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神様「神様だっ!」 神使「神力ゼロですが・・・」

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Part12
297 : ◆8YCWQhLlF2:2016/03/08(火) 06:30:43 ID:qgDacTR6
神様「腹減った、何か食わせて〜」
狐神「巫女に何か作らせるわ。 巫女! いるか?」
巫女「はい、神様」スタスタ
狐神「何か作ってやってくれるか?」
神様「あ〜作らなくて良いよ。ピザ頼もう? ピザ」
狐神「神社でピザかよ・・・ まぁ良いわ、じゃぁピザ注文してくれるか」
巫女「畏まりました。 ご希望はございますでしょうか」
神使「では、みみまでソーセージのベーコンポテトを、あとコーラをお願いします」
神様「さすが犬ころ! 分かってるね〜」
神使「神様の大好物くらいは心得ておりますので」

298 : ◆8YCWQhLlF2:2016/03/08(火) 06:31:31 ID:qgDacTR6
神様「そうだ、はいご神体」コトッ
狐神「え? あんた持ってきたの?」
神様「だって、神力抜く準備とか何もしないで行ったからさぁ」
狐神「・・・・・・」
神様「お前が抜け」
狐神「はぁ?」
神様「いいじゃんよ〜 抜けや」
狐神「もぉ、しようが無いわね・・・」
神様「神力抜いたら、おきつねこんこん教へ送ってくれ」
神使「え?」

299 : ◆8YCWQhLlF2:2016/03/08(火) 06:32:20 ID:qgDacTR6
神様「もう何十年もアイツらが持っていたんだ。 所有権はおきつねこんこん教にある」
神使「神様・・・」
狐神「へぇ〜 優しいじゃん」
神様「私はいつでも優しくてかわゆいのだ」
狐神「分かった。 明後日おきつねこんこん教へ行ってくるから渡してくる」
神様「は? お前が直接行くの?」
狐神「神宮から連絡があってね。 しかしか神社の廃社手続き処理任された」
神様「・・・・・・」
狐神「でね? その後に、とある団体に譲渡手続きをしに行かないといけないの」
神使「譲渡手続きですか?」
狐神「えぇ、信者さんって方がいる団体に土地と建物を無償譲渡するようにって」
神使「なんでそんな・・・」

300 : ◆8YCWQhLlF2:2016/03/08(火) 06:33:16 ID:qgDacTR6
狐神「どっかの優しくてかわゆい神が仕込んだんじゃない?」
神使「神様・・・」
神様「コックス君さぁ、なんでそういうことを言うの? トップシークレットだよね? それ」
狐神「そうだったけ?」
狐神「でもさぁ、あんた他の宗教法人へ譲渡するって言ってないでしょ」
神様「・・・・・・」
狐神「神宮は稲荷神社保存の氏子団体って言ってたよ?」
神様「・・・・・・」

301 : ◆8YCWQhLlF2:2016/03/08(火) 06:34:18 ID:qgDacTR6
狐神「ばれるとマズいわよ〜」
神様「ば、バレねーよ・・・ び、ビビってんじゃねーよ」アセアセ
狐神「ふ〜ん」
神様「・・・ お願い、黙ってて」
神使「私からも、お願いします!」
狐神「ちょっと、やめてよ。 大丈夫だって、私は言わないから」
神使「ご迷惑をおかけします」
狐神「そんなことないわよ」
神使「神様も・・・ ありがとうございます」
神様「今度うまいもん食わせろよ」


302 : ◆8YCWQhLlF2:2016/03/08(火) 06:34:54 ID:qgDacTR6
神様「あぁ、それと」スッ
狐神「?」
神様「いや、金!」
狐神「あんた本当に食べることとお金だけは忘れないわよね」
神様「なに? その言い方、私が欲の塊みたいじゃん」
狐神「・・・・・・」
神使「・・・・・・」

303 : ◆8YCWQhLlF2:2016/03/08(火) 06:35:32 ID:qgDacTR6
神様「え? ちょっと待って、マジでそう思ってんの君たち」
神使「いえ、そのようなことは・・・」
狐神「大丈夫、思ってないって。 はい、お駄賃」スッ
神様「うひょ〜 臨時収入〜」キラキラ
神使「なんか、すいません。 神様がいやしいお願いをしたようで」
狐神「気にしないで。 言い出しっぺは私だし」
神様「そうだぞ、私をあんまり蔑むなよ?」

304 : ◆8YCWQhLlF2:2016/03/08(火) 06:36:28 ID:qgDacTR6
神様「財布に諭吉さんがいっぱい居るよ〜」ウットリ
神使「本当ですか?」
神様「見る? 見ちゃう??」
神使「では、没収させて頂きます」
神様「ぇ・・・」
神使「ひのひの村で少女さんに渡した宿代の半分は神様負担ですから」
神様「ぜんぶ?」
神使「1万だけ残してあげます」
神様「半分」
神使「ダメです」
神様「・・・はぃ」

305 : ◆8YCWQhLlF2:2016/03/08(火) 06:37:23 ID:qgDacTR6
ーーー 翌日
神使「では、色々ご迷惑をおかけいたしました」
狐神「もっとゆっくりしていけば良いのに」
神様「そうだよ」
神使「次の場所が少し遠いので・・・」
神様「そうなの?」
狐神「まぁ、こんな所にいてもね。 ほら、巫女〜」
巫女「あっ、はい」タッ タッ タッ
狐神「お二人がお帰りになるそうだ」
巫女「どうぞお気を付けて」ペコリ
神使「ご丁寧にありがとうございます」

306 : ◆8YCWQhLlF2:2016/03/08(火) 06:37:59 ID:qgDacTR6
神様「巫女ちゃんさぁ、この狐が嫌になったら私に連絡ちょうだいね」
巫女「え? そんな、嫌になるだなんて」フルフル
神様「はい、これ私のラインのID。 いつでも連絡してね」スッ
巫女「ありがとうございます! 私ラインやってみたかったんです!」
狐神「そうなの? じゃぁスマホ買ってあげないとな」
神様「え? 私にもスマホ買って?」
狐神「なんでお前の分も買わないと行けないんだよ・・・」
神使「神様? そろそろ行きますよ?」
神様「わーてるよ」

307 : ◆8YCWQhLlF2:2016/03/08(火) 06:38:39 ID:qgDacTR6
神使「狐神様、色々とご迷惑をおかけします」
狐神「気にしないで、仕事だから」
神使「ありがとうございます。 では神様行きましょうか」
神様「おっけ〜」
狐神「じゃ、元気でね」
神様「バイバ〜イ」
巫女「・・・・・・」フルフル
神使「失礼します」ペコリ

308 : ◆8YCWQhLlF2:2016/03/08(火) 06:39:42 ID:qgDacTR6
 スタスタ
神様「なぁ神使」
神使「何ですか?」
神様「お前は神になりたいと思うか?」
神使「どうしたんですか?」
神様「いや、深い意味はないんだけどさぁ」
神使「神ですか・・・」
神様「あぁ。 神力を使って多くの人の願いを叶える存在だ」
神使「神力・・・」

309 : ◆8YCWQhLlF2:2016/03/08(火) 06:41:10 ID:qgDacTR6
神使「興味ありませんね」
神様「!?」
神使「神力には興味ありません。 だって・・・」
神様「?」
神使「私の知っている神様は神力を使わないんです」
神様「・・・・・・」
神使「神力を使わなくても願いを叶えてくれるんです」
神使「方法は、少し強引なんですが・・・ 私はその方を尊敬しています」
神様「・・・・・・」
神使「多くのことを学ばせて頂きたいと思っています」

310 : ◆8YCWQhLlF2:2016/03/08(火) 06:41:45 ID:qgDacTR6
神使「ですからその方が神である以上、私は神使であり続けたいと思います」
神様「・・・・・・」
神使「つまり・・・ 私はずっと神使のままだと思います」
神様「そうか」
神使「はい」
神様「その神は神使に恵まれているな」フッ

311 : ◆8YCWQhLlF2:2016/03/08(火) 06:42:24 ID:qgDacTR6
神使「さてと、次の勤務先なんですが」
神様「よし! 吉祥寺か?」
神使「いいえ、ちなみに下北沢でもありません」
神様「どこです?」
神使「着いてからのお楽しみです」
神様「・・・・・・」

312 : ◆8YCWQhLlF2:2016/03/08(火) 06:43:05 ID:qgDacTR6
神使「さぁ、急ぎましょう。 船に間に合いません」
神様「え? 船? ちょ、待って。 船って何だよ」
神使「行きますよ、神様」
神様「いやだー! おしゃれな街に行きたいよーーーーー!」
神様「神様だっ!」 神使「神力ゼロですが・・・」#2 ーEND

313 : ◆8YCWQhLlF2:2016/03/08(火) 06:43:49 ID:qgDacTR6
神使「あっ、そうだ忘れてました」
神様「?」
神使「神様機構から懲罰書が届いてます」
神様「・・・ぇ」
神使「お前もう神宮に帰ってくんな」
神様「ちょっと待って、本当にそんな口調で書いてあんの?」

314 : ◆8YCWQhLlF2:2016/03/08(火) 06:44:34 ID:qgDacTR6
神使「それと、人事院からも」
神様「・・・・・・」
神使「給料なし」
神様「それだけ? いつまでとか何%カットとかそういうの書いてないの?」
神使「書いてないですね」
神様「ちょっと何で私だけそんな扱い受けんだよー!」
神使「神様? 私も同じですよ?」
神様「え?」

315 : ◆8YCWQhLlF2:2016/03/08(火) 06:46:20 ID:qgDacTR6
神使「当然じゃないですか。 前回の給料30%オフも今回の全カットも同じです」
神様「!?」
神使「神様の神使ですから」
神様「・・・ごめん」
神使「なんで謝るんですか?」
神様「・・・・・・」
神使「これからはバイトでもしながら神社周りしないと行けませんね」
神様「・・・・・・ごめん」
神使「当面は貯金もありますし何とかなるでしょう」
神様「神使、お前私の使いを外れて神宮に帰った方がーーー」
神使「神様?」

316 : ◆8YCWQhLlF2:2016/03/08(火) 06:47:07 ID:qgDacTR6
神様「私が上に話せばその位はやってーーー」
神使「お願いですから私を神様の神使でいさせて下さい」
神様「・・・・・・」
神使「私が尊敬する神の使いでいさせて下さい」
神様「・・・お前」
神使「私は神使である以上、神様の使い以外は考えられません。 お願いします」フカブカ
神様「・・・・・・」


317 : ◆8YCWQhLlF2:2016/03/08(火) 06:49:01 ID:qgDacTR6
神様「なぁ神使、お前の尊敬するその神の正体を教えてやろうか?」
神使「いいえ、結構です」
神様「? 知りたいんじゃなかったのか?」
神使「なんか、それを聞いたら離れないと行けない気がするもので」
神様「そうか・・・」
神使「はい」

318 : ◆8YCWQhLlF2:2016/03/08(火) 06:50:17 ID:qgDacTR6
神使「あっ、でも一つだけ聞きたいことがあります」
神様「?」
神使「その神様はどうして素性を隠しているのでしょうか」
神様「人が好き、それだけだ。 それ以外は邪魔とでも思っているんじゃないか?」
神使「ありがとうございます」
神様「なんだよ、それ」フフッ
神使「やっぱり私の神様はあなただけです」ニコッ
神様「あ〜あ、 面倒くさい神使を持ってしまったようだな」
神使「はい。 あきらめて下さい」

319 : ◆8YCWQhLlF2:2016/03/08(火) 06:51:11 ID:qgDacTR6
神様「給料ないぞ?」
神使「大丈夫です」
神様「バイトが必要になるぞ?」
神使「任せて下さい」
神様「ずーっと、神社周りになるかも知れないぞ?」
神使「旅は大好きです」
神様「階位が下がるかも知れないぞ?」
神使「階位など不要です」
神様「そうか」フッ

320 : ◆8YCWQhLlF2:2016/03/08(火) 06:53:18 ID:qgDacTR6
神様「こうなったら日本全国まわっちゃうか!」
神使「はい!」
神様「よし、腐れ犬ころ神使! しゅっぱーつ!」
神使「はい!!」
神様(ありがとう神使・・・)
神使(ありがとうございます神様・・・)
神様「神様だっ!」 神使「神力ゼロですが・・・」 ーEND

321 : ◆8YCWQhLlF2:2016/03/08(火) 06:54:09 ID:qgDacTR6
本当はもっと短くまとめるつもりだったんです…
反省!(ドゲザ)

322 :以下、名無しが深夜にお送りします:2016/03/08(火) 08:36:22 ID:eNq7jQAg
面白かった
乙!

323 :以下、名無しが深夜にお送りします:2016/03/08(火) 17:30:50 ID:1p7ZeKdQ
綺麗なラスト
とっても良かったです
乙でした

324 :以下、名無しが深夜にお送りします:2016/03/09(水) 13:41:15 ID:tAHc07p2

所々笑わせて貰った

325 :以下、名無しが深夜にお送りします:2016/03/09(水) 22:16:35 ID:qUwPvIkU
乙乙

326 :以下、名無しが深夜にお送りします:2016/03/10(木) 02:56:33 ID:Nxc4GP5M

とても面白かった

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