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しんのすけ「アローラ地方を冒険するゾ」

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Part57
112 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/14(水) 20:05:17.77 ID:Y7xDIbbj0
ククイ博士「リーリエ、ポケモントレーナーになってみて気分はどうだい?」
リーリエ「はい! まだ、しんちゃんのポケモンさんとは上手く連携は取れていませんが……ポケモンさんと一緒に戦っていると、こんなに胸がドキドキするなんて思いませんでした!」
ククイ博士「そうだろ? 君が自分のポケモンを持つようになれば、もっとドキドキするような事が起きるぜ!」
バーネット「リーリエがトレーナーデビュー……なにか感慨深いね」
みさえ「あたしもポケモントレーナーになってみようかしら」
アセロラ「しんちゃんのお母さんはポケモントレーナーじゃないの?」
みさえ「うん、あなたたちくらいの年の頃は家のことを手伝っていたから」
バーネット「どこ出身なんですか?」
みさえ「ホウエン地方のフエンタウンってところです。その後はカントー地方に上京して、その後はカスカベ地方に住んでいました」
ククイ博士「ホウエン地方は暖かいですから、アローラの気候にもすぐ慣れたのでは?」
みさえ「ええ、わりと」

113 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/14(水) 20:16:02.66 ID:Y7xDIbbj0
トントン
ウィーン
ビッケ「お食事中、失礼します」
リーリエ「ビッケさん。どうかなさったのですか?」
ビッケ「グラジオさまと、野原ひろしさん、ハウさんの船が戻りました」
ククイ博士「おっ、みんな戻ってきたのか!」
ハウ「戻ってきたよー!」ヒョコッ
ククイ博士「うおっ!」
リーリエ「ハウさん!」
ハウ「美味しそうなニオイに誘われてたらついたー」
グラジオ「博士は先に着いたようだな」
みさえ「みんな、石は貰えたの?」
ひろし「ああ、みんなカプから認めてもらえたぜ!」
ひろし達3人はそれぞれカプから貰ったかがやく石を、リーリエたちに見せた。
アセロラ「みんなカプから認められるなんてすごすぎ! グラジオくんもすっごい苦労したでしょ?」

114 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/14(水) 20:20:39.38 ID:Y7xDIbbj0
ハウ「しまキングたちが手伝ってくれたおかげだよー」
グラジオ「そうだな……それに、彼女がいなければ、正直石が手に入ったかどうか分からなかったな」
アセロラ「彼女?」
グラジオが頷くと、「来い」と手で部屋の外へ誰かに向かって合図を送った。すると足音が近付いて、『彼女』が部屋に入ってきた。
プルメリ「……」
リーリエ「プルメリさん?!」
アセロラ「エー! なんでー!?」
みさえ「誰?」
ククイ博士「そうか、君がマーレインの言っていた『思わぬ協力者』か」
ハウ「おれもびっくりしたよー! スカル団の幹部が協力してくれるなんてー」
プルメリ「元、だよ。もうスカル団は解散したんだ」

115 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/14(水) 20:21:46.62 ID:Y7xDIbbj0
グラジオ「今、アローラ全域に渡って元スカル団のしたっぱたちが救助活動を行っている……。オレもこの目で見たからな。だからこそ、カプ・ブルルは石をくれたんだ。スカル団が解散して、アローラのために行動していることが、あいつの心を動かしたらしい」
ひろし「にわかには信じられないけどな……」
プルメリ「グズマをビーストの世界から取り戻して、罪を償わせなきゃいけないからね。そのため、あたいもアンタたちと一緒に行動したいのさ。……わがままなのは承知の上だけどね」
リーリエ「プルメリさんも力を貸してくれるなんて頼もしいです! 一緒にグズマさんを助けに行きましょう!」
プルメリ「あぁ、そうだね」
プルメリ「その前に、ひろしとみさえ……だったね。まず、謝らせてくれないか?」
ひろし「え……?」

116 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/14(水) 20:23:26.45 ID:Y7xDIbbj0
プルメリ「……あたいがスカル団にいた頃、したっぱたちがしんのすけにちょっかいだしては、返り討ちに遭ってね。その報復に何度もあいつにポケモン勝負をしかけて、倒そうとしていたんだ」
みさえ「……!」
プルメリ「それにウラウラ島では、そこにいるキャプテンの子供たちのヤングースを人質に取って、しんのすけに1人であたいらのところまで来るよう脅したんだよ」
ひろし「お前っ……」
リーリエ「でも、それはかあさまがほしぐもちゃんを狙っていたからで……」
プルメリ「それでもね、しんのすけを危ない目に合わせたことには違いないんだ。だから、アンタたちに今ここで追い出されても、文句を言える立場じゃないんだよ」
アセロラ「……」
プルメリ「だから、そのワビになれるかどうかわからないけど……あんたたちの息子さんを助ける手伝いをさせてくれないか?」
ひろし「……」
みさえ「……」


117 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/14(水) 20:25:19.62 ID:Y7xDIbbj0
ひろし「はっきり言って、今の話を聞いて本当のことなら俺たちはお前を許さない。うちのしんのすけをアンタたちのせいで危ない目に遭わせたんだからな」
プルメリ「……」
ひろし「だから、お前もしんのすけを助けるのに協力するんだ。しんのすけを助けられたら、そんときはアンタがしんのすけにしたことを許してやる」
みさえ「そうよね、あなたは元スカル団でも幹部だったんでしょ。私たちの力になってくれるのなら、それで充分」
ひまわり「たい!」
プルメリ「……!」
アセロラ「そうだね、ヤンちゃんのぶんもちゃんと償ってもらわないと!」
ひろし「みんなも、それで文句はないよな?」
リーリエ「はい!」
ハウ「異議なしー!」
アセロラ「異議なーし!」
ククイ博士「ハウとアセロラと同じ意見だぜ! 僕は君を喜んで迎え入れるよ!」
バーネット「スカル団も手を貸してくれるなんて、びっくりだよ。でも私たちにとって心強いよ」
グラジオ「……そうだな。用心棒をしていたオレが言えた身分ではないが」

118 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/14(水) 20:26:52.47 ID:Y7xDIbbj0
プルメリ「みんな……すまないね。礼を言うよ。……あたいらは、カプやアローラの人たちに赦される時が来るもんかね」
ククイ博士「赦されるさ。君たちはアローラを守り、自分たちの罪を償おうとがむしゃらに努力しているんだろ? いつかカプもわかってくれるよ」
プルメリ「そう言ってもらえると、あたいらも救われるんだけどねえ」
みさえ「さ、みんな上がって! 疲れたでしょ? 晩ご飯用意できてるわ」
ひろし「おっ、サンキュー!」
プルメリ「あたいもいいのかい?」
みさえ「いいのいいの。プルメリ……ちゃんだっけ? ずっとビーストと戦ってお腹すいてるでしょ?」
ハウ「わーい! おばさんおれ大盛りねー!」
グラジオ「フッ……気が付くと賑やかになったもんだな」
ククイ博士「というか、部屋に入りきらないんじゃないのか?」

119 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/14(水) 20:28:34.52 ID:Y7xDIbbj0
グラジオ「ビッケ、石はここに4つ揃った。月の笛の解析状況は?」
ビッケ「はい! アセロラさんの協力もあって、内部構造及び材質の分析が終わりました」
グラジオ「どのくらいの時間を要せば修復できる?」
ビッケ「おそらくですが……財団が総力を上げて取り掛かれば2日ーーいえ、1日のお時間をいただければ、修復が終わるかと」
グラジオ「なら……頼む」
リーリエ「ビッケさん……よろしくお願いします!」
ビッケ「お任せ下さい!」

120 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/14(水) 20:31:35.33 ID:Y7xDIbbj0
エーテルパラダイス 財団職員専用食堂
人数が多くなってしまったことで、居住区から食堂へ移動すると、全員で改めて食事を再開した。さすがに大人数の食事は出来ていないのでバーネットとアセロラも加わって追加の分を作り、それぞれ晩御飯を愉しんだ。
アセロラ「はーいひまちゃーん、あーん」
ひまわり「あーん」ムシャムシャ
バーネット「ふふっ、子供がいるっていうのも、いいかもね」ナデナデ
みさえ「博士はまだお子さんは……?」
ククイ博士「まだいないですね。僕らもこうして会う時間が少ないんですよ」
バーネット「でもそろそろ、夫婦らしく同居するっていうのも悪くないんじゃない?」
ククイ博士「そうだね、ハニー。研究所も潰れてしまったから、これを機に新居を建てるというのも、悪くないかもね」
プルメリ「グラジオ、そういえばあれを渡すの、忘れてないかい?」
グラジオ「ああ、オマエらに渡しておくものがあったな。今アローラにいるウルトラビーストのデータだ。マーレインが作ったそうだ」
アセロラ「マーレインくん、やるじゃん! こんなに早くビーストのタイプも分析しちゃうなんて!」

121 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/14(水) 20:32:56.76 ID:Y7xDIbbj0
ハウ「あれー? でもこの『BLASTER』っていうの、たぶんくさ・はがねじゃないと思うよー」
グラジオ「ほう……?」
ハウ「おれとおじさんがメレメレに戻った時にこのビーストと出会って戦ったんだけどー、その時カプ・コケコが助けてくれたんだー。その時放ったかみなりが、抜群に効いていたんだよー。くさタイプだったら、たぶんあの時倒れてないと思うんだー」
ククイ博士「となると、このビーストのタイプはひこう、みずタイプのどれかが入っているってことだね。見た目からして、ひこうタイプなのは間違いないだろう」
ひろし「はがね・ひこうか……。じめんが効かないのはやっかいだな」
ククイ博士「よーし、このミスをさっそくマーレインに送って修正してもらうとするかな。ハウ、お手柄だよ」
ハウ「じゃーご褒美にグラジオの残したマラサダ貰っていいー?」
グラジオ「どうしてオレなんだ……!」
リーリエ「……ふふっ」
リーリエ(みなさんとこうして食事して……本当に明るくて、楽しいです)
そんな楽しげなやり取りをリーリエは目を細くして眺めていると、ふとしんのすけの事を思い出した。
……ここにいるべきあの少年は、いないのだ。
リーリエ(しんちゃん……お腹、すいてないかな。かあさまに、ひどい目に合わされていなければ、いいのですが)チクン

122 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/14(水) 20:35:43.86 ID:Y7xDIbbj0
リーリエ「……みなさんは、しんちゃんと出会っているんですよね」
ハウ「んー? それはリーリエも一緒じゃないのー? ここにいる人たちみんなリーリエと会ってるよー?」
リーリエ「でも、もしわたし一人だけだと、こんなに出会えたというのはきっと無かったです。こうして、みなさんと一緒に食事ができることも有り得なかったと思います」
グラジオ「ああ……。元スカル団の幹部にポケモン博士、キャプテン、しまキングの孫、財団の職員、そしてオレら……ごった煮もいいところだ」
ハウ「みんな、しんのすけが引き合わせてくれたんだねー」
リーリエ「だから……しんちゃんも欠けちゃ、いけないですよね」
プルメリ「……リーリエ」

123 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/14(水) 20:36:53.84 ID:Y7xDIbbj0
ククイ博士「だったら、取り戻せばいいだけさ! しんのすけを取り返して、またみんなでこうやって晩ご飯を食べようぜ!」
ひろし「そうだな。俺たちも、こっちに来てまだ家族と一緒に晩ご飯を食べることすら出来てないからな」
みさえ「そうね……」
バーネット「次はわたしも本格的に手伝おうかしら?」
アセロラ「アセロラも今度はゼンリョクで腕を振るうからね! みんなで晩御飯作るって約束、まだ果たしてないし」
ハウ「おれー、いっぱいマラサダ買ってきてーみんなに分けてあげたいー」
ククイ博士「と言いつつ、マラサダを独り占めしちゃうんじゃないか?」
ハウ「えー? やだなーそんなことしないよー」
\アッハッハッハッ!/
リーリエ(そうですね……奪われたのなら、取り戻せばいい。それだけです)
リーリエ(しんちゃん、必ず無事でいると信じています)
リーリエ(絶対にかあさまもあなたも、取り戻します。そのために、わたしもゼンリョクで頑張ります)
リーリエ(ビーストの世界から戻ってきたら、みんなでパーティーをしましょう。きっと、今よりもっと明るくて、楽しくて、盛り上がると思います)
リーリエ(待っててくださいね。しんちゃん)

124 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/14(水) 20:38:15.02 ID:Y7xDIbbj0
エーテルパラダイス 2階 保護区テラス
賑やかな食事が終わり、リーリエたちは各々の割り当てられた部屋に戻って明日に備えて身体を休めていた。
グラジオはそんな中、テラスで月明かりに照らされた海面を眺めていた。

グラジオはマリエ庭園でのアクジキングとの死闘を思い出し、タイプ:ヌルの入ったモンスターボールを取り出して覗いた。
グラジオ「ヌル……すまないことをした。あの時、オレが驕ってさえいなければ、オマエを危険な目に合わせることもなかった」
ひろし「よう、グラジオくん」
グラジオ「……ひろしか?」
ひろし「こんなところで何してるんだ?」
グラジオ「ああ……ああいう雰囲気の中にいるのは初めてだからな。だから、こうして夜風に当たりながら、一人で頭を落ち着かせていた」
ひろし「そうか。俺達はまぁ、食後の散歩のようなものさ。ここに来れば、たくさんポケモンも見られてひまも喜ぶしな。それでたまたま君を見かけたんだ」
グラジオ「フッ……そうか」

125 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/14(水) 20:39:17.47 ID:Y7xDIbbj0
グラジオ「……ひろし、みさえ」
ひろし「ん?」
グラジオ「……オレは、こっちの事情にアンタたちの息子を巻き込んでしまって、申し訳ないと思っている」
みさえ「ううん、あなたが謝ることじゃないわ」
ひろし「なーに、あいつがそう簡単にくたばったりしないさ」
グラジオ「……そうだな。あいつは強い。そこはオレも認める」
ひろし「なにせ、自慢の息子だからな」
みさえ「そうそう、将来は他の地方のチャンピオンを倒せるようなトレーナーなってもらわないと」
ひろし「そのためにも、あいつを助けに行かなくちゃな」
グラジオ「……お前たちもウルトラホールの中へ行くつもりなのか?」
みさえ「当たり前でしょ!」
グラジオ「よせ……。ポケモントレーナーではないお前たちが行って、生きて帰れるような場所じゃないぞ」
ひろし「忠告ありがとよ。でも、俺たちは家族だ。誰か一人が危ない目にあったら、みんなで助けに行くんだ。家族と一緒にいれば、世界の危機だろうが、なんだろうが乗り越えられる」
みさえ「あなたはまだ子供だから分からないけれど、子供のためなら、親はなんだって出来るものなのよ」
グラジオ「……」

126 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/14(水) 20:40:37.84 ID:Y7xDIbbj0
グラジオ「まっ、そうだろうな。ひろしはここでリーリエを救出するとき、ためらわずオレたちについてきたからな」
グラジオ「……しんのすけが羨ましく思う。子供の為に命をかけてくれている親が居るとはな」
ひろし「父親はどうしたんだ?」
グラジオ「父はーーウルトラホールとウルトラビーストの存在を初めて発見した人なんだ。だが……父は、ウルトラホールの実験中に消えた。残されたのは、ウルトラビーストの資料と、弱ったコスモッグだけだ」
ひろし「まさか、ルザミーネがウルトラビーストに惹かれたのってーー」
グラジオ「もしも、母がウルトラビーストへ向けた理由が、父への想いだとしたらオレとしては救われるがな。オレは、母がウルトラビーストを欲したあの行動がわからんでもない」
みさえ「だからって、子供をないがしろにする理由にはならないわ」
グラジオ「……だが、それでもオレたちにとって、母なんだ」
みさえ「……」
ひろし「なあ、グラジオくん」
グラジオ「なんだ?」
リーリエ(にいさまとしんちゃんのご両親方……なにを話しているのでしょうか?)

127 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/14(水) 20:41:32.21 ID:Y7xDIbbj0
たまたまほしぐもちゃんを連れて散歩に来たリーリエがエレベーターを上がると、話し声が聞こえて、彼らの会話に耳を立てる。
ひろし「子供は親を見て成長するもんだけど、親も子供を見て成長していくんだよ。俺もみさえも、しんのすけと一緒にいてたくさん教わったものがあるんだ」
グラジオ「教わった……?」
みさえ「そうね。こっちに来て、あの子が島巡りしてーーしんのすけがハプウちゃんの大試練をやり遂げた姿を見て、私も教えられたわ。あの子が自分の足であそこまで来たのね、って」
ひろし「だからさ、グラジオ君もリーリエちゃんも、自分たちがあいつから離れて学んだこと、考えたことをルザミーネにガツンと教えてやるんだ」
リーリエ「!」
グラジオ「……」
グラジオ「フッ……そうだな。このまま何も言わず、終わるわけにはいかない。必ず取り戻すぞ。全てを」
ひろし「ああ!」
みさえ「ええ!」
ひまわり「たい!」
シロ「アンッ!」
リーリエ(……!)コクン
ひろし「お前のためにみんながゼンリョクを出しているんだーーだから無事でいろよ、しんのすけ!」

128 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/14(水) 20:46:20.20 ID:Y7xDIbbj0
ーーその頃、しんのすけは……。
しんのすけ「うー、おまたが冷えるとおしっこもすぐ出ちゃいますなぁ」ジョボボボ
しんのすけ「でも、なんかZリングはあったかいのよねぇ」
さっきから熱を帯びているZリングを眺めると、うっすらと赤く煌めかせていた。こんなこと、今までなかったのに。
しんのすけ「まったく、くさやのおじさんには頭にきますな!」
ロトム図鑑「あいつが言い訳並べてでも帰りたくないってことは、ここにはたくさんのスケスケおパンツが……?」
フェローチェ『あの方も、しん様と同じ世界の方なのですね』
しんのすけ「まーね」
しんのすけ「あープンプン怒ってたら腹減っちゃったぁ。とーちゃんからもらったポケマメでも食べるか」
しんのすけ「あいちゃんもたべる?」ポリポリ
フェローチェ『まぁ、しん様が下さる食べものは、なんでも口に入れられますわん!』スッ
フェローチェ『しん様は、向こうの世界でどんなことをしていらしているのですか?』モグモグ

129 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/14(水) 20:53:32.31 ID:Y7xDIbbj0
しんのすけ「オラたち、島巡りしてるの」
フェローチェ『島巡り?』
ロトム図鑑「オレ達、自分探しの旅をしているのさ」
しんのすけ「ついでにきれいなおねいさんとかも見つかるといいかなーって」
フェローチェ『旅、ですか。それは素晴らしいですわ。先ほどのグズマ……という方はしん様のお仲間ですか?』
しんのすけ「ううん、くさやのおじさんはスケスケおパンツ団っていう、ポケモンとスケスケおパンツを盗るあくどい集団のボスなんだゾ」
フェローチェ『ということは、しん様たちの敵……ということですわね』
ロトム図鑑「だが様子がおかしかったな。心なしか、大人しくなったような気もするぞ」
しんのすけ「どーせ盗んだスケスケおパンツがおばさんのものだったんでしょ」
フェローチェ『しん様は、島巡りをして、どうなさるのですか?』
しんのすけ「オラー? オラはね、島巡りチャンピオンになって、おねいさんたちにモテモテになるのが夢なの。チャンピオンになったら、ゆーめーになるらしいですから」
フェローチェ『島巡りチャンピオンですか……あの、もしよろしければですけど』
しんのすけ「お?」
フェローチェ『あいも、旅の仲間に加えさせてもらえないでしょうか?』テレテレ

130 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/14(水) 20:58:16.17 ID:Y7xDIbbj0
しんのすけ「なんで?」
フェローチェ『もちろん、しん様があいの命を救ってくださったからですわ! それにあいが住んでいた世界はもう飽きてしまいましたし、こっちの世界の人間やポケモンという生き物の暮らしをキチンと見てみたいからですわん』
しんのすけ「そーいえば、あいちゃんってなんで倒れてたの?」
フェローチェ『何度かこの世界に「穴」が開かれたことはお話しましたね。その穴を、あいは好奇心でくぐり抜けて、何度かアローラ地方を訪れたことがありますの』
フェローチェ『ですが……あいのことが珍しいのでしょうか。何度か、真っ白な人間たちが、あいを追いかけてきてーーそれで、応戦して疲れ果てていたら、しん様が助けてくださつたのですわ』
しんのすけ「ふーん」
ロトム図鑑「しんのすけ! 仲間に加えようぜ! こいつを加えれば戦力もアップするだろ?」
ロトム図鑑(ウルトラビーストを持ち帰れば、世界初のウルトラビーストを登録した図鑑として名を馳せるからな!)
しんのすけ「うーん……ま、いいけど。マサオくんとの約束もあるし」
フェローチェ『ありがとうございます、しん様!』
ロトム図鑑「よっしゃあ! ウルトラビーストゲットだぜ! そうと決まれば、さっさとこんな世界を出るぞ!」
ーーウフフ、そうは行きません
全員「!?」

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