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しんのすけ「アローラ地方を冒険するゾ」

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Part56
92 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/14(水) 19:00:42.76 ID:Y7xDIbbj0
???「騒がしいと思って来てみりゃ、まさかお前がいるとはよ」
しんのすけ&フェローチェ&ロトム図鑑「!」
しんのすけたちが一斉に声のした方向へ振り返ると、奇妙な形の木の枝に、グズマが座っていた。
グズマ「なんにも恐れない、むしろ恐れさせてなんぼのスカル団ボス、いわゆるグズマさまだがよ……言わせてもらうぜ、おまえらバカだな」
しんのすけ「くさやのおじさん、そこにお引越ししたの? 家賃いくら?」
グズマ「グズマだと言ってるだろうが。それに、引っ越したわけじゃねぇ」
グズマは木の枝から降りると、しんのすけたちに心底呆れるような表情で近づいてきた。
フェローチェ『しん様と同じ人間……。お知り合いですの?』
しんのすけ「スケスケおパンツ団のボスのくさやっていうおじさん」
ロトム図鑑「下着ドロ集団のボスだ」
グズマ「また何ぶつくさしゃべってやがる。そこにいるビーストとでも仲良くなったつもりかよ」
しんのすけ「まーね、あいちゃんに似てたもんですから」

93 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/14(水) 19:01:49.91 ID:Y7xDIbbj0
グズマ「一体全体どんな手段を使ったのかさっぱり想像つかねえが、こんなところに来やがって……。つーか、なんで下半身丸出しなんだ」
しんのすけ「オラたち、妖怪メノクラゲオババに連れてこられちゃったの。で、あいちゃんに助けてもらいながら、元の世界に帰る道を探してるところー」
グズマ「妖怪メノクラゲオババ? お前……代表に連れてこられたのか?」
しんのすけ「だからそうだって言ってるじゃん」
グズマ「よく生きていられたな。ああ……あの人はもうヤバい、ヤバすぎる!」
グズマ「ウルトラビーストにすっかり夢中……もう誰の言葉も想いも届かねえ!!」
グズマ「俺もあいつを捕まえようとしたんだよ。けど、あいつにとりつかれてよ……」
グズマは宙に浮かんでいるウツロイドの1匹を指さした。
グズマ「するとよお! 体も! 心も! 勝手に目覚めてしまってよ!」
グズマ「自分が自分じゃなくなるようで、怖くなっちまうんだよお……!!」ガタガタ

94 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/14(水) 19:02:38.03 ID:Y7xDIbbj0
グズマは目を見開きながら、息を乱し、髪を掻き、身体を震わせた。
自分がウツロイドに襲われて攻撃を受けたときの瞬間、訪れた力強くてどす黒い感覚と、ウツロイドと合体してマザービーストと化し、狂ったように笑いながらビーストに囲まれるルザミーネの姿に、おびえているのだ。
しんのすけ「……で?」
グズマ「は?」
しんのすけ「くさやのおじさんはこれからどうすんの?」
グズマ「どうするって……なにもしようがねえだろうが。こんなどんよりとした……よくわからん、ビーストだけの世界で……なにが出来るって言うんだ」
しんのすけ「じゃあ、オラたちと一緒に元の世界に帰ろうよ。どうせ暇なら」
グズマ「……本当にバカだな、お前」
しんのすけ「いやぁ、照れますなぁ。おバカなんて、しょっちゅう言われてますから」
グズマ「褒めちゃいねえよ」
グズマ「本気でこの世界から帰れると思ってんのか? あんなバケモンみてぇなビーストに、狂っちまった代表! この世界にはそれしかねぇんだ!」
しんのすけ「でもオラ、まだ島巡り終わってないし、かーちゃんもとーちゃんも、リーリエちゃんもみんなオラのこと待ってるだろうし」
グズマ「いいか、代表は既に、多くのビーストを手に入れて、アローラに穴を開ける力を得た! 今頃アローラはビーストで溢れかえって、地獄になっているだろうぜ……」
グズマ「そんな世界に帰ったところでなんになるってんだ。だったらこのまま、何もしねぇでじっとしてるほうがいい。行くも地獄、行かぬも地獄なら、わざわざ帰る意味なんてねぇよ。島巡りなんてする意味もねぇ」

95 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/14(水) 19:03:26.11 ID:Y7xDIbbj0
しんのすけ「んー困りましたなあ」
ーー……スカル団にいる奴らみんなそうなんだ。グズマのように、誰にも認められず、島巡りを脱落していった子たちばっかなんだよ
ーースカル団のみんなは、人々に認められない辛さっていうものを分かっているのさ。特にグズマは痛いほどにね。だからみんな慕っているのさ。グズマが代表を慕っているように
しんのすけ「……!」
しんのすけ「でもおじさんも、おじさんのこと待ってる人がいるんじゃない?」
グズマ「俺を待ってる人だと? くだらねぇ……」
グズマ「俺にとっちゃ、代表が全てだったんだよ。だけど、代表がああなっちまった以上、もうどこにも行ったって意味ねぇだろ……」
しんのすけ「嘘つけ、スケスケおパンツ団の人たちがいるクセに」
グズマ「……!」
グズマ「……そいつらが、今更なんだって言うんだ。どうせ、まとめてビーストの餌食になっちまってるさ」
グズマ「いいか、この世界から絶対に出られねぇ。このグズマ様が言うんだから間違いねぇ! たとえ出られても、お前が島巡りしてきたアローラも、見知った人間ももういねえんだよ!」
しんのすけ「ぜぇったい出る! オラが無理でも、とーちゃんとかーちゃん、ひまにシロ、ハウくんにリーリエちゃん、ハカセにクジラくん、カザマくんにマサオくん、ネネちゃんボーちゃんがお迎えに来てくれるもん!」

96 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/14(水) 19:04:21.00 ID:Y7xDIbbj0
しんのすけ「おじさんも、スケスケおパンツ団の人とか、プルメリのおねいさんが迎えに来るもん!」
グズマ「ビーストにも勝てない連中が、こっちに来れるわけねえだろうが! それこそ、代表が招き入れない限りはな!」
しんのすけ「もー頭きた! おじさんのニートっぷり、もうママ知らないんだから! ずっと下着ドロでもしてなさいよ!」プンプン!
グズマ「ちょっと待て、誰がニートだ! それに下着ドロじゃねぇっつってんだろ!」
しんのすけ「さ、行こ! あいちゃん、ぶりぶりざえもん!」
テクテク
グズマ「……なんなんだ、あのじゃがいも小僧」


97 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/14(水) 19:41:14.13 ID:Y7xDIbbj0
その頃ーー。
ひろしは彼岸の遺跡の中で、偽りの家族たちと供に晩ご飯を食べながら、テレビを眺めていた。
『……タワーにて、ミツル選手がなんと前人未到の100連勝を達成! 期待のホープである彼を止められるものはいないのか!』
みさえ「すごいものねぇ、ミツルくん。ホウエン出身の私からしてみたら誇りよ~」
しんのすけ「そーいや、今日、マサオくんがね、風間くんとのポケモン勝負で負けて泣いちゃったの」
みさえ「あらまぁ、本当? でも風間くん、本当にポケモン強いからねー。将来はカスカベ地方のチャンピオンかしら?」
しんのすけ「ねぇねぇ、とーちゃんも昔トレーナーだつたんだよね?」
ひろし「ああ、とーちゃんが11歳の頃、シンオウ地方を旅してたんだ。じーちゃんちに行ったことあるだろ? あそこのすぐ近くがシンオウ地方なんだ。雪なんかいつも積もってるぞぉ」

98 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/14(水) 19:42:23.27 ID:Y7xDIbbj0
しんのすけ「シンオウ地方って言ったら、やっぱシロナおねいさんだよねー。あの金色に輝く髪、アバンティー感じる黒い衣装! 一度耳掃除されたいなぁ~」
ひろし「それを言うならアダルティーな」
しんのすけ「じーちゃんちにいるあのおさるさん、元気にしてるかな? また行きたいなー」
ひまわり「たい!」
ひろし「しんのすけもひまも、ゴウカザルのことすごい気に入ってたもんなぁ。また会いに行こうな」
みさえ「またトレーナーになってチャンピオン目指してみたら?」
ひろし「よしてくれよぉ、こんな歳でジムなんて挑戦できる余裕なんてないって」
しんのすけ「かーちゃん、オラもポケモン欲しいー! とーちゃんや風間くんみたいにトレーナーなりたい」
ひろし(ポケモン……トレーナー)ピクリ

99 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/14(水) 19:43:24.78 ID:Y7xDIbbj0
ーーオラだって、オラのお友達とゼンリョクでハプウちゃんに勝つ!
ーーマサオくんっ! ファイヤーーーッ!!
ひろし「……」
みさえ「だーめ。アンタ、シロの世話だってロクにできてないんだから」
しんのすけ「え~んお願いいたしますお母様~」
みさえ「アンタが10歳になったらね」
しんのすけ「……妖怪ケチケチオババ」ボソッ
みさえ「なんですってぇ!」
ひろし「……」スッ
みさえ「あなた?」
しんのすけ「どうしたの? とーちゃん? いぼ痔でも悪化した?」
ひろし「ごめん……しんのすけ、みさえ、ひま、シロ。俺がいるべき場所は、ここじゃないみたいだ」

100 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/14(水) 19:44:40.32 ID:Y7xDIbbj0
ひろしはみさえの幻たちに笑いかけると、困惑したようにみさえとしんのすけがひろしの顔を覗く。
みさえ「どういうこと?」
ひろし「俺は、やらなくちゃいけないことがあるんだ。だから、ここに留まってるわけにはいかないんだ」
みさえ「やらなくちゃいけないことって、なに?」
ひろし「いなくなっちまった家族を、取り戻すことだ」
みさえ「 私たちはここにいるじゃない。あなたは何が不満なの?」
しんのすけ「とーちゃん。ひょっとして、オラたちのこと、捨てちゃうの?」
ひまわり「えっ……えっ……!」
みさえとしんのすけの言葉が、ひろしの胸に深々と突き刺さる。ひまわりと外にいるシロも、どこか泣きそうな顔でこっちを見てくる。
みさえ「おかしなこと言わないで。私たちはここにいるじゃない。それとも、別の家族がいるって言うの?」
しんのすけ「おおっ、とーちゃん不倫!」
みさえ「私たち家族とずっと一緒にいるーーそれが、あなたにとっての望みでしょ? それを捨てちゃうつもり?」

101 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/14(水) 19:45:28.96 ID:Y7xDIbbj0
ひろしは少し苦笑いを浮かべた。やっぱり、幻だ。
こんなごく当然のことを、みさえはいちいち口になんて出したりしない。こんなふうに責め立てたりせず、真剣にひろしの言葉を聞いてくれるはずだ。
これは、カプ・レヒレからの問いかけなのだ。
ひろし「ああ、確かに俺が望んでるものさ。だけど、こんな形で手に入れるものじゃない」
ひろし「みさえとひまわり、シロはエーテルパラダイスで俺たちの帰りを待っている! そしてしんのすけは、ウルトラホールの先で俺たちの助けを待っているんだ!」
ひろし「俺は紛い物の幻想が欲しくてここに来たわけじゃない! 俺は、俺たち家族がもう一度揃うためにかがやく石を求めてここに来たんだ!」
ひろし「そして、しんのすけをとりもどして、この幻を現実のものにしてみせる! これが俺の望みだ!」
みさえ「あなた……」
ひまわり「たい……」
しんのすけ「とーちゃん……」
しばらくの沈黙。しんのすけもみさえもひまわりもシロも、じっとひろしを見ている。不安な表情は消え去り、ひたむきな面持ちでひろしを見据えている。

102 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/14(水) 19:47:51.53 ID:Y7xDIbbj0
みさえが笑みを浮かべながら、沈黙を破った。
みさえ「……あなたの覚悟と願い、『私』に伝わってきたわ」
しんのすけ「とーちゃんは家族思いなんだね」
しんのすけたちの言葉を聞いて、ひろしも釣られて表情が緩む。
ひろし「ああ、こうやって息子の姿で面向かって言われると、ちょっと照れるけどな」
しんのすけ「ほい、とーちゃん!」
しんのすけが一歩前へ出て、ほんのりと光を放つ、かがやく石を差し出した。
ひろし「これは……!」
みさえ「それで月の笛を直して、ルナアーラを呼びなさい。あなた達は『星の繭』と一緒にいるから、必ずルナアーラが現れてくれるはずよ」
ひろし「星の繭?」
しんのすけ「だいじょーぶ、すぐに分かりますからー」
みさえ「あなた、頑張って! 絶対にしんのすけを取り戻すのよ!」
しんのすけ「『オラ』、手伝ってあげられないけど、応援するからー!」
ひまわり「たい!」
シロ「アンっ!」

103 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/14(水) 19:49:03.64 ID:Y7xDIbbj0
ひろし「……ありがとな、カプ・レヒレ!」
ひろしはしんのすけ達の幻に一礼をすると、かがやく石を握って踵を返した。気が付けば、霧は消え失せており、出口が目の前にあった。
そのまま彼岸の遺跡を出て行くと、既に結果を知っているのか満足気な表情のハプウとハウが出迎えた。
ハプウ「うまくいったようじゃな。カプ・レヒレも「久方ぶりに芯の通った人が来た」満足そうじゃった」
ハウ「やったねー! おじさんさすがだよー!」
ひろし「幻だけど、俺がなんのために戦おうとしているのか、改めて思い出すことができたよ。カプ・レヒレには感謝しなくっちゃな」
ハプウ「うむ!」ニッ
ハウ「よーし! これで後はウラウラ島のグラジオたちだけだねー! 早くエーテルパラダイスに戻ろー!」
ひろし「おう、早くみんなを安心させないとな!」

104 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/14(水) 19:50:00.27 ID:Y7xDIbbj0
※修正
ひろし「……ありがとな、カプ・レヒレ!」
ひろしはしんのすけ達の幻に一礼をすると、かがやく石を握って踵を返した。気が付けば、霧は消え失せており、出口が目の前にあった。
そのまま彼岸の遺跡を出て行くと、既に結果を知っているのか満足気な表情のハプウとハウが出迎えた。
ハプウ「うまくいったようじゃな。カプ・レヒレも「久方ぶりに芯の通った人が来た」と満足そうじゃった」
ハウ「やったねー! おじさんさすがだよー!」
ひろし「幻だけど、俺がなんのために戦おうとしているのか、改めて思い出すことができたよ。カプ・レヒレには感謝しなくっちゃな」
ハプウ「うむ!」ニッ
ハウ「よーし! これで後はウラウラ島のグラジオたちだけだねー! 早くエーテルパラダイスに戻ろー!」
ひろし「おう、早くみんなを安心させないとな!」

105 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/14(水) 19:51:09.13 ID:Y7xDIbbj0
エーテルパラダイス ルザミーネの屋敷前 広場
リーリエ「マサオさん! アクアテールです!」
ヨワシ「ギョオオォォッ!」ゴウッ!
群れた姿のマサオの巨大な尾ひれがシロデスナに叩きつけられ、水しぶきと砂が飛び散っていく。
しかし、シロデスナがマサオのアクアテールで砂の身体が固まったことを確認すると、アセロラも負けじとシロデスナに指示を送る。
アセロラ「シロデスナ! シャドーボール!」
シロデスナ「デッスナー!」ドンドンドンッ!
リーリエ「マサオさん! シロデスナさんにハイドロポンプです!」
ヨワシ「……!?」ピクッ
シロデスナの口から次々と影の弾丸が発射される。一方のマサオはリーリエの指示に一瞬動きを止めて、戸惑う様子を見せた。

106 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/14(水) 19:52:09.23 ID:Y7xDIbbj0
その隙に、次々とシャドーボールがマサオに当たっていく。
ヨワシ(単)「ヨワーッ!?」ドンッ!
リーリエ「マサオさん!」
シャドーボールが直撃したマサオは単独の姿に戻り、そのまま吹き飛ばされて、壁に激突。戦闘不能になった。
アセロラ「またまたアセロラちゃんの勝ち!」ムフー
リーリエ「大丈夫ですか? マサオさん。今元気にしますからね」
ヨワシ「ヨワー……」
リーリエがバッグからかいふくのくすりを取り出して、アセロラのポケモンと戦って傷ついたカザマを元気にしていく。
アセロラ「またマサオくん、リーリエちゃんの指示無視しちゃったねー」
リーリエ「はい……どうしてなのか、まだわかりません」
アセロラ「でも不思議だよね。見た感じ、マサオくんも他のポケモンも別にリーリエちゃんのことを警戒しているっていう態度じゃないもん」
ヨワシ「ヨワ……」
リーリエ「……」
みさえ「みんなー晩ご飯作ったわよー! そろそろ休憩にしたら?」
リーリエ「あ、はい!」

107 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/14(水) 19:54:31.47 ID:Y7xDIbbj0
リーリエたちは居住区の一室に戻ると、みさえがリーリエたちに晩ご飯のシチューとお手製のマラサダを振舞った。
みさえ「さ、どんどん食べて。たくさん作ったから」
リーリエ「わぁ……いただきます!」
アセロラ「うん、とってもおいしい!」モグモグ
みさえ「ごめんなさいね、あり合わせのものでしか作れなかったけれども」
リーリエ「そんなことないです」
みさえ「リーリエちゃん、カザマくんたちはどう? 言うこと、聞いてくれる?」
リーリエ「いいえ……その、やっぱりお願いを無視してしまうことがしばしば……」
みさえ「そうなの……やっぱり、人から預かったポケモンに言うことを聞かせるのって大変なのね」
アセロラ「うーん、どうかなぁ? 本当にリーリエちゃんの言うこと、聞いてないなら指示を無視するだけじゃすまないよ」

108 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/14(水) 19:57:37.79 ID:Y7xDIbbj0
リーリエ「たとえば、どういうものでしょうか?」
アセロラ「そうだね、戦ってる最中に寝ちゃったり、なまけちゃったり、最悪自分を攻撃しちゃうこととかがしょっちゅう起きるんだよ」
みさえ「聞いたことあるわ。ポケモンはトレーナーの実力を見ていて、ジムから貰えるバッジの数で言うことを聞く度合いも変わってくるって」
リーリエ「そういうふうなこと、全然ないんですよね。カザマさんたちはあくまでお願いを聞かないだけで、怠けるようなことはしません」
リーリエは、テーブルのそばでポケマメを食べさせているカザマたちをみやった。カザマとボーちゃんは黙々と食べているが、マサオとネネはなにか妙なやりとりをしながらポケマメを食べている。
ジュナイパー&ミミッキュ「…………」
キテルグマ「クーーッ。クゥー!」
ヨワシ「ヨワァ……ヨワヨワシー」
アセロラ「……やっぱり、しんちゃんの戦い方って、普通のトレーナーから見てみると、とっても変わってるってアセロラ思うんだ」
みさえ「そうねぇ、ハプウちゃんと戦っている時も、ほとんど指示してなかったもの」
リーリエ「その戦い方に慣れすぎて……カザマさんたちは指示を受けて行動するということができないのでしょうか」
アセロラ「たぶんそれだね。もらったポケモンは扱いが大変なのは当たり前だけど、ここまで難しいというのはわりと珍しいよ!」
そこでリーリエはふと思った。ライチやハプウとの大大試練と、しんのすけの戦い様を何度も見守ってきた。
しんのすけは命令せずとも、息のあったコンビネーションを繰り出し、会話しているようにポケモンに話しかけていた。
リーリエ(まさか本当にしんちゃんはポケモンさんと……)

109 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/14(水) 19:58:42.62 ID:Y7xDIbbj0
リーリエ「……でも必ず、しんちゃんのポケモンさんとは、心を通わせてみせます! しんちゃんを助けたいという気持ちは、わたしもポケモンさんとも一緒ですから!」
アセロラ「うん、その意気込みを忘れなきゃ、きっとポケモンも応えてくれるよ!」
アセロラ「それに、リーリエちゃんのあの戦い方、びっくりしちゃったよ。シロデスナはね、みずタイプの攻撃を受けると砂が固まって防御力が高まっちゃう『みずがため』という特性を持っているんだ! だから、みずタイプとは相性が悪いようで実は優位に立てるんだ!」
リーリエ「なるほど……でしたらカザマさんを出すべきでしたね」
みさえ「それにしても……かがやく石を取りに行ったきりなにも連絡はないけれど、みんな無事かしら?」
リーリエ「ここはまだビーストさんがいないだけ安全ですが……島にはビーストさんがたくさんいますから、みなさんのことがとっても心配です」
ククイ博士「心配してくれたのかい? うれしいぜ!」
リーリエ「きゃっ!」ビクッ
みさえ「博士! いつのまに帰ってきたんですか?」
ククイ博士「ええ、どうやら僕らが一番乗りだったようですね」
バーネット「リーリエ、元気にしてた?」
リーリエ「バーネットさん! お久しぶりです!」

110 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/14(水) 20:02:33.10 ID:Y7xDIbbj0
バーネット「リーリエ、本当にイメチェンしたのね! 顔つきがとっても引き締まってるし、まるで別人みたい!」
リーリエ「はい! 進化したゼンリョクの姿、です。しんちゃんから預かったのですが……ポケモントレーナーにもなりました!」
みさえ「えーっと、どちら様で……?」
ククイ博士「紹介します。僕の奥さんで、アーカラ島の空間研究所の所長をしているバーネット博士です!
ククイ博士「バーネット、こちらはしんのすけのお母さんの野原みさえさん、そしてメレメレ島のキャプテンのアセロラ。彼女から月の笛の情報を提供してもらったんだ!」
バーネット「バーネットです、よろしくね。ククイから話は聞いています。私たち空間研究所も、事態の解決に協力していくつもりです」
みさえ「あ、どうも……」ペコリ

111 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/14(水) 20:03:28.70 ID:Y7xDIbbj0
アセロラ「博士! かがやく石は貰えた?」
ククイ博士「ああ! カプ・テテフはてだすけしてくれたよ。それに、メレメレ島に行ったひろしさんとハウからも、カプ・コケコからかがやく石が貰えたって連絡が来たからね!」つ かがやく石
アセロラ「おー、後はウラウラ島とポニ島だね!」
ククイ博士「ひろしさんたちも、今はポニ島にいるんじゃないかな?」
リーリエ「ハプウさんなら、きっと協力してくれますよね!」
アセロラ「クチナシのおじさんも、きっとわかってくれるよ!」
ククイ博士「そうだね! 3人を信じて待とうよ」
みさえ「さ、博士もバーネットさんもどうぞ。晩ご飯の用意できますので」
ククイ博士「おっ! いいんですか?」
バーネット「では、お言葉に甘えさせていただきますね!」

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