しんのすけ「アローラ地方を冒険するゾ」
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31 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/13(火) 19:31:46.22 ID:31e3ztue0
フェローチェ『思い出していただけましたか?』
しんのすけ「……なんだっけ?」
フェローチェ「」ガクッ
しんのすけ「オラ、アーカラ島っていうと、ライチおねいさんとカキくんの乳首しか印象に残ってないからー」
フェローチェ『は、はぁ……』
フェローチェ(なんてマイペースで変わった子なのかしら……初めて見るタイプの人間ですわ)
突然、しんのすけのリュックがもぞもぞと揺れ始めた。
ゴソゴソ
しんのすけ「お?」
ロトム図鑑「ふぅーっ、やっと起動できた」
ロトム図鑑「まったく……変なエネルギーが身体中に流れ込んで強制的にシャットダウンしたかと思ったら、ここはどこだ?」
しんのすけ「あれ? ぶりぶりざえもん、いつのまに?」
32 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/13(火) 19:35:22.30 ID:31e3ztue0
フェローチェ『あなたは確か……?』
ロトム図鑑『ふん、忘れたのか。ならもう一度名乗ってやる。その耳かっぽじってよく聞くがよい』
ロトム図鑑「私はアローラ地方のアイドルにしてもりのようかんのゆるキャラ! その名もレオナルド・ロトブリオ。もしくはアレッサンドロトム・フランチェスカ・デ・ニコラと呼ぶが良い」
しんのすけ「ぶりぶりざえもんっていうの」
フェローチェ『まぁ、変わったお名前。ぶりぶりざえもんさん。わたくしはあいですわん』
ロトム図鑑「おいっ! 間違って覚えられたじゃねぇか! どーしてくれる!」
しんのすけ「だって事実だし」
しんのすけ「ねぇ、ひょっとしてあいちゃんってウルトラビーストなの?」
フェローチェ『ウルトラビースト……? そういえば、あの生き物と合体していた人間の女は、あい達をそんなふうに呼んでいましたわん』
ロトム図鑑「なに? お前がウルトラビーストなのか?」
フェローチェ『それより、しん様には確か、カザマくんとマサオくんという方が一緒にいたような気がしたのですが……』
33 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/13(火) 19:38:21.87 ID:31e3ztue0
しんのすけ「あーカザマくんもマサオくんも、みんな向こうの世界にはぐれちゃったみたいで。いやぁ全く参りましたな、もう」
フェローチェ『むしろ、あなたがこっちに来てしまったと思うのですが……』
しんのすけ「そうともゆー」
しんのすけ「てゆうか、ここってどこなの?」
ロトム図鑑「GPS機能を使っても、表示されないどころかここは電波も通っていないとは。ここはどこか辺境の地かどこかなのか?」
フェローチェ『あいにも、はっきりとは分かりませんわ。ただ、ここはしんのすけくんにもあいにとっても異なる別の世界で、簡単に言うなら世界の狭間のようなものでは……』
しんのすけ「んー……オラにはさっぱりだけど、ここから元の世界に帰ることって出来る?」
フェローチェ「はい! 『穴』が開いていれば、ですけれども」
しんのすけ「穴?」
34 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/13(火) 19:39:16.04 ID:31e3ztue0
フェローチェ『この世界には、いろんな世界へ通じる穴が、時折開かれることがありますわ。ですから、あなたがたがウルトラビーストと呼ぶ、様々な世界からやってきた生き物も、多くここに生息していますの』
フェローチェ『ですから、しん様とぶりぶりざえもんさんのいた世界への穴が開いて、それを見つけることができれば、帰れますわ』
ロトム図鑑「ホントか?」
しんのすけ「じゃあ穴探しに行きますか。ほっとくとかーちゃんとリーリエちゃんがうるさいし、お腹もすいたし」テクテク
フェローチェ『ああ、お待ちになって。あいもお伴いたしますわ! 助けてくれたお礼に、しん様達を元の世界へ送り届けますわ!』
しんのすけ「じゃ、ひとつよろしく頼むねー」
ロトム図鑑「ほんとに頼むぞ。こっちは命かかってるんだからな」
35 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/13(火) 19:47:20.64 ID:31e3ztue0
ビーストの世界をさまよい歩くしんのすけたち。あたりには野生のウツロイドがたゆたっており、空には時折フェローチェやテッカグヤが飛んでいる。
かと言って地上は安全かと思ったらそうでもなく、マッシブーンたちがポーズを見せて肉体美を自慢していたり、デンジュモクが闊歩しており、中にはアクジキングが岩壁や植物を口の中に放り込んでいた。
ビーストたちの目をかいくぐりながら、しんのすけたちは元の世界へ通じるウルトラホールを探し歩いていた。
しんのすけ「なかなか穴が見つからないね」
フェローチェ『いつ、どこで向こうの世界に通じる穴が開かれるか分かりませんから……』
ロトム図鑑「くそっ、インターネットが接続できる場所なら救難信号なりGPSが使えたものを。まったくルザミーネめ、面倒なところに連れてきおって。今度会ったらたたでは済まないからな!」
しんのすけ「ぶりぶりざえもんが役に立たないのはいつものことだけどね」
ロトム図鑑「やかましい! だいたいお前もポケモンを図鑑登録しないからだろボケ!」
しんのすけ「だってめんどくさいんだもーん」
36 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/13(火) 19:47:59.59 ID:31e3ztue0
ロトム図鑑「ケッ! しょせんちっさいインドぞうさん坊主にトレーナーなど務まらんのだ」
しんのすけ「なんだとー! ぶりぶりざえもんにちっさいインドぞうさんなんて言われたくないもん! インドぞうさんないクセに!」
ロトム図鑑「言ったな貴様! 図鑑に入ってるから見えないだけで、私のインドぞうさんこそ最強だ!」
しんのすけ「オラのインドぞうさんの方が最強だもん!」
ロトム図鑑「いいや私のインドぞうさんこそアローラ1だ!」
しんのすけ「なにおー! オラのインドぞうさんの方が宇宙一だもん!」
フェローチェ(インドぞうさんとはどういう意味なのか知りませんが、なんだかすごく恥ずかしくなってきましたわ……)
しんのすけ「フンだ!」プイッ
ロトム図鑑「フンッ!」プイッ
37 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/13(火) 19:50:18.49 ID:31e3ztue0
しんのすけとロトム図鑑は互いに目を合わせないように体ごと逸らしながら進んでいくと、前方に、紙人形のような形をした小さなウルトラビーストーーカミツルギが舞い降りてきた。
カミツルギ「……」フワフワ
しんのすけ「なにこれ?」
フェローチェ『この方もきっと、しん様のおっしゃっていた、ウルトラビーストでしょう』
ロトム図鑑「こんな紙っペラがウルトラビースト? はっ、紙飛行機にして吹き飛ばしてやるぜ! 喰らえラスターパージ!!」
意気揚々とロトム図鑑が飛び出す!
するとロトム図鑑の敵意に反応したかのように、カミツルギが動き出した。両手であたかも手刀を打つように、ぶりぶりざえもんへと襲いかかった!
カミツルギ「カミッ!!」ブンッ!
ロトム図鑑「ブヒッ!?」サッ
ザンッ!!
ぶりぶりざえもんが文字通り紙一重で回避した瞬間、彼の背後にある岩と植物が唐竹に割れて、粉々に砕け散った!
しんのすけ「すげー」
カミツルギ「カミーッ!」
38 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/13(火) 19:52:30.24 ID:31e3ztue0
カミツルギは敵とみなしたぶりぶりざえもんに対して、何度も斬りかかってくる! その度に周りの岩や植物が切断されていく。
ロトム図鑑「わ゛ーっ! 早くなんとかしろー!」
しんのすけ「やれやれ……あいちゃん、お願い」
フェローチェ『お任せ下さいませ!』バッ
しんのすけのそばに立っていたあいが、一瞬で200キロ近くの速度でカミツルギに突っ込むと、とびひざげりを放った!
あいの不意打ちを受けたカミツルギは回避することもできず、そのまま岩壁に叩きつけられる。
ドゴッ!!
カミツルギ「ヅルッ!」ズズンッ!
しんのすけ「おー早い早い!」パチパチ
あいは2歩分後退すると、カミツルギが斬りかかってくるが次の瞬間にはあいが背後に回り込み、トリプルキックを放った!
ドカドカドカッ!!
カミツルギ「か、カミッ!?」
背中から音速のスピードによる蹴りを3発も受け、カミツルギは一度地面に転がると、相手が悪いと察したのか、奥へと引っ込んでいった。
カミツルギ「カ……カミィ~」フラフラ
39 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/13(火) 19:53:13.83 ID:31e3ztue0
ロトム図鑑「ふぅ、口ほどにもなかったぜ」
しんのすけ「あんた何もやってないでしょ」
フェローチェ『これがあいの実力ですわ。お手伝いする分には差し支えないと思いますが……お気に召したでしょうか』
しんのすけ「すごいスピードだったねえ。鼻にも止まらぬ速さですな」
ロトム図鑑「それを言うなら、目にも止まらぬ速さだ」
フェローチェ『まぁ、そう言ってくだされば、あいも戦った甲斐がありましたわ』
???「騒がしいと思って来てみりゃ、まさかお前がいるとはよ」
しんのすけ&フェローチェ&ロトム図鑑「!」
40 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/13(火) 20:05:36.59 ID:31e3ztue0
ウラウラ島 マリエシティ(グラジオ)
エーテルパラダイスから離れて、マリエシティに降り立ったグラジオは、クチナシをーーそれでなくても彼の居場所を知っているキャプテンたちの姿を探していた。
マリエシティもまた、他の島同様、ビーストが暴れて目を覆いたくなるような光景へ変わり果ててしまっていた。
ジョウト地方の趣が残っていた建物のほとんどが崩れ、ひどいものでは、潰れてガレキの山と化したものまで様々だ。
名所であるマリエ庭園に至っては整備された草が焼け焦げ、橋は残骸がギャラドス型の池に沈み、茶屋の建物も火事になって煙を上げていた。
グラジオ「…………」
遠くを見ると、金箔の貼られた五重塔が、あたかも巨大な刃物で袈裟斬りにされたように切断されていた。これもまた、ビーストの仕業なのか。
グラジオ(母上……こうすることが、あなたの本当の望みだったのですか)
グラジオはここが危険というを理解しながらも目を閉じた。まぶたの裏には、いなくなってしまった一人の『家族』のために奮闘するルザミーネの姿が、そして次に部屋の一室でウツロイドと対面するルザミーネの光景が蘇る。
グラジオ(あの時から……母上は母上で無くなってたのかもしれない。だが、オレもリーリエも、アンタをーー)
ピーピーピー!
ヴ-ヴ-ヴ-!
グラジオ「……!」ピクッ
41 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/13(火) 20:06:31.92 ID:31e3ztue0
グラジオの持っているウルトラホールみっけマーク3がシグナルを鳴らし、震えだした。すぐにタイプ:ヌルを出して身構える。
ヌル「オオォォッ!」
グラジオ「どこから……来る!?」
すると、グラジオの眼前、マリエ庭園の中央部にウルトラホールが開き始めた。
ウルトラホールから現れたのは、テッカグヤに次いで巨大な体格と、身体の大半が大きな口を持つウルトラビースト、アクジキングだ。
アクジキング「グモォォォォッ!」
アクジキングが姿を現したとたん、すぐに2枚の舌を動かして、マリエ庭園の地面や建物の残骸、水を口の中に放り込んでいく。
グラジオ「……オレ達は眼中に入ってないと言いたげだな。行くぞ、ヌル! アイアンヘッドだ!」
ヌル「オオォォォッ!」ダッ!
ヌルは走り出すとジャンプし、アクジキングの頭部に向けて鋼鉄の兜を突き出して、頭突きを放つ!
42 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/13(火) 20:07:07.09 ID:31e3ztue0
しかしアクジキングは、初めからヌルの攻撃など気にしていないというふうに、ガレキを口に入れて咀嚼する。
グラジオ「こんなことでは動じない……か。ヌル、あのでかい口にトライアタックを撃ちこめ!」
ヌル「オオオォッ……!」ブゥゥゥンッ!
ヌルが念じると、頭上に火・雷・氷の力を秘めた三つのエネルギーの球体が真っ直ぐにアクジキングの規格外な大口の中に放り込まれていく。と、アクジキングの口内に炎が巻き起こり、凍りつき、電撃が走った!
アクジキング「グモォォッ!?」
グラジオ「フッ、さすがにこれには堪え……!?」
アクジキング「グモォォォッ!」ブンッ!
43 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/13(火) 20:07:46.21 ID:31e3ztue0
いきなり、アクジキングがその巨体を回転させて、尻尾をグラジオとヌルに向けて振り回した。グラジオはすぐに屈んで伏せることができたが、ヌルがにドラゴンテールが直撃して庭園の木に激突してしまう!
ドゴッ!
グラジオ「ヌル!」
ヌル「オオ……オオオ!」グググッ
アクジキング「グモォォ!」バグバグッ!
アクジキングは知ってか知らずか、ヌルの周りの地面に手を伸ばし、口の中へ入れていく。更にヌルのそばの木を引っこ抜いて口に入れると、その舌をヌルに向けて伸ばし始めた。
ヌル「オォォッ……!」
グラジオ「ヌル! 逃げろ!」
アクジキング「グモォォォッ!」
???「ガバイト! ドラゴンクローだ!」
突然、青い影がヌルの前に飛び出してきた!
ガバイト「グァァァッ!」ブンッ
アクジキング「グモォォォォッ?!」ザクッ!
44 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/13(火) 20:10:24.16 ID:31e3ztue0
痛みでじたばた暴れるアクジキングから退避させるように、ビブラーバがやってくると、ヌルを持ち上げてグラジオの前に下ろした。そしてグラジオとヌルの前を、コモルーが守るように仁王立ちする。
ビブラーバ「ガガガッ!」
コモルー「オオオ……」
グラジオ「こいつらは……?」
???「いじっぱりのドラコ!」カーン!
???「れいせいのおキン!」カーン!
???「ひかえめのマミ!」カーン!
3人「三人合わせて、『スカル団黒ガバイト隊』!」バァーーーン!!!
グラジオ「」ポカン
アクジキング「」ムシャムシャ
おキン「……リーダー、あたいらもうスカル団じゃないんですよ。改名したほうがいいんじゃないスか?」
ドラコ「あ、あぁ、言われてみればそうだな……」
マミ「普通に『アローラ黒ガバイト隊』でいいんじゃないスか?」
ドラコ「それじゃベタすぎるだろ! もっとこう、ドカーンとインパクトのある名前をだな……」
プルメリ「……あんたら、今はそんなこと言ってる場合じゃないだろ」ザッ
45 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/13(火) 20:11:20.63 ID:31e3ztue0
ドラコ「姉御!」
グラジオ「オマエら……なぜここにいる?」
プルメリ「そりゃこっちのセリフだよ。グラジオこそどうしてここにいるんだい?」
ドラコ「あたいらは姉御からの命令でウルトラビーストを追い払ってるんだよ」
おキン「そうだよ、それでたまたま危ない目に遭ってるアンタがいたってわけさ」
グラジオ「よせ……あれはお前たちが勝てる相手じゃない」
マミ「グラジオだって1人で挑んでヌルが食われそうになってたじゃねぇか」
ドラコ「そう、あたいら3人の力を合わせれば奴を倒せる! おキン、マミ、行くぞ!」
おキン&マミ「ウス!」
プルメリ「待ちな! グラジオの言うとおり、うかつに手を出しちゃーー!」
ドラコ「ガバイト! げきりん!」
おキン「ビブラーバ! むしのさざめき!」
マミ「コモルー! りゅうのいぶき!」
46 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/13(火) 20:13:06.78 ID:31e3ztue0
ガバイト「ガァァァッ!」ブンッ!
ビブラーバ「ガガガッ!」ザザザザッ!!
コモルー「オォォォッ」ゴウッ!
3体のドラゴンポケモンによる一斉砲火がアクジキングへ向かっていく! ビブラーバのむしのざざめきで動きを止めつつ、コモルーのりゅうのいぶきで援護射撃を受けながら。ガバイトの怒涛の攻撃でアクジキングに多大なダメージを与える。
アクジキング「グモ……グモオォォォ!」ブンッ!
アクジキングがダメージを受けて身を悶えさせながら暴れまわる。しかしガバイトたちはそれを回避しつつ、再び攻撃を繰り返す。
するとアクジキングはガバイトたちに向き直ると、その口を大きく開いて息を吸い込むと……。
アクジキング「ヴ ェ ェ ェ ェ ェ ェ ッ ! !」
ドドドドド!!!
ガバイト&ビブラーバ&コモルー「!?」
グラジオ「なっ!?」
プルメリ「!!」
アクジキングの放った逸脱したゲップが一種の衝撃波となって、ガバイトたちを吹き飛ばしていく!
ドゴォォォッ!!
おキン「な、なにぃ!?」
マミ「コモルー!」
47 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/13(火) 20:14:03.74 ID:31e3ztue0
プルメリ「今のはゲップか……。あんな隠し玉、持ってたとはね」
ドラコ「くぅっ! こんなやられ方、屈辱的すぎじゃねぇか! おい!」
ザッ
???「今日は厄日だね……」
5人「!」
クチナシ「……こいつと、こんなところで鉢合わせしちまうとはよ」
グラジオ「クチナシさん!」
プルメリ「おっさん!」
クチナシ「グラジオのあんちゃん、元スカル団のねえちゃんたち、あいつはビーストの中でも相当タフな奴なんだわ。下手に数撃っても、食われちまうのがオチだよ」
グラジオ「クチナシさん……アイツを知っているのか?!」
クチナシ「……ま、昔ね」
クチナシ「誰か、フェアリータイプのポケモンを持ってる奴いるかい」
ドラコ「いや……あたいら全員、ドラゴンタイプのポケモン持つってのが黒ガバイト隊のルールだからよ」
プルメリ「あたいも、今のところどくタイプしかいないね」
48 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/13(火) 20:17:43.37 ID:31e3ztue0
クチナシ「そうかい。なら、こうするしかねぇか」
クチナシ「アブソル、あいつにれいとうビームだ」
アブソル「ガウッ!」
そばで控えていたアブソルが飛び出すと、アクジキングの大口にひるまず近づくと、青白い光線を放った!
アブソル「オォォッ!」ズピーーッ!!
アクジキング「グモ……!?」ピキキキッ
アブソルのれいとうビームを受けたアクジキングは見る見るうちに氷に覆われていき、次第に動きが鈍くなっていく。
クチナシ「ーープルメリの嬢ちゃん、奴を凍らせるよ」
プルメリ「わかったよおっさん、ドヒドイデ! れいとうビーム!」
ドヒドイデ「ドヒドヒッ!」キィーン!
アブソルに続いて、プルメリのそばで控えていたドヒドイデもれいとうビームを発射する!
すると、さらにアクジキングの動きが緩やかになってゆく。
アクジキング「グ……モ……ッ!」ビキビキッ!
ピキッ!
そして、アクジキングの全身が完全に凍結し、動かなくなった。
49 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/13(火) 20:18:36.14 ID:31e3ztue0
おキン「おおっ! 凍らせた!」
マミ「こっから巻き返すんですね!」
クチナシ「いや、あのウルトラホールの中に押し戻すよ」
グラジオ「倒すんじゃないのか?」
クチナシ「さっきも言ったがよ、あいつはとんでもなくタフな奴なんだよ。ここにいる戦力だけだと、あいつを倒せても誰かが犠牲になるのは間違いないぜ」
ドラコ「そんなに恐ろしい相手……なのか?」
プルメリ「見てわかるだろ? もうちょっと慎重さっていうの覚えな」
クチナシ「……それより、早くやらないと目覚めちまうよ。ポケモンたちの力を借りて、あいつを元の場所に戻してやんなきゃな」
グラジオ「わかった。それに、アンタに話もあるしな……」
フェローチェ『思い出していただけましたか?』
しんのすけ「……なんだっけ?」
フェローチェ「」ガクッ
しんのすけ「オラ、アーカラ島っていうと、ライチおねいさんとカキくんの乳首しか印象に残ってないからー」
フェローチェ『は、はぁ……』
フェローチェ(なんてマイペースで変わった子なのかしら……初めて見るタイプの人間ですわ)
突然、しんのすけのリュックがもぞもぞと揺れ始めた。
ゴソゴソ
しんのすけ「お?」
ロトム図鑑「ふぅーっ、やっと起動できた」
ロトム図鑑「まったく……変なエネルギーが身体中に流れ込んで強制的にシャットダウンしたかと思ったら、ここはどこだ?」
しんのすけ「あれ? ぶりぶりざえもん、いつのまに?」
32 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/13(火) 19:35:22.30 ID:31e3ztue0
フェローチェ『あなたは確か……?』
ロトム図鑑『ふん、忘れたのか。ならもう一度名乗ってやる。その耳かっぽじってよく聞くがよい』
ロトム図鑑「私はアローラ地方のアイドルにしてもりのようかんのゆるキャラ! その名もレオナルド・ロトブリオ。もしくはアレッサンドロトム・フランチェスカ・デ・ニコラと呼ぶが良い」
しんのすけ「ぶりぶりざえもんっていうの」
フェローチェ『まぁ、変わったお名前。ぶりぶりざえもんさん。わたくしはあいですわん』
ロトム図鑑「おいっ! 間違って覚えられたじゃねぇか! どーしてくれる!」
しんのすけ「だって事実だし」
しんのすけ「ねぇ、ひょっとしてあいちゃんってウルトラビーストなの?」
フェローチェ『ウルトラビースト……? そういえば、あの生き物と合体していた人間の女は、あい達をそんなふうに呼んでいましたわん』
ロトム図鑑「なに? お前がウルトラビーストなのか?」
フェローチェ『それより、しん様には確か、カザマくんとマサオくんという方が一緒にいたような気がしたのですが……』
33 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/13(火) 19:38:21.87 ID:31e3ztue0
しんのすけ「あーカザマくんもマサオくんも、みんな向こうの世界にはぐれちゃったみたいで。いやぁ全く参りましたな、もう」
フェローチェ『むしろ、あなたがこっちに来てしまったと思うのですが……』
しんのすけ「そうともゆー」
しんのすけ「てゆうか、ここってどこなの?」
ロトム図鑑「GPS機能を使っても、表示されないどころかここは電波も通っていないとは。ここはどこか辺境の地かどこかなのか?」
フェローチェ『あいにも、はっきりとは分かりませんわ。ただ、ここはしんのすけくんにもあいにとっても異なる別の世界で、簡単に言うなら世界の狭間のようなものでは……』
しんのすけ「んー……オラにはさっぱりだけど、ここから元の世界に帰ることって出来る?」
フェローチェ「はい! 『穴』が開いていれば、ですけれども」
しんのすけ「穴?」
34 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/13(火) 19:39:16.04 ID:31e3ztue0
フェローチェ『この世界には、いろんな世界へ通じる穴が、時折開かれることがありますわ。ですから、あなたがたがウルトラビーストと呼ぶ、様々な世界からやってきた生き物も、多くここに生息していますの』
フェローチェ『ですから、しん様とぶりぶりざえもんさんのいた世界への穴が開いて、それを見つけることができれば、帰れますわ』
ロトム図鑑「ホントか?」
しんのすけ「じゃあ穴探しに行きますか。ほっとくとかーちゃんとリーリエちゃんがうるさいし、お腹もすいたし」テクテク
フェローチェ『ああ、お待ちになって。あいもお伴いたしますわ! 助けてくれたお礼に、しん様達を元の世界へ送り届けますわ!』
しんのすけ「じゃ、ひとつよろしく頼むねー」
ロトム図鑑「ほんとに頼むぞ。こっちは命かかってるんだからな」
35 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/13(火) 19:47:20.64 ID:31e3ztue0
ビーストの世界をさまよい歩くしんのすけたち。あたりには野生のウツロイドがたゆたっており、空には時折フェローチェやテッカグヤが飛んでいる。
かと言って地上は安全かと思ったらそうでもなく、マッシブーンたちがポーズを見せて肉体美を自慢していたり、デンジュモクが闊歩しており、中にはアクジキングが岩壁や植物を口の中に放り込んでいた。
ビーストたちの目をかいくぐりながら、しんのすけたちは元の世界へ通じるウルトラホールを探し歩いていた。
しんのすけ「なかなか穴が見つからないね」
フェローチェ『いつ、どこで向こうの世界に通じる穴が開かれるか分かりませんから……』
ロトム図鑑「くそっ、インターネットが接続できる場所なら救難信号なりGPSが使えたものを。まったくルザミーネめ、面倒なところに連れてきおって。今度会ったらたたでは済まないからな!」
しんのすけ「ぶりぶりざえもんが役に立たないのはいつものことだけどね」
ロトム図鑑「やかましい! だいたいお前もポケモンを図鑑登録しないからだろボケ!」
しんのすけ「だってめんどくさいんだもーん」
ロトム図鑑「ケッ! しょせんちっさいインドぞうさん坊主にトレーナーなど務まらんのだ」
しんのすけ「なんだとー! ぶりぶりざえもんにちっさいインドぞうさんなんて言われたくないもん! インドぞうさんないクセに!」
ロトム図鑑「言ったな貴様! 図鑑に入ってるから見えないだけで、私のインドぞうさんこそ最強だ!」
しんのすけ「オラのインドぞうさんの方が最強だもん!」
ロトム図鑑「いいや私のインドぞうさんこそアローラ1だ!」
しんのすけ「なにおー! オラのインドぞうさんの方が宇宙一だもん!」
フェローチェ(インドぞうさんとはどういう意味なのか知りませんが、なんだかすごく恥ずかしくなってきましたわ……)
しんのすけ「フンだ!」プイッ
ロトム図鑑「フンッ!」プイッ
37 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/13(火) 19:50:18.49 ID:31e3ztue0
しんのすけとロトム図鑑は互いに目を合わせないように体ごと逸らしながら進んでいくと、前方に、紙人形のような形をした小さなウルトラビーストーーカミツルギが舞い降りてきた。
カミツルギ「……」フワフワ
しんのすけ「なにこれ?」
フェローチェ『この方もきっと、しん様のおっしゃっていた、ウルトラビーストでしょう』
ロトム図鑑「こんな紙っペラがウルトラビースト? はっ、紙飛行機にして吹き飛ばしてやるぜ! 喰らえラスターパージ!!」
意気揚々とロトム図鑑が飛び出す!
するとロトム図鑑の敵意に反応したかのように、カミツルギが動き出した。両手であたかも手刀を打つように、ぶりぶりざえもんへと襲いかかった!
カミツルギ「カミッ!!」ブンッ!
ロトム図鑑「ブヒッ!?」サッ
ザンッ!!
ぶりぶりざえもんが文字通り紙一重で回避した瞬間、彼の背後にある岩と植物が唐竹に割れて、粉々に砕け散った!
しんのすけ「すげー」
カミツルギ「カミーッ!」
38 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/13(火) 19:52:30.24 ID:31e3ztue0
カミツルギは敵とみなしたぶりぶりざえもんに対して、何度も斬りかかってくる! その度に周りの岩や植物が切断されていく。
ロトム図鑑「わ゛ーっ! 早くなんとかしろー!」
しんのすけ「やれやれ……あいちゃん、お願い」
フェローチェ『お任せ下さいませ!』バッ
しんのすけのそばに立っていたあいが、一瞬で200キロ近くの速度でカミツルギに突っ込むと、とびひざげりを放った!
あいの不意打ちを受けたカミツルギは回避することもできず、そのまま岩壁に叩きつけられる。
ドゴッ!!
カミツルギ「ヅルッ!」ズズンッ!
しんのすけ「おー早い早い!」パチパチ
あいは2歩分後退すると、カミツルギが斬りかかってくるが次の瞬間にはあいが背後に回り込み、トリプルキックを放った!
ドカドカドカッ!!
カミツルギ「か、カミッ!?」
背中から音速のスピードによる蹴りを3発も受け、カミツルギは一度地面に転がると、相手が悪いと察したのか、奥へと引っ込んでいった。
カミツルギ「カ……カミィ~」フラフラ
39 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/13(火) 19:53:13.83 ID:31e3ztue0
ロトム図鑑「ふぅ、口ほどにもなかったぜ」
しんのすけ「あんた何もやってないでしょ」
フェローチェ『これがあいの実力ですわ。お手伝いする分には差し支えないと思いますが……お気に召したでしょうか』
しんのすけ「すごいスピードだったねえ。鼻にも止まらぬ速さですな」
ロトム図鑑「それを言うなら、目にも止まらぬ速さだ」
フェローチェ『まぁ、そう言ってくだされば、あいも戦った甲斐がありましたわ』
???「騒がしいと思って来てみりゃ、まさかお前がいるとはよ」
しんのすけ&フェローチェ&ロトム図鑑「!」
40 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/13(火) 20:05:36.59 ID:31e3ztue0
ウラウラ島 マリエシティ(グラジオ)
エーテルパラダイスから離れて、マリエシティに降り立ったグラジオは、クチナシをーーそれでなくても彼の居場所を知っているキャプテンたちの姿を探していた。
マリエシティもまた、他の島同様、ビーストが暴れて目を覆いたくなるような光景へ変わり果ててしまっていた。
ジョウト地方の趣が残っていた建物のほとんどが崩れ、ひどいものでは、潰れてガレキの山と化したものまで様々だ。
名所であるマリエ庭園に至っては整備された草が焼け焦げ、橋は残骸がギャラドス型の池に沈み、茶屋の建物も火事になって煙を上げていた。
グラジオ「…………」
遠くを見ると、金箔の貼られた五重塔が、あたかも巨大な刃物で袈裟斬りにされたように切断されていた。これもまた、ビーストの仕業なのか。
グラジオ(母上……こうすることが、あなたの本当の望みだったのですか)
グラジオはここが危険というを理解しながらも目を閉じた。まぶたの裏には、いなくなってしまった一人の『家族』のために奮闘するルザミーネの姿が、そして次に部屋の一室でウツロイドと対面するルザミーネの光景が蘇る。
グラジオ(あの時から……母上は母上で無くなってたのかもしれない。だが、オレもリーリエも、アンタをーー)
ピーピーピー!
ヴ-ヴ-ヴ-!
グラジオ「……!」ピクッ
41 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/13(火) 20:06:31.92 ID:31e3ztue0
グラジオの持っているウルトラホールみっけマーク3がシグナルを鳴らし、震えだした。すぐにタイプ:ヌルを出して身構える。
ヌル「オオォォッ!」
グラジオ「どこから……来る!?」
すると、グラジオの眼前、マリエ庭園の中央部にウルトラホールが開き始めた。
ウルトラホールから現れたのは、テッカグヤに次いで巨大な体格と、身体の大半が大きな口を持つウルトラビースト、アクジキングだ。
アクジキング「グモォォォォッ!」
アクジキングが姿を現したとたん、すぐに2枚の舌を動かして、マリエ庭園の地面や建物の残骸、水を口の中に放り込んでいく。
グラジオ「……オレ達は眼中に入ってないと言いたげだな。行くぞ、ヌル! アイアンヘッドだ!」
ヌル「オオォォォッ!」ダッ!
ヌルは走り出すとジャンプし、アクジキングの頭部に向けて鋼鉄の兜を突き出して、頭突きを放つ!
42 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/13(火) 20:07:07.09 ID:31e3ztue0
しかしアクジキングは、初めからヌルの攻撃など気にしていないというふうに、ガレキを口に入れて咀嚼する。
グラジオ「こんなことでは動じない……か。ヌル、あのでかい口にトライアタックを撃ちこめ!」
ヌル「オオオォッ……!」ブゥゥゥンッ!
ヌルが念じると、頭上に火・雷・氷の力を秘めた三つのエネルギーの球体が真っ直ぐにアクジキングの規格外な大口の中に放り込まれていく。と、アクジキングの口内に炎が巻き起こり、凍りつき、電撃が走った!
アクジキング「グモォォッ!?」
グラジオ「フッ、さすがにこれには堪え……!?」
アクジキング「グモォォォッ!」ブンッ!
43 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/13(火) 20:07:46.21 ID:31e3ztue0
いきなり、アクジキングがその巨体を回転させて、尻尾をグラジオとヌルに向けて振り回した。グラジオはすぐに屈んで伏せることができたが、ヌルがにドラゴンテールが直撃して庭園の木に激突してしまう!
ドゴッ!
グラジオ「ヌル!」
ヌル「オオ……オオオ!」グググッ
アクジキング「グモォォ!」バグバグッ!
アクジキングは知ってか知らずか、ヌルの周りの地面に手を伸ばし、口の中へ入れていく。更にヌルのそばの木を引っこ抜いて口に入れると、その舌をヌルに向けて伸ばし始めた。
ヌル「オォォッ……!」
グラジオ「ヌル! 逃げろ!」
アクジキング「グモォォォッ!」
???「ガバイト! ドラゴンクローだ!」
突然、青い影がヌルの前に飛び出してきた!
ガバイト「グァァァッ!」ブンッ
アクジキング「グモォォォォッ?!」ザクッ!
44 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/13(火) 20:10:24.16 ID:31e3ztue0
痛みでじたばた暴れるアクジキングから退避させるように、ビブラーバがやってくると、ヌルを持ち上げてグラジオの前に下ろした。そしてグラジオとヌルの前を、コモルーが守るように仁王立ちする。
ビブラーバ「ガガガッ!」
コモルー「オオオ……」
グラジオ「こいつらは……?」
???「いじっぱりのドラコ!」カーン!
???「れいせいのおキン!」カーン!
???「ひかえめのマミ!」カーン!
3人「三人合わせて、『スカル団黒ガバイト隊』!」バァーーーン!!!
グラジオ「」ポカン
アクジキング「」ムシャムシャ
おキン「……リーダー、あたいらもうスカル団じゃないんですよ。改名したほうがいいんじゃないスか?」
ドラコ「あ、あぁ、言われてみればそうだな……」
マミ「普通に『アローラ黒ガバイト隊』でいいんじゃないスか?」
ドラコ「それじゃベタすぎるだろ! もっとこう、ドカーンとインパクトのある名前をだな……」
プルメリ「……あんたら、今はそんなこと言ってる場合じゃないだろ」ザッ
45 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/13(火) 20:11:20.63 ID:31e3ztue0
ドラコ「姉御!」
グラジオ「オマエら……なぜここにいる?」
プルメリ「そりゃこっちのセリフだよ。グラジオこそどうしてここにいるんだい?」
ドラコ「あたいらは姉御からの命令でウルトラビーストを追い払ってるんだよ」
おキン「そうだよ、それでたまたま危ない目に遭ってるアンタがいたってわけさ」
グラジオ「よせ……あれはお前たちが勝てる相手じゃない」
マミ「グラジオだって1人で挑んでヌルが食われそうになってたじゃねぇか」
ドラコ「そう、あたいら3人の力を合わせれば奴を倒せる! おキン、マミ、行くぞ!」
おキン&マミ「ウス!」
プルメリ「待ちな! グラジオの言うとおり、うかつに手を出しちゃーー!」
ドラコ「ガバイト! げきりん!」
おキン「ビブラーバ! むしのさざめき!」
マミ「コモルー! りゅうのいぶき!」
46 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/13(火) 20:13:06.78 ID:31e3ztue0
ガバイト「ガァァァッ!」ブンッ!
ビブラーバ「ガガガッ!」ザザザザッ!!
コモルー「オォォォッ」ゴウッ!
3体のドラゴンポケモンによる一斉砲火がアクジキングへ向かっていく! ビブラーバのむしのざざめきで動きを止めつつ、コモルーのりゅうのいぶきで援護射撃を受けながら。ガバイトの怒涛の攻撃でアクジキングに多大なダメージを与える。
アクジキング「グモ……グモオォォォ!」ブンッ!
アクジキングがダメージを受けて身を悶えさせながら暴れまわる。しかしガバイトたちはそれを回避しつつ、再び攻撃を繰り返す。
するとアクジキングはガバイトたちに向き直ると、その口を大きく開いて息を吸い込むと……。
アクジキング「ヴ ェ ェ ェ ェ ェ ェ ッ ! !」
ドドドドド!!!
ガバイト&ビブラーバ&コモルー「!?」
グラジオ「なっ!?」
プルメリ「!!」
アクジキングの放った逸脱したゲップが一種の衝撃波となって、ガバイトたちを吹き飛ばしていく!
ドゴォォォッ!!
おキン「な、なにぃ!?」
マミ「コモルー!」
47 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/13(火) 20:14:03.74 ID:31e3ztue0
プルメリ「今のはゲップか……。あんな隠し玉、持ってたとはね」
ドラコ「くぅっ! こんなやられ方、屈辱的すぎじゃねぇか! おい!」
ザッ
???「今日は厄日だね……」
5人「!」
クチナシ「……こいつと、こんなところで鉢合わせしちまうとはよ」
グラジオ「クチナシさん!」
プルメリ「おっさん!」
クチナシ「グラジオのあんちゃん、元スカル団のねえちゃんたち、あいつはビーストの中でも相当タフな奴なんだわ。下手に数撃っても、食われちまうのがオチだよ」
グラジオ「クチナシさん……アイツを知っているのか?!」
クチナシ「……ま、昔ね」
クチナシ「誰か、フェアリータイプのポケモンを持ってる奴いるかい」
ドラコ「いや……あたいら全員、ドラゴンタイプのポケモン持つってのが黒ガバイト隊のルールだからよ」
プルメリ「あたいも、今のところどくタイプしかいないね」
48 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/13(火) 20:17:43.37 ID:31e3ztue0
クチナシ「そうかい。なら、こうするしかねぇか」
クチナシ「アブソル、あいつにれいとうビームだ」
アブソル「ガウッ!」
そばで控えていたアブソルが飛び出すと、アクジキングの大口にひるまず近づくと、青白い光線を放った!
アブソル「オォォッ!」ズピーーッ!!
アクジキング「グモ……!?」ピキキキッ
アブソルのれいとうビームを受けたアクジキングは見る見るうちに氷に覆われていき、次第に動きが鈍くなっていく。
クチナシ「ーープルメリの嬢ちゃん、奴を凍らせるよ」
プルメリ「わかったよおっさん、ドヒドイデ! れいとうビーム!」
ドヒドイデ「ドヒドヒッ!」キィーン!
アブソルに続いて、プルメリのそばで控えていたドヒドイデもれいとうビームを発射する!
すると、さらにアクジキングの動きが緩やかになってゆく。
アクジキング「グ……モ……ッ!」ビキビキッ!
ピキッ!
そして、アクジキングの全身が完全に凍結し、動かなくなった。
49 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/13(火) 20:18:36.14 ID:31e3ztue0
おキン「おおっ! 凍らせた!」
マミ「こっから巻き返すんですね!」
クチナシ「いや、あのウルトラホールの中に押し戻すよ」
グラジオ「倒すんじゃないのか?」
クチナシ「さっきも言ったがよ、あいつはとんでもなくタフな奴なんだよ。ここにいる戦力だけだと、あいつを倒せても誰かが犠牲になるのは間違いないぜ」
ドラコ「そんなに恐ろしい相手……なのか?」
プルメリ「見てわかるだろ? もうちょっと慎重さっていうの覚えな」
クチナシ「……それより、早くやらないと目覚めちまうよ。ポケモンたちの力を借りて、あいつを元の場所に戻してやんなきゃな」
グラジオ「わかった。それに、アンタに話もあるしな……」
しんのすけ「アローラ地方を冒険するゾ」
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