神様「神様だっ!」 神使「神力ゼロですが・・・」
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533: ◆8YCWQhLlF2 :2018/09/09(日) 03:01:50 ID:soVEIZkM
神様「じゃ、またね〜」トテトテ
神使「ちょっと、神様」グイッ
神様「グヘッ!」
神使「駄菓子を買いに来たんじゃないですよ」
神様「あ? そうか、オシッコをしに来───」
神使「すいません、私達こちらの神社に用がありまして」
巫女「神社に・・・」ピクッ
神使「社務所は横の鳥居から入っていけば良いんでしょうか?」
巫女「遊び半分で参拝に来たのであれば、今すぐ立ち去った方が身のためですよ?」
神使「そういう訳では・・・ 狼之神様とお会いしたく」
巫女「!?」
神使「申し遅れました。 私達、神宮の者です」
巫女「神宮?」キョトン
534: ◆8YCWQhLlF2 :2018/09/09(日) 03:02:37 ID:soVEIZkM
─── 大神之神社・参道
テクテク
巫女「先ほどは失礼しました。 大神様のお知り合いとは知らず・・・」
神様「かなりご無沙汰だけどね」
神使「木々が凄いですね。 だいぶ気温が低く感じます」
巫女「無造作に生えているように見える木も、気温を下げるために手入れをして配置しているんです」
神使「へぇ〜 参拝者思いな作りなんですね」
巫女「はい。 神社に踏み入れたら一気に気温が低くなった方が怖さが増しますからね」ニコッ
神使「怖さ・・・ ですか?」
535: ◆8YCWQhLlF2 :2018/09/09(日) 03:03:17 ID:soVEIZkM
巫女「あっ、こちらが本殿です」
神使「これは随分と・・・」
神様「壊れ〜かけの〜神社〜♪」
神使「主神様はこちらに?」
巫女「はい。 ただ、今はあまりお見せできる状態ではなく」
神様「大丈夫だって。 そういうの馴れてるし」
巫女「そうですか? では」
ギィ
巫女「大神様、お客様です」
大神「フンッ! フンッ! あ? 客ってだ───」
ギィー バタン
536: ◆8YCWQhLlF2 :2018/09/09(日) 03:03:58 ID:soVEIZkM
神様・神使「・・・・・・」
巫女「どうされたんです? 急に閉めて」
神様「ねぇ、真っ裸の女が竹刀振ってたんだけど・・・」
神使「神様にもそう見えましたか」
巫女「最近暑いですし」
神様「いや、まぁ何となく言いたいことは理解できるし気持ちも分かるけど・・・」
バンッ
大神「おい、騒々しいぞ!」
神様「お巡りさ〜ん! 露出狂の痴女がいます〜」
大神「露出なんかしとらんわ! 褌とサラシを巻いているだろうが!」
神様「服着ろよ! 服!」
神使(神様がそれを言いますか)
大神「まさか・・・ 神ちゃんか!?」
537: 以下、名無しが深夜にお送りします :2018/09/09(日) 08:03:31 ID:1ddUmrEM
まさかの外伝乙なのよ
538: 以下、名無しが深夜にお送りします :2018/09/09(日) 17:00:57 ID:6X3PSa6U
まさかまさかの、神ちゃんが戻ってきた!
539: 以下、名無しが深夜にお送りします :2018/09/09(日) 17:12:29 ID:q57cYVvw
神ちゃーーーーん
540: 以下、名無しが深夜にお送りします :2018/09/09(日) 18:13:12 ID:Sr5R03Bw
乙神
ここが更新されてると安心する
541: 以下、名無しが深夜にお送りします :2018/09/09(日) 21:51:27 ID:5zq5chqA
保守をずっとしながら待ったかいがあった。
来てくれてありがとう。
542: 以下、名無しが深夜にお送りします :2018/09/09(日) 23:35:40 ID:dblHUwAs
さすが神ちゃん!信じる者の味方だね!!
543: ◆8YCWQhLlF2 :2018/09/10(月) 00:31:41 ID:1JKUSx3.
─── 社務所
巫女「お水です」コトッ
神様「ありが、えっ!? 水?」
巫女「どうぞ」コトッ
神使「あ、ありがとうございます」
神様「お茶請け、いや水請けとかないの?」
神使「水請けって・・・ 先ほど買った酢イカならありますが」パカッ
神様「水と酢イカって合うか?」
巫女「頂きます」クチャクチャ
神様「売ったお前が食うんかい・・・」
544: ◆8YCWQhLlF2 :2018/09/10(月) 00:34:02 ID:1JKUSx3.
大神「それより、どうしたんだ神ちゃん。 随分と久しぶりじゃないか」クチャクチャ
神様「仕事だよ。 ってお前も食うのかよ」
大神「土産だろ? そんな事よりこんな田舎に仕事なんかあるのか?」
神様「お前の神社が参拝者もなく赤字続きの借金まみれで潰れそうだから調べに来たんだよ」
神使「そんなぶっちゃけなくても・・・」
大神「えーと、君は神ちゃんの連れか?」
神様「あ〜 これは犬ころ」
神使「神様のお付きで狛犬の神使と申します」フカブカ
大神「ほぉ〜 狛犬の神使とは珍しいな」
545: ◆8YCWQhLlF2 :2018/09/10(月) 00:35:17 ID:1JKUSx3.
巫女「わぁ〜 私以外の神使って初めてお会いしました!」キラキラ
神使「よろしくお願いいたします」ペコリ
巫女「神使さんは、その・・・ お一人なんですか?」モジモジ
神使「え!? いや・・・ まぁ・・・」
神様「これは私の犬ころだから。 狛犬はワシントン条約で保護されてる希少種だから交尾はダメ」
神使「そんな物で保護されていません。 あと、はしたない言葉を使わないで下さい」
巫女「確かに人や神と少し違う匂いがしますね」クンクン
神使「うっ・・・///」
神様「悪魔に魂を売り渡した極悪邪道腐れ犬ころだし腐臭とか漂ってるんじゃない?」
神使「失礼な・・・」
巫女「とても良い匂いです。 心が安らぐような気分が落ち着くような」クンクン
546: ◆8YCWQhLlF2 :2018/09/10(月) 00:36:23 ID:1JKUSx3.
大神「これは、ラベンダーだな」
神様「狛犬ってラベンダーの匂い発するの?」
神使「発しません。 ラベンダーの香りの匂い袋をもっているもので」
神様「相変わらずオシャレさんですね〜」
神使「ほんの少しだけなのですが、よくお分かりになりましたね」
巫女「鼻には自信がありまして」
神様「ちなみに私はどんな匂いする?」
巫女「そうですね・・・ 草木の香りと言いますか、大地の香りと言いますか・・・」
大神「正直に言ってやれ。 雑草と土の匂いだ」
神様「・・・・・・」
547: ◆8YCWQhLlF2 :2018/09/10(月) 00:37:43 ID:1JKUSx3.
神使「ちなみに巫女さんは何の神使さんなのですか?」
巫女「私は───」
大神「まてまて、今こそ名乗りの成果を見せるときじゃないのか?」ニヤッ
巫女「!? 確かに!」
神様・神使「?」
神様「まぁ、狛犬には負けるかもしれんがな。 全力でいけ」
巫女「はい!」
大神「こいつは別嬪じゃぞ? オスなら皆イチコロだ」
神様「ほぉ〜ん。 私の美貌には足下にも及ばないと思うけどね!」
大神「さぁ、我が使いにしてこの地を守りし巫女よ! お前の真の姿を見せるが良い!」
548: ◆8YCWQhLlF2 :2018/09/10(月) 00:38:48 ID:1JKUSx3.
巫女「ウゥ・・・」グルルル
神様・神使「!?」
巫女「グォ グガーー!!」メキメキ
ボキボキ ミシミシ
巫女「グギャーーー!!」グルルル
神様・神使「・・・・・・」
大神「うんうん、良い変身っぷりだ」
巫女「ありがとうございます!」
大神「どうだ神ちゃん、うちの神使は」
神様「う、うん。 立派な狼娘さんなのね・・・ なんか、生々しい変身だったね・・・」
神使「そ、そうですね。 ホラー映画のようでした・・・」
549: ◆8YCWQhLlF2 :2018/09/10(月) 00:40:54 ID:1JKUSx3.
大神「随分とありきたりな評価だな」
狼娘「少し拍子抜けですね。 大抵の人は泣き喚くか失神しますから」
大神「変身途中で涎をまき散らした方が良いんじゃないか?」
狼娘「なるほど。 最後に舌を垂らしてボタボタと涎がしたたり落ちれば更に怖いですね」
神様「いやいや、今ので十分怖いから」
神使「私も、腰が抜けて立てない位ビックリしました」
神様「犬ころもまだまだだな。 私を見ろ、オシッコ漏らしたぞ」ジワッ
神使「・・・・・・」
大神「お〜 95点! 合格点だ」
狼娘「ありがとうございます! 歴代3位の高得点です!」
大神「それより神ちゃん、あんまり汚さないでくれよ」
狼娘「大丈夫ですか?」ズイッ
神様「きゃー! 大丈夫! 怖いから変身解いて!」ジュワッ〜
551: ◆8YCWQhLlF2 :2018/09/11(火) 01:31:44 ID:N4fvY2DA
─── 10分後
ガチャッ
神使「あっ、神様お風呂上がりました? って、また素っ裸で・・・」
神様「・・・・・・」ブルブル
大神「体くらい拭いてこい」
神様「み、水風呂なんですけど・・・ 冷え冷えなんですけど・・・」ブルブル
大神「暑いし水でも大丈夫だろ」
狼娘「湧き水って気持ち良いですよね。 お清めにも丁度良いですし」
神様「水なんかで何が清まるんだよ」ブルブル
神使「神がそんな事言わないで下さい」
552: ◆8YCWQhLlF2 :2018/09/11(火) 01:32:55 ID:N4fvY2DA
神様「神使君、早く着る物!」
神使「神様が着る物をねだるなんて珍しいですね」
神様「こんなん風邪引くわ!」
大神「鍛え方が足りないんじゃないのか?」
神様「どう鍛えりゃあんな冷たい水風呂に耐えられるようになるんだよ!」
神使「Tシャツと短パンは洗濯中なので巫女服でも良いですか?」ゴソゴソ
神様「ん」イソイソ
大神「ほぉ〜 神ちゃんの巫女姿なんて初めて見るな」
神使「そうなんですか? 神様は巫女服以外Tシャツとジャージ、後は小学生みたいな服しか持っていないので」
神様「」ゲシッ
553: ◆8YCWQhLlF2 :2018/09/11(火) 01:34:18 ID:N4fvY2DA
大神「昔はもっとゴテゴテした動きにくそうな服を着てたよな」
神様「装束だよ、いつの話してんだよ。 それを言うならお前だっていっつも鎧着てたじゃないかよ」
神使「鎧って・・・ いつの時代ですか・・・」
大神「流石に今の時代にあんな物着てても役に立たないしな」
狼娘「・・・・・・」
大神「あ〜 そんな事より、ココへは何をしに来たんだ?」
神様「さっき言っただろうが。 廃社寸前の経営状態だから調べに来たんだよ」
大神「そんな事言われてもなぁ〜 人が来ないんじゃどうしようもないだろ」
神使「休日なのに参拝者の方が1人も来ていないようですね」
大神「もう何ヶ月も鳥居から奥に来た奴はいないな」
554: ◆8YCWQhLlF2 :2018/09/11(火) 01:36:47 ID:N4fvY2DA
狼娘「威嚇が足りないんでしょうか?」
神様「威嚇してんのかよ・・・」
大神「畏れは大事だろ」
神使「失礼ですが、地元の方や氏子さん達は?」
大神「年に一度ある祭儀の時だけだな」
狼娘「それも年々人が来なくなり去年はゼロでしたね」
神様「祭儀って?」
狼娘「大神様と私で参列者を徹底的に恐怖へ陥れるんです」
神様・神使「・・・・・・」
神様「もしかして、さっきのホラー映画ばりのやつを披露したり?」
狼娘「はい! でも最後に本殿までたどり着いたのは10年位前でしたね」
555: ◆8YCWQhLlF2 :2018/09/11(火) 01:37:32 ID:N4fvY2DA
神使「何でそんなことを?」
大神「神としての威厳を示す。 畏れは大事だろ?」
神様「この神社に人が寄りつかず破産寸前な理由が分かった気がするよ」ハァ
神使「そうですね」
大神・狼娘「え!?」
神様「え? じゃねーよ! 気付よ!」
大神「狼娘、分かるか?」
狼娘「う〜ん、やっぱりヨダレをまき散らさなかったのがいけないんでしょうか」
神様「ちげーよ! 逆だよ、逆!」
大神・狼娘「?」キョトン
神様「はぁ〜・・・ これは面倒くせーな・・・」
556: 以下、名無しが深夜にお送りします :2018/09/11(火) 23:18:14 ID:H5ThPis.
大変だぁ
557: ◆8YCWQhLlF2 :2018/09/12(水) 01:40:13 ID:lsHExe6s
─── 夕方・神社近くの田舎道
テクテク
神様「暇だから散歩に出たは良いものの、ビックリする位何もない村だな」
神使「でも長閑で良い雰囲気です」
神様「おっ、ようやく第一村人発見」
神使「畑のお手入れでしょうか?」
神様「こんちわ〜」
村人「ん?」クルッ
神使「立派なトウモロコシですね」
558: ◆8YCWQhLlF2 :2018/09/12(水) 01:41:09 ID:lsHExe6s
村人「見かけん顔ですな。 旅行かい?」
神様「まぁそんな感じ」
村人「残念だけど、この村には何もないで?」
神様「・・・・・・」ジーッ
村人「モロコシが気になるのか、食べるけ?」ポキッ
神様「いいの!?」
神使「すいません、何か催促したような感じで・・・」
村人「えぇって、今年は余るほど収穫があってな」
神様「甘い!」モグモグ
神使「生で食べるんですか・・・」
神様「じゃ、またね〜」トテトテ
神使「ちょっと、神様」グイッ
神様「グヘッ!」
神使「駄菓子を買いに来たんじゃないですよ」
神様「あ? そうか、オシッコをしに来───」
神使「すいません、私達こちらの神社に用がありまして」
巫女「神社に・・・」ピクッ
神使「社務所は横の鳥居から入っていけば良いんでしょうか?」
巫女「遊び半分で参拝に来たのであれば、今すぐ立ち去った方が身のためですよ?」
神使「そういう訳では・・・ 狼之神様とお会いしたく」
巫女「!?」
神使「申し遅れました。 私達、神宮の者です」
巫女「神宮?」キョトン
534: ◆8YCWQhLlF2 :2018/09/09(日) 03:02:37 ID:soVEIZkM
─── 大神之神社・参道
テクテク
巫女「先ほどは失礼しました。 大神様のお知り合いとは知らず・・・」
神様「かなりご無沙汰だけどね」
神使「木々が凄いですね。 だいぶ気温が低く感じます」
巫女「無造作に生えているように見える木も、気温を下げるために手入れをして配置しているんです」
神使「へぇ〜 参拝者思いな作りなんですね」
巫女「はい。 神社に踏み入れたら一気に気温が低くなった方が怖さが増しますからね」ニコッ
神使「怖さ・・・ ですか?」
535: ◆8YCWQhLlF2 :2018/09/09(日) 03:03:17 ID:soVEIZkM
巫女「あっ、こちらが本殿です」
神使「これは随分と・・・」
神様「壊れ〜かけの〜神社〜♪」
神使「主神様はこちらに?」
巫女「はい。 ただ、今はあまりお見せできる状態ではなく」
神様「大丈夫だって。 そういうの馴れてるし」
巫女「そうですか? では」
ギィ
巫女「大神様、お客様です」
大神「フンッ! フンッ! あ? 客ってだ───」
ギィー バタン
536: ◆8YCWQhLlF2 :2018/09/09(日) 03:03:58 ID:soVEIZkM
神様・神使「・・・・・・」
巫女「どうされたんです? 急に閉めて」
神様「ねぇ、真っ裸の女が竹刀振ってたんだけど・・・」
神使「神様にもそう見えましたか」
巫女「最近暑いですし」
神様「いや、まぁ何となく言いたいことは理解できるし気持ちも分かるけど・・・」
バンッ
大神「おい、騒々しいぞ!」
神様「お巡りさ〜ん! 露出狂の痴女がいます〜」
大神「露出なんかしとらんわ! 褌とサラシを巻いているだろうが!」
神様「服着ろよ! 服!」
神使(神様がそれを言いますか)
大神「まさか・・・ 神ちゃんか!?」
537: 以下、名無しが深夜にお送りします :2018/09/09(日) 08:03:31 ID:1ddUmrEM
まさかの外伝乙なのよ
まさかまさかの、神ちゃんが戻ってきた!
539: 以下、名無しが深夜にお送りします :2018/09/09(日) 17:12:29 ID:q57cYVvw
神ちゃーーーーん
540: 以下、名無しが深夜にお送りします :2018/09/09(日) 18:13:12 ID:Sr5R03Bw
乙神
ここが更新されてると安心する
541: 以下、名無しが深夜にお送りします :2018/09/09(日) 21:51:27 ID:5zq5chqA
保守をずっとしながら待ったかいがあった。
来てくれてありがとう。
542: 以下、名無しが深夜にお送りします :2018/09/09(日) 23:35:40 ID:dblHUwAs
さすが神ちゃん!信じる者の味方だね!!
543: ◆8YCWQhLlF2 :2018/09/10(月) 00:31:41 ID:1JKUSx3.
─── 社務所
巫女「お水です」コトッ
神様「ありが、えっ!? 水?」
巫女「どうぞ」コトッ
神使「あ、ありがとうございます」
神様「お茶請け、いや水請けとかないの?」
神使「水請けって・・・ 先ほど買った酢イカならありますが」パカッ
神様「水と酢イカって合うか?」
巫女「頂きます」クチャクチャ
神様「売ったお前が食うんかい・・・」
544: ◆8YCWQhLlF2 :2018/09/10(月) 00:34:02 ID:1JKUSx3.
大神「それより、どうしたんだ神ちゃん。 随分と久しぶりじゃないか」クチャクチャ
神様「仕事だよ。 ってお前も食うのかよ」
大神「土産だろ? そんな事よりこんな田舎に仕事なんかあるのか?」
神様「お前の神社が参拝者もなく赤字続きの借金まみれで潰れそうだから調べに来たんだよ」
神使「そんなぶっちゃけなくても・・・」
大神「えーと、君は神ちゃんの連れか?」
神様「あ〜 これは犬ころ」
神使「神様のお付きで狛犬の神使と申します」フカブカ
大神「ほぉ〜 狛犬の神使とは珍しいな」
545: ◆8YCWQhLlF2 :2018/09/10(月) 00:35:17 ID:1JKUSx3.
巫女「わぁ〜 私以外の神使って初めてお会いしました!」キラキラ
神使「よろしくお願いいたします」ペコリ
巫女「神使さんは、その・・・ お一人なんですか?」モジモジ
神使「え!? いや・・・ まぁ・・・」
神様「これは私の犬ころだから。 狛犬はワシントン条約で保護されてる希少種だから交尾はダメ」
神使「そんな物で保護されていません。 あと、はしたない言葉を使わないで下さい」
巫女「確かに人や神と少し違う匂いがしますね」クンクン
神使「うっ・・・///」
神様「悪魔に魂を売り渡した極悪邪道腐れ犬ころだし腐臭とか漂ってるんじゃない?」
神使「失礼な・・・」
巫女「とても良い匂いです。 心が安らぐような気分が落ち着くような」クンクン
546: ◆8YCWQhLlF2 :2018/09/10(月) 00:36:23 ID:1JKUSx3.
大神「これは、ラベンダーだな」
神様「狛犬ってラベンダーの匂い発するの?」
神使「発しません。 ラベンダーの香りの匂い袋をもっているもので」
神様「相変わらずオシャレさんですね〜」
神使「ほんの少しだけなのですが、よくお分かりになりましたね」
巫女「鼻には自信がありまして」
神様「ちなみに私はどんな匂いする?」
巫女「そうですね・・・ 草木の香りと言いますか、大地の香りと言いますか・・・」
大神「正直に言ってやれ。 雑草と土の匂いだ」
神様「・・・・・・」
547: ◆8YCWQhLlF2 :2018/09/10(月) 00:37:43 ID:1JKUSx3.
神使「ちなみに巫女さんは何の神使さんなのですか?」
巫女「私は───」
大神「まてまて、今こそ名乗りの成果を見せるときじゃないのか?」ニヤッ
巫女「!? 確かに!」
神様・神使「?」
神様「まぁ、狛犬には負けるかもしれんがな。 全力でいけ」
巫女「はい!」
大神「こいつは別嬪じゃぞ? オスなら皆イチコロだ」
神様「ほぉ〜ん。 私の美貌には足下にも及ばないと思うけどね!」
大神「さぁ、我が使いにしてこの地を守りし巫女よ! お前の真の姿を見せるが良い!」
548: ◆8YCWQhLlF2 :2018/09/10(月) 00:38:48 ID:1JKUSx3.
巫女「ウゥ・・・」グルルル
神様・神使「!?」
巫女「グォ グガーー!!」メキメキ
ボキボキ ミシミシ
巫女「グギャーーー!!」グルルル
神様・神使「・・・・・・」
大神「うんうん、良い変身っぷりだ」
巫女「ありがとうございます!」
大神「どうだ神ちゃん、うちの神使は」
神様「う、うん。 立派な狼娘さんなのね・・・ なんか、生々しい変身だったね・・・」
神使「そ、そうですね。 ホラー映画のようでした・・・」
549: ◆8YCWQhLlF2 :2018/09/10(月) 00:40:54 ID:1JKUSx3.
大神「随分とありきたりな評価だな」
狼娘「少し拍子抜けですね。 大抵の人は泣き喚くか失神しますから」
大神「変身途中で涎をまき散らした方が良いんじゃないか?」
狼娘「なるほど。 最後に舌を垂らしてボタボタと涎がしたたり落ちれば更に怖いですね」
神様「いやいや、今ので十分怖いから」
神使「私も、腰が抜けて立てない位ビックリしました」
神様「犬ころもまだまだだな。 私を見ろ、オシッコ漏らしたぞ」ジワッ
神使「・・・・・・」
大神「お〜 95点! 合格点だ」
狼娘「ありがとうございます! 歴代3位の高得点です!」
大神「それより神ちゃん、あんまり汚さないでくれよ」
狼娘「大丈夫ですか?」ズイッ
神様「きゃー! 大丈夫! 怖いから変身解いて!」ジュワッ〜
551: ◆8YCWQhLlF2 :2018/09/11(火) 01:31:44 ID:N4fvY2DA
─── 10分後
ガチャッ
神使「あっ、神様お風呂上がりました? って、また素っ裸で・・・」
神様「・・・・・・」ブルブル
大神「体くらい拭いてこい」
神様「み、水風呂なんですけど・・・ 冷え冷えなんですけど・・・」ブルブル
大神「暑いし水でも大丈夫だろ」
狼娘「湧き水って気持ち良いですよね。 お清めにも丁度良いですし」
神様「水なんかで何が清まるんだよ」ブルブル
神使「神がそんな事言わないで下さい」
552: ◆8YCWQhLlF2 :2018/09/11(火) 01:32:55 ID:N4fvY2DA
神様「神使君、早く着る物!」
神使「神様が着る物をねだるなんて珍しいですね」
神様「こんなん風邪引くわ!」
大神「鍛え方が足りないんじゃないのか?」
神様「どう鍛えりゃあんな冷たい水風呂に耐えられるようになるんだよ!」
神使「Tシャツと短パンは洗濯中なので巫女服でも良いですか?」ゴソゴソ
神様「ん」イソイソ
大神「ほぉ〜 神ちゃんの巫女姿なんて初めて見るな」
神使「そうなんですか? 神様は巫女服以外Tシャツとジャージ、後は小学生みたいな服しか持っていないので」
神様「」ゲシッ
553: ◆8YCWQhLlF2 :2018/09/11(火) 01:34:18 ID:N4fvY2DA
大神「昔はもっとゴテゴテした動きにくそうな服を着てたよな」
神様「装束だよ、いつの話してんだよ。 それを言うならお前だっていっつも鎧着てたじゃないかよ」
神使「鎧って・・・ いつの時代ですか・・・」
大神「流石に今の時代にあんな物着てても役に立たないしな」
狼娘「・・・・・・」
大神「あ〜 そんな事より、ココへは何をしに来たんだ?」
神様「さっき言っただろうが。 廃社寸前の経営状態だから調べに来たんだよ」
大神「そんな事言われてもなぁ〜 人が来ないんじゃどうしようもないだろ」
神使「休日なのに参拝者の方が1人も来ていないようですね」
大神「もう何ヶ月も鳥居から奥に来た奴はいないな」
狼娘「威嚇が足りないんでしょうか?」
神様「威嚇してんのかよ・・・」
大神「畏れは大事だろ」
神使「失礼ですが、地元の方や氏子さん達は?」
大神「年に一度ある祭儀の時だけだな」
狼娘「それも年々人が来なくなり去年はゼロでしたね」
神様「祭儀って?」
狼娘「大神様と私で参列者を徹底的に恐怖へ陥れるんです」
神様・神使「・・・・・・」
神様「もしかして、さっきのホラー映画ばりのやつを披露したり?」
狼娘「はい! でも最後に本殿までたどり着いたのは10年位前でしたね」
555: ◆8YCWQhLlF2 :2018/09/11(火) 01:37:32 ID:N4fvY2DA
神使「何でそんなことを?」
大神「神としての威厳を示す。 畏れは大事だろ?」
神様「この神社に人が寄りつかず破産寸前な理由が分かった気がするよ」ハァ
神使「そうですね」
大神・狼娘「え!?」
神様「え? じゃねーよ! 気付よ!」
大神「狼娘、分かるか?」
狼娘「う〜ん、やっぱりヨダレをまき散らさなかったのがいけないんでしょうか」
神様「ちげーよ! 逆だよ、逆!」
大神・狼娘「?」キョトン
神様「はぁ〜・・・ これは面倒くせーな・・・」
556: 以下、名無しが深夜にお送りします :2018/09/11(火) 23:18:14 ID:H5ThPis.
大変だぁ
557: ◆8YCWQhLlF2 :2018/09/12(水) 01:40:13 ID:lsHExe6s
─── 夕方・神社近くの田舎道
テクテク
神様「暇だから散歩に出たは良いものの、ビックリする位何もない村だな」
神使「でも長閑で良い雰囲気です」
神様「おっ、ようやく第一村人発見」
神使「畑のお手入れでしょうか?」
神様「こんちわ〜」
村人「ん?」クルッ
神使「立派なトウモロコシですね」
558: ◆8YCWQhLlF2 :2018/09/12(水) 01:41:09 ID:lsHExe6s
村人「見かけん顔ですな。 旅行かい?」
神様「まぁそんな感じ」
村人「残念だけど、この村には何もないで?」
神様「・・・・・・」ジーッ
村人「モロコシが気になるのか、食べるけ?」ポキッ
神様「いいの!?」
神使「すいません、何か催促したような感じで・・・」
村人「えぇって、今年は余るほど収穫があってな」
神様「甘い!」モグモグ
神使「生で食べるんですか・・・」
神様「神様だっ!」 神使「神力ゼロですが・・・」
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