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キモオタ「我輩がおとぎ話の世界に行くですとwww」ティンカーベル「そう」
Part179


429 :◆oBwZbn5S8kKC :2017/03/06(月)01:39:08 ID:BET
アリス「よし、それならばまずは…」
ティンカーベル「させるかオラァー!そのランプさえ奪っちゃえば所有者変わるでしょ!」ピューッ
キモオタ「ちょっ、ティンカーベル殿!?無茶ですぞ!?」
ティンカーベル「無茶でもやるしかないよ!今奪わなきゃ大変な事になっちゃうんだから!」ピューッ
アリス「……無計画が過ぎるなティンカーベル」ガシッ
ティンカーベル「くぅっ…!放せ!放せ!はーなーせーぇぇぇーーー!!!」ジタバタ
キモオタ「ティンカーベル殿…!いわんこっちゃない!今助けに行きますぞ!」ダッ
アリス「近づくなキモオタ。こいつの命は今、ボクが握っているという事を忘れるな。そこで黙って見ていろ」
キモオタ「ぬぅっ…」
アリス「話を中断して悪かったね魔神、それじゃあまずは一つ目の願いだ」
魔神「御意。なんなりと」
アリス「『【不思議の国のアリス】と現実世界の立場を入れ変えろ』それが一つ目の願いだ」
魔神「御意。【不思議の国のアリス】の世界を現実世界に、そして現実世界をおとぎ話の世界に変えてしまえばよいのですね?」
アリス「そう言う事だ。そして続けて第二の願いも叶えろ、いいな?」
魔神「御意。では第二の願いをお聞かせを」
アリス「【不思議の国のアリス】が現実世界になった今、もう他の世界なんか必要無い。お前たちが魔法使い達を必死で逃がした事も、まったくの無意味となる」
キモオタ「ぐぬぬ…。と言う事はアリス殿の願いはやはり…」
アリス「待たせたな魔神、さぁボクの第二の願いを聞け!そして叶えろ!ボクの、そして仲間達、無念に散って行ったルイスの想いを形にするため…!」
アリス「『全てのおとぎ話の世界を消滅させろ』!」

430 :◆oBwZbn5S8kKC :2017/03/06(月)01:42:04 ID:BET
魔神「御意。第三の願いはどうなさいますか」
アリス「今は必要ない。その二つの願いを叶えたらランプへ戻って構わない」
魔神「御意。では、ハァァァァァ……フンッ!」パーッ ズワワワワ!
ゴゴゴゴゴ
キモオタ「結末を迎えている【シンデレラ】の世界が崩壊を…!」
ティンカーベル「ランプの魔神に願ったんだもん…!もう結末を迎えていようと迎えて無かろうとおとぎ話の世界がみんな消えちゃう…!」
アリス「それだけじゃない、現実世界も共に消える。いいや、今はもう【現実世界】という名のおとぎ話の世界だったな?」クスクス
キモオタ「何という事を…なんと言う事を!アリス殿ォ!こんな事をして多くの人々が消えてしまう事になるんですぞ!」
アリス「今更、そんな言葉がボクに通用するなんて思ってるのか?だとしたら随分と能天気だ」
キモオタ「何故、何故こんな事を平然に…!どうかしていますぞアリス殿ォ!!」
アリス「流石に生まれ育った世界を消されたら頭に来るかい?是非どんな気持ちなのか教えてほしいもんだな」
アリス「おとぎ話の世界を救う救うと旅をして、結局全ての世界を失ったどころか生まれ故郷さえも消えてしまった。父親も母親も、友人も一人残らず混乱の中消えていく…あぁ現実世界ではお前に友人なんか存在しなかったんだったか」
キモオタ「ぐぬぬ…!」
アリス「どうする?今から現実世界に戻るかい?まぁ戻ったところで何もできないだろうけどね」
アリス「ともあれこれで雑多な世界は綺麗に消え去った。唯一、【不思議の国のアリス】の世界を残してね。これでひとまず、ボクの願いは達成できたってわけだ」クックッ

431 :◆oBwZbn5S8kKC :2017/03/06(月)01:47:44 ID:BET
アリス「ともあれこれで雑多な世界は綺麗に消え去った。唯一、【不思議の国のアリス】の世界を残してね。これでひとまず、ボクの願いは達成できたってわけだ」クックッ
アリス「ルイスが生み、皆が暮らす【不思議の国のアリス】だけが唯一存在する世界、もう 
魔神「主、我はランプへと戻ります。第三の願いを命じる際、またお呼び下さい」
アリス「御苦労。…さて、次はお前の番だな?ティンカーベル」
ティンカーベル「うっさい!放せ自己中ボクっ娘!死ね!」
アリス「死ねとは直球だな。だが死んでしまえと思っているのはこっちだって同じなんだ」
アリス「言ってしまえば全ての元凶はお前なんだからな、ティンカーベル」
ティンカーベル「はぁ!?あんたがいろんな世界で無茶苦茶するからこんなことになったんでしょ!私のせいにすんなバカバーカ!」キッ
アリス「いいや、お前が元凶だ。お前が現実世界に出向かなければ、キモオタを巻き込んでボクの邪魔をしなければこの計画はずっとずっと早く完遂していただろうよ」
ティンカーベル「ふんっ!残念でした!キモオタはキモイけど私の為に一生懸命手伝ってくれてるからね!お前の邪魔ができて良かった!あーよかった!」
アリス「憎まれ口が減らない奴だな。ボクがお前を消す方法を知らないとでも思ってるのか?」
ティンカーベル「ふんっ、どうせ知ってるんでしょ?でも別に平気だし、私!」
キモオタ「ちょ、ちょっとティンカーベル殿何を言っt」
ティンカーベル「むしろやれるもんならやってみなよ!でも私一人殺したところで何にもならないけどね!バカバーカ!」
アリス「……そんなに望むのならその存在を消してやる。」ビュンッ
ビタンッ
アリス「まったく難儀な種族だな、存在を否定されただけで消滅するなんて」」
ティンカーベル「フンッ、私はそう思わないし!」
アリス「そうかい、まぁどうだって構わないさ。お前を殺すのに特別な武器も魔法具もいらない。ただひとことお前に投げつけてやればいい、否定の言葉をな」
アリス「妖精なんかいない…!」

432 :◆oBwZbn5S8kKC :2017/03/06(月)01:54:10 ID:BET
今日はここまでです、sage 進行なのに読んでくれてる人結構いて小躍りしてる ありがたい
レスへの返信は明日以降改めてやります!
うまいこと書けないけどゴーテルもティンクもキモオタの事信頼してるってこと伝われば良いなぁ
次回、遂に別れの時
お楽しみに!寝ます!

433 :名無しさん@おーぷん :2017/03/06(月)02:17:07 ID:1mh
あばばばばばばば(錯乱)

434 :名無しさん@おーぷん :2017/03/06(月)09:12:16 ID:kUM
乙!
えらいこっちゃ

435 :名無しさん@おーぷん :2017/03/06(月)09:57:09 ID:wga
乙です!
ティンクがいなくなったら、自販機の小銭を誰が集めるんだ、、、

439 :名無しさん@おーぷん :2017/03/08(水)22:07:49 ID:pRe
ティンクがいなくなったら、誰が毎日キモオタをキモいと褒めてくれるんだよ…

453 :◆oBwZbn5S8kKC :2017/03/13(月)01:48:09 ID:65h
同じ頃
現実世界 某所 混乱に陥る都市
ゴゴゴゴゴ…
ギャーギャー ギャーギャー
警報『緊急警報!緊急警報!只今、原因不明の崩壊が発生しています!命を守るため、一刻も早く避難してください!』
「ここは危険だ!とにかく建物から離れねぇと下敷きにされちまうぞ!急いで避難場所へ走れぇぇ!!」
「うああぁぁ!!邪魔だ!どけぇぇ!!畜生、なんなんだよ…!何が起こってるんだよ一体!原因不明の崩壊ってなんなんだよ!」
「逃げろ逃げろおぉぉ!!立ち止まるなぁぁ!!走れええぇぇ!!」
「ううぅ…動けない、動けない…!誰か、誰か…助けて!」
「あぁぁ…!死にたくない…死にたくない…!」
警報『繰り返します!一刻も早く指定の避難場所へ急いでください!決して立ち止まらず!引き返さず!命を守る行動を最優先し、避難をーー』
ギャーギャー ギャーギャー

454 :◆oBwZbn5S8kKC :2017/03/13(月)01:48:30 ID:65h
スタッ
チェシャ猫「相変わらず、現実世界の人間共は愚かで滑稽だ。まるで現実というものが見えていない」
チェシャ猫「冷静に状況を判断すれば理解できるはずだ、目の前で起きている崩壊は異常なものだと。そしてこの惨状から逃れる事は決してできないという事を」
イソゲ ニゲロ ニゲロ!
ウワァァァ シニタクナイ シニタクナイ!
タスケテ タスケテ!
チェシャ猫「にもかかわらず、こいつ等は逃げ惑う。この状況が理解できないほど愚かなのか、理解していながらそれを受け入れられていないのか、あるいは自分だけは死なないという根拠の無い希望にすがっているのか…」
チェシャ猫「何にせよ、これは罰だ。誰かを、何かを犠牲にすることで手に入れた仮初の平穏に甘んじてきた罪に対する、罰」
チェシャ猫「何一つ、誰一人犠牲になる事など無い『完全なる平和』を掴み取る努力をしなかった、愚かな人間どもに対する報いだ」

455 :◆oBwZbn5S8kKC :2017/03/13(月)01:49:23 ID:65h
ゴゴゴゴゴ……
ギャーギャー ワーワー
チェシャ猫「さぁ、そろそろ戻るとするか。愚か者共が絶望する姿はこの目で確かに確認した」スタッ
チェシャ猫「この世界、そして他のおとぎ話の世界が完全に消滅するのも時間の問題。そうすれば愚かな人間共は、我等の敵は全て消え去る」
チェシャ猫「アリスの仲間だけ、我々の理解者だけが暮らす平和な世界。【不思議の国のアリス】という名の、誰一人犠牲になる事の無い本当の意味で平和な世界を…ようやく手に入れる事が出来るのだ」
チェシャ猫「我が同士アンデルセン、そして我が友ルイス…お前達が想像していた形とは多少違うかもしれないが、私は…我々はお前達の仇を討った、そしてお前達の願いを実現させた」
チェシャ猫「【不思議の国のアリス】には戦争も無ければ貧困も無い。差別の心を持つ者も、偏見の眼差しを向ける者も存在しない」
チェシャ猫「それに何より、子供達にとって優しい世界がそこにある。あの世界の子供は身を売る事も、犯罪に手を染める事も、幼くして死ぬ事も無い」
チェシャ猫「お前達が、アリスが、我々が望んでいた理想の世界が…ただ一つの現実となって、その平和を永遠のものにするのだ」
チェシャ猫「……いいや、まだ仕上げが残っているか。作戦ではアリスがあの豚を始末する手はずになってはいるが……」
チェシャ猫「あいつの事だ、今まで散々邪魔をしてきた礼をするなどと言い出しかねない。そうでなくともあの豚の仲間が何人か我々の世界に入り込んでくるだろう」
スタッ
チェシャ猫「まったくもって面倒だが、自分達の部屋にゴミが転がっているのは見るに堪えない」
チェシャ猫「残念だが勝利の余韻に浸るのはしぶとい汚れを消し去ってからになりそうだ」スゥゥ
・・・

456 :◆oBwZbn5S8kKC :2017/03/13(月)01:50:29 ID:65h
ライオンとねずみの世界 ライオンとねずみが暮らす森
ゴゴゴゴゴ…
リスリーダー「ご報告いたします王様!僕達、草食組は全員避難完了しています!」ピシッ
コヨーテ先輩「俺等、肉食組も避難完了してますぜ。コヨーテ数匹には逃げ遅れた連中が居ないか森を巡回させてまさぁ」
ライオンの王「報告ごくろう、無事に避難出来たようでなによりだ。巡回中のコヨーテにも頃合いを見て避難するよう命じてくれ」
コヨーテ先輩「わかりましたぜ。だが安心してくだせぇ、ウチの部下共はヤワな鍛え方してねぇんで。一匹の犠牲者も出さずに御覧にいれますぜ」キリッ
コヨーテ後輩「ヒューッwww流石は肉食組のリーダーッスわwww先輩マジカッケェwww」マジパネェ
コヨーテ先輩「オイオイwww俺がマジメにキメてんだから茶化すなってのwww」
ライオンの王「さぁお前達も避難所に急いでくれ、そして混乱が広がらぬように皆を安心させてやって欲しい」
コヨーテ組&リスリーダー「「承知でさぁ」」「わかりました!」シュタタッ
ライオンの王「……」
ネズミお譲「……辛いですわね。絶対に助からないという事がわかっていながら、避難するように命じるしかないというのは。心が痛みますわ……」ヒョコッ
ライオンの王「やむを得ん、真実を話したところで助かる術は無い…。我等はこの森を平和に導いたつもりでいたが、こうなってしまうと無力なものだ」
ネズミお譲「そんな風に自分を卑下しないでくださいまし!おじ様は立派な王ですわ、わたくしが太鼓判を押しますわ!」
ネズミお譲「それに赤ずきん達がきっとうまい事してくれますわ!【不思議の国のアリス】には大量の魔法具があるらしいですし、なんかこういい感じにやって…この世界が消えてしまっても復活させてくれますわ!多分!」
ライオンの王「フフッ、そうだといいがな。我々に教えられることは全て教えた、協力できる事は全てやった。あとは信じるのみだな」
ネズミお譲「大丈夫ですわよ!わたくし達ネズミとライオンが協力して平和な森を作れたんですもの!人間の女の子と鬼と精霊が協力すればもっともーっとでっかい事できますわ!」
ネズミお譲「それこそアリスなんか木端微塵のケチョンケチョン!必ずおとぎ話の世界に平和な日常を取り戻してくれますわよ!師匠であるわたくしが言うんですから間違いねぇですわ!」ドヤァ
・・・

457 :◆oBwZbn5S8kKC :2017/03/13(月)01:51:52 ID:65h
裸の王様の世界
ゴゴゴゴゴ…
ギャーギャー ワーワー
「裸王様ー!お姿をお見せください!これは…一体この崩壊はなんなんですか!?なにが起こっているんですか!?」
「私達はどうなるんですか!?裸王様!裸王様!助けてください、私達を導いてください!」
「うぅ…筋肉神よ…。どうか我々をお守りください…」
ブリキ「城の前に人だかりが…。どんなに統治された国でも緊急時の混乱は防げないか…」
大臣「ブリキよ、崩壊が始まったという事はお前の連れ合いも【不思議の国のアリス】の世界に旅立つのだろう?顔を見なくてもいいのか?」
ブリキ「今ドロシーに会えば決心が鈍る、お互いにな。それよりも民衆の混乱がエスカレートすれば暴動に発展するかもしれない、早急に手を打った方がいいんじゃあないか…?」
大臣「ブリキよ。お前はまだこの国の凄さというのがわかっていないようだ、この程度の混乱など些細なものだ」
ブリキ「いや…いくらこの国の治安が良いとはいえ、今は緊急時だ。民衆の混乱を鎮めなければ大事に…」
スタスタスタッ
裸王「待たせてすまないな大臣、支度に手間取ってしまってな。民達の様子はどうだ?」シリアスマッスル
大臣「皆、王の言葉を今か今かと心待ちにしております」
裸王「うむ、では皆に事情を説明するとしよう。この世界が消え去ってしまう事、そして世界が潰えても筋肉の素晴らしさは潰えぬ事をな!」マッチョ
ブリキ「この世界が消え去る事をだと…?馬鹿な、そんな事をすれば確実に暴動になるぞ!?」
裸王「ハッハッハッ!我が国民は年中半裸で過ごす王を受け入れているのだ、世界が消え去る事を受け入れる事など容易かろう」ハッハッハ

458 :◆oBwZbn5S8kKC :2017/03/13(月)01:53:04 ID:65h
裸王「皆の者、待たせてしまって申し訳ない!私はここに居る、鍛え抜かれた筋肉と共に!」マッスルポーズ
「おぉぉー!裸王様だ!ご無事で何よりです!ところで何が起こっているんですか!?ご存知なら教えてください!」
「この凄まじい揺れは地震でも炭鉱の崩落でもありませんよね?一体何が…」
「裸王様!そして筋肉の神よ、私達を導いてください!」
裸王「うむ、にわかには信じられないかもしれん。だが今から話すことに一切の偽りがない事を、私はこの筋肉に誓おう」
裸王「この国は…いや、この世界はもうじき消え去ってしまうだろう。非常に無念だが…それを止める事はこの裸王にすら出来ぬ。皆を世界の終末から救う事は…私には出来ないのだ」ザワザワ ザワザワ
「ら、裸王様にもなんとも出来ないなんて…!筋肉が通用しないんじゃあ…どんな手も通用しないって事じゃあないか!」
「世界の終りだ…!もうどうにもならない…!これじゃあこむら返りだぁー!」
ブリキ(そら見た事か、民衆が一斉にざわめき出した!あんな事を聞いて平常心を保てるわけがない…!)
裸王「だが私は!そして私の友は世界消滅の元凶がなんなのかを知っている!そしてその元凶と戦うべく今まで筋肉を研ぎ澄ませてきた!」
裸王「皆を今、苦しみから救いだす事が出来ないのは私の責任だ。だが信じて欲しい!私は必ずその元凶を打ち倒し、この世界を!この国を!そして民の笑顔と筋肉を取り戻す!」
ブリキ「いくら熱弁をふるったところで…消滅した世界を蘇らせるなんて戯言を混乱した民衆が信じるわけが……」
「なんだ、裸王様が取り戻してくれるってんなら安心だな!俺とした事がやべぇと思っちゃったぜ、とんだ取り越し苦労だったな。これで万事解決、帰って風呂入ろ」スタスタ
「裸王様がああ仰るなら私達は信じて待てばいいわね。裸王様に筋肉の加護あらんことを!」
「さっそく帰ってばーさんに伝えなきゃな、裸王様がなんとかしてくれるってな」
ブリキ「なんだと!?なんだって民衆がこうも素直に…普通は疑うだろう!?」
裸王「では私はこれより戦いの地に赴く!皆の者!次に会うときは凱旋パレードであると約束をしよう!では皆に、そして我が友に筋肉の加護あらん事を!」
ウオオォォ!!ラオウサマー! ガンバッテー!オウエンシテマスー!
ブリキ「…侮っていたな。これが裸の王の求心力か…!」
・・・

459 :◆oBwZbn5S8kKC :2017/03/13(月)01:54:36 ID:65h
金太郎の世界 足柄山
ゴゴゴゴゴ…
食わず女房「桃太郎さんとライオンさん、行っちゃいましたねぇ…。私、ちょっぴり寂しいですぅ…」ションボリ
金時「そうだな、短い間だったが寝食を共にした仲だ。だがあいつは勇敢に戦場へ向かっていった!だったら残された俺達にできる事はあいつの勝利を信じてやることだ!そうだろう?」
舌切り雀「つっても、なんつぅか…ちぃとばかり不安は残るな。まっ、やれるこたぁは全部やって送り出せただろ。あとはあいつら次第ってぇとこだな」
食わず女房「大丈夫ですよぉ。桃太郎さんならきっと勝てますぅ、私は信じてますよぉ…」
金時「もちろん俺もだ。アリスは相当な強敵だって話だが、桃太郎は勝てる!あいつの努力を近くで見た俺が言うんだから間違いねぇ!」ハッハッハッ
舌切り雀「まぁ…あのクソヘタレにしちゃあよく頑張った方だな。【聞き耳頭巾】のジーさんと【雪女】の雪女からもあいつが日ノ本一だってお墨付き貰ったし、ここ数日であいつは見違えるようになったしなぁ」
舌切り雀「確かに今のあいつなら大抵の事は解決できらぁな。つっても完全に別人になったわけでもねぇ、またいつ臆病風に吹かれて腐った桃になっちまうかわからねぇから安心は出来ねぇなぁ…」
食わず女房「うふふっ…雀さんは口は悪いですけど、桃太郎さんの事が心配なんですねぇ…優しいです」
舌切り雀「まったくよぉ、あっしみてぇな雀に心配されるような侍がどこに居るんだってぇ話だ。困ったもんだぜあのキビダンゴ野郎はよぉ」
金時「ハッハッハッ、そう心配する事も無いと思うぞ舌切りの。確かにどこか頼りない所もあるが…それをひっくるめてもあいつは日ノ本一の侍だ。俺の侍としての魂がそう言ってる!」ハッハッハ
食わず女房「そうですよぉ、桃太郎さんは日ノ本の誰よりも強いです…。そして日ノ本の誰よりも美味しそうです、きっと柔らかくていい香りがするお肉です……だから大丈夫です」
舌切り雀「なにが大丈夫だってんだそりゃ。まったく、オメェらは楽観的すぎんだよなぁ…ったくよぉ」
舌切り雀(ここまでオメェの事信頼してる奴がいるんだ。この期に及んで無様な泣きっ面さらすんじゃねぇぞ、桃太郎)

460 :◆oBwZbn5S8kKC :2017/03/13(月)01:56:53 ID:65h
アリババと四十人の盗賊の世界
ゴゴゴゴゴ…
ギャーギャー ワーワー
女の子「だ、誰か…!誰か助けてください…!お母さんが崩れた小屋の下敷きに…!誰か…!」
「この緊急時に他人なんか構ってられねぇよ!」
「うおぉぉー!どけどけー!俺が一番先に逃げるんだぁー!」
「気の毒だがそんなことしてたらこっちが逃げ遅れちまう…」
女の子「うぅ…誰も助けてくれない、このままじゃあお母さんを助けられない…」ポロポロ
親衛隊アニキ「どうしたんだお譲ちゃん、何か困ってんのかい?」
女の子「あっ、あの…!お母さんが小屋の下敷きになってて…助けてください!」
親衛隊アニキ「何っ、そいつはいけねぇ!オイ、お前らァ!二、三人こっちこい!この譲ちゃんのお袋さん助けるぞ!」ヘーイ!
親衛隊アニキ「他の連中は逃げ遅れた年寄りや子供が居ねぇか見て回れ!ラプちゃんが頑張ってんだ!俺達も出来る事やるぞ!わかったな!?」ヘイアニキ!
親衛隊アニキ「さぁ譲ちゃん、お袋さんの所に案内してくれ。すぐに助けてやっからな」
女の子「あ、ありがとうございます…!で、でもなんでこんな事に…お母さん助けられても、私達無事でいられるかなぁ…」オロオロ
親衛隊アニキ「可哀そうに、不安だよなぁ。でも大丈夫だ、俺の友達が悪い奴やっつけに行ってる、不安がらなくても大丈夫だ」ポンポン
女の子「お兄さんの…お友達…?」
親衛隊アニキ「あぁ、少し危なっかしいが友達思いで正義感が強い…髪の長い長いお姫様だ」ニッ
・・・

461 :◆oBwZbn5S8kKC :2017/03/13(月)02:01:40 ID:65h
シンデレラの世界
ゴゴゴゴゴ…
ティンカーベル「……っ」シュウゥゥゥ…
キモオタ「ティ、ティンカーベル殿…!少しずつ姿が消えて…!」
アリス「【ピーターパン】の妖精は存在を否定されると消滅する。そのルールは元の世界が消えていたとしても当然適応される」
ティンカーベル「フンだ!今まさにそうなってんのにイチイチそんな事言わなくたって解るし!バーカバーカ!」
アリス「最期まで威勢だけはいい奴だ。喚くのは勝手だけどもうすぐ消えてしまうお前に興味なんか無いよ」
ティンカーベル「そーですか!いっとくけどね、私を消したところで何にもかわんないんだから!キモオタやみんなが絶対にお前の事やっつけてくれるし!」
アリス「何も変わらない?そんな事は無いだろう?なぁ、そうだろう?キモオタ」
キモオタ「……」ギリッ
アリス「お前にとってティンカーベルは大切な存在だったんだろう?そんな存在を消されてしまったんだ、平常心を保っていられないだろうね」
アリス「今まで一緒に過ごしてきた友達を失って平気でいられるほどお前は薄情じゃない。ティンカーベルを失った今お前は絶対にーー」
ビュバッ
ガキィィン!!
アリス「……っと、真正面からいきなり攻撃とはお前にしては無策だね?」クスクス
ティンカーベル「キモオタ…!!」
キモオタ「アリス殿……ティンカーベル殿を、我輩の友人を…!過去のもののように言うのはやめてもらうでござる!」ギロリ

462 :◆oBwZbn5S8kKC :2017/03/13(月)02:03:33 ID:65h
アリス「お前がそんな風に怒りをあらわにするのは珍しいね」クスクス
キモオタ「……我輩を豚と蔑もうが家畜と揶揄しようが好きにするでござるよ。とはいえ我輩は聖人君主ではないでござる、怒る時は怒るでござる」
キモオタ「そして友を軽んじられた今がその時でござるよアリス殿オォォォ!!」ビュバッ
シュタッ
アリス「相当、精神に負荷がかかっているね。無理もないか、初めてできた親友が死んだようなものだ」クスクス
アリス「でもボクとの戦いはお預けだ、そろそろボク達の【不思議の国のアリス】に侵入者が来るだろうから相手をしなくちゃいけない…それに」
アリス「お前には随分と世話になったからね、こんな場所ではなくもっとふさわしい場所で…礼をしなければいけない」ギロリ
キモオタ「こんなことまでやっておいて…逃げるつもりでござるか!?」
アリス「お前相手に逃げたりなんかするもんか。場所を変えようと言っているんだ」
キモオタ「……」
アリス「この世界はもうじき消滅する。そうなればお前と戦う舞台は一か所だけだ、どの世界かなんか言わなくたって答えは出ているだろう?」
キモオタ「【不思議の国のアリス】…の世界でござるな?」
アリス「まぁ、もはやそこにしか世界は存在しないわけだけどね」クスクス
アリス「その世界の中心にハートの女王の城がある、ボクと仲間達はそこに居る。決着をつけたいのならそこまでやってくることだな、キモオタ」
アリス「…もっとも、故郷を失った上に親友まで失って冷静さを欠いてしまったお前にボクを倒す算段があるのなら…の話になってしまうけどね」クスクス

463 :◆oBwZbn5S8kKC :2017/03/13(月)02:06:24 ID:65h
アリス「それじゃあボクは先に行っているよ、長居してこの世界の消滅に巻き込まれても馬鹿みたいだからね。それにボクだって悪魔じゃない」
アリス「大切な親友との別れを惜しむくらいの時間は与えてやるよ」クスクス
ヒュンッ
ティンカーベル「あいつ最後まで好き勝手な事言っててメッチャ腹立つなぁ…もぉ!」シュウウゥゥゥ…
キモオタ「……ティンカーベル殿、すまんでござる。我輩が不甲斐ないばっかりにお主を消滅させてしまう事に…!」
ティンカーベル「……ねぇ、キモオタ」
キモオタ「お主が存在を否定されれば消えてしまう事は知っていたというのに、何もできなかったでござる!もっと具体的な対策を立てておくべきだったでござる…!」
ティンカーベル「ねぇ、キモオタ。ちょっと聞いt」
キモオタ「お主を失って…我輩は一体どうすれば…!すまんでござる、すまんでござるティンカーベr…おぶっ!」ドゴォ
ティンカーベル「聞け!私の話を!まったく前にも似たようなやり取りしたよもう…。あのねぇキモオタ!言っとくけど、私は感動的な別れとか別れ際に友情を確かめ合うとかそういうベタな事するつもりないからね!」
キモオタ「おぉう…お、お主このような時に冗談など…」
ティンカーベル「冗談じゃないって!もー…キモオタの事だから私が消滅しちゃったら絶対に取り乱すと思ったよもー…仕方ないなぁ…」
キモオタ「そ、そりゃあ取り乱しますぞ!?お主を失うという事は我輩にとっては……」
ティンカーベル「あのね、言っとくけどこれ…わざとアリスを焚きつけて私を消すように仕向けたんだからね?」シュゥゥゥ…
キモオタ「ファッ!?」