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少女「君は爆弾に恋をした」

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Part14
153 : ◆J9pjHtW.ylNB :2014/11/22(土) 21:32:53.90 ID:0q+uCgFAO
女「そうだ、せっかく四組カップルがあるんだから午前午後で組み合わせ変えてみても面白いかも」
委員長「え、俺たちも?」
眼鏡「行きたいで……す」
男「眼鏡がまともにしゃべった!」
委員長「ん……、まともにしゃべったら付き合う約束だし、仕方ないな」
少女「実はちょっと楽しみなんだな」
委員長「そりゃ俺も健全な男子だからね」
女「じゃあ決まり、お昼で交代ダブルデートね」
少女「楽しくなってきた」
ほんと楽しみだ
うん、やっぱり楽しいのが一番だな
まだ授業も始まったばかり
あっと言う間に週末が来た
僕と彼女はいつものように公園で待ち合わせ
その後モールまで歩いていく
そう言えば銀は彼女に全てを打ち明けただろうか?
別に話さなくてもいいような気もするが
モールに着くともう既に三組のカップルが待っていた
女「さて、どこを回ろうかな?」
友「とりあえずゲーセン行こうぜ」
委員長「いいけど」
眼鏡「ゲームは得意で……す」
ぎこちないな
男「じゃあ僕らはショッピングしよう」
銀髪「分かった」
女友「服を選んでもらおうかな〜?」
少女「お昼は?」

154 : ◆J9pjHtW.ylNB :2014/11/22(土) 21:34:49.41 ID:0q+uCgFAO
男「お昼はレストランに集まればいいんじゃない?」
女「今日はどこのレストラン入ろうかな?」
友「イタ飯屋でいいんじゃね?」
少女「うん良いな、楽しみだ」
その後銀たちと四人で服を見て回る
少女「せっかくのデートだし、楽しもう」
男「もちろん」
彼女と手をつなぐ
腕を組む
少女「んふふっ」
彼女が幸せそうだとこっちも幸せになってくる
銀髪「はあ、やっぱりレベル高いな」
女友「あっちは熟練カップルだし〜」
女友「こっちも手、つなご?」
銀髪「うん……、緊張するね」
女友「私も〜」
僕は後ろから着いてくる二人を少し気にしながら店に入る
少女「旅行鞄とかスポーツバッグを置いてるな」
男「どこか旅行に行きたいね」
少女「うん」
二人で旅行……
年末年始の時は四人でいられたが、二人で旅行となると
歯止めが効かなくなりそう……
まだ少し怖いかな?
少女「行くとしたら春休みかな……?」
男「うん……、どこか花の綺麗な所に行こうか?」
少女「楽しそう」
銀髪「二人で旅行ねえ……」
女友「私らはまず二人でデート〜」
銀髪「だね」

155 : ◆J9pjHtW.ylNB :2014/11/22(土) 21:37:25.61 ID:0q+uCgFAO
少女「山登りの時みたいに何か次のデートの準備してもいいかも?」
男「う〜ん、寒いからアウトドアってわけにも行かないかな……?」
銀髪「冬場のアウトドアって言えばスキーとかだけど」
男「このあたりスキー場は無いんだよね……」
銀髪「釣りならオールシーズン行けるけど」
男「詳しいの?」
銀髪「俺は瀬戸内の小島の出身だよ?」
そうだった
と、言うことは彼女も釣りができるんだろうか?
少女「釣りかぁ」
女友「餌がグロテスクだよね〜」
銀髪「魚の切り身や海老でも良く釣れるよ」
女友「それなら触れそう〜」
男「でも道具がないよ?」
銀髪「行くなら揃えておくよ?」
少女「うん、いつか二人で海に行きたいとは思っていたんだ」
男「彼女が賛成なら僕も構わないよ」
女友「私お魚触れるかな〜?」
銀髪「まあそれは任せてくれたら」
男「じゃあ今日は防寒具探そうか」
銀髪「寒いのは間違いないからね」
少女「温かい飲み物を入れられる水筒が欲しいな」
男「二人でちょっと出かけるのにも良いよね」
男「こうやって色々見て回るだけでもデートのアイデアが湧くもんだね……」
少女「困ったらモールデートだな」

156 : ◆J9pjHtW.ylNB :2014/11/22(土) 21:39:27.97 ID:0q+uCgFAO
お昼まで服なんかを見て回り、四人で集合場所のイタリアンレストランに入った
二人ずつ隣の席に座る
少女「イカ〜エビ〜貝〜ペスカトーレ〜♪」
機嫌がいいなあ
男「じゃあ僕はカルボナーラで」
少女「また食べさせてね?」
男「いいよ」
銀髪「ふうん……」
女友「私らも〜やる?」
銀髪「うん、やってみよう」
女たちみたいに動揺しないのか
二人は積極的なカップルのようだ
男「何かサラダを頼んで分けようか?」
少女「うん、カプレーゼ、カルパッチョもいいかな?」
イタリアン好きなのかな?
でも楽しそうで良かった
少女「今頃だとメバルやカサゴが釣り頃かな〜」
少女「煮付けにしても唐揚げにしても美味しいぞ」
男「いいね、釣りたての新鮮な魚なら美味しそうだ」
少女「そう、美味しいんだ」
彼女は本当に魚が好きなようだ
僕もちょっと勉強しようかな?
男「あ、来た」
少しお喋りしていると料理が出てきた
う〜ん、美味しそうだ
少女「いい香りだな……」
男「はい、あ〜ん」
少女「んぐっ」

157 : ◆J9pjHtW.ylNB :2014/11/22(土) 21:42:02.01 ID:0q+uCgFAO
不意打ちでパスタを彼女の口に入れる
もごもごしながら小さな手で口元を隠す仕草が可愛い
好きだな
少女「仕返しえいっ」
男「マグっ!」
少女「あははははっ」
少女「えいっえいっ」
次々具を放り込まれる
君が食べる分無くなっちゃうよ?
銀髪「うわあ……」
女友「流石……ていっ」
銀髪「うくっ」
女友「油断した〜!」
銀髪「やったな……」
銀髪「ん、男君……」
男「ん?」
銀髪「ふぇいんとー!」
女友「むぐっ!」
おお、なかなかのバカップルだ
女友「むぐ〜ぅ!」
そろそろ普通に食べようか
少女「食べ物で遊んだらバチが当たるんだぞえいっ!」
男「うぐっ!」
少女「私のエビが無くなっちゃうよ」
男「普通に食べなよ」
少女「始めたのは君だが」
女「なんだか楽しそうにやってるわね」
ようやく残り二組が到着した
友「いや〜参った参った」
おっさん臭いな
男「どうしたの?」
女「いやあ……委員長カップルがなかなかのくせ者でね……」
委員長「な、何か変だったかな?」
眼鏡「変じゃ……ないです……」
女「ね、眼鏡ちゃんずっとこんな感じ」


158 : ◆J9pjHtW.ylNB :2014/11/22(土) 21:46:12.44 ID:0q+uCgFAO
どうやら素だと恥ずかしくて耐えられないようだ
いつもキャラクターを作ってるのは照れ隠しか
眼鏡「あの……何に……しますか?」
委員長「うん、俺は……クリームパスタ」
眼鏡「私は……ボロネーゼで……」
委員長「他に何か頼む?」
眼鏡「ミモザサラダ……」
委員長「美味しそうだね」
男「普通のカップルになってるな」
女「ねー、可愛い感じ」
友「俺たちが見せつけるつもりが……」
少女「ヘタレはまた負けたのか」
友「はっきり言っちゃ駄目っ」
女「はあ、私らも注文するよ」
友「うん……なんにしようかな……」
男「僕ももう一品何か頼もうかな……」
少女「まだ時間がかかりそうだしな」
銀髪「まあのんびりやろうよ」
男「急ぐことも無いし」
少女「お昼からは本屋さんに行こうか?」
男「いいよ」
食事を終えると委員長と眼鏡を連れて四人で本屋に向かう
ちょっと食べ過ぎた……
眼鏡「うう……新刊……」
委員長「これ小説?」
眼鏡「ライトノベル……です……」
男「完全に違うキャラなのに中身はそのままなんだ」
少女「そりゃそうだろう」

159 : ◆J9pjHtW.ylNB :2014/11/22(土) 21:48:44.32 ID:0q+uCgFAO
男「君はいつもどんな本を読んでるの?」
少女「時代小説が好きだが最近はエッセイも良く読んでる」
男「へえ……僕はSF小説やミステリーばっかりだよ」
委員長「面白いのあれば教えてよ」
男「僕が好きだったのは……」
少女「私のおすすめはこの辺りの……」
眼鏡「うう……好きなラノベはとてもおすすめできない……」
委員長「ん〜ライトノベルも一作くらい読んでみたいかな」
眼鏡「ま、ほ、……本当?」
眼鏡頑張ってるなあ
委員長も鬼じゃないんだからそろそろいつも通りに喋ったらいいのに
男「そう言えば委員長は釣りしたことある?」
委員長「好きだよ」
男「そうなんだ?」
少女「今度は釣りデートするらしいぞ」
委員長「釣りデート?」
委員長「青イソメとか使って?」
少女「釣りをしたことがない女の子に青イソメとかやめた方がいいぞ」
委員長「それはそうか……」
男「魚の切り身やエビを使うらしいよ」
委員長「するとターゲットは根魚か……」
何か詳しそうだ
男「委員長は何でもできるんだな」
委員長「そんなわけないだろ、色々不器用で困ってるよ」

160 : ◆J9pjHtW.ylNB :2014/11/22(土) 21:52:22.78 ID:0q+uCgFAO
帰りに一旦全員で集まる
八人もいるとちょっとした混雑だ
女「釣りデートね、面白そう」
友「俺も一応竿とクーラーは用意できるぞ」
少女「釣った魚を食べるまでがデートです!」
友「おお、ノリノリ?」
男「って事で、道具が用意できない人は委員長か銀に頼むように」
眼鏡「釣り……考えたら初めての経験……初めて……」
そろそろ眼鏡の限界が近付いてるのではないか
デートの予定が決まった所で解散する

161 : ◆J9pjHtW.ylNB :2014/11/22(土) 21:54:30.91 ID:0q+uCgFAO
彼女といつもの公園に立ち寄る
少女「海か……」
何か懐かしかったりするのだろうか?
彼女は子供の頃どんな生活をしていたのだろう?
瀬戸内海のいくつかの無人島でそれぞれ様々な兵器の研究がされていたと言う……
小さな彼女が研究施設を抜け出して海を眺めていたり、研究者の一人に釣りを教わったりしている状況が目に浮かぶ
少女「そんな感じだな」
男「その研究者うらやましいなあ」
少女「そうか?」
少女「その頃は青イソメも怖くなかったな」
少女「振り回して遊んでた」
可愛いな
青イソメと言うとすごくグロテスクだけど
少女「実際に竿を持って魚を釣り上げた時は興奮したな」
男「僕も子供の頃釣りに連れて行ってもらったことがあるけど」
男「アジのサビキ釣りだからいきなり三匹釣れて、才能あるんじゃないかと思った」
少女「あははっ、アジは釣れだしたらどんどん釣れるからな」
男「うん、みんなでたくさん釣り上げたよ」
男「だから釣りは嫌いじゃないけど……寒いのはなあ……」
少女「海際はすごく寒いから一枚か二枚余分に着た方がいいぞ」

162 : ◆J9pjHtW.ylNB :2014/11/22(土) 21:56:27.97 ID:0q+uCgFAO
少女「寒い中わざわざ出かけるのは嫌?」
男「君のことがまた一つ分かるから、嫌じゃないよ」
少女「うん」
こんなに寒いのに彼女は赤くなる
好きだ
……
彼女にも積み上げてきた思い出がある
大切な家族がいる
彼女が爆発するとしたら、それは全て消え失せてしまう
逃げ出した博士たちの気持ちが分かる
彼女の記憶を、彼女の思い出を、彼女自身を失いたくない
少女「……」
僕が悩んでいるのを察して、君はキスをしてくる
失いたくない、そう思ったら強く抱きしめてしまう
少女「痛い」
男「うん……ごめん」
少女「いや、いい……」
そのまましばらく抱き合っていた
少女「……帰る」
彼女は僕の頬にキスをして立ち上がる
少女「このまま君しか見えない世界にいられたらいいのに」
そんなことを言われたら顔が熱くなる
僕は初めて君に頬にキスされたことを思い出しながら帰宅した