魔法使い「メラしか使えない」
Part6
73 : ◆J9pjHtW.ylNB :2014/12/07(日) 22:50:50.72 ID:i1fryCAAO
私は勇者に竜の肉を振る舞った
今日は竜のテールスープ
その日は塔に泊まる
次の日から、キメラの翼を用意して無かったこともあって歩いて帰る
長い道のりだがお姫様も自分自身の足で歩く
お姫様も逞しくなってきた
私達はエルフの森に向かい、南の国との戦争を止める
二人は王の侵略行為を止める
そう言う方針で行くことにした
私の呪いもエルフなら解けるかも知れない
呪いを解くヒントも幾つか見つけた
導師と女兵士も私に着いてきてくれるし
きっと何とかなるはずだ
私は勇者にドラゴンを倒すまでの経緯を話しておいた
勇者はしきりに感心していた
帰り道の戦闘では勇者も十分な強さを見せてくれた
流石は勇者だ
呪いが解けたら、勇者と旅しても良かったかも知れない
あの二人が居なければ
お人好しな彼も流石に愛想が尽きただろう
でももうそれは無理だ
もう勇者はお姫様の物だ
それでいい
私が呪いを解いたら、どうするだろう
メラしか使えない、この呪いを解いたら
…………貴様の魔力はいずれ災禍の種となる…………
74 : ◆J9pjHtW.ylNB :2014/12/07(日) 22:57:15.86 ID:i1fryCAAO
今回はここまでです
レスありがとうございます
誤字とかすみません
次の更新は一週間か二週間くらいかかります
気長にお待ち下さい
またよろしくお願いします
75 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/12/07(日) 23:00:37.34 ID:D1BNr5mso
乙
すげー面白い。最後これで終わりかと思ってちょっと焦ったわぁ
76 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/12/07(日) 23:00:56.81 ID:6qXxMYtcO
乙
普通に考えればお預けはご褒美だけど、ここでのお預けはご褒美ではない、ただの苦痛だ…
77 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/12/07(日) 23:04:27.67 ID:Yslbqo+UO
乙
心地よいテンポだ…
78 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/12/08(月) 07:21:46.07 ID:C11zAVzto
乙
ドラゴンさん……成仏してね
ゆっくり待ってます
79 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/12/08(月) 10:12:48.67 ID:K+4mziqWO
飯テロSSすぎて笑った
80 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/12/09(火) 21:34:34.74 ID:PhvpIuR60
ちょっとドラゴンの肉とってくる
82 : ◆J9pjHtW.ylNB :2014/12/14(日) 00:45:49.20 ID:cFZqRu7AO
レスありがとうございます!
お待たせしました
食べ物が美味しそうな時代小説とか好きなんでそういう傾向になります
今回はご飯要素低めです
更新します
83 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/12/14(日) 00:47:14.13 ID:R6EVep6Zo
待ってた。
84 : ◆J9pjHtW.ylNB :2014/12/14(日) 00:48:05.32 ID:cFZqRu7AO
帰路、夜の見張りの間にメラの応用が出来ないか練習してみる
例えば空中に留めたり、逆に高速で打ち出したり、いくつかぶつけ合わせたり
そんなことをしていると勇者が見にきた
勇者「メラしか使えない」
勇者「……のに、良くもここまで応用が利くものだね」
魔法使い「メラしか使えないから、やらないと」
勇者「連続魔法のコツみたいなもの有るの?」
魔法使い「……ん〜?」
魔法使い「溢れ出る魔力に任せて呪文に転換する」
魔法使い「そもそもこの呪いは私の魔力を封じるためにかけられた物らしい」
勇者「そうなのか」
かけた本人が言っていたから間違いない
災禍の種と言われた極端に高い魔力
そして私が死ぬと他に魔力が移る
この呪いの穴はそこにある
回復や防御のような保護の力はこの壁を通れるのだ
しかし複雑な呪い
どうすれば解けるかは見当もつかない
勇者「その呪いを解く力になりたいな」
魔法使い「……勇者は優しいね」
魔法使い「でもこれからはお姫様にだけ優しくしてあげて」
魔法使い「ほら、私は肉と見れば魔物にも食らいつく女だから」
勇者「あはははっ!」
85 : ◆J9pjHtW.ylNB :2014/12/14(日) 00:50:30.15 ID:cFZqRu7AO
なぜそこで笑うのか
少し顔が熱い
勇者に見張りを任せて、今日は寝ることにする
城へと二人を送ると私達はエルフの森までの計画を練った
女兵士「途中城塞都市を抜けて行かないと駄目なんで、手形の準備してきます」
導師「ありがとう」
魔法使い「悪いね」
魔王の土地が近いのだからそういった物があるのも当然か
しかしお姫様をさらう程度の可愛いいたずらをしてくる魔王が、戦争を仕掛けてくるとは思えない
あっさり侵攻を許したり、兵力が足りていないのだろうか?
翌朝私達はキメラの翼を使いドラゴンの骨を回収
いい路銀になった
余った肉は残念ながら腐りもきていたので土に埋めてきた
まだ干し肉はあるけど
整備された街道をロバを引き、歩く
導師「ロバ車もついて快適になりましたね」
女兵士「干し肉を吊しまくった姿は異様だったしね……」
魔法使い「お金はたっぷり有るしこの辺りは都会、全く困らなくはあるのだけど」
導師「なんだか、つまらないですよね」
女兵士「分かる」
やがて城塞都市に辿り着く
一泊だけして通過
ここから更に東には魔王領
南西にはエルフと戦う南の国
南にはエルフの森
86 : ◆J9pjHtW.ylNB :2014/12/14(日) 00:52:11.61 ID:cFZqRu7AO
魔法使い「まぁ、真っ直ぐエルフの森かな?」
女兵士「何か食べるもの有りますかね?」
魔法使い「女兵士ちゃんも随分このパーティーに染まったな、ふふっ」
導師「感性が野人になって行きますね」
森に入って最初に出会ったのは
マージマタンゴだ
憧れ?の
魔法使い「高速メラ」
私は一撃でマージマタンゴを仕留めた
繊維に沿ってさくっと裂いて串に刺し
導師「だめえええっ!」
魔法使い「おうふっ」
激しく導師に止められた
わりと胸があった
どうでも良いが
魔法使い「大丈夫、多分キアリーとかの毒消しの魔法は効く」
女兵士「そういう問題?!」
私は二人が止めるのも聞かず裂いたマージマタンゴ肉を炙る
匂いは悪くない
導師「食べない食べない食べないこれは食べない」
女兵士「私も無理っすわ……」
魔法使い「ミミズ肉よりは良いはず」
女兵士「まさかミミズ肉も……」
魔法使い「食ったことは無いよ?」
とにかくしっかりと火を通したマタンゴ肉に塩だけ振り、かじる
魔法使い「おおっ……食える」
導師「キアリー!キアリー!」
87 : ◆J9pjHtW.ylNB :2014/12/14(日) 00:53:54.89 ID:cFZqRu7AO
導師「変な幻覚が出たらどうするんですか!」
魔法使い「ん〜、呪いがあるから多分弾かれると思うんだよね」
女兵士「それお師さんだけっすよね」
魔法使い「仕方ないな、他の食料も探すか」
既に魔物イコール食料になってるのはなんか問題ある気もするが
その後泥の魔物や木の魔物は出て来るが、食べられそうな魔物がなかなかいない
オークは……
女兵士「獣人は勘弁してください」
と言う事なので、やめた
巨人食べたくせに
とりあえず二人は干し肉を食べた
しかし森の中は方向が分かりづらい
今どの辺りだろう?
歩いている道はほとんど獣道
ロバ車もギリギリの道幅だ
どこからか人の声が聞こえる
前から駆けてきたのはエルフの娘だった
エルフ娘「た、助け……」
どうやら人間の兵士に追われているようだ
女兵士「南の国の兵士っすね」
導師「まさかエルフを拐かそうと……」
魔法使い「高速メラメラメラメラメラ」
五人ほどの兵士たちを先制でぐうの音も出なくなるまで叩きのめした
エルフの娘は女兵士に抱きついて震えている
88 : ◆J9pjHtW.ylNB :2014/12/14(日) 00:55:46.20 ID:cFZqRu7AO
魔法使い「どうしたの?」
出来るだけ優しく聞く
エルフ娘「森で木の実を拾っていたら……突然襲われて……」
導師「もう大丈夫ですよ」
女兵士「こいつらどうする?」
魔法使い「縛って小川に投げ込む」
女兵士「流石えげつない」
魔法使い「尊敬?」
女兵士「尊敬はしないっす、魔法以外は」
ここで私は悪癖を発揮してエルフ娘にドラゴンの干し肉を振る舞う
エルフ娘「お、美味しい」
女兵士「エルフって肉食うんだ?」
導師「狩人とかいますし食べるのでは?」
魔法使い「小食みたいだけど」
エルフ娘「これ……なんのお肉でしょう?」
魔法使い「ドラゴン肉」
エルフ娘「えっ」
魔法使い「ドラゴン肉」
エルフ娘の絶叫が響いたが、ちゃんと出された分は食べた
魔法使い「早速本題なのだけど、私の呪いを解ける人を探している」
エルフ娘「あなたの呪い……ん?」
エルフ娘「それは呪いなのですか?」
ん?
エルフ娘「……ちょっと私では無理ですが、長老になら出来るかも……」
魔法使い「会える?」
エルフ娘「助けていただいたお礼に、話をしてみます」
魔法使い「有り難い」
89 : ◆J9pjHtW.ylNB :2014/12/14(日) 00:57:36.44 ID:cFZqRu7AO
導師「一目見ただけで呪いの種類が分かったんですか?」
エルフ娘「はい、私達には魔力が色濃く見えますので」
女兵士「大出力の魔力だと色が着いて見えるっすね」
エルフ娘「はい、私達はそれが更にはっきりと」
それより気になることがある
魔法使い「呪いじゃないの、これ?」
エルフ娘「いえ、呪いと言えば呪いなのですが……保護する性質の呪いなんて有るんですかね?」
魔法使い「この呪いをかけた人は私が死ぬと困るようで」
導師「……なるほど、保護……」
導師「呪いと言うより祈りに近い物……だとすると解呪は効果無いですよね」
エルフ娘「後は長老に会ってから聞いてみて下さい」
魔法使い「ん、案内よろしく」
エルフの娘はなんとかロバ車の通れる道を通り、エルフの国に導いてくれた
エルフの長老ってすごい人見知りだろうな
人間に侵略されているわけだし
エルフ長老「いらっしゃひゃっほーーーっ!!」
導師「!?」
女兵士「なんかハイテンションなのが来たっすね」
魔法使い「予想を裏切ってきた」
エルフ長老「えっ、なんでなんで?」
エルフ長老「妖精は本来陽気なんだよ〜!」
90 : ◆J9pjHtW.ylNB :2014/12/14(日) 00:59:22.81 ID:cFZqRu7AO
疲れるタイプだが、人間の愚王よりずっといい
それにしても長老で有りながら若い女性とは
エルフと言うのは本当に長命なのだなあ
魔法使い「何か仕事ある?」
エルフ長老「ほへっ?」
女兵士「いきなりっすね」
エルフ長老「なるほど、その呪いを解いて欲しいからなんか仕事すると」
エルフ長老「とけねーよそれ」
はっきり返された
エルフ長老「ああ、仕事はあるの、南の国と和平結んで欲しい」
魔法使い「いいよ」
導師「で、でも呪いを解けないんじゃ……」
エルフ長老「解けるかもな人紹介しちゃう!」
導師「そ、それなら良いですけど」
魔法使い「停戦は元々の方針でもあるし」
魔法使い「呪いを解ける解けないじゃなく、メリットが有るか無いかだと」
魔法使い「醜い略奪をやめさせるのは私にもメリットがある」
女兵士「まあ旅したり獲物取ったりするのに人間の兵隊や戦争は邪魔っすね」
魔法使い「分かってきたね」
女兵士「自由大好きっすもんね」
争いは私がやる物だ
なんだかそんな風に思った
エルフ長老「助かる〜!」
エルフ長老「じゃあじゃあ、エルフの兵士一人連れてく?」
91 : ◆J9pjHtW.ylNB :2014/12/14(日) 01:01:13.25 ID:cFZqRu7AO
女兵士「ああ、前衛は助かるっす!」
エルフ長老「まあエルフだし体力無いけどー、わりと力持ちな子でー」
喋り方が苛ついてきた
まあ良いけど
長老は娘にエルフの兵士を呼ばせた
魔法使い「そう言えば長老に一つ聞きたいことが」
エルフ長老「何々〜?」
魔法使い「マージマタンゴの食べ方」
導師「やめてください」
女兵士「何故こだわる」
エルフ長老「マージマタンゴね〜、塩漬けにしたら美味いよ〜」
導師「え、毒は?」
エルフ長老「河豚毒は塩蔵一年くらいかかるけどマタンゴは三カ月も塩漬けしたら抜ける〜」
エルフ長老「塩蔵せず食べ過ぎると中る〜」
女兵士「面倒っすね、つかやっぱり毒あるんだ」
導師「よし、食べない!」
エルフ長老「ちょうど塩蔵品あるよ〜」
導師「出さない!」
そこにエルフの女兵士がやってきた
エルフ兵「お待たせしました長老」
エルフ長老「ん〜、待ってたっけ〜?」
導師「待ってた待ってた」
エルフ長老「あっ、そっか〜、戦争止めてきて〜!」
エルフ兵「えっ」
エルフ長老「この人たち協力者〜」
なんだか乱暴に紹介された
エルフのイメージがだいぶ狂ったな
私は勇者に竜の肉を振る舞った
今日は竜のテールスープ
その日は塔に泊まる
次の日から、キメラの翼を用意して無かったこともあって歩いて帰る
長い道のりだがお姫様も自分自身の足で歩く
お姫様も逞しくなってきた
私達はエルフの森に向かい、南の国との戦争を止める
二人は王の侵略行為を止める
そう言う方針で行くことにした
私の呪いもエルフなら解けるかも知れない
呪いを解くヒントも幾つか見つけた
導師と女兵士も私に着いてきてくれるし
きっと何とかなるはずだ
私は勇者にドラゴンを倒すまでの経緯を話しておいた
勇者はしきりに感心していた
帰り道の戦闘では勇者も十分な強さを見せてくれた
流石は勇者だ
呪いが解けたら、勇者と旅しても良かったかも知れない
あの二人が居なければ
お人好しな彼も流石に愛想が尽きただろう
でももうそれは無理だ
もう勇者はお姫様の物だ
それでいい
私が呪いを解いたら、どうするだろう
メラしか使えない、この呪いを解いたら
…………貴様の魔力はいずれ災禍の種となる…………
74 : ◆J9pjHtW.ylNB :2014/12/07(日) 22:57:15.86 ID:i1fryCAAO
今回はここまでです
レスありがとうございます
誤字とかすみません
次の更新は一週間か二週間くらいかかります
気長にお待ち下さい
またよろしくお願いします
75 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/12/07(日) 23:00:37.34 ID:D1BNr5mso
乙
すげー面白い。最後これで終わりかと思ってちょっと焦ったわぁ
76 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/12/07(日) 23:00:56.81 ID:6qXxMYtcO
乙
普通に考えればお預けはご褒美だけど、ここでのお預けはご褒美ではない、ただの苦痛だ…
77 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/12/07(日) 23:04:27.67 ID:Yslbqo+UO
乙
心地よいテンポだ…
乙
ドラゴンさん……成仏してね
ゆっくり待ってます
79 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/12/08(月) 10:12:48.67 ID:K+4mziqWO
飯テロSSすぎて笑った
80 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/12/09(火) 21:34:34.74 ID:PhvpIuR60
ちょっとドラゴンの肉とってくる
82 : ◆J9pjHtW.ylNB :2014/12/14(日) 00:45:49.20 ID:cFZqRu7AO
レスありがとうございます!
お待たせしました
食べ物が美味しそうな時代小説とか好きなんでそういう傾向になります
今回はご飯要素低めです
更新します
83 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/12/14(日) 00:47:14.13 ID:R6EVep6Zo
待ってた。
84 : ◆J9pjHtW.ylNB :2014/12/14(日) 00:48:05.32 ID:cFZqRu7AO
帰路、夜の見張りの間にメラの応用が出来ないか練習してみる
例えば空中に留めたり、逆に高速で打ち出したり、いくつかぶつけ合わせたり
そんなことをしていると勇者が見にきた
勇者「メラしか使えない」
勇者「……のに、良くもここまで応用が利くものだね」
魔法使い「メラしか使えないから、やらないと」
勇者「連続魔法のコツみたいなもの有るの?」
魔法使い「……ん〜?」
魔法使い「溢れ出る魔力に任せて呪文に転換する」
魔法使い「そもそもこの呪いは私の魔力を封じるためにかけられた物らしい」
勇者「そうなのか」
かけた本人が言っていたから間違いない
災禍の種と言われた極端に高い魔力
そして私が死ぬと他に魔力が移る
この呪いの穴はそこにある
回復や防御のような保護の力はこの壁を通れるのだ
しかし複雑な呪い
どうすれば解けるかは見当もつかない
勇者「その呪いを解く力になりたいな」
魔法使い「……勇者は優しいね」
魔法使い「でもこれからはお姫様にだけ優しくしてあげて」
魔法使い「ほら、私は肉と見れば魔物にも食らいつく女だから」
勇者「あはははっ!」
85 : ◆J9pjHtW.ylNB :2014/12/14(日) 00:50:30.15 ID:cFZqRu7AO
なぜそこで笑うのか
少し顔が熱い
勇者に見張りを任せて、今日は寝ることにする
城へと二人を送ると私達はエルフの森までの計画を練った
女兵士「途中城塞都市を抜けて行かないと駄目なんで、手形の準備してきます」
導師「ありがとう」
魔法使い「悪いね」
魔王の土地が近いのだからそういった物があるのも当然か
しかしお姫様をさらう程度の可愛いいたずらをしてくる魔王が、戦争を仕掛けてくるとは思えない
あっさり侵攻を許したり、兵力が足りていないのだろうか?
翌朝私達はキメラの翼を使いドラゴンの骨を回収
いい路銀になった
余った肉は残念ながら腐りもきていたので土に埋めてきた
まだ干し肉はあるけど
整備された街道をロバを引き、歩く
導師「ロバ車もついて快適になりましたね」
女兵士「干し肉を吊しまくった姿は異様だったしね……」
魔法使い「お金はたっぷり有るしこの辺りは都会、全く困らなくはあるのだけど」
導師「なんだか、つまらないですよね」
女兵士「分かる」
やがて城塞都市に辿り着く
一泊だけして通過
ここから更に東には魔王領
南西にはエルフと戦う南の国
南にはエルフの森
86 : ◆J9pjHtW.ylNB :2014/12/14(日) 00:52:11.61 ID:cFZqRu7AO
魔法使い「まぁ、真っ直ぐエルフの森かな?」
女兵士「何か食べるもの有りますかね?」
魔法使い「女兵士ちゃんも随分このパーティーに染まったな、ふふっ」
導師「感性が野人になって行きますね」
森に入って最初に出会ったのは
マージマタンゴだ
憧れ?の
魔法使い「高速メラ」
私は一撃でマージマタンゴを仕留めた
繊維に沿ってさくっと裂いて串に刺し
導師「だめえええっ!」
魔法使い「おうふっ」
激しく導師に止められた
わりと胸があった
どうでも良いが
魔法使い「大丈夫、多分キアリーとかの毒消しの魔法は効く」
女兵士「そういう問題?!」
私は二人が止めるのも聞かず裂いたマージマタンゴ肉を炙る
匂いは悪くない
導師「食べない食べない食べないこれは食べない」
女兵士「私も無理っすわ……」
魔法使い「ミミズ肉よりは良いはず」
女兵士「まさかミミズ肉も……」
魔法使い「食ったことは無いよ?」
とにかくしっかりと火を通したマタンゴ肉に塩だけ振り、かじる
魔法使い「おおっ……食える」
導師「キアリー!キアリー!」
87 : ◆J9pjHtW.ylNB :2014/12/14(日) 00:53:54.89 ID:cFZqRu7AO
導師「変な幻覚が出たらどうするんですか!」
魔法使い「ん〜、呪いがあるから多分弾かれると思うんだよね」
女兵士「それお師さんだけっすよね」
魔法使い「仕方ないな、他の食料も探すか」
既に魔物イコール食料になってるのはなんか問題ある気もするが
その後泥の魔物や木の魔物は出て来るが、食べられそうな魔物がなかなかいない
オークは……
女兵士「獣人は勘弁してください」
と言う事なので、やめた
巨人食べたくせに
とりあえず二人は干し肉を食べた
しかし森の中は方向が分かりづらい
今どの辺りだろう?
歩いている道はほとんど獣道
ロバ車もギリギリの道幅だ
どこからか人の声が聞こえる
前から駆けてきたのはエルフの娘だった
エルフ娘「た、助け……」
どうやら人間の兵士に追われているようだ
女兵士「南の国の兵士っすね」
導師「まさかエルフを拐かそうと……」
魔法使い「高速メラメラメラメラメラ」
五人ほどの兵士たちを先制でぐうの音も出なくなるまで叩きのめした
エルフの娘は女兵士に抱きついて震えている
88 : ◆J9pjHtW.ylNB :2014/12/14(日) 00:55:46.20 ID:cFZqRu7AO
魔法使い「どうしたの?」
出来るだけ優しく聞く
エルフ娘「森で木の実を拾っていたら……突然襲われて……」
導師「もう大丈夫ですよ」
女兵士「こいつらどうする?」
魔法使い「縛って小川に投げ込む」
女兵士「流石えげつない」
魔法使い「尊敬?」
女兵士「尊敬はしないっす、魔法以外は」
ここで私は悪癖を発揮してエルフ娘にドラゴンの干し肉を振る舞う
エルフ娘「お、美味しい」
女兵士「エルフって肉食うんだ?」
導師「狩人とかいますし食べるのでは?」
魔法使い「小食みたいだけど」
エルフ娘「これ……なんのお肉でしょう?」
魔法使い「ドラゴン肉」
エルフ娘「えっ」
魔法使い「ドラゴン肉」
エルフ娘の絶叫が響いたが、ちゃんと出された分は食べた
魔法使い「早速本題なのだけど、私の呪いを解ける人を探している」
エルフ娘「あなたの呪い……ん?」
エルフ娘「それは呪いなのですか?」
ん?
エルフ娘「……ちょっと私では無理ですが、長老になら出来るかも……」
魔法使い「会える?」
エルフ娘「助けていただいたお礼に、話をしてみます」
魔法使い「有り難い」
89 : ◆J9pjHtW.ylNB :2014/12/14(日) 00:57:36.44 ID:cFZqRu7AO
導師「一目見ただけで呪いの種類が分かったんですか?」
エルフ娘「はい、私達には魔力が色濃く見えますので」
女兵士「大出力の魔力だと色が着いて見えるっすね」
エルフ娘「はい、私達はそれが更にはっきりと」
それより気になることがある
魔法使い「呪いじゃないの、これ?」
エルフ娘「いえ、呪いと言えば呪いなのですが……保護する性質の呪いなんて有るんですかね?」
魔法使い「この呪いをかけた人は私が死ぬと困るようで」
導師「……なるほど、保護……」
導師「呪いと言うより祈りに近い物……だとすると解呪は効果無いですよね」
エルフ娘「後は長老に会ってから聞いてみて下さい」
魔法使い「ん、案内よろしく」
エルフの娘はなんとかロバ車の通れる道を通り、エルフの国に導いてくれた
エルフの長老ってすごい人見知りだろうな
人間に侵略されているわけだし
エルフ長老「いらっしゃひゃっほーーーっ!!」
導師「!?」
女兵士「なんかハイテンションなのが来たっすね」
魔法使い「予想を裏切ってきた」
エルフ長老「えっ、なんでなんで?」
エルフ長老「妖精は本来陽気なんだよ〜!」
90 : ◆J9pjHtW.ylNB :2014/12/14(日) 00:59:22.81 ID:cFZqRu7AO
疲れるタイプだが、人間の愚王よりずっといい
それにしても長老で有りながら若い女性とは
エルフと言うのは本当に長命なのだなあ
魔法使い「何か仕事ある?」
エルフ長老「ほへっ?」
女兵士「いきなりっすね」
エルフ長老「なるほど、その呪いを解いて欲しいからなんか仕事すると」
エルフ長老「とけねーよそれ」
はっきり返された
エルフ長老「ああ、仕事はあるの、南の国と和平結んで欲しい」
魔法使い「いいよ」
導師「で、でも呪いを解けないんじゃ……」
エルフ長老「解けるかもな人紹介しちゃう!」
導師「そ、それなら良いですけど」
魔法使い「停戦は元々の方針でもあるし」
魔法使い「呪いを解ける解けないじゃなく、メリットが有るか無いかだと」
魔法使い「醜い略奪をやめさせるのは私にもメリットがある」
女兵士「まあ旅したり獲物取ったりするのに人間の兵隊や戦争は邪魔っすね」
魔法使い「分かってきたね」
女兵士「自由大好きっすもんね」
争いは私がやる物だ
なんだかそんな風に思った
エルフ長老「助かる〜!」
エルフ長老「じゃあじゃあ、エルフの兵士一人連れてく?」
91 : ◆J9pjHtW.ylNB :2014/12/14(日) 01:01:13.25 ID:cFZqRu7AO
女兵士「ああ、前衛は助かるっす!」
エルフ長老「まあエルフだし体力無いけどー、わりと力持ちな子でー」
喋り方が苛ついてきた
まあ良いけど
長老は娘にエルフの兵士を呼ばせた
魔法使い「そう言えば長老に一つ聞きたいことが」
エルフ長老「何々〜?」
魔法使い「マージマタンゴの食べ方」
導師「やめてください」
女兵士「何故こだわる」
エルフ長老「マージマタンゴね〜、塩漬けにしたら美味いよ〜」
導師「え、毒は?」
エルフ長老「河豚毒は塩蔵一年くらいかかるけどマタンゴは三カ月も塩漬けしたら抜ける〜」
エルフ長老「塩蔵せず食べ過ぎると中る〜」
女兵士「面倒っすね、つかやっぱり毒あるんだ」
導師「よし、食べない!」
エルフ長老「ちょうど塩蔵品あるよ〜」
導師「出さない!」
そこにエルフの女兵士がやってきた
エルフ兵「お待たせしました長老」
エルフ長老「ん〜、待ってたっけ〜?」
導師「待ってた待ってた」
エルフ長老「あっ、そっか〜、戦争止めてきて〜!」
エルフ兵「えっ」
エルフ長老「この人たち協力者〜」
なんだか乱暴に紹介された
エルフのイメージがだいぶ狂ったな