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魔法使い「メラしか使えない」

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Part3
34 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/12/07(日) 04:49:46.43 ID:4NNUKYSxo
新作だ!やっぱ面白い!

40 : ◆J9pjHtW.ylNB :2014/12/07(日) 21:10:21.31 ID:i1fryCAAO
いっぱいレスありがとうございます!
楽しんでいただけたら幸いです
魔法使いの思いとかはそのうち語られるかも?
寝落ちたらすみません
ゆっくり更新します

41 : ◆J9pjHtW.ylNB :2014/12/07(日) 21:15:37.61 ID:i1fryCAAO
導師「兎……」
魔法使い「食料……」
野性味溢れる導師と私は帰途に着いた
たくさん木の実やキノコも食べた
街に着いた時は野生児二人
異臭を漂わせながらギルドに帰る
導師「まずはお風呂に入りましょう……服は洗濯してもらいますので……」
導師は自分の異臭に気付いてトーンダウン
久しぶりにお風呂に入れるのは嬉しいがギルド長に獣導師の感想を聞きたかったな
二人で広い温泉に入った
しっかり臭いを洗い流して湯船に浸かる
ふう……
ゆっくりと浸かる……
たまには良いな……
導師「呪い解けたらいいですね」
魔法使い「うん……」
その後二人で洗いっこして風呂を出た
私は別に呪いが解けなくても良かった
旅をしていたかったから
寝間着のような服にカーディガンを羽織り、寝室に
ギルド長と会うのは明日になるようだ
食事を運んでもらい部屋で二人で食べる
導師「二人でゆっくり食事するのは良いものですね」
魔法使い「うん、美味しいね」
考えたら勇者以外とこんな風にのんびりすることは無かった
ベッドに入ってからも導師は色々喋っていた
私も色々、久しぶりに喋った

42 : ◆J9pjHtW.ylNB :2014/12/07(日) 21:21:09.36 ID:i1fryCAAO
翌日、朝からギルド長は何人か神官や魔導師を連れてきていた
私の体に魔力を当て呪いの状態をチェックしている
呪いを解く呪文やアイテムも惜しみなく使ってくれる
しかし、解呪系呪文を霧散させる効果のある呪いが重ねがけしてあるらしく、ほとんど効果を発揮しなかった
自分の呪いがどういう状態か分かっただけ良かったと思うしかない
後、この呪いをかけられそうな女性について聞いてみたが、こちらも皆心当たりが無いようだ
ギルド長「一つ有り得るとすれば、魔物ではないかと……」
導師「魔物が死に際に強力な呪詛を放つことは聞いたことがありますが……」
ギルド長「強力な魔神ならそれくらいの知識を持っているかも……」
なんの事はない
結局魔王に会いに行かないと駄目なのだ
勇者に誘われた時から運命で決まっていたのかも知れない
魔法使い「お世話になりました」
導師「では、行って参ります、ギルド長」
やっぱり着いてくるのか
良いんだけど
私はキメラの翼を使い、とりあえず港町まで帰った
ここから東に進むと城があり、更に山をいくつか超えると魔王の領地があるらしい
勇者達はどこまで進んだだろうか?

43 : ◆J9pjHtW.ylNB :2014/12/07(日) 21:23:31.63 ID:i1fryCAAO
港町で色々準備を済まし、東の城の城下町を目指す
また旅ができるのは、良いな
水を大量に運ぶために小さなロバを買った
小麦粉や各種調味料も載せた
これで飢えや渇きに悩まされず旅することができる
導師「えいえいおーっ!」
元気一杯の可愛い導師だが、三日もすれば獣導師に逆戻りだ
それもいい
変に人間らしく生きようとするのは窮屈だ
この頃から私は人より魔物に近くなっていた気がする
道すがら食べられそうな魔物を探す
小型の恐竜を見つけて、メラを二十数発叩き込む
こんがり焼けた
解体して食べられそうな部分を取り分け、改めてフライパンで焼く
とてもジューシーな脂が出てくる
美味しそうだ
導師も楽しみなようでかぶりつくように焼ける肉を見ている
皿に分けて自分の分を焼く
導師「美味しいです〜」
魔法使い「良かった」
毒は無いようだ
いや、毒見にした訳じゃないが
毒見にした訳じゃないが
そう、そもそも遅効性の毒なら死なば諸共だし
とにかく自分の分の肉を食べよう
…………これは!
美味い
出汁の効いた鶏肉のようだ


44 : ◆J9pjHtW.ylNB :2014/12/07(日) 21:27:14.06 ID:i1fryCAAO
恐竜で満腹になると残った肉を塩で加工して、ロバに吊す
肉を吊されたロバ
このロバには非常食と言う立派な名前を付けた
干し肉を運ぶ非常食
頑張れ非常食
途中鶏肉が居たので焼き鳥に
もとい、鳥の魔物をメラで焼き、羽をむしり解体、非常食に吊す
当分食料には困らないな……
明日は海際を歩いて蟹を取るかな?
野宿の準備をする
森の中にトイレを作る
用を足して、埋める
慣れた
導師はまだ大変だろうが、漏らすよりいい
一応紙は十分用意してあるが、足りなくなったら葉っぱで
導師「イヤです」
すごい顔で睨まれた
サバイバル生活は背に腹は変えられないことばかりなのだが
夜になると大きな月が出ていた
明日は大漁だろう
導師は
導師「星が綺麗ですね」
とロマンチックな事を言うが
そう言った感性を喪失してる自分が少し嫌だとは思った
翌朝海岸に出る
城下町まではまだ数日かかるだろうか?
蟹の魔物を見つけてメラ
メラメラメラ
魔法使い「大漁だーっ!」
導師「ひゃっはーっ!」
ジューシーな蟹の肉を鍋で味わう
幸せだ……
モンスターは肉が大ぶりなのが良いな

45 : ◆J9pjHtW.ylNB :2014/12/07(日) 21:31:41.17 ID:i1fryCAAO
肉は十分だろう
蟹の脚も干しておく
野菜が欲しいので草原に入る
野草は貴重だ
サラダにしてドレッシングを作る
恐竜肉をミンチにして炒めその脂に酢と塩胡椒
旨味の強いドレッシングの出来上がりだ
導師「素晴らしい……」
魔法使い「肉を焼いてスープも作ろう」
導師「なんだかちゃんとしたディナーの出来上がりですね」
魔法使い「まあ元々家畜も野生動物だった訳だし、野菜もね」
元々野生の物を品種改良して野菜や豚が生まれたのだから野生の味だってそんなに悪いはずはない
むしろ人によってはこちらの方が自然の味で好かれたりするくらいだ
食べるのに困らなくなった私達は先を急ぐことにする
山上、東の城の関所を通る
導師の持っていたギルドの紋章を見せると、すんなり通してもらえた
関所の兵士の話でははぐれ巨人が一匹道中を塞いでいるらしい
私は嬉々として交渉を持ちかけた
魔法使い「巨人を倒すので宝石五つ分報酬が欲しい」
兵士達は悩んでいたが兵士長が出てきて念書を書いてくれる
東の城で報酬宝石五つ分を支払う、と

46 : ◆J9pjHtW.ylNB :2014/12/07(日) 21:36:07.65 ID:i1fryCAAO
とりあえず逃げ出さないように、後、討伐確認のために女兵士が一人着いてきた
また仲間が増えた……
私達は二人とも後衛だし、前衛職は助かる
食料は十分あるし
私はなんの肉とは言わず女兵士に恐竜の干し肉を食べさせた
焼けばまだ十分な脂が出る
女兵士「と、とても美味しいっす」
魔法使い「恐竜肉は出汁が効いてるものね」
女兵士「えっ」
魔法使い「恐竜肉」
その後女兵士の絶叫が響いたが、落ち着いたらめっちゃ食べた
私も導師も大食いだと思うが、負けそう
初な女の子に野生を体験させるのは良いな
趣味になりそうだ
翌日山の陰から見える巨人の頭を確認する
動く石像に匹敵する巨体
サイクロプスか
巨人はこちらを発見して、岩を投げてくる
私達はバラバラにそれをかわす
メラを……三十発放つ!
魔法使い「メラメラメラメラメラメラメラメラメラメラメラメラメラ……ラメラメラぁっ!」
導師「スカラ!」
導師が防御強化の呪文をかけてくれる
防御強化の呪文は何故か効いた……?
分析は後だ
巨人は三十発のメラに怯みながらも反撃してくる
流石に並みの魔物とは違う
魔法使い「メラメラメラメラメラメラ…………メラメラメラメラあっ!」
ここが修行の好機だ

47 : ◆J9pjHtW.ylNB :2014/12/07(日) 21:41:47.90 ID:i1fryCAAO
導師「ラリホーマ!」
導師の眠りの呪文で巨人の動きが鈍る
魔法使い「メラメラメラメラ……メラメラ、メラメラメラああっ!」
声の限りに呪文を放つ
メラしか使えないから仕方がないが、それでも流石に巨人の肉が煮えてくる
表皮が水膨れになり、はぜる
……少し美味しそうな匂いがする
魔法使い「メラメラメラメラメラメラメラメラメラメラメラメラメラメラメラあっ!」
女兵士「加勢します!」
導師「バイキルト!」
女兵士の剣に導師が強化をかける
強力な一撃で女兵士は動きの鈍った巨人の腕をはね落とした
巨人の絶叫
私は倒れた巨人の頭部を脳が焦げるまでメラで焼いた
唸り声を上げていた巨人もやがて静かになった
今回もなんとかなったか
私ははね飛ばされた巨人の腕の肉をナイフで削ぎ落とす
導師「えっ」
女兵士「いやいやいや、それは無いでしょ」
二人が戸惑っているが薪を集めメラを放ち、金串に刺した肉を炙る
塩胡椒を振る
さっきから感じていた美味そうな匂いが強まる
導師「…………ごくっ」
女兵士「お、美味しそうな匂い……」
私は一口巨人の肉にかじりつく
うん、多少大味だが恐竜の味に似ている

48 : ◆J9pjHtW.ylNB :2014/12/07(日) 21:43:51.83 ID:i1fryCAAO
魔法使い「美味い」
導師「ええ〜っ……」
女兵士「あんたの師匠野生児過ぎでしょ」
魔法使い「食べないの?」
女兵士「巨人が食えるとなると世界の食料問題が解決しちゃいそうだね」
導師「いただきます」
女兵士「えっ」
導師もだいぶ馴染んできたな
やっぱりオークや巨人の肉くらい食べられないとこんな世界じゃ旅は出来ないよね
導師「多少臭いがあるのでガーリックをあわせても美味しいかも」
魔法使い「そうしよう」
私は巨人の切り身をガーリックステーキにする
とても良い香り
女兵士「…………ごくっ」
魔法使い「はい」
私は女兵士に焼きあがった肉を渡す
女兵士「…………美味いっす……」
その後は野生児三人で食べきれない量の肉を楽しんだ
とりあえずミッションコンプリートだ
肉にもありつけたし保存食も追加できたし、悪いことがない
導師と女兵士は若干自己嫌悪に陥っていたが
巨人を倒した後山を一つ超え、ようやく城下町に辿り着く
大きな城下町は一日では回りきれない
まずは宿を取る
お金が少し心許ないが、城まで行けば報酬が手に入る
城に着いたら路銀を稼ぐのも良いだろう

49 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/12/07(日) 21:46:43.22 ID:gVpDgU7Zo
おもしろい