神様「神様だっ!」 神使「神力ゼロですが・・・」
Part101
875: ◆8YCWQhLlF2 :2017/10/08(日) 23:05:29 ID:kaIrnNBQ
神様「この村の素晴らしさを伝えられるんだったら何でもするんだろ?」
村人B「当然だ! 俺たちが出来ることならなんだってやるさ!」
村人C「おうよ、役場の集落活性化企画委員会設置準備室の奴らじゃあてにならねー!」
村人達「そうだそうだ!」
村人B「でも・・・ 意気込みだけはあるんだけど・・・」
村人C「あぁ、何から手を付けたら良いのか・・・」
神様「安心しろ、その為に私がいる。 私にかかればそんな事たやすいことだ」
村人達「お〜」パチパチパチパチ
神様「この村を盛り上げるぞー!」
村人達「おー!」
神様「この村に観光客をいっぱい呼ぶぞー!」
村人達「おー!!」
神様「自分たちの手でこの村に元気を取り戻すぞー!」
村人達「おー!!!」
876: ◆8YCWQhLlF2 :2017/10/08(日) 23:06:11 ID:kaIrnNBQ
─── 本殿内
コン子「すごい・・・ こんな村の皆さんはじめて見ました」
狐神「相変わらず周りを巻き込むことに関しては天才的ね、神ちゃんは・・・」ヨイショ
コン子「今回は本当に何とかなりそうな気がしてきました」
狐神「アンタがするんだけどね」
コン子「私が!?」
狐神「はい、着付け終わり! 姿見で自分の格好を見てみなさいな」
コン子「え? あっ、はい」
スタスタ
877: ◆8YCWQhLlF2 :2017/10/08(日) 23:07:38 ID:kaIrnNBQ
コン子「・・・・・・」
狐神「どう? すごく似合ってるわよ」
コン子「これが私・・・」
狐神「私のとっておきの装束だけど・・・ 悔しいけどアンタの方が似合うわ」
コン子「綺麗・・・ 自分じゃないみたい」
狐神「これからは、その格好に合った生き方をしないとね」
コン子「え?」
狐神「さ、そろそろ出番よ。 準備して」
コン子「出番?」
狐神「キツネちゃん達もコン子ちゃんの隣にスタンバイね」
テクテク
狐神「お利口ね。 コン子ちゃん、背筋を伸ばしてまっすぐ正面を見ていてね」
コン子「あの、何が始まるんでしょうか・・・」
狐神「あなたの、初仕事よ」
878: 以下、名無しが深夜にお送りします :2017/10/09(月) 08:15:29 ID:2NZmr1fo
ドキドキ
879: ◆8YCWQhLlF2 :2017/10/09(月) 23:01:41 ID:CxJwnPaM
─── 本殿外
村人A「でも、神さまよ〜 どんな策でこの村に人を?」
村人B「お金だって無いしなぁ」
神様「金なんか必要ない。 この村にあるものだけで1週間後には観光客でごった返すことになる」
村人達「たった1週間で!?」
神様「あぁ、でもそれを叶えるのは私ではない」
村人A「じゃぁ別の神さまが?」
神様「そうだ。 喜べ! 今日からこの神社に神が常駐することになった!」
村人達「お〜〜」パチ パチ パチ
神様「紹介しよう! 従三位コン之神だ!」
ギーッ
880: ◆8YCWQhLlF2 :2017/10/09(月) 23:02:29 ID:CxJwnPaM
村人達「・・・・・・」
コン子「え? あ、あの・・・」キョロキョロ
狐神「キョロキョロしない。 背筋を伸ばして顔は正面、遠くでも見てなさい」ボソッ
コン子「は、はい!」
村人A「なぁ、神ちゃんさん・・・ あれ、コン子じゃないのか?」
村人B「立派な服着てるけどコン子だよなぁ」
神様「そうだよ? コン子ちゃんは神だから」
村人達・コン子「えっ!?」
村人A「おかしいだろ。 コン子自身が驚いているじゃないか」
881: ◆8YCWQhLlF2 :2017/10/09(月) 23:03:15 ID:CxJwnPaM
狐神「ゴホン! お初にお目にかかる」テクテク
村人A「あなたは?」
神様「紹介しよう。 あいあい神社の主神で従一位、狐神だ」
村人A「狐神!?」
狐神「様を付けろ、無礼者」
村人A「す、すいません・・・」ペコリ
狐神「それと従一位ではなく、正一位! 稲荷を統括する神だ」
村人B「あぁ〜 なんだ、こちらの方が本物の神さまですか」
村人C「ビックリした。 コン子が神さまだなんてなぁ」
狐神「なにを言っている、コン子は正真正銘の稲荷神だぞ?」
882: ◆8YCWQhLlF2 :2017/10/09(月) 23:03:58 ID:CxJwnPaM
村人A「確かにコン子が人ではないことは知っているけど・・・」
村人B「だからって神さまだなんていきなり言われても、なぁ?」
村人達「うんうん」
神様・狐神「はい?」
村人A「いや、だって年とらないし」
村人B「俺が子供の時からコン子は村に居たし」
村人C「俺のばあちゃんが子供の頃もコン子は居たって聞いてる」
神様「あ〜・・・」
883: ◆8YCWQhLlF2 :2017/10/09(月) 23:04:52 ID:CxJwnPaM
狐神「お前達はコン子が人ではないことを知っていて今まで接していたのか?」
村人A「まぁ、コン子に関しては何て言うか〜」
村人B「昔から触れないのが暗黙の了解っていう感じで」
神様「ほぉ〜 この時代にこんな不思議な存在を受け入れているとは面白い村だ」
狐神「通りで神の存在もすぐに信じたわけだ」
村人A「でも、さすがコン子が神さまだなんて信じられないな」
村人B「そうだな。 神社になんか会合の時しか来ないし」
村人C「家も隅っこの小さな小屋だし」
村人D「畑の手伝いして生活する神さまなんていないよな」
コン子「ぅぅ・・・///」モジモジ
884: ◆8YCWQhLlF2 :2017/10/09(月) 23:05:40 ID:CxJwnPaM
狐神「まぁ、証拠を見せた方が早いな」ハァ
村人A「証拠?」
狐神「コン子、お前には先ほど私の神力を分け与えた」
コン子「神力?」
狐神「この者達に神力を使って神としての証拠でも見せてやれ」
コン子「そんな・・・ どうやって・・・」
狐神「ここはお前の社だ。 神力も自由に使えるはずだ」
神様「コン子ちゃん、この神社の神体の力は感じ取れる?」
コン子「神体?」
神様「そう、頭の中で神体を感じてみて?」
コン子「頭の中・・・ あっ」
神様「そしたら、そうだなぁ〜 神体から力を少しもらって手のひらにのせる感じを想像してみて?」
コン子「手のひら・・・」ジーッ
村人達「・・・・・・」ジーッ
885: ◆8YCWQhLlF2 :2017/10/09(月) 23:07:19 ID:CxJwnPaM
ポワポワ
村人達・コン子「!?」
神様「そうそう、うまいうまい」
狐神「狐火だな」
村人A「そんな・・・」
村人B「うそだろ・・・」
ザワザワ
狐神「コン子はこの地に住まうキツネたちを守り、そしてこの村の人々を守る存在」
村人達「・・・・・・」
狐神「お前達はコン子に今までどんな接し方をしてきた?」
村人達「・・・・・・」
狐神「この村のキツネたちに何をしてきた?」
村人達「・・・・・・」
886: ◆8YCWQhLlF2 :2017/10/09(月) 23:08:15 ID:CxJwnPaM
狐神「コン子、神であるお前の口から村の者達に言うことはあるか?」
コン子「・・・・・・」
神様「コン子ちゃん、正直に」
コン子「私は・・・ 皆さんと違って人ではありません・・・」
コン子「でも、そんな私をこの村に居させてもらったことを本当に感謝しています」
村人達「・・・・・・」
コン子「この子達も、悪気があって村まで出ているわけではなかったのですが・・・」
コン子「でも、野生のキツネですから驚かせてしまったことはこの子達も反省しています」
コン子「私も、この子達もこの村が大好きです。 もし私が力になれることがあるのであればその恩返しをさせて下さい」
コン子「よろしくお願いいたします」フカブカ
村人達「・・・・・・」
狐神「本心でこれか・・・ 大した子だ」フッ
887: ◆8YCWQhLlF2 :2017/10/09(月) 23:09:41 ID:CxJwnPaM
神様「コン子ちゃん、キツネ達を境内に呼んでもらえる」
コン子「はい。 みんな出ておいで」
テクテク
神様「お〜 たくさんいるね〜」
コン子「これでもこの村にいる子達の1/3程です」
狐神「結構な数がいるな」
コン子「ほら皆、ちゃんとご挨拶して? この日のために覚えたんでしょ?」
キツネたち「キュ〜ン キュ〜ン」ペコリ ペコリ
狐神「ふぁぁ〜」ニンマリ
村人達「・・・・・・」
888: ◆8YCWQhLlF2 :2017/10/09(月) 23:10:30 ID:CxJwnPaM
村人A「コン子・・・」
コン子「?」
村人A「すまなかった」ドゲザ
コン子「やめて下さい、謝らなければいけないのは私達ですから」オロオロ
村人B「すまない」ドゲザ
村人C「確かに・・・ キツネたちが村を荒らしてるところなんか見たことないしな・・・」ドゲザ
コン子「ちょ、皆さんやめて下さい」
スリスリ
村人B「?」
キツネ「」ペロペロ
村人B「・・・・・・。 こんな優しいキツネに猟銃を向けたなんて情けねぇ」グッ
コン子「あれはこの子達が出てきては行けない場所に出てきたのが悪いんですから」
村人B「いや・・・ 悪いのは俺だ・・・」
コン子「この子達には、村まで出て行かないようにキツく言っておきましたから」
889: ◆8YCWQhLlF2 :2017/10/09(月) 23:11:04 ID:CxJwnPaM
神様「その必要は無い!」
コン子「え?」
神様「これからは、キツネたちは村中を自由に出歩くことを命ずる」
コン子・狐神「!?」
狐神「ちょっと神ちゃん、どういう事?」
神様「村人達も、これからは村の中をキツネが出歩いていても自然に接すること」
村人A「もちろんだ」
村人B「約束する」
村人達「うんうん」
神様「この村を活性化するにはそれだけで良い」
一同「はい?」
890: ◆8YCWQhLlF2 :2017/10/09(月) 23:11:48 ID:CxJwnPaM
神様「コン子ちゃん、これからはこの神社に住みキツネたちはここを住処にさせるように」
コン子「この神社にですか?」
神様「そう、そして村の中をキツネたちが多く出歩くように指示してほしい」
コン子「?」
狐神「ちょっと、どういう意味があるのか説明しなさいよ」
神様「キツネの住む神社と、キツネが町中を闊歩する村。 これは最高の村おこしだと思わないかね?」ニヒヒ
狐神「アンタまさか・・・」
神様「神ちゃんプロデュース第二章の始まりだよ、コックスくんや」ニヤッ
狐神「コックス言うな」ゲシッ
神様「あぅ」
891: 以下、名無しが深夜にお送りします :2017/10/10(火) 06:59:22 ID:JsbQB0DA
相変わらずコックスかい
892: 以下、名無しが深夜にお送りします :2017/10/10(火) 07:01:50 ID:HQggcVeM
実際そのエキノコックスをどうにかしないと人は来ないわけだが…乙。
893: 以下、名無しが深夜にお送りします :2017/10/10(火) 07:34:58 ID:2IJOeDDs
某島のうさぎや某公園のシカと同じ戦略ですねわかります
894: 以下、名無しが深夜にお送りします :2017/10/10(火) 11:15:55 ID:4.WrEYkQ
フォックスのコックスどうされるんすか、神ちゃんワクチンとかでも接種するんすか?
つか、あれって犬猫にする的な予防接種でなんとかなるやつだっけ?
いや、神ちゃんとコックス様とコン子ちゃんなら何とかしてくれるよね?
895: 以下、名無しが深夜にお送りします :2017/10/10(火) 17:32:51 ID:m5nkr5eI
してくれるしてくれる乙。
896: ◆8YCWQhLlF2 :2017/10/10(火) 23:02:22 ID:liiiw5Ho
─── 1週間後・神使会休憩室
ガチャ
神使「ふ〜 さすがに座学だらけだと疲れますね」
神使友「おい、神使これ見てみろよ」
神使「テレビですか?」
レポーター『見て下さい。 今、私の横を可愛いキツネが何の警戒もなく通り過ぎていきましたよ』
レポーター『あそこにも、あっちにも村中にキツネがいます。 村の人達も一向に気にしていませんね』
897: ◆8YCWQhLlF2 :2017/10/10(火) 23:03:08 ID:liiiw5Ho
神使「へぇ〜 凄い村ですね」
神使友「おれ、この村に住んでみたいなぁ〜」
神使「そういえば、神使友さんはキツネさんでしたね」
神使友「あぁ。 最近この村の神社に神が常駐されたみたいで、その神の発案だって噂」
神使「人と動物のふれ合い・・・ 立派な神ですね」
神使友「この神社に転勤したいなぁ」
神使「これだけ大胆な発想ができる神なんて、きっと優秀でご立派な方なんじゃないですか?」
神使友「だよな〜 絶対ハードル高いよな」
898: ◆8YCWQhLlF2 :2017/10/10(火) 23:04:00 ID:liiiw5Ho
レポーター『このキツネさん達、普段はこの神社で生活しているそうなんです』
レポーター『うわ〜 凄いキツネさんと観光客の数ですね〜』
神使友「お! 神社も取材されてるじゃん」
神使「神も写りますかね?」
レポーター『あっ、巫女さんがいますね。 ちょっとお話を伺ってみましょう』
レポーター『こちらの神社の巫女さんですか?』
神様『あ! テレビ? いえ〜い。 写ってる?』ピース
神使「・・・・・・」
神使友「なんだよ、この巫女さんは。 バイトか?」
899: ◆8YCWQhLlF2 :2017/10/10(火) 23:04:42 ID:liiiw5Ho
レポーター『ははは・・・ 元気な巫女さんですね。 ちょっとお話しを伺っても良いですか?』
神様『これカメラ? イエーイ! 神使く〜ん、見て───』
ピッ
神使友「おい、どうしたんだよ。 急にテレビ消して」
神使「も、もうじき次の座学の時間です。 行きましょう」
神使友「まだ早くないか?」
神使「早く行かないと良い席が取られてしまします。 行きましょう」
神使友「お、おう・・・ って言うか、今の巫女さん、お前の名前呼んでなかったか」
神使「気のせいでは?」
神使友「そうかなぁ?」
神様「この村の素晴らしさを伝えられるんだったら何でもするんだろ?」
村人B「当然だ! 俺たちが出来ることならなんだってやるさ!」
村人C「おうよ、役場の集落活性化企画委員会設置準備室の奴らじゃあてにならねー!」
村人達「そうだそうだ!」
村人B「でも・・・ 意気込みだけはあるんだけど・・・」
村人C「あぁ、何から手を付けたら良いのか・・・」
神様「安心しろ、その為に私がいる。 私にかかればそんな事たやすいことだ」
村人達「お〜」パチパチパチパチ
神様「この村を盛り上げるぞー!」
村人達「おー!」
神様「この村に観光客をいっぱい呼ぶぞー!」
村人達「おー!!」
神様「自分たちの手でこの村に元気を取り戻すぞー!」
村人達「おー!!!」
876: ◆8YCWQhLlF2 :2017/10/08(日) 23:06:11 ID:kaIrnNBQ
─── 本殿内
コン子「すごい・・・ こんな村の皆さんはじめて見ました」
狐神「相変わらず周りを巻き込むことに関しては天才的ね、神ちゃんは・・・」ヨイショ
コン子「今回は本当に何とかなりそうな気がしてきました」
狐神「アンタがするんだけどね」
コン子「私が!?」
狐神「はい、着付け終わり! 姿見で自分の格好を見てみなさいな」
コン子「え? あっ、はい」
スタスタ
877: ◆8YCWQhLlF2 :2017/10/08(日) 23:07:38 ID:kaIrnNBQ
コン子「・・・・・・」
狐神「どう? すごく似合ってるわよ」
コン子「これが私・・・」
狐神「私のとっておきの装束だけど・・・ 悔しいけどアンタの方が似合うわ」
コン子「綺麗・・・ 自分じゃないみたい」
狐神「これからは、その格好に合った生き方をしないとね」
コン子「え?」
狐神「さ、そろそろ出番よ。 準備して」
コン子「出番?」
狐神「キツネちゃん達もコン子ちゃんの隣にスタンバイね」
テクテク
狐神「お利口ね。 コン子ちゃん、背筋を伸ばしてまっすぐ正面を見ていてね」
コン子「あの、何が始まるんでしょうか・・・」
狐神「あなたの、初仕事よ」
878: 以下、名無しが深夜にお送りします :2017/10/09(月) 08:15:29 ID:2NZmr1fo
ドキドキ
879: ◆8YCWQhLlF2 :2017/10/09(月) 23:01:41 ID:CxJwnPaM
─── 本殿外
村人A「でも、神さまよ〜 どんな策でこの村に人を?」
村人B「お金だって無いしなぁ」
神様「金なんか必要ない。 この村にあるものだけで1週間後には観光客でごった返すことになる」
村人達「たった1週間で!?」
神様「あぁ、でもそれを叶えるのは私ではない」
村人A「じゃぁ別の神さまが?」
神様「そうだ。 喜べ! 今日からこの神社に神が常駐することになった!」
村人達「お〜〜」パチ パチ パチ
神様「紹介しよう! 従三位コン之神だ!」
ギーッ
村人達「・・・・・・」
コン子「え? あ、あの・・・」キョロキョロ
狐神「キョロキョロしない。 背筋を伸ばして顔は正面、遠くでも見てなさい」ボソッ
コン子「は、はい!」
村人A「なぁ、神ちゃんさん・・・ あれ、コン子じゃないのか?」
村人B「立派な服着てるけどコン子だよなぁ」
神様「そうだよ? コン子ちゃんは神だから」
村人達・コン子「えっ!?」
村人A「おかしいだろ。 コン子自身が驚いているじゃないか」
881: ◆8YCWQhLlF2 :2017/10/09(月) 23:03:15 ID:CxJwnPaM
狐神「ゴホン! お初にお目にかかる」テクテク
村人A「あなたは?」
神様「紹介しよう。 あいあい神社の主神で従一位、狐神だ」
村人A「狐神!?」
狐神「様を付けろ、無礼者」
村人A「す、すいません・・・」ペコリ
狐神「それと従一位ではなく、正一位! 稲荷を統括する神だ」
村人B「あぁ〜 なんだ、こちらの方が本物の神さまですか」
村人C「ビックリした。 コン子が神さまだなんてなぁ」
狐神「なにを言っている、コン子は正真正銘の稲荷神だぞ?」
882: ◆8YCWQhLlF2 :2017/10/09(月) 23:03:58 ID:CxJwnPaM
村人A「確かにコン子が人ではないことは知っているけど・・・」
村人B「だからって神さまだなんていきなり言われても、なぁ?」
村人達「うんうん」
神様・狐神「はい?」
村人A「いや、だって年とらないし」
村人B「俺が子供の時からコン子は村に居たし」
村人C「俺のばあちゃんが子供の頃もコン子は居たって聞いてる」
神様「あ〜・・・」
883: ◆8YCWQhLlF2 :2017/10/09(月) 23:04:52 ID:CxJwnPaM
狐神「お前達はコン子が人ではないことを知っていて今まで接していたのか?」
村人A「まぁ、コン子に関しては何て言うか〜」
村人B「昔から触れないのが暗黙の了解っていう感じで」
神様「ほぉ〜 この時代にこんな不思議な存在を受け入れているとは面白い村だ」
狐神「通りで神の存在もすぐに信じたわけだ」
村人A「でも、さすがコン子が神さまだなんて信じられないな」
村人B「そうだな。 神社になんか会合の時しか来ないし」
村人C「家も隅っこの小さな小屋だし」
村人D「畑の手伝いして生活する神さまなんていないよな」
コン子「ぅぅ・・・///」モジモジ
884: ◆8YCWQhLlF2 :2017/10/09(月) 23:05:40 ID:CxJwnPaM
狐神「まぁ、証拠を見せた方が早いな」ハァ
村人A「証拠?」
狐神「コン子、お前には先ほど私の神力を分け与えた」
コン子「神力?」
狐神「この者達に神力を使って神としての証拠でも見せてやれ」
コン子「そんな・・・ どうやって・・・」
狐神「ここはお前の社だ。 神力も自由に使えるはずだ」
神様「コン子ちゃん、この神社の神体の力は感じ取れる?」
コン子「神体?」
神様「そう、頭の中で神体を感じてみて?」
コン子「頭の中・・・ あっ」
神様「そしたら、そうだなぁ〜 神体から力を少しもらって手のひらにのせる感じを想像してみて?」
コン子「手のひら・・・」ジーッ
村人達「・・・・・・」ジーッ
885: ◆8YCWQhLlF2 :2017/10/09(月) 23:07:19 ID:CxJwnPaM
ポワポワ
村人達・コン子「!?」
神様「そうそう、うまいうまい」
狐神「狐火だな」
村人A「そんな・・・」
村人B「うそだろ・・・」
ザワザワ
狐神「コン子はこの地に住まうキツネたちを守り、そしてこの村の人々を守る存在」
村人達「・・・・・・」
狐神「お前達はコン子に今までどんな接し方をしてきた?」
村人達「・・・・・・」
狐神「この村のキツネたちに何をしてきた?」
村人達「・・・・・・」
886: ◆8YCWQhLlF2 :2017/10/09(月) 23:08:15 ID:CxJwnPaM
狐神「コン子、神であるお前の口から村の者達に言うことはあるか?」
コン子「・・・・・・」
神様「コン子ちゃん、正直に」
コン子「私は・・・ 皆さんと違って人ではありません・・・」
コン子「でも、そんな私をこの村に居させてもらったことを本当に感謝しています」
村人達「・・・・・・」
コン子「この子達も、悪気があって村まで出ているわけではなかったのですが・・・」
コン子「でも、野生のキツネですから驚かせてしまったことはこの子達も反省しています」
コン子「私も、この子達もこの村が大好きです。 もし私が力になれることがあるのであればその恩返しをさせて下さい」
コン子「よろしくお願いいたします」フカブカ
村人達「・・・・・・」
狐神「本心でこれか・・・ 大した子だ」フッ
887: ◆8YCWQhLlF2 :2017/10/09(月) 23:09:41 ID:CxJwnPaM
神様「コン子ちゃん、キツネ達を境内に呼んでもらえる」
コン子「はい。 みんな出ておいで」
テクテク
神様「お〜 たくさんいるね〜」
コン子「これでもこの村にいる子達の1/3程です」
狐神「結構な数がいるな」
コン子「ほら皆、ちゃんとご挨拶して? この日のために覚えたんでしょ?」
キツネたち「キュ〜ン キュ〜ン」ペコリ ペコリ
狐神「ふぁぁ〜」ニンマリ
村人達「・・・・・・」
888: ◆8YCWQhLlF2 :2017/10/09(月) 23:10:30 ID:CxJwnPaM
村人A「コン子・・・」
コン子「?」
村人A「すまなかった」ドゲザ
コン子「やめて下さい、謝らなければいけないのは私達ですから」オロオロ
村人B「すまない」ドゲザ
村人C「確かに・・・ キツネたちが村を荒らしてるところなんか見たことないしな・・・」ドゲザ
コン子「ちょ、皆さんやめて下さい」
スリスリ
村人B「?」
キツネ「」ペロペロ
村人B「・・・・・・。 こんな優しいキツネに猟銃を向けたなんて情けねぇ」グッ
コン子「あれはこの子達が出てきては行けない場所に出てきたのが悪いんですから」
村人B「いや・・・ 悪いのは俺だ・・・」
コン子「この子達には、村まで出て行かないようにキツく言っておきましたから」
889: ◆8YCWQhLlF2 :2017/10/09(月) 23:11:04 ID:CxJwnPaM
神様「その必要は無い!」
コン子「え?」
神様「これからは、キツネたちは村中を自由に出歩くことを命ずる」
コン子・狐神「!?」
狐神「ちょっと神ちゃん、どういう事?」
神様「村人達も、これからは村の中をキツネが出歩いていても自然に接すること」
村人A「もちろんだ」
村人B「約束する」
村人達「うんうん」
神様「この村を活性化するにはそれだけで良い」
一同「はい?」
890: ◆8YCWQhLlF2 :2017/10/09(月) 23:11:48 ID:CxJwnPaM
神様「コン子ちゃん、これからはこの神社に住みキツネたちはここを住処にさせるように」
コン子「この神社にですか?」
神様「そう、そして村の中をキツネたちが多く出歩くように指示してほしい」
コン子「?」
狐神「ちょっと、どういう意味があるのか説明しなさいよ」
神様「キツネの住む神社と、キツネが町中を闊歩する村。 これは最高の村おこしだと思わないかね?」ニヒヒ
狐神「アンタまさか・・・」
神様「神ちゃんプロデュース第二章の始まりだよ、コックスくんや」ニヤッ
狐神「コックス言うな」ゲシッ
神様「あぅ」
891: 以下、名無しが深夜にお送りします :2017/10/10(火) 06:59:22 ID:JsbQB0DA
相変わらずコックスかい
892: 以下、名無しが深夜にお送りします :2017/10/10(火) 07:01:50 ID:HQggcVeM
実際そのエキノコックスをどうにかしないと人は来ないわけだが…乙。
893: 以下、名無しが深夜にお送りします :2017/10/10(火) 07:34:58 ID:2IJOeDDs
某島のうさぎや某公園のシカと同じ戦略ですねわかります
894: 以下、名無しが深夜にお送りします :2017/10/10(火) 11:15:55 ID:4.WrEYkQ
フォックスのコックスどうされるんすか、神ちゃんワクチンとかでも接種するんすか?
つか、あれって犬猫にする的な予防接種でなんとかなるやつだっけ?
いや、神ちゃんとコックス様とコン子ちゃんなら何とかしてくれるよね?
してくれるしてくれる乙。
896: ◆8YCWQhLlF2 :2017/10/10(火) 23:02:22 ID:liiiw5Ho
─── 1週間後・神使会休憩室
ガチャ
神使「ふ〜 さすがに座学だらけだと疲れますね」
神使友「おい、神使これ見てみろよ」
神使「テレビですか?」
レポーター『見て下さい。 今、私の横を可愛いキツネが何の警戒もなく通り過ぎていきましたよ』
レポーター『あそこにも、あっちにも村中にキツネがいます。 村の人達も一向に気にしていませんね』
897: ◆8YCWQhLlF2 :2017/10/10(火) 23:03:08 ID:liiiw5Ho
神使「へぇ〜 凄い村ですね」
神使友「おれ、この村に住んでみたいなぁ〜」
神使「そういえば、神使友さんはキツネさんでしたね」
神使友「あぁ。 最近この村の神社に神が常駐されたみたいで、その神の発案だって噂」
神使「人と動物のふれ合い・・・ 立派な神ですね」
神使友「この神社に転勤したいなぁ」
神使「これだけ大胆な発想ができる神なんて、きっと優秀でご立派な方なんじゃないですか?」
神使友「だよな〜 絶対ハードル高いよな」
898: ◆8YCWQhLlF2 :2017/10/10(火) 23:04:00 ID:liiiw5Ho
レポーター『このキツネさん達、普段はこの神社で生活しているそうなんです』
レポーター『うわ〜 凄いキツネさんと観光客の数ですね〜』
神使友「お! 神社も取材されてるじゃん」
神使「神も写りますかね?」
レポーター『あっ、巫女さんがいますね。 ちょっとお話を伺ってみましょう』
レポーター『こちらの神社の巫女さんですか?』
神様『あ! テレビ? いえ〜い。 写ってる?』ピース
神使「・・・・・・」
神使友「なんだよ、この巫女さんは。 バイトか?」
899: ◆8YCWQhLlF2 :2017/10/10(火) 23:04:42 ID:liiiw5Ho
レポーター『ははは・・・ 元気な巫女さんですね。 ちょっとお話しを伺っても良いですか?』
神様『これカメラ? イエーイ! 神使く〜ん、見て───』
ピッ
神使友「おい、どうしたんだよ。 急にテレビ消して」
神使「も、もうじき次の座学の時間です。 行きましょう」
神使友「まだ早くないか?」
神使「早く行かないと良い席が取られてしまします。 行きましょう」
神使友「お、おう・・・ って言うか、今の巫女さん、お前の名前呼んでなかったか」
神使「気のせいでは?」
神使友「そうかなぁ?」
神様「神様だっ!」 神使「神力ゼロですが・・・」
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