キモオタ「我輩がおとぎ話の世界に行くですとwww」ティンカーベル「そう」 不思議の国のアリス編
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833 :◆oBwZbn5S8kKC :2017/07/04(火)04:31:35 ID:3Zr
ギャーギャー ワーワー
チェシャ猫「ラプンツェル…。やはりあの魔法の髪の毛は厄介だ。それに馬鹿な奴には常識が通用しない、その点も脅威といえよう……」
チェシャ猫「豚共と合流し損ねたという情報は得ていたが、やはり来たか…。奴の髪の毛と馬鹿さ加減は警戒する必要がある、一応アリスに報告しておくか…」スゥゥ
「待ってくれチェシャ猫!あの馬鹿女のせいで投石部隊は壊滅状態だ!少しでもいい、増援をまわしちゃもらえねぇか!?」
チェシャ猫「難しい相談だ、これ以上ここの防衛に人員を割けば城内の守りが手薄になる」
「し、しかし…」
チェシャ猫「案ずる事など無いだろう。確かに投石部隊はもうまともに機能しないだろうが、数の理はまだこちらにある。やりようによってはいくらでも戦える」
チェシャ猫「それに…こちらに応援を向かわせれば必然的にアリスの負担が大きくなる。それは諸君らの望まぬ事だろう?」
「確かに自分達のミスをアリスさんに押しつける形になるのは避けたい…」
チェシャ猫「ならばこの場は諸君らで食い止めよ。アリスも諸君らの活躍を期待している事だろう、頼りにしているぞ」
「アリスさんが俺達に期待を…!わかりました!決死の覚悟でこの場は死守します、アリスさんの願いの為にも!」
チェシャ猫「頼もしい返事だ、アリスも喜ぶだろう。では私は持ち場へ戻る、後は諸君らに任せるとしよう」スゥッ…
チェシャ猫(返事だけは一人前な連中だ。まぁこんな連中でも利用価値がある以上は持ちあげてやるさ、利用価値があるうちだけはな)
チェシャ猫(やれやれ、まったくアリスは何故こんな雑魚共まで大切にするのやら…理解に苦しむ。雑兵は使い捨てが効く事が一番の利点だろうに…)
チェシャ猫(まぁいい、忠誠心の強い連中は便利だ。槍にでも盾にでもなる、生かして置いて損は無い)
834 :◆oBwZbn5S8kKC :2017/07/04(火)04:32:46 ID:3Zr
孫悟空「まぁ、なんだ…多少納得いかねぇ部分はあるがお前のおかげで窮地を脱せたぜ、ありがとうなラプ公」
ラプンツェル「どういたしまして!」エッヘン
孫悟空「それでだな、ラプ公。もう一つ頼まれごとを引きうけちゃくれねぇか?」
ラプンツェル「んー?もちろん良いけど、なにすればいーの?」
孫悟空「こいつを…青い鳥をどこか安全な場所へ運んでやっちゃくれねぇか?ロック鳥ならこいつを背に乗せてもなんとか飛べるだろ?」
ラプンツェル「んっと、ちょっと待ってね?どうかなロック鳥、大丈夫そう?……うん、わかった!ギリイケるって言ってる!」テテーン
孫悟空「そうか!じゃあ悪ぃがこいつの事頼むな。俺はそろそろ下に降りて玉龍の助太刀してやらねぇといけねぇし」
ラプンツェル「わかった!おーぶねに乗ったつもりでラプンツェルさんに任せなさい!」フンスッ
孫悟空「さっきの有様見てるとイマイチまかせっきりにできねぇんだが……まぁ、頼んだぜ」
青い鳥「……待ってくれ、孫悟空」
孫悟空「あぁ?どうした?」
青い鳥「…あの様子じゃあ僕は遅かれ早かれチェシャ猫に始末されていただろう。だから助けてくれた事、感謝してる」
孫悟空「ヘヘッ、良いって事よ。礼を言ってもらう為に助けた訳じゃねぇし、お前が攻撃されちまった一因は俺にあるしな」
青い鳥「それで…なんだ、なんていうのかな。さっき、君が言っていた話。あれは信じても構わないのか…?この戦いが全て終わったらーー」
孫悟空「天竺への旅に同行しねぇかって話か?おう、もちろん信じてくれて構わねぇぜ!あたりまえじゃねぇか」ニッ
835 :◆oBwZbn5S8kKC :2017/07/04(火)04:34:52 ID:3Zr
青い鳥「そうか、そう言ってもらえると…嬉しいよ」
孫悟空「その代わりウチの連中はやかましいぜ?玉龍はあんなだし八戒は五分に一度飯の催促するんだ。悟浄は影薄いしお師匠は頭が薄いってな、なんつっても坊主だからよぉ」ハハハ
孫悟空「でもよぉ、あそこならきっとお前も変われるぜ。少なくともアリスの所にいるよりはお前自身が心の底で望んでる姿に近づけるはずだ」
青い鳥「そうか、そうだといいね。そしていつか、いつになるかわからないけれどチルチルとミチルと……もう一度話をしないとね」
孫悟空「まっ、それもこれもアリスをとっちめなきゃあ話にならねぇ。つぅわけだ、俺はそろそろ行くぜ?じゃあラプ公、あとは任せるぜ!んじゃあお前ら、また後でな!」
ラプンツェル「うんうん、わかったよー!じゃあ行こっか青い鳥っ!ロック鳥の背中に乗って乗ってー」
・・・
孫悟空「さぁて……少しばかり青い鳥と話し込みすぎちまったぜ。今までサボっちまった分、今から取り変えさねぇとなぁ」シュタッ
「孫悟空の奴が降りてきたぞ!警戒しろ!大勢で取り囲んで逃がすな!」
「おう!こっちも被害はあったが分身もいくらか始末できたからな、そのうえ孫悟空は消耗してる!さっさと倒しちまおうぜ!」
「これ以上好き勝手はさせられねぇ!一気に押し潰すぞ!」
孫悟空「テメェ等、なぁんか勘違いしてやがるなぁ…?俺達が苦戦してたのはあの投石部隊と馬鹿デカイ青い鳥の相手をしなきゃならなかったからだぜ?つまりよぉ……」
孫悟空「テメェ等だけに集中できるってぇんなら、何十人束になって掛ってこようが俺は微塵も負ける気がしねぇ!」
孫悟空「さぁて…最後になっちまうだろうがその目にしかと焼き付けな、【西遊記】の孫悟空の武勇って奴をよぉ!んじゃあ行くぜぇ!伸びやがれッ、如意棒オォォ!!」シュバッ
836 :◆oBwZbn5S8kKC :2017/07/04(火)04:40:54 ID:3Zr
ハートの女王の城前 上空 ロック鳥の背中
ラプンツェル「ねぇねぇ、さっきから気になってたんだけど…すっごく顔青いよ?大丈夫?もしかしておなかいたい?」
青い鳥「……青いのは元々だ。身体はあちこち痛いけど、翼を動かさなくていいから少しは楽だよ」
ラプンツェル「そっかー、でもどうしよっかー?悟空は青い鳥をどっか安全な所に連れてったげてって言ってたけど、どこが安全かな?ロック鳥、わかるー?」
ロック鳥「ルォー…?」
青い鳥「ラプンツェル、君はハートの女王の城を目指しているんだよね?」
ラプンツェル「そうだよ!みんなと合流し損ねちゃってさ、遅刻しちゃったけど…多分みんなここにいるよね!」
ラプンツェル「それにね、前に友達と約束したの。その約束を守る時が今だから…私は絶対にお城に行かなきゃいけないの、そんでもってシンデレラを取り戻すの!」
青い鳥「だったら…僕も連れて行ってくれ。僕なら城の中も知ってるから道案内できるし、シンデレラが居るはずの場所も見当がつく」
ラプンツェル「道案内してくれるって事だ!やったね!あっ…でも、悟空との約束もあるしなぁ…」
青い鳥「いいよ、僕がそうしてくれって言ったらいい」
ラプンツェル「えー、ホントにいいの?結構ボロボロだけど、辛くない?」
青い鳥「平気だよ。それに今頃孫悟空はあの軍勢相手に戦ってるんだ、僕だけ安全な場所で時間が過ぎるのなんて待っていられないよ」
837 :◆oBwZbn5S8kKC :2017/07/04(火)04:41:33 ID:3Zr
ラプンツェル「そっか、わかった!それじゃあお手伝いしてもらうね!」
青い鳥「といっても、僕にできる事といえば道案内だけだけど」
ラプンツェル「それだけでも十分だよー!それで、えっと…シンデレラが良そうな場所知ってるって言ってたよね?それって、どこなのかなー?」
青い鳥「今頃、シンデレラは桃太郎と戦っているはずだ。そしてその戦いの舞台はきっと、城にあるダンスホール」
ラプンツェル「あっ、それってぶとーかいとかする広いお部屋?」
青い鳥「そうだ、シンデレラが速度という武器を生かすにはあそこが一番適しているから」
ラプンツェル「なるほどー!んじゃあ私達はそのダンスホールに行けばいいんだね!ちなみにそれって、ここから見える?」
青い鳥「あぁ、丁度見える。ほら、あそこだ。広いテラスがある場所があるだろう?あそこがダンスホールだ」
ラプンツェル「りょーかい!それじゃあ早速あのお部屋に急ごうっ!早く桃太郎手伝ってあげなきゃだしシンデレラも助けてあげなきゃだよー!ねっ、ロック鳥?」
青い鳥「そうはいうけど、結構入り組んだ先にあるんだよあの部屋は。とりあえず、城門前に降りてくれるかい?そこから詳しい道順を説明するから」
ラプンツェル「? どうして?」キョトーン
青い鳥「えっ…どうしてって、何が?」
ラプンツェル「だってここからダンスホールは見えてるんだよ?だったらこっから行くのが一番早いでしょ?」
青い鳥「はっ…?あんた何言ってーー」
ラプンツェル「そんじゃあお願いね、ロック鳥!よーしっ、お友達の所までレッツゴー!」
ロック鳥「ルォォォッ!」バッ ビュバー
青い鳥「ちょ、ちょっと待って!あのテラスにおりようって事だよね?それにしちゃ速度出過ぎじゃないか!?まさか突っ込むつもりじゃないよな!?ちょ、ちょっと待ってって!待て!待てっつってるだろ!」
ビュバーッ
・・・
838 :◆oBwZbn5S8kKC :2017/07/04(火)04:42:21 ID:3Zr
今日はここまで 続きも出来次第アップしますー
うっかり寝落ちして変な時間の更新になってしまった、すまぬ…
次回
アシェンプテルの胸に突き刺さった悪魔の鏡の破片…ラプ桃にそれを溶かす事が出来るのだろうか?
次回もお付き合いください、ラプンツェルアホかわいい
840 :名無しさん@おーぷん :2017/07/04(火)15:42:25 ID:NO9
ラプンツェル来たーー!無事でよかった!
乙乙!
841 :名無しさん@おーぷん :2017/07/04(火)20:15:25 ID:3Rr
暗い雰囲気に明るい光をともすラプちゃんキター
848 :◆oBwZbn5S8kKC :2017/07/10(月)02:24:12 ID:GV5
ハートの女王の城 ダンスホール
アシェンプテル「ここはいつ来ても静かだな」カツンカツン
アシェンプテル(高い天井。豪奢な照明。この城内でも有数の広さを誇る女王自慢のダンスホール。非常に立派な造りだが、アリスが言うには本来の用途で使用される事は無いらしい)
アシェンプテル(なんでも女王は踊る事もそれを見る事もあまり好まないらしい。まぁ、あの性格ならばそれも納得だ。私が口出しすることではないが、少々もったいない気もする)
アシェンプテル「……」カツンカツン
アシェンプテル(ダンスホールは嫌いではない。私は踊る事もそれを見る事も好きだ、大勢の人々が集う賑やかなダンスホールでは自然と心まで踊りだす)
アシェンプテル(だがこうして静かなホールも嫌いではない、なんというか心が落ち着くのだ。特に常に賑やかなこの世界では貴重な独りになれる静かな場所。私のお気に入りの場所だ)
アシェンプテル「……いけないな」
アシェンプテル(ふと、愛した男の顔が頭をよぎる。我ながら情けない、あれはもう過去の男だ。今の私には必要の無い男だ)
アシェンプテル「この場所は好きだ。好きだが…どうしても余計な事を思い出す」
アシェンプテル(『未練など無い』私は自信をもってそう言いきれる。にもかかわらずふいに過去の事を思い出してしまう、それは主に愛した男であったり……かつての友人の事)
アシェンプテル「……まったく、不甲斐ない」フンッ
アシェンプテル(腹が立つ。私は…『アシェンプテル』は過去を捨てて歩んでいくことを決めた。それなのに『シンデレラ』は今も私の心にしがみついているのだ、往生際の悪い事に)
アシェンプテル「だがそれも時間の問題だ。私はこの戦いで過去を完全に断ち切る。『シンデレラ』もあの連中も、全てまとめて蹴り落とす…そう決めたのだからな」
849 :◆oBwZbn5S8kKC :2017/07/10(月)02:31:28 ID:GV5
ハートの女王の城 廊下
ライオン「も、もうすぐだよ桃太郎さん!この先が女王様のダンスホールだよ!」ダッダッダッ
桃太郎「いよいよか…。キモオタの予想だとシンデレラはそこにいるんだよな…」
ライオン「う、うん!それで、あの、もうそのまま進んじゃっても大丈夫かな?た、戦いの準備はできてる…?」ダッダッダッ
桃太郎「……」スッ
桃太郎(拙者はこれまで幾度となく戦って来た。盗賊やチンピラの類、猛獣…それと悪鬼。実力が追い付いていない者、拙者よりはるかに強い相手、それこそ色々な相手と刃を交えてきた)
桃太郎(でも、仲間と戦った事は一度も無い。正直な気持ちを言うならシンデレラと戦うのは怖い、恐ろしい。…それは大悪鬼の様な今までの強敵相手に感じた恐怖とは少し違うもの)
ライオン「も、桃太郎さん?も、もしも準備できてないなら一旦ここで止まって…支度を整えた方がーー」
桃太郎「いや、大丈夫。ちょっと他の事考えてた、ごめん。拙者は身も心も準備万端だから、そのまま進んでくれる?」
ライオン「わ、わかった!桃太郎さんがそう言うなら…!」ダッダッダッ
桃太郎(大丈夫、恐ろしい事なんか何もない。拙者はただ友達に会いに行くだけだ、心を蝕まれた友達を取り戻しに行くだけ)
桃太郎(大丈夫、大丈夫。舌切りも金太郎も食わず女房も…拙者を送り出してくれた。それに拙者がシンデレラの相手をすると言った時、キモオタも他の皆も誰一人反対しなかった)
桃太郎「皆、拙者の事を信じてくれた。拙者なら、シンデレラを…友を取り戻せると信じてくれた。それなら出来ない道理が無い」
桃太郎(それに拙者にはシンデレラを悪魔の鏡の破片から解放する策がある。拙者の治癒能力じゃ魔力は消せない、だったら魔法具に対抗するにはーー魔法具だ)
桃太郎(これが…この刃があれば、拙者はシンデレラに巣くう悪しき魔力と憎しみの心を斬り伏せる事が出来る)
850 :◆oBwZbn5S8kKC :2017/07/10(月)02:36:56 ID:GV5
ハートの女王の城 ダンスホール前
ライオン「つ、着いたよ桃太郎さん…。こ、ここが目的の場所だよ」スッ
桃太郎「うん、ありがとうなライオン。お前のおかげでここまで迷うことなく来れた、拙者一人じゃこうはいかなかっただろうし…感謝してるぞ」モフモフ
ライオン「え、えへへ…。桃太郎さんの役に立てたなら、僕は嬉しいよぉ〜。で、でも本当にシンデレラさんはここにいるのかな…?」
桃太郎「多分、この扉の向こうにシンデレラは居る。人の気配を感じるからな、それも一人だけ。それで……ライオンは、どうする?」
ライオン「えっ?ど、どうするって…?」
桃太郎「シンデレラは今、悪魔の鏡の破片に精神を侵されてる。この扉を開けば戦いは避けられない…もしもお前が戦いたく無かったり、ドロシーが心配でそっち行きたいっていうならーー」
ライオン「だ、大丈夫…!ドロシーちゃんにはキモオタさんがついてくれてるし…ここまで来たら僕も桃太郎さんと一緒に…た、戦うよ!」
桃太郎「そうか!一緒に戦ってくれるっていうなら心強い!いやー…実は一人で戦う事になったらどうしようかなってちょっと思ってた」ハハハ
ライオン「あはは…。あっ、でも僕、デカイ図体してるくせに見かけほど強くないしシンデレラさんより遅いしで役に立てないかもだし、むしろ足引っ張るかも…」
桃太郎「ちょ、ちょっとお前そう言う後ろ向きな事言うのやめろって!拙者までなんかつられちゃうだろ!」
ライオン「ご、ごめん…」
桃太郎「大丈夫だって、拙者もお前も数日前よりずっと戦えるようになってる。気持ちが後ろ向いちゃってたらさ、うまくいくもんもいまくいかないって」
桃太郎「戦う前から後ろ向いてちゃ斬るべきものも斬れないし斬らなくていいものまで斬っちゃうしさ。だからさ、こう…しっかり前向いて行こう!そうすりゃ結果もついてくるって!」
851 :◆oBwZbn5S8kKC :2017/07/10(月)02:41:43 ID:GV5
ライオン「うん、うん…そうだよね!前向きに、ポジティブにいかなきゃだよね!」
桃太郎「そうそう!拙者達は見事シンデレラを救いだして、そんでアリスもなんとかして消えた世界も取り戻すんだ。そしたら一緒に舌切りのとこに報告に行こうな」
ライオン「うん、そうしよう。僕も舌切りさん達にいろいろとお礼もしたいから…」
桃太郎「その為にもまずはシンデレラを救わなきゃな。それじゃあ扉、開けるぞ…?」スッ
ライオン「う、うん…!」
ギィッ…バターン
アシェンプテル「……あぁ、ようやくの到着か。遅かったじゃあないか桃太郎?」
桃太郎「……随分と待たせてしまったみたいだな、シンデレラ」スッ
アシェンプテル「ああ、すっかり待ちくたびれてしまったよ。あまりに遅いものだから怖気づいて逃げだしたのかと思っていたところだ」フフッ
桃太郎「あいにく、友を見捨てて逃げだす程…拙者は落ちぶれてはいない」
アシェンプテル「まだそんな事を言っているのかお前は…。まぁいい、だが友を大切にするのならばそのライオンを連れてきたのは間違いだったな」
桃太郎「間違い?一体、何を言っーー」
852 :◆oBwZbn5S8kKC :2017/07/10(月)02:58:25 ID:GV5
桃太郎「シンデレラが消えた…!攻撃が来るぞライオン…!十分に用心してくれ!」スチャッ
ライオン「わ、わかった…!」ジリジリ…
桃太郎(さぁ、どう出る…?シンデレラの狙いは当然拙者だ、だが先程の口ぶりから察するにライオンを攻撃する可能性も考えられる…!)
ヒュバッ ゴシュッ
ライオン「ぐうっ…!」ヨロッ
桃太郎「ライオン…!シンデレラ!お前の狙いは拙者だろう!?無関係のライオンを攻撃する必要がどこにある!」ヒュバ
ガキィィンッ
桃太郎(やはり厄介なのはガラスの靴…!硝子なんて脆いもんのハズなのに、宿った魔力のなせる技か…!)
アシェンプテル「無関係?あまり笑わせないでくれ桃太郎。戦う意思を持つ者が対峙した時点でここは既に戦場だ」スタッ
アシェンプテル「戦場に立っている以上、私の目の前にいる以上、そこにどんな理由があろうとも私の敵だ。殺意を向けるには十分な理由だ」
アシェンプテル「それとも『友達』の『シンデレラ』ならライオンを攻撃してこないとでも?それはあまりに甘い考えだな?」
桃太郎「クッ…!すまないライオン!今、傷を癒すからな!」ダッ
ガキィンッ
桃太郎「ぐっ…!邪魔をするなシンデレラ…!」ギギギ
アシェンプテル「だから笑わせるなと言っているだろう桃太郎?邪魔をするに決まっているじゃあないか。お前の治癒能力は厄介だからな」
853 :◆oBwZbn5S8kKC :2017/07/10(月)03:03:12 ID:GV5
アシェンプテル「お前は手をかざすだけでどんな傷でも癒せる、例え肉裂け骨折れる程の大怪我だとしても。そしてその能力を行使する上で代償を必要としない」
ヒュバッ ゴシュッ
ライオン「ぐあっ…!」ヨロッ
桃太郎「……っ!」
桃太郎(速すぎる…!ライオンへの攻撃、拙者の妨害、それを一度にこなせる身軽さ…ガラスの靴、知っちゃいたけどなんて恐ろしい魔法具だ…)
アシェンプテル「お前のそれは治癒を行う能力としては非常に優れたものだ。敵に回しては非常に厄介、ただ攻略する方法が無いわけじゃない。お前の能力のも弱点はある」スタッ
ライオン「ぜぇぜぇ……だから、僕を…殺そうっていう考え……?」ヨロヨロ
アシェンプテル「そうだ、桃太郎の能力では死者を蘇生する事は出来ない。それならば殺してしまえばいい、ただそれだけの事だ。そう、こんな風にーー」スッ
桃太郎「んな事おぉ…させるかぁぁぁ!!ライオンから離れろシンデレラァァ!!」シャキン
アシェンプテル「……っ!」ヒュッ
ライオン(な、なんで…?いままで桃太郎さんの攻撃を受けてたシンデレラさんが攻撃を避けた…?)
桃太郎「よし…!ごめんライオン!拙者が甘かった…すぐに治すからな!どっか特に痛いところあるか!?」パァァァァ
ライオン「そ、それは大丈夫だけど…。な、なんでシンデレラさんは桃太郎さんの攻撃を受けずにかわしたのかな…?」
桃太郎「きっと峰打ちじゃあ、なかったからだ。今までのシンデレラへの攻撃は全部、刀の刃がついて無い方でやってたけど。今の一撃は違う、刃のついている方で斬りつけた」
ライオン「そ、そうだったの…?」
アシェンプテル「あぁ、そいつは根性無しだからな。そんなヘタレに友人だと思っている相手を真剣で斬りつけるなんて出来るわけがないだろう」
アシェンプテル「思わずかわしてしまったが…真剣で攻撃をしてきたという事は、殺意を向けてきたという事は、お前は認めたという事だな桃太郎?」
アシェンプテル「私と、お前達の間にもう友情などという淡い絆は存在していないという事を」フンッ
桃太郎「……」
854 :◆oBwZbn5S8kKC :2017/07/10(月)03:09:39 ID:GV5
桃ンプテルの戦闘、今日はここまで
明日この続き更新します!なんか弱そうに見えるけど桃太郎は強いんですよ、本当ですよ
855 :名無しさん@おーぷん :2017/07/10(月)19:09:10 ID:0jc
おっしゃ頑張れ桃太郎!
じきにラプが突っ込んで来るぞw
シンデレラを助ける魔法具……多分アレだと思ってるんだけど、どうだ!?
858 :◆oBwZbn5S8kKC :2017/07/11(火)02:22:53 ID:1RM
アシェンプテル「これで理解しただろう?今、私とお前の間にあるのは殺意だけだ。『救う』だの『取り戻す』だのいくら口にしたところで、どちらかが死ぬまでこの戦いは終わらない」
ライオン「桃太郎さん…」
桃太郎「大丈夫だ、確かに下手を打っちゃったけども…ここから挽回すればいいんだ。ここからは常に相手の攻撃を警戒しよう、ライオン」チャキッ
ライオン「うん、わかった…。このままじゃあ僕、足引っ張ってるだけだ…。次こそ名誉挽回できるようにがんばらなきゃ…!」ガルルゥ…
アシェンプテル「…まだ心は折れていないという訳か。お前の事だからすぐに尻尾を巻いて逃げると思ったが…少し驚いたよ、桃太郎」
アシェンプテル(……実際のところは『少し』なんてものじゃない、私はこの男の行動に相当驚いている)
アシェンプテル(私が知っている桃太郎は剣術の腕は一級品だがそれを霞ませてしまう程に臆病で精神的に脆弱な男。そのくせ情に厚くて仲間を大切にする…甘い男だ)
アシェンプテル(だからこそ私はライオンを標的にした。先程自称していたように桃太郎は仲間を見捨てない見捨てられない、ライオンを手負いにするということは桃太郎の退路を遮断することと同義だ)
アシェンプテル(逃げるに逃げられない状況。自分が協力を要請したせいで手負いになった仲間。今もなお友だと思っている相手からの殺意。それらは桃太郎の脆弱な心をいとも容易く折る……と思っていた)
アシェンプテル(だがそれは違った。心が折れてしまうどころか、奴は私に対して刃を振るった。それは以前の桃太郎では考えられない事だ)
アシェンプテル(少なくとも私が知っている桃太郎ならば、容易く心が折れている。そして私に刃を向ける事など、決してできなかっただろう)
アシェンプテル(だというのに……少し会わなかった間に、随分と変わったようだ。特別な修業でも積んだか?あるいは何かしらの心境の変化か……)
アシェンプテル(どちらにしろ、目の前の侍は……私が思っているよりもずっと、一筋縄ではいかないのかもしれない)
859 :◆oBwZbn5S8kKC :2017/07/11(火)02:24:54 ID:1RM
アシェンプテル(……だと、してもだ。私の目的はただ一つ、相手が少々変わっていようと成すべき事は変わらない)
アシェンプテル(目の前で、まっすぐな瞳を私に向けてくる侍を始末すること。ただ、それだけだ)
桃太郎「……」ジッ…
アシェンプテル「どうした?随分と慎重になっているようだが…私を斬るのならば今が好機だぞ?一度駆けだせばもう、お前に私を捕える事は出来ないのだから」スッ
アシェンプテル「それとも後悔でもしているのか?『シンデレラ』を救うだ取り戻すだの言っておきながら、結局お前は私に刃を向けたのだからな」
アシェンプテル「お前は自ら、自分自身の目的を否定したのだ。『シンデレラ』はもういない、今の私は既に仲間ではなく…殺意を向けるに値する敵であるという事を、お前は認めたんだ」
桃太郎「いや、拙者はそんなつもりは無いんだけど…」
アシェンプテル「言い訳とは見苦しい真似を…。ならばお前は何故私に刃を向けた?傷つけ殺すため、それ以外の理由があるのか?」
桃太郎「なんていうか…こんな言い方したらお前は怒るだろうけどさ。拙者がお前に刃を向けた理由、それはお前を信じていたからなんだよ」
アシェンプテル「……流石にその戯言は笑えないな。敵を、信じるだと?」
桃太郎「さっき城の前で、拙者はお前の蹴りを受け止めた。その時、お前の実力は油断ならないものだって確信したんだ。でも、流石にそれだけじゃ本当の実力までは測りきれなかった」
桃太郎「だから峰打ちで戦ってたんだ。お前の本当の実力がわからないうちから真剣で斬りつけちゃ、怪我させるかも知れなかったからな」
アシェンプテル「ということは、まさかお前は…手加減していたのか?」キッ
桃太郎「いやいやいや!そんなもん出来る程余裕ないから!手加減って言うんじゃなくて、戦ううちにお前がどの程度の実力なのか理解できたっていうほうが正しいかもな」
桃太郎「だから拙者はあの時、真剣を振るってもお前ならきっと避けるって思えた。いや、お前なら絶対に避けるって確信が持てた、信じれた。だから拙者はお前に対して真剣を向けたんだ」
860 :◆oBwZbn5S8kKC :2017/07/11(火)02:27:49 ID:1RM
アシェンプテル「……私の力量も思考も、お前にはお見通しだったという訳か」
ライオン「す、少し戦っただけで相手の実力を測って次にとる行動まで予想しちゃうなんて…!やっぱり桃太郎さんはすごいや…!」
桃太郎「いやいや、凄くないって…本当ならお前がライオンを標的にする事の方を気づくべきだし。まだまだ未熟だって、拙者は」
アシェンプテル「そう謙遜するなよ桃太郎。敵の力量を見抜き行動を予測する…まるで本物の侍のようじゃないか」
桃太郎(えぇ…拙者も一応侍だけど…)
アシェンプテル「だが、それが出来たからといって勝てるわけじゃあない。そうだろう?」
桃太郎「あぁ。拙者だってこれでお前に勝ったつもりでいるわけじゃない、ただどうしても知っておいて欲しかったんだよ」
アシェンプテル「……」
桃太郎「拙者は、お前を…シンデレラを取り戻すのを諦めたから刃を向けたんじゃあない。例え友に刃を向けてでも、拙者はお前を取り戻す」
桃太郎「それにお前は知らないかもしれないけど、侍っていうのはな……目に見えないものだって斬っちまうんだよ」
桃太郎「心に潜む悪しき感情とか、恨み辛みとかさ…。心を縛って精神を蝕むーー魔法の力とか、さ」
アシェンプテル「聞くまでも無く、お前はシンデレラの奪還を諦めていないんだな?」
桃太郎「諦めるくらいだったらここまで来ないし、自分から『必ず取り返すから行かせてくれ』なんて大口叩かないよ」
桃太郎「拙者にはお前をキモオタ達の所に連れて帰る、それ以外の未来は無いんだよ」
ギャーギャー ワーワー
チェシャ猫「ラプンツェル…。やはりあの魔法の髪の毛は厄介だ。それに馬鹿な奴には常識が通用しない、その点も脅威といえよう……」
チェシャ猫「豚共と合流し損ねたという情報は得ていたが、やはり来たか…。奴の髪の毛と馬鹿さ加減は警戒する必要がある、一応アリスに報告しておくか…」スゥゥ
「待ってくれチェシャ猫!あの馬鹿女のせいで投石部隊は壊滅状態だ!少しでもいい、増援をまわしちゃもらえねぇか!?」
チェシャ猫「難しい相談だ、これ以上ここの防衛に人員を割けば城内の守りが手薄になる」
「し、しかし…」
チェシャ猫「案ずる事など無いだろう。確かに投石部隊はもうまともに機能しないだろうが、数の理はまだこちらにある。やりようによってはいくらでも戦える」
チェシャ猫「それに…こちらに応援を向かわせれば必然的にアリスの負担が大きくなる。それは諸君らの望まぬ事だろう?」
「確かに自分達のミスをアリスさんに押しつける形になるのは避けたい…」
チェシャ猫「ならばこの場は諸君らで食い止めよ。アリスも諸君らの活躍を期待している事だろう、頼りにしているぞ」
「アリスさんが俺達に期待を…!わかりました!決死の覚悟でこの場は死守します、アリスさんの願いの為にも!」
チェシャ猫「頼もしい返事だ、アリスも喜ぶだろう。では私は持ち場へ戻る、後は諸君らに任せるとしよう」スゥッ…
チェシャ猫(返事だけは一人前な連中だ。まぁこんな連中でも利用価値がある以上は持ちあげてやるさ、利用価値があるうちだけはな)
チェシャ猫(やれやれ、まったくアリスは何故こんな雑魚共まで大切にするのやら…理解に苦しむ。雑兵は使い捨てが効く事が一番の利点だろうに…)
チェシャ猫(まぁいい、忠誠心の強い連中は便利だ。槍にでも盾にでもなる、生かして置いて損は無い)
834 :◆oBwZbn5S8kKC :2017/07/04(火)04:32:46 ID:3Zr
孫悟空「まぁ、なんだ…多少納得いかねぇ部分はあるがお前のおかげで窮地を脱せたぜ、ありがとうなラプ公」
ラプンツェル「どういたしまして!」エッヘン
孫悟空「それでだな、ラプ公。もう一つ頼まれごとを引きうけちゃくれねぇか?」
ラプンツェル「んー?もちろん良いけど、なにすればいーの?」
孫悟空「こいつを…青い鳥をどこか安全な場所へ運んでやっちゃくれねぇか?ロック鳥ならこいつを背に乗せてもなんとか飛べるだろ?」
ラプンツェル「んっと、ちょっと待ってね?どうかなロック鳥、大丈夫そう?……うん、わかった!ギリイケるって言ってる!」テテーン
孫悟空「そうか!じゃあ悪ぃがこいつの事頼むな。俺はそろそろ下に降りて玉龍の助太刀してやらねぇといけねぇし」
ラプンツェル「わかった!おーぶねに乗ったつもりでラプンツェルさんに任せなさい!」フンスッ
孫悟空「さっきの有様見てるとイマイチまかせっきりにできねぇんだが……まぁ、頼んだぜ」
青い鳥「……待ってくれ、孫悟空」
孫悟空「あぁ?どうした?」
青い鳥「…あの様子じゃあ僕は遅かれ早かれチェシャ猫に始末されていただろう。だから助けてくれた事、感謝してる」
孫悟空「ヘヘッ、良いって事よ。礼を言ってもらう為に助けた訳じゃねぇし、お前が攻撃されちまった一因は俺にあるしな」
青い鳥「それで…なんだ、なんていうのかな。さっき、君が言っていた話。あれは信じても構わないのか…?この戦いが全て終わったらーー」
孫悟空「天竺への旅に同行しねぇかって話か?おう、もちろん信じてくれて構わねぇぜ!あたりまえじゃねぇか」ニッ
835 :◆oBwZbn5S8kKC :2017/07/04(火)04:34:52 ID:3Zr
青い鳥「そうか、そう言ってもらえると…嬉しいよ」
孫悟空「その代わりウチの連中はやかましいぜ?玉龍はあんなだし八戒は五分に一度飯の催促するんだ。悟浄は影薄いしお師匠は頭が薄いってな、なんつっても坊主だからよぉ」ハハハ
孫悟空「でもよぉ、あそこならきっとお前も変われるぜ。少なくともアリスの所にいるよりはお前自身が心の底で望んでる姿に近づけるはずだ」
青い鳥「そうか、そうだといいね。そしていつか、いつになるかわからないけれどチルチルとミチルと……もう一度話をしないとね」
孫悟空「まっ、それもこれもアリスをとっちめなきゃあ話にならねぇ。つぅわけだ、俺はそろそろ行くぜ?じゃあラプ公、あとは任せるぜ!んじゃあお前ら、また後でな!」
ラプンツェル「うんうん、わかったよー!じゃあ行こっか青い鳥っ!ロック鳥の背中に乗って乗ってー」
・・・
孫悟空「さぁて……少しばかり青い鳥と話し込みすぎちまったぜ。今までサボっちまった分、今から取り変えさねぇとなぁ」シュタッ
「孫悟空の奴が降りてきたぞ!警戒しろ!大勢で取り囲んで逃がすな!」
「おう!こっちも被害はあったが分身もいくらか始末できたからな、そのうえ孫悟空は消耗してる!さっさと倒しちまおうぜ!」
「これ以上好き勝手はさせられねぇ!一気に押し潰すぞ!」
孫悟空「テメェ等、なぁんか勘違いしてやがるなぁ…?俺達が苦戦してたのはあの投石部隊と馬鹿デカイ青い鳥の相手をしなきゃならなかったからだぜ?つまりよぉ……」
孫悟空「テメェ等だけに集中できるってぇんなら、何十人束になって掛ってこようが俺は微塵も負ける気がしねぇ!」
孫悟空「さぁて…最後になっちまうだろうがその目にしかと焼き付けな、【西遊記】の孫悟空の武勇って奴をよぉ!んじゃあ行くぜぇ!伸びやがれッ、如意棒オォォ!!」シュバッ
836 :◆oBwZbn5S8kKC :2017/07/04(火)04:40:54 ID:3Zr
ハートの女王の城前 上空 ロック鳥の背中
ラプンツェル「ねぇねぇ、さっきから気になってたんだけど…すっごく顔青いよ?大丈夫?もしかしておなかいたい?」
青い鳥「……青いのは元々だ。身体はあちこち痛いけど、翼を動かさなくていいから少しは楽だよ」
ラプンツェル「そっかー、でもどうしよっかー?悟空は青い鳥をどっか安全な所に連れてったげてって言ってたけど、どこが安全かな?ロック鳥、わかるー?」
ロック鳥「ルォー…?」
青い鳥「ラプンツェル、君はハートの女王の城を目指しているんだよね?」
ラプンツェル「そうだよ!みんなと合流し損ねちゃってさ、遅刻しちゃったけど…多分みんなここにいるよね!」
ラプンツェル「それにね、前に友達と約束したの。その約束を守る時が今だから…私は絶対にお城に行かなきゃいけないの、そんでもってシンデレラを取り戻すの!」
青い鳥「だったら…僕も連れて行ってくれ。僕なら城の中も知ってるから道案内できるし、シンデレラが居るはずの場所も見当がつく」
ラプンツェル「道案内してくれるって事だ!やったね!あっ…でも、悟空との約束もあるしなぁ…」
青い鳥「いいよ、僕がそうしてくれって言ったらいい」
ラプンツェル「えー、ホントにいいの?結構ボロボロだけど、辛くない?」
青い鳥「平気だよ。それに今頃孫悟空はあの軍勢相手に戦ってるんだ、僕だけ安全な場所で時間が過ぎるのなんて待っていられないよ」
837 :◆oBwZbn5S8kKC :2017/07/04(火)04:41:33 ID:3Zr
ラプンツェル「そっか、わかった!それじゃあお手伝いしてもらうね!」
青い鳥「といっても、僕にできる事といえば道案内だけだけど」
ラプンツェル「それだけでも十分だよー!それで、えっと…シンデレラが良そうな場所知ってるって言ってたよね?それって、どこなのかなー?」
青い鳥「今頃、シンデレラは桃太郎と戦っているはずだ。そしてその戦いの舞台はきっと、城にあるダンスホール」
ラプンツェル「あっ、それってぶとーかいとかする広いお部屋?」
青い鳥「そうだ、シンデレラが速度という武器を生かすにはあそこが一番適しているから」
ラプンツェル「なるほどー!んじゃあ私達はそのダンスホールに行けばいいんだね!ちなみにそれって、ここから見える?」
青い鳥「あぁ、丁度見える。ほら、あそこだ。広いテラスがある場所があるだろう?あそこがダンスホールだ」
ラプンツェル「りょーかい!それじゃあ早速あのお部屋に急ごうっ!早く桃太郎手伝ってあげなきゃだしシンデレラも助けてあげなきゃだよー!ねっ、ロック鳥?」
青い鳥「そうはいうけど、結構入り組んだ先にあるんだよあの部屋は。とりあえず、城門前に降りてくれるかい?そこから詳しい道順を説明するから」
ラプンツェル「? どうして?」キョトーン
青い鳥「えっ…どうしてって、何が?」
ラプンツェル「だってここからダンスホールは見えてるんだよ?だったらこっから行くのが一番早いでしょ?」
青い鳥「はっ…?あんた何言ってーー」
ラプンツェル「そんじゃあお願いね、ロック鳥!よーしっ、お友達の所までレッツゴー!」
ロック鳥「ルォォォッ!」バッ ビュバー
青い鳥「ちょ、ちょっと待って!あのテラスにおりようって事だよね?それにしちゃ速度出過ぎじゃないか!?まさか突っ込むつもりじゃないよな!?ちょ、ちょっと待ってって!待て!待てっつってるだろ!」
ビュバーッ
・・・
今日はここまで 続きも出来次第アップしますー
うっかり寝落ちして変な時間の更新になってしまった、すまぬ…
次回
アシェンプテルの胸に突き刺さった悪魔の鏡の破片…ラプ桃にそれを溶かす事が出来るのだろうか?
次回もお付き合いください、ラプンツェルアホかわいい
840 :名無しさん@おーぷん :2017/07/04(火)15:42:25 ID:NO9
ラプンツェル来たーー!無事でよかった!
乙乙!
841 :名無しさん@おーぷん :2017/07/04(火)20:15:25 ID:3Rr
暗い雰囲気に明るい光をともすラプちゃんキター
848 :◆oBwZbn5S8kKC :2017/07/10(月)02:24:12 ID:GV5
ハートの女王の城 ダンスホール
アシェンプテル「ここはいつ来ても静かだな」カツンカツン
アシェンプテル(高い天井。豪奢な照明。この城内でも有数の広さを誇る女王自慢のダンスホール。非常に立派な造りだが、アリスが言うには本来の用途で使用される事は無いらしい)
アシェンプテル(なんでも女王は踊る事もそれを見る事もあまり好まないらしい。まぁ、あの性格ならばそれも納得だ。私が口出しすることではないが、少々もったいない気もする)
アシェンプテル「……」カツンカツン
アシェンプテル(ダンスホールは嫌いではない。私は踊る事もそれを見る事も好きだ、大勢の人々が集う賑やかなダンスホールでは自然と心まで踊りだす)
アシェンプテル(だがこうして静かなホールも嫌いではない、なんというか心が落ち着くのだ。特に常に賑やかなこの世界では貴重な独りになれる静かな場所。私のお気に入りの場所だ)
アシェンプテル「……いけないな」
アシェンプテル(ふと、愛した男の顔が頭をよぎる。我ながら情けない、あれはもう過去の男だ。今の私には必要の無い男だ)
アシェンプテル「この場所は好きだ。好きだが…どうしても余計な事を思い出す」
アシェンプテル(『未練など無い』私は自信をもってそう言いきれる。にもかかわらずふいに過去の事を思い出してしまう、それは主に愛した男であったり……かつての友人の事)
アシェンプテル「……まったく、不甲斐ない」フンッ
アシェンプテル(腹が立つ。私は…『アシェンプテル』は過去を捨てて歩んでいくことを決めた。それなのに『シンデレラ』は今も私の心にしがみついているのだ、往生際の悪い事に)
アシェンプテル「だがそれも時間の問題だ。私はこの戦いで過去を完全に断ち切る。『シンデレラ』もあの連中も、全てまとめて蹴り落とす…そう決めたのだからな」
849 :◆oBwZbn5S8kKC :2017/07/10(月)02:31:28 ID:GV5
ハートの女王の城 廊下
ライオン「も、もうすぐだよ桃太郎さん!この先が女王様のダンスホールだよ!」ダッダッダッ
桃太郎「いよいよか…。キモオタの予想だとシンデレラはそこにいるんだよな…」
ライオン「う、うん!それで、あの、もうそのまま進んじゃっても大丈夫かな?た、戦いの準備はできてる…?」ダッダッダッ
桃太郎「……」スッ
桃太郎(拙者はこれまで幾度となく戦って来た。盗賊やチンピラの類、猛獣…それと悪鬼。実力が追い付いていない者、拙者よりはるかに強い相手、それこそ色々な相手と刃を交えてきた)
桃太郎(でも、仲間と戦った事は一度も無い。正直な気持ちを言うならシンデレラと戦うのは怖い、恐ろしい。…それは大悪鬼の様な今までの強敵相手に感じた恐怖とは少し違うもの)
ライオン「も、桃太郎さん?も、もしも準備できてないなら一旦ここで止まって…支度を整えた方がーー」
桃太郎「いや、大丈夫。ちょっと他の事考えてた、ごめん。拙者は身も心も準備万端だから、そのまま進んでくれる?」
ライオン「わ、わかった!桃太郎さんがそう言うなら…!」ダッダッダッ
桃太郎(大丈夫、恐ろしい事なんか何もない。拙者はただ友達に会いに行くだけだ、心を蝕まれた友達を取り戻しに行くだけ)
桃太郎(大丈夫、大丈夫。舌切りも金太郎も食わず女房も…拙者を送り出してくれた。それに拙者がシンデレラの相手をすると言った時、キモオタも他の皆も誰一人反対しなかった)
桃太郎「皆、拙者の事を信じてくれた。拙者なら、シンデレラを…友を取り戻せると信じてくれた。それなら出来ない道理が無い」
桃太郎(それに拙者にはシンデレラを悪魔の鏡の破片から解放する策がある。拙者の治癒能力じゃ魔力は消せない、だったら魔法具に対抗するにはーー魔法具だ)
桃太郎(これが…この刃があれば、拙者はシンデレラに巣くう悪しき魔力と憎しみの心を斬り伏せる事が出来る)
850 :◆oBwZbn5S8kKC :2017/07/10(月)02:36:56 ID:GV5
ハートの女王の城 ダンスホール前
ライオン「つ、着いたよ桃太郎さん…。こ、ここが目的の場所だよ」スッ
桃太郎「うん、ありがとうなライオン。お前のおかげでここまで迷うことなく来れた、拙者一人じゃこうはいかなかっただろうし…感謝してるぞ」モフモフ
ライオン「え、えへへ…。桃太郎さんの役に立てたなら、僕は嬉しいよぉ〜。で、でも本当にシンデレラさんはここにいるのかな…?」
桃太郎「多分、この扉の向こうにシンデレラは居る。人の気配を感じるからな、それも一人だけ。それで……ライオンは、どうする?」
ライオン「えっ?ど、どうするって…?」
桃太郎「シンデレラは今、悪魔の鏡の破片に精神を侵されてる。この扉を開けば戦いは避けられない…もしもお前が戦いたく無かったり、ドロシーが心配でそっち行きたいっていうならーー」
ライオン「だ、大丈夫…!ドロシーちゃんにはキモオタさんがついてくれてるし…ここまで来たら僕も桃太郎さんと一緒に…た、戦うよ!」
桃太郎「そうか!一緒に戦ってくれるっていうなら心強い!いやー…実は一人で戦う事になったらどうしようかなってちょっと思ってた」ハハハ
ライオン「あはは…。あっ、でも僕、デカイ図体してるくせに見かけほど強くないしシンデレラさんより遅いしで役に立てないかもだし、むしろ足引っ張るかも…」
桃太郎「ちょ、ちょっとお前そう言う後ろ向きな事言うのやめろって!拙者までなんかつられちゃうだろ!」
ライオン「ご、ごめん…」
桃太郎「大丈夫だって、拙者もお前も数日前よりずっと戦えるようになってる。気持ちが後ろ向いちゃってたらさ、うまくいくもんもいまくいかないって」
桃太郎「戦う前から後ろ向いてちゃ斬るべきものも斬れないし斬らなくていいものまで斬っちゃうしさ。だからさ、こう…しっかり前向いて行こう!そうすりゃ結果もついてくるって!」
851 :◆oBwZbn5S8kKC :2017/07/10(月)02:41:43 ID:GV5
ライオン「うん、うん…そうだよね!前向きに、ポジティブにいかなきゃだよね!」
桃太郎「そうそう!拙者達は見事シンデレラを救いだして、そんでアリスもなんとかして消えた世界も取り戻すんだ。そしたら一緒に舌切りのとこに報告に行こうな」
ライオン「うん、そうしよう。僕も舌切りさん達にいろいろとお礼もしたいから…」
桃太郎「その為にもまずはシンデレラを救わなきゃな。それじゃあ扉、開けるぞ…?」スッ
ライオン「う、うん…!」
ギィッ…バターン
アシェンプテル「……あぁ、ようやくの到着か。遅かったじゃあないか桃太郎?」
桃太郎「……随分と待たせてしまったみたいだな、シンデレラ」スッ
アシェンプテル「ああ、すっかり待ちくたびれてしまったよ。あまりに遅いものだから怖気づいて逃げだしたのかと思っていたところだ」フフッ
桃太郎「あいにく、友を見捨てて逃げだす程…拙者は落ちぶれてはいない」
アシェンプテル「まだそんな事を言っているのかお前は…。まぁいい、だが友を大切にするのならばそのライオンを連れてきたのは間違いだったな」
桃太郎「間違い?一体、何を言っーー」
852 :◆oBwZbn5S8kKC :2017/07/10(月)02:58:25 ID:GV5
桃太郎「シンデレラが消えた…!攻撃が来るぞライオン…!十分に用心してくれ!」スチャッ
ライオン「わ、わかった…!」ジリジリ…
桃太郎(さぁ、どう出る…?シンデレラの狙いは当然拙者だ、だが先程の口ぶりから察するにライオンを攻撃する可能性も考えられる…!)
ヒュバッ ゴシュッ
ライオン「ぐうっ…!」ヨロッ
桃太郎「ライオン…!シンデレラ!お前の狙いは拙者だろう!?無関係のライオンを攻撃する必要がどこにある!」ヒュバ
ガキィィンッ
桃太郎(やはり厄介なのはガラスの靴…!硝子なんて脆いもんのハズなのに、宿った魔力のなせる技か…!)
アシェンプテル「無関係?あまり笑わせないでくれ桃太郎。戦う意思を持つ者が対峙した時点でここは既に戦場だ」スタッ
アシェンプテル「戦場に立っている以上、私の目の前にいる以上、そこにどんな理由があろうとも私の敵だ。殺意を向けるには十分な理由だ」
アシェンプテル「それとも『友達』の『シンデレラ』ならライオンを攻撃してこないとでも?それはあまりに甘い考えだな?」
桃太郎「クッ…!すまないライオン!今、傷を癒すからな!」ダッ
ガキィンッ
桃太郎「ぐっ…!邪魔をするなシンデレラ…!」ギギギ
アシェンプテル「だから笑わせるなと言っているだろう桃太郎?邪魔をするに決まっているじゃあないか。お前の治癒能力は厄介だからな」
853 :◆oBwZbn5S8kKC :2017/07/10(月)03:03:12 ID:GV5
アシェンプテル「お前は手をかざすだけでどんな傷でも癒せる、例え肉裂け骨折れる程の大怪我だとしても。そしてその能力を行使する上で代償を必要としない」
ヒュバッ ゴシュッ
ライオン「ぐあっ…!」ヨロッ
桃太郎「……っ!」
桃太郎(速すぎる…!ライオンへの攻撃、拙者の妨害、それを一度にこなせる身軽さ…ガラスの靴、知っちゃいたけどなんて恐ろしい魔法具だ…)
アシェンプテル「お前のそれは治癒を行う能力としては非常に優れたものだ。敵に回しては非常に厄介、ただ攻略する方法が無いわけじゃない。お前の能力のも弱点はある」スタッ
ライオン「ぜぇぜぇ……だから、僕を…殺そうっていう考え……?」ヨロヨロ
アシェンプテル「そうだ、桃太郎の能力では死者を蘇生する事は出来ない。それならば殺してしまえばいい、ただそれだけの事だ。そう、こんな風にーー」スッ
桃太郎「んな事おぉ…させるかぁぁぁ!!ライオンから離れろシンデレラァァ!!」シャキン
アシェンプテル「……っ!」ヒュッ
ライオン(な、なんで…?いままで桃太郎さんの攻撃を受けてたシンデレラさんが攻撃を避けた…?)
桃太郎「よし…!ごめんライオン!拙者が甘かった…すぐに治すからな!どっか特に痛いところあるか!?」パァァァァ
ライオン「そ、それは大丈夫だけど…。な、なんでシンデレラさんは桃太郎さんの攻撃を受けずにかわしたのかな…?」
桃太郎「きっと峰打ちじゃあ、なかったからだ。今までのシンデレラへの攻撃は全部、刀の刃がついて無い方でやってたけど。今の一撃は違う、刃のついている方で斬りつけた」
ライオン「そ、そうだったの…?」
アシェンプテル「あぁ、そいつは根性無しだからな。そんなヘタレに友人だと思っている相手を真剣で斬りつけるなんて出来るわけがないだろう」
アシェンプテル「思わずかわしてしまったが…真剣で攻撃をしてきたという事は、殺意を向けてきたという事は、お前は認めたという事だな桃太郎?」
アシェンプテル「私と、お前達の間にもう友情などという淡い絆は存在していないという事を」フンッ
桃太郎「……」
854 :◆oBwZbn5S8kKC :2017/07/10(月)03:09:39 ID:GV5
桃ンプテルの戦闘、今日はここまで
明日この続き更新します!なんか弱そうに見えるけど桃太郎は強いんですよ、本当ですよ
855 :名無しさん@おーぷん :2017/07/10(月)19:09:10 ID:0jc
おっしゃ頑張れ桃太郎!
じきにラプが突っ込んで来るぞw
シンデレラを助ける魔法具……多分アレだと思ってるんだけど、どうだ!?
858 :◆oBwZbn5S8kKC :2017/07/11(火)02:22:53 ID:1RM
アシェンプテル「これで理解しただろう?今、私とお前の間にあるのは殺意だけだ。『救う』だの『取り戻す』だのいくら口にしたところで、どちらかが死ぬまでこの戦いは終わらない」
ライオン「桃太郎さん…」
桃太郎「大丈夫だ、確かに下手を打っちゃったけども…ここから挽回すればいいんだ。ここからは常に相手の攻撃を警戒しよう、ライオン」チャキッ
ライオン「うん、わかった…。このままじゃあ僕、足引っ張ってるだけだ…。次こそ名誉挽回できるようにがんばらなきゃ…!」ガルルゥ…
アシェンプテル「…まだ心は折れていないという訳か。お前の事だからすぐに尻尾を巻いて逃げると思ったが…少し驚いたよ、桃太郎」
アシェンプテル(……実際のところは『少し』なんてものじゃない、私はこの男の行動に相当驚いている)
アシェンプテル(私が知っている桃太郎は剣術の腕は一級品だがそれを霞ませてしまう程に臆病で精神的に脆弱な男。そのくせ情に厚くて仲間を大切にする…甘い男だ)
アシェンプテル(だからこそ私はライオンを標的にした。先程自称していたように桃太郎は仲間を見捨てない見捨てられない、ライオンを手負いにするということは桃太郎の退路を遮断することと同義だ)
アシェンプテル(逃げるに逃げられない状況。自分が協力を要請したせいで手負いになった仲間。今もなお友だと思っている相手からの殺意。それらは桃太郎の脆弱な心をいとも容易く折る……と思っていた)
アシェンプテル(だがそれは違った。心が折れてしまうどころか、奴は私に対して刃を振るった。それは以前の桃太郎では考えられない事だ)
アシェンプテル(少なくとも私が知っている桃太郎ならば、容易く心が折れている。そして私に刃を向ける事など、決してできなかっただろう)
アシェンプテル(だというのに……少し会わなかった間に、随分と変わったようだ。特別な修業でも積んだか?あるいは何かしらの心境の変化か……)
アシェンプテル(どちらにしろ、目の前の侍は……私が思っているよりもずっと、一筋縄ではいかないのかもしれない)
859 :◆oBwZbn5S8kKC :2017/07/11(火)02:24:54 ID:1RM
アシェンプテル(……だと、してもだ。私の目的はただ一つ、相手が少々変わっていようと成すべき事は変わらない)
アシェンプテル(目の前で、まっすぐな瞳を私に向けてくる侍を始末すること。ただ、それだけだ)
桃太郎「……」ジッ…
アシェンプテル「どうした?随分と慎重になっているようだが…私を斬るのならば今が好機だぞ?一度駆けだせばもう、お前に私を捕える事は出来ないのだから」スッ
アシェンプテル「それとも後悔でもしているのか?『シンデレラ』を救うだ取り戻すだの言っておきながら、結局お前は私に刃を向けたのだからな」
アシェンプテル「お前は自ら、自分自身の目的を否定したのだ。『シンデレラ』はもういない、今の私は既に仲間ではなく…殺意を向けるに値する敵であるという事を、お前は認めたんだ」
桃太郎「いや、拙者はそんなつもりは無いんだけど…」
アシェンプテル「言い訳とは見苦しい真似を…。ならばお前は何故私に刃を向けた?傷つけ殺すため、それ以外の理由があるのか?」
桃太郎「なんていうか…こんな言い方したらお前は怒るだろうけどさ。拙者がお前に刃を向けた理由、それはお前を信じていたからなんだよ」
アシェンプテル「……流石にその戯言は笑えないな。敵を、信じるだと?」
桃太郎「さっき城の前で、拙者はお前の蹴りを受け止めた。その時、お前の実力は油断ならないものだって確信したんだ。でも、流石にそれだけじゃ本当の実力までは測りきれなかった」
桃太郎「だから峰打ちで戦ってたんだ。お前の本当の実力がわからないうちから真剣で斬りつけちゃ、怪我させるかも知れなかったからな」
アシェンプテル「ということは、まさかお前は…手加減していたのか?」キッ
桃太郎「いやいやいや!そんなもん出来る程余裕ないから!手加減って言うんじゃなくて、戦ううちにお前がどの程度の実力なのか理解できたっていうほうが正しいかもな」
桃太郎「だから拙者はあの時、真剣を振るってもお前ならきっと避けるって思えた。いや、お前なら絶対に避けるって確信が持てた、信じれた。だから拙者はお前に対して真剣を向けたんだ」
860 :◆oBwZbn5S8kKC :2017/07/11(火)02:27:49 ID:1RM
アシェンプテル「……私の力量も思考も、お前にはお見通しだったという訳か」
ライオン「す、少し戦っただけで相手の実力を測って次にとる行動まで予想しちゃうなんて…!やっぱり桃太郎さんはすごいや…!」
桃太郎「いやいや、凄くないって…本当ならお前がライオンを標的にする事の方を気づくべきだし。まだまだ未熟だって、拙者は」
アシェンプテル「そう謙遜するなよ桃太郎。敵の力量を見抜き行動を予測する…まるで本物の侍のようじゃないか」
桃太郎(えぇ…拙者も一応侍だけど…)
アシェンプテル「だが、それが出来たからといって勝てるわけじゃあない。そうだろう?」
桃太郎「あぁ。拙者だってこれでお前に勝ったつもりでいるわけじゃない、ただどうしても知っておいて欲しかったんだよ」
アシェンプテル「……」
桃太郎「拙者は、お前を…シンデレラを取り戻すのを諦めたから刃を向けたんじゃあない。例え友に刃を向けてでも、拙者はお前を取り戻す」
桃太郎「それにお前は知らないかもしれないけど、侍っていうのはな……目に見えないものだって斬っちまうんだよ」
桃太郎「心に潜む悪しき感情とか、恨み辛みとかさ…。心を縛って精神を蝕むーー魔法の力とか、さ」
アシェンプテル「聞くまでも無く、お前はシンデレラの奪還を諦めていないんだな?」
桃太郎「諦めるくらいだったらここまで来ないし、自分から『必ず取り返すから行かせてくれ』なんて大口叩かないよ」
桃太郎「拙者にはお前をキモオタ達の所に連れて帰る、それ以外の未来は無いんだよ」
キモオタ「我輩がおとぎ話の世界に行くですとwww」ティンカーベル「そう」 不思議の国のアリス編
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キモオタ「我輩がおとぎ話の世界に行くですとwww」ティンカーベル「そう」一覧に戻る
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