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サシャ「中味が大事なんですよ」

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Part5
95 : ◆H4iwFNXQsw:2013/12/16(月) 21:10:22 ID:Kvmq4f3c
1です
投下前に読み返していたら直したい箇所がかなり出て来たので、今日の投下はなしです すみません
火曜か水曜には投下できると思うのでもう少しお待ちください

96 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/12/16(月) 23:31:23 ID:f/TCvJ9Q
楽しみだけど無理しないでなー

97 : ◆H4iwFNXQsw:2013/12/18(水) 19:29:32 ID:vthibp/6
>>96さん お気遣いありがとうございます
そんでもってすみません、まだ書き直し分できてません 
年末で忙しくてなかなか書く時間が取れなくて悔しい
取り敢えず書けた分&キリのいいところまで投下します

98 : ◆H4iwFNXQsw:2013/12/18(水) 19:30:34 ID:vthibp/6
アルミン「おーい、クリスタとユミルを連れてきたよー!」ザクザク
クリスタ「あれ? なんだかアルミンに聞いてた人数よりも多いね」
ユミル「ベルトルさんたちも参加するのかよ、雪合戦」
ベルトルト「ううん、僕たちはミカサに呼び止められただけでーー」
マルコ「ねえアルミン、ルールブックはある?」
ベルトルト「えっ」
ミーナ「ええー……? マルコ、審判やる気なの? 本気?」
マルコ「最近みんなで遊ぶことなんてなかったからね。それに、試験前に少しは息抜きしてもいいんじゃないかなって思って」
アルミン「マルコ……君はこの混沌とした戦場に秩序をもたらそうと言うんだね」フッ
アニ「……頭でも打ったの? アルミン」ヒソヒソ
ユミル「雪玉かなんか食らったんじゃねえの」ヒソヒソ
アルミン「こうなったら他のみんなも呼んでルールを統一しよう! ーーおーい、みんな一旦集合ー!」ブンブン

99 : ◆H4iwFNXQsw:2013/12/18(水) 19:31:41 ID:vthibp/6
エレン「ミカサ、俺お前が来るのずっと待ってたんだぞ! コニーとサシャの相手しながらずーっと待ってたんだぞ!?」ボロッ...
ミカサ「ごめんなさいエレン。意外とジャンは手強かった」シュン
ジャン「なんだぁエレン? お前、ミカサの助けがないとろくに雪玉も投げられねえのかよ? 情けねえな」ギュッギュッ
エレン「あぁ? 今なんて言った?」ギュッギュッ
ジャン「エレンくんは一人じゃ自分の始末もつけれねえお子ちゃまなんですねーっつったんだよ」ギュッギュッ
エレン「よく言うぜ……ミカサから逃げ回るしかできなかったくせによ。それでも男かよ?」ギュッギュッ
ジャン「ああ!? やんのかこら!!」ニギニギ
エレン「上等だかかってこい!!」ニギニギ
コニー「雪玉握りながら睨み合ってるってのがシュールだよなー。……ほいサシャ、そっち置いてくれ」ギュッギュッ
サシャ「はいはい、わかりました。なーんか緊張感とか色々吹っ飛んじゃってますよねー。ーーあっ、ライナー雪ください。できるだけふわふわしてるの」コロコロ
ライナー「ほらよ。……本当に飽きないな、あいつら。同じやりとり何回もしてるぞ」ギュッギュッ
ミカサ「エレンは口下手だから罵声のバリエーションが少ないのは仕方がない」ギュッギュッ
コニー「……あれ? ミカサ今エレンたちのところにいなかったか?」
ミカサ「気のせい」ギュッギュッ


100 : ◆H4iwFNXQsw:2013/12/18(水) 19:32:40 ID:vthibp/6
ベルトルト「二人とも、そこまでにしてよ」
マルコ「そうだよ、このままだと雪かきどころか雪合戦も終わらないよ? そもそもなんで雪合戦なんかはじめちゃったの? 原因は何?」
エレン「すまん、さっき俺がアルミンの顔面に雪玉ぶつけちまったんだ……」グッ...
ライナー「いいや、エレンは悪くない。悪いのはエレンの雪玉を避けたこの俺だ……!」グッ...
ジャン「二人は悪くねえよ! 元はと言えば俺が我慢していれば……!」グッ...
アニ「あんたたちそのまま仲直りしなよ」
クリスタ「雪玉いっぱいあると雪だるま作りたくなるねぇ」コロコロ
ユミル「よし、ここを雪だるまの王国にしよう」コロコロ
アルミン「じゃあ僕も手伝おう」コロコロ
ミーナ「アルミンは雪合戦に参加する側じゃないの?」コロコロ
アルミン「……あーあー聞こえなーい」コロコロ

101 : ◆H4iwFNXQsw:2013/12/18(水) 19:33:30 ID:vthibp/6
マルコ「それで、どういうルールでやってたの? 雪は何個当たったら終わり?」
コニー「んなもん生きるか死ぬかに決まってるだろ」キリッ
マルコ「ああ、一発までか。それなら確かにスリルがあっていいかもーー」
ライナー「いいや、相手がぶっ倒れるまでだ」
ベルトルト「君たち来週山岳訓練あるのわかってて言ってる? そんなにはしゃいでたら風邪引くよ?」
ジャン「ここは戦場だからな。生半可な気持ちで参加されちゃ困るんだよ」
マルコ「でも、そんなルールだといつまで経っても終わらないじゃないか。ただでさえ体力おかしい人が何人もいるんだからさ」
エレン「そうなんだよなー……今のルールだと、ミカサが圧倒的に有利だしよ」
サシャ「あっ、でしたらいい案がありますよ。これならミカサにハンデをつけられます」ハーイ
マルコ「ミカサ相手に並のハンデは意味がないと思うけど……一応聞こうか。何?」
サシャ「ーー全員、素手で戦うんです」

102 : ◆H4iwFNXQsw:2013/12/18(水) 19:34:31 ID:vthibp/6
ミカサ「……エレン、サシャがいじめる」クイクイ
エレン「そっか、雪玉が握れなくなったら自然と戦闘不能になるってことか……! よし、これならミカサに勝てる!!」
ミカサ「エレン!?」
サシャ「ちなみに夕方とはいえまだ太陽が出てるので、他の防寒具も一切禁止です。訓練服だけでの勝負です」
ミカサ「サシャ、マフラーは!? マフラーはいいの!? あとレッグウォーマーとアームウォーマーと毛糸のぱんつは!?」
サシャ「マフラーは……まあ、いいことにしましょうか。レッグウォーマーとアームウォーマーはダメです。毛糸のぱんつは履いてるかどうか確かめる方法がないので、いいってことにしておきます」
ミカサ「……着替えてくる」ダッ
ユミル「あいつ……遠回しに毛糸のぱんつ履く宣言してったぞ」
クリスタ「わっ、私も行く! ユミルとサシャもついてきて!」グイッ
サシャ「ええー、私は何も着なくてもいいのにー……」ズルズル...
ミーナ「私も! ほらアニも行こ!」グイッ
アニ「わかった、わかったから引っ張らないでよ。フードが伸びる」ズルズル...

103 : ◆H4iwFNXQsw:2013/12/18(水) 19:35:28 ID:vthibp/6
ライナー「……女子全員行ったな」
ベルトルト「みんな優しいんだね」
コニー「ん? なんでそうなるんだ?」
アルミン「ミカサだけ寮に戻ったら、一人だけ毛糸の……毛糸のアレを履いてるって丸わかりじゃないか。だからみんなミカサに気を遣って、全員で寮に行ったんだよ」
ジャン「なるほどな、女同士の友情か……」シミジミ
エレン「え? これって友情になるのか?」
マルコ「まあまあ。ーーミカサたちが戻ってくる前に、僕たちは雪かきの道具片付けちゃおうよ。このまま出しておくと危ないし」
アルミン「……あっ、そういえば僕たち雪かきしてたんだった」ポンッ
ライナー「途中から完全に忘れてたな」
コニー「なんだよお前ら、雪かきサボってたのかよ。なーんか道がねえなぁと思ってたんだよなー」ブーブー
ジャン「サボってねえよ、ちゃんと途中まではやってたぞ。……どこかの誰かさんが雪をかけてくるまではな」チラッ
エレン「まだ根に持ってんのかよ、いい加減しつこいぞ」ギロッ
ベルトルト「はいはい、そこまでにしようね」グイグイ

104 : ◆H4iwFNXQsw:2013/12/18(水) 19:36:59 ID:vthibp/6
ーー しばらく後
ミーナ「おまたせっ! 女子は全員準備してきたよー!」タタタッ
クリスタ「ねえユミル、これじゃあ前が見えないよー……」モコモコ
ユミル「上着も手袋もないんだからそれくらいしないとな。……ったく、変なルール思いつきやがって」ギロッ
サシャ「ええー……そんなこと言われても……」ムー...
アニ「……寒っ」プルッ
アルミン(う、うぅーん……)
マルコ(みんなの心遣いはよかったけど、ミカサ以外は毛糸のぱんつは履いてない……よね)チラッ
ミカサ「……私、完璧」モコモコモコモコ

105 : ◆H4iwFNXQsw:2013/12/18(水) 19:38:07 ID:vthibp/6
マルコ「女子のみんなも準備できたことだし、組み分けでもする? 確かエレンたちとジャンたちの二つに分かれてたんだよね?」
アルミン「ああ、組み分けは必要ないよ。ーー全員敵だから」
ベルトルト「なにそれこわい」
ミーナ「組み分けが必要ないって言っても、実際二つに分かれてるじゃない」
ジャン「そりゃあ、お互いの利害が一致したら誰とだって組むさ。何度か俺とエレンで組んでたりもしたんだぜ」
アニ「あんたたち本当は仲いいんじゃないの?」
ユミル「んな殺伐とした戦場にクリスタは放り込めねえな……よし、私とクリスタは中立を宣言する。雪玉適当に生産するから構わず勝手に持って行け」コロコロ
クリスタ「ええーっ!? ユミル、私も雪合戦したいよ! やろうよ!!」ブーブー
ユミル「はいはい、今度の休みの日にいくらでも付き合ってやるから我慢しなさい」
クリスタ「……もう、勝手なんだから」ブツブツ

106 : ◆H4iwFNXQsw:2013/12/18(水) 19:38:53 ID:vthibp/6
サシャ「ところで、アニやミーナは雪合戦やったことあります? ミカサはエレンやアルミンとやったことがあるって言ってましたが」ギュッギュッ
ミーナ「うん、何度か家の近くの広場でやってるのに混ぜてもらったことがあるよ。ユミルやクリスタは?」
ユミル「私らは去年サシャに連れ回されて色々やらされたからな。一通りの雪遊びは経験済みだ」
クリスタ「今年は雪が多めだからかまくらも作りたいなぁ……ユミル、作ってもいい?」クイクイ
ユミル「よし、王国のための城を建設しよう」キリッ
ミーナ「アニはどう? 雪合戦やったことある?」
アニ「……私、ない」
サシャ「おや、一度もないんですか?」

107 : ◆H4iwFNXQsw:2013/12/18(水) 19:39:39 ID:vthibp/6
アニ「そういうの……したことない。知り合いがやってるのを見たことはあるけど、私は一緒にやらせてもらえなかったし」チラッ
ライナー・ベルトルト「……」ギクッ
ベルトルト(アニが言ってる「知り合い」って、僕たちのことだよね……仲間はずれにしたわけじゃないんだけど、悪いことしたなぁ)
ライナー(男の中にアニ一人だけ混ぜてやるってのもな……今更言ってもどうにもならないが)
アニ「私は邪魔にならないように、端に座って見てるから。後はみんなで勝手にやって」スタスタ...
サシャ「何言ってるんですか、一緒にやりましょうよ」ガシッ
ミーナ「そうそう、ルールなんてあってないようなものだし、大丈夫だよ!」ガシッ
アニ「いいってば……私はクリスタの雪だるま王国の建設を手伝うから」

108 : ◆H4iwFNXQsw:2013/12/18(水) 19:40:33 ID:vthibp/6
ユミル「いいやダメだね。クリスタ王国の建設事業に関わるにはな、過去に雪合戦に参加したっていう経歴が必要なんだ」
アニ「今作ったでしょそのルール」
クリスタ「まあまあ、ユミルの言ったことは置いといて。ーーせっかくの機会なんだから、私はやっておいたほうがいいと思うな。次にいつやれるかなんてわからないんだし」
アニ「……じゃあ、ちょっとだけなら」
ミーナ「それなら、早速練習してみよっか。ーーはい、この雪玉を投げてみて」スッ
アニ「投げるってどこに?」
ミカサ「ちょうどあそこにエレンとライナーとベルトルトが並んでいる。ので、狙って投げてみるといい」
エレン・ライナー・ベルトルト「えっ」

109 : ◆H4iwFNXQsw:2013/12/18(水) 19:41:33 ID:vthibp/6
エレン「ちょっと待てミカサ、なんで俺たちにぶつけるんだよ!」
ライナー「そうだそうだ、練習するならその辺の木でもいいだろ!」
ミカサ「木じゃ面白味がない」
ベルトルト「面白味のために僕たちに当てないでよ!」
ミカサ「何かをする時に、具体的な目標を設定することはとても大事。……三人とも、避けてはダメ。そこにいて」
サシャ「そうですよー、おとなしく当たってくださいねー?」
ミーナ「アニのためなんだからねー? 逃げないでよー?」
ライナー「気をつけろよエレン、ベルトルト。ーーあのアニのことだ、とんでもない豪速球を投げてくるに違いない……!」
エレン「ああ、あいつの蹴りの威力は凄まじいからな……!」
ベルトルト(今までの恨み辛みが詰まって、雪玉が石みたいに固くなってるかも……)

110 : ◆H4iwFNXQsw:2013/12/18(水) 19:42:18 ID:vthibp/6
ミーナ「さあアニ、やってみて」
アニ「……うん」ギュッ
ミカサ「大丈夫、あなたならできる」
アニ「……」スーハー
アニ(投げる……投げる…………あいつらに向かって投げる………………!)ドキドキ
エレン「くそっ……! 俺たちは黙って見てることしかできねえのかよ……!」
ベルトルト「いい人生だった……かなぁ……?」
ライナー「俺の終わりはここなのか……」

111 : ◆H4iwFNXQsw:2013/12/18(水) 19:43:18 ID:vthibp/6
アニ「……ていっ」ーーペシャッ
ミーナ「あっ」
サシャ「あー……」
アニ「…………………………………………あれっ? 雪玉は? あいつらに当たったの?」キョロキョロ
サシャ「地面に落ちました。アニの足元にめり込んでるのがそうです」
アニ「……」
ミカサ「アニ。早めに手を離さないと、雪玉が前に飛んでいかない。気をつけて」
サシャ「もうちょっと肩の力抜いても大丈夫ですよ」
アニ「わ、わかってるよ……こうでしょっ」ヒューン
サシャ「あー……、今度はすっぽ抜けちゃいましたね」
ミーナ「……あ、コニーに当たった」
コニー「冷てえ!!」ギャー!!
アニ「……」プルプルプルプル...
ミカサ「あ、アニ、もうちょっと頑張ってみよう。……はい、新しいのをあげるから、これを使って」

112 : ◆H4iwFNXQsw:2013/12/18(水) 19:44:10 ID:vthibp/6
エレン「……おいアニ、お前ふざけてるのか? ちゃんと投げろよ!」
アニ「別に、ふざけてなんか……ないし……」ボソボソ
ライナー「面倒だからって手は抜くなよ? 俺たちは真剣にやってるんだからな!」
アニ「これでも、一生懸命……やってるんだよ…………」ボソボソ
ベルトルト「ねえアニ、もしかしてどこか体の調子が悪いの? 医務室行く?」オロオロ
アニ「悪くないもん……どこも、悪くない……」ボソボソ
ジャン「……アルミン」ヒソヒソ
アルミン「うん……間違いないよ」ヒソヒソ
ジャン「やはりそうか。ーー伝説上の存在かと思っていたが、本当にいたとはな」
アルミン「大概のことはなんでもできるけど、何故かボールを投げるのだけは異常に下手くそな女の子」
ジャン「すげえ……俺たち、奇跡の瞬間に立ち会ってるぜ」

113 : ◆H4iwFNXQsw:2013/12/18(水) 19:45:39 ID:vthibp/6
エレン「いや待てよ。ーーもしかすると、アニは手を抜いてるわけじゃなくて……あれで全力なんじゃねえか?」ハッ
ライナー「!? なんだと……? エレン、それはどういう意味だ?」
ベルトルト「エレンが言ってること、僕にはわかる気がするよ。ーーアニは優しい子だからね。雪玉に怯える僕たちを見て、知らず知らず手加減してしまったんじゃないかな」
エレン「ああ、そういうことだ。ーーつまり、俺たちがあいつの足を引っ張ってたんだよ」
ライナー「そうだな。冷静に考えれば、アニが雪玉を投げるのが下手くそなわけがない」
ベルトルト「全力を出せないまま色々言われるのは辛かっただろうに……ごめんね、アニ」
アルミン「そしてその存在をクソマジメに否定する三人」
ジャン「気持ちはわかるぜ……俺もまだ信じられねえからな」
アルミン「だけどそこに付けいる隙がある」スクッ
ジャン「おう、行くか」スクッ

114 : ◆H4iwFNXQsw:2013/12/18(水) 19:46:47 ID:vthibp/6
アニ「……」
サシャ「大丈夫ですって、アニはちゃんとやれてますよ」
ミーナ「そうだよ、自信持って!」
アニ「……自信なんか、持てないよ」
ミカサ「そんなことはない。誰だって最初は下手に決まっている。練習すればきっと必ず上達する。だからーー」
エレン「おいアニィッ! ーー俺はな、お前の雪玉なんかこれっぽっちも怖くねえぞ!!」
ライナー「そうだ、俺たちに気を遣う必要なんてない! 思いっきりお前の全てをぶつけてこい!!」
ベルトルト「僕たちのことは気にしないで! 手加減なんてしなくていいんだよ!」
アニ「…………」プルプルプルプル...
ミカサ「三人とも静かにして! 今はとても大事な場面!」ガミガミ
ジャン「いやはや、ひでえ奴らがいたもんだぜ」ポンッ
アルミン「本当だよ、困った困った」ポンッ


115 : ◆H4iwFNXQsw:2013/12/18(水) 19:47:44 ID:vthibp/6
ミカサ「アルミン、ジャン。今は私たちがアニと話をしている。邪魔をしないで」
ジャン「おいおいミカサ、アニはお前の所有物なのかよ? 違うだろ?」
アルミン「そうそう、少しくらいお話させてよ。すぐ終わるからさ」
アニ「……何? あんたたちも何か言いに来たわけ?」ギロッ
アルミン「まさか! ーー僕たちはただ、アニの力になりに来ただけだよ」ニコッ
ジャン「なあアニ、このままあいつらに舐められっぱなしでいいのか?」
アニ「よくはないけど……今の私じゃあいつらに勝てないし」
ジャン「そうだな。今のお前じゃはっきり言ってあいつらには勝てない。仮に戦場に放り出されても、雪玉を投げられないんじゃ囮にすらなれねえだろうな」
アルミン「だけど僕たちに協力してくれるなら、あの三人に一泡吹かせてやることもできるよ?」
アニ「……確証もないだろうに、大した自信だね」
アルミン「そうだね。今のところは『僕たちのことを信じてくれ』としか言えないけど……でもアニがこっちについてくれるなら、その可能性はぐんとあがる」
ジャン「直接じゃなくて間接的な仕返し、ってことにはなるが……まあ、お前も少しはスッキリするだろうよ。ーーどうだアニ、俺たちと手を組まねえか?」
アニ「……」

116 : ◆H4iwFNXQsw:2013/12/18(水) 19:48:29 ID:vthibp/6
ベルトルト「……なんでアルミンとジャンがアニに言い寄ってるの?」
エレン「言い寄ってるってか、なんとか味方に付けようとしてるって感じだな」
ライナー「わからんな……アニを引き入れて、あいつらに何の得があるんだ?」
エレン「ええっと、今のところ俺たちの組が俺とミカサとライナー、ジャンの組がジャンとコニーとサシャだろ? 確かにアニを味方にしたら、数的には有利になるよな」ウーン...
ベルトルト「でも僕たちの怯え様を見て手加減しちゃうくらいだから、戦力にはならないと思うんだけど」
ライナー「戦力にならない……? ーー!! しまった、そういうことか! エレン、俺たちもアニを説得するぞ!」
エレン「は? なんで?」
ライナー「理由は後で説明する! いいからあいつに呼びかけろ! ベルトルトも手伝え!」
ベルトルト「僕も!?」
エレン「何が何だかわかんねえけどわかった! アニを俺たちの味方にすればいいんだな!」

117 : ◆H4iwFNXQsw:2013/12/18(水) 19:49:18 ID:vthibp/6
アルミン「ジャン、急いで! ライナーが気づいた!」
ジャン「急かすなよアルミン。ーーアニ、お前はあいつらと組むのがいいと思うのか? お前の気持ちを少しも酌み取ってくれない、繊細さのカケラもねえあいつらと?」
アニ「……」
ミカサ「ジャン! ライナーとベルトルトはともかく、エレンは繊細さのカケラくらいは持っている! 訂正して!」
ジャン「なあミカサ。あの死に急ぎ野郎を信頼するのは結構な……………………結構、羨ましいな…………ちくしょうめ………………」グスッ...
アルミン「ジャン! しっかりして! 今いいところだから!」ユサユサ
ジャン「……結構なことだが、あれを見てもそう言えるのか?」

118 : ◆H4iwFNXQsw:2013/12/18(水) 19:50:20 ID:vthibp/6
エレン「おーいアニ! 俺たちの仲間になってくれ! 頼む!」
ライナー「ダメだエレン、そんな言葉だけじゃあいつの心に響かん! ーーアニ、俺たちの側についたら夕食のパンはお前にやろう!」
サシャ「ください!」ピョンッ
ライナー「うおっ!? い、いや、俺はアニにくれてやると言ったんであって、お前にはーー」
サシャ「いいじゃないですかライナーの上着を叩くと食べ物がいっぱい出てくるんだからパンの一つや二つくらいでケチケチしないでくださいよ!! ください!!」ペチペチペチペチ
コニー「俺も欲しい! くれ!」ペチペチペチペチ
ライナー「こら、纏わり付くんじゃない! 離れろって!」ジタバタジタバタ
ベルトルト「ええっと……アニー、味方になってよー」フリフリ
アニ「……」
ミーナ「あーらら」
ミカサ「くっ……どうしてみんなお馬鹿さんになってるの……!? こんな時に限って……!!」ギリッ...

119 : ◆H4iwFNXQsw:2013/12/18(水) 19:51:35 ID:vthibp/6
ジャン「ほらアニ見ろよ。あいつらは物で釣ったり、一方的に要求することでお前を味方にしようとしてる。……お前自身の気持ちを聞こうともせずにな」
アルミン「その点、僕たちは彼らとは違う。もし君が本当にクリスタ王国の建設に携わりたいのなら、僕たちはそれを止めやしないよ。どこにだって、好きなところに行けばいいさ」
ジャン「俺たちはな、お前自身の境遇や気持ちをきちんと考えた上で、俺たちの仲間になることが最善だって提案してるんだ。ーーさあアニ、どうする?」
アルミン「こんな僕たちに……君の力を貸してくれないかな」
アニ「私の、力……」
ミカサ「アニ、騙されてはダメ。この二人が言ってることはかなり適当」ユサユサ
アニ「……本当に、こんな私でも役に立てるの?」
ジャン「ああ、もちろんだ」
アルミン「むしろ君が要といっても過言ではないよ」
アニ「要……?」キュンッ...
ミカサ「アニ、こっちを向いて。うっとりしないで」ユサユサユサユサ

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