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キモオタ「我輩がおとぎ話の世界に行くですとwww」ティンカーベル「そう」
Part166


89 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/11/21(月)00:53:39 ID:xUS
雪の女王「そういうことだよティンカーベル。昔この宮殿は私にとってただの住処だったが…今ではかけがえのないものだ」
雪の女王「だから君達にはそれを守って欲しい。頼めるね?」
ティンカーベル「そういうことなら…わかったよ!でもホントに女王と白鳥とチビっ子コスプレイヤーだけで大丈夫?」
親指姫「誰がチビっ子コスプレイヤーだ!貴様のような虫よりは剣の腕は確かだ!」
雪の女王「大丈夫だよティンカーベル。私を誰だと思っているんだ?私が女王と称される所以、見せつけてきてやるさ」クスクス
ティンカーベル「わかった、そこまで言うなら私はこっちに残って宮殿とカイを守るよ!」
カイ「宮殿の事は何があろうと守ってみせっからよぉ、そっちは任せたぜ、雪の女王」
雪の女王「あぁ、それじゃあよろしく頼むよカイ。あの子たちが帰ってくる場所、きっと守り抜いてくれ」
カイ「任せろ。ここが無くなっちまったらシスコンと甘党と童話マニアが行く場所なんざねぇからな。兄代わりとしてそんくらいはしてやるか」
雪の女王「それじゃあ私達はそろそろ向かおう。あぁ、それとキモオタ…君にはひとつ言っておかないとな」
キモオタ「ほうwwwなんでござるかな?www」
雪の女王「私はアリス達に負けるつもりなどさらさらない、必ず侵入者を追い払って帰ってくる。だが仮に、仮に私に何かあった時は…私の家族を頼むよ」
キモオタ「ちょwww女王殿wwwそういうのは現実世界では死亡フラグと言って、口にすると死ぬ奴なんでござるよwww」
雪の女王「ふふっ、そうなのか?それは困るな」クスクス
キモオタ「故にその頼みは聞けないでござるwww絶対に戻ってきていただき、女王殿自らの手で家族を守ってもらいたいwww」
雪の女王「確かにそれが道理だな、私とした事が少し弱気な発言だったかな」フフッ

90 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/11/21(月)00:56:26 ID:xUS
雪の女王「さぁ、では向かうとしようか親指姫、白鳥。私達の世界を脅かす侵入者の元へ!」
ガチャッ バッ
ティンカーベル「……行っちゃったね。でも女王なら大丈夫だよね!私達は約束通りこの宮殿をバッチリ守ろう」
キモオタ「しっかしwwwカイ殿はクールというか物分かりがいいというかwwwヘンゼル殿ならさっきの場面で絶対に食い下がっておりますぞwww」
カイ「あのシスコンと一緒にするんじゃねぇよ。どーでもいいがあいつはグレーテルを人質に取られたら躊躇なくアリス側に着くぞ、多分な」
キモオタ「ちょwwwそんなわけないでござると擁護したいのは山々でござるがwww反論できないwww」
ティンカーベル「でも親指姫と白鳥がいるっていってもほとんど女王一人みたいなもんじゃん?大丈夫だとは思うけどやっぱりちょーっと心配だなぁ…」
カイ「大丈夫だろ。むしろあいつは一人の時が一番強い」
キモオタ「んっ?それってどういう事でござるか?」
カイ「俺たちと接してる時やお前達との特訓の時の女王の能力なんざほんの一部だ。普段は相当抑えてるんだぜ、あれ」
ティンカーベル「えーっ!?っていう事は力のセーブが必要無い本気の戦いになったら女王はもっと強いって事?」
カイ「そうだな、つーかそんな驚く事かよ。当然と言えば当然だろ?」
カイ「あいつは冬を司る魔女…『雪の女王』なんだからよ」

91 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/11/21(月)00:59:06 ID:xUS
雪の女王の世界 雪原
パカラッパカラッ
トナカイ「ゲルダさん!後ろはどうですか!?まだ連中は追って来ていますか!?」パカラッパカラッ
ゲルダ「ううん、大丈夫。もう姿は見えないわ、どうやら私達なんとか逃げ切れたみたい」
トナカイ「そうですか、まずは一安心…と言ったところでしょう」
ゲルダ「そうね。でも…何だったのかなあのトランプの化け物達…」
トナカイ「突然の襲撃で逃げるのが精いっぱいでしたからね、考えている余裕ありませんでした。確かに連中は一体何者なんでしょうね」
ゲルダ「あんなのが出没するならきっと噂になってるはずだけど、前の村でもそんな話聞かなかったし…それにあんなのが出るなら山賊ちゃんが教えてくれただろうし」
トナカイ「私もそんな話は聞いていませんからね…そもそもあれは獣にも人間にも見えませんでしたよ」
ゲルダ「だよね…きっと魔法の力で生み出された存在とかだと思うけれど」
トナカイ「おそらくそうでしょう。トランプの姿をしていた以上、自然発生した精霊や魔獣の類とは考えられません」
ゲルダ「じゃあ魔女や魔法使いに生み出されたって事になるけど、そしたら私達を襲ったのもその人の命令って事になるよね。一体、誰がそんなこと…」
トナカイ「……まさか、とは思うのですが。例の、カイさんを連れ去ったという魔女では?」
ゲルダ「雪の女王…」

92 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/11/21(月)01:03:21 ID:xUS
トナカイ「私達は女王の宮殿へ向かっている。まだまだ道程は長いですが着実に近づいてはいます」
トナカイ「カイさんの奪還を阻止するべく、ゲルダさんに刺客を差し向けたという事も…」
ゲルダ「…その可能性もあると思う、でも本気で私を諦めさせたいならいくらでも私を殺したり遭難させる手段を雪の女王は持っているもの」
ゲルダ「あんな怪物を造って足止めするなんて回りくどいこと…それに今まで何もされなかったのに急にそんなことするかな?」
トナカイ「うーむ…謎は深まるばかりですね。……っ!」ザッ
ゲルダ「トナカイさん?どうかした?」
トナカイ「前方に生き物の気配を感じます。…いや、徐々にこちらに近づいていますからもうゲルダさんにも見えるでしょう」
ゲルダ「……さっきのトランプの化け物と同じ姿!それにさっきよりも数が多い…!」
トナカイ「迎え撃つにもあの数だと私の角では倒しきれません、かといって来た道を戻れば挟み撃ちにされる可能性も……クッ、進むも危険引くも危険。どうすればいいのだ…!」
ゲルダ「……引くわけにはいかないもの、ここは覚悟を決めて敵の群れを突っ切ろう、トナカイさん」
トナカイ「し、しかし…どう足掻いても全員を倒しきることは不可能。むしろ背中に乗っているゲルダさんを危険にさらすことになります」
ゲルダ「大丈夫、私に考えがあるの。それに退いても何の解決にならない、私は前に進まなきゃいけないんだから…怖がってなんかいられない!」
ゲルダ「カイ君を取り戻すためには後ろなんか向いてちゃいけない、下を向いて泣いててもダメなの、覚悟を決めて前を向かなきゃ…私の親友を取り戻せない!」
トナカイ「……わかりました。ゲルダさんを信じて従いましょう、しっかりつかまっていてくださいよ!」

93 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/11/21(月)01:06:09 ID:xUS
今日はここまでです
基本一人旅だけど協力者はそこそこいるゲルダちゃん
さぁトランプ兵を返り討ちにしてやろうぜゲルダちゃん
次回をお楽しみに!

94 :名無しさん@おーぷん :2016/11/21(月)01:12:25 ID:2Wc
おっつー
女王とおはなしウォッチで話せる関係になれたかなー?と思ってたけど
断ったにしても家族を託されるとかすげぇ信頼じゃん、今なら話せるな!

96 :名無しさん@おーぷん :2016/11/22(火)13:33:28 ID:cIj
乙です
キモオタは心がイケメン

106 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/11/28(月)01:13:48 ID:SaL
パカラッパカラッパカラッ
トナカイ「敵の群れはもう目の前です!何をするつもりか知りませんが…準備はよろしいですね、ゲルダさん!」パカラパカラッ
ゲルダ「うん、いつでも大丈夫!きっと、きっとうまくいく!トナカイさんはとにかく出来るだけ早く走り抜けて!」ギュッ
トナカイ「そう仰るのならそう致しましょう!このまま私に出せる最高速度で奴等のに突っ込みますよ!」パカラパカラッ
ザッザッザッザッザッ
トランプ兵1「…EnemyDiscovery」ウィーン
トランプ兵2「Target Lock-on Rewdy…。……!?」
トナカイ「おおおおぉぉぉっ!死にたくなければ去るが良い!立ちはだかるならば覚悟せよ!」パカラッパカラッパカラッ
トランプ兵達「Emergency! Warning! Warning!」ザワザワ
トナカイ「私はこの方を雪の女王の宮殿へと導くのだ!私達の障害となるのならばこのまま踏みつぶす…!」ドドドドッ
ドゴォ!
トランプ兵達「「「…error」」」ドサドサッ

107 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/11/28(月)01:15:39 ID:SaL
ゲルダ「すごい…!たった一度の突撃で化物の群れを蹴散らすなんて…」
トナカイ「油断なされぬよう!今の一撃で全ての化物を倒せたとは思えません!十分に警戒をーー」
トランプ兵3「Discovery…Gerda」ガチャッ
トランプ兵4「Target Lock-on…!」ババッ
トナカイ「くっ、やはり倒し損ねた敵がゲルダさんを狙って…!御注意を!」
ゲルダ「大丈夫…私はこんなところで負けない!今までどんな苦境も逆境も乗り越えてきたんだものーー」スチャッ
トランプ兵5「Attack staeted…!」ババッ
ゲルダ「絶対に私は…カイ君を取り戻す!そのためだったら何だってするんだから!」ブンッ
ビチャー
トランプ兵「……?」グッショリ
トナカイ「トランプの化け物に何かの液体を…いや、この匂いは酒…!アルコールですか!」
トランプ兵「……!! Emergency! Emergency!」ザワザワ
ゲルダ「あなた達がその姿の通り『トランプ』だっていうのなら…動いていようと大きかろうと結局はただの紙切れよ!だったら炎は何よりも怖いでしょう!?」シュッ
トランプ兵3「Gyaaaaaa!!!」ボボッ!メラメラメラ!!
ゲルダ「彼の後を追いたくないなら道を開けて!それでも消し墨になることを望むならかかってきなさい!」キッ

108 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/11/28(月)01:17:11 ID:SaL
トランプ兵3「Guwaaaaaaaa!!!」メラメラ
「Emergency!Emergency!」ザワザワ
「HI WA YABAI MAJI DE YABAI!!」ドヨドヨ
「GERDA MAJI KOEEEEEEE!!!」ドタバタ
ゲルダ「トナカイさん!トランプの化け物が慌ててる今のうちに突っ切っちゃって!」
トナカイ「承知しました!振り落とされないようにご注意ください!」
パカラッパカラッ
トナカイ「……これくらい距離をとれば大丈夫でしょう。どうです?奴等は追ってきますか?」パカパカ
ゲルダ「ううん、全然見えない。きっとそれどころじゃないと思う、すごく慌ててたから。余程炎が怖いのね」
トナカイ「そのようですね。まずは一安心ですが…このまま次の村を目指しましょう、道中にとどまるのは危険です」
ゲルダ「ごめんね、トナカイさん昨日も歩き続けて疲れてるのに」
トナカイ「いえいえ、私はこう見えてスタミナには自信あるんでね。ゲルダさんこそ私の背中で眠ってもらって構いませんよ」
ゲルダ「ううん、起きてる。またトランプの化け物が襲ってくるかもしれないし」
トナカイ「それもそうですね…。しかし先ほどは驚きましたよ!ゲルダさん見かけによらず勇敢ですよね、それにお酒なんかどこで手に入れたのですか?」
ゲルダ「えーっとね……実は前に山賊ちゃんのお世話になった時にね?その……親分さんの秘蔵のお酒を一本……その、えっと、借りちゃったの」エヘヘ
トナカイ「……それ、無断でですよね?」
ゲルダ「えへへ、うん。無断で借りちゃった」エヘヘ

109 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/11/28(月)01:19:05 ID:SaL
トナカイ「ゲルダさんって、可愛い顔して実は相当強かですよね」
ゲルダ「強かじゃないと女の子は一人旅なんかできないよ、それに一応山賊ちゃんには許可もらってるよ?」
トナカイ「あの方に許可もらったところで…。確かに女性の一人旅は危険ですから強くならなければならないという部分には同意ですけれど」
ゲルダ「そうだよ。カイ君の両親も他の友達もみんな諦めたけど…私はカイ君を絶対に連れて帰るって決めたから、あの頃みたいに村で平和に暮らしたいから」
ゲルダ「だから私は強くならなきゃいけないんだ、どんな時でも泣かないし強敵にも立ち向かう。だから相手が雪の女王でも私は…怯まずに立ち向かう覚悟だよ」
トナカイ「ゲルダさん、それはやめておきましょう。雪の女王には敵いませんから」
ゲルダ「そんなの、やってみないとわからないわ。私、山賊ちゃんにちょっぴりだけどナイフの扱いも教わったし…」
トナカイ「あの方に貰ったそんなちっぽけなナイフで叶う相手じゃありませんよ。雪の女王は冬の支配者…人間が喧嘩を売っていい相手ではないのです」
トナカイ「あなたの目的はカイ君の奪還ただ一つ、決して女王を倒すことが目的ではないのです。そこを履き違えてはいけません」
ゲルダ「……」
トナカイ「ゲルダさんは雪の女王が憎いですか?」
ゲルダ「…憎いよ。私の一番の友達を連れ去ったんだもん、憎いに決まってるよ」
トナカイ「そうですか。でもカイ君を取り戻すために何でもするというのなら、まずはその感情を抑え込みましょう」
トナカイ「その憎悪はカイ君を取り戻すためには不要なものですから」

110 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/11/28(月)01:20:40 ID:SaL
トナカイ「女王の宮殿に忍び込み、気づかれないようにカイ君を奪還する。これがあなたが取るべき行動です、戦闘は絶対に避けるべきです」
ゲルダ「……うん、そうだよね。仕返しをすることが目的じゃないんだもんね…わかってるよ、わかってる…」
トナカイ(頭では解っていても憎しみは抑えられないといったところでしょうか…。まだ若い彼女が感情を抑えきれないのは仕方ないのかもしれません)
トナカイ(そもそも何の準備も無く村を飛び出すような子ですからね、なにをするかわかりません。行動を共にしている私がキチンと気を配ってあげなければ…)
トナカイ「ゲルダさんはやはり少し眠っておいてください。まだ次の村までは少し距離がありますから、何かあればすぐに声を掛けますよ」
ゲルダ「私だけ休むなんてできないよ、トナカイさんに無理させているのに」
トナカイ「私はともかくあなたが倒れたら誰がカイ君を取り戻すのですか?彼を助け出したいなら体力を温存しておいてください」
ゲルダ「…でも」
トナカイ「私も山賊のお嬢さんも…あなたに手を貸した王族の方々も。皆があなたの旅の成功を祈っているのです」
トナカイ「皆さんの祈りを無駄にしないように、休める間に休んでおきましょう」
ゲルダ「…そうだね、休めるときに休んでおくことも大切かもしれないね」
トナカイ「そうですとも。ささ、私の背中はモフッモフですしから寝心地はそこそこのハズですよ」
ゲルダ「……っ!」
トナカイ「ゲルダさん?どうかしましたか?」
ゲルダ「残念だけど休む余裕なんか無いみたい…!トナカイさん!上よ、空の上…!何かが降りてくる…!」

111 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/11/28(月)01:22:39 ID:SaL
トナカイ「なんと…!まさか空の上から襲いかかってくるような敵が…!?ゲルダさん飛ばしますよ!とにかく距離をとりましょう!」バッ
ゲルダ「わかった!しがみ付いてるから出来るだけ速く走って!」
バッサバッサ
ハートの女王「フン、意外と早く気付きおったな。強襲を掛けるのも面白いと思ったが…まぁよい。手を変えるぞグリフォン、追え」
グリフォン「グリフォオオォォォォォ!!」バッサバッサ
パカラッパカラッ
ゲルダ「なんなのあの化物…!あんな生き物見たことが無い…!」
トナカイ「信じられません…!まさかあの伝説の怪物が実在するとは…!」パカラッパカラッ
ゲルダ「あの怪物の正体を知っているの?トナカイさん!」
トナカイ「はい…!あれはグリフォンと呼ばれる怪物!御覧のように鷲の上半身と翼、そして下半身はライオンという異形の獣!」
ゲルダ「グリフォン…!なんでそんな生き物が私達のところに…」
トナカイ「伝説上の獣が実在するという事にも驚きですが…おそらくグリフォンを操っているのは背に乗っている女!」
トナカイ「グリフォンを操る術を持つなんてあれは只者ではありませんよ!何者かまでは私にはわかりませんが…」
ゲルダ「私はあの人の正体もグリフォンのこともわからないけれど、けれど一つだけ確かな事があるわ」
トナカイ「そうですね…奴等は私達を襲おうとしている!ゲルダさん、今回ばかりは逃げの一手ですよ!あれはトランプの化物とは訳が違う!」

112 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/11/28(月)01:24:08 ID:SaL
パカラッパカラッ
ハートの女王「我がしもべ共を焼き払った娘だ、何かしらの応戦を試みて私を楽しませると思ったが…逃走を選択するか」
ハートの女王「えぇいつまらん!小娘を追いかけまわす程度では、私のストレスは収まらん!グリフォン、奴等の前方へ回り込め!」
グリフォン「グリフォオオオオォォォォ!!」ビュバッ
キキーッ
トナカイ「クッ…!一瞬で回り込まれるとは…なんという素早さだ!」
ハートの女王「こやつは我がしもべの中でも最速を誇るのでな、トナカイなんぞに後れをとるわけ無かろう。お前たちはもう逃げられぬ」
ゲルダ「教えて、あなたは一体何者なの?どうして私達を襲うの?さっきのトランプの化物もあなたがけしかけたの?」
ハートの女王「許可も得ずに私に質問攻めをするか、小娘。女王たるこの私に対して無礼な奴…首を刎ねてやろうか!」ギロリ
ゲルダ「女王…!?もしかしてあなたが、雪の女王なの!?」バッ
ハートの女王「私をあのような魔女と間違えるとは…!不愉快だ!予定とは少々異なるがここでお前を多少いたぶっても何の問題もあるまい。さぁ、出番だ我がしもべよ」スッ
ゲルダ「トランプ…!という事は、やっぱりさっきの化け物達は…!」
ハートの女王「小娘、寛大な私が貴様の質問に一つだけ答えてやる」
ハートの女王「貴様の想像通り、トランプ兵をけしかけたのは私だ。だがあれらは我がしもべのほんの一部に過ぎん」
バラバラバラ
ハートの女王「見せてやろう、真の王族が所有する軍事力というものを。さぁ立ち上がれ、そしてあの小娘を捕えよ!命を取らねば多少傷つけても構わぬ!」

113 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/11/28(月)01:26:13 ID:SaL
ザッザッザッザッ
トナカイ「トランプの束がさっきの化物に…!しかもざっと見積もって数倍…いいやそれ以上です!」
ゲルダ「もうお酒も残っていないのに…!トナカイさん、追手が居るかもしれないけどここは引き返しt」
ハートの女王「させぬ!退路を塞げ、我がしもべよ!」バラバラバラ
ザッザッザッザッ
トランプ兵達「「「Yes My lord」」」
ゲルダ「そんな…!これじゃあ引き返すことも、進むこともできない…!」
トナカイ「まずいですね…この数に囲まれては強引に突っ切ることも難しい…」
ハートの女王「フハハハッ!八方ふさがりとはこの事だな小娘、いいや…ゲルダよ!諦めて運命に身を任せよ!」
ゲルダ「私の名を…!どうして、どうして私の名前を知っているの!?」
ハートの女王「フン、お前を捕えた後に教えてやる。もっとも…意識を保っていられればの話だがな」
ゲルダ「……っ!」
ハートの女王「攻撃開始だ我がしもべ達よ!その身を、その魂を私の為に燃やしつくせ!」
トランプ兵達「「「Yes My lord」」」
ザッザッザッザッ
トナカイ「クッ、突破口も逃げ道も無し…万事休すですか…!」
ゲルダ「そんな…ここまで来れたのに…!こんなところで、こんなところで……!」
ハートの女王「さぁ攻め込み、追いつめよ!そして武を持って私への無礼を悔い改めさせよ!」
ゲルダ「このままじゃ…やられる!私を助けて…!カイ君…!」ギュッ
ヒュッ
トナカイ(何だ…?今、冷たい風が首元を過ぎたようn)
ビュオォォォ…ペキペキペキバキバキバキバキバキバキッ!!!
トランプ兵達「」カキーン

114 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/11/28(月)01:30:19 ID:SaL
トナカイ「トランプの兵隊が一人残らず凍りついている…!この大軍勢が一瞬で…!しかも私達は無傷…!」
ゲルダ「なっ、何…!?何が起こったの!?」
ハートの女王「チッ、見計らったようなタイミングで現れたな…だが女王たるこの私の邪魔をした事、万死に値する!その覚悟はできているだろうな……雪の女王よ!」
ビュオオオォォォォ…
雪の女王「……」
ゲルダ「……!あの人が雪の女王…!」
トナカイ「なんと神秘的で美しい女性だ…!あの方がこの軍勢を一瞬で無力化したというのか!」
雪の女王「……雪降りし地は等しく我が領土。人間如きが生み出した『トランプ』等という不格好な人工物などーー」スッ
パリーン!!
雪の女王「私の領土には必要ない」
ハートの女王「凍りついた我がしもべ共を一瞬で…!フン、どうやら魔力だけは有り余っているようd」
雪の女王「……」フッ
パキパキパキッ…!
グリフォン「グ、グリフォフォォ!?」カキーン
ハートの女王「なんだと…!?このだけ距離をとっているにもかかわらず凍らせることができるだと…!?」カキーン
ハートの女王「クッ、身動きがとれぬ…!貴様!今すぐにこの氷を溶かすのだ!魔女風情が女王たる私にこのような無礼を働いて許されると思っt」
雪の女王「……そこの女」
雪の女王「貴様、一体誰の許可を得て口を開いている?」

115 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/11/28(月)01:31:56 ID:SaL
ハートの女王「……っ!」ビクッ
ハートの女王(あっ、ありえぬ!この私が…女王たるこの私が魔女如きに…恐怖しているだと!?)
トナカイ「な、なんという魔力…!これが雪の女王の力だというのか!」
雪の女王「……そこのトナカイよ」ツカツカ
トナカイ「は、はいっ!」ビクッ
雪の女王「今回は不問にしてやる。そこの小娘を連れ、早々に立ち去れ」
トナカイ「しょ、承知いたしました。ゲルダさん、行きましょ…ってなんで降りちゃうんですか!?早く私の背中n」
ゲルダ「……あなたが雪の女王、なの?」
雪の女王「……小娘、会話を許可した覚えはないぞ」
ゲルダ「……っ!」ビクッ
トナカイ「ゲルダさんダメですって!ほら、早く行きますよ!」グイグイ
ゲルダ「放してトナカイさん!ねぇ、あなた雪の女王なんでしょう!?だって否定しないもの、そうなんでしょう!」
ゲルダ「私はゲルダという名よ!あなたがさらってしまった男の子は私の親友なの!だから、返して!私の大切なカイ君を…返して!」