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神様「神様だっ!」 神使「神力ゼロですが・・・」

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Part99
830: ◆8YCWQhLlF2 :2017/10/02(月) 01:06:02 ID:pEwjv.VM
─── 農道
神様「コン子ちゃんで良いのかな?」トテトテ
コン子「はい」テクテク
神様「生まれはこの村?」
コン子「・・・そうです」
神様「ご両親も?」
コン子「・・・・・・」
神様「あんまり村の人と良い関係じゃない感じだったけど」
コン子「・・・・・・」

831: ◆8YCWQhLlF2 :2017/10/02(月) 01:06:38 ID:pEwjv.VM
神様「」クンクン
コン子「!? ちょ、急にどうしたんですか!?」
神様「ごめんごめん」
コン子「あ、あの・・・ 私の家そこですから///」
神様「そう」ニコッ
コン子「し、失礼します」ペコリ
タッタッタッ
神様「・・・・・・」

832: 以下、名無しが深夜にお送りします :2017/10/02(月) 02:01:37 ID:ZgdF3rLM
続き気になるぅー!はよぉお!はよぉお!!
乙。

833: 以下、名無しが深夜にお送りします :2017/10/02(月) 11:32:33 ID:B2nPy1Q2

今回は真面目だな

834: 以下、名無しが深夜にお送りします :2017/10/03(火) 03:31:26 ID:eIUniWBs
神使居ないと真面目モードになる神ちゃんマジ神様


835: ◆8YCWQhLlF2 :2017/10/03(火) 04:05:36 ID:Rpvh/qcg
─── 翌日・朝
神様「しかし本当何もないな〜」トテトテ
神様「この道のどこがメインストリートなんだよ・・・ 店どころか家すらねぇじゃん」
神様「どっかに食える物でも生えてないかなぁ〜」キョロキョロ
 ?「お利口さんだねヨシヨシ」
神様「ん? この声・・・」コソコソ
 コン子「山から出てきちゃダメよ? 後でご飯持ってくるからね」
神様「・・・・・・」ジーッ

836: ◆8YCWQhLlF2 :2017/10/03(火) 04:06:39 ID:Rpvh/qcg
村人A「コン子! お前こんな所で何を・・・ こいつ、またキツネに餌付けしやがって!」
コン子「!?」
村人A「おい皆! コン子がまたキツネを呼んでるぞ!」
コン子「違うんです! この子達は悪さするために出てきたんじゃな───」
村人A「どけっ!」ドンッ
コン子「キャッ!」ドサッ
村人「猟銃持ってきたぞ」タッタッタッ
コン子「やめて! やめて下さい! この子達はまだ子供なんです!」
村人A「うるさい! おい、逃げないうちに早く猟銃で───」
神様「何やってんの?」トテトテ
村人達「!?」

837: ◆8YCWQhLlF2 :2017/10/03(火) 04:07:44 ID:Rpvh/qcg
神様「あれ〜 猟銃? まさかキツネを撃つつもり?」
村人A「だ、だったら何だ」
神様「ここ公道だよ? 許可は?」
村人A「うっ・・・」
神様「大丈夫だよ。 私がコン子ちゃんにキツネを見せて欲しいって頼んでただけだから」
村人A「あんたが?」
神様「コンクリートジャングルで荒んだ暮らしをしている私は中々キツネを見る機会なんかないからね〜」
村人達「・・・・・・」
神様「ダメ?」
村人A「程々にしておけよ、おい帰るぞ」スタスタ
村人達「全く、本当にキツネに取り憑かれてるんじゃないのか? あの子」
村人達「気持ち悪いったらありゃしない」
ゾロゾロ

838: ◆8YCWQhLlF2 :2017/10/03(火) 04:08:38 ID:Rpvh/qcg
コン子「・・・・・・」
神様「大丈夫?」
コン子「ありがとうございます」ペコリ
神様「コン子ちゃん、強いね」
コン子「え?」
神様「この村、君みたいな子は居づらいんじゃない?」
コン子「・・・・・・」
神様「いつから人の姿に?」
コン子「!!」
神様「心配しないで、私は君みたいな子をいっぱい知っているから」ニコッ

839: ◆8YCWQhLlF2 :2017/10/03(火) 04:09:55 ID:Rpvh/qcg
─── 神社・本殿
神様「自己紹介がまだだったね」
コン子「確か、神宮の方と・・・」
神様「神宮、内宮神籍の神様。 一応、神として女神なんかをやらせてもらっています」ペコリ
コン子「神宮の女神さま!?」
神様「いや〜 そんな“かわゆい女神さま”だなんて言われると照れちゃうなぁ〜」クネクネ
コン子「・・・・・・」
神様「?」
コン子「あっ、すいません。 神さまが本当にいるだなんて・・・」
神様「驚いた?」
コン子「」コクッ
神様「コン子ちゃんが、昔はキツネだったって事は見て分かった」
狐子「!?」

840: ◆8YCWQhLlF2 :2017/10/03(火) 04:11:36 ID:Rpvh/qcg
神様「いつから人の姿に?」
コン子「・・・覚えていなくて」
神様「コン子ちゃんの周りに人の姿になったキツネは他にいる?」
コン子「」フルフル
神様「じゃぁ、ずっと一人?」
コン子「」コクン
神様「そっか・・・ ずっと一人でキツネたちを守って面倒を見てるの?」
コン子「あの子達は、人と仲良くしたいだけなんです・・・ でも、村の方達から見ればただの・・・」
神様「農作物を荒らす憎い存在」
コン子「あの子達が畑を荒らした事なんて一度もありません!」
神様「・・・・・・」
コン子「あっ、すいません・・・ 大声を出してしまって」

841: ◆8YCWQhLlF2 :2017/10/03(火) 04:12:57 ID:Rpvh/qcg
神様「これ、何か知ってる?」コトッ
コン子「それは・・・ 確かこの神社のご神体」
神様「そう、神体には参拝に来た人の願いが記録されるんだよ」
コン子「願いが?」
神様「どうでも良いような願いが大半だけど、この中に無視できない大きな願いを2つ見つけたんだ」
コン子「大きな・・・ 願い・・・」
神様「一つは村の人みんなが思ってお願いをしている事」
コン子「みんな・・・ 村のことですか?」
神様「昨日も会合で話してたけど、みんなこの村が好きなんだね」
コン子「はい。 みなさんこの村を愛していると思います」

842: ◆8YCWQhLlF2 :2017/10/03(火) 04:15:14 ID:Rpvh/qcg
神様「そして、もう一つはここ数十年に渡って毎日記録されているお願い」
コン子「・・・・・・」
神様「この2つのお願いを見てしまった以上、私はこれを叶える義務がある」
コン子「え?」
神様「まぁ、一つ目の願いは何てことはないけど問題はもう一つの方かな」
コン子「・・・・・・」
神様「神は人の願いを叶えるために存在する。 残念ながらもう一つは人ではない者の願いだ」
コン子「・・・そう ・・・ですか」
神様「他の神なら残念ながら成就する事は出来ない。 でも〜 私には出来る」
コン子「!?」
神様「その代わり、それ相応の対価は付く事になるけど」
コン子「対価・・・ でも私、その・・・ お金などは全く持っていなくて・・・」
神様「コン子ちゃんはどうやって暮らしているの?」

843: ◆8YCWQhLlF2 :2017/10/03(火) 04:16:58 ID:Rpvh/qcg
コン子「村の畑のお手伝いをしたりしながら・・・」
神様「でも、それだけじゃ暮らしていくの大変じゃない? キツネたちの世話もしているんでしょ?」
コン子「月に一度、町に出てストラップを卸してます」
神様「ストラップ?」
コン子「これです」スッ
神様「お〜 かわゆい。 キツネの尻尾みたい」
コン子「あの子達の抜け毛を使って・・・ 動物園などで売ってもらっているんです」
神様「なるほど。 まさに自給自足ってわけだ」
コン子「でも、抜け毛も売り物に使えるのはわずかしかなくて・・・」
神様「へ〜」
コン子「なので、毎月の生活だけでほとんどお金を使ってしまって」
神様「大丈夫、お金なんかいらないよ。 対価・・・ いや、代償はコン子ちゃんのこれからの人生」
コン子「私の人生?」

844: ◆8YCWQhLlF2 :2017/10/03(火) 04:17:56 ID:Rpvh/qcg
神様「コン子、其方の今後の人生を捨ててでも願いを叶えたいか?」
コン子「もし・・・ もし、あの子達が安心してこの村で暮らせるようになるなら私はどうなっても!」
神様「本当か?」
コン子「はい!」
神様「分かった。 其方の願い、この神ちゃんが叶えて進ぜよう」
コン子「あ、ありがとうございます」フカブカ
神様「んじゃ、2つとも一遍に叶えちゃいますか」
コン子「え?」
神様「その前に〜 コン子ちゃんにちょっとだけお願いがあるんだけど〜」
コン子「私に出来る事でしたら」
神様「本当に?」
コン子「・・・どのような事でしょうか?」
神様「ちょっと、言いにくいんだけど〜」クネクネ
コン子「?」

845: ◆8YCWQhLlF2 :2017/10/03(火) 04:19:19 ID:Rpvh/qcg
神様「その〜 お耳をチョコンと出して欲しいなぁ〜 って」
コン子「耳?」
神様「そう、キツネのお耳を頭にチョコンて」
コン子「はぁ・・・」ニョキ
神様「!?」
コン子「これで良いでしょうか?」
神様「ぁ・・・ あぁ・・・」ワナワナ
コン子「?」
神様「辛抱たまらん」ピョン
コン子「え!? ちょ・・・」
神様「きゃわいい〜!」アムアム
コン子「ぁっ、そんな耳をハムハムされると・・・」ヘナヘナ
神様「ちょー可愛い!! コン子ちゃんは私のものだ〜!!」アムアム
コン子「はぅ///」ヘナヘナ

846: 以下、名無しが深夜にお送りします :2017/10/03(火) 11:07:44 ID:QhleNeT6
犬ころよりコン子かい
流石の神ちゃん

847: 以下、名無しが深夜にお送りします :2017/10/03(火) 20:58:27 ID:L0ViYayM
モフモフは正義

848: ◆8YCWQhLlF2 :2017/10/06(金) 23:14:02 ID:yWgtJYFc
─── 30分後
神様「先ほどは我を忘れてしまい、大変失礼いたしました」ドゲザ
コン子「い、いえ・・・ 随分と長く我を忘れてしまっていましたね・・・」
神様「私からのお願いというのは、明日ここに村の人を呼んでもらえないかと」
コン子「村の方達をですか?」
神様「そう、夕方頃がいいかな」
コン子「・・・分かりました」
神様「コン子ちゃんは、その前にここに来てくれる?」
コン子「はい」
神様「あっ、それとキツネたちをすぐに呼べるように待機させておくことは出来る?」
コン子「はぁ、大丈夫ですが」
神様「よし、じゃぁ明日!」

849: ◆8YCWQhLlF2 :2017/10/06(金) 23:17:27 ID:yWgtJYFc
─── 翌日・本殿
神様「犬ころのヤツ、缶詰おいてくのは良いけど缶切りがねーよ・・・」ポイッ
トントン
神様「お、来たか。 どうぞ〜」
ギィ
狐神「・・・・・・」
神様「おせーよ」
狐神「遠い! 遠すぎ!!」
神様「だから言ったじゃんよ、始発で来いって」
狐神「始発よ! っていうか・・・ あんた、何でこんなに散らかってんのよ」
神様「堅い事言うなって、まぁ上がれや」


850: ◆8YCWQhLlF2 :2017/10/06(金) 23:18:39 ID:yWgtJYFc
狐神「はい、これ」ドサッ
神様「お〜 こんなに沢山」ゴソゴソ
狐神「重かったんだから。 でも、祭儀服なんて何に使うのよ」
神様「お前、結構良いヤツ持ってんじゃん」
狐神「一応体裁ってもんがあるし、それなりにお金は掛けてるつもり」
神様「おっ、これ良いね〜」バサッ
狐神「さすが目の付け所が良いわね。 それは最近拵えたお気に入りなの」
神様「そう。 んじゃこれくれ」
狐神「・・・・・・は?」
神様「ん? これ頂戴って言ったの」
狐神「冗談じゃないわよ! あんた人の話聞いてたの?」
神様「え〜 くれよ〜」
狐神「それだけはダメ!」
神様「まぁ、お前はこの祭儀服を渡さなければならない状況にならなくなるから後でも良いや」
狐神「はぁ? あんた・・・ 私に何させるつもり?」

851: ◆8YCWQhLlF2 :2017/10/06(金) 23:19:31 ID:yWgtJYFc
トントン
神様「お、主役も到着したようだ」
狐神「主役?」
ギィー
コン子「お待たせしました」
神様「ナイスタイミング」
狐神「・・・・・・」
コン子「あっ、お客様でしたか」
狐神「ねぇ・・・ 神ちゃん?」
神様「なに?」
コン子「説明してくれる?」

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