しんのすけ「アローラ地方を冒険するゾ」
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427 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/20(火) 20:20:53.29 ID:Pr7L8+H70
ネッコアラ「スピー……!」ブンッ!
キテルグマ『おりゃああっ!!』ブゥンッ!
居合抜きをするように、互いの得物がそれぞれ相手に向かって振り抜かれていく。
ネネのピッピ人形はネッコアラの脇腹めがけて、ネッコアラのまくら木はネネの脳天めがけて振り下ろされる!
ドゴッ!
ドズムッ!
キテルグマ『うっ……!』クラッ
ネッコアラ「……!」フラッ
しんのすけ&ハウ「!!」
ほぼ同時に、キテルグマの頭にまくら木が、ピッピ人形がネッコアラの脇腹に当たって、両者が地面に倒れこむ……。
キテルグマ「」
ネッコアラ「」
ククイ博士「また、引き分けか……!」
428 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/20(火) 20:21:58.10 ID:Pr7L8+H70
しんのすけ「こういうの、九と三分の一って言うんだっけ」
ハウ「五分五分、だよー」
ジュナイパー(ボール)『ネネちゃん、大丈夫?』
キテルグマ(ボール)『う、うん。なんとか引き分けに持ち込めたけど……さっきの感覚、なんだったのかしら』
ミミッキュ(ボール)『鬼気迫るものが、あった』
フェローチェ(ボール)『しん様、次は誰を出しますの?』
しんのすけ「それじゃーマサオくん、行きますか!」
ヨワシ(ボール)『任せてよ!』
429 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/20(火) 20:23:30.96 ID:Pr7L8+H70
ハウ「シャワーズ! 行っておいでー!」ヒョイッ!
しんのすけ「マサオくん、レッツラゴー!」ヒョイッ!
ヨワシ(群れ)『いつもより派手にぶっぱなしてやるぜ!!』ポンッ!
シャワーズ「シャワワ!」ポンッ!
ハウ「みずポケモン対決だねー。今度は負けないよー!」キッ
しんのすけ「水着のおねいさんがいればもっと画面映えするかもね」
ハウ「こんな時でもそーゆーことしか考えないのー? シャワーズ、アクアリングだよー!」
シャワーズ「シャワッ!」ブクブクッ
ヨワシ(群れ)『なんだァ? あの輪っか』
ハウ(ハプウさんとの大試練とリーリエとの練習で、マサオに大きい攻撃当ててもー群れをバラバラにして避けちゃうことがあるからねー。だったら、確実に群れを減らすやり方で行くよー)
ジュナイパー『マサオくん! シャワーズはみずタイプだ! ハイドロポンプやねっとうを使うより、物理攻撃で攻めるんだ!』
ヨワシ『おうっ、このまま押しつぶしていくぜっ!』
430 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/20(火) 20:24:39.99 ID:Pr7L8+H70
ゴウッ!
マサオが巨体を動かして、シャワーズに突進して攻め込んだ。マサオのとっしんを避けきれず、シャワーズの小さな身体が弾き飛ばされる!
ズズンッ!
シャワーズ「シャワ……ッ!」
ハウ「シャワーズ! どくどくだよー!」
シャワーズ「シャワーッ!!」バシャッ!
ヨワシ『なっ……!』ビシャッ!
シャワーズの口から放たれた紫色の液体がマサオの群れに飛び散った。ヨワシたちの群れに毒が行き渡り、何匹かのヨワシが群れから離れていく。
シャワーズ「シャワワ……」シュウシュウ
しんのすけ「なんか傷が塞がってない?」
フェローチェ(ボール)『あの輪っかがシャワーズの傷を治しているようですわん』
ジュナイパー(ボール)『そうか……! ハウさんは、マサオくんの攻撃を耐えて回復しつつ、どくで確実に体力を奪いに来たんだ!』
ヨワシ『群れをバラバラにして回避されるのを警戒してきやがったな』
ミミッキュ『それだけじゃない。シャワーズは、特性でみずタイプの技を受けると回復するから実質、マサオくんはハイドロポンプもねっとうも使えない』
431 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/20(火) 20:25:56.00 ID:Pr7L8+H70
ヨワシ『マジで俺たちを倒そうとしてるのが伝わって来るぜ』
ヨワシ『その想いに答えてやんなきゃオスがすたるってもんだぜ! なぁしんのすけ!』
しんのすけ「おおっ、男らしい。いつもはへたれてるのに」
ヨワシ『るせーやい! 行くぜい野郎ども! 毒になんか負けんなよ!』
「ヨワーーーッ!」
マサオの号令で群れが一度バラけると、一斉にシャワーズへとなだれ込んだ。ほとんどそれぞれが体当たりするにとどまっているものの、次々とシャワーズにダメージを与えていく。
ドカドカドカッ!!
シャワーズ「シャワッ! シャワワッ!」
ヨワシ『そっちがチマチマ攻めるってんなら、こっちは一気に削りきってやるぜ!』
ククイ博士「うーむ、まさに『ふくろだたき』だね! ちょっと違うけど」
ハウ「シャワーズ、れいとうビーム!」
シャワーズ「シャワーッ!」ズピーッ!
押し寄せてくるヨワシたちに対して、シャワーズがなぎ払うようにれいとうビームを発射した。シャワーズに接近していたヨワシたちが次々と凍らされて地面に落下していく!
ヨワシ『やっべぇ! みんな戻れ!』
432 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/20(火) 20:28:52.71 ID:Pr7L8+H70
れいとうビームを回避しつつ、マサオの呼びかけでヨワシたちが集まって再び群れた姿へと戻った。
しかし、れいとうビームで何匹かヨワシが撃墜されて、サイズが小さくなっている。更に毒によって、ヨワシが数匹ほど離れていく。
ビキビキビキッ!
ハウ(どんどん群れが離れていくねー。でも、まだ油断はできないやー)
ハウ「シャワーズ! シャドーボール!」
シャワーズ「シャワワーッ!!」ドンッ!!
ヨワシ『このっ!』ブシュッ!
シャワーズの口から影の球体が空を切り、マサオに向かって飛んでいく。すぐさまマサオはみずでっぽうで相殺しようとするが、毒でマサオ自身弱ってることもあり、まとっているヨワシの数が少ないため、そのまま押し切られて群れが大きく散らされてしまった。
ドンッ!
ヨワシ『ぐああっ!』
シャワーズ「……」シュウウウッ
さらにその間にも、アクアリングでシャワーズの体力が回復していく。
ジュナイパー(ボール)『厄介な奴だな。ここまで来たら、次の一発で仕留めないと群れが散っちゃうよ!』
433 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/20(火) 20:30:35.40 ID:Pr7L8+H70
ヨワシ『おう……こうなりゃイチかバチかだ! しんのすけ! お前が見たいって言ってたワザ、今見せてやるよ!』
しんのすけ「おおっ、なになに?」
ヨワシ『野郎ども! ビーストと戦った時にやったアレ、やるぜ! あのちっこいのをブッ倒すぞ!』
ヨワシたち「ヨワーーッ!!」ドドドドドッ!!!
すると、再びマサオをまとっていた群れが分離する。今度はふくろたたきをするわけでも、技を回避するために取るわけでもない。
ハウ「マサオの群れがーー」
ククイ博士「別のものに変わっていく!」
群れが巨大な魚の姿から、巨大ロボットの上半身へと形を変えていく。やがて、しんのすけの目の前には、慣れ親しんだロボットの姿が出来上がっていた!
しんのすけ「おおっ! カンタム!!」
ヨワシ『前に一度、お前の目を覚まさせるために見せてやったんだぜ。ま、覚えてねぇだろうが』
しんのすけ「いっけーマサオくん! カンタムパーンチッ!!」グッ!
ヨワシ(群れ)『行くぜぃ! うおりゃあっ!!』ドウッ!!
2つの豪腕を象ったヨワシたちがハイドロポンプによる推進力を得て、ロケットパンチの如くシャワーズへと飛んでいく!
ハウ「ーー!」
434 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/20(火) 20:32:41.68 ID:Pr7L8+H70
すぐさまハウは回避を指示するも、それ以上のスピードでヨワシたちがシャワーズに突っ込んだ。
ドッゴォォォォォォッ!!!
大地を穿つ衝撃波と、爆発するようにヨワシたちがあたりに飛び散る。
しんのすけ「おーっ! マサオくんかっこいー!」ウキウキッ
ハウ「す、すごいー。今の技、なにー?」アゼン
しんのすけ「カンタムロボの必殺技、カンタムパンチだゾ」
ククイ博士(むしろヨワシの覚える技で言うなら、すてみタックルに近いね。それにしても、まさかあんな姿になってロケットパンチを放つとは……!)
霧が晴れると、倒れたシャワーズの姿があらわになり、同時にマサオのぎょぐんが解除された。
シャワーズ「シャ……シャワ」ピクピクッ
ヨワシ(単)『ううっ……もう毒が回って……動けないよぉ』クラッ
435 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/20(火) 20:33:54.68 ID:Pr7L8+H70
同時刻 アーカラ島
コニコシティ
カキ「まさか3回連続で引き分けになるとは……! なんて熱い勝負だ!」
マオ「珍しいこともあるんだね!」
ライチ「それだけ、今のしんのすけとハウの実力は拮抗してるってことだよ。2人は一緒に島巡りしてきたからね。仲も良いし、お互いを知り尽くしているからよ」
スイレン「……」
マオ「どうしたの? スイレン」
スイレン「あっ、その……今のヨワシ……いえ、マサオさんの姿を見て、感動しちゃって」
ライチ「そういえば、あの子はせせらぎの丘でしんのすけにゲットされたんだっけね」
スイレン「はい。ライチさんとの大試練で群れを率いた瞬間が見られなかったのがとても残念ですが……こうして勝負を通して、立派な姿が見られただけでも満足です!」
スイレン(マサオさん……他のヨワシにいじめられていたあなたが、本当に、本当にここまで強くなりましたね。嬉しいです。しんのすけさんも、マサオさんのおやになって導いていただき、ありがとうございます!)
436 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/20(火) 20:35:04.61 ID:Pr7L8+H70
ハウ「3回目も引き分けかー」
しんのすけ「運命の赤い糸的な何かを感じますなー」
ハウ「お互いのポケモンももう2匹しか残ってないんだねー! 勝負に夢中になってたら、あっという間だったよー!」
しんのすけ「アクション仮面とか見てたら、すぐ時間が過ぎちゃうよねー」
ハウ「でも、次のバトルからはもっともっと、楽しくなると思うよー。おれもーこの子を戦わせるのは初めてだからねー」スッ
ハウが手に持ったボールを掲げると、差し込んでいる光がきらりとボールの青いカラーと網目模様を照らした。
ククイ博士「ついに来たか! ハウ!」
しんのすけ「あれって、あいちゃんに入れてるボールと同じだ!」
ジュナイパー(ボール)『まさか!』
ハウ「行くよー! マッシブーン!!」ヒョイッ
マッシブーン「ブンブーンッ!」ポンッ!
筋肉そのものといえる赤い巨躯と、ダイヤモンドより硬くて長い口吻を持つ、異形のポケモンがウルトラボールから繰り出される。
437 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/20(火) 20:37:42.86 ID:Pr7L8+H70
ジュナイパー(ボール)『ハウさんが、ビーストを!?』
しんのすけ「ほーほー……」
マッシブーン「ブーン!」サイドチェスト!
現れたウルトラビースト、マッシブーンは自らの存在をアピールするようにマッスルポーズを決めた。
しんのすけ「どこで捕まえたの?」
ハウ「ナイショー。さーしんのすけもあいちゃんを出しなよー。水対水の次はビースト対ビーストだー!」
しんのすけ「おーうっ!」スッ
しんのすけ「あいちゃん! レッツラゴー!」ヒョイッ!
フェローチェ『お任せくださいませ!』ポンッ!
ジュナイパー(ボール)『あいちゃーん!』
ヨワシ(ボール)『がんばって、あいちゃん!』
キテルグマ(ボール)『ケッ!』
あいとマッシブーンがそれぞれにらみ合う。マッシブーンが筋肉を膨張させて、あいも片足を前に出して構えを取った。
438 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/20(火) 20:40:59.36 ID:Pr7L8+H70
同時刻 エーテルパラダイス
リーリエ「ハウさんがビーストさんをゲットなさっていたなんて……。にいさまは知っていたのですか?」
グラジオ「ああ……。母上が多くのウルトラボールを用いて多くのビーストを捕獲していたのは知っているな?」
リーリエ「はい、実際にカザマさんたちと一緒に、ビーストと戦いました」
グラジオ「そこで捕獲されたビーストたちは、ここで保護して生態の観察や研究することになったんだ。今アローラにいるやせいのビーストたちの保護に役立てるために。そして、いずれは人間とポケモン、ビーストたちが共存できるようにな」
グラジオ「なにより、ポケモンはトレーナーと供にいることで真価を発揮する……だから、おやがいるビーストの観察と研究も兼ねて、ハウに母上が捕獲していたビーストの1体を託したんだ。……さすがにウツロイドやアクジキングのような危険なビーストは渡せないがな」
グラジオ「あいつなら、ビーストもポケモンも隔てなく大事にしてくれるだろうからな。ハウも、ビーストと友達になれるのは嬉しい、と快く了承してくれた」
リーリエ「マッシブーンさんとハウさんが仲良くしている姿、目に浮かびますね」
グラジオ「この対戦は、世界中にも衝撃を与えるだろう。なにせ、アローラに災いをもたらしたビーストたちが、こうして2人のトレーナーが連れて、肩を並べて戦っているんだからな」
リーリエ「ビーストも世界こそ違うけれどポケモン……博士もそう言ってましたね!」
439 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/20(火) 20:44:31.54 ID:Pr7L8+H70
最初に飛び出したのはあいだった。稲妻の如き速さでマッシブーンに近づき、けたぐりを放つ。
フェローチェ『やああっ!』ブンッ!
マッシブーン「……!」バッ!
ドッ!
だが、マッシブーンも攻撃が来るのを予測していたのか、すぐさま胸の前で両腕を交差して、けたぐりを防ぐ!
フェローチェ『はっ!』ダッ!
あいも負けず、素早く背後に回り込むと、背中に向けてもう一度けたぐりを放つ。
ドゴッ!
……だが、一撃で並みのビーストを屠れるほどのあいの蹴りに、マッシブーンはびくともしなかった。
マッシブーン「ブーン……」
フェローチェ『……さすがですわん』
ハウ「マッシブーン! かみなりパンチ!」
マッシブーン「ブーンッ!」バチチチッ!
440 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/20(火) 20:46:44.17 ID:Pr7L8+H70
振り向きざまに、マッシブーンがあいに向けて電気をまとった裏拳を繰り出す! すぐさまあいはマッシブーンから離れるが、白くほっそりとした身体に、電撃が飛び散る!
フェローチェ『うっ! これは厄介ですわね……』
フェローチェ『驚きましたわ! ウルトラスペースにいた方々と違って、とても鍛え上げられていますわん! これがトレーナーに育てられたビーストの力ですか!』
フェローチェ『ですが、わたくしだって同じです! わたくしも、しん様のお役に立つために、この世界でカザマさんたちと一緒に特訓しましたもの!』
フェローチェ『その力、とくとお見せしますわん!』キィィィン
あいは空中で態勢を立て直すと、マッシブーンに向かって両手を伸ばした。すると、青い光が両手の中心に集まり、光線が発射された!
ズピーーーッ
ハウ「マッシブーン、きあいだまーっ!」
マッシブーン「ブゥゥン!」ギュオオッ
あいに対抗するように、マッシブーンは両手を掲げて気合を込めるとと、両手のひらの上に気が集まり、光の玉を形成していく。
マッシブーン「ブンッ!」ゴウッ!
そして、あいの放ったれいとうビームに向けて、きあいだまを投げ放った!
れいとうビームにきあいだまが直撃すると、瞬く間に凍結した。
ビキビキビキッ!
ドォォォンッ!
441 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/20(火) 20:49:20.30 ID:Pr7L8+H70
フェローチェ『行きますわ!』ギュン!
氷の欠片と黒煙を突き破りながら、あいがマッシブーンにとびひざげりを放つ!
マッシブーン「ブゥゥンッ!」ドッ!
マッシブーンは再び両腕でとびひざげりを受け止めると、あいが地面に着地に、今度は前蹴りを繰り出した!
フェローチェ『ふっ! やっ!』ブンブンッ!
マッシブーン「ブゥゥゥン!」ガシッ! ドカッ!
マッシブーンも、あいの猛攻を受け止めるだけでなく、隙を見つけては右ストレートを振り放つ。あいも回避しつつ、押し蹴りで反撃する。
ドカ!バキッ!ドゴッ!グガッ!!
フェローチェ『ふっ! やぁ! たぁ! せい! はぁ!』
マッシブーン「ブンブンブンッ!!」
ドカ!バキッ!ドゴッ!グガッ!!
2匹のビーストによる足と拳による激しい応酬が繰り広げられ、このまま永遠に続くかと思われた。
しかし、あいは一瞬の隙を突き、マッシブーンの腹に前蹴りを打ち込んだ!
フェローチェ『やっ!』
ドゴッ!
マッシブーン「ブンッ……!?」グラッ
442 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/20(火) 20:50:45.47 ID:Pr7L8+H70
フェローチェ『たーっ!』ゴウッ!
さらに、瞬間200km/hで繰り出されるドロップキックがマッシブーンの胸筋を押し出した。巨体を誇るマッシブーンもさすがに堪えたのか、うめき声を上げながら後退した。しかし、再び構えを取ろうとする。
マッシブーン「……」ググッ
しんのすけ「!」
フェローチェ『これで終わり、ですわ!』グッ
地面に着地して、とどめの一撃としてとびひざげりを放つ構えを取る。
しんのすけ「あいちゃん! ストップ!」
フェローチェ「!」ダッ!
しかし、しんのすけの言葉にあいの身体は追いつかず、マッシブーンに向かってまっすぐ飛び出してしまった!
途端に、ハウが勝ち誇った笑みを浮かべた。
ハウ「マッシブーン、カウンター!」
マッシブーン「ブンッ!」ゴウッ!
ゴスッ!
フェローチェ『うぐっ!?』メキィ
ククイ博士「入った! 凄まじいカウンターだ!」
443 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/20(火) 20:52:15.13 ID:Pr7L8+H70
あいのとびひざげりがマッシブーンを屠る直前に、右ストレートがあいの細い胴体に命中した。くの字に曲がって、あいの身体があっさりと吹っ飛んでいく!
キィーーン
ドゴォン!
フェローチェ『うぐっ……』
ヨワシ(ボール)『あ、あいちゃんっ!』
ハウ「ばっちり決まったねー!」
マッシブーン「ブンブーン!」バックダブルバイセップス!!
ハウ「フェローチェってとても素早いからー見切ってカウンターを入れればなんとかなるかなって思ったけど正解だっだねー」
フェローチェ『ううっ……』
ヨワシ(ボール)『あいちゃん、大丈夫?』オロオロ
キテルグマ(ボール)『あんなデカブツの攻撃をまともに食らったら、あいなんて一撃KOに決まってるでしょ』
しんのすけ「ほうほう、デカブツの攻撃でオダブツ、ですな」
ヨワシ(ボール)『ダジャレ言ってる場合じゃないでしょ!』
ミミッキュ(ボール)『相手もかなりタフネス。あいちゃんの攻撃をあれだけ食らっても、まだ平気そう』
フェローチェ『こっちも……まだ行けますわん!』ユラリ
ネッコアラ「スピー……!」ブンッ!
キテルグマ『おりゃああっ!!』ブゥンッ!
居合抜きをするように、互いの得物がそれぞれ相手に向かって振り抜かれていく。
ネネのピッピ人形はネッコアラの脇腹めがけて、ネッコアラのまくら木はネネの脳天めがけて振り下ろされる!
ドゴッ!
ドズムッ!
キテルグマ『うっ……!』クラッ
ネッコアラ「……!」フラッ
しんのすけ&ハウ「!!」
ほぼ同時に、キテルグマの頭にまくら木が、ピッピ人形がネッコアラの脇腹に当たって、両者が地面に倒れこむ……。
キテルグマ「」
ネッコアラ「」
ククイ博士「また、引き分けか……!」
428 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/20(火) 20:21:58.10 ID:Pr7L8+H70
しんのすけ「こういうの、九と三分の一って言うんだっけ」
ハウ「五分五分、だよー」
ジュナイパー(ボール)『ネネちゃん、大丈夫?』
キテルグマ(ボール)『う、うん。なんとか引き分けに持ち込めたけど……さっきの感覚、なんだったのかしら』
ミミッキュ(ボール)『鬼気迫るものが、あった』
フェローチェ(ボール)『しん様、次は誰を出しますの?』
しんのすけ「それじゃーマサオくん、行きますか!」
ヨワシ(ボール)『任せてよ!』
429 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/20(火) 20:23:30.96 ID:Pr7L8+H70
ハウ「シャワーズ! 行っておいでー!」ヒョイッ!
しんのすけ「マサオくん、レッツラゴー!」ヒョイッ!
ヨワシ(群れ)『いつもより派手にぶっぱなしてやるぜ!!』ポンッ!
シャワーズ「シャワワ!」ポンッ!
ハウ「みずポケモン対決だねー。今度は負けないよー!」キッ
しんのすけ「水着のおねいさんがいればもっと画面映えするかもね」
ハウ「こんな時でもそーゆーことしか考えないのー? シャワーズ、アクアリングだよー!」
シャワーズ「シャワッ!」ブクブクッ
ヨワシ(群れ)『なんだァ? あの輪っか』
ハウ(ハプウさんとの大試練とリーリエとの練習で、マサオに大きい攻撃当ててもー群れをバラバラにして避けちゃうことがあるからねー。だったら、確実に群れを減らすやり方で行くよー)
ジュナイパー『マサオくん! シャワーズはみずタイプだ! ハイドロポンプやねっとうを使うより、物理攻撃で攻めるんだ!』
ヨワシ『おうっ、このまま押しつぶしていくぜっ!』
430 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/20(火) 20:24:39.99 ID:Pr7L8+H70
ゴウッ!
マサオが巨体を動かして、シャワーズに突進して攻め込んだ。マサオのとっしんを避けきれず、シャワーズの小さな身体が弾き飛ばされる!
ズズンッ!
シャワーズ「シャワ……ッ!」
ハウ「シャワーズ! どくどくだよー!」
シャワーズ「シャワーッ!!」バシャッ!
ヨワシ『なっ……!』ビシャッ!
シャワーズの口から放たれた紫色の液体がマサオの群れに飛び散った。ヨワシたちの群れに毒が行き渡り、何匹かのヨワシが群れから離れていく。
シャワーズ「シャワワ……」シュウシュウ
しんのすけ「なんか傷が塞がってない?」
フェローチェ(ボール)『あの輪っかがシャワーズの傷を治しているようですわん』
ジュナイパー(ボール)『そうか……! ハウさんは、マサオくんの攻撃を耐えて回復しつつ、どくで確実に体力を奪いに来たんだ!』
ヨワシ『群れをバラバラにして回避されるのを警戒してきやがったな』
ミミッキュ『それだけじゃない。シャワーズは、特性でみずタイプの技を受けると回復するから実質、マサオくんはハイドロポンプもねっとうも使えない』
431 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/20(火) 20:25:56.00 ID:Pr7L8+H70
ヨワシ『マジで俺たちを倒そうとしてるのが伝わって来るぜ』
ヨワシ『その想いに答えてやんなきゃオスがすたるってもんだぜ! なぁしんのすけ!』
しんのすけ「おおっ、男らしい。いつもはへたれてるのに」
ヨワシ『るせーやい! 行くぜい野郎ども! 毒になんか負けんなよ!』
「ヨワーーーッ!」
マサオの号令で群れが一度バラけると、一斉にシャワーズへとなだれ込んだ。ほとんどそれぞれが体当たりするにとどまっているものの、次々とシャワーズにダメージを与えていく。
ドカドカドカッ!!
シャワーズ「シャワッ! シャワワッ!」
ヨワシ『そっちがチマチマ攻めるってんなら、こっちは一気に削りきってやるぜ!』
ククイ博士「うーむ、まさに『ふくろだたき』だね! ちょっと違うけど」
ハウ「シャワーズ、れいとうビーム!」
シャワーズ「シャワーッ!」ズピーッ!
押し寄せてくるヨワシたちに対して、シャワーズがなぎ払うようにれいとうビームを発射した。シャワーズに接近していたヨワシたちが次々と凍らされて地面に落下していく!
ヨワシ『やっべぇ! みんな戻れ!』
れいとうビームを回避しつつ、マサオの呼びかけでヨワシたちが集まって再び群れた姿へと戻った。
しかし、れいとうビームで何匹かヨワシが撃墜されて、サイズが小さくなっている。更に毒によって、ヨワシが数匹ほど離れていく。
ビキビキビキッ!
ハウ(どんどん群れが離れていくねー。でも、まだ油断はできないやー)
ハウ「シャワーズ! シャドーボール!」
シャワーズ「シャワワーッ!!」ドンッ!!
ヨワシ『このっ!』ブシュッ!
シャワーズの口から影の球体が空を切り、マサオに向かって飛んでいく。すぐさまマサオはみずでっぽうで相殺しようとするが、毒でマサオ自身弱ってることもあり、まとっているヨワシの数が少ないため、そのまま押し切られて群れが大きく散らされてしまった。
ドンッ!
ヨワシ『ぐああっ!』
シャワーズ「……」シュウウウッ
さらにその間にも、アクアリングでシャワーズの体力が回復していく。
ジュナイパー(ボール)『厄介な奴だな。ここまで来たら、次の一発で仕留めないと群れが散っちゃうよ!』
433 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/20(火) 20:30:35.40 ID:Pr7L8+H70
ヨワシ『おう……こうなりゃイチかバチかだ! しんのすけ! お前が見たいって言ってたワザ、今見せてやるよ!』
しんのすけ「おおっ、なになに?」
ヨワシ『野郎ども! ビーストと戦った時にやったアレ、やるぜ! あのちっこいのをブッ倒すぞ!』
ヨワシたち「ヨワーーッ!!」ドドドドドッ!!!
すると、再びマサオをまとっていた群れが分離する。今度はふくろたたきをするわけでも、技を回避するために取るわけでもない。
ハウ「マサオの群れがーー」
ククイ博士「別のものに変わっていく!」
群れが巨大な魚の姿から、巨大ロボットの上半身へと形を変えていく。やがて、しんのすけの目の前には、慣れ親しんだロボットの姿が出来上がっていた!
しんのすけ「おおっ! カンタム!!」
ヨワシ『前に一度、お前の目を覚まさせるために見せてやったんだぜ。ま、覚えてねぇだろうが』
しんのすけ「いっけーマサオくん! カンタムパーンチッ!!」グッ!
ヨワシ(群れ)『行くぜぃ! うおりゃあっ!!』ドウッ!!
2つの豪腕を象ったヨワシたちがハイドロポンプによる推進力を得て、ロケットパンチの如くシャワーズへと飛んでいく!
ハウ「ーー!」
434 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/20(火) 20:32:41.68 ID:Pr7L8+H70
すぐさまハウは回避を指示するも、それ以上のスピードでヨワシたちがシャワーズに突っ込んだ。
ドッゴォォォォォォッ!!!
大地を穿つ衝撃波と、爆発するようにヨワシたちがあたりに飛び散る。
しんのすけ「おーっ! マサオくんかっこいー!」ウキウキッ
ハウ「す、すごいー。今の技、なにー?」アゼン
しんのすけ「カンタムロボの必殺技、カンタムパンチだゾ」
ククイ博士(むしろヨワシの覚える技で言うなら、すてみタックルに近いね。それにしても、まさかあんな姿になってロケットパンチを放つとは……!)
霧が晴れると、倒れたシャワーズの姿があらわになり、同時にマサオのぎょぐんが解除された。
シャワーズ「シャ……シャワ」ピクピクッ
ヨワシ(単)『ううっ……もう毒が回って……動けないよぉ』クラッ
435 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/20(火) 20:33:54.68 ID:Pr7L8+H70
同時刻 アーカラ島
コニコシティ
カキ「まさか3回連続で引き分けになるとは……! なんて熱い勝負だ!」
マオ「珍しいこともあるんだね!」
ライチ「それだけ、今のしんのすけとハウの実力は拮抗してるってことだよ。2人は一緒に島巡りしてきたからね。仲も良いし、お互いを知り尽くしているからよ」
スイレン「……」
マオ「どうしたの? スイレン」
スイレン「あっ、その……今のヨワシ……いえ、マサオさんの姿を見て、感動しちゃって」
ライチ「そういえば、あの子はせせらぎの丘でしんのすけにゲットされたんだっけね」
スイレン「はい。ライチさんとの大試練で群れを率いた瞬間が見られなかったのがとても残念ですが……こうして勝負を通して、立派な姿が見られただけでも満足です!」
スイレン(マサオさん……他のヨワシにいじめられていたあなたが、本当に、本当にここまで強くなりましたね。嬉しいです。しんのすけさんも、マサオさんのおやになって導いていただき、ありがとうございます!)
436 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/20(火) 20:35:04.61 ID:Pr7L8+H70
ハウ「3回目も引き分けかー」
しんのすけ「運命の赤い糸的な何かを感じますなー」
ハウ「お互いのポケモンももう2匹しか残ってないんだねー! 勝負に夢中になってたら、あっという間だったよー!」
しんのすけ「アクション仮面とか見てたら、すぐ時間が過ぎちゃうよねー」
ハウ「でも、次のバトルからはもっともっと、楽しくなると思うよー。おれもーこの子を戦わせるのは初めてだからねー」スッ
ハウが手に持ったボールを掲げると、差し込んでいる光がきらりとボールの青いカラーと網目模様を照らした。
ククイ博士「ついに来たか! ハウ!」
しんのすけ「あれって、あいちゃんに入れてるボールと同じだ!」
ジュナイパー(ボール)『まさか!』
ハウ「行くよー! マッシブーン!!」ヒョイッ
マッシブーン「ブンブーンッ!」ポンッ!
筋肉そのものといえる赤い巨躯と、ダイヤモンドより硬くて長い口吻を持つ、異形のポケモンがウルトラボールから繰り出される。
437 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/20(火) 20:37:42.86 ID:Pr7L8+H70
ジュナイパー(ボール)『ハウさんが、ビーストを!?』
しんのすけ「ほーほー……」
マッシブーン「ブーン!」サイドチェスト!
現れたウルトラビースト、マッシブーンは自らの存在をアピールするようにマッスルポーズを決めた。
しんのすけ「どこで捕まえたの?」
ハウ「ナイショー。さーしんのすけもあいちゃんを出しなよー。水対水の次はビースト対ビーストだー!」
しんのすけ「おーうっ!」スッ
しんのすけ「あいちゃん! レッツラゴー!」ヒョイッ!
フェローチェ『お任せくださいませ!』ポンッ!
ジュナイパー(ボール)『あいちゃーん!』
ヨワシ(ボール)『がんばって、あいちゃん!』
キテルグマ(ボール)『ケッ!』
あいとマッシブーンがそれぞれにらみ合う。マッシブーンが筋肉を膨張させて、あいも片足を前に出して構えを取った。
438 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/20(火) 20:40:59.36 ID:Pr7L8+H70
同時刻 エーテルパラダイス
リーリエ「ハウさんがビーストさんをゲットなさっていたなんて……。にいさまは知っていたのですか?」
グラジオ「ああ……。母上が多くのウルトラボールを用いて多くのビーストを捕獲していたのは知っているな?」
リーリエ「はい、実際にカザマさんたちと一緒に、ビーストと戦いました」
グラジオ「そこで捕獲されたビーストたちは、ここで保護して生態の観察や研究することになったんだ。今アローラにいるやせいのビーストたちの保護に役立てるために。そして、いずれは人間とポケモン、ビーストたちが共存できるようにな」
グラジオ「なにより、ポケモンはトレーナーと供にいることで真価を発揮する……だから、おやがいるビーストの観察と研究も兼ねて、ハウに母上が捕獲していたビーストの1体を託したんだ。……さすがにウツロイドやアクジキングのような危険なビーストは渡せないがな」
グラジオ「あいつなら、ビーストもポケモンも隔てなく大事にしてくれるだろうからな。ハウも、ビーストと友達になれるのは嬉しい、と快く了承してくれた」
リーリエ「マッシブーンさんとハウさんが仲良くしている姿、目に浮かびますね」
グラジオ「この対戦は、世界中にも衝撃を与えるだろう。なにせ、アローラに災いをもたらしたビーストたちが、こうして2人のトレーナーが連れて、肩を並べて戦っているんだからな」
リーリエ「ビーストも世界こそ違うけれどポケモン……博士もそう言ってましたね!」
439 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/20(火) 20:44:31.54 ID:Pr7L8+H70
最初に飛び出したのはあいだった。稲妻の如き速さでマッシブーンに近づき、けたぐりを放つ。
フェローチェ『やああっ!』ブンッ!
マッシブーン「……!」バッ!
ドッ!
だが、マッシブーンも攻撃が来るのを予測していたのか、すぐさま胸の前で両腕を交差して、けたぐりを防ぐ!
フェローチェ『はっ!』ダッ!
あいも負けず、素早く背後に回り込むと、背中に向けてもう一度けたぐりを放つ。
ドゴッ!
……だが、一撃で並みのビーストを屠れるほどのあいの蹴りに、マッシブーンはびくともしなかった。
マッシブーン「ブーン……」
フェローチェ『……さすがですわん』
ハウ「マッシブーン! かみなりパンチ!」
マッシブーン「ブーンッ!」バチチチッ!
440 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/20(火) 20:46:44.17 ID:Pr7L8+H70
振り向きざまに、マッシブーンがあいに向けて電気をまとった裏拳を繰り出す! すぐさまあいはマッシブーンから離れるが、白くほっそりとした身体に、電撃が飛び散る!
フェローチェ『うっ! これは厄介ですわね……』
フェローチェ『驚きましたわ! ウルトラスペースにいた方々と違って、とても鍛え上げられていますわん! これがトレーナーに育てられたビーストの力ですか!』
フェローチェ『ですが、わたくしだって同じです! わたくしも、しん様のお役に立つために、この世界でカザマさんたちと一緒に特訓しましたもの!』
フェローチェ『その力、とくとお見せしますわん!』キィィィン
あいは空中で態勢を立て直すと、マッシブーンに向かって両手を伸ばした。すると、青い光が両手の中心に集まり、光線が発射された!
ズピーーーッ
ハウ「マッシブーン、きあいだまーっ!」
マッシブーン「ブゥゥン!」ギュオオッ
あいに対抗するように、マッシブーンは両手を掲げて気合を込めるとと、両手のひらの上に気が集まり、光の玉を形成していく。
マッシブーン「ブンッ!」ゴウッ!
そして、あいの放ったれいとうビームに向けて、きあいだまを投げ放った!
れいとうビームにきあいだまが直撃すると、瞬く間に凍結した。
ビキビキビキッ!
ドォォォンッ!
441 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/20(火) 20:49:20.30 ID:Pr7L8+H70
フェローチェ『行きますわ!』ギュン!
氷の欠片と黒煙を突き破りながら、あいがマッシブーンにとびひざげりを放つ!
マッシブーン「ブゥゥンッ!」ドッ!
マッシブーンは再び両腕でとびひざげりを受け止めると、あいが地面に着地に、今度は前蹴りを繰り出した!
フェローチェ『ふっ! やっ!』ブンブンッ!
マッシブーン「ブゥゥゥン!」ガシッ! ドカッ!
マッシブーンも、あいの猛攻を受け止めるだけでなく、隙を見つけては右ストレートを振り放つ。あいも回避しつつ、押し蹴りで反撃する。
ドカ!バキッ!ドゴッ!グガッ!!
フェローチェ『ふっ! やぁ! たぁ! せい! はぁ!』
マッシブーン「ブンブンブンッ!!」
ドカ!バキッ!ドゴッ!グガッ!!
2匹のビーストによる足と拳による激しい応酬が繰り広げられ、このまま永遠に続くかと思われた。
しかし、あいは一瞬の隙を突き、マッシブーンの腹に前蹴りを打ち込んだ!
フェローチェ『やっ!』
ドゴッ!
マッシブーン「ブンッ……!?」グラッ
442 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/20(火) 20:50:45.47 ID:Pr7L8+H70
フェローチェ『たーっ!』ゴウッ!
さらに、瞬間200km/hで繰り出されるドロップキックがマッシブーンの胸筋を押し出した。巨体を誇るマッシブーンもさすがに堪えたのか、うめき声を上げながら後退した。しかし、再び構えを取ろうとする。
マッシブーン「……」ググッ
しんのすけ「!」
フェローチェ『これで終わり、ですわ!』グッ
地面に着地して、とどめの一撃としてとびひざげりを放つ構えを取る。
しんのすけ「あいちゃん! ストップ!」
フェローチェ「!」ダッ!
しかし、しんのすけの言葉にあいの身体は追いつかず、マッシブーンに向かってまっすぐ飛び出してしまった!
途端に、ハウが勝ち誇った笑みを浮かべた。
ハウ「マッシブーン、カウンター!」
マッシブーン「ブンッ!」ゴウッ!
ゴスッ!
フェローチェ『うぐっ!?』メキィ
ククイ博士「入った! 凄まじいカウンターだ!」
443 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/20(火) 20:52:15.13 ID:Pr7L8+H70
あいのとびひざげりがマッシブーンを屠る直前に、右ストレートがあいの細い胴体に命中した。くの字に曲がって、あいの身体があっさりと吹っ飛んでいく!
キィーーン
ドゴォン!
フェローチェ『うぐっ……』
ヨワシ(ボール)『あ、あいちゃんっ!』
ハウ「ばっちり決まったねー!」
マッシブーン「ブンブーン!」バックダブルバイセップス!!
ハウ「フェローチェってとても素早いからー見切ってカウンターを入れればなんとかなるかなって思ったけど正解だっだねー」
フェローチェ『ううっ……』
ヨワシ(ボール)『あいちゃん、大丈夫?』オロオロ
キテルグマ(ボール)『あんなデカブツの攻撃をまともに食らったら、あいなんて一撃KOに決まってるでしょ』
しんのすけ「ほうほう、デカブツの攻撃でオダブツ、ですな」
ヨワシ(ボール)『ダジャレ言ってる場合じゃないでしょ!』
ミミッキュ(ボール)『相手もかなりタフネス。あいちゃんの攻撃をあれだけ食らっても、まだ平気そう』
フェローチェ『こっちも……まだ行けますわん!』ユラリ
しんのすけ「アローラ地方を冒険するゾ」
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