神様「神様だっ!」 神使「神力ゼロですが・・・」
Part96
746: ◆8YCWQhLlF2 :2017/09/03(日) 03:34:59 ID:46GEwBZ2
じいさん「人が神と恋に落ちるなど許されん。 男は村人達によってその命を閉じたそうじゃ」
神使「そんな・・・」
じいさん「じゃがのぉ、ミズハは自身の神力を使いからくり技師に再び生を与えおった」
神使「生き返らせたという事ですか? そんな神力を使ったらミズハ様は・・・」
じいさん「そうじゃな。 ミズハはそれ以降目覚める事はなかった」
神様「・・・・・・」
じいさん「からくり技師はミズハのために社を建て直し、再び目覚めるその日が来るまでこの場所でかくまったんじゃよ」
村長「見る限りミズハノメ様を囲んでいるのはアカネのようですが」
じいさん「彼女は花が好きでのぉ、特にアカネが大好きじゃった」
村長「・・・・・・」
747: ◆8YCWQhLlF2 :2017/09/03(日) 03:36:05 ID:46GEwBZ2
じいさん「からくり技師は神社の名を花摘み神社に改め、彼女の残した神聖な水を年に一度村へ引く仕組みと神事を作った」
友「どうしてそんな回りくどい事を?」
じいさん「彼女を・・・ ミズハを忘れないため」
友「でしたら何も年に一度でなくても・・・」
村長「いえ、神事化すれば年に一度必ず行われ伝承も言い伝えとして後生に残ります」
神使「有り難みもその方が増しますからね」
友「なるほどな・・・ でも、こんな奇妙な仕掛けをこしらえる必要はなかったんじゃ?」
じいさん「彼女は面白い事が大好きでな、からくり技師のヘンテコな仕組みをいつも喜んで見てくれた」
748: ◆8YCWQhLlF2 :2017/09/03(日) 03:37:22 ID:46GEwBZ2
神使「からくり技師さんのその後の事は残っているのですか?」
じいさん「・・・彼はからくりを捨て、宮司としてこの社を守る事を決めたそうじゃ」
神使「神職に・・・」
じいさん「じゃが・・・ 何年経ってもミズハは目覚める事はなかった」
じいさん「神事も次第に改変され神水を出す事もなくなった・・・ いや、必要が無くなったと言った方が良いかのぉ」
友「そんな大切な伝承なのにどうして・・・」
村長「時代の流れです。 こればかりは当事者にしか分かりませんが、どうしようもない事も多々あったのでしょう」
じいさん「いや、男は挫折してしまったんじゃよ・・・ 何百年待ってもミズハは・・・」
神使(何百年?)
じいさん「お社へ来る参拝者も減り、埋蔵金目当ての盗賊しか訪れん有様・・・ 不甲斐ない」
じいさん「宮司は社の管理を他社へ任せ退く事にした。 そして、ひっそりとこの社の行く末を見守る事にしたんじゃ」
神使「ちょっと待って下さい。 それって最近の出来事では?」
749: ◆8YCWQhLlF2 :2017/09/03(日) 03:39:52 ID:46GEwBZ2
村長「あなたが、そのからくり技師なのですね?」
神使・友「え!?」
友「ちょっと待って下さい。 それじゃ宮司さんは・・・」
じいさん「どうしてじゃろうな? いくら経っても死ぬ事ができんのじゃ」
神使「まさか、ミズハ様の神力でおじいさんは・・・」
神様「いや、じいさんは間違いなく人だ。 神力を全く感じない」
神使「そんな・・・ ではどうして・・・」
じいさん「バチが当たったんじゃろうな。 人が神に恋などした罰じゃ」
神様「・・・・・・」
じいさん「もうこの社には足を踏み入れない、そう誓ったはずじゃったが・・・ からくりが動いているのを見てのぉ・・・」
神使「おじいさん・・・」
750: ◆8YCWQhLlF2 :2017/09/03(日) 03:40:48 ID:46GEwBZ2
神様「からくり技師は、今でもミズハの事を想っているか?」
じいさん「一日も忘れた事などない。 毎日・・・ 日に何度も神社の入り口から・・・」
神様「再びミズハが生を取り戻すことが出来るとしたら?」
じいさん「許されるのであれば・・・ 死ぬまで彼女を守り・・・ 通したい・・・」
神様「代わりにからくり技師に残酷な罰が下るとしてもか?」
じいさん「彼女のためであれば喜んで受ける」
神様「ミズハノメノ神に誓えるか?」
じいさん「もちろんじゃ」
751: ◆8YCWQhLlF2 :2017/09/03(日) 03:42:12 ID:46GEwBZ2
神様「・・・・・・」
神使「神様・・・」
神様「残念だけど、今の状態のミズハを再び目覚めさせるのは正一位の神でも不可能だ」
じいさん「・・・・・・」
神様「ただ・・・ じいさん、アンタついてるな」
じいさん「?」
神様「あんたは私にジュースを奢ってくれた。 トクペだったけど・・・」
神様「神は人からもらった恩は、その者の願いを成就させるのが勤めだ。 神は人なしで存在できないからな」
神使「神様・・・」
神様「喜べ。 お前が願った神は神宮最高神であり、この国の神の頂点に立つ女神だ」
じいさん「!?」
友「さ、最高神様!?」
神様「私はそこら辺の神とはひと味違うぞ?」ニヤッ
752: 以下、名無しが深夜にお送りします :2017/09/03(日) 10:18:17 ID:TZZrPOL.
おっと、涙腺のからくりも動き出したようだ
753: 以下、名無しが深夜にお送りします :2017/09/03(日) 14:20:53 ID:cdUaP5F.
神ちゃん
754: 以下、名無しが深夜にお送りします :2017/09/03(日) 16:55:54 ID:qj.NxB02
チョーイーネ!!
755: ◆8YCWQhLlF2 :2017/09/04(月) 01:06:53 ID:jBqi/5pA
神様「我が神使よ」
神使「はい」フカブカ
神様「神力を・・・ 少し使っても良いだろうか」
神使「私に断りを入れる必要などないと思いますが?」
神様「いや、私の神力はお前に渡すものだ。 自由に使えるような代物ではないと思っている」
神使「・・・・・・。 ミズハ様のためにぜひお使い下さい」ニコッ
神様「ありがとう。 ミズハは私にとっても大切な存在だ、親友のために少しだけ使わせてもらう」
神様「それに・・・ 私の神力解放の予行練習にも丁度良いしな。 いざお前に渡すとなったときに鈍っていたら格好もつかないし」
神使「神様の格好いいお姿をぜひ見せて下さい」
神様「分かった。 よく見ていろよ!」
神使「はい!」
756: ◆8YCWQhLlF2 :2017/09/04(月) 01:08:22 ID:jBqi/5pA
神様「皆、私から少し離れていてくれ」
一同「」スタスタ
神様「これからここで行われる事は他言無用で頼みたい。 それと、事が済むまで言葉を慎んで欲しい」
一同「畏まりました」フカブカ
神様「我、神力を解放す」
ピカー キラキラ
一同「!?」
友(すごい・・・)
村長(なんという荘厳なお姿・・・)
神使(これが本当の神様・・・ 最高神様・・・)
757: ◆8YCWQhLlF2 :2017/09/04(月) 01:08:53 ID:jBqi/5pA
キラキラ
神様「ミズハノメノ神よ、我が願いを聞き答えよ」
ミズハ「・・・・・・」
神様「汝に神力を与えん。 神としてその役を勤めよ」
ポワポワポワ
ミズハ「ん・・・」モソモソ
じいさん「!」
758: ◆8YCWQhLlF2 :2017/09/04(月) 01:09:38 ID:jBqi/5pA
神様「おい、ミズハ」ユサユサ
ミズハ「はい!」バッ
神様「おはよう」
ミズハ「神ちゃん様・・・?」
神様「起きられるか?」
ミズハ「はい・・・ あの・・・ どうして神ちゃん様がここに?」
神様「私より、そっちの男を見て驚け」
ミズハ「殿方?」キョロキョロ
759: ◆8YCWQhLlF2 :2017/09/04(月) 01:10:22 ID:jBqi/5pA
じいさん「・・・ミズハ」
ミズハ「技師・・・様・・・? 技師様!」
じいさん「ミズハ・・・ うっ・・・ うぅぅ」ヘナヘナ
ミズハ「そう言えば私、さっき技師様を生き返らせるために全神力を使って・・・」
神様「今、お前に新しく神力入れたんだよ」
ミズハ「そうだったのですか・・・ 申し訳ございません、ご迷惑をおかけしたみたいで」フカブカ
神様「本当だよ、折角神力たっぷり貯めておいたのに」ハァ
ミズハ「でも、神ちゃん様とてもご立派なお姿ですね。 久しぶりにそのお姿を拝見しました」
神様「うるさい。 神力封印!」シューン
ミズハ「あっ、お戻りに・・・」
760: ◆8YCWQhLlF2 :2017/09/04(月) 01:11:15 ID:jBqi/5pA
神様「私をいじるより、そこで泣き崩れているじいさんを何とかしろや」
ミズハ「そうでございますね」スタスタ
じいさん「ミズハ・・・」
ミズハ「私にとっては先ほどまでご一緒におりましたが・・・ だいぶお待たせさせてしまったようで」
じいさん「うっ・・・ うっ・・・」
ミズハ「またお目にかかれて嬉しゅうございます。 技師様」ギュッ
じいさん「お帰り・・・ ミズハ・・・」ギュッ
友「神使・・・ ウッ・・・ 神使〜・・・ ウッ・・・」ユサユサ
神使「友さん、気持ちは分かりますが・・・ あの・・・ あまり揺らさないで下さい」
761: ◆8YCWQhLlF2 :2017/09/04(月) 01:12:00 ID:jBqi/5pA
神様「ハァ・・・ ちかれた」トテトテ
村長「お疲れ様です、最高神様」フカブカ
神様「それ、やめて?」
神使「神様?」テクテク
神様「あ?」
神使「とてもお美しかったです」
神様「お、おう・・・」
神使「・・・・・・」
神様「何々? 神使くんったら私を惚れ直しちゃった?」ウリウリ
神使「はい、こんなに美しくてご立派で素敵な女神様が私のお嫁様だなんて今でも信じられません」
神様「はぅっ///」
762: ◆8YCWQhLlF2 :2017/09/04(月) 01:12:44 ID:jBqi/5pA
友「は!?」
村長「え!?」
ミズハ「お嫁さん!?」
神使「あっ・・・ いえ・・・ その〜・・・」
神様「そう! 私と神使くんは結婚して仲睦まじい夫婦なのです! ドドン!!」フンスッ
一同「・・・・・・」
神使「神様、私が言うのも何ですがあまり大っぴらに言わない方が・・・」アタフタ
友「神使・・・ お前、奥手だと思っていたのに神を奥さんにするなんてそんな大胆な事を・・・ しかも最高神様と・・・」
村長「これはこれは・・・」
763: ◆8YCWQhLlF2 :2017/09/04(月) 01:13:53 ID:jBqi/5pA
ミズハ「神ちゃん様! あの・・・ 神と神使は結婚しても・・・ その・・・ 許されるのでしょうか?」
神様「ダメなんて言う規則ないし。 それに愛し合ってるんだも〜ん///」クネクネ
ミズハ「で、では・・・ 神と人もその・・・ 結婚は許されるのでしょうか?」
神様「あ?」
ミズハ「・・・申し訳ありません、やはり禁忌でございますよね」シュン
神様「問題ないだろ、そんな事一々聞くなよ」
ミズハ「えっ?」
友「いいの?」クルッ
神使「私に聞かないで下さい友さん・・・」
神様「人、神使、神はみんな一緒に遊んで恋をし生きることができる」
神使「だ、そうです」
友「そうなんだ。 はじめて聞いた」
ミズハ「神ちゃん様・・・ そうでございますか。 それは、うれしいお言葉です///」ニコッ
764: 以下、名無しが深夜にお送りします :2017/09/04(月) 13:54:11 ID:Zvkq1dcc
良かった
でも、この神ちゃんシリーズは続けてくださいね
>>1様お願いします
765: ◆8YCWQhLlF2 :2017/09/05(火) 00:49:07 ID:ss4O7wj.
神様「そんな事よりミズハ〜」クネクネ
ミズハ「何でございましょう?」
神様「いきなりで悪いんだけど〜 財宝とかってない? 金銀財宝とかあったらさぁ〜 くれ」
神使「神様・・・」
ミズハ「財宝ですか?」
神様「何て言うのかなぁ〜 その〜 お駄賃が欲しいわけよ」クネクネ
ミズハ「失礼を承知の上ではございますが、お金位しか・・・」
神様「お金!? 全然オッケー、むしろ喜んで!」
ミズハ「でも・・・ 神ちゃん様は莫大な役料の支給があると思いますので、私が持っているお金など大した額では・・・」
神様「いつの話してんだよ・・・ お金なんかもうスッカラカンよ」
ミズハ「はぁ・・・ 技師様、私のお金はまだございますでしょうか?」
じいさん「ミズハの眠っていた下に隠し扉があるはずじゃ」
ミズハ「ここでございますか?」ゴソゴソ
神様「手伝う、手伝うよ〜 どれどれ」ヨイショ
766: ◆8YCWQhLlF2 :2017/09/05(火) 00:50:29 ID:ss4O7wj.
パカッ
神様「?」
神使「うわっ! 小判じゃないですか!」
村長「慶長小判がこんなに!?」
ミズハ「たぶん1000両くらいだと思うのですが、これでもよろしいでしょうか?」
一同「せんりょう!?」
神様「・・・・・・」
村長「1000両といったら今の価値で───」
神様「え〜 昔のお金じゃ〜ん」
ミズハ「え!?」
神様「こんな古いの今は使えないよ」
ミズハ「えっ、古い!? でも先日幕府から預かった物なのですが・・・」
一同(幕府って・・・)
767: ◆8YCWQhLlF2 :2017/09/05(火) 00:51:48 ID:ss4O7wj.
ミズハ「あの・・・ 私、どのくらい眠っていたのでしょうか?」
神様「400年」
ミズハ「・・・・・・はい?」
じいさん「400年じゃよ」
ミズハ「・・・・・・江戸?」
神様「平成」
ミズハ「へいせい?」
神様「江戸、明治、大正、昭和、平成!」
ミズハ「・・・・・・家康公は?」
神様「誰それ?」
ミズハ「・・・・・・」
神使「いや、神様それはさすがにどうかと思いますが・・・」
768: ◆8YCWQhLlF2 :2017/09/05(火) 00:52:37 ID:ss4O7wj.
ミズハ「あ、あの・・・ 私、外に出るのが少し怖い気が・・・」
神様「この時代は凄いんだぜ? 江戸から京まで二刻かかんないで行けるんだぜ?」
ミズハ「!?」
神様「1町の鉄の塊が人乗せて空飛んでるんだぜ?」ニヤッ
ミズハ「そ、そんな! 人が空を!?」ブルブル
神使「神様、そんなにいじめちゃダメですよ」グイッ
神様「うおっぷっ!」
じいさん「大丈夫じゃよ。 ワシがついている」
ミズハ「技師さま・・・///」ウルウル
神様「イチャついてんじゃねーよ! ねぇ〜 神使くん、私達もイチャつこう?」クネクネ
神使「・・・さて、皆さん取りあえず戻りましょうか」
神様「んも〜 照れちゃって、可愛いぞ!」ツンツン
神使「神様?」
神様「へいへい」
769: ◆8YCWQhLlF2 :2017/09/05(火) 00:53:29 ID:ss4O7wj.
神様「あっ、そうだ。 神使くんさぁ、後でその小判を神宮に買い取らせる手続きしておいて」
神使「小判をですか?」
神様「そう。 んで、その金で花摘み神社の修繕を」
ミズハ・じいさん「え!?」
神様「じいさん、悪いけどあんたにはミズハを助けた代わりの罰を与えないといけない」
じいさん「・・・・・・」
ミズハ「神ちゃん様・・・ 技師様にも深いわけがあって・・・ せめて情状酌量の余地を───」
神様「あんた、この神社の宮司職に再び就く事」
じいさん・ミズハ「!?」
じいさん「人が神と恋に落ちるなど許されん。 男は村人達によってその命を閉じたそうじゃ」
神使「そんな・・・」
じいさん「じゃがのぉ、ミズハは自身の神力を使いからくり技師に再び生を与えおった」
神使「生き返らせたという事ですか? そんな神力を使ったらミズハ様は・・・」
じいさん「そうじゃな。 ミズハはそれ以降目覚める事はなかった」
神様「・・・・・・」
じいさん「からくり技師はミズハのために社を建て直し、再び目覚めるその日が来るまでこの場所でかくまったんじゃよ」
村長「見る限りミズハノメ様を囲んでいるのはアカネのようですが」
じいさん「彼女は花が好きでのぉ、特にアカネが大好きじゃった」
村長「・・・・・・」
747: ◆8YCWQhLlF2 :2017/09/03(日) 03:36:05 ID:46GEwBZ2
じいさん「からくり技師は神社の名を花摘み神社に改め、彼女の残した神聖な水を年に一度村へ引く仕組みと神事を作った」
友「どうしてそんな回りくどい事を?」
じいさん「彼女を・・・ ミズハを忘れないため」
友「でしたら何も年に一度でなくても・・・」
村長「いえ、神事化すれば年に一度必ず行われ伝承も言い伝えとして後生に残ります」
神使「有り難みもその方が増しますからね」
友「なるほどな・・・ でも、こんな奇妙な仕掛けをこしらえる必要はなかったんじゃ?」
じいさん「彼女は面白い事が大好きでな、からくり技師のヘンテコな仕組みをいつも喜んで見てくれた」
748: ◆8YCWQhLlF2 :2017/09/03(日) 03:37:22 ID:46GEwBZ2
神使「からくり技師さんのその後の事は残っているのですか?」
じいさん「・・・彼はからくりを捨て、宮司としてこの社を守る事を決めたそうじゃ」
神使「神職に・・・」
じいさん「じゃが・・・ 何年経ってもミズハは目覚める事はなかった」
じいさん「神事も次第に改変され神水を出す事もなくなった・・・ いや、必要が無くなったと言った方が良いかのぉ」
友「そんな大切な伝承なのにどうして・・・」
村長「時代の流れです。 こればかりは当事者にしか分かりませんが、どうしようもない事も多々あったのでしょう」
じいさん「いや、男は挫折してしまったんじゃよ・・・ 何百年待ってもミズハは・・・」
神使(何百年?)
じいさん「お社へ来る参拝者も減り、埋蔵金目当ての盗賊しか訪れん有様・・・ 不甲斐ない」
じいさん「宮司は社の管理を他社へ任せ退く事にした。 そして、ひっそりとこの社の行く末を見守る事にしたんじゃ」
神使「ちょっと待って下さい。 それって最近の出来事では?」
749: ◆8YCWQhLlF2 :2017/09/03(日) 03:39:52 ID:46GEwBZ2
村長「あなたが、そのからくり技師なのですね?」
神使・友「え!?」
友「ちょっと待って下さい。 それじゃ宮司さんは・・・」
じいさん「どうしてじゃろうな? いくら経っても死ぬ事ができんのじゃ」
神使「まさか、ミズハ様の神力でおじいさんは・・・」
神様「いや、じいさんは間違いなく人だ。 神力を全く感じない」
神使「そんな・・・ ではどうして・・・」
じいさん「バチが当たったんじゃろうな。 人が神に恋などした罰じゃ」
神様「・・・・・・」
じいさん「もうこの社には足を踏み入れない、そう誓ったはずじゃったが・・・ からくりが動いているのを見てのぉ・・・」
神使「おじいさん・・・」
750: ◆8YCWQhLlF2 :2017/09/03(日) 03:40:48 ID:46GEwBZ2
神様「からくり技師は、今でもミズハの事を想っているか?」
じいさん「一日も忘れた事などない。 毎日・・・ 日に何度も神社の入り口から・・・」
神様「再びミズハが生を取り戻すことが出来るとしたら?」
じいさん「許されるのであれば・・・ 死ぬまで彼女を守り・・・ 通したい・・・」
神様「代わりにからくり技師に残酷な罰が下るとしてもか?」
じいさん「彼女のためであれば喜んで受ける」
神様「ミズハノメノ神に誓えるか?」
じいさん「もちろんじゃ」
神様「・・・・・・」
神使「神様・・・」
神様「残念だけど、今の状態のミズハを再び目覚めさせるのは正一位の神でも不可能だ」
じいさん「・・・・・・」
神様「ただ・・・ じいさん、アンタついてるな」
じいさん「?」
神様「あんたは私にジュースを奢ってくれた。 トクペだったけど・・・」
神様「神は人からもらった恩は、その者の願いを成就させるのが勤めだ。 神は人なしで存在できないからな」
神使「神様・・・」
神様「喜べ。 お前が願った神は神宮最高神であり、この国の神の頂点に立つ女神だ」
じいさん「!?」
友「さ、最高神様!?」
神様「私はそこら辺の神とはひと味違うぞ?」ニヤッ
752: 以下、名無しが深夜にお送りします :2017/09/03(日) 10:18:17 ID:TZZrPOL.
おっと、涙腺のからくりも動き出したようだ
753: 以下、名無しが深夜にお送りします :2017/09/03(日) 14:20:53 ID:cdUaP5F.
神ちゃん
754: 以下、名無しが深夜にお送りします :2017/09/03(日) 16:55:54 ID:qj.NxB02
チョーイーネ!!
755: ◆8YCWQhLlF2 :2017/09/04(月) 01:06:53 ID:jBqi/5pA
神様「我が神使よ」
神使「はい」フカブカ
神様「神力を・・・ 少し使っても良いだろうか」
神使「私に断りを入れる必要などないと思いますが?」
神様「いや、私の神力はお前に渡すものだ。 自由に使えるような代物ではないと思っている」
神使「・・・・・・。 ミズハ様のためにぜひお使い下さい」ニコッ
神様「ありがとう。 ミズハは私にとっても大切な存在だ、親友のために少しだけ使わせてもらう」
神様「それに・・・ 私の神力解放の予行練習にも丁度良いしな。 いざお前に渡すとなったときに鈍っていたら格好もつかないし」
神使「神様の格好いいお姿をぜひ見せて下さい」
神様「分かった。 よく見ていろよ!」
神使「はい!」
756: ◆8YCWQhLlF2 :2017/09/04(月) 01:08:22 ID:jBqi/5pA
神様「皆、私から少し離れていてくれ」
一同「」スタスタ
神様「これからここで行われる事は他言無用で頼みたい。 それと、事が済むまで言葉を慎んで欲しい」
一同「畏まりました」フカブカ
神様「我、神力を解放す」
ピカー キラキラ
一同「!?」
友(すごい・・・)
村長(なんという荘厳なお姿・・・)
神使(これが本当の神様・・・ 最高神様・・・)
757: ◆8YCWQhLlF2 :2017/09/04(月) 01:08:53 ID:jBqi/5pA
キラキラ
神様「ミズハノメノ神よ、我が願いを聞き答えよ」
ミズハ「・・・・・・」
神様「汝に神力を与えん。 神としてその役を勤めよ」
ポワポワポワ
ミズハ「ん・・・」モソモソ
じいさん「!」
758: ◆8YCWQhLlF2 :2017/09/04(月) 01:09:38 ID:jBqi/5pA
神様「おい、ミズハ」ユサユサ
ミズハ「はい!」バッ
神様「おはよう」
ミズハ「神ちゃん様・・・?」
神様「起きられるか?」
ミズハ「はい・・・ あの・・・ どうして神ちゃん様がここに?」
神様「私より、そっちの男を見て驚け」
ミズハ「殿方?」キョロキョロ
759: ◆8YCWQhLlF2 :2017/09/04(月) 01:10:22 ID:jBqi/5pA
じいさん「・・・ミズハ」
ミズハ「技師・・・様・・・? 技師様!」
じいさん「ミズハ・・・ うっ・・・ うぅぅ」ヘナヘナ
ミズハ「そう言えば私、さっき技師様を生き返らせるために全神力を使って・・・」
神様「今、お前に新しく神力入れたんだよ」
ミズハ「そうだったのですか・・・ 申し訳ございません、ご迷惑をおかけしたみたいで」フカブカ
神様「本当だよ、折角神力たっぷり貯めておいたのに」ハァ
ミズハ「でも、神ちゃん様とてもご立派なお姿ですね。 久しぶりにそのお姿を拝見しました」
神様「うるさい。 神力封印!」シューン
ミズハ「あっ、お戻りに・・・」
760: ◆8YCWQhLlF2 :2017/09/04(月) 01:11:15 ID:jBqi/5pA
神様「私をいじるより、そこで泣き崩れているじいさんを何とかしろや」
ミズハ「そうでございますね」スタスタ
じいさん「ミズハ・・・」
ミズハ「私にとっては先ほどまでご一緒におりましたが・・・ だいぶお待たせさせてしまったようで」
じいさん「うっ・・・ うっ・・・」
ミズハ「またお目にかかれて嬉しゅうございます。 技師様」ギュッ
じいさん「お帰り・・・ ミズハ・・・」ギュッ
友「神使・・・ ウッ・・・ 神使〜・・・ ウッ・・・」ユサユサ
神使「友さん、気持ちは分かりますが・・・ あの・・・ あまり揺らさないで下さい」
761: ◆8YCWQhLlF2 :2017/09/04(月) 01:12:00 ID:jBqi/5pA
神様「ハァ・・・ ちかれた」トテトテ
村長「お疲れ様です、最高神様」フカブカ
神様「それ、やめて?」
神使「神様?」テクテク
神様「あ?」
神使「とてもお美しかったです」
神様「お、おう・・・」
神使「・・・・・・」
神様「何々? 神使くんったら私を惚れ直しちゃった?」ウリウリ
神使「はい、こんなに美しくてご立派で素敵な女神様が私のお嫁様だなんて今でも信じられません」
神様「はぅっ///」
762: ◆8YCWQhLlF2 :2017/09/04(月) 01:12:44 ID:jBqi/5pA
友「は!?」
村長「え!?」
ミズハ「お嫁さん!?」
神使「あっ・・・ いえ・・・ その〜・・・」
神様「そう! 私と神使くんは結婚して仲睦まじい夫婦なのです! ドドン!!」フンスッ
一同「・・・・・・」
神使「神様、私が言うのも何ですがあまり大っぴらに言わない方が・・・」アタフタ
友「神使・・・ お前、奥手だと思っていたのに神を奥さんにするなんてそんな大胆な事を・・・ しかも最高神様と・・・」
村長「これはこれは・・・」
763: ◆8YCWQhLlF2 :2017/09/04(月) 01:13:53 ID:jBqi/5pA
ミズハ「神ちゃん様! あの・・・ 神と神使は結婚しても・・・ その・・・ 許されるのでしょうか?」
神様「ダメなんて言う規則ないし。 それに愛し合ってるんだも〜ん///」クネクネ
ミズハ「で、では・・・ 神と人もその・・・ 結婚は許されるのでしょうか?」
神様「あ?」
ミズハ「・・・申し訳ありません、やはり禁忌でございますよね」シュン
神様「問題ないだろ、そんな事一々聞くなよ」
ミズハ「えっ?」
友「いいの?」クルッ
神使「私に聞かないで下さい友さん・・・」
神様「人、神使、神はみんな一緒に遊んで恋をし生きることができる」
神使「だ、そうです」
友「そうなんだ。 はじめて聞いた」
ミズハ「神ちゃん様・・・ そうでございますか。 それは、うれしいお言葉です///」ニコッ
764: 以下、名無しが深夜にお送りします :2017/09/04(月) 13:54:11 ID:Zvkq1dcc
良かった
でも、この神ちゃんシリーズは続けてくださいね
>>1様お願いします
765: ◆8YCWQhLlF2 :2017/09/05(火) 00:49:07 ID:ss4O7wj.
神様「そんな事よりミズハ〜」クネクネ
ミズハ「何でございましょう?」
神様「いきなりで悪いんだけど〜 財宝とかってない? 金銀財宝とかあったらさぁ〜 くれ」
神使「神様・・・」
ミズハ「財宝ですか?」
神様「何て言うのかなぁ〜 その〜 お駄賃が欲しいわけよ」クネクネ
ミズハ「失礼を承知の上ではございますが、お金位しか・・・」
神様「お金!? 全然オッケー、むしろ喜んで!」
ミズハ「でも・・・ 神ちゃん様は莫大な役料の支給があると思いますので、私が持っているお金など大した額では・・・」
神様「いつの話してんだよ・・・ お金なんかもうスッカラカンよ」
ミズハ「はぁ・・・ 技師様、私のお金はまだございますでしょうか?」
じいさん「ミズハの眠っていた下に隠し扉があるはずじゃ」
ミズハ「ここでございますか?」ゴソゴソ
神様「手伝う、手伝うよ〜 どれどれ」ヨイショ
パカッ
神様「?」
神使「うわっ! 小判じゃないですか!」
村長「慶長小判がこんなに!?」
ミズハ「たぶん1000両くらいだと思うのですが、これでもよろしいでしょうか?」
一同「せんりょう!?」
神様「・・・・・・」
村長「1000両といったら今の価値で───」
神様「え〜 昔のお金じゃ〜ん」
ミズハ「え!?」
神様「こんな古いの今は使えないよ」
ミズハ「えっ、古い!? でも先日幕府から預かった物なのですが・・・」
一同(幕府って・・・)
767: ◆8YCWQhLlF2 :2017/09/05(火) 00:51:48 ID:ss4O7wj.
ミズハ「あの・・・ 私、どのくらい眠っていたのでしょうか?」
神様「400年」
ミズハ「・・・・・・はい?」
じいさん「400年じゃよ」
ミズハ「・・・・・・江戸?」
神様「平成」
ミズハ「へいせい?」
神様「江戸、明治、大正、昭和、平成!」
ミズハ「・・・・・・家康公は?」
神様「誰それ?」
ミズハ「・・・・・・」
神使「いや、神様それはさすがにどうかと思いますが・・・」
768: ◆8YCWQhLlF2 :2017/09/05(火) 00:52:37 ID:ss4O7wj.
ミズハ「あ、あの・・・ 私、外に出るのが少し怖い気が・・・」
神様「この時代は凄いんだぜ? 江戸から京まで二刻かかんないで行けるんだぜ?」
ミズハ「!?」
神様「1町の鉄の塊が人乗せて空飛んでるんだぜ?」ニヤッ
ミズハ「そ、そんな! 人が空を!?」ブルブル
神使「神様、そんなにいじめちゃダメですよ」グイッ
神様「うおっぷっ!」
じいさん「大丈夫じゃよ。 ワシがついている」
ミズハ「技師さま・・・///」ウルウル
神様「イチャついてんじゃねーよ! ねぇ〜 神使くん、私達もイチャつこう?」クネクネ
神使「・・・さて、皆さん取りあえず戻りましょうか」
神様「んも〜 照れちゃって、可愛いぞ!」ツンツン
神使「神様?」
神様「へいへい」
769: ◆8YCWQhLlF2 :2017/09/05(火) 00:53:29 ID:ss4O7wj.
神様「あっ、そうだ。 神使くんさぁ、後でその小判を神宮に買い取らせる手続きしておいて」
神使「小判をですか?」
神様「そう。 んで、その金で花摘み神社の修繕を」
ミズハ・じいさん「え!?」
神様「じいさん、悪いけどあんたにはミズハを助けた代わりの罰を与えないといけない」
じいさん「・・・・・・」
ミズハ「神ちゃん様・・・ 技師様にも深いわけがあって・・・ せめて情状酌量の余地を───」
神様「あんた、この神社の宮司職に再び就く事」
じいさん・ミズハ「!?」
神様「神様だっ!」 神使「神力ゼロですが・・・」
Part1<< Part92 Part93 Part94 Part95 Part96 Part97 Part98 Part99 Part100 >>Part160
評価する!(10069)
ショートストーリーの人気記事
女「ハローハロー。誰かいませんか?どうぞ」
→記事を読む
キモオタ「我輩がおとぎ話の世界に行くですとwww」ティンカーベル「そう」
→記事を読む
魔王「世界の半分はやらぬが、淫魔の国をくれてやろう」
→記事を読む
男「少し不思議な話をしようか」女「いいよ」
→記事を読む
同僚女「おーい、おとこ。起きろ、起きろー」
→記事を読む
妹「マニュアルで恋します!」
→記事を読む
きのこの山「最後通牒だと……?」たけのこの里「……」
→記事を読む
月「で……であ…でぁー…TH…であのて……?」
→記事を読む
彡(゚)(゚)「お、居酒屋やんけ。入ったろ」
→記事を読む
魔法使い「メラしか使えない」
→記事を読む