俺+妹×天使=世界の終わり
Part332:つねこ ◆MbmtstD.Mk:10/10/16 00:56 ID:tA6KOE9Ttw
「わざわざ私の貴重な時間を割いて、貴様の失態をごまかしてやったというのに」
頭の中に、超遅刻したのに全く怒らなかった店長の姿が思い浮かぶ。
「あれ、お前の仕業だったのか」
「仕業とはなんだ」
「へえ、そうか。悪かったな、サンキュー」
「ふむ……本当に感謝しているのか怪しいな。失礼極まりない」
イロハが意地悪そうな瞳をこちらに向ける。
あ、なんか嫌な予感しかしない。
「その非礼を詫びたいなら“私めの様な、下等な下衆以下の世界の何の役にも立たない屑野郎の為に、お美しい貴女様の手を煩わせてしまって誠に申し訳ありませんでした”と言いながら土下座しろ」
「私めの様な、下等な下衆以下の世界の何の役にも立たない屑野郎の為に、お美しい貴女様の手を煩わせてしまって誠に申し訳ありませんでした」
ペコペコ
即座に土下座モードに入った俺を見て、イロハが一瞬驚いた顔を見せる。
「貴様……プライドは無いのか」
「ここで渋ったらお前が喜ぶだろ?」
「チッ」
「何その露骨な舌打ち」
33:名無しさん:10/10/17 04:31 ID:8n1cq4/5MY
イロハと妹の絡みに期待
支援
34:つねこ ◆MbmtstD.Mk:10/10/18 14:24 ID:Dix0uZLpUY
>>31さん
ありがとうございます!
そういう感想を頂けるとますます頑張れます!
>>33さん
ご支援ありがとうございます!
これからどんどん絡んでいく予定ですので、よろしくお願いします!
「ただいまー」
「おかえりお姉ちゃん!お兄ちゃんも」
いきなり俺がイロハの付属品化している気が……。
やっぱり、お兄ちゃんより同性のお姉ちゃんの方が良いもんなんだろうか。俺だったら、絶対に兄よりも姉が欲しいが。
「お兄ちゃん、おなかすいたよ」
「ん、じゃあ今夜はカレーにでもすっか」
「するー!」
「更紗は机の上片付けといてくれ」
「はーい!」
笑顔でリビングへ駆けていく妹を見送り、冷蔵庫の前に立ち、やけに戸の軽い野菜室を開ける。
にんじん一本
たまねぎ半個
じゃがいも二個
(こりゃまた貧相なカレーになりそうだな)
金の無さが確実に冷蔵庫の中身に繋がっているのを改めて確信し、その残り少ない材料を手にとった。
イロハが、俺が野菜を手早く洗って皮を剥き、一口サイズに切り分ける様子をじっと見つめている。
「……ガン見すんな。何だよ」
「早く手を切れと念を送っている」
「本当に切りそうだからやめろ」
「貴様の頼みなど誰が聞くか」
「へいへい……」
35:つねこ ◆MbmtstD.Mk:10/10/20 07:43 ID:zRM3qmvt7o
ちょっと苦手な形式だけど
やっぱり会話形式がいいのかな?
妹「お兄ちゃーん!おわったよー!」
俺「おう、じゃあもうテレビ見てていいぞ」
妹「やったー!」
イ「フン、まるで親父だな」
俺「親父じゃねえ、兄貴だ!」
イ「聞いていたのか、地獄耳め」
俺「……はぁ」
イ「溜め息をつくと幸福が逃げるぞ」
俺「誰かさんのせいでな」
イ「ん?一体誰のことだ?」
俺「お前だっつの」
36:つねこ ◆MbmtstD.Mk:10/10/20 07:58 ID:Dix0uZLpUY
俺「つーかさ、見てるだけじゃなくて手伝えよ!!」グイッ
イ「なっ…は、離せ!」
俺「ほら!こうやっておたまとボウル持って!とりあえず灰汁取り!」グッ
イ「貴様……!離せと、言っているだろう!!」
俺「離さん!ここで離す訳には……っ!」ググググ
イ「は・な・せ!」
俺「い・や・だ!」グイイイ
ドッタンバッタン
妹「わ!二人ともなにしてるの!?」
俺「助かった!更紗、こいつに灰汁取りを教えてやってくれ!」
妹「もう、プロレスごっこならさらさもまぜてよ!」
俺「違ぇよ!!」
妹「そーれ、お兄ちゃんにだーいぶ!」
ドーン!
俺「うぎゃああああああああああ!!!」
37:つねこ ◆MbmtstD.Mk:10/10/20 10:49 ID:qrWylbYEXk
プロレスごっこ(?)継続中。
俺「こうなったら、何が何でもイロハに灰汁取りさせてやる!」ギュムムムム
イ「誰が、貴様の、言うことなぞ……!」ギュウウウ
妹「きゃー!」ガッ
俺「痛っ!おい更紗、肘気を付けろ!」
イ「どけ、人間!羽根が乱れる!」
俺「知らん!じゃあ灰汁取りやるか!?」
イ「ううううう」
妹「ていっ」チョップ
俺「痛っ。何で俺ばっかし攻撃してんの?」
イ「よし、いいぞ!やってしまえ!」
妹「いえっさー!」
俺「い、いつの間に更紗を味方に……!」
妹「とりゃー!」コチョコチョ
俺「ちょ、こしょば……っうひゃひゃひゃっひぃえあひひひひ!」
イ「どんな笑い方だ」
38:つねこ ◆MbmtstD.Mk:10/10/20 11:21 ID:Dix0uZLpUY
俺「はぁ、はぁ……」
妹「おにーちゃん、もうギブアップなの?」
俺「……ギブです」
妹「やった、かったよ!」キャイキャイ
イ「よくやった」ナデナデ
俺「………」
イ「何だ?」
俺「何でもねーよ」
妹「あー、さてはさらさがお姉ちゃんをひとりじめしてるから、しっとしてるんだ!」
俺「ちげーよ!」
イ「何でもいいから早くカレーとやらを作れ。腹が減った」
俺「え」
イ「何だその目は」
俺「お前もお腹がすくのか」
イ「貴様、私を何だと思っている」
俺「ドエs……お美しい天使様」
イ「よろしい」
39:つねこ ◆MbmtstD.Mk:10/10/20 11:39 ID:yMDOTeggTE
妹「よーし、じゃあけっしょーせんだ!」
イ「よかろう。かかってこい」
妹「うりゃー!」
ドッタンバッタン
俺(……うまくいってるみたいで良かったな)
俺「さーて、灰汁取り灰汁取り、っと」
妹「わーお姉ちゃんやわらかーい!」フニフニ
イ「な、ちょ、きさ……どこ触って……!」
妹「ひゃーすごーい」
ムニュムニュ
イ「は、離せっ」
妹「おにーちゃんおにーちゃん!おねーちゃんのここ、すっごいやわらかいよ!」
イ「ん、も、やめっ……そこは駄目だ……っ」
俺(何やってんだあいつらは)
妹「おにーちゃんもさわってみるー?」
俺「!!!」ブフォッ
40:物書き ◆/1iUIz1riY:10/10/21 07:02 ID:IteBxXaruU
ブフォッwwwwww
41:つねこ ◆MbmtstD.Mk:10/10/22 07:39 ID:/25NWE.7V2
>>物書きさん
ブフォッwwwwww
やっぱ会話形式苦手!!
すっげぇ書きにくいwww
自己満足状態のSSなので、会話形式派の読者様には申し訳ありませんが、地の文使いたいです←
素人+下手+地の文+長い=読みにくいとは思いますが、何とぞこれからもよろしくお願いします…
感想とか叩きとか、じゃんじゃん書き込んで下さって結構ですよ!
遠慮しないd(略
それでは、また後に来ますノシ
42:名無しさん:10/10/23 06:52 ID:/nA6TaXmZk
会話形式じゃないほうが読みやすいしおもしろいと思うよ~
応援してます。
43:つねこ ◆MbmtstD.Mk:10/10/26 11:40 ID:yMDOTeggTE
>>42さん
応援ありがとうございます!
そうなんですか、よかったです!
これでまた地の文ガンガン使えますw
俺は灰汁取りの終わったカレーに向かい、盛大に噴き出した。
慌てて振り返り、更紗をたしなめる。
「ななな何言ってんだ更紗!」
「わーおにーちゃん顔真っ赤」
「ううううっせ」
このまま更紗に言われるがまま、イロハの胸なんぞ触ってしまったら、きっと今度こそ殺される。たとえそこまでいかなくても、骨の数本は覚悟する羽目になるだろう。
そりゃ、触りたくない訳じゃ決してないんだが……
「貴様、一体何を期待している」
「へ?」
更紗に馬乗りになられたイロハの鋭い視線が突き刺さる。
「ねー、ほっぺたこんなにぷにぷになのにさわらないなんてもったいなーい」
「ほ、ほっぺた……?」
ぽかんとした俺に二人の容赦ない攻撃が痛い。
「おにーちゃんのすけべー」
「変態……か」
「えっちー」
「流石は猿。いや、これでは猿に失礼だな」
▽かいしんの いちげき!
「参りました」
44:つねこ ◆MbmtstD.Mk:10/10/27 07:47 ID:zRM3qmvt7o
「やった。また勝ったぁ」
更紗が嬉しそうにぴょんぴょん跳ねる。
そうか、兄である俺を二度倒したことがそんなに嬉しいか……。
何だか落ち込んでしまい、orz状態になっていると、更紗が突然慌てだした。
「おにーちゃん、うしろ!おなべ!」
「んあ?……うおおおお!」
そういえばカレーを作っていたような気もする。
コンロの火で極限まで熱せられたカレーの元がぐつぐつと煮え立ち、具ごと暴れていた。
俺は急いで火をゆるめ、ふー、と一息ついた。
「よーし、カレーもうちょいで出来るぞ」
「わぁい」
俺はカレールーをてきぱきと溶かしながら言った。いつものように更紗の嬉しそうな声が返ってくる。
更紗はニコニコとして、幸せそうだ。
イロハ――お姉ちゃんが一人増えただけで、こんなに違うなんて。
いつもの更紗は、明るく振る舞ってはいるが、どこか寂しそうな顔をしていた。
俺には分かる。兄貴だからな。
俺はいつもバイトで帰ってくるのが遅いし、疲れているから適当に飯作ってすぐに寝てしまう。
更紗には申し訳ないが、あまり遊んでやる時間もない。
友達の家も近くにないので、更紗は学校から帰ってくるとずっと一人なのだ。
俺が帰ってくると嬉しそうにするが、またすぐにいなくなると思うと寂しいんだろう。
45:つねこ ◆MbmtstD.Mk:10/10/27 08:05 ID:tA6KOE9Ttw
幸せそうな更紗を見ると、俺も嬉しい。
「よっしゃー!カレー出来たぞー!」
「カレーライス♪カレーライス♪」
「ふむ、香ばしくて良い香りだな」
俺はなんやかんやあって昼も食べてなかったので、正直お腹はペコペコだった。
お皿を取りだし、ご飯をよそおうとする。
そして、絶望した。
「……ごめん」
「どしたの、おにいちゃん?」
炊飯器の中を覗きこんだまま固まってしまった俺を心配して、更紗がぱたぱたと駆けてくる。
イロハはその後ろを、優雅に長い髪をたなびかせながら歩いてきた。
更紗が、俺と同じように、背が小さいので背伸び気味に炊飯器を覗きこむ。
「うわぁ……」
46:つねこ ◆MbmtstD.Mk:10/10/27 17:07 ID:yMDOTeggTE
二人とも絶句してしまったのを見て、イロハも炊飯器を覗きこんだ。
そして、一言。
「貴様……流石にベタすぎるぞ」
「俺もそう思う……」
炊飯器は、見事に空だった。
当然だ。カレーにばかり気が行って、米を炊くのをすっかり忘れていたのだから。
「どーするの、おにーちゃん?」
「どうするもこうするも、今から炊くしかないだろ」
「えー」
米を取りだしてといでいき、水が白く染まらなくなったところで、炊飯器にセットする。
この分だと、カレーにありつけるのは30分後か……。
悲鳴をあげ続けている腹を抱えたまま、テーブルへと座った。
「おにーちゃん、おなかすいたよ」
「心配するな、俺もだ」
ぐうぅ、と二人してお腹がなる。
はあぁ、と二人して溜め息をついた。
47:つねこ ◆MbmtstD.Mk:10/10/27 17:30 ID:tA6KOE9Ttw
その様子を見ていたイロハがフン、と鼻を鳴らした。
「ここにいるのは役立たずのゴミばかりか。いや、ゴミだって役に立つな。クズだ、クズ」
例の冷たい目で、完全なる上から目線で言い放つ。
すごい言われようだが、確かにこの件に関しては役立たずだったので言い返せなかった。
カレーはちゃんと頑張って作ったんだけどな……。
「ごめんね、おねーちゃん……」
更紗が悲しそうに目を伏せる。
「お前はいいんだ。駄目なのは全部あいつだからな。あんなに役立たずな癖して何故のうのうと地球上に存在していられるんだ」
ああ、やっぱりイロハは更紗の味方なのか。
……それにしても、ホントにひどい言われようだな。
さすがに凹むぞ、俺。
48:つねこ ◆MbmtstD.Mk:10/10/27 17:41 ID:tA6KOE9Ttw
「……仕方ない」
露骨に面倒そうな顔をして、イロハが羽根ペンとあの分厚い本を取り出した。
「わ、おっきな本!どこからだしたの!?」
「時空の隙間」
「すごーい!!!」
今なんか再びトンデモ単語が飛び出したような気がするが、聞き返したってどうせ無駄だろう。
イロハは、いつもは時空の隙間にしまってある(らしい)馬鹿みたいな分厚い本に、さらさらと何かを書き記す。
そして俺と最初に出会った時のように、空中に文字を書いた。
なんて書いてあるのかは分からない。見たことのない字だ。恐らく天使が使う言葉かなんかなのだろう。
ふわ、とその文字が空気に溶けて消える。
すると、炊飯器からほくほくといい匂いがし始めた。
そして、チャラララーン♪と炊飯完了を知らせるメロディが鳴った。
49:つねこ ◆MbmtstD.Mk:10/10/28 08:00 ID:Dix0uZLpUY
「ほら、炊けたぞ」
え……
今、何が起こったんだ?
「炊飯器だけ30分時間を進めてやった」
恐る恐る蓋を開けてみると、ほくほくつやつやのお米たちが顔をのぞかせた。
「うおおおお!すっげえええええ!」
「わーふっくらたきたてだー」
「どうだ。だが勘違いするなよ、全部私のためだからな」
俺と更紗が驚きの声を上げると、イロハは胸をはって得意気にふんぞりかえった。
しかしこいつ、ホントに人外なんだな。
「よし!じゃあイロハがご飯炊いてくれたところで、嬉しい嬉しいディナータイムの始まりだ!」
「やったー!」
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