神様「神様だっ!」 神使「神力ゼロですが・・・」
Part28
734 : ◆8YCWQhLlF2:2016/06/06(月) 23:34:56 ID:FlEPfxhI
ギィー
神様「うひょ〜 美味ちそ〜!」
神使「今の声って、もしかしてA子ちゃんですか?」
内宮神「あぁ、こんな離れのちっぽけな社にも毎日食事を持ってきてくれるんだ」
神様「こんな所にまでお供えを持ってきてくれたのはA子ちゃんだけだ」
神使「A子ちゃん毎日こんな事をしてたんですか・・・ 全然知りませんでした」
神様「本当に良い子なんだよ」
神使「A子ちゃんもまさか最高神にお供えしているなんて思ってもいないでしょうね・・・」
内宮神「そんなの知る必要なんかないよ。 隅っこの可哀想な神にお裾分けくらいに思ってもらった方が気が楽だし」
735 : ◆8YCWQhLlF2:2016/06/06(月) 23:37:59 ID:FlEPfxhI
内宮神「さて、食べるかね」
神使「美味しそうですね・・・」
内宮神「残念だけど一人分しかないから犬ころは昼抜きな」
神使「あの、一口だけでも良いのですが・・・」
神様「しゃーねーな〜 ちょっとだけだぞ?」ホレ
神使「いただきます」パクッ
内宮神「うまいだろ」
神使「良い塩加減ですね、最高に美味しいです」モグモグ
神様「神宮美食クラブ料理長だからな」パクパク
神使「A子ちゃんは、神様がここに居るって事は知らないんですよね」
内宮神「当たり前だよ」モグモグ
神使「不思議な子ですよね」
736 : ◆8YCWQhLlF2:2016/06/06(月) 23:39:59 ID:FlEPfxhI
prrr prrr
神様「B夫から電話だ」゙
ピィ
神様「もしもし〜」
B夫『B夫』
神様「どした?」
B夫『メールの解析終わった』
神様「もう分かったの?」
B夫『メールは神宮法規室の参事が使ってる端末から送られてる』
神様「法規室?」
737 : ◆8YCWQhLlF2:2016/06/06(月) 23:41:28 ID:FlEPfxhI
B夫『そう、でもクッションとして使っただけ。 バレないように念を入れだけってやつ』
神様「そのメールを送らせたヤツって調べることは出来たりするの?」
B夫『次期大宮司、今は外宮の宮司か』
神様「あいつか・・・」
B夫『ちなみに、尻毛の数はーーーー』
神様「うん、それは興味ない」
B夫『それと神ちゃん、もしかして神宮に居る?』
神様「・・・・・・」
B夫『離れの小さいお社とか?』
神様「なんで知ってんだよ・・・」
B夫『携帯の電波で居場所が分かる』
738 : ◆8YCWQhLlF2:2016/06/06(月) 23:43:25 ID:FlEPfxhI
神様「もしかして、他のヤツも知ってるの? 特に次期大宮司とか」
B夫『言っていない。 ちょっと話がある、そっち行っても良い?』
神様「・・・・・・」
B夫『最高神の件について』
神様「!!」
B夫『誰にも気付かれないように行く、良い?』
神様「分かった、一時間以内に来れる?」
B夫『五分でいく』
神様「待ってる」
B夫『私あなたのことをいつまでも待ってるわ、って言って欲しーーー』
ピィ
神様「う〜ん・・・ まずいかも」
神使「どうされたんですか?」
神様「予想以上に深刻な状態かもな〜・・・」
740 : ◆8YCWQhLlF2:2016/06/08(水) 08:22:20 ID:c4sVeCts
ーー 5分後
ガサガサ
神使「誰か来たみたいですね」
神様「B夫かな?」
トントン
内宮神「神聖な社に何用か? 合い言葉を述べよ」
神ちゃんはお守りだけじゃなく御札も値段を割引して売っていーーー
バン!
神様「だからなんでそんなことまで知ってんだよ!」
B夫「授与品在庫管理システムと売り上げ管理システム作ったのオレ」
神様「・・・どうぞお入り下さい」フカブカ
741 : ◆8YCWQhLlF2:2016/06/08(水) 08:24:52 ID:c4sVeCts
B夫「わっ、本当に神ちゃん双子だったんだ」
神様「あ〜 まぁ双子とは違うんだけどそんな感じ」
B夫「すげー。 あっ、これ差し入れ」
神様「気が利くじゃ〜ん なに、ケーキ?」パカッ
神様「・・・・・・」
神使「これって、猫神様が喫茶店で出していたケーキでは?」
神様「なんでお前が猫神のケーキ持ってるんだよ」
B夫「神宮に来てる。 語尾に無理矢理ニャを付ける変な女と一緒に」
神使「猫娘さんも・・・ どうして神宮に・・・」
B夫「さぁ?」
神様「・・・・・・」
742 : ◆8YCWQhLlF2:2016/06/08(水) 08:26:11 ID:c4sVeCts
B夫「で、早速なんだけど」
神様「あぁ」
B夫「最初に二人に謝っておく、ごめん」
神使「?」
神様「私達の行動を調べていた件か?」
神使「行動?」
神様「バレないはずの私の素晴らしい行いの数々が神宮に筒抜けになっていた件」
神使「そう言えば、減給がリアルタイムで行われていましたね」
B夫「神ちゃんの携帯を細工して音声と位置情報が把握できる様にした」
神様「やっぱりな〜 変だと思ったよ」
B夫「本当にごめん」
神様「そんなことは気にしてないから謝る必要は無い、B夫の仕事だったんだろ?」
B夫「ごめん」
743 : ◆8YCWQhLlF2:2016/06/08(水) 08:27:54 ID:c4sVeCts
神使「と言うことは、今もこの会話は筒抜けに・・・」
B夫「携帯変えたでしょ。 京都行く前に」
神様「あ〜 替えた。 見る? 私のかわゆい携帯」ゴソゴソ
神使「なるほど、携帯を変えたから盗聴できなくなったと・・・」
神様「ほら、良いでしょ。 かわゆくない?」ホレ
B夫「良い趣味。 オレと同じ」ホラ
神様「・・・・・・そう」
B夫「神宮アプリ入れてないよね、神ちゃんそれ正解」
神使「アプリ?」
B夫「全部筒抜けになる」
神使「そう言えば、神様入れませんでしたよね」
神様「お、おう。 知ってのことだ。 褒めよ」
744 : ◆8YCWQhLlF2:2016/06/08(水) 08:29:02 ID:c4sVeCts
神使「私のスマホには入っているんですが・・・」
B夫「神使氏の端末は傍受してない、でも念のため後で消す」
神使「どうも・・・」
神様「もしよかったら私達のことを調べるよう指示したのが誰か教えてくれると嬉しい」
B夫「次期大宮司」
神様「分かりやす〜い」
神使「なんで、次期大宮司がそんなことを?」
B夫「たぶん神ちゃんに関係ありそうだから言う。 神法大改正を進めている」
神様「大改正!?」
B夫「神ちゃん十年前の改正の時にかなり反抗したでしょ」
神様「まぁ・・・」
745 : ◆8YCWQhLlF2:2016/06/08(水) 08:29:49 ID:c4sVeCts
B夫「つまり今回の改正は神ちゃんが邪魔って事。 しかもアイツら大改正って言ってるし」
神様「なるほどね〜」
B夫「それで神ちゃんのボロをアイツら調べてる」
神使「でも、神様をこれ以上失墜させるほどの事なんかもう無いと思うのですが・・・」
神様「神使君さぁ、ちょっと余計な言葉が多いよね?」
神使「そうですか?」
B夫「最高神」
神使「最高神・・・? まさか!」
B夫「あいつら最高神に関して色々探ってる」
神様「・・・・・・」
746 : ◆8YCWQhLlF2:2016/06/08(水) 08:30:53 ID:c4sVeCts
B夫「少し前に神宮本殿を調べてた」
神使「神宮本殿は神でも立ち入りが禁止されている神聖な区域のはずでは?」
B夫「かなり特殊な検査装置で周りから調べたらしい。 オレが電源とネットの引き回しを担当したから間違いない」
神様「最高神の所在か・・・」
B夫「それしか考えられない」
神様「なるほどねぇ〜」
神使「神様、どうなさるんですか?」
神様「取りあえず、アイツらの計画を聞いてからだな」
神使「次期大宮司にお会いになりますか?」
747 : ◆8YCWQhLlF2:2016/06/08(水) 08:32:10 ID:c4sVeCts
神様「B夫さぁ、お前これからかわゆい神ちゃんチームね」
B夫「それ面白いこと起こる?」
神様「あぁ、最高にエキサイチングでイカす出来事が待っている」
B夫「いいね、神ちゃんチームに鞍替え」
神様「よし、今日の夜に作戦会議だ」
神使「大丈夫ですか?」
神様「うひゃひゃ、楽しいぞ〜」ニヤッ
神使「・・・・・・」
神様「さて、取りあえず次期大宮司と言っているけど絶対になれない残念なヤツの所へ行くか」
神使「次期大宮司の前でそんな呼び方しないで下さいよ?」
神様「B夫、夜に来てくれ」
B夫「OK」
749 : ◆8YCWQhLlF2:2016/06/10(金) 00:01:42 ID:RpNbpsl6
ーー 外宮宮司室
トントン
どうぞ
神様「失礼〜」
神使「失礼いたします」
次期宮司「これは神様、どうされましたか?」
神様「ん? お前に呼ばれたんだけど」
次期宮司「・・・はて、私は呼んでおりませんが?」
神様「そう? おかしいな〜 人違いだったかな?」
750 : ◆8YCWQhLlF2:2016/06/10(金) 00:03:32 ID:RpNbpsl6
神使「・・・内宮神様に呼ばれてきたのですが」
次期宮司「そうでしたか」
神様「そうそう、とっても立派な内宮神様に呼ばれたんだった」
次期宮司「私はお目にかかったことはないのですが、さぞご立派な女神様なのでしょうね」
神様「へぇ〜 内宮神が女だって知ってるんだ」
次期宮司「・・・・・・」
神様「お前、私を試そうとしているな? やめとけ、ボロが出るだけだぞ」
751 : ◆8YCWQhLlF2:2016/06/10(金) 00:04:34 ID:RpNbpsl6
次期宮司「先日、神宮本殿を調べさせてもらいました」
神様「ほぉ〜」
神使「神宮本殿は神でも立ち入れない聖域だと思いますが」
次期宮司「様々な測定器を使って内部を調べただけだ。 踏み込んではいない」
神使「なんて罰当たりな・・・」
次期宮司「三神は言わば神宮の最高責任者だ。 宮司すらも見たことがないというのは変だろ?」
神使「知る必要があるのでしょうか?」
次期宮司「存在しない物を崇め奉るという時代じゃないんだよ」
神使「それは、人が勝手にーーー」
次期宮司「だから、それを戻そうとしているんじゃないか」
神様「戻す?」
752 : ◆8YCWQhLlF2:2016/06/10(金) 00:05:51 ID:RpNbpsl6
次期宮司「はい、そのためには三神が本当に存在するのかを確認しなくてはならないのです」
神使「しかし、それが本殿を勝手に調べる理由にはならないのでは?」
次期宮司「三神は神宮の象徴。それが実は居ませんでした、ではマズいんだよ」
神様「まぁ一理あるな。 で? 三神は居たか?」
次期宮司「いいえ、天照大神様どころか最高神は一人も存在しませんでした」
神使「しかし、私は先ほど最高神様にお目にかかってきました」
次期宮司「そこの神様が最高神なんだろ? いや、最高神役か」
神様「・・・・・・」
次期宮司「ついでに、内宮神と外宮神も神様が役を演じていたってことも知っている」
神使「へぇ〜 よく調べたじゃん」
753 : ◆8YCWQhLlF2:2016/06/10(金) 00:06:36 ID:RpNbpsl6
次期宮司「神宮宮司記録に神様の記載が見つかりましてね」
神使「神宮宮司記録?」
次期宮司「歴代の大宮司以外は見ることが禁止されている書物だ」
神様「おまえ、神宮の大宮司じゃないだろ」
次期宮司「神様が深入りするところではございませんよ?」
神様「・・・・・・」イラッ
次期宮司「大宮司様は入院しておられます。 私が代理で大宮司を執行しておりますので権限があります」
神様「大宮司が入院!? 聞いていないぞ!」
次期宮司「人の問題に神々のお手を煩わせるのも失礼ですので」
神様「・・・・・・」イラッ イラッ
754 : ◆8YCWQhLlF2:2016/06/10(金) 00:07:22 ID:RpNbpsl6
次期宮司「記録によると、神様は二百年ほど前に猫神様の紹介で神宮に来ていますな」
神使「二百年前・・・(神様が二つに分かれた時代ですか・・・)」
神様「何が言いたいんだ?」
次期宮司「神様は双子のようですな、いやびっくりしたよ」
神様「・・・・・・」
次期宮司「神様の片方を神宮三役として置く。 大宮司以外一切秘密とする、と書かれていました」
次期宮司「まさかとは思ったが、神様が神宮から離れてその存在が確証できました」
神使「もしかして・・・ それを調べるために神様を出向に!?」
次期宮司「考えすぎだ、神様は神宮で問題を起こしたから出向してもらったまでだ」
755 : ◆8YCWQhLlF2:2016/06/10(金) 00:07:59 ID:RpNbpsl6
神使「なんて卑怯なことを・・・」
次期宮司「卑怯? どっちがだ」
神使「どう言う意味です?」
次期宮司「神宮の最高神が、神力も使えないお飾りだったなんてことを知られたらどんなことになると思っているんだ?」
神使「神様になんて無礼な事を!」
神様「よせ、犬ころ」
次期宮司「しかし、神様!」
神様「黙ってろ」
神様「少なくとも私はこれでも神の端くれだ。 嘘偽り無く腹を割って話そう」
次期宮司「はい」
756 : ◆8YCWQhLlF2:2016/06/10(金) 00:08:51 ID:RpNbpsl6
神様「何が望みだ?」
次期宮司「先ほども申しましたが、神力が使えない神が最高神というのは神宮としての威厳に関わります」
神様「だから何だ」
次期宮司「ご存じかと思いますが、神社界も参拝者の減少が酷く立て直しが急務なんです」
神様「だから何だと聞いている!」
次期宮司「神様に最高神役を降りて頂き、私達が推薦する者を三神として迎え入れて頂きたい」
神様「そんなものを引き受ける神がいると思えないが? 神には上下はない」
次期宮司「私達が推薦する者を神へ上げて頂きたいと思います」
神使「まさか、神様の力を知っているんですか?」
次期宮司「過去の文献や言い伝えを徹底的に調べてようやくたどり着いた」
757 : ◆8YCWQhLlF2:2016/06/10(金) 00:10:58 ID:RpNbpsl6
神様「なるほど・・・ 確かに私は人を神にすることが出来る。 神宮主神は誰にするんだ?」
次期宮司「宮司会で決定することになると思います」
神様「お前なんだろ?」
次期宮司「さぁ、それは分かりかねますが」
神様「無理、お前を神にすることは絶対にないから」
次期宮司「・・・・・・」
神様「さらに言うと、私以外にこの役割をやらせるつもりは無い」
神様「犬ころ、帰るぞ」
次期宮司「二日後に、宮司会が開かれますのでそこで神法大改正を決議いたします」
神様「あ?」
次期宮司「よろしくお願いします、最高神様」
神様「・・・・・・」ムスッ プクー
神使「(神様、激おこですね・・・)」
758 :以下、名無しが深夜にお送りします:2016/06/10(金) 02:12:13 ID:FVMH/uz.
ますます今後に期待、乙です
759 :以下、名無しが深夜にお送りします:2016/06/10(金) 09:02:37 ID:tXQnUeO6
乙乙
ギィー
神様「うひょ〜 美味ちそ〜!」
神使「今の声って、もしかしてA子ちゃんですか?」
内宮神「あぁ、こんな離れのちっぽけな社にも毎日食事を持ってきてくれるんだ」
神様「こんな所にまでお供えを持ってきてくれたのはA子ちゃんだけだ」
神使「A子ちゃん毎日こんな事をしてたんですか・・・ 全然知りませんでした」
神様「本当に良い子なんだよ」
神使「A子ちゃんもまさか最高神にお供えしているなんて思ってもいないでしょうね・・・」
内宮神「そんなの知る必要なんかないよ。 隅っこの可哀想な神にお裾分けくらいに思ってもらった方が気が楽だし」
735 : ◆8YCWQhLlF2:2016/06/06(月) 23:37:59 ID:FlEPfxhI
内宮神「さて、食べるかね」
神使「美味しそうですね・・・」
内宮神「残念だけど一人分しかないから犬ころは昼抜きな」
神使「あの、一口だけでも良いのですが・・・」
神様「しゃーねーな〜 ちょっとだけだぞ?」ホレ
神使「いただきます」パクッ
内宮神「うまいだろ」
神使「良い塩加減ですね、最高に美味しいです」モグモグ
神様「神宮美食クラブ料理長だからな」パクパク
神使「A子ちゃんは、神様がここに居るって事は知らないんですよね」
内宮神「当たり前だよ」モグモグ
神使「不思議な子ですよね」
736 : ◆8YCWQhLlF2:2016/06/06(月) 23:39:59 ID:FlEPfxhI
prrr prrr
神様「B夫から電話だ」゙
ピィ
神様「もしもし〜」
B夫『B夫』
神様「どした?」
B夫『メールの解析終わった』
神様「もう分かったの?」
B夫『メールは神宮法規室の参事が使ってる端末から送られてる』
神様「法規室?」
737 : ◆8YCWQhLlF2:2016/06/06(月) 23:41:28 ID:FlEPfxhI
B夫『そう、でもクッションとして使っただけ。 バレないように念を入れだけってやつ』
神様「そのメールを送らせたヤツって調べることは出来たりするの?」
B夫『次期大宮司、今は外宮の宮司か』
神様「あいつか・・・」
B夫『ちなみに、尻毛の数はーーーー』
神様「うん、それは興味ない」
B夫『それと神ちゃん、もしかして神宮に居る?』
神様「・・・・・・」
B夫『離れの小さいお社とか?』
神様「なんで知ってんだよ・・・」
B夫『携帯の電波で居場所が分かる』
738 : ◆8YCWQhLlF2:2016/06/06(月) 23:43:25 ID:FlEPfxhI
神様「もしかして、他のヤツも知ってるの? 特に次期大宮司とか」
B夫『言っていない。 ちょっと話がある、そっち行っても良い?』
神様「・・・・・・」
B夫『最高神の件について』
神様「!!」
B夫『誰にも気付かれないように行く、良い?』
神様「分かった、一時間以内に来れる?」
B夫『五分でいく』
神様「待ってる」
B夫『私あなたのことをいつまでも待ってるわ、って言って欲しーーー』
ピィ
神様「う〜ん・・・ まずいかも」
神使「どうされたんですか?」
神様「予想以上に深刻な状態かもな〜・・・」
ーー 5分後
ガサガサ
神使「誰か来たみたいですね」
神様「B夫かな?」
トントン
内宮神「神聖な社に何用か? 合い言葉を述べよ」
神ちゃんはお守りだけじゃなく御札も値段を割引して売っていーーー
バン!
神様「だからなんでそんなことまで知ってんだよ!」
B夫「授与品在庫管理システムと売り上げ管理システム作ったのオレ」
神様「・・・どうぞお入り下さい」フカブカ
741 : ◆8YCWQhLlF2:2016/06/08(水) 08:24:52 ID:c4sVeCts
B夫「わっ、本当に神ちゃん双子だったんだ」
神様「あ〜 まぁ双子とは違うんだけどそんな感じ」
B夫「すげー。 あっ、これ差し入れ」
神様「気が利くじゃ〜ん なに、ケーキ?」パカッ
神様「・・・・・・」
神使「これって、猫神様が喫茶店で出していたケーキでは?」
神様「なんでお前が猫神のケーキ持ってるんだよ」
B夫「神宮に来てる。 語尾に無理矢理ニャを付ける変な女と一緒に」
神使「猫娘さんも・・・ どうして神宮に・・・」
B夫「さぁ?」
神様「・・・・・・」
742 : ◆8YCWQhLlF2:2016/06/08(水) 08:26:11 ID:c4sVeCts
B夫「で、早速なんだけど」
神様「あぁ」
B夫「最初に二人に謝っておく、ごめん」
神使「?」
神様「私達の行動を調べていた件か?」
神使「行動?」
神様「バレないはずの私の素晴らしい行いの数々が神宮に筒抜けになっていた件」
神使「そう言えば、減給がリアルタイムで行われていましたね」
B夫「神ちゃんの携帯を細工して音声と位置情報が把握できる様にした」
神様「やっぱりな〜 変だと思ったよ」
B夫「本当にごめん」
神様「そんなことは気にしてないから謝る必要は無い、B夫の仕事だったんだろ?」
B夫「ごめん」
743 : ◆8YCWQhLlF2:2016/06/08(水) 08:27:54 ID:c4sVeCts
神使「と言うことは、今もこの会話は筒抜けに・・・」
B夫「携帯変えたでしょ。 京都行く前に」
神様「あ〜 替えた。 見る? 私のかわゆい携帯」ゴソゴソ
神使「なるほど、携帯を変えたから盗聴できなくなったと・・・」
神様「ほら、良いでしょ。 かわゆくない?」ホレ
B夫「良い趣味。 オレと同じ」ホラ
神様「・・・・・・そう」
B夫「神宮アプリ入れてないよね、神ちゃんそれ正解」
神使「アプリ?」
B夫「全部筒抜けになる」
神使「そう言えば、神様入れませんでしたよね」
神様「お、おう。 知ってのことだ。 褒めよ」
744 : ◆8YCWQhLlF2:2016/06/08(水) 08:29:02 ID:c4sVeCts
神使「私のスマホには入っているんですが・・・」
B夫「神使氏の端末は傍受してない、でも念のため後で消す」
神使「どうも・・・」
神様「もしよかったら私達のことを調べるよう指示したのが誰か教えてくれると嬉しい」
B夫「次期大宮司」
神様「分かりやす〜い」
神使「なんで、次期大宮司がそんなことを?」
B夫「たぶん神ちゃんに関係ありそうだから言う。 神法大改正を進めている」
神様「大改正!?」
B夫「神ちゃん十年前の改正の時にかなり反抗したでしょ」
神様「まぁ・・・」
745 : ◆8YCWQhLlF2:2016/06/08(水) 08:29:49 ID:c4sVeCts
B夫「つまり今回の改正は神ちゃんが邪魔って事。 しかもアイツら大改正って言ってるし」
神様「なるほどね〜」
B夫「それで神ちゃんのボロをアイツら調べてる」
神使「でも、神様をこれ以上失墜させるほどの事なんかもう無いと思うのですが・・・」
神様「神使君さぁ、ちょっと余計な言葉が多いよね?」
神使「そうですか?」
B夫「最高神」
神使「最高神・・・? まさか!」
B夫「あいつら最高神に関して色々探ってる」
神様「・・・・・・」
746 : ◆8YCWQhLlF2:2016/06/08(水) 08:30:53 ID:c4sVeCts
B夫「少し前に神宮本殿を調べてた」
神使「神宮本殿は神でも立ち入りが禁止されている神聖な区域のはずでは?」
B夫「かなり特殊な検査装置で周りから調べたらしい。 オレが電源とネットの引き回しを担当したから間違いない」
神様「最高神の所在か・・・」
B夫「それしか考えられない」
神様「なるほどねぇ〜」
神使「神様、どうなさるんですか?」
神様「取りあえず、アイツらの計画を聞いてからだな」
神使「次期大宮司にお会いになりますか?」
747 : ◆8YCWQhLlF2:2016/06/08(水) 08:32:10 ID:c4sVeCts
神様「B夫さぁ、お前これからかわゆい神ちゃんチームね」
B夫「それ面白いこと起こる?」
神様「あぁ、最高にエキサイチングでイカす出来事が待っている」
B夫「いいね、神ちゃんチームに鞍替え」
神様「よし、今日の夜に作戦会議だ」
神使「大丈夫ですか?」
神様「うひゃひゃ、楽しいぞ〜」ニヤッ
神使「・・・・・・」
神様「さて、取りあえず次期大宮司と言っているけど絶対になれない残念なヤツの所へ行くか」
神使「次期大宮司の前でそんな呼び方しないで下さいよ?」
神様「B夫、夜に来てくれ」
B夫「OK」
749 : ◆8YCWQhLlF2:2016/06/10(金) 00:01:42 ID:RpNbpsl6
ーー 外宮宮司室
トントン
どうぞ
神様「失礼〜」
神使「失礼いたします」
次期宮司「これは神様、どうされましたか?」
神様「ん? お前に呼ばれたんだけど」
次期宮司「・・・はて、私は呼んでおりませんが?」
神様「そう? おかしいな〜 人違いだったかな?」
750 : ◆8YCWQhLlF2:2016/06/10(金) 00:03:32 ID:RpNbpsl6
神使「・・・内宮神様に呼ばれてきたのですが」
次期宮司「そうでしたか」
神様「そうそう、とっても立派な内宮神様に呼ばれたんだった」
次期宮司「私はお目にかかったことはないのですが、さぞご立派な女神様なのでしょうね」
神様「へぇ〜 内宮神が女だって知ってるんだ」
次期宮司「・・・・・・」
神様「お前、私を試そうとしているな? やめとけ、ボロが出るだけだぞ」
751 : ◆8YCWQhLlF2:2016/06/10(金) 00:04:34 ID:RpNbpsl6
次期宮司「先日、神宮本殿を調べさせてもらいました」
神様「ほぉ〜」
神使「神宮本殿は神でも立ち入れない聖域だと思いますが」
次期宮司「様々な測定器を使って内部を調べただけだ。 踏み込んではいない」
神使「なんて罰当たりな・・・」
次期宮司「三神は言わば神宮の最高責任者だ。 宮司すらも見たことがないというのは変だろ?」
神使「知る必要があるのでしょうか?」
次期宮司「存在しない物を崇め奉るという時代じゃないんだよ」
神使「それは、人が勝手にーーー」
次期宮司「だから、それを戻そうとしているんじゃないか」
神様「戻す?」
752 : ◆8YCWQhLlF2:2016/06/10(金) 00:05:51 ID:RpNbpsl6
次期宮司「はい、そのためには三神が本当に存在するのかを確認しなくてはならないのです」
神使「しかし、それが本殿を勝手に調べる理由にはならないのでは?」
次期宮司「三神は神宮の象徴。それが実は居ませんでした、ではマズいんだよ」
神様「まぁ一理あるな。 で? 三神は居たか?」
次期宮司「いいえ、天照大神様どころか最高神は一人も存在しませんでした」
神使「しかし、私は先ほど最高神様にお目にかかってきました」
次期宮司「そこの神様が最高神なんだろ? いや、最高神役か」
神様「・・・・・・」
次期宮司「ついでに、内宮神と外宮神も神様が役を演じていたってことも知っている」
神使「へぇ〜 よく調べたじゃん」
753 : ◆8YCWQhLlF2:2016/06/10(金) 00:06:36 ID:RpNbpsl6
次期宮司「神宮宮司記録に神様の記載が見つかりましてね」
神使「神宮宮司記録?」
次期宮司「歴代の大宮司以外は見ることが禁止されている書物だ」
神様「おまえ、神宮の大宮司じゃないだろ」
次期宮司「神様が深入りするところではございませんよ?」
神様「・・・・・・」イラッ
次期宮司「大宮司様は入院しておられます。 私が代理で大宮司を執行しておりますので権限があります」
神様「大宮司が入院!? 聞いていないぞ!」
次期宮司「人の問題に神々のお手を煩わせるのも失礼ですので」
神様「・・・・・・」イラッ イラッ
754 : ◆8YCWQhLlF2:2016/06/10(金) 00:07:22 ID:RpNbpsl6
次期宮司「記録によると、神様は二百年ほど前に猫神様の紹介で神宮に来ていますな」
神使「二百年前・・・(神様が二つに分かれた時代ですか・・・)」
神様「何が言いたいんだ?」
次期宮司「神様は双子のようですな、いやびっくりしたよ」
神様「・・・・・・」
次期宮司「神様の片方を神宮三役として置く。 大宮司以外一切秘密とする、と書かれていました」
次期宮司「まさかとは思ったが、神様が神宮から離れてその存在が確証できました」
神使「もしかして・・・ それを調べるために神様を出向に!?」
次期宮司「考えすぎだ、神様は神宮で問題を起こしたから出向してもらったまでだ」
755 : ◆8YCWQhLlF2:2016/06/10(金) 00:07:59 ID:RpNbpsl6
神使「なんて卑怯なことを・・・」
次期宮司「卑怯? どっちがだ」
神使「どう言う意味です?」
次期宮司「神宮の最高神が、神力も使えないお飾りだったなんてことを知られたらどんなことになると思っているんだ?」
神使「神様になんて無礼な事を!」
神様「よせ、犬ころ」
次期宮司「しかし、神様!」
神様「黙ってろ」
神様「少なくとも私はこれでも神の端くれだ。 嘘偽り無く腹を割って話そう」
次期宮司「はい」
神様「何が望みだ?」
次期宮司「先ほども申しましたが、神力が使えない神が最高神というのは神宮としての威厳に関わります」
神様「だから何だ」
次期宮司「ご存じかと思いますが、神社界も参拝者の減少が酷く立て直しが急務なんです」
神様「だから何だと聞いている!」
次期宮司「神様に最高神役を降りて頂き、私達が推薦する者を三神として迎え入れて頂きたい」
神様「そんなものを引き受ける神がいると思えないが? 神には上下はない」
次期宮司「私達が推薦する者を神へ上げて頂きたいと思います」
神使「まさか、神様の力を知っているんですか?」
次期宮司「過去の文献や言い伝えを徹底的に調べてようやくたどり着いた」
757 : ◆8YCWQhLlF2:2016/06/10(金) 00:10:58 ID:RpNbpsl6
神様「なるほど・・・ 確かに私は人を神にすることが出来る。 神宮主神は誰にするんだ?」
次期宮司「宮司会で決定することになると思います」
神様「お前なんだろ?」
次期宮司「さぁ、それは分かりかねますが」
神様「無理、お前を神にすることは絶対にないから」
次期宮司「・・・・・・」
神様「さらに言うと、私以外にこの役割をやらせるつもりは無い」
神様「犬ころ、帰るぞ」
次期宮司「二日後に、宮司会が開かれますのでそこで神法大改正を決議いたします」
神様「あ?」
次期宮司「よろしくお願いします、最高神様」
神様「・・・・・・」ムスッ プクー
神使「(神様、激おこですね・・・)」
758 :以下、名無しが深夜にお送りします:2016/06/10(金) 02:12:13 ID:FVMH/uz.
ますます今後に期待、乙です
759 :以下、名無しが深夜にお送りします:2016/06/10(金) 09:02:37 ID:tXQnUeO6
乙乙
神様「神様だっ!」 神使「神力ゼロですが・・・」
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