高校生の馬鹿馬鹿しくて、
ちょっぴりセンチメンタルな
青春グラフィティ───開幕。
※登場人物が増える予定の為、名前を付けています。
952: ◆UTA.....5w:2012/7/18(水) 18:27:53 ID:RKZRGBLt.Q
清瀬「こ、今晩はー…誰か居てはりますか?」
恐る恐る中を覗いてみたけれど、其処には誰も居ませんでした。
テーブルの上には小さなティーカップが七つ。
その周りにも、小さな椅子が七つ。
奥にはベッドが七つ見えます。
清瀬「お邪魔しても、ええやろか」
此処には居ない住人に挨拶をして、赤ずきんは家に入る事にしました。
外は真っ暗な夜の森。
それに、今日は駆け回ってばかりでくたくたでした。
だからでしょうか。
清瀬(七人家族なんやろか……)
そんな事を考えている内に、赤ずきんは眠ってしまったのでした。
953: ◆UTA.....5w:2012/7/18(水) 18:30:37 ID:i4fPg2J7q6
─────‐‥
誰かの声が聞こえます。
誰だこいつ。寝ているぞ。
少女を囲む七つの影、その中の一人が言いました。
鳴海「こいつ知ってる!白雪姫だ!」
清瀬「うひゃあ!?」
その声に驚いて飛び起きた少女。
彼女の名前は、白雪姫。
白い肌が若々しい、普通の女の子です。
清瀬「すすす、すみません!うち、寝てしもていつの間にか朝に……って、鳴海くん、が七人!?」
鳴海2「あ?鳴海?誰だそれ」
清瀬「しかも、なんかちっこい……」プププ
鳴海3「何だこいつ!失礼な奴だな!」
鳴海4「本当に白雪姫なのかよ」
954: ◆UTA.....5w:2012/7/18(水) 18:31:47 ID:RKZRGBLt.Q
清瀬「へ?し、白雪姫?うちは赤ずきん──…」
鳴海5「何言ってんだよ、お前白雪姫だろ。んで、俺達は七人の小人」
鳴海6「意地悪なババアから逃げて来たんだろ?」
鳴海7「心配すんなって、俺達が匿ってやるから」
清瀬「そうやったっけ……」
そうでした。
恐ろしい継母から逃れる為、白雪姫は森の中をを彷徨っていたのです。
嗚呼、可哀想な白雪姫。
鳴海1「んじゃ、オモテナシしなきゃな」
鳴海2「よっしゃー!狩りだー!」
955: ◆UTA.....5w:2012/7/18(水) 18:36:15 ID:RKZRGBLt.Q
鳴海3「留守番頼んだぞ、白雪姫さーん?」
鳴海4「材料は揃えるから、後で料理宜しくな!」
清瀬「あ、はい。分かりました」
小人達は意気揚々と家を後にしました。
鳴海5「あ、そうだ」
鳴海6「誰か来ても絶対に開けちゃ駄目だぞ?」
鳴海7「約束だからな」
そう、言い残して。
清瀬「開けたアカンて……なんでやろ?」キョト
956: ◆UTA.....5w:2012/7/18(水) 18:41:18 ID:i4fPg2J7q6
小人達が狩りに出掛けている間、白雪姫は掃除に取り掛かる事にしました。
お世話になっているお礼にと、ピカピカになるまで床を磨きます。
清瀬「ふう、大分綺麗になったかな」
白雪姫が一息吐いた頃、誰かがドアをノックしました。
\ トントン /
清瀬「は、はいっ、どちら様でしょうか!」
扉の向こうで声がします。
こんにちは、林檎は如何?
少し太い、何処かで聞いた事のある男性のような声でした。
957: ◆UTA.....5w:2012/7/18(水) 18:46:31 ID:i4fPg2J7q6
清瀬「えっと、でも、その……」
白雪姫は迷いました。
林檎は食べたいが、小人との約束がある。
このドアを開けていいものか、と。
桃山「あら、恐がらなくていいのよ?アタシはただの林檎売りなんだから」
清瀬「桃さん!?」バタン!
桃山「ぎゃっ!いきなり過ぎるわよ!」
林檎売りの声に反応した白雪姫は、約束も忘れてドアを開けてしまいました。
驚いた様子の林檎売りは、いつぞやの魔法使いによく似た黒いローブを身に纏ったオカマでした。
958: ◆UTA.....5w:2012/7/18(水) 18:52:28 ID:RKZRGBLt.Q
清瀬「やっぱり桃さんや!」
桃山「桃さんって誰よ、ちょっと可愛いじゃないの」
清瀬「も、桃さんまでそんな事言わはるんですか」
桃山「何処のプリティーボーイと間違えてるか知らないけれど、アタシはただの林檎売りですぅー」
清瀬(どう考えても桃さんやねんけどなあ……)
桃山「そんな事より、これ!アンタ可愛いから特別にタダであげちゃう!」
ずい、とオカマの林檎売りが差し出したのは、赤く光った一つの林檎。
ピカピカと太陽の光を反射して、とても甘くて美味しそう。
959: ◆UTA.....5w:2012/7/18(水) 18:55:28 ID:RKZRGBLt.Q
清瀬「これ、うちに…?」
桃山「ふふ、そうよ。可愛子ちゃんにプレゼント」
清瀬「えへへ、可愛子ちゃんやなんて」テレテレ
そう言って、白雪姫は林檎を受け取りました。
桃山「とっても甘くて美味しいのよ!食べてみて頂戴!」
清瀬「あの、ホンマに貰てもええんやろか……」
桃山「勿論よ。お友達のしるしに」ニコ
清瀬(友達…)
清瀬「ありがとうございます!」
白雪姫は涙を目に浮かべながら、貰った林檎を噛りました。
涙で歪んだ視界の先の、不適な笑みには気付かずに。
960: ◆UTA.....5w:2012/7/18(水) 18:57:51 ID:RKZRGBLt.Q
清瀬「うっ……!?」
林檎を飲み込んだその直後、白雪姫は喉を押さえて苦しみました。
苦しい、息が出来ない。
縋る思いでオカマの林檎売りに手を伸ばします。
清瀬「桃、さ……助けて……」
桃山「何度言ったら分かるのかしら。アタシは桃さんじゃないわよ、このちんちくりん!」
桃山「アタシは魔女。林檎売りでも何でもない、世界一美しい魔女様よ!」
何という事でしょう。
オカマの林檎売りは魔女だったのです。
真実を知らされ、ちんちくりんと罵られた白雪姫は、ぱたりと倒れてしまいました。
961: ◆UTA.....5w:2012/7/18(水) 19:00:32 ID:RKZRGBLt.Q
桃山「……ふふ、うふふふ、やったー!これでアタシが世界一の──…」
鳴海1「何してやがるこのオカマー!」
魔女の後ろから飛び蹴りを食らわせたのは、狩りから戻った小人達でした。
鳴海2「あー、やっべー…間に合わなかった」
鳴海3「マジで!?白雪姫死んだのかよ!」
鳴海4「嘘だろ、おい……」
鳴海5「だから開けるなって言ったのに」
白雪姫を取り囲み、悲しみに暮れる小人達。
皆が何を言っても、白雪姫からの返事はありません。
その時、小人達の背後から魔女の叫び声が聞こえてきました。
962: ◆UTA.....5w:2012/7/18(水) 19:01:28 ID:RKZRGBLt.Q
桃山「きゃー!イケメン!イケメンよー!」
魔女が指差す方に目をやると、其処にはイケメンと噂の王子様の姿がありました。
篠原「あはは、なんか楽しそうだねー」
鳴海6「王子じゃん!ナイスタイミング!」
鳴海7「あのさ、こいつ助けてやってくんね?」
篠原「ん?ちっこくて可愛い子だねー」ヘラッ
王子様が覗き込むと、白雪姫の指がぴくりと動きました。
だけど、誰もそれに気付いていません。
皆、白雪姫は死んでしまったと思い込んでいるのです。
963: ◆UTA.....5w:2012/7/18(水) 19:02:13 ID:RKZRGBLt.Q
清瀬(この声は、しし、し、篠原くん!?)
清瀬(どないしよう、林檎が喉に詰まって気絶してしもただけやなんて、今更……)
そんな白雪姫の事など露知らず、小人達は一斉に言いました。
鳴海1「王子が白雪姫にする事って言ったら、何か分かるよな?」
鳴海2「キース!キース!」
篠原「えぇー…でも、それはちょっと、白雪さんにも悪いし」
鳴海3「何言ってんだよ」
鳴海4「白雪姫といえば王子のキスだろ」
篠原「そっか、それもそうだね!」
小人達に囃し立てられながら、王子様は白雪姫に覆い被さってゆきました。
ゆっくり、ゆっくりと、吐息を感じる程、近く。
篠原「白雪姫……」
964: ◆UTA.....5w:2012/7/18(水) 19:05:25 ID:i4fPg2J7q6
──────‐‥
鈴木「そして白雪姫は──…」
清瀬「わーわーわー!ごめんなさいごめんなさいもう止めてー!」カァァ
鈴木「何をそんなに慌ててるの、清瀬」
清瀬「だだ、だってだってだって、そ、そんな事、うち……」
鈴木「単なる私の夢の話なのに」
一年女子「ていうか、なんであたし意地悪な姉役なのー?」
一年女子「しかもちょい役wwクッソちょい役ww」
鈴木「ごめんね、二人共モブだから」
一年女子「クッソwwクッソww」
めでたし、めでたし。
おとぎの国の清瀬さん‐fin.
965: ◆UTA.....5w:2012/7/18(水) 19:09:09 ID:i4fPg2J7q6
遂に残すところ40レスを切りました…!
後一話、何かを書かいてこのスレは終わりにさせて頂こうかと思います。
恐らくレス数も余ってしまうので、ぼそぼそ何かを語らせて頂く事になるかもしれません。
それでは、これにて投下終了します。読んで下さった皆さんに最大級のありがとうを!
966: 名無しさん@読者の声:2012/7/18(水) 22:01:00 ID:xUXB9EWsRg
皆可愛すぎるw狼の橘が欲しいw
次も期待してますね(`・ω・´)
>>1000まで後少しえん!!
967: 名無しさん@読者の声:2012/7/19(木) 17:40:53 ID:EoFuB4olmQ
ピヨたん可愛いhshs
赤ずきんが一番似合うと思うw
>黒いローブを身に纏ったオカマでした。
これで飲んでたお茶吹いたw
何はともあれ支援でございまーす
968: 名無しさん@読者の声:2012/7/20(金) 18:31:39 ID:MKaRFRAGmM
まさかの夢落ちw
しかもピヨちゃんじゃなく鈴木嬢のwww
いい意味で裏切られたー!
期待以上のwktkをさんきゅーです☆
次のお話しも期待CCC
969: 名無しさん@読者の声:2012/7/22(日) 02:43:45 ID:/PfUkg98SY
1位!1位!三冠おめでとー!
次スレも楽しみにしてます(´ω`)
つCCCCCCCC
970: ◆UTA.....5w:2012/7/25(水) 21:30:30 ID:2D4H6t5a5Y
>>966
あんな変態狼で宜しいのでしょうかw危険すぎて女の子を近付けられませんw
ゴールまで後少し、頑張ります!
>>967
赤ずきんは確かに似合いそうです!白雪姫は似合わないな、と想像しながら書きましたがw
楽しんで頂けて嬉しいです!
>>968
968さんの期待を裏切らなくてよかったです…!
あの語り口調の正体は鈴木でした、という安易なオチにしてしまったので少し心配だったりしたので。次も968さんに楽しんで頂けますように!
>>969
ありがとうございますうわー!
もう、何度お礼を言っても足りないくらいです。感無量です。
なかなか終わりが見えなくて飽きられないか不安でしたが、一人でも楽しみにして下さっている方が居るだけで幸せです(´;ω;`)
更新が遅くて申し訳ございません。支援感謝です。
971: ◆UTA.....5w:2012/7/25(水) 21:32:21 ID:2D4H6t5a5Y
──7月某日、校内
ワイワイ ガヤガヤ…
桃山「お祭りよー!」
橘「校内でやるちょっとした催し物でよく其処まではしゃげるな」
篠原「浴衣姿でそれは説得力がないと思うよ、橘」
橘「は?俺はお前らと違ってご近所さんだし?妹と弟が浴衣がいいって言うから仕方なくだし?其処の馬鹿共と一緒にしないで貰いたいんだが?」
鳴海「もういいからかき氷食おうぜ、かき氷!」
桃山「いいわねー!アタシいちごミルク!」
篠原「じゃあ、俺はレモンにしようかなー」
橘「……まったく、これだから脳みそがガキの奴らは」ヘッ
鳴海「おい、メガネは何がいいんだよ」
橘「みぞれ一択だ」←食い気味
972: ◆UTA.....5w:2012/7/25(水) 21:35:08 ID:IXBBWrnuUQ
篠原「かき氷くださーい」
一年女子「はーい、何味……イケメン先輩じゃんヤバーイ!///」
一年女子「皆さんお揃いでwwちーっすww」
橘「誰だこいつら」
鳴海「あー、鈴木達の同級生」
一年女子「今日の当番あたし達なんですよ、明日は自由なんだけどー」チラッチラッ
桃山「ふふ、残念でした!アタシ達は明日当番なのよ!篠くんに自由なんてないんだから!」
一年女子「クッソwwクッソwww」
篠原「そういえば清瀬さんと鈴木さんが居ないね」
一年女子「あの二人なら今日は当番じゃないですよ?居るのはあたし達だけー」チラッチラッ
一年女子「そこら辺に居ると思われw探してみては如何かねw」
橘「……何故か物凄く苛つく女共だな」
973: ◆UTA.....5w:2012/7/25(水) 21:35:57 ID:IXBBWrnuUQ
桃山「さて、かき氷も食べたし次は林檎飴ね!」
鳴海「綿飴だろ、綿飴!」
篠原「お腹空いたから先に焼きそば買いに行こうよー」
橘「俺は喉が渇いたから何か飲み物を買ってくる」
桃山「林檎飴!」
鳴海「綿飴!」
篠原「焼きそばー!」
橘「ええい喧しい!各々目当ての物を買いに散らばればいいだけの話だろうが!解散!」
篠原「えー、鳴海小さいからはぐれたら見付けるの大変じゃん」
鳴海「マジ殴るぞお前」
桃山「じゃあ、後で此処に集合しましょうか。解散!」
974: ◆UTA.....5w:2012/7/25(水) 21:36:52 ID:IXBBWrnuUQ
──焼きそば売場
篠原「うー…やっぱり焼きそばは凄い行列だなあ。最初に買いに来るべきだったかな……」ブツブツ
橘父「おや、君は確かお兄ちゃんの!」
篠原「へ?あー!橘のお父さん!妹ちゃんと弟くんも来たんだね、今晩はー」
橘妹「今晩は、ふほーしんにゅーのお兄ちゃんその1」
橘弟「おにちゃんのお祭り来たの!」
篠原「二人共、浴衣着せて貰ったんだね。可愛い可愛い」
橘父「お兄ちゃんはなかなか器用な子でね、この子達も喜んでるよ」
篠原「あはは、本当にお母さんみたいだ」
975: ◆UTA.....5w:2012/7/25(水) 21:41:38 ID:IXBBWrnuUQ
橘父「お兄ちゃんとは一緒じゃないのかい?当番は明日だって聞いていたけど」
篠原「あ、さっきまで一緒だったんですよー。皆買いたい物がバラバラで一旦解散って事で」
橘妹「お兄ちゃんは何買いに行ってるの?」
篠原「うーん、何だろ?コーヒー牛乳かな」
橘弟「僕、コーヒ牛乳好きー!」
篠原「あはは、流石は兄弟。お兄ちゃんと一緒だね」
橘妹「兄妹だけど、私はあんまり好きじゃないよ。お砂糖って太るげんいんなんだって」
橘父「親子だけど、父さんもコーヒー牛乳は甘過ぎてちょっと……ブラックがいいなあ」
篠原「なんかごめんなさい」
976: ◆UTA.....5w:2012/7/25(水) 21:43:27 ID:IXBBWrnuUQ
──綿飴売場
鳴海「綿飴一つ!あ、やっぱり二つ!」
桃姉「相変わらず元気だな、弟の友人の内の一人の背の低い子の鳴海」
鳴海「長いわ!」
鳴海「(咄嗟にツッコミ入れちまった…)あ、あー、オカ……桃山の姉ちゃんじゃん。来てたんすか」
桃姉「ああ、今日は母と一緒でね。私も一度来てみたかったものだから」
鳴海「そっすか。所詮学校行事だからショボいっすよ」ケラケラ
桃姉「あまり騒がしいのは苦手でね。このくらいの方が私には丁度良いようだ」
鳴海(まあ、確かにお祭りって柄じゃねぇよな。ロボットだし……)
977: ◆UTA.....5w:2012/7/25(水) 21:44:27 ID:IXBBWrnuUQ
桃姉「ところで、一人で行動しているのか」
鳴海「いや、綿飴買いに来ただけ。一旦解さーんってね」
桃姉「……仲良く、やっているのだな」ホッ
鳴海(成る程、オカマの事になるとちょっとロボットが解除されるのか)
桃姉「なんだ?私の顔に何か付いているかね?」
鳴海「べべ、別に!?何が!?」
桃姉「君は明るくて面白い子だな」クスクス
鳴海「オカマ以外でロボット解除すんのかよ!」
桃姉「オカマでロボット解除、とは?」
鳴海「」
978: ◆UTA.....5w:2012/7/25(水) 21:45:09 ID:2D4H6t5a5Y
──駄菓子売場
桃山「林檎飴を買うつもりが、つい他の物まで買っちゃった。アタシったら流されやすい乙女……」
鳴子「乙女って……本当に残念な男子だね、アンタ」
桃山「ぎゃー!いきなり現れないでよ!ドッペルさんかと思うでしょ!」
鳴子「だからドッペルゲンガーじゃないってば。鳴兄は一緒じゃないの?」
桃山「あの子なら綿飴買いに行ったわよ。お子ちゃまだからね」
鳴子「アンタも林檎飴とその他諸々大量買いしてるじゃん」クスクス
979: ◆UTA.....5w:2012/7/25(水) 21:48:47 ID:IXBBWrnuUQ
桃山「そういえば、アンタまた一人で来たの?」
鳴子「違うよ、お母さんも一緒。疲れたから座ってるって言うから、鳴兄探そうと思って」
桃山「あら、だったら一緒に来る?この後集合予定だから」
鳴子「いいの!?」
桃山「勿論よ。はい、林檎飴一つあげる」
鳴子「わー、ありがとう残念オカマさん!」
桃山(可愛いんだけど、可愛いんだけど頬っぺた捻ってやりたくなる…!)グヌヌ
980: ◆UTA.....5w:2012/7/25(水) 21:52:09 ID:IXBBWrnuUQ
──自販機前
ピッ──ガコン!ウリキレ!
橘「最後の一本だったか……今日はなかなかツいてるな」ニヤニヤ
清瀬「す、鈴木さん、コーヒー牛乳売り切れてる!」
鈴木「」ガーン
清瀬「急いで買いに来たのに、残念……あ、」
橘「……」
鈴木「……あ、」
橘「……」
清瀬「えっと、こ、今晩は……」
橘「……」
一同「…………」
981: ◆UTA.....5w:2012/7/25(水) 21:57:14 ID:2D4H6t5a5Y
清瀬「た、橘くん、あの、ありがとうございます!」ペコ
橘「……別に。お前が礼を言う事じゃないだろうが」
鈴木「奪ったみたいになっちゃって、ごめんね」
橘「くれと言われた訳じゃないから謝る事でもない。俺が自分の意思で譲ってやったんだ、感謝しろ」
清瀬(あれ、こんなにめんどい人やったやろか……)
鈴木「じゃあ感謝する事にする。どうもありがとう、橘くん」
橘「まあ、渇いた喉を潤わすにはコーヒーは不向きだからな。お茶でよかったんだよ、俺は」
鈴木「泣かないでね」ヨシヨシ
橘「誰が泣くか」
清瀬「鈴木さん、強い……」
982: ◆UTA.....5w:2012/7/25(水) 22:02:45 ID:2D4H6t5a5Y
アナウンス『間もなく打ち上げ花火を始めます。校内に居る方は、運動場まで──…』
橘「む。もうそんな時間か。おい、お前らも行くぞ」
清瀬「あ、はいっ!」
鈴木「急ごう」ビュン!
篠原「わー、花火だって!皆で行こうよ!橘も来るよ!」
橘弟「おにちゃん居るの?どこー?」
橘妹「お父さん早く!」
橘父「待って焼きそばが零れる!」
鳴海「げっ、もう始まるのかよ!おい姉ちゃん!アンタの弟も居るから一緒に行くか?」
桃姉「了解した。案内したまえ」ビュン!
桃山「大変!花火始まっちゃうらしいわよ!鳴子ちゃん、ダッシュよ!」
鳴子「言っとくけど、ボク足速いよ」
全員「急げー!」
983: ◆UTA.....5w:2012/7/25(水) 22:08:48 ID:2D4H6t5a5Y
──────‐‥
橘「……で、何だこのザマは」
鳴海「つーか花火ショボ。走ってても全然見えなかったし」
篠原「あはは、花火後に全員集合って」
桃山「ていうかなんでアタシのお姉ちゃんまで居るのよ!」コソコソ
鳴海「お前こそなんで鳴子連れて来てんだよ!」
橘「妹と弟を浴衣で走らせるとはな。見ろ、着崩れしまくりだろうが」
篠原「橘も鈴木さんに引っ張られて浴衣ヨレヨレだよ」クスクス
984: ◆UTA.....5w:2012/7/25(水) 22:14:45 ID:IXBBWrnuUQ
橘父「あのー、線香花火ならおじさん持ってるけど、してもいいのかな」
鳴子「わー!いいじゃん線香花火!やろうよ!」
桃姉「ふむ、皆で線香花火か。なかなか風流だ」
橘妹「早くやろうよ、お父さん」
橘弟「わーい!せんこーせんこー!」
鈴木「じゃあ、人も居ないだろうし裏庭でやろう」
清瀬「線香花火……願い事しやな!」
985: ◆UTA.....5w:2012/7/25(水) 22:29:27 ID:IXBBWrnuUQ
──裏庭
パチパチ…
桃山「なかなか綺麗だね」キリッ
橘「お前はなかなか気持ち悪い変貌ぶりだがな」
桃山「お黙り!それは言わないで頂戴!」コソコソ
鳴海「たーまやー!」
篠原「それ線香花火で言う掛け声じゃないでしょ」
鳴海「いいんだよ、花火ちゃんと見れなかったんだし」
橘「理由になってないな。これだから馬鹿は」
鳴海「あ?何だとクソメガネ」
986: ◆UTA.....5w:2012/7/25(水) 22:31:35 ID:2D4H6t5a5Y
桃山「喧嘩しない!」
篠原「あはは、楽しいねー本当に」
鈴木「……来年も、君達とこうしていられるのかな」
橘「何言ってるんだ。学年は違えど同じ学校なんだから可能だろ」
清瀬「えへへ。来年もまた出来るといいですね、線香花火」
生徒指導「おう、すればいいぞ。学校以外でな」ニコニコ
全員「!?」
生徒指導「校内で花火なんてどういうつもりかな?ご家族まで巻き込んで」
生徒指導「生徒指導室に行こうか。此処に居る 全 員 で」
──この後、男女複数の叫び声が学校中に響き渡ったのは言うまでもない。
987: ◆UTA.....5w:2012/7/25(水) 22:40:21 ID:IXBBWrnuUQ
──後書き
篠原「という訳で、このスレはこれにて閉店ガラガラー」
桃山「なんと、2スレ目に突入しちゃうのよー!」
鳴海「1自身もこんなに長くなるのは予想外だったんだと」
橘「まあ、それだけ俺達と離れるのが寂しかったんだろう」
篠原「それから、俺達がランキングで1位になれたんだよ!」
桃山「そうよ!しかも三回も!なかなかなれるもんじゃないんだから!」
鳴海「凄えじゃん。俺達って有名人?」ニヤニヤ
橘「馬鹿は黙ってろ。ともかく、これを読んでくれている全員に感謝だな」
篠原「本当にありがとー!」
桃山「2スレ目も宜しくね」
鳴海「んじゃ、俺達はこの辺で。ちゃんと言えよメガネ!」
橘「へ、閉店ガラガラ……」
988: ◆UTA.....5w:2012/7/25(水) 22:46:46 ID:2D4H6t5a5Y
という訳で、このスレはこれにて終了とさせて頂きます。
最後に1位という順位を頂けて、本当に本当に嬉しかったです…!
沢山の支援を頂いた事、絵スレで描いて頂けた事、良くも悪くも話題に出して下さった事、読んで下さる方が居る事、投票して下さる方が居る事、全てに感謝です。
次スレも皆さんに楽しんで頂けるものになるように祈りつつ、頑張りたいと思います。
ありがとうございました!
989: 名無しさん@読者の声:2012/7/25(水) 23:04:52 ID:EoFuB4olmQ
乙でした!
3センチに出てくる全員、>>1も含めて大好きだ
2スレ目も応援してるよー
つ旦
つ花束
つコーヒー牛乳
つA定食
つ支援
990: 名無しさん@読者の声:2012/7/25(水) 23:41:00 ID:W6Vsld8Cqc
乙です。
埋めるぜー
991: 名無しさん@読者の声:2012/7/25(水) 23:57:00 ID:ue5eLzS9gc
>>1先生、おつでしたー!
2スレ目にもwktk期待してるよー(゚∀゚*)
今日は奇しくも天神さんのお祭りだったから、なんかすげータイムリーでびっくりしたよww
お祭り行けなかったから、ここでお祭り気分味わえて良かったーありがとうございました☆
┌(。д。┌)┐記念ブリッジ!!
992: ◆UTA.....5w:2012/7/26(木) 00:19:42 ID:2D4H6t5a5Y
>>989
ありがとうございます、そんな事を言って下さる989さんが大好きです!
皆さんから稀に頂けるA定食に、何度ニヤリとさせて頂いた事でしょう。これはもう、次もA定食を出すしかなさそうですw
ありがとうございました!
>>990
ありがとうございます!
1000まで埋まりますように……
>>991
ありがとうございます!
実は、天神さんを狙ってのお祭りネタでした。安定のエスパーぶりに脱帽です!
因みに話の中に出てきた「綿飴」ですが、東日本では「綿飴」西日本では「綿菓子」と、呼び方が分かれているそうです。私は後者なのですが、皆さんはどうなのかなと思いながら書いていましたw
ありがとうございました!
少し、目次なるものでレス数稼ぎをば。
993: ◆UTA.....5w:2012/7/26(木) 00:20:32 ID:2D4H6t5a5Y
3sentimental young people
【menu】
Act.1 >>1-28
‐始まりの合図‐
Act.2 >>30-43
‐放課後の猫‐
Act.3 >>48-60
‐共同作業はスパイスの香り‐
Act.4 >>69-84
‐それぞれの日常‐
Act.5 >>89-113
‐寒空の下、びしょ濡れの君‐
Act.6 >>119-140
‐悪魔からの挑戦状‐
Act.7 >>144-153
‐突撃!桃山家‐
Act.8 >>159-225
‐桃山少年の憂鬱‐
Act.9 >>230-252
‐アタシと僕、時々ロボ‐
Act.10 >>258-279
‐戦いの後は梅の香り‐
994: ◆UTA.....5w:2012/7/26(木) 00:21:01 ID:IXBBWrnuUQ
Act.11 >>285-296
‐そして、次の一歩へ‐
Act.12 >>302-346
‐青い春、出会いの季節‐
Act.13 >>352-441
‐小さな君の大きな一歩‐
Act.14 >>447-464
‐放課後の猫U‐
Act.15 >>471-499
‐頭が良くても風邪は引く‐
Act.16 >>508-535
‐お悩みNo.396‐
Act.17 >>543-587
‐突撃!橘家‐
Act.18 >>596-657
‐橘少年の憂鬱‐
Act.19 >>664-696
‐フレームの中の笑顔‐
Act.20 >>702-744
‐例えるならレモネードのような‐
995: ◆UTA.....5w:2012/7/26(木) 00:21:28 ID:IXBBWrnuUQ
Act.21 >>753-794
‐もう一人の赤い髪‐
Act.22 >>801-832
‐もう一人の赤い髪U‐
Act.23 >>838-870
‐鳴海少年の憂鬱‐
Act.24 >>877-892
‐素直になれない君の夢‐
Act.25 >>898-910
‐鈴木さんの一日‐
Act.26 >>914-928
‐密着!24時〜男子C〜‐
Act.27 >>934-964
‐おとぎの国の清瀬さん‐
Act.28 >>971-986
‐夏休みの夜に‐
Act.29 >>987
‐Special Thanks!‐
996: 名無しさん@読者の声:2012/7/26(木) 00:30:25 ID:26GeemQ5qg
覗きに来たら終わってた!!
ていうか目次がオサレw
楽しく読ませて頂きました!!
お疲れさまでした(´ω`)
次スレにも期待!
っCCCCC
っ愛
っ食堂プリン
っA定食
997: 名無しさん@読者の声:2012/7/26(木) 01:31:36 ID:.XGhyJV6V6
お疲れ様です!
次も期待!
998: 名無しさん@読者の声:2012/7/26(木) 09:09:29 ID:U1SoexudYo
確かにオサレwww
楽しかったよーおつかれさん!!
999: 名無しさん@読者の声:2012/7/26(木) 10:03:14 ID:/ZKK41.bWM
お疲れ様でした。
また次の作品も楽しみにしてます!
1000: ◆UTA.....5w:2012/7/26(木) 10:26:56 ID:uz/yedzaF.
>>996
最後までお付き合い頂きありがとうございます!
何となくテーマを決めつつ書いていたので、ちょっと格好付けてみました。楽しんで頂けて嬉しいです、本当にありがとうございました!
食堂のプリン、いつになったら食べられる事やら……
>>997
ありがとうございます!
997さんの期待に応えられるよう、書き溜めてからスレを建てさせて頂きますね(´ω`)
>>998
そんなに言われると何だか恥ずかしいので、スルーしてあげて下さいw
読んで下さってありがとうございました!
>>999
ありがとうございます、ありがとうございます!
もう少し彼らの馬鹿騒ぎにお付き合い頂くかと思いますが、宜しくお願い致します(`・ω・´)
999レスになっている事に気付き、慌てて参上した1です。
遂に1000!長いようで短い半年でした。次スレまで続くとはいえ、何だか感慨深いです。
本当に本当にありがとうございました。このSSに関わって下さった皆さんに、最大級のありがとうを!
1001: 1001:Over 1000 Thread
| ̄| ∧∧
ニニニ(゚Д゚∩コ
|_|⊂ ノ
/ 0
し´
えっ…と、
1001はここかな…と
∧∧ ∧∧
∩゚Д゚≡゚Д゚)| ̄|
`ヽ /)ニニニコ
|_=` |_|
∪ ∪
∧∧ ミ ドスッ
( ) _n_
/ つ 終了|
〜′ /´  ̄|| ̄
∪∪ ||_ε3
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