神様「神様だっ!」 神使「神力ゼロですが・・・」
Part65
815: ◆8YCWQhLlF2 :2016/11/03(木) 22:25:08 ID:fpk2ek/M
神様「・・・・・・」ウルウル
神様「ふぇ・・・ ぐすっ」ポロ ポロ
神様「うぇ〜ん! ひぐっ・・・ うぇ〜んっ!」ボロ ボロ
トテトテ
狐娘「・・・・・・神宮神様」
816: 以下、名無しが深夜にお送りします :2016/11/03(木) 22:28:07 ID:zMfLGsuo
難しいな
複雑だな
817: 以下、名無しが深夜にお送りします :2016/11/03(木) 23:48:12 ID:fA/X6DDg
雨が…降っている…だが、あたたかい…
818: ◆8YCWQhLlF2 :2016/11/05(土) 03:11:33 ID:qi3vY.0w
神使「・・・・・・」テクテク
凄爺「おい狛犬」
神使「凄爺神様・・・」フカブカ
凄爺「話がある、本殿に上がれ」
神使「・・・はい」スタスタ
819: ◆8YCWQhLlF2 :2016/11/05(土) 03:12:32 ID:qi3vY.0w
ーーー 本殿
神使「・・・先ほどは申し訳ございませんでした」フカブカ
凄爺「何故謝る?」
神使「一介の神使が神に・・・ いえ最高神様に非礼な事を・・・」
凄爺「アイツの正体はどこまで知っているんだ?」
神使「神宮三神を隠れて兼任している事と・・・ 二百年前に分裂してお二人いると言う事までは・・・」
凄爺「ほぉ〜 あのガキの神使は何年目だ?」
神使「神様にお仕えして4年になります」
凄爺「たったそれだけか?」
神使「・・・はい」
820: ◆8YCWQhLlF2 :2016/11/05(土) 03:13:19 ID:qi3vY.0w
凄爺「ワシは神になる前はあのガキと40年ほど一緒にいた」
神使「・・・・・・」
凄爺「だが、あんなにギャンギャン泣いたのを見たのは初めてだ」
神使「申し訳ありません・・・」フカブカ
凄爺「だから、何故謝る」
神使「神様はこの国の最高神です。 そのような立派な方にあのような非礼を・・・」
凄爺「ワシはあまり自分の事を喋らん主義だが・・・ まだ神になる前に、その・・・ 思いを寄せていたヤツに告白した事がある」
神使「え!?」
821: ◆8YCWQhLlF2 :2016/11/05(土) 03:14:08 ID:qi3vY.0w
凄爺「彼女はどんな時も他人を優先し、どんな難しい難題でもあらゆる手を使って解決してくれた」
神使「・・・素晴らしい方ですね」
凄爺「当時はまだ神力が使えていたが、名実ともに神の頂点と言って良い素晴らしい女神だった」
神使「それって・・・」
凄爺「言わすな、恥ずかしい」
神使「それで、神様・・・ いえ、その方からのお返事は」
凄爺「まぁ・・・振られたな」
神使「・・・・・・」
822: ◆8YCWQhLlF2 :2016/11/05(土) 03:16:39 ID:qi3vY.0w
凄爺「雲一つ無き青空と、夕日に燃える朱色の・・・」
神使「え?」
凄爺「・・・・・・なるほどな。 そう言うことか」フッ
神使「あの・・・」
凄爺「いや、すまん」
神使「?」
凄爺「アイツは毎日一緒にいても飽きなくて、お金にはうるさいけど定期的に好物を食べさせてくれる使いが好きだと言っていた」
神使「随分と限定的な方なのですね・・・」
凄爺「そうだな。 ワシも全く同じ事を言った」
神使「そうでしたか・・・」
823: ◆8YCWQhLlF2 :2016/11/05(土) 03:17:51 ID:qi3vY.0w
凄爺「まぁ、盛大に振られた代わりアイツは一つだけ約束をしてくれた」
神使「約束・・・ ですか?」
凄爺「もし好きなやつが出来たときはワシの所に連れて来るとな・・・ 全く悪趣味なヤツだ」
神使「その後、神様は誰かお連れになったのですか?」
凄爺「ワシが神になってから一人だけ男を連れてきた」
神使「!?」
凄爺「誰だか分かるか?」
神使「・・・・・・もしかして、昭宮神様でしょうか」
凄爺「昭宮神? あの妄想野郎を知ってるのか?」
神使「はい。 神様の旦那様だと仰っておりました」
824: ◆8YCWQhLlF2 :2016/11/05(土) 03:18:52 ID:qi3vY.0w
凄爺「あの変態が勝手に言っているだけだろ。 アイツが昭宮神を連れてきた事など一度も無いぞ」
神使「では一体・・・」
凄爺「お前だ」
神使「えっ?」
凄爺「お前以外であのガキがワシの前に男を連れてきた事は無い」
神使「それは・・・ 私は神様の神使ですので当然かと」
凄爺「そうかもな。だが、アイツの神使や使いで男は今まで沢山いた」
神使「・・・・・・」
凄爺「アイツが自分の使いに会うのは月に1回あれば多い方だ。 お前はどのくらいの周期で会っているんだ?」
神使「・・・・・・毎日お会いしております」
凄爺「そうか」
825: ◆8YCWQhLlF2 :2016/11/05(土) 03:19:32 ID:qi3vY.0w
凄爺「アイツは途方もない長い時間を過ごしている。 ワシでも想像できないような辛い出来事も経験しているはずだ」
神使「・・・・・・」
凄爺「あんな小さな体で、あんな性格なのに何千年もそれに耐えてきたんだ」
神使「はい・・・」
凄爺「そんなヤツがたかが4年一緒にいる神使にキツく言われただけであんなに泣くと思うか?」
神使「えっ・・・」
凄爺「羨ましいわ」ボソッ
神使「凄爺様・・・」
826: ◆8YCWQhLlF2 :2016/11/05(土) 03:20:45 ID:qi3vY.0w
凄爺「あのガキ、お前に嫌われたと思っているだろうな」
神使「え?」
凄爺「たぶん初めての感情だったんだろ。 あんなに泣きやがって」
神使「・・・・・・」
凄爺「あとはワシは知らん。 お前が決めるんだな」
神使「ありがとうございます。 私は、どんな形であれ神様をお守りすることをお約束します」
凄爺「・・・・・・」
神使「しかし、私は神様の神使です。 神ちゃんさんに相応しい男になった時に、この思いをお伝えいたします」フカブカ
凄爺「そうか」
凄爺(なるほど、確かにお前の言う通り私はコイツに勝てないな)フッ
827: 以下、名無しが深夜にお送りします :2016/11/05(土) 05:01:47 ID:hW3N3Qxw
乙!
神ってのは生まれたときからずっと見た目が変わらないのかな
それとも神ちゃんが特別なのか…
828: 以下、名無しが深夜にお送りします :2016/11/05(土) 05:11:15 ID:KIFNlK7.
…いいな
乙
829: 以下、名無しが深夜にお送りします :2016/11/05(土) 08:41:21 ID:UVktbRuY
両思いなんだ
終わりが近づいてるようだがもっと続けてくれ
最低でも47都道府県を頼む
830: ◆8YCWQhLlF2 :2016/11/05(土) 21:01:25 ID:qi3vY.0w
ーーー ひねくれ神社・境内の端っこ
神様「・・・・・・」シュン
狐娘「神宮神様?」
神様「・・・狐娘ちゃん」グシグシ
狐娘「少しお話しをしてもよろしいでしょうか?」
神様「・・・うん」
831: ◆8YCWQhLlF2 :2016/11/05(土) 21:03:09 ID:qi3vY.0w
狐娘「先輩に怒られちゃいましたね」
神様「・・・うん」
狐娘「私、先輩が怒っているところ初めて見ました」
神様「・・・・・・」
狐娘「ちょっと羨ましいです」
神様「え?」
狐娘「先輩って、どんな人にも全く同じ対応なんですもん。 誰にでも優しくて、頼み事だって絶対断らないんですよ?」
神様「知ってる・・・ でも私のお願いはあんま聞いてくれないけど・・・」
狐娘「私、神宮神様といるときの先輩の対応を見てびっくりしました」
神様「あいつ、私を見下してるから・・・」
狐娘「先輩が神を・・・ いえ、人も神使も見下すなんて事は絶対にありません」
神様「・・・・・・」
832: ◆8YCWQhLlF2 :2016/11/05(土) 21:04:56 ID:qi3vY.0w
狐娘「私、先輩の妹と研修所時代の同期なんです」
神様「この前アイツから聞いた」
狐娘「妹さんはご存じですか?」
神様「うん」
狐娘「先輩、妹にも敬語なんですよ?」
神様「・・・うん」
狐娘「先輩って女性と話すときは絶対に一歩自分を引いて話すんです。 相手が妹でも」
神様「・・・・・・」
狐娘「神宮神様と一緒の時はその距離がありませんでした。 あんな先輩初めて見ました」
神様「でも、それは・・・」
833: ◆8YCWQhLlF2 :2016/11/05(土) 21:06:27 ID:qi3vY.0w
狐娘「それに、どんなに親しくても先輩が女性を脇に抱えて歩いたりするなんて考えられませんよ」
神様「さすがにそんなこと私もされた事無いけど・・・」
狐娘「・・・先日、神宮神様を脇にお抱えになっていましたよ?」
神様「え!?」
狐娘「廊下でお眠りになっていたときに・・・ 覚えていないのですか?」
神様「・・・・・・うん」
狐娘「手慣れた感じでしたし、何度もされているのでは・・・」
神様「・・・///」
狐娘「大変非礼な発言ですが、あんなの見せられて・・・ 私、嫉妬しちゃいました」
834: ◆8YCWQhLlF2 :2016/11/05(土) 21:07:51 ID:qi3vY.0w
神様「・・・・・・狐娘ちゃんは、犬ころの事を好きなんだよね」
狐娘「はい」
神様「・・・あいつ優しいから、ちゃんと思いを伝えれば大丈夫だと思うよ」
狐娘「私もそう思っていました。 でも先輩はすでにお慕いしている方がいるようですし」
神様「今なら大丈夫だよ。 たぶんそいつ嫌われたし」シュン
狐娘「私が神使先輩に告白しても絶対にお返事はもらえません。 先輩を悩ませちゃうだけです」
神様「でも・・・ 思いを伝えるのは大事だよ?」
狐娘「神宮神様は思いをお伝えになったのですか?」
神様「・・・・・・」
835: ◆8YCWQhLlF2 :2016/11/05(土) 21:09:09 ID:qi3vY.0w
狐娘「神使先輩は神宮神様にお譲りします!」
神様「でも・・・ 私は嫌われたし・・・」
狐娘「あの先輩が神宮神様の事を嫌いになるわけ無いじゃないですか」
神様「狐娘ちゃん・・・」
狐娘「神さま、どうか神宮神様が神使先輩と共に歩んでいけますように」パン パンッ
神様「・・・・・・」
狐娘「これが、私から神様へのお願いです」ニコッ
神様「ありがとう・・・///」
836: ◆8YCWQhLlF2 :2016/11/05(土) 21:10:07 ID:qi3vY.0w
狐娘「はい、お賽銭です」ジャラ
神様「130円?」
狐娘「裏手に自動販売機がありますので、一緒にコーラ買いに行きませんか?」
神様「うん。 ありがとう狐娘ちゃん」
狐娘「出過ぎたまねを失礼いたしました」ペコリ
神様「後でアイツに謝まる。 もう絶対神を辞めるなんて言わない!」
狐娘「ふふっ、そうですね」ニコッ
837: ◆8YCWQhLlF2 :2016/11/06(日) 00:36:17 ID:EKibyOBE
ーーーひねくれ神社・本殿前
テクテク
神様「狐娘ちゃん、折角ジュース買うのに水とか無いわ〜」
狐娘「そうでしょうか・・・」
神様「あっ・・・」
神使「・・・・・・」
神様「・・・・・・」シュン
狐娘「神宮神様? 謝るのでは?」ボソッ
神様「神使・・・ あの、さっきは・・・」モジモジ
838: ◆8YCWQhLlF2 :2016/11/06(日) 00:37:26 ID:EKibyOBE
神使「神様? またコーラを勝手に買ったんですか?」
神様「え・・・? いや、これは・・・」
神使「これからは、1日2本までですよ?」
神様「・・・・・・」
神使「約束できますか?」
神様「する・・・ 約束する!」
神使「ありがとうございます」
神様「それと、もう一つ約束する事がある」
神使「?」
神様「もう、神を辞めるだなんて言わない。 冗談でも絶対に言わない! だから・・・」
839: ◆8YCWQhLlF2 :2016/11/06(日) 00:38:30 ID:EKibyOBE
神使「よくよく考えたら神様が神を辞めるわけなんかありませんからね」
神様「え?」
神使「神様は神以外の仕事は出来ませんし」
神様「・・・どういう意味?」
神使「そのままの意味です」
狐娘「」クスッ
神様「あのさぁ、勘違いしてもらっちゃ困るんだけど私の本職は巫女だからね?」ハァ
神使「そうでした。 内宮巫女長でしたね」
神様「その通り! 神としての神階は最低位だけど巫女としては優秀なのだよ」カッ カッ カッ
凄爺「おい」
神様・神使「?」
840: ◆8YCWQhLlF2 :2016/11/06(日) 00:39:27 ID:EKibyOBE
狐娘「凄爺様、お体に触りますのでお休みになって頂かないと・・・」
凄爺「悪いんだが、お前達うるさいから帰ってくれないか? ゆっくりできん」」
神使「も、申し訳ございません」フカブカ
神様「へぇ〜 こんなにキッズ達がウジャウジャいるのに、そっちはうるさくないの?」ニヤッ
凄爺「・・・あのガキ達はしかたあるまい」
神様「だよね〜 好きで無きゃ神宮の反発を押し切って土地を切り売りして幼稚園誘致したり公園にしたりしないもんね〜」
凄爺「・・・おい牡蠣ガキ、なんでそれを知っているんだ!!」
神様「前に、神宮の大宮司が教えてくれたの」
凄爺「あの野郎・・・」
841: ◆8YCWQhLlF2 :2016/11/06(日) 00:40:13 ID:EKibyOBE
神様「狐娘ちゃん、色々ありがとう」フカブカ
狐娘「そんな! やめて下さい」
神様「これ、お礼にもならないと思うんだけど受け取って」スッ
狐娘「お守り?」
神様「うん。 私が作ったヤツだから御利益薄いけど・・・」
狐娘「ありがとうございます。 大切にいたします」
凄爺「ほぉ〜 お前お守りなんか作っていたのか」
神様「なんだよ・・・」
凄爺「ワシの分は無いのか?」
神様「ありません〜 これは私の大事な友達にだけあげてるんです〜」ベー
凄爺「何だと? 生意気な!!」
神様「・・・・・・」ウルウル
神様「ふぇ・・・ ぐすっ」ポロ ポロ
神様「うぇ〜ん! ひぐっ・・・ うぇ〜んっ!」ボロ ボロ
トテトテ
狐娘「・・・・・・神宮神様」
816: 以下、名無しが深夜にお送りします :2016/11/03(木) 22:28:07 ID:zMfLGsuo
難しいな
複雑だな
817: 以下、名無しが深夜にお送りします :2016/11/03(木) 23:48:12 ID:fA/X6DDg
雨が…降っている…だが、あたたかい…
818: ◆8YCWQhLlF2 :2016/11/05(土) 03:11:33 ID:qi3vY.0w
神使「・・・・・・」テクテク
凄爺「おい狛犬」
神使「凄爺神様・・・」フカブカ
凄爺「話がある、本殿に上がれ」
神使「・・・はい」スタスタ
819: ◆8YCWQhLlF2 :2016/11/05(土) 03:12:32 ID:qi3vY.0w
ーーー 本殿
神使「・・・先ほどは申し訳ございませんでした」フカブカ
凄爺「何故謝る?」
神使「一介の神使が神に・・・ いえ最高神様に非礼な事を・・・」
凄爺「アイツの正体はどこまで知っているんだ?」
神使「神宮三神を隠れて兼任している事と・・・ 二百年前に分裂してお二人いると言う事までは・・・」
凄爺「ほぉ〜 あのガキの神使は何年目だ?」
神使「神様にお仕えして4年になります」
凄爺「たったそれだけか?」
神使「・・・はい」
凄爺「ワシは神になる前はあのガキと40年ほど一緒にいた」
神使「・・・・・・」
凄爺「だが、あんなにギャンギャン泣いたのを見たのは初めてだ」
神使「申し訳ありません・・・」フカブカ
凄爺「だから、何故謝る」
神使「神様はこの国の最高神です。 そのような立派な方にあのような非礼を・・・」
凄爺「ワシはあまり自分の事を喋らん主義だが・・・ まだ神になる前に、その・・・ 思いを寄せていたヤツに告白した事がある」
神使「え!?」
821: ◆8YCWQhLlF2 :2016/11/05(土) 03:14:08 ID:qi3vY.0w
凄爺「彼女はどんな時も他人を優先し、どんな難しい難題でもあらゆる手を使って解決してくれた」
神使「・・・素晴らしい方ですね」
凄爺「当時はまだ神力が使えていたが、名実ともに神の頂点と言って良い素晴らしい女神だった」
神使「それって・・・」
凄爺「言わすな、恥ずかしい」
神使「それで、神様・・・ いえ、その方からのお返事は」
凄爺「まぁ・・・振られたな」
神使「・・・・・・」
822: ◆8YCWQhLlF2 :2016/11/05(土) 03:16:39 ID:qi3vY.0w
凄爺「雲一つ無き青空と、夕日に燃える朱色の・・・」
神使「え?」
凄爺「・・・・・・なるほどな。 そう言うことか」フッ
神使「あの・・・」
凄爺「いや、すまん」
神使「?」
凄爺「アイツは毎日一緒にいても飽きなくて、お金にはうるさいけど定期的に好物を食べさせてくれる使いが好きだと言っていた」
神使「随分と限定的な方なのですね・・・」
凄爺「そうだな。 ワシも全く同じ事を言った」
神使「そうでしたか・・・」
823: ◆8YCWQhLlF2 :2016/11/05(土) 03:17:51 ID:qi3vY.0w
凄爺「まぁ、盛大に振られた代わりアイツは一つだけ約束をしてくれた」
神使「約束・・・ ですか?」
凄爺「もし好きなやつが出来たときはワシの所に連れて来るとな・・・ 全く悪趣味なヤツだ」
神使「その後、神様は誰かお連れになったのですか?」
凄爺「ワシが神になってから一人だけ男を連れてきた」
神使「!?」
凄爺「誰だか分かるか?」
神使「・・・・・・もしかして、昭宮神様でしょうか」
凄爺「昭宮神? あの妄想野郎を知ってるのか?」
神使「はい。 神様の旦那様だと仰っておりました」
824: ◆8YCWQhLlF2 :2016/11/05(土) 03:18:52 ID:qi3vY.0w
凄爺「あの変態が勝手に言っているだけだろ。 アイツが昭宮神を連れてきた事など一度も無いぞ」
神使「では一体・・・」
凄爺「お前だ」
神使「えっ?」
凄爺「お前以外であのガキがワシの前に男を連れてきた事は無い」
神使「それは・・・ 私は神様の神使ですので当然かと」
凄爺「そうかもな。だが、アイツの神使や使いで男は今まで沢山いた」
神使「・・・・・・」
凄爺「アイツが自分の使いに会うのは月に1回あれば多い方だ。 お前はどのくらいの周期で会っているんだ?」
神使「・・・・・・毎日お会いしております」
凄爺「そうか」
825: ◆8YCWQhLlF2 :2016/11/05(土) 03:19:32 ID:qi3vY.0w
凄爺「アイツは途方もない長い時間を過ごしている。 ワシでも想像できないような辛い出来事も経験しているはずだ」
神使「・・・・・・」
凄爺「あんな小さな体で、あんな性格なのに何千年もそれに耐えてきたんだ」
神使「はい・・・」
凄爺「そんなヤツがたかが4年一緒にいる神使にキツく言われただけであんなに泣くと思うか?」
神使「えっ・・・」
凄爺「羨ましいわ」ボソッ
神使「凄爺様・・・」
826: ◆8YCWQhLlF2 :2016/11/05(土) 03:20:45 ID:qi3vY.0w
凄爺「あのガキ、お前に嫌われたと思っているだろうな」
神使「え?」
凄爺「たぶん初めての感情だったんだろ。 あんなに泣きやがって」
神使「・・・・・・」
凄爺「あとはワシは知らん。 お前が決めるんだな」
神使「ありがとうございます。 私は、どんな形であれ神様をお守りすることをお約束します」
凄爺「・・・・・・」
神使「しかし、私は神様の神使です。 神ちゃんさんに相応しい男になった時に、この思いをお伝えいたします」フカブカ
凄爺「そうか」
凄爺(なるほど、確かにお前の言う通り私はコイツに勝てないな)フッ
827: 以下、名無しが深夜にお送りします :2016/11/05(土) 05:01:47 ID:hW3N3Qxw
乙!
神ってのは生まれたときからずっと見た目が変わらないのかな
それとも神ちゃんが特別なのか…
828: 以下、名無しが深夜にお送りします :2016/11/05(土) 05:11:15 ID:KIFNlK7.
…いいな
乙
829: 以下、名無しが深夜にお送りします :2016/11/05(土) 08:41:21 ID:UVktbRuY
両思いなんだ
終わりが近づいてるようだがもっと続けてくれ
最低でも47都道府県を頼む
830: ◆8YCWQhLlF2 :2016/11/05(土) 21:01:25 ID:qi3vY.0w
ーーー ひねくれ神社・境内の端っこ
神様「・・・・・・」シュン
狐娘「神宮神様?」
神様「・・・狐娘ちゃん」グシグシ
狐娘「少しお話しをしてもよろしいでしょうか?」
神様「・・・うん」
831: ◆8YCWQhLlF2 :2016/11/05(土) 21:03:09 ID:qi3vY.0w
狐娘「先輩に怒られちゃいましたね」
神様「・・・うん」
狐娘「私、先輩が怒っているところ初めて見ました」
神様「・・・・・・」
狐娘「ちょっと羨ましいです」
神様「え?」
狐娘「先輩って、どんな人にも全く同じ対応なんですもん。 誰にでも優しくて、頼み事だって絶対断らないんですよ?」
神様「知ってる・・・ でも私のお願いはあんま聞いてくれないけど・・・」
狐娘「私、神宮神様といるときの先輩の対応を見てびっくりしました」
神様「あいつ、私を見下してるから・・・」
狐娘「先輩が神を・・・ いえ、人も神使も見下すなんて事は絶対にありません」
神様「・・・・・・」
832: ◆8YCWQhLlF2 :2016/11/05(土) 21:04:56 ID:qi3vY.0w
狐娘「私、先輩の妹と研修所時代の同期なんです」
神様「この前アイツから聞いた」
狐娘「妹さんはご存じですか?」
神様「うん」
狐娘「先輩、妹にも敬語なんですよ?」
神様「・・・うん」
狐娘「先輩って女性と話すときは絶対に一歩自分を引いて話すんです。 相手が妹でも」
神様「・・・・・・」
狐娘「神宮神様と一緒の時はその距離がありませんでした。 あんな先輩初めて見ました」
神様「でも、それは・・・」
833: ◆8YCWQhLlF2 :2016/11/05(土) 21:06:27 ID:qi3vY.0w
狐娘「それに、どんなに親しくても先輩が女性を脇に抱えて歩いたりするなんて考えられませんよ」
神様「さすがにそんなこと私もされた事無いけど・・・」
狐娘「・・・先日、神宮神様を脇にお抱えになっていましたよ?」
神様「え!?」
狐娘「廊下でお眠りになっていたときに・・・ 覚えていないのですか?」
神様「・・・・・・うん」
狐娘「手慣れた感じでしたし、何度もされているのでは・・・」
神様「・・・///」
狐娘「大変非礼な発言ですが、あんなの見せられて・・・ 私、嫉妬しちゃいました」
834: ◆8YCWQhLlF2 :2016/11/05(土) 21:07:51 ID:qi3vY.0w
神様「・・・・・・狐娘ちゃんは、犬ころの事を好きなんだよね」
狐娘「はい」
神様「・・・あいつ優しいから、ちゃんと思いを伝えれば大丈夫だと思うよ」
狐娘「私もそう思っていました。 でも先輩はすでにお慕いしている方がいるようですし」
神様「今なら大丈夫だよ。 たぶんそいつ嫌われたし」シュン
狐娘「私が神使先輩に告白しても絶対にお返事はもらえません。 先輩を悩ませちゃうだけです」
神様「でも・・・ 思いを伝えるのは大事だよ?」
狐娘「神宮神様は思いをお伝えになったのですか?」
神様「・・・・・・」
狐娘「神使先輩は神宮神様にお譲りします!」
神様「でも・・・ 私は嫌われたし・・・」
狐娘「あの先輩が神宮神様の事を嫌いになるわけ無いじゃないですか」
神様「狐娘ちゃん・・・」
狐娘「神さま、どうか神宮神様が神使先輩と共に歩んでいけますように」パン パンッ
神様「・・・・・・」
狐娘「これが、私から神様へのお願いです」ニコッ
神様「ありがとう・・・///」
836: ◆8YCWQhLlF2 :2016/11/05(土) 21:10:07 ID:qi3vY.0w
狐娘「はい、お賽銭です」ジャラ
神様「130円?」
狐娘「裏手に自動販売機がありますので、一緒にコーラ買いに行きませんか?」
神様「うん。 ありがとう狐娘ちゃん」
狐娘「出過ぎたまねを失礼いたしました」ペコリ
神様「後でアイツに謝まる。 もう絶対神を辞めるなんて言わない!」
狐娘「ふふっ、そうですね」ニコッ
837: ◆8YCWQhLlF2 :2016/11/06(日) 00:36:17 ID:EKibyOBE
ーーーひねくれ神社・本殿前
テクテク
神様「狐娘ちゃん、折角ジュース買うのに水とか無いわ〜」
狐娘「そうでしょうか・・・」
神様「あっ・・・」
神使「・・・・・・」
神様「・・・・・・」シュン
狐娘「神宮神様? 謝るのでは?」ボソッ
神様「神使・・・ あの、さっきは・・・」モジモジ
838: ◆8YCWQhLlF2 :2016/11/06(日) 00:37:26 ID:EKibyOBE
神使「神様? またコーラを勝手に買ったんですか?」
神様「え・・・? いや、これは・・・」
神使「これからは、1日2本までですよ?」
神様「・・・・・・」
神使「約束できますか?」
神様「する・・・ 約束する!」
神使「ありがとうございます」
神様「それと、もう一つ約束する事がある」
神使「?」
神様「もう、神を辞めるだなんて言わない。 冗談でも絶対に言わない! だから・・・」
839: ◆8YCWQhLlF2 :2016/11/06(日) 00:38:30 ID:EKibyOBE
神使「よくよく考えたら神様が神を辞めるわけなんかありませんからね」
神様「え?」
神使「神様は神以外の仕事は出来ませんし」
神様「・・・どういう意味?」
神使「そのままの意味です」
狐娘「」クスッ
神様「あのさぁ、勘違いしてもらっちゃ困るんだけど私の本職は巫女だからね?」ハァ
神使「そうでした。 内宮巫女長でしたね」
神様「その通り! 神としての神階は最低位だけど巫女としては優秀なのだよ」カッ カッ カッ
凄爺「おい」
神様・神使「?」
840: ◆8YCWQhLlF2 :2016/11/06(日) 00:39:27 ID:EKibyOBE
狐娘「凄爺様、お体に触りますのでお休みになって頂かないと・・・」
凄爺「悪いんだが、お前達うるさいから帰ってくれないか? ゆっくりできん」」
神使「も、申し訳ございません」フカブカ
神様「へぇ〜 こんなにキッズ達がウジャウジャいるのに、そっちはうるさくないの?」ニヤッ
凄爺「・・・あのガキ達はしかたあるまい」
神様「だよね〜 好きで無きゃ神宮の反発を押し切って土地を切り売りして幼稚園誘致したり公園にしたりしないもんね〜」
凄爺「・・・おい牡蠣ガキ、なんでそれを知っているんだ!!」
神様「前に、神宮の大宮司が教えてくれたの」
凄爺「あの野郎・・・」
841: ◆8YCWQhLlF2 :2016/11/06(日) 00:40:13 ID:EKibyOBE
神様「狐娘ちゃん、色々ありがとう」フカブカ
狐娘「そんな! やめて下さい」
神様「これ、お礼にもならないと思うんだけど受け取って」スッ
狐娘「お守り?」
神様「うん。 私が作ったヤツだから御利益薄いけど・・・」
狐娘「ありがとうございます。 大切にいたします」
凄爺「ほぉ〜 お前お守りなんか作っていたのか」
神様「なんだよ・・・」
凄爺「ワシの分は無いのか?」
神様「ありません〜 これは私の大事な友達にだけあげてるんです〜」ベー
凄爺「何だと? 生意気な!!」
神様「神様だっ!」 神使「神力ゼロですが・・・」
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