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神様「神様だっ!」 神使「神力ゼロですが・・・」

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Part121
467: ◆8YCWQhLlF2 :2018/06/01(金) 15:44:16 ID:4LGehj.I
ピカー
内宮神「お前まさか!? まずい!」
A子「空から誰か降りてくる!」
内宮神「!?」
フワフワ
バサッ バサッ
社員「おい、何だよ・・・ あれ・・・」
職員「人が宙に・・・」
作業員「背中に・・・ は、羽根が付いてる!?」
バサッ バサッ

468: ◆8YCWQhLlF2 :2018/06/01(金) 15:45:11 ID:4LGehj.I
神使「あなたは・・・」
?「お久しぶりで〜す」
神使「住職・・・ いや、天使さん?」
A子「天・・・使・・・?」
ミカエル「ミカエルと申しま〜す。 シニョリーナ、今度ゆっくりコーヒーでも」
一同「・・・・・・」
ミカエル「神がお呼びです。 一緒に」スッ
神使「神・・・?」
A子「キリストさんが助けてくれるの?」
ミカエル「何か誤解しているようですが、私はキリストの使いなどではありませ〜ん」
神使「どういう意味です?」
ミカエル「私は神の使いで〜す」
神使「・・・・・・」

469: ◆8YCWQhLlF2 :2018/06/01(金) 15:45:57 ID:4LGehj.I
ミカエル「この姿であまり長くとどまれませ〜ん、さぁ手を」
A子「お願い! 神ちゃんを助けて!」
ミカエル「神は肉体を失うと復活できませ〜ん」
A子「そんな・・・」
内宮神「待ってくれ! そいつを連れて行かないでくれ!」
神使「内宮神様?」
内宮神「そいつまでいなくなってしまったら私は・・・ 罪の重圧に耐えられない・・・」
神使「私を神様の元に連れて行ってくれるのですか?」
ミカエル「甘えた事を言ってはいけませ〜ん。 話があると言っているだけで〜す」
神使「・・・・・・」

470: ◆8YCWQhLlF2 :2018/06/01(金) 15:46:56 ID:4LGehj.I
ミカエル「行かないのですか?」
内宮神「頼む・・・ 連れいていかないでくれ・・・」
ミカエル「あなたの考えているようにはならないと思いますよ?」
内宮神「え?」
ミカエル「さぁ、手を」
神使「・・・・・・」スッ
ミカエル「目をつぶっていて下さ〜い」
ピカー
バサッ バサッ
A子「神使さん?」キョロキョロ
内宮神「消えた・・・」

471: 以下、名無しが深夜にお送りします :2018/06/01(金) 17:42:57 ID:FYzPGWvA
どうなるんだ?
大丈夫なんだろうな?


472: 以下、名無しが深夜にお送りします :2018/06/01(金) 18:13:18 ID:AN83JIDg
神ちゃぁぁぁぁん(号泣)

474: ◆8YCWQhLlF2 :2018/06/01(金) 21:15:42 ID:4LGehj.I
─── ?
?「もう目を開けても大丈夫です」
神使「こ、ここは・・・」キョロキョロ
?「初めまして」
神使「誰です? どこにいるのですか?」
?「今は声だけで許して下さい」
神使「あなたがミカエルさんの言っていた・・・」
?「私には貴方たちのように名はありませんが、神の神と言ったところでしょうか。 女神とでも呼んでおいて下さい」
神使「神の神・・・」
女神「もちろん私の上には神がいて、その上にも神がいると思いますが」
神使「?」
女神「私にも分からないことはあります」

475: ◆8YCWQhLlF2 :2018/06/01(金) 21:17:43 ID:4LGehj.I
神使「その女神さまがどうして私を・・・」
女神「この場所にあなたは長くとどまる事は出来ないので手短にお話しします」
神使「・・・・・・」
女神「あなたは先ほど“最後の言霊”を唱えましたね?」
神使「はい」
女神「統治を担う最高神のみが使う事の出来るたった1度の願い。 そのを願いを叶えたいと思います」
神使「じゃぁ神様を助けることが!?」
女神「ただし問題があります」
神使「問題?」
女神「あなたが最後の言霊を唱えられたという事は、あなたが新しい最高神だという事」
神使「・・・・・・」
女神「最後の言霊は唱えた最高神の身を犠牲にします。 知っていますね?」
神使「・・・承知しています」

476: ◆8YCWQhLlF2 :2018/06/01(金) 21:20:37 ID:4LGehj.I
女神「そして、新たな最高神が最後の言霊を受け継ぐと前の最高神は消えるのです」
神使「しかし、幼女神さまは・・・」
女神「あれは、2つ前の最高神」
神使「・・・・・・」
女神「あなたの願いは前の最高神に戻ってきてもらう事ですね?」
神使「・・・はい」
女神「しかし、あの子は身を捧げ肉体を失いました。 神として復活することはできません」
神使「・・・・・・」
女神「しかし・・・ 誰の案ですか?」
神使「?」

477: ◆8YCWQhLlF2 :2018/06/01(金) 21:21:31 ID:4LGehj.I
女神「随分と回りくどいことをされたようで。 私も言霊の受け渡しにこんな不備があるとは気付きませんでしたが」
神使「たぶん・・・ 偶然です。 いえ、こうなるようになっていたのではないでしょうか」
女神「・・・・・・。 そうですね」
トテトテ
神使「?」クルッ
?「・・・・・・」
神使「!? 神・・・ 様・・・」

478: ◆8YCWQhLlF2 :2018/06/01(金) 21:22:12 ID:4LGehj.I
?「こんにちは」ニコッ
神使「神様にそっくり・・・」
女神「全く同じはずですが、違いが分かるのですか?」
神使「私が神様と他の方を間違えるわけありません」
女神「そうですか」
神使「それで、神様は一体!?」
女神「もし、どのような形でもというのなら願いを叶えましょう」
神使「どのような形でも? というのは・・・」
女神「言葉の通りです」
神使「・・・・・・」
女神「先ほども言ったとおり、神は肉体を失うと再び神として生を与えることが出来ません」
神使「・・・・・・」

479: ◆8YCWQhLlF2 :2018/06/01(金) 21:23:12 ID:4LGehj.I
女神「しかし、あなたは最高神の身を捧げ、完全とは言えないまでもその願いを叶える事が出来ます」
神使「構いません。 それで神様がまた皆と楽しく暮らせるのであれば!」
女神「分かりました。 短い間でしたが、あなたは最高神を終えその力を次の相応しい人物に移します」
神使「はい」
女神「力を楽にして」ポワポワ
神使「」
女神「最後に、何か言い残すことはありますか?」
神使「神様がこの先ずっと幸せに過ごせるようお願いします」
女神「ずっと・・・。 分かりました、その願い聞き入れましょう」
神使「ありがとうございます」フカブカ
ピカー
女神「お幸せに〜」

480: ◆8YCWQhLlF2 :2018/06/01(金) 21:24:09 ID:4LGehj.I
女神「・・・・・・」
ミカエル「終わったみたいです〜ね」テクテク
女神「ミカエルですか。 ここに来るなんて珍しいですね」
ミカエル「こんな時でなければお会いできませんから」
女神「教会で何かやっていた途中ではないのですか?」
ミカエル「そう言えばそうで〜すね。 急に消えたからビックリしているかも知れませ〜んね」
女神「あなたも長くこの場所にいられません。 お戻りなさい」
ミカエル「良いので〜すか?」
女神「何がです?」
ミカエル「最後の言霊は1回の願いとの引き換えで〜すよね?」
女神「そうですね」
ミカエル「叶えすぎじゃないで〜すか?」

481: ◆8YCWQhLlF2 :2018/06/01(金) 21:25:02 ID:4LGehj.I
女神「・・・ミカエル、あなたはどこまでこの件に関わっているのです?」
ミカエル「私は成り行きで動いているだけで〜す」
女神「800年前、あなたは何故あの子に最後の言霊の読み方を教えたのですか?」
ミカエル「さぁ? 覚えていませ〜んね」
女神「初対面で裸に剥かれたことは覚えているのに?」
ミカエル「・・・・・・」
女神「まぁ、良いです。 些細なことですから」
ミカエル「それでは、私は下界に戻ってコーヒーを飲んできま〜す」

482: ◆8YCWQhLlF2 :2018/06/01(金) 21:25:40 ID:4LGehj.I
女神「あっ、ミカエル」
ミカエル「?」
女神「今度ここに来ることがあれば、牡蠣とやらを持ってきて下さい」
ミカエル「分かりま〜した」
女神「出来れば“鬼牡蠣”を!」
ミカエル「気長にお待ち下さ〜い」
───
─────
──────

483: ◆8YCWQhLlF2 :2018/06/01(金) 21:26:44 ID:4LGehj.I
──────
─────
───
─── 時は流れて……
A子「ふぃ〜 もう歩けないよー」テクテク
お付き「ここに来たいと行ったのはA子さんじゃないですか・・・」
A子「言ったけどさぁ〜」
お付き「あっ! あれじゃないですか?」
A子「どこどこ?」キョロキョロ
お付き「丘の上です。 ほら、人もいますよ?」
A子「!!」タッタッタッ
お付き「ちょ、A子さん!」

484: ◆8YCWQhLlF2 :2018/06/01(金) 21:27:25 ID:4LGehj.I
─── 丘の上の小さなお店
女性「どうもね〜」
客「美味しかったよ。 また来るね」テクテク
男性「ありがとうございました」
女性「・・・・・・。 さてと、じゃぁ今日は終わりにしちゃいましょうか」
男性「そうだね」
 A子「あの!」
女性・男性「?」クルッ

485: ◆8YCWQhLlF2 :2018/06/01(金) 21:28:18 ID:4LGehj.I
A子「あの! まだ・・・ まだ、開いてますでしょうか!?」
女性「・・・・・・。 ごめんね、今日はもうおしまいなの」
A子「そんな・・・」
女性「今日は大切なお客様が来る予定でね」
A子「・・・・・・」
女性「どうします? あなた」
男性「販売用の牡蠣はもう無くなってしまいましたが、確か取れたての最高級の物があったよね」
女性「そういえば」
男性「最高神様にお出しするにはもってこいだと思うよ? なにせ鬼牡蠣だから」
女性「確かに。 神宮美食クラブきっての食通ですからね」
A子「・・・・・・」ウルウル
女性「久しぶりだね。 A子ちゃん」
A子「お久しぶりです」フカブカ

486: ◆8YCWQhLlF2 :2018/06/01(金) 21:29:29 ID:4LGehj.I
男性「そちらの方は?」
お付き「神宮の者です。 大宮司のご両親様にお目にかかれて光栄です」ペコリ
男性「神宮の方ですか。 いつも息子がお世話になっております」ペコリ
女性「迷惑掛けてない? あの子、昔から勢いだけで生きている節があるから」
お付き「そんな事は・・・ 多少やんちゃなとことがあるのは事実ですが・・・」
女性「やっぱり?」フフッ
A子「うっ・・・ うっ・・・」ポロポロ
お付き「ちょ、A子さん!? どうされたんですか?」オロオロ
A子「神ちゃん、神使さん・・・」ポロポロ
神使「噂は聞いています。 立派な神になったみたいですね」
A子「そんなこと・・・ ない・・・」グスッ
神様「あの神宮をここまで変えるなんて、さすが私の認めたA子ちゃん」ニコッ
A子「うっ・・・ 私・・・ 神ちゃんみたいな・・・ 神になりたくて・・・ 一生懸命頑張った」ポロポロ

487: ◆8YCWQhLlF2 :2018/06/01(金) 21:30:11 ID:4LGehj.I
お付き「えっ!? 神?」
神様「元だけどね。 今はただの牡蠣小屋の陽気なおばちゃん」
A子「そんな事ない。 今なら分かる・・・ 神ちゃんがどんなに凄い最高神だったかが」
神使「おや、私も最高神だったんだけどね」
神様「1日だけ、いや半日だけ?」
お付き「え!? 最高神!?」アワアワ
神使「お付きの方は、神使さんですか?」
お付き「は、はい! A子神のお付きで狛犬の神使と申します!」フカブカ
神様「あら、狛犬だって。 あなたと同じ」
神使「元だけどね」
お付き「この国の礎を築いた最高神様にお目にかかれて光栄です!」フカブカ
神様「私達はもう神や神使じゃないんだから、そんなに気を遣わないで?」


488: ◆8YCWQhLlF2 :2018/06/01(金) 21:30:55 ID:4LGehj.I
お付き「まさか大宮司のご両親様が元最高神様だったなんて・・・」
神様「あの子には内緒にしておいてね?」
A子「神ちゃん! 会いたかったよー!」ダキ
神様「おっと〜 今日はお付きの神使と二人だけでここまで来たの?」
A子「うん。 最高神が自由に外出できるようになるまでこんなに時間と労力が必要だったなんて・・・」
神様「頑張ったね」ナデナデ
A子「やっぱり神ちゃんは凄い・・・ 凄いよ」
神様「でも、事前に神宮から連絡があったから完全に自由になるまではもう少し先みたいだけど」クスッ
A子「だね」クスッ

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