神様「神様だっ!」 神使「神力ゼロですが・・・」
Part93
668: ◆8YCWQhLlF2 :2017/08/13(日) 23:14:37 ID:iJE/KWfU
神使「仮に歌の方に合わせて神社名を変えたとなると、その時に初めてこの歌が秘密の歌として効力を発揮します」
友「つまり、埋蔵金は茶摘み神社時代ではなく花摘み神社時代に出来上がったと?」
神使「いえ、時代的にそれはないとは思うのですが・・・ なにか引っかかるんですよね・・・」
友「この辺は特に民間信仰が強かったから、何か別の意味があるのかもな」
神使「民間信仰ですか・・・」
神様「あっ、だったら専門家に聞けば良いんじゃない?」
神使「専門家?」
神様「ほら、民俗学の第一人者に知り合いがいるじゃん」
神使「・・・まさか」
671: ◆8YCWQhLlF2 :2017/08/17(木) 00:21:21 ID:Yddk5ylg
─── 翌日
村長「お久しぶりです」ペコリ
神様「おひさ〜」
神使「ご無沙汰しております。 たぬ吉さんはお元気ですか?」
村長「はい、毎日ご立派にお務めを行っております」
神様「たぬきのお務めって何だよ・・・」
神使「友さん、ご紹介します。 こちら村長さんで“こわこわ神社”の宮司さんと、村の村長さんを兼任されています」
神様「兼、神宮の民俗学研究担当なのだ!」
672: ◆8YCWQhLlF2 :2017/08/17(木) 00:21:56 ID:Yddk5ylg
友「はじめまして、花摘み神社の管理を任されております友と申します」
村長「ご丁寧にどうも。 しかし中々興味深い神社ですね」
神様「でしょ? で、早速で悪いんだけどさぁ〜」
村長「私にお手伝いできる事があれば何なりと」
神使「実は村長さんのご意見を伺いたい事がありまして」
友「とりあえず社務所の方へ。 詳しくお話しいたします」
673: ◆8YCWQhLlF2 :2017/08/17(木) 00:23:03 ID:Yddk5ylg
─── 社務所
村長「なるほど・・・」
神使「いかがでしょうか?」
村長「非常に興味深いお話しですね」
神様「これ間違いなく埋蔵金だよね!」
村長「茶摘み歌がこの神社の事をうたっているのは間違いないと思います」
神様「やっぱり? さすが私の推理力も大したもんだ!」カッカッカッ
神使「村長さんの考えをお聞かせ頂けないでしょうか?」
村長「まだ仮説ですが紐解いていって見ましょう。 まず、茶摘み歌1番の3節目を見て下さい」
674: ◆8YCWQhLlF2 :2017/08/17(木) 00:23:47 ID:Yddk5ylg
神様「あれに見えるは〜 茶摘みぢやないか〜♪」
村長「ありがとうございます」
神様「どういたしまして」ペコリ
村長「これは、茶摘み神社の事です」
神使「私達もそう思ったのですが・・・」
友「直球で場所をバラすような事をするのは変ではないかという結論に至りまして」
村長「そうですね。 厳密に言えばこの神社の事を指してる訳ではないと思います」
神様「え?」
神使「どういう事です?」
675: ◆8YCWQhLlF2 :2017/08/17(木) 00:24:39 ID:Yddk5ylg
村長「隠語です」
神様「隠語?」
村長「1番の第1節に戻ります」
神様「夏も近づく〜 八十八夜〜♪」
村長「どうも」
神様「いえいえ」ペコリ
村長「八十八。 これはお米ですね。 88歳が米寿と言われる所以でもあります」
神様「社務所の前に※印の石碑があるんだよ」
村長「先ほど私も見ました。 両隣には2つの石像がありますね」
友「はい」
676: ◆8YCWQhLlF2 :2017/08/17(木) 00:25:44 ID:Yddk5ylg
村長「八十八夜に行われる巫女舞の祭事写真はありますか?」
神使「神宮の資料に確か・・・」ペラッ
村長「なるほど・・・ 見て下さい、石碑の位置を」
神様「あれ? 縦に並んでる」
神使「今は横並びですよね?」
友「あ〜 神事の時には左右の石碑を移動させて横位置から縦位置にするんです」
村長「理由はご存じですか?」
友「いいえ、伝承でそのようにと」
村長「ちなみにこの舞は何という名だかお分かりに?」
神様「長閑の舞」
村長「のどか・・・ なるほど」
神使「何か気になる事でも?」
677: ◆8YCWQhLlF2 :2017/08/17(木) 00:26:34 ID:Yddk5ylg
村長「その前に、第2節に戻りましょう」
神様「野にも山にも〜 若葉が茂る〜♪」
村長「恐れ入ります」
神様「なんのなんの」ペコリ
神使「茂る・・・」
村長「はい。 茂っているんです。 ボウボウと」
神様「ボウボウ?」
村長「はい、それはもうボウボウです」
神様「嫌だな村長〜 ひ・わ・い!」
村長「はい、かなり卑猥ですね」
神様「?」
678: ◆8YCWQhLlF2 :2017/08/17(木) 00:27:37 ID:Yddk5ylg
村長「1番の最後、第4節」
神様「茜だ───」
神使「あかねだすきに〜 すげのかさ〜♪」
神様「!?」ゲシッ ゲシッ ゲシッ
神使「痛い! 痛いです! すいません」
友「・・・・・・」
村長「茜は真っ赤ですね、それは血のように」
神使「・・・・・・はぁ」
村長「茜で染めたタスキ、昔は止血として使われてもいます」
友「・・・・・・まぁ」
村長「そして、笠。 丁度この社務所のように立派な形をしているんじゃないですかね? 太くて先が笠のようになって」
神様「・・・・・・ぁぅ///」
679: ◆8YCWQhLlF2 :2017/08/17(木) 00:29:10 ID:Yddk5ylg
村長「まとめます」
村長「八十八夜にこの神社ではある神事があったはずです」
村長「その奇祭では男は裸。 もうボウボウと茂った立派で勇ましい若い男」
村長「そして、中央には3つの※印が付いたものが縦一列に、中央がメインでしょうな」
村長「茶摘み、これは茶入の事だと思います。 隠語で女性の大切な場所の事です」
村長「そして、そこがあかね色に染まる───」
神様「シャウエッセン!! もう良い! もう良いって分かったよ! 何だよそれ・・・///」
村長「きっと、この祭りの伝承を茶摘み歌に託したのでしょう」
友「なるほど、と言う事はあの石像も・・・」
村長「はい、神事化した際に女性と見立てたものだと思います」
神様「シャウエッセン!」
神使「随分と変わった神事なんですね・・・」
680: ◆8YCWQhLlF2 :2017/08/17(木) 00:30:07 ID:Yddk5ylg
村長「似たような奇祭が別の村にもあります。 その地区の昔の初夜についての伝承です」
神様「え? 初夜!?」
神使「という事は婚礼に関わる儀式という事ですか?」
村長「はい、忌み祭でなく夫婦を誓うとても幸せで大切な神事です。 町の人に囲まれて行われるんです」
神様「なら良いけど・・・ って良くねーよ! なんでそんな衆人環視でやるんだよ! どんだけ見られたいの?」
村長「今とは価値観も違いますから。 村の習わしで、村から出た事のない民は抵抗すらなかったのでしょう」
神様「ちょっと待って? って事は埋蔵金は?」
神使「この歌の歌詞を見る限りでは埋蔵金の事は差していないと思います。 伝承歌ですから」
神様「うぅ〜 私の埋蔵金・・・」ガクッ
神使「神様の物ではありません」
681: ◆8YCWQhLlF2 :2017/08/17(木) 00:30:50 ID:Yddk5ylg
村長「しかし、気になる事があります」
友「なんですか?」
村長「私も民俗学者として、神職として様々な神社を見てきましたが・・・ この花摘み神社の設計は明らかに変です」
神様「そう! トイレが本殿なんて変だよ!」
村長「この神社の設計者ですが、からくり技師だった可能性があるんです」
神様「からくり技師?」
村長「はい、彼は様々な山車のからくりを考案した天才で生前に1社だけ神社設計をしたと記録があるのです」
神使「それがこの神社だと言うんですか?」
村長「分かりません。 しかし、彼はこの村出身だったと考えられているんです」
友「だとすると、この神社を設計した可能性が高いですね」
神使「そう言えば、小宝池の用水路もトリックじみた感じの作りですよね」
682: ◆8YCWQhLlF2 :2017/08/17(木) 00:31:42 ID:Yddk5ylg
神様「あっ、そう言えばトイレ本殿がウォシュレットだった」
神使・村長・友「え!?」
神様「何か取っ手引いたら水が勢いよく噴き出してきてビックリして飛び跳ねたから床が抜けて落ちたんだよ」
神使「友さん、本殿のトイレは改築や修繕などは行われているのですか?」
友「いや、重要文化財で勝手にはいじれないし出来た当時のままを維持しているはずだ」
神様「でも、あれウォシュレットだよ? 川の水で冷たかったけど」
村長「・・・からくりの可能性がありますね」
神使「と言う事は、この神社には何か別の隠された物があると言う事でしょうか?」
村長「・・・歌詞の2番です」
神様「そう言えば、茶摘み歌って2番があるね」
村長「はい。 この神社の別の秘密が2番に隠されているのではと」
神様「シャウエッセン!」
683: 以下、名無しが深夜にお送りします :2017/08/17(木) 01:09:17 ID:3h45/jNI
千年単位で生きてるのにウブな神ちゃんかわゆい
犬は爆発してどうぞ
684: 以下、名無しが深夜にお送りします :2017/08/17(木) 01:25:52 ID:Es.6SWjY
シャウエッセン…(意味深)
685: 以下、名無しが深夜にお送りします :2017/08/17(木) 04:37:11 ID:jyaTbxLM
犬ころが羨ましい
689: ◆8YCWQhLlF2 :2017/08/18(金) 22:23:22 ID:5mqrCtHE
村長「歌詞の2番です」
神様「・・・・・・」
神使「あれ? 神様、歌わないんですか?」
神様「・・・知らない」ボソッ
友「日和(ひより)つづきの今日このごろを
心のどかに摘みつつ歌ふ
摘めよ摘め摘め摘まねばならぬ
摘まにゃ日本(にほん)の茶にならぬ」
村長「ありがとうございます」
神様「いえいえ」ペコリ
友「!?」
690: ◆8YCWQhLlF2 :2017/08/18(金) 22:24:35 ID:5mqrCtHE
村長「先ほどのお話しの中で出てきた単語が入っています」
神様「ん?」
神使「のどか・・・」
村長「そうです」
神様「長閑(のどか)の舞!」
友「確かに・・・」
村長「関係がありそうですよね?」
神使「しかし、それ以外の言葉に思い当たる節が・・・」
村長「3節目の歌詞が気になります」
神使「摘めよ摘め摘め摘まねばならぬ。 ですか?」
691: ◆8YCWQhLlF2 :2017/08/18(金) 22:25:19 ID:5mqrCtHE
神様「摘む・・・ あっ!」
神使「どうされました?」
神様「摘んだか!」
神使「はい?」
神様「いや、取っ手の横に“摘んだか”って字が掘ってあったんだよ」
神使「取っ手ってウォシュレットの取っ手ですか?」
神様「うん」
村長「・・・・・・」
神使「何か関係があるんでしょうか?」
692: ◆8YCWQhLlF2 :2017/08/18(金) 22:29:39 ID:5mqrCtHE
村長「再現してみましょう」
神様「トイレでお花摘む?」
村長「その前に歌詞の1番から順を追って再現しないとダメなような気がします」
神使「歌詞の1番って・・・」
友「さすがにそれは・・・」
神様「いくら私でも周りに人がいるとちょっと恥ずかしいなぁ〜 ねぇ、神使君?」ポッ
神使「・・・・・・」
村長「いえ・・・ 行為は必要ありませんので・・・ と言いますか舞でないとダメだと思います」
神様「あぁ〜 舞だけで良いんだ、残念。 神使くんのフランクフルトは出番なしか」
友「フランク!? 神使、お前ってそんなに・・・」
神使「何言っているんですか友さん・・・」
神様「安心するんだ友くん、神使くんの普段はポークビッツだ。 フランクフルトになるのは朝起き───」
神使「やめてください!」
友「・・・・・・」
693: 以下、名無しが深夜にお送りします :2017/08/19(土) 03:35:01 ID:HVMwU86o
神ちゃんチェックしてたのか
694: 以下、名無しが深夜にお送りします :2017/08/19(土) 06:37:59 ID:pvVxDcdY
※重要事項!重要事項!
神使・見た目二十代前半
神ちゃん・見た目中学生〜高校生前半
つまり犬ころは...
695: ◆8YCWQhLlF2 :2017/08/21(月) 01:29:18 ID:CoQTw086
村長「えっと・・・ この辺りは最近お天気はどうでしたか?」
神使「え? お天気ですか?」
神様「快晴、ずっと良い天気だった」
村長「雨は降っていないんですね?」
友「はい、何か関係が?」
村長「“日より続きの”と歌詞にありますから、できるだけその状態が良いかと」
友「でしたら問題ありません。 取水制限が起こりそうなほど水不足です」
696: ◆8YCWQhLlF2 :2017/08/21(月) 01:30:30 ID:CoQTw086
村長「それと、八十八夜の神事の“長閑の舞”が出来る方はおられますでしょうか」
友「巫女ちゃんを呼びましょうか?」
神様「いや、私が舞う」
神使「神様が?」
神様「巫女ちゃんに教えてもらったし」
神使「しかし、石畳の順番もありますよ?」
神様「私を誰だと思ってるわけ? 巫女舞に関しては誰にも負けないのだ!」フンスッ
697: ◆8YCWQhLlF2 :2017/08/21(月) 01:31:22 ID:CoQTw086
─── 社務所前
村長「それでは、神事と同く再現してみましょう」
友「石像を動かします」
神使「手伝います」
ゴリゴリ ゴリゴリ
友「この並びが神事と同じものです」
神使「参道に向かって縦一列ですね」
村長「それでは神様、準備はよろしいでしょうか」
神様「おうよ! いつでもオッケー」
村長「ではお願いします」
神使「仮に歌の方に合わせて神社名を変えたとなると、その時に初めてこの歌が秘密の歌として効力を発揮します」
友「つまり、埋蔵金は茶摘み神社時代ではなく花摘み神社時代に出来上がったと?」
神使「いえ、時代的にそれはないとは思うのですが・・・ なにか引っかかるんですよね・・・」
友「この辺は特に民間信仰が強かったから、何か別の意味があるのかもな」
神使「民間信仰ですか・・・」
神様「あっ、だったら専門家に聞けば良いんじゃない?」
神使「専門家?」
神様「ほら、民俗学の第一人者に知り合いがいるじゃん」
神使「・・・まさか」
671: ◆8YCWQhLlF2 :2017/08/17(木) 00:21:21 ID:Yddk5ylg
─── 翌日
村長「お久しぶりです」ペコリ
神様「おひさ〜」
神使「ご無沙汰しております。 たぬ吉さんはお元気ですか?」
村長「はい、毎日ご立派にお務めを行っております」
神様「たぬきのお務めって何だよ・・・」
神使「友さん、ご紹介します。 こちら村長さんで“こわこわ神社”の宮司さんと、村の村長さんを兼任されています」
神様「兼、神宮の民俗学研究担当なのだ!」
672: ◆8YCWQhLlF2 :2017/08/17(木) 00:21:56 ID:Yddk5ylg
友「はじめまして、花摘み神社の管理を任されております友と申します」
村長「ご丁寧にどうも。 しかし中々興味深い神社ですね」
神様「でしょ? で、早速で悪いんだけどさぁ〜」
村長「私にお手伝いできる事があれば何なりと」
神使「実は村長さんのご意見を伺いたい事がありまして」
友「とりあえず社務所の方へ。 詳しくお話しいたします」
673: ◆8YCWQhLlF2 :2017/08/17(木) 00:23:03 ID:Yddk5ylg
─── 社務所
村長「なるほど・・・」
神使「いかがでしょうか?」
村長「非常に興味深いお話しですね」
神様「これ間違いなく埋蔵金だよね!」
村長「茶摘み歌がこの神社の事をうたっているのは間違いないと思います」
神様「やっぱり? さすが私の推理力も大したもんだ!」カッカッカッ
神使「村長さんの考えをお聞かせ頂けないでしょうか?」
村長「まだ仮説ですが紐解いていって見ましょう。 まず、茶摘み歌1番の3節目を見て下さい」
674: ◆8YCWQhLlF2 :2017/08/17(木) 00:23:47 ID:Yddk5ylg
神様「あれに見えるは〜 茶摘みぢやないか〜♪」
村長「ありがとうございます」
神様「どういたしまして」ペコリ
村長「これは、茶摘み神社の事です」
神使「私達もそう思ったのですが・・・」
友「直球で場所をバラすような事をするのは変ではないかという結論に至りまして」
村長「そうですね。 厳密に言えばこの神社の事を指してる訳ではないと思います」
神様「え?」
神使「どういう事です?」
村長「隠語です」
神様「隠語?」
村長「1番の第1節に戻ります」
神様「夏も近づく〜 八十八夜〜♪」
村長「どうも」
神様「いえいえ」ペコリ
村長「八十八。 これはお米ですね。 88歳が米寿と言われる所以でもあります」
神様「社務所の前に※印の石碑があるんだよ」
村長「先ほど私も見ました。 両隣には2つの石像がありますね」
友「はい」
676: ◆8YCWQhLlF2 :2017/08/17(木) 00:25:44 ID:Yddk5ylg
村長「八十八夜に行われる巫女舞の祭事写真はありますか?」
神使「神宮の資料に確か・・・」ペラッ
村長「なるほど・・・ 見て下さい、石碑の位置を」
神様「あれ? 縦に並んでる」
神使「今は横並びですよね?」
友「あ〜 神事の時には左右の石碑を移動させて横位置から縦位置にするんです」
村長「理由はご存じですか?」
友「いいえ、伝承でそのようにと」
村長「ちなみにこの舞は何という名だかお分かりに?」
神様「長閑の舞」
村長「のどか・・・ なるほど」
神使「何か気になる事でも?」
677: ◆8YCWQhLlF2 :2017/08/17(木) 00:26:34 ID:Yddk5ylg
村長「その前に、第2節に戻りましょう」
神様「野にも山にも〜 若葉が茂る〜♪」
村長「恐れ入ります」
神様「なんのなんの」ペコリ
神使「茂る・・・」
村長「はい。 茂っているんです。 ボウボウと」
神様「ボウボウ?」
村長「はい、それはもうボウボウです」
神様「嫌だな村長〜 ひ・わ・い!」
村長「はい、かなり卑猥ですね」
神様「?」
678: ◆8YCWQhLlF2 :2017/08/17(木) 00:27:37 ID:Yddk5ylg
村長「1番の最後、第4節」
神様「茜だ───」
神使「あかねだすきに〜 すげのかさ〜♪」
神様「!?」ゲシッ ゲシッ ゲシッ
神使「痛い! 痛いです! すいません」
友「・・・・・・」
村長「茜は真っ赤ですね、それは血のように」
神使「・・・・・・はぁ」
村長「茜で染めたタスキ、昔は止血として使われてもいます」
友「・・・・・・まぁ」
村長「そして、笠。 丁度この社務所のように立派な形をしているんじゃないですかね? 太くて先が笠のようになって」
神様「・・・・・・ぁぅ///」
679: ◆8YCWQhLlF2 :2017/08/17(木) 00:29:10 ID:Yddk5ylg
村長「まとめます」
村長「八十八夜にこの神社ではある神事があったはずです」
村長「その奇祭では男は裸。 もうボウボウと茂った立派で勇ましい若い男」
村長「そして、中央には3つの※印が付いたものが縦一列に、中央がメインでしょうな」
村長「茶摘み、これは茶入の事だと思います。 隠語で女性の大切な場所の事です」
村長「そして、そこがあかね色に染まる───」
神様「シャウエッセン!! もう良い! もう良いって分かったよ! 何だよそれ・・・///」
村長「きっと、この祭りの伝承を茶摘み歌に託したのでしょう」
友「なるほど、と言う事はあの石像も・・・」
村長「はい、神事化した際に女性と見立てたものだと思います」
神様「シャウエッセン!」
神使「随分と変わった神事なんですね・・・」
680: ◆8YCWQhLlF2 :2017/08/17(木) 00:30:07 ID:Yddk5ylg
村長「似たような奇祭が別の村にもあります。 その地区の昔の初夜についての伝承です」
神様「え? 初夜!?」
神使「という事は婚礼に関わる儀式という事ですか?」
村長「はい、忌み祭でなく夫婦を誓うとても幸せで大切な神事です。 町の人に囲まれて行われるんです」
神様「なら良いけど・・・ って良くねーよ! なんでそんな衆人環視でやるんだよ! どんだけ見られたいの?」
村長「今とは価値観も違いますから。 村の習わしで、村から出た事のない民は抵抗すらなかったのでしょう」
神様「ちょっと待って? って事は埋蔵金は?」
神使「この歌の歌詞を見る限りでは埋蔵金の事は差していないと思います。 伝承歌ですから」
神様「うぅ〜 私の埋蔵金・・・」ガクッ
神使「神様の物ではありません」
681: ◆8YCWQhLlF2 :2017/08/17(木) 00:30:50 ID:Yddk5ylg
村長「しかし、気になる事があります」
友「なんですか?」
村長「私も民俗学者として、神職として様々な神社を見てきましたが・・・ この花摘み神社の設計は明らかに変です」
神様「そう! トイレが本殿なんて変だよ!」
村長「この神社の設計者ですが、からくり技師だった可能性があるんです」
神様「からくり技師?」
村長「はい、彼は様々な山車のからくりを考案した天才で生前に1社だけ神社設計をしたと記録があるのです」
神使「それがこの神社だと言うんですか?」
村長「分かりません。 しかし、彼はこの村出身だったと考えられているんです」
友「だとすると、この神社を設計した可能性が高いですね」
神使「そう言えば、小宝池の用水路もトリックじみた感じの作りですよね」
682: ◆8YCWQhLlF2 :2017/08/17(木) 00:31:42 ID:Yddk5ylg
神様「あっ、そう言えばトイレ本殿がウォシュレットだった」
神使・村長・友「え!?」
神様「何か取っ手引いたら水が勢いよく噴き出してきてビックリして飛び跳ねたから床が抜けて落ちたんだよ」
神使「友さん、本殿のトイレは改築や修繕などは行われているのですか?」
友「いや、重要文化財で勝手にはいじれないし出来た当時のままを維持しているはずだ」
神様「でも、あれウォシュレットだよ? 川の水で冷たかったけど」
村長「・・・からくりの可能性がありますね」
神使「と言う事は、この神社には何か別の隠された物があると言う事でしょうか?」
村長「・・・歌詞の2番です」
神様「そう言えば、茶摘み歌って2番があるね」
村長「はい。 この神社の別の秘密が2番に隠されているのではと」
神様「シャウエッセン!」
683: 以下、名無しが深夜にお送りします :2017/08/17(木) 01:09:17 ID:3h45/jNI
千年単位で生きてるのにウブな神ちゃんかわゆい
犬は爆発してどうぞ
684: 以下、名無しが深夜にお送りします :2017/08/17(木) 01:25:52 ID:Es.6SWjY
シャウエッセン…(意味深)
685: 以下、名無しが深夜にお送りします :2017/08/17(木) 04:37:11 ID:jyaTbxLM
犬ころが羨ましい
689: ◆8YCWQhLlF2 :2017/08/18(金) 22:23:22 ID:5mqrCtHE
村長「歌詞の2番です」
神様「・・・・・・」
神使「あれ? 神様、歌わないんですか?」
神様「・・・知らない」ボソッ
友「日和(ひより)つづきの今日このごろを
心のどかに摘みつつ歌ふ
摘めよ摘め摘め摘まねばならぬ
摘まにゃ日本(にほん)の茶にならぬ」
村長「ありがとうございます」
神様「いえいえ」ペコリ
友「!?」
690: ◆8YCWQhLlF2 :2017/08/18(金) 22:24:35 ID:5mqrCtHE
村長「先ほどのお話しの中で出てきた単語が入っています」
神様「ん?」
神使「のどか・・・」
村長「そうです」
神様「長閑(のどか)の舞!」
友「確かに・・・」
村長「関係がありそうですよね?」
神使「しかし、それ以外の言葉に思い当たる節が・・・」
村長「3節目の歌詞が気になります」
神使「摘めよ摘め摘め摘まねばならぬ。 ですか?」
691: ◆8YCWQhLlF2 :2017/08/18(金) 22:25:19 ID:5mqrCtHE
神様「摘む・・・ あっ!」
神使「どうされました?」
神様「摘んだか!」
神使「はい?」
神様「いや、取っ手の横に“摘んだか”って字が掘ってあったんだよ」
神使「取っ手ってウォシュレットの取っ手ですか?」
神様「うん」
村長「・・・・・・」
神使「何か関係があるんでしょうか?」
692: ◆8YCWQhLlF2 :2017/08/18(金) 22:29:39 ID:5mqrCtHE
村長「再現してみましょう」
神様「トイレでお花摘む?」
村長「その前に歌詞の1番から順を追って再現しないとダメなような気がします」
神使「歌詞の1番って・・・」
友「さすがにそれは・・・」
神様「いくら私でも周りに人がいるとちょっと恥ずかしいなぁ〜 ねぇ、神使君?」ポッ
神使「・・・・・・」
村長「いえ・・・ 行為は必要ありませんので・・・ と言いますか舞でないとダメだと思います」
神様「あぁ〜 舞だけで良いんだ、残念。 神使くんのフランクフルトは出番なしか」
友「フランク!? 神使、お前ってそんなに・・・」
神使「何言っているんですか友さん・・・」
神様「安心するんだ友くん、神使くんの普段はポークビッツだ。 フランクフルトになるのは朝起き───」
神使「やめてください!」
友「・・・・・・」
神ちゃんチェックしてたのか
694: 以下、名無しが深夜にお送りします :2017/08/19(土) 06:37:59 ID:pvVxDcdY
※重要事項!重要事項!
神使・見た目二十代前半
神ちゃん・見た目中学生〜高校生前半
つまり犬ころは...
695: ◆8YCWQhLlF2 :2017/08/21(月) 01:29:18 ID:CoQTw086
村長「えっと・・・ この辺りは最近お天気はどうでしたか?」
神使「え? お天気ですか?」
神様「快晴、ずっと良い天気だった」
村長「雨は降っていないんですね?」
友「はい、何か関係が?」
村長「“日より続きの”と歌詞にありますから、できるだけその状態が良いかと」
友「でしたら問題ありません。 取水制限が起こりそうなほど水不足です」
696: ◆8YCWQhLlF2 :2017/08/21(月) 01:30:30 ID:CoQTw086
村長「それと、八十八夜の神事の“長閑の舞”が出来る方はおられますでしょうか」
友「巫女ちゃんを呼びましょうか?」
神様「いや、私が舞う」
神使「神様が?」
神様「巫女ちゃんに教えてもらったし」
神使「しかし、石畳の順番もありますよ?」
神様「私を誰だと思ってるわけ? 巫女舞に関しては誰にも負けないのだ!」フンスッ
697: ◆8YCWQhLlF2 :2017/08/21(月) 01:31:22 ID:CoQTw086
─── 社務所前
村長「それでは、神事と同く再現してみましょう」
友「石像を動かします」
神使「手伝います」
ゴリゴリ ゴリゴリ
友「この並びが神事と同じものです」
神使「参道に向かって縦一列ですね」
村長「それでは神様、準備はよろしいでしょうか」
神様「おうよ! いつでもオッケー」
村長「ではお願いします」
神様「神様だっ!」 神使「神力ゼロですが・・・」
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