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神様「神様だっ!」 神使「神力ゼロですが・・・」

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Part130
698: ◆8YCWQhLlF2 :2019/01/04(金) 23:11:48 ID:TFg8nSx6
─── 神宮
 ハロ〜
A子「あ、神ちゃんだ。 神使さんも」
神様「久しぶり」
神使「ご無沙汰しておりますA子ちゃん。 ちゃんと巫女のお仕事してますか?」
A子「もちろん! でも、お守りの売れた数と金額が合わないんだよね〜」
神様・神使「・・・・・・」
A子「神宮に用事?」
神様「ちょっと資料室で調べ物があって」
A子「ふ〜ん。 誰もいないと思うけど室長呼ぶ? あっ、でもさっき室長に怒られたから会いたくないなぁ」
神様「いや・・・ いない方が好都合だからよばなくてもいいや」

699: ◆8YCWQhLlF2 :2019/01/04(金) 23:13:19 ID:TFg8nSx6
A子「みんな明日からの旅行準備で忙しいからね」
神様「旅行?」
A子「そう、まぁ形式的には研修旅行だけど」
神様「なにそれ! 私呼ばれてない!」
A子「え〜 神使さん経由でメール送ったよ?」
神様「え?」クルッ
神使「」プイッ
神様「おいクソ犬」
神使「丁度、錆礼田神社に行く日と重なっていたもので・・・」
A子「錆礼田神社?」
神使「はい。 私達、今錆礼田神社におりまして」

700: ◆8YCWQhLlF2 :2019/01/04(金) 23:14:02 ID:TFg8nSx6
A子「私達が行く所と近いね」
神様「そうなの?」
A子「うん、甘利錆礼手内神社」
神使「大きくて立派な神社ですね」
A子「100人位で行くからねぇ。 広くないと入れないんだよ」
神様「近いなら私も行きたい〜」
A子「近いって言っても車で20分位かかるけど」
神様「仕事片づいたら合流しようよ」
A子「いいよ。 3日後には帰っちゃうからそれまでに連絡してね」
神様「分かった。 あとでメールするね〜」
A子「は〜い」
神使「それでは神様、時間もないですし」
神様「へいへい」

701: ◆8YCWQhLlF2 :2019/01/04(金) 23:15:24 ID:TFg8nSx6
─── 資料室
神使「相変わらず凄い量の資料ですね」
神様「ここの資料は地域・管理神・年代・神社名の順で整理されている」
神使「さすが資料整理歴が長いだけあってよく知っていますね」
神様「普通は目的の資料を探すのに2日かかるが、私なら半日で探し出せる」ドヤッ
神使「今は神宮資料DBを使えば場所が数秒で分かりますから便利になりましたよね」
神様「は?」
神使「スマホの神宮アプリで“錆礼田神社 変更届”で検索っと」ポチポチ
神様「?」
神使「出ました。 Nー45ー386の棚です」テクテク
神様「ねぇ、それ何?」トテトテ

702: ◆8YCWQhLlF2 :2019/01/04(金) 23:16:20 ID:TFg8nSx6
神使「え〜と・・・ あった。 これですね」スッ
神様「・・・・・・」
神使「神様?」
神様「・・・いつから?」
神使「は?」
神様「そんなものいつから実用化されたんだよ!」
神使「たしか10年ほど前から・・・」
神様「私の職人芸が・・・ また一つ消えた」ガクッ
神使「ま、まぁ今はそれよりも資料のチェックを先に」アセアセ
神様「うん」シュン
神使「どうぞ、100年近く前の書類なので丁寧に扱って下さいね」
神様「ん」ペラペラ


703: ◆8YCWQhLlF2 :2019/01/04(金) 23:18:12 ID:TFg8nSx6
神使「あっ、それです」
神様「錆礼田神社管理者変更届・・・ 早く見つかって良かったね・・・」
神使「・・・・・・。 受付年が1906年ですね」
神様「1895年の当社代表巫女の失踪により新管理者のへの変更を届ける。 か」
神使「123年前に先代の巫女が失踪・・・」
神様「失踪してから届け出まで11年あるな」
神使「でも次の継承者の欄が空白になっていますね」
神様「本当に?」
神使「はい。 前管理者の欄も空白ですよね」
神様「私と神使君は別世界にいるのか?」
神使「どういう意味です? まさか、神様には何か見えるんですか?」
神様「んじゃ、試してみますか」スッ
神使「神様のお守り・・・ 神力を使うんですか?」
神様「私と犬ころだけ知れば良いからほんの少しだけ」

704: ◆8YCWQhLlF2 :2019/01/04(金) 23:18:46 ID:TFg8nSx6
ポワポワ
神使「文字が!?」
神様「やっぱり」
神使「ど、どいういう仕掛けですか?」
神様「解除したんだよ」
神使「解除?」
神様「限定的だけど。 全てを解除するとどこまで影響するか分からないからな」
神使「ちょっと待って下さい。 この名前って・・・」
神様「さて、錆礼田神社に戻りますか」

705: ◆8YCWQhLlF2 :2019/01/04(金) 23:19:48 ID:TFg8nSx6
─── 錆礼田神社・倉庫前
少女「・・・・・・」ボー
〜〜〜
幼女「お母さん?」テクテク
母「あら、どうしたの」
幼女「何してるの?」
母「・・・ちょっと昔のことを思い出してたの」
幼女「昔?」
母「お母さんね、昔ここである方に助けられたことがあるの」
幼女「ここで?」
母「そう。 あの時声をかけてもらえなかったらお母さん・・・」
幼女「そんな大事な場所なら大切にしないとね! 私、ここをずっと大切にするね」
母「ありがと」ニコッ
〜〜〜

706: ◆8YCWQhLlF2 :2019/01/04(金) 23:20:54 ID:TFg8nSx6
少女「お母さん・・・」
 神様「ハロ〜」トテトテ
少女「・・・・・・」チラッ
神様「言われなくても掃除をするなんて流石だねぇ〜」
少女「どこかでお会いしたことありましたでしょうか?」
神様「一昨日会ったじゃん〜 私のかわゆいバイト巫女ちゃん」
神使「ちなみに、私も覚えていますよ?」
少女「・・・・・・」
神様「いや〜 少女ちゃんにあげたダサい財布の中に私のポンタカード入れっぱなしだったの思い出してさぁ〜」
神使「神様のではなく私のポンタカードです」
神様「たまったポイントでお菓子を買うのが私の楽しみなの」
神使「私のポイントです」

707: ◆8YCWQhLlF2 :2019/01/04(金) 23:21:46 ID:TFg8nSx6
少女「貴方たちは一体何者なんですか?」
神様「私は神宮のかわゆい女神、こいつはお付きの神使なのだ」フンスッ
少女「神・・・ やっぱり」フッ
神様「おや? 少女ちゃんは神の存在を信じる口?」
少女「昔聞いたことがあるんです。 この力は神には効かないって」
神様「昔って?」
少女「・・・・・・。 私をどうするんです? 捕らえて実験台にでもします?」
神様「・・・・・・」
少女「それとも・・・ 殺して力ごと封印しますか?」
神様「そんな事するわけない。 私はこれでも神、二度とそんな暴言を吐かないでもらいたい」
少女「・・・・・・」

708: ◆8YCWQhLlF2 :2019/01/04(金) 23:22:37 ID:TFg8nSx6
神様「お母さんと同じ力を持っているんでしょ?」
少女「!?」
神様「少女ちゃんと同じ力を持つヤツを私は知っている」
少女「お母さんを知っているの!?」
神様「やっぱり」
少女「・・・もしかして、騙しました?」
神様「いいや、君のお母さんは古い古い私の大切な友人だ」
少女「・・・・・・」
神様「娘がいたなんてビックリしたけど」
神使「お話を聞かせてもらえないでしょうか」
神様「望むなら、私も隠さずアイツの話をすると約束する」

709: ◆8YCWQhLlF2 :2019/01/04(金) 23:24:07 ID:TFg8nSx6
あけおめです

710: 以下、名無しが深夜にお送りします :2019/01/05(土) 06:49:18 ID:d58oOgZw
>>709
おめでとう
今年もよろしくね
毎回楽しんでるよ

711: 以下、名無しが深夜にお送りします :2019/01/05(土) 11:06:47 ID:8ziF.JGk
新年おめでとうございます。
今年も神ちゃんと神使

712: 以下、名無しが深夜にお送りします :2019/01/05(土) 11:10:04 ID:8ziF.JGk
途中で送っちまった
神ちゃんと神使君の二人の活躍を楽しみにしています。

713: ◆8YCWQhLlF2 :2019/01/06(日) 00:31:58 ID:u8y5Okis
─── 社務所
神様「この神社を守っていた先代の巫女が123年前に失踪した事を少女ちゃんは知ってる?」
少女「」コクリ
神使「それ以降この神社は無人になっています。 間違いないでしょうか?」
少女「間違いありません」
神様「そして、その失踪したとされる巫女は少女ちゃんと関係がある」
少女「・・・・・・」
神使「神宮に保管されている管理者変更届で確認しました。 後継者の欄には少女さんの名前が記載されています」
神様「これは私とコイツしか知らないし、他に言うことは絶対にしない」
少女「・・・・・・。 失踪した先代の巫女は私の母です」

714: ◆8YCWQhLlF2 :2019/01/06(日) 00:33:13 ID:u8y5Okis
神使「失踪の原因というのは?」
少女「分かりません。 ある日突然・・・」
神様「う〜ん・・・ だとすとると、おかしい点があるんだけど」
少女「何でしょう」
神様「少女ちゃんの年齢が合わないんだよ」
神使「お母様が123年前に失踪されたとすると、少女さんはそれ以上の年齢でないといけません。 ご子孫でしたら分かるのですが・・・」
神様「少女ちゃんはどう見ても10代」
少女「歳を・・・ 取れないんです」
神使「え?」
神様「少女ちゃん、生まれはいつ?」
少女「・・・・・・。 明治21年、西暦で言うと1888年です」
神様・神使「!?」

715: ◆8YCWQhLlF2 :2019/01/06(日) 00:34:15 ID:u8y5Okis
神使「歳が取れないと仰っていましたが幼少期はあるんですよね?」
少女「はい」
神様「つまり、今の状態になるまでは成長していた」
少女「」コクリ
神使「神様、これは一体・・・」
神様「お母さんから何か詳しいことは?」
少女「私の持っている変な力・・・ たぶんそれが原因。 お母さんも持っていました」
神様「少女ちゃんのお母さんが神だったことは聞いてる?」
少女「お母さんが、神!?」
神様「最初からじゃない。 生まれは人だった」
少女「そんな・・・」

716: ◆8YCWQhLlF2 :2019/01/06(日) 00:35:21 ID:u8y5Okis
神様「アイツの生まれは確か平安時代の後期」
少女「平安!? 人から神になったという事ですか?」
神様「そう。 でも、人に戻った。 最愛の伴侶と一緒になるために神から人へ」
少女「私の知っているお母さんは人に戻った後なんですか?」
神様「時代的にはそうだと思う」
神使「でも、神から人に戻ると神の力は使えなくなるんですよね?」
神様「あいつの力は生まれ持った物。 人に戻しても力は消えない」
少女「生まれ持った力・・・ 私と同じ」
神様「とても難しい力だったから・・・ アイツを人に戻したときに神力を少し残したんだ」
神使「人でありながら神の力を扱えるという事ですか?」
神様「いや、その力にだけ反応できる神力だけだ。 俗に言う神の力はない」
少女「・・・・・・」

717: ◆8YCWQhLlF2 :2019/01/06(日) 00:36:20 ID:u8y5Okis
神様「少女ちゃんも出来るんでしょ? アイツと同じように時間移動が」
神使「時間移動!?」
神様「時を跨ぐことの出来る力。 神ですら犯すことの出来ない領域」
神使「洗脳とか催眠の類いではなかったんですか・・・」
神様「そんなトリックじみたモノじゃない」
少女「難しくて・・・ 私には完全に使いこなせないですが・・・」
神様「特に少女ちゃんは神力を持っていないから余計だろうね」
神使「時間移動って・・・ タイムトラベルって事ですよね?」
少女「はい。 厳密に言うと肉体を持っての時間移動と自身の意識共有の2パターンがあります」
神使「そんな力が人に・・・」
神様「私も最初にアイツから聞いた時はビックリした」
神使「それはそうですよね。 使い方を誤ればとても危険な力になります」
神様「あぁ。 アイツも力を使うときはいつも慎重だった」
神使「もし過去を改変してしまったら辻褄が合わなくなりますからね」


718: ◆8YCWQhLlF2 :2019/01/06(日) 00:37:24 ID:u8y5Okis
神様「私が何度も宝くじのあたり番号を握りしめて泣いて頼みこんでも聞く耳を───」
神使「肉体の時間移動と意識共有というのは大きく違うのですか?」
少女「意識共有は現在の意識を過去の自分に上書きします。 過去の自分からすると突然未来の行動が頭の中に入ってくるんです」
神使「自分の意識だけが時間を超えて共有するということですか・・・」
少女「ただ、私の力だと効果があるのは2日前まで意識を移すのが限界です」
神使「肉体の時間移動も制限が?」
少女「いいえ。 制限無く過去未来へ肉体を持ったまま行くことが出来ます」
神使「タイムトラベルの方が簡単なんですか・・・」
少女「はい。 意識だけを過去に移す方が手間がかかるので」

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