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キモオタ「我輩がおとぎ話の世界に行くですとwww」ティンカーベル「そう」
Part196


929 :◆oBwZbn5S8kKC :2017/07/24(月)02:24:13 ID:g7R
桃太郎「根拠ならあるさ、まぁ確証は無いけども…」
アシェンプテル「どちらにしろ推測の域を出ない、同じ事だろう」
ラプンツェル「ねぇねぇ、桃太郎はなんでシンデレラのおっぱいのとこに鏡の破片が刺さってるって思うのー?」
桃太郎「胸元な。シンデレラもさっき言ってたけどさ、悪魔の鏡って身体の中に残り続けてずっと魔力を発しているって事になるだろ?」
桃太郎「【雪の女王】の世界のカイって子も、瞳に刺さった破片が溶けることで正気に戻るって聞いたし。どうにかして身体の外に出すか消滅させれば破片の魔力からは解き放たれるって事で…」
桃太郎「そうなるとさ…手首とか足首とかに鏡の破片を刺したとは考えられないだろ。グロい話になるけど戦いの最中に腕を着られたらそこで正気に戻っちゃうわけだし」
ラプンツェル「……あーっ、なるほどね!」
桃太郎「……。だからさ、きっと鏡の破片は頭か胴体のどこかに刺したんだろうって事になるわけだ。でもシンデレラだって当然抵抗はするから頭に刺すには骨が折れる」
桃太郎「そしてシンデレラは肌を出す衣服を好まない。彼女が来ているドレスは肩も背も露わになっていない、せいぜい少しばかり胸元が見えるくらいのドレスだ」
アシェンプテル「だから消去法で胸元…か。一応筋は通っていないでもない、だがやはり単なる推測だ。アリスが裏をかいて関係の無い場所に刺した可能性だってある」
桃太郎「…いや、アリスだったら一番刺しやすい場所に刺すよ。あいつは拙者達とシンデレラの絆の深さを信じたからこそ、お前を手駒にしたんだ」
桃太郎「それなら拙者達は絶対にお前を傷つけられないって、刺せないって思ってるはずだ。だったらわざわざ裏をかいたりなんかしない、そんな事する必要がない」
アシェンプテル「御託はいい、そう思うなら七星剣で私の胸元を突き刺してみろ。そうすればハッキリする」
アシェンプテル「それとも長々と講釈を垂れていたのは恐れを隠すためか?結論を先延ばしにするためか?あるいは…私の仲間が援軍に来るのを待っているのか?そうなれば敗北した言い訳にできるからな」
アシェンプテル「桃太郎、結局お前は『日ノ本一』の称号を失うのが怖いんだ。失敗が怖い。自分への批判が怖い。ただの『化物』に戻ってしまうのが怖くて何もできない」

930 :◆oBwZbn5S8kKC :2017/07/24(月)02:34:21 ID:g7R
桃太郎「……【桃太郎】の世界の人々が拙者に持っている印象は『強くて冷静沈着な英雄』あるいは『義と情に厚い正義の侍』ってところだ」
桃太郎「彼等の中に存在する英雄は、例え友を救う為だとしても刃を突き刺したりしない。何か別の、誰も傷つかない方法を探す。それが彼等の中の『桃太郎』だ」
アシェンプテル「そしてお前はそれを理解できているからこそ私を刺せない。彼等の印象に反する行動をとってしまえば、『日ノ本一』のメッキが剥げてしまうからだ」
桃太郎「拙者の価値を決めるのは周囲の者達。彼等に『英雄』だと思ってもらえなければ、『日ノ本一』だと認めてもらえなければ、拙者は単なる『化物』に戻ってしまうーー」
アシェンプテル「だからお前は何も出来ない。彼等の英雄像から逸脱する行為はとれない、そうでなければ世界を取り戻したところで居場所を失うからだ」
桃太郎「……かつての拙者は確かにそう思っていた。だけど今は違う」
アシェンプテル「……」
桃太郎「拙者はここ数日…日ノ本を舞台にしたおとぎ話の世界をいくつか周ったんだ。そこのおとぎ話の主人公達に『日ノ本一』だって認めてもらう為に」
桃太郎「絶対に無理だって思った、しかもカッコつける事は一切禁止なんて無理難題を押し付けられてさ…。ありのままの素で初対面の奴に『日ノ本一』だって認めて貰えって無理だって…」
桃太郎「なんて思ってたけどさ、蓋を開けたらなんてことない。みんなが拙者の事、『日ノ本一』だって認めてくれたよ」
桃太郎「金太郎も食わず女房も雪女も聞き耳頭巾のじーさんも…。皆、拙者がヘタレで臆病者だって知ったのに、それでも拙者の事を認めてくれた」

931 :◆oBwZbn5S8kKC :2017/07/24(月)02:40:10 ID:g7R
アシェンプテル「それを鵜呑みにして、お前はいい気になっているのか?馬鹿馬鹿しい、そんな物は社交辞令というものだろう」
桃太郎「拙者はそうは思わない。どっちにしても拙者には結構な衝撃だったよ。拙者の素の部分、ヘタレなとことか情けないとこは一番他人に見せちゃいけない場所だって思ってたから」
桃太郎「それは英雄とは一番程遠い姿だ。そんな姿、素を見られたら英雄になれない『日ノ本一』でいられないって思ってた。でもそれは違った」
桃太郎「拙者は…皆が描く理想の英雄像である必要なんかない。かつて存在した英雄の姿に自分を重ねる必要はない。誰かの評価や世間体の為に自分を偽る必要はない」
アシェンプテル「だからもう自分を偽るのをやめたというのか?馬鹿め、そんな事をすればお前はただの『化物』に戻るだけだ」
桃太郎「例えそうなったとしても、今の拙者にはありのままの姿を認めてくれる仲間が大勢いる。居場所だっていくつもある、じいちゃん達を守る力だってあるって思ってる」
桃太郎「強くて、冷静沈着で、何者をも恐れず、勇猛果敢に敵に立ち向かう英雄…そりゃあそういう奴はカッコいいと思うけど、拙者がそうである必要なんかなかったんだ」
桃太郎「元々自分と家族を守る為に欲した称号だ。強くなくてもいい、慌てて焦っててビビリでもいい、拙者は勇猛果敢じゃなくても……大切な場所や人々を守れるんだったら、それでいい」チャキッ
アシェンプテル「貴様ッ…!」ギッ
桃太郎「いいんだ、少しくらいヘタレでもちょっとくらい情けなくたっていい。お前を刺すことで誰かに後ろ指さされたって構わない、悪し様に言われようと知った事じゃない」
桃太郎「拙者は友であるシンデレラを救う!友達もじいちゃんもばあちゃんも【桃太郎】の世界の人々も、この心と体そして刃で…大切なモノを悪しき存在から護り通す!」
桃太郎「それが拙者にとっての『日ノ本一』だ…!!」グッ
ザシュッ…!!

932 :◆oBwZbn5S8kKC :2017/07/24(月)02:43:26 ID:g7R
鳥獣ズ「「「……っ!」」」
ラプンツェル「はわー…すごいなぁ…。おっとっと、まだ緩まないようにしなきゃだ!」ググッ
アシェンプテル「ぐっ、かはっ……」ゴホッ
桃太郎(どうだ…!?この一撃で、悪魔の鏡の破片を貫く事が…出来たか!?)
アシェンプテル「まさか……本当に私に刃を突き刺すとは、思っていなかった、な……」ポタポタッ
桃太郎「……そうしてでも取り戻したかったんだ。もしもお前が拙者の事を恨むというのなら、それは受け入れるつもりだ」
アシェンプテル「……お前を恨むかどうかを決めるのは、私じゃあない」
桃太郎「という事は……っ」
アシェンプテル「幸運にだけは恵まれているようだな……お前もラプンツェルも……。そして、シンデレラも……」パキィィン
ドサッ
ラプンツェル「シンデレラが倒れた!桃太郎!もう髪の毛ほどいてもいい!?」
桃太郎「あぁ、大丈夫だ!よしっ、それじゃ剣を抜くと同時に傷口を塞いで治癒だ!」パァァァァァ
ラプンツェル「おぉーっ、傷が塞がってく…!ねぇねぇ、これでもうシンデレラは大丈夫だよね?私達、友達を取り返せたんだよね!」
桃太郎「あぁ、拙者達は成し遂げたんだ!…っていうか一発で鏡の破片砕けてマジで良かったぁぁぁぁ!!あんな事言ってミスったらどうしようかと思ったわ拙者ぁぁぁ!!もうこういうのコリゴリだから拙者!!」
・・・

933 :◆oBwZbn5S8kKC :2017/07/24(月)02:58:15 ID:g7R
・・・しばらく後
ラプンツェル「じーっ……まだかな、まだかなー……」ジーッ
ロック鳥(翻訳)「ラプちゃん、その様にじっと見つめていてもシンデレラが目覚める訳では無い。目覚めを待つまでの間、少しでも休んでおいた方が良い」
ラプンツェル「でもー、目が覚めた時近くに居てあげたいから!」
シンデレラ「……っ」パチッ
ライオン「あっ…シ、シンデレラさんが目を覚ましたよっ!桃太郎さんっ!シンデレラさん、目を覚ましたよぉ!」
ラプンツェル「ホントだー!うわぁい!やったぁ!おはようっ、シンデレラっ!」ニコニコ
シンデレラ「あっ、ラプちゃん……。わ、私……!」ポタポタッ
ラプンツェル「んもーっ!泣いちゃ駄目だよー!」
シンデレラ「だ、だって私…!ラプちゃんにとてもヒドイ事をして…!ラプちゃんだけじゃない、桃太郎さんにも…他のおとぎ話の人達にも、許されないような事を……!」ポタポタ
ラプンツェル「大丈夫、大丈夫だよー。シンデレラー」ギューッ
シンデレラ「ラ、ラプちゃん…?」ギューッ
ラプンツェル「私がちっちゃいときねー、泣いちゃったときとかママがこーやってくれたの。こーしたら涙、とまるよー。大丈夫だから、シンデレラ泣かないでー」
ラプンツェル「シンデレラは操られてただけー、だから私は気にしないよー?」
シンデレラ「……うん、ごめんなさい。ラプちゃん……」グスングスン

934 :◆oBwZbn5S8kKC :2017/07/24(月)03:00:23 ID:g7R
シンデレラ「そ、そうだ…桃太郎さんは!?私、桃太郎さんにもきちんと謝らないと…」
ザッ
桃太郎「シンデレラァァ!!悪かったああああぁぁぁ!!拙者の勝手な判断で胸元突き刺して本ッ当ッに悪かったああぁぁぁ!!!」ドゲザー
青い鳥「すごいな…。流れるように土下座の姿勢に移行したぞ…」
ロック鳥(翻訳)「これがジャパニーズドゲザというモノか…初めて見たぞ、我」
ライオン(も、桃太郎さんの土下座なんか見慣れてるなんて言えない…)
桃太郎「このとおりだぁぁぁぁ!!胸元の傷は完治したし傷跡も残らないからどうか許してもらえないだろうかあぁぁぁぁ!!」ドゲザー
シンデレラ「桃太郎さん!?頭を上げてください!ど、土下座なんかしないでください!」
桃太郎「一国の王妃を刃で突き刺すとか軍隊が動いても仕方ないと思うけども!!それはなんとか勘弁してもらえないだろうかぁぁぁ!!」ドゲザー
シンデレラ「そんなことさせませんから!本当にやめてください!むしろ私が土下座しなきゃいけないくらいで…!本当にごめんなさい…!」ペコペコ
ラプンツェル「あははー!二人とも気にしぃだなぁー。あっ、それじゃあみんなでドゲザしよっか!それで解決だー!」アハハ
キャイキャイ
青い鳥「桃太郎が成し遂げた事は大きいんだから堂々とすればいいのに。なんで土下座してんの」
ライオン「ぼ、僕はこれでいいと思うなぁ…なんだかんだか桃太郎さんらしいと思うから…」
ロック鳥(翻訳)「何にせよ桃太郎とラプちゃんは友の奪還に成功した。これ以上の喜びはあるまい」ルオオ

935 :◆oBwZbn5S8kKC :2017/07/24(月)03:05:13 ID:g7R
今日はここまでです
桃太郎の語り中にラプが黙ってたのは空気を読んだからじゃなくて難しい話だから「……?」ってなってただけ(補足)
そして今回終わると思ったけど次回にも若干食い込む桃ラプデレラ、シンデレラの胸の内がカキキレナカッタヨ
次は裸王サイドかキモドロサイド、そろそろ次スレもあるからその辺視野に入れながら進めますー
次の更新は火曜日!予定!(ダメだったら水曜日!)

937 :名無しさん@おーぷん :2017/07/24(月)17:12:24 ID:joB
乙!
良かったよぅ、本当に良かった!
シンデレラお帰りなさい!!

938 :名無しさん@おーぷん :2017/07/24(月)18:15:29 ID:W0Q
面白かった!!
桃太郎、かっこいいっ!! ヘタレでビビリでドゲザァーであることもひっくるめて
カッコイイー!!
>>1さん、乙です!!

945 :◆oBwZbn5S8kKC :2017/07/27(木)01:55:56 ID:XJj
・・・
おはなしウォッチにて通信中…
キモオタの声『いやはやwww流石は桃太郎殿ですなwwwシンデレラ殿の奪還を成功させたうえにラプンツェル殿との合流まで果たすとはwww』コポォ
キモオタの声『この朗報、皆には我輩がしっかり伝えておきますぞ!何はともあれこれで一安心でござるなwwwシンデレラ殿の奪還、お主に任せて良かったでござる。感謝しておりますぞwww』
桃太郎「いやいや、拙者はただ七星剣を振るっただけだから。シンデレラを救えたのはラプンツェルの型破りな発想と魔法の髪の毛のおかげなんだよ」
キモオタの声『まーたお主は謙遜などしてwww大手柄なんでござるからたまにはドヤ顔してもいいのではないですかなwww』ドゥフ
桃太郎「まぁ拙者は手柄が欲しかった訳じゃないしさ。シンデレラが戻って来て皆も無事、それで十分だよ拙者は。むしろラプンツェルの事褒めてやってくれ、今すっげぇドヤ顔してるから」
ラプンツェル「キモオター!聞いてるー?私、すんごい頑張った!シンデレラの事取り戻せたの、私のおかげだからねっ!今日のえむぶいぴーだからね!ふんすっ!」ドヤァァァ
キモオタの声『ちょwwwお主はもう少し謙遜してもいいのではwww』
ラプンツェル「けんそん…?」ハテ…?
キモオタの声『いやいやwwwこっちの話でござるwwwお主に謙遜など似合いませんでしたなwww』コポォ
シンデレラ「桃太郎さん、ラプちゃん…。少し、キモオタさんとお話させてもらっていいかな?」
ラプンツェル「うんっ!もちろんいいよー!キモオタもきっとそうしたいと思うよー」
桃太郎「あぁ、お前の元気な声を聞かせて安心させてやってくれ」

946 :◆oBwZbn5S8kKC :2017/07/27(木)02:03:35 ID:XJj
シンデレラ「あのっ、キモオタさん。私です、シンデレラです…」
キモオタの声『おぉwwwシンデレラ殿www激しい戦いを繰り広げたとき居ましたがなwww声を聞く限りは元気そうでなによりでござるwww』
シンデレラ「戦いでの傷は桃太郎さんが癒してくれたので…。いえ、そんな事よりも私は謝らなければいけません……キモオタさん、本当にごめんなさいっ!」
シンデレラ「私が捕まったせいで皆さんに心配をかけました…!私が精神干渉する魔法具を使われたせいで皆さんに迷惑をかけました…!そのせいで皆さんを危険な目に…!」
シンデレラ「私は、もう謝っても謝りきれません…。言ってはいけない事もやってはいけない事も数え切れないほどやってしまいました……私、どう償っていいのか……」
キモオタの声『なーにを言っているでござるかwww気にする事は無いですぞwwwお主が悪いわけではないでござろうにwww』
キモオタの声『我輩も桃太郎殿もラプンツェル殿も、そして他の皆も…。誰一人お主を責めたりしませんぞ、むしろお主を危機から護る事が出来ず申し訳ないとさえ思っているでござる』
シンデレラ「で、ですけど…!」
キモオタの声『では聞くでござるがwww仮に我輩がアリス殿に捕まって精神操作をされたとするでござる、その結果皆に迷惑をかけたとして……お主は我輩を責めますかなwww』
シンデレラ「……決まってますよ、責めたりなんかしません。本心からの行動じゃないって、解っているんですから」
キモオタの声『我々がお主を責めない理由も、それと同じですぞwww今は精神的なダメージも大きいとは思うでござるが、少なくともお主の友人は皆、お主の味方のままでござる』
シンデレラ「……はいっ、ありがとうございます。ううん…ありがとう、キモオタさん」グスッ
キモオタの声『ドゥフフwww礼には及びませんぞwwwただどうしてもお主の気が済まないと言うのならば、全てが終わった後に豪華ディナーでも御馳走してもらうでござるかなwww』コポォ
シンデレラ「ふふっ、わかりました。全て解決したら…お城でお祝いのパーティーを開きましょう、お友達やお世話になった方を招待して」フフッ
キモオタの声『ドゥフフwwwそれは名案ですなwwwそれを実現させる為にも、もうひと頑張りしなければなりませんなwww』コポォ

947 :◆oBwZbn5S8kKC :2017/07/27(木)02:12:20 ID:XJj
キモオタの声『さてwww積もる話もあるでござるが、一先ずはアリス殿との戦いに決着をつけねばなりませんからなwww』
キモオタの声『名残惜しいでござるが続きは打ち上げにするとして、今は目の前の戦いに集中するとしますかな』
シンデレラ「はいっ、それでは…また後ほど。キモオタさん、どうかお気をつけて」
キモオタの声『解りましたぞwwwお主もあまり気に病まぬようwwwでは後ほどwww』コポォ
ピッ
ラプンツェル「あっ、シンデレラ!キモオタとのお話終わったー?何か言ってたー?」
シンデレラ「うん…あまり気に病まないでって言ってくれて…。あぁ、私ってキモオタさんには救われてばかりだな…」
桃太郎「やはりか、あいつなら間違いなくそう言うと思ってた。さて、拙者達もそろそろ先を急ぐとしようか」
桃太郎「幸い、アリス一派は騒ぎに気がつかなかったのか手すきの者が居なかったか…拙者達の前には現れなかった。でもだからってゆっくりしているワケにもいかないからなぁ…」
ライオン「そ、そうだね…。桃太郎さんのおかげで皆の傷は癒えたんだし、あとは先に進まなきゃだね…」
ロック鳥(翻訳)「……ならば残念だが我と青い鳥は別行動になりそうだ。ラプちゃんと別れるのは名残惜しいが…致し方あるまい」
ラプンツェル「えっ!?なんでーっ!?一緒にアリスの所まで行こうよっ!ロック鳥も青い鳥もー!その方が心強いよー!!」
ロック鳥(翻訳)「そうしたいのは我とて同じ…だが我も青い鳥も見ての通りの巨躯、翼もまともに広げられない空間では戦果をあげる前に倒されてしまうだろう」
桃太郎(今まで流してたけどなんでラプンツェルにはロック鳥の言葉が理解できるんだ…。拙者には『ルオォォー』ってしか聞こえんけども)

948 :◆oBwZbn5S8kKC :2017/07/27(木)02:16:19 ID:XJj
ロック鳥(翻訳)「故に、我と青い鳥は城の外…上空よりお前達の勝利を祈ろう。直接戦う事は出来ないが、城外からの攻撃などは防いだり見張りの様なことくらいならば、できよう」
ラプンツェル「むー……わかった!ワガママ言ってロック鳥が危険な目にあったら嫌だし、ここはロック鳥の言う通りにするよー」
ロック鳥(翻訳)「あぁ、そうしてくれ。本音を言うと我も悔しいのだ…もう少し小さな体を持っていれば共に闘えたというのに、たとえばこう…手のひらに載るような大きさでな」
ラプンツェル「あははっ、それはすんごく可愛いねー!手乗りロック鳥ー!あはははっ」
ロック鳥「うむっ。ラプちゃん…我は付いていけぬがしっかりな。桃太郎やシンデレラの言葉によく耳を傾け無理をせず、そして一人で勝手に何かを決めて進まないように……注意して欲しい。良いな?」
ラプンツェル「もーっ、わかってるよー!ロック鳥はしんぱいしょうだなー!大丈夫っ!絶対にまたシェヘラザードやシンドバッドと会えるようにしたげるからねっ!」ケラケラ
ロック鳥「うむ、ならば我はそれを期待しつつ上空からラプちゃん達を守護しよう。さぁ名残惜しいがそろそろ行こうか、青い鳥……では皆、さらばッ!」バササッ
青い鳥「あぁわかった。桃太郎、傷の治癒感謝してる。ラプンツェルも…連れだしてくれた事まぁ一応感謝はしてる、でもあまり無茶な事はしない方が良いと思うよ、少なくとも僕はもう巻き込まれるのはごめんだ。じゃあね」バササッ
ラプンツェル「あははっ、りょーかい!バイバーイ!また後でねーっ!」ブンブン
ライオン「行っちゃったねぇ…ここからは僕と桃太郎さん、ラプンツェルさんとシンデレラさんの四人だね…。が、がんばろうねっ」
ラプンツェル「うんっ、がんばろう!でも私お腹すいてるからなにか食べてからにしないー?」
桃太郎「おいぃ!何を悠長な事言ってんだお前!きびだんご分けてやるからそれ道中に食べて我慢しろっての!」
ラプンツェル「やったー!きびだんごだー!どんな味なのか楽しみー!」ワクワク
シンデレラ「」

949 :◆oBwZbn5S8kKC :2017/07/27(木)02:32:20 ID:XJj
シンデレラ「……ラプちゃん、嬉しそうだなぁ」フフッ
シンデレラ(やっぱり、私はアリスやその仲間よりも桃太郎さんやラプちゃん、友達の側にいたい)
シンデレラ(私の事を大切にしてくれる友達と一緒に前に進みたい)
シンデレラ(でも……私の心を支配していた彼女、アシェンプテル。彼女の言葉もまるっきり嘘ではない)
シンデレラ(もう彼女は私の中にはいない、居ないけれど…)
シンデレラ(彼女の気持ちを蔑ろにしてもいいのだろうか……)
・・・・・
思ったより書き進められなかった、もうしわけない?今。l日はここまでで
出来たらまたアップしていきまーす!

950 :名無しさん@おーぷん :2017/07/27(木)02:49:08 ID:4N0
おつです!
いやぁ相変わらずのラプちゃんですね。

951 :名無しさん@おーぷん :2017/07/27(木)21:54:29 ID:gXi
おつです! 
元に戻ってよかった、さてキモオタサイドはどうなっていることやら…

953 :名無しさん@おーぷん :2017/07/28(金)20:32:11 ID:upv
いちおつ!
誤字については突っ込まないでおこうwww
アシェンも嫌いではなかったので消えちゃうと複雑やねぇ…
シンデレラの心に生きてます!みたいな?

955 :◆oBwZbn5S8kKC :2017/07/30(日)23:41:13 ID:wvO
今日はレスと番外編更新やります。
それとちょっとしたお知らせ
今まで日曜日を定期更新の日にしていたんだけど、どうにも最近は日曜日に予定が入る事が多くて延期になる事も少なくなかったので…
今後は月曜日を定期更新の日にしたいと思います
で、明日の月曜日の定期更新。10冊目の最終話となります。
シンデレラの決意。そして彼女が本当になりたかったものとは…?
ルイスの部屋へたどり着いたキモドロ+中二鍵。彼等がその部屋で見たものとは…?
不思議の国のアリス編完結(というよりは第一部完?) また明日もお付き合いください!

956 :◆oBwZbn5S8kKC :2017/07/30(日)23:44:33 ID:wvO
番外編『決戦へ向かう桃太郎へ。友からの選別』
【金太郎】の世界 足柄山 アリスとの決戦前夜
桃太郎「明日は遂にアリスとの決戦か…。皆も協力してくれたしシンデレラの事取り戻せるとは思うけど、それでもやっぱり緊張するなぁ…」
金時「何を弱気になってんだ、お前はあちこちの『日ノ本のおとぎ話』から日ノ本一のお墨付きを貰ったんだぞ?お前はただそれを信じて、胸を張って行ってくりゃあいい!」ガハハ
桃太郎「うーん…なんて言うかな、皆のおかげで拙者は少しは変われた気がするし前よりも強くなれたとは思う。けどやっぱ戦いってさ…緊張するじゃん?」
舌切り「決戦前夜だってぇのにウダウダ言いやがって腐れ桃野郎が……!」イライラ
金時「ガッハッハ!まぁまぁおさえろ舌切りの!大勝負の前にはどんなに強い奴だろうと武者震いするもんだ!そんな桃太郎の緊張をほぐすための良いもんをやろう!」スッ
桃太郎「これは…飴か?」
金時「おうよ!緊張ほぐすにはうってつけだぞ!金太郎特製の金太郎飴ってな!」ガハハ
桃太郎「おぉ…!こういうの嬉しいなぁ…!ありがたく貰っとくな!」
舌切り「だんごと飴持って戦場に赴くたぁ締まらねぇ野郎だな!まぁもののついでだ、あっしからの選別も受け取れぃ。ほらよっ!」ポスッ
桃太郎「なにこれ…」
舌切り「障子紙貼るのに使うノリだ。こいつがうめぇんだ、テメェもテメェなりに頑張ったから特別な褒美だぜ」ヘヘッ
桃太郎「お、おう…。年末に障子貼る時までとっとくわ…」

957 :◆oBwZbn5S8kKC :2017/07/30(日)23:49:19 ID:wvO
食わず女房「あらら…お二人に先を越されちゃいましたねぇ〜」
桃太郎「食わず女房、ってことはもしかして…?」
食わず女房「はい、実は私も桃太郎さんに贈り物を用意していたんですぅ…。アリスと戦う前に力を付けて欲しいと思いましてぇ、どうぞ遠慮なく食べてくださいねぇ〜、生肉です」ドンッ
桃太郎「えっ、生肉って…。っていうか一応は葉っぱでくるんであるけど…何の肉なのこれ?」
食わず女房「もちろん一番おいしくて元気が出るお肉ですよぉ…」
金時「具体的には何の肉なんだ?クマか?」
食わず女房「そんなケチなお肉じゃなくてですねぇ〜…近くの村からさらって来た生娘のお肉、ちょうど一番おすすめの太ももあたりのお肉ですね…。ざっと5人分ですぅ…」
食わず女房「あっ、五人分っていうのは生娘五人分の太ももって意味でぇ〜…食べる側としては一人前よりちょっと多いくらいなんで大丈夫ですぅ」ニッコリ…
桃太郎「おいぃぃ!そういう趣味の悪い冗談はマジでやめろって!!拙者だって流石に冗談だって事くらいわかるわ!」
食わず女房「流石は桃太郎さん、もうこの程度じゃあ驚いたりしませんねぇ〜…。安心してください、山から取ってきたウサギのお肉ですから〜」
金時「ガッハッハ!可愛い顔してお前の冗談はあいかわらず怖ぇなぁ!」
舌切り「しかも妙に演技がうめぇんだよなこいつぁ。一瞬だが本当に生娘の肉かと思っちまったぜ、あっしは」
食わず女房「うふふ。大切な桃太郎さんに不浄なお肉を食べさせたりしませんよぉ〜……人肉なんて食べさせたら味が落ちちゃいますからねぇ」ボソッ
桃太郎「拙者の事だよね!?味が落ちちゃうって拙者の味が落ちるって意味だよね!?ボソッて言うのやめて怖いから!っていうか拙者食べるの諦めて本当に!」
おしまい 後頭部の大口が牙を剥むゆるふわ系女子、食わず女房

958 :名無しさん@おーぷん :2017/07/31(月)00:15:21 ID:ifv
更新キターーーーー!!
次で一旦終わりか
乙です!

959 :名無しさん@おーぷん :2017/07/31(月)00:34:57 ID:Rk9
乙!
舌切り雀は洗濯糊がよほどうまかったと見えるなw
で、食わず女房さんったら人が悪いんだから……