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神様「神様だっ!」 神使「神力ゼロですが・・・」

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Part30
785 : ◆8YCWQhLlF2:2016/06/14(火) 01:33:42 ID:Ki0Gjrog
B夫「これは役に立つ。 場所は内宮迎賓館の特別会議室か」
神様「迎賓じゃないだろアイツら」
B夫「OK、明日中に会議室に中継用のカメラを設置する」
神様「でもテレビは無理なんだろ?」
B夫「ネット配信」
A子「ネット配信?」
B夫「ネコネコ生放送」
神様「ネコ生か!」
B夫「会場を事前に見たい」
神様「よし、これから一度見に行くか」
A子「この時間なら警備の人もいないしね」
神様「善は急げ、早速行ってみよう」

786 : ◆8YCWQhLlF2:2016/06/14(火) 01:34:24 ID:Ki0Gjrog
ーーー 十分後
 ギィー
神使「ただいま戻りました」
猫娘「ご飯買ってきました。ニャ」
神使「・・・・・・」
猫娘「誰もいないです。ニャ」
神使「あの三人が大人しく待っているわけ無いですよね・・・」ハァ

787 : ◆8YCWQhLlF2:2016/06/15(水) 01:58:17 ID:NTPKgKHM
ーー翌日(宮司会前日)
B夫「はい、これ内宮迎賓館に入ることが出来るセキュリティーカード」
神使「ありがとうございます」
A子「結局昨日はセキュリティーカードがなくて入れなかったしね〜」
B夫「迎賓館の正面玄関には警備がいて入れないから勝手口から入る。 このカードで入れる」
神様「さすがB夫」
神使「このカードはどこで入手したんです?」
B夫「さっき作った。 セキュリティーカード作っているのオレだし」
神使「・・・・・・」

788 : ◆8YCWQhLlF2:2016/06/15(水) 01:59:14 ID:NTPKgKHM
B夫「問題は迎賓館に行くまでに、ここからだと一度内宮の社務所を通る必要があること」
神使「確かに・・・ バレますね」
A子「今日の夜から待機する?」
B夫「無理。 監視カメラに写り込む」
神様「あ〜、トンネル使えば内宮本殿まで行ける」
神使「トンネル?」
神様「ここと内宮本殿、外宮本殿、神宮本殿は隠しトンネルで繋がってるんだ」
A子「すごい、そんなのあるんだ!」
神様「うん、バレずに行き来できるようになってるんだよ」
B夫「トンネル使って内宮本殿まで行けば見つからずに迎賓館まで行ける」

789 : ◆8YCWQhLlF2:2016/06/15(水) 02:00:19 ID:NTPKgKHM
神様「よし、んじゃ作戦の最終確認だ」
神使「すいません、私これから神使会がありまして・・・」
神様「は?」
神様「私も先ほど聞いたのですが・・・ たぶん宮司会に関する事かと」」
神様「まぁ、明日のことが少しでも分かるかも知れないしな。 行ってこい」
神使「はい、猫娘さんも行きますよ?」
猫娘「私もですか?ニャ」
神使「猫娘さんも建前上は最高位の神使ですから」
猫娘「ニャ」
神使「では、行って参ります」
猫娘「行ってきます。ニャ」
 スタスタ
 ギィー バタン


790 : ◆8YCWQhLlF2:2016/06/15(水) 02:01:20 ID:NTPKgKHM
A子「猫娘さんって可愛いよね〜」
B夫「よく分かってらっしゃる」
A子「猫神様の神使さんなんでしょ?」
神様「あ〜 あれは半分神で半分神使だから」
A子「猫娘さんて神なの?」
神様「うん、扱い上は神使だけど・・・ 猫神が後継者にするんだって」
A子「へぇ〜 そうなんだ〜」
神様「A子ちゃんも神になって私の後継者にならない?」
A子「ならな〜い」
神様「・・・・・・そう」

791 : ◆8YCWQhLlF2:2016/06/15(水) 02:02:11 ID:NTPKgKHM
ーーー 一時間後
 ギィー
神使「ただいま戻りました」
猫娘「ニャ」
神様「あ〜 どうだった?」
神使「少しまずい事に・・・」
A子「まずい?」
神使「明日の宮司会に神使代表で“でかでか大神宮”のうさ夫さんが出席する事に・・・」
神様「うさ夫?」
神使「はい、次期大宮司寄りの改革派筆頭です」

792 : ◆8YCWQhLlF2:2016/06/15(水) 02:03:43 ID:NTPKgKHM
神様「でかでか大神宮って言ったら猫神と、猫娘が前にいたところだな」
猫娘「はいニャ・・・」
神様「・・・なるほど、お前と猫神を追い出したやつか」
猫娘「・・・・・・」
神使「結構癖のある方でした。 申し訳ありません猫娘さん、嫌な思いをさせてしまって」
猫娘「大丈夫です・・・ ニャ」
神使「それと、宮司会の代表神として猫神様が決定したそうです」
神様「猫神が!?」
神使「はい」

793 : ◆8YCWQhLlF2:2016/06/15(水) 02:05:18 ID:NTPKgKHM
神様「まずいな・・・」
猫娘「猫神様じゃダメなんですか? ニャ」
神様「宮司会で決議された内容は、代表神が可決し神勅を出す」
神使「今回は猫神様が代表神という事ですよね」
A子「それじゃぁ、猫神様が嫌だって言えば終わりだね」
猫娘「そうニャ。 猫神様がそんな物可決するわけないニャ」
神様「いや、代表神には否決する権限はないんだよ」
神使「えっ?」
神様「それが神を支える宮司会の願いである以上、神は拒む事なんか出来ない」

794 : ◆8YCWQhLlF2:2016/06/15(水) 02:06:02 ID:NTPKgKHM
神使「そんな・・・ でも十年前の時は神様が否決したのでは?」
神様「あの時は代表神使が意見を保留にしたから審査神の私へ可否の権限が与えられた」
神使「では大改正の法案はこのままだと可決に・・・」
B夫「いいね、それ」
神使「どう言うことですか?」
B夫「宮司会の壊しがいがある」
神様「B夫もそう思う?」
B夫「もち」
神様「うひゃひゃ、燃えたぎって参りました!」メラメラ
神使「・・・・・・」

795 : ◆8YCWQhLlF2:2016/06/15(水) 02:07:16 ID:NTPKgKHM
A子「あれ? もう一人の神ちゃんは?」
神使「そう言えば、ちょくちょく居なくなっていますよね」
神様「あ〜 今は神宮本殿にいる。 お願い事リストを見に行ってるんだよ」
A子「へぇ、ちゃんと見てるんだ」
神様「当たり前さね、直接お願い事を聞く事は出来ないけどお願い事リストは用意されてるし」
神使「神様本当に人が好きなんですね・・・」
神様「・・・・・・」
 ゲシッ ゲシッ ゲシッ
神使「痛い! 痛いです・・・」

796 : ◆8YCWQhLlF2:2016/06/16(木) 00:37:00 ID:pqLpHb06
ーーー 宮司会当日
B夫「神ちゃん、ちゃんと台詞覚えてきた?」
神様「もち。 宮司会を混沌に陥れてやるよ。 ひっひっひっ」
神使「私、結局何も聞かされていないんですが・・・」
猫娘「私も作戦を聞いてないニャ」
神様「あ? 大丈夫だよ、このかわゆい神ちゃんの言うとおりに付いてくれば問題ない」
神使「それが一番不安なのですが・・・」
A子「じゃぁ、私は準備があるから先に行くね?」
神様「うん、会場で会おうね〜」
B夫「猫さんは、オレと一緒に会議室隣の準備室ね」
猫娘「ニャ」
神様「よし、それじゃぁ行くぞ!」

797 : ◆8YCWQhLlF2:2016/06/16(木) 00:38:24 ID:pqLpHb06
ーーー 宮司会会場
次期大宮司「参拝者の減少による収入減の対策は一刻の猶予も残されていない」
出席者「その通り、神宮ですら厳しい財政。 地方の神社など崩壊寸前です」
次期宮司「今回提案する神法大改正は、その問題を一気に解決できる」
 ザワザワ
次期宮司「十年前の神法改正で廃案となった神の統制を神宮が直接行う条項を復活、神職・神使・神を一元管理する」
出席者「人が神を管理すると・・・?」
次期宮司「まさか。 神宮主神を最高位に置く事に変わりは無い」
出席者「では、今のままで問題ないのでは?」
次期宮司「今の神宮主神制度は過去に作られた神話が元になっている」
 ザワザワ
司会「ご静粛に」

798 : ◆8YCWQhLlF2:2016/06/16(木) 00:40:05 ID:pqLpHb06
出席者「まさか、天照大神様の事を言っているのですか?」
次期宮司「この中で最高神を見た者はいるか?」
出席者「最高神様は誰ともお会いにならないのでは」
次期宮司「そんなものいないんだよ。 神が人を操るために作った創作だ」
猫神「!?」
 ザワザワ  ザワザワ
司会「ご静粛に!」
次期宮司「私達は長きにわたり、居もしない神宮主神を奉ってきたのだ」
猫神「ちょっと待って下さい!」
次期宮司「猫神様? 今は宮司会の最中です。 神の発言は宮司会規律違反でございますよ?」
猫神「でも!」

799 : ◆8YCWQhLlF2:2016/06/16(木) 00:40:57 ID:pqLpHb06
次期宮司「では猫神様? 天照大神様は神宮に存在しますか?」
猫神「・・・・・・」
次期宮司「答えられないと?」
出席者「そんな・・・・・・」
 ザワザワ  ザワザワ
次期宮司「最高職となる神宮主神・内宮神・外宮神は今後、人・神使・神から選出しその職へ就くものとする」
 ザワザワ  ザワザワ
司会「ご静粛に!」

800 : ◆8YCWQhLlF2:2016/06/16(木) 00:42:02 ID:pqLpHb06
次期宮司「では、今提案したーーー」
A子「お茶です」コトッ
次期宮司「・・・・・・あぁ。 では、今提案した神法大改正について皆の決を採る。 賛成の者は挙手を」
 スッ スッ スッ
次期宮司「神宮神職は賛成多数で可ーーー」
A子「赤福です」コトッ
次期宮司「・・・・・・君、下がっていろ」
A子「はい」スタスタ

801 : ◆8YCWQhLlF2:2016/06/16(木) 00:43:21 ID:pqLpHb06
次期宮司「あー、神宮神職は賛成多数で可決とする」
神使代表「神使会も賛ーーー」
A子「うわ〜!」ズコッ
司会「・・・大丈夫かい? A子君」
A子「すんませ〜ん」スタスタ
代表神使「・・・・・・神使会も賛成いたします」
次期宮司「うむ。 大宮司は入院中のため、代理として私が宮司会を代表し神法大改正を可決とする」
司会「では、本案を代表神・猫神様から神勅としてお出し頂きたく思います」
猫神「・・・・・・」
A子「猫神様、赤福でございます」コトッ
猫神「・・・・・・?」
司会「A子君・・・ 本当、邪魔だから」シッ シッ
A子「すんませ〜ん」テクテク
司会「猫神様、神勅を」

802 : ◆8YCWQhLlF2:2016/06/16(木) 00:44:41 ID:pqLpHb06
 ちょっと待ったー!
 バンッ!
猫神「神ちゃん・・・?」
次期宮司「・・・・・・」チッ
神様「かわゆい神ちゃん登場! ドドン!」
 パッ パッ
神使「(なんでスポットライトがあるんですか・・・)」
ーーー 会議室隣・準備室
B夫「OK、決まった。 最高に古くてダサい登場、萌える」
猫娘「カメラで神ちゃんをアップで写すニャ」
B夫「神ちゃん台本通りにちゃんと出来るかな?」

803 : ◆8YCWQhLlF2:2016/06/16(木) 00:45:19 ID:pqLpHb06
ーーー 宮司会会場
猫神「神ちゃん、どうしてここに〜?」
神様「よく耐えたな。 ご苦労だった、猫神」
猫神「・・・・・・」
神様「安心しろ、この改正案は絶対に潰す。 宮司会をグチャグチャにしてやる」ボソッ
猫神「神ちゃん・・・」
神様「よーし、お前達! このかわゆい神ちゃんが、お前らに一言もの申ーーー」
神使「皆さんにお聞きしたい事がございます」
神様「ーー あ〜ん?」

804 : ◆8YCWQhLlF2:2016/06/16(木) 00:46:44 ID:pqLpHb06
神使「皆さんは神の存在意義をどのようにお考えになられているんですか?」
次期宮司「何だ急に」
神様「そうだぞ、台本では私がこの後“ドーン! ドーン!”をやって会場をーーー」
神使「懲罰は受けます」
神様「ーーーえ? 懲罰? 私は受けないよ?」
神使「是非ご意見をお聞かせ頂けますでしょうか」
出席者「人の願いを聞き、それを叶えて下さるのが神の存在意義では?」
神使「では、神の願いは?」
出席者「?」
神使「あなた達は・・・ いえ私を含めて神々の存在を勘違していたようです」
次期宮司「何が言いたいんだ?」


805 : ◆8YCWQhLlF2:2016/06/16(木) 00:47:58 ID:pqLpHb06
神使「A子ちゃん」
A子「私?」
神使「A子ちゃんは神様とはどういうご関係ですか?」
A子「神ちゃん? う〜ん・・・ 神ちゃんは友達」
神様「そう! 私とA子ちゃんは深い精神のところで繋がっーーー」
神使「先日、神様が昔は神も神使も人も区別はなかったと仰っておりました」
神様「ーーー あん?(言ったっけ?)」
出席者「何を世迷い言を。 神と人を同列に扱うなどそんなバチあたーーー」
A子「赤福です」コトッ
出席者「ーーー あぁ。 ・・・冷たいお茶も頼む」
A子「ありません」スタスタ
出席者「・・・・・・」

806 : ◆8YCWQhLlF2:2016/06/16(木) 00:48:37 ID:pqLpHb06
神使「神々の皆さまは人の願いを聞き、それを叶えて下さいます」
次期宮司「当然だ」
神使「人はそれに対して何をするのでしょうか?」
出席者「神の住む社を維持し信仰を捧げることですかね」
神使「神様がそれをお望みに?」
出席者「信仰無くして神は存在できませんよ?」
神使「あなた達に信仰を感じないのですが」
出席者「なっ、何を無礼な! 最高位の神使だからって調子に乗りすぎですぞ」
神使「お気に召さないようでしたら、私の階位を剥奪して頂いて構いません」
出席者「言ったな! 忘れるんじゃないぞ!」

807 : ◆8YCWQhLlF2:2016/06/16(木) 00:50:00 ID:pqLpHb06
神使代表「ふっ」ニヤッ
神様「あっ、うさぎ野郎! お前、今笑ったな? うちの極悪邪道犬ころを笑っーーー」
神使「どうぞ、ご自由に。 神使の階位は皆さんに決定権がありますので、私は今日から最低位で結構です」
神様「ーー え!? いいの? 給料下がるよ? 私を養えるの?」
神使「神様、少し黙っていて下さい」
神様「はい・・・」
神使「私、どうして神様が神力を無くしてまで二人に別れて外に出てきたのかがようやく分かりました」
神様「!?」
神使「きっと、友達が欲しかったんです。 人と接したかったんです。 ずっと一人で古い社に閉じこもって寂しかったんだと思うんです」
神様「・・・・・・」
神使「神様はとても優しいから・・・ 何千年も自分を犠牲にして皆さんのお願いを叶えて守ってきてくれたんです」

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