間
狐娘「申し訳ありません。 急でしたのでこんなお部屋しか用意できなかったのですが・・・」
神使「無理言ってすいません」
神様「・・・広っ!」
狐娘「本当に本殿でなくても良いんですか? 神宮神様にこのようなお部屋というのも・・・」
神使「いえ、こんなに広いお部屋贅沢すぎです。 ねっ、神様?」
神様「旅館が良い。 温泉入りたい。 神社ヤダ」
神使「そんなお金ありません。 折角用意して頂いたのに失礼ですよ?」
神様「へいへい。 でもこの1/4の広さで良いのに・・・ 20畳くらいあるよね、この部屋」
782: ◆8YCWQhLlF2 :2016/11/02(水) 01:07:36 ID:cuozD91I
狐娘「本来は別々にお部屋をご用意したいのですが・・・ すぐに間仕切りを入れますので」
神使「お気遣いなく。 このままで大丈夫です」
狐娘「しかし、それでは・・・」
神使「主神と同行の神使は一緒にいないといけないもので。 同じ部屋で大丈夫です」
狐娘「・・・・・・」
神様「大丈夫だよ、犬ころは悪さしないように隅っこの一畳だけで生活させるから」
神使「・・・・・・」
狐娘「では、何かご用がございましたらご指示下さい」
スタスタ
ガチャッ
783: ◆8YCWQhLlF2 :2016/11/02(水) 01:08:44 ID:cuozD91I
神使「神様、何か解決策はありますか?」
神様「う〜ん・・・ 神使君ってさぁ、モテた?」
神使「・・・はい?」
神様「女の子からモテたかって」
神使「・・・・・・質問の意味が分からないのですが」
神様「告白された回数は?」
神使「それは今回の件と何か関係あるのでしょうか・・・」
神様「うん」
784: ◆8YCWQhLlF2 :2016/11/02(水) 01:09:50 ID:cuozD91I
神使「・・・・・・8回ほど」
神様「」イラッ
神使「すいません、9回でした」
神様「」ゲシッ
神使「痛ぃ! 何ですか・・・」
神様「極悪邪道腐れ犬ころ変態すけこまアホ神使」
神使「それ言いにくくないですか?」
神様「寝る!」モソモソ
神使「私買い物に行ってきますので、夕方に目覚まし掛けておきますから起きて下さいね」
神様「ん」モソモソ
ーーー 夕方・社務所
テクテク
神使「コーラが特売で助かりました。 これだけあればこちらにいる間は大丈夫でしょう」
神使「しかし、神様のコーラ代もバカにならなくなってきましたね・・・」
ザワザワ
あの子下着姿でどうしたのかしら・・・ ヒソヒソ
何で廊下で寝てるの? ヒソヒソ
神使「?」
786: ◆8YCWQhLlF2 :2016/11/02(水) 01:11:51 ID:cuozD91I
狐娘「あの、大丈夫ですか? 風邪引いてしまいますが・・・」
神使「狐娘さん、どうされたんですか?」スタスタ
狐娘「あっ、神使先輩。 それが・・・」
神様「Zzz・・・」グガー
神使「あ〜 すいませんご迷惑をおかけして」
狐娘「何度かお声をおかけしているんですが・・・」
神使「神様は揺らさないと起きませんので」
狐娘「しかし、神宮神様に触れるだなんて・・・」
神使「気にしないで下さい。 すぐ片付けますから」
狐娘「片付け!?」
787: ◆8YCWQhLlF2 :2016/11/02(水) 01:12:37 ID:cuozD91I
神使「神様、廊下で下着姿なんかで寝てちゃダメですよ。 通行の邪魔です」ヨイショ
狐娘「!?」
神使「お騒がせしました」スタスタ
すごーい! 脇に抱えて持ってった
あの男の人格好いいね〜
狐娘「・・・・・・」
788: ◆8YCWQhLlF2 :2016/11/02(水) 01:19:22 ID:cuozD91I
ーーー 客間
ガチャッ
神使「神様、まだ寝ます?」
神様「まんにゃむみゃ・・・」
神使「はいはい」ヨイショ
神様「みゅみょむ・・・」
神使「はい、布団です。 ちゃんと肩まで掛けて下さい」パサッ
神様「ん〜 Zzz・・・」スースー
神使「フフッ」ニコッ
神使「さて、コーラを冷やしてきましょう」スタスタ
神様「神様だっ!」 神使「神力ゼロですが・・・」
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