高校生の馬鹿馬鹿しくて、
ちょっぴりセンチメンタルな
青春グラフィティ───開幕。
※登場人物が増える予定の為、名前を付けています。
898: ◆UTA.....5w:2012/7/9(月) 19:02:20 ID:z/mT/Pp4T2
【鈴木さんの一日】
鈴木さんの一日は、母の声から始まります。
母「はい、おはよーう!!」
バサァッ!
鈴木「……おはよーう」
強制的に布団を剥ぎ取られ、
母「よし、顔洗って来い!朝ご飯が待ってますよ!」
鈴木「了解した」ゴソゴソ
母「パジャマに顔突っ込んで寝なーい!」
鈴木「これは寝てるんじゃなくて、ミノ虫の気持ちを理解しようとしてるだけだよ」
母「白々しい!」
渋々目を覚ますのです。
899: ◆UTA.....5w:2012/7/9(月) 19:12:48 ID:z/mT/Pp4T2
──リビング
父「おっ!お姫様のお目覚めだな」
鈴木「おはよう、お父さん」ボー
父「おはよう、涎垂れそうだぞ」
鈴木「うん、大丈夫」コックリコックリ
母「さっさと朝ご飯食べてシャキっとする!お父さんもゆっくりしてる時間ないでしょ!」
父「おー、怖い怖い。雷が落ちる前に逃げなきゃな」
鈴木「……」スピー
母「寝るなー!」
鈴木「了解」シャキッ
鈴木さんは朝が苦手です。
900: 祝!900突破! ◆UTA.....5w:2012/7/9(月) 19:13:36 ID:5LE0QM0brY
父「バス停まで一緒に行こうか」
鈴木「いいけど、お父さんゆっくりしてる時間ないんじゃないの?」
父「お前ももう出るだろう?」
鈴木「私はもう少しゆっくりして行くから、先に行っていいよ」
母「言っとくけど、ゆっくりする程時間ないからね。アンタも早く学校行きなさいこの寝坊助!」
父「…らしいぞ?」クスクス
鈴木「むぅ……支度してくる」
母「まったく、のんびりした所は貴方にそっくりね」
父「そんなにのんびりしてるかなぁ、俺」
母「してますとも。時間ないって人が教えてやってるのに新聞なんか読みやがって。ぶっ飛ばされたいのかしらね」ニコニコ
父「ねぇ!用意まだ?お母さんが怖いから早くして!」
鈴木さん家の両親は、とても仲良しです。
901: ◆UTA.....5w:2012/7/9(月) 19:18:11 ID:z/mT/Pp4T2
父「じゃあ、行ってきます」
鈴木「行ってきます」
母「行ってらっしゃい。気を付けてねー」
***
鈴木「ねぇ、お父さんはお母さんのどんな所を好きになったの?」
父「うーん、そうだなあ……素直じゃないけど可愛くて、元気な所かな。もう可愛いなんて年齢じゃなくなったけどな、はは」
鈴木「そう」
父「何だ、恋でもしてるのか?」クスクス
鈴木「……そう、かもしれない」
父「え!?そうなの!?誰!?どんな子!?」
鈴木「どんな……小さい男の子、かな」
父「よし、それは犯罪だから止めとこうか」
902: ◆UTA.....5w:2012/7/9(月) 19:18:45 ID:z/mT/Pp4T2
──学校、校門前
生徒「おはよー」
生徒「おはよ!昨日のドラマ見た?最後さー…」
キャッキャッ…
鈴木(……皆、朝から元気だなあ)
鈴木さんは、朝が苦手です。
だけど、
鈴木(若いって素晴らし……)
ドンッ!
鳴海「朝からテンション低いじゃん、鈴木さーん?」
鈴木「お早よう、鳴海くん」
バシッ!
鳴海「いってぇ!ちょっと背中叩いただけだろ!思いっ切りやり返すなよ!」
小さい男の子に会えると少し元気になります。
これが恋の力なのでしょうか。
903: ◆UTA.....5w:2012/7/9(月) 19:20:52 ID:z/mT/Pp4T2
──教室
鈴木さんには仲良しのお友達が居ます。
清瀬「あ、鈴木さん!おは、お早よう!」
鈴木「お早よう」
一年女子「鈴木さんおっはー!またしょんべん先輩と戯れあってたでしょー」
鈴木「叩かれたから、叩き返しただけだよ」
清瀬「け、喧嘩でもしたん?」おろおろ
一年女子「女の子に手を出すとか有り得なーい!あの女装趣味のしょんべんめ!」
一年女子「いやw鈴木さんめっちゃやり返してたよwwオラ目撃しちまったぞww」
鈴木(朝から元気だなあ、本当に)クス
彼女達と居ると、また少し元気になります。
恋の力は関係なかったのかも。
904: ◆UTA.....5w:2012/7/9(月) 19:23:49 ID:z/mT/Pp4T2
キーン コーン カーン コーン…
鈴木「清瀬、行こうか」
清瀬「あ、うん。あの、一年女子ちゃん達もたまには行こな!」
一年女子「はーい、行ってらっしゃーい」
清瀬「す、鈴木さん待ってー!早い早い!早いって!」
バタバタバタ…
一年女子「あの子達、食堂好きっすなww」
一年女子「一年生の教室は四階、食堂は一階。毎日は流石に体がしんどいわ」
一年女子「ばばあ乙www」
905: ◆UTA.....5w:2012/7/9(月) 19:26:33 ID:5LE0QM0brY
──食堂
鈴木さんはいつも食堂でお昼ご飯を食べます。
お弁当があっても、必ず。
ワイワイ ガヤガヤ…
清瀬「す、鈴木さん…ホンマに足速いね……」ハァハァ
鈴木「……」
清瀬「鈴木さん?どないしたん?」
鈴木「これ、買えたの」
清瀬「わ!プリンや!鈴木さん凄い!し、篠原くん…と、鳴海くん、悔しがるやろね」
鈴木「……うん、そうだね」
906: ◆UTA.....5w:2012/7/9(月) 19:29:41 ID:5LE0QM0brY
─────‐‥
鳴海「出た!売り切れ!」
篠原「もうやだー!なんで毎日通ってんのに買えないのー!」
おばちゃん「ごめんね兄ちゃん、また明日来ておくれ!」
清瀬「やっぱり今日も来はったみたいやね」
鈴木「そうだね」もぐもぐ
清瀬「プリン、凄い人気なんやね」
鈴木「そうだね」もぐもぐ
清瀬「あ、うちらに気付きはったみたい…!こ、こっち来る!」あわあわ
鈴木「そう」スッ
907: ◆UTA.....5w:2012/7/9(月) 19:34:43 ID:5LE0QM0brY
篠原「やっほー」
清瀬「や、ややや……こんちはどうも!」
鈴木「……やっほー」
清瀬「ぷ、プリンプリン買えんかったプリンですね!」
鳴海「落ち着けよ」
篠原「あはは、残念ながら今日もプリン買えなかったよ」
鳴海「まあ、卒業までまだ時間あるし、買うまで諦めてやんねぇけどな」フン
鈴木「プリン、買うまで諦めないの?」
鳴海「おう!売り切れる前に買いに来て、全部買い占めてやる!」
鈴木「そっか、頑張ってね」
鳴海「何笑ってんだよ。こいつ絶対馬鹿にしてやがる…!」
908: ◆UTA.....5w:2012/7/9(月) 19:40:49 ID:5LE0QM0brY
清瀬「あ、せや!プリンといえば、鈴木さんがっ…もがもが」
篠原「あはは、清瀬さん唐揚げ詰め過ぎ」
清瀬(ちゃうもん!鈴木さんに突っ込まれたんやもん!)もがもが
鈴木「卒業までに買えるといいね、プリン」
鳴海「ニヤニヤしながら言いやがって……買えたら自慢してやるから待っとけ!帰るぞ、篠原!」
篠原「はーい。またね、二人共」
清瀬「ふぁ、ふぁい!ひゃおーあら!」もがもが
鈴木「……またね、二人共」
清瀬「の、のみほえない!」もがもが
鈴木「ほら、お茶飲んで流せばいいよ」
909: ◆UTA.....5w:2012/7/9(月) 19:41:54 ID:z/mT/Pp4T2
清瀬「ップハー!もうっ、鈴木さん!い、いきなり唐揚げ三つも食べられへんよ!」
鈴木「ごめんね、唐揚げ食べたそうだったから」ゴソゴソ
清瀬「あ、プリン。そんなとこ隠してたんや」
鈴木「うん、あの子達にバレたら取られると思って」
清瀬「そんな事……て言いたいけど、有り得るかもしれへんね」クスクス
ひんやり冷えた、おばちゃんの手作りプリン。
鈴木さんの手の中で、その冷たさは失われ……。
鈴木「美味しいけど、温いね」
清瀬「うん。食べさせて貰といてアレやけど、ぬ、温い……」
910: 投下終了です ◆UTA.....5w:2012/7/9(月) 19:47:51 ID:5LE0QM0brY
清瀬「あの二人も卒業までに買えるとええね」
鈴木「それまでは毎日会えるね、篠原くんに」
清瀬「へっ!?お、同じ学校やから別に、別にっ…………嬉しい、けど」カアァ
鈴木(可愛らしいなあ)
鈴木さんはいつも食堂でお昼ご飯を食べます。
お弁当があっても、必ず。
鈴木(プリン、あげようと思ったけれど……)
鈴木(一つしかなかったし、仕方ないね)
少なくとも、あの子が毎日来る内は。
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