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男「少し不思議な話をしようか」女「いいよ」
Part8


193 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2016/08/03(水) 22:17:27.98 ID:bgmstPv8o
母「?」
母「……え?」
母「…………」
母「……いえ、流石にそれはないと思います」
母「第一、何の為にそんな事……」

194 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2016/08/03(水) 22:19:15.32 ID:bgmstPv8o
母「……どういう事ですか」
母「……!」
母「まさか、そんなはずが……!」
母「違います! それは有り得ません!」
母「いいえ、ないです。そんなもの、うちには……」
母「はい……。確かにそれならありますけど、でも、だからって……」
母「いえ、そんなはずは……」

195 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2016/08/03(水) 22:19:44.28 ID:bgmstPv8o
第六話
【UFOに拐われた子供】
終了

196 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2016/08/03(水) 22:20:12.46 ID:bgmstPv8o
次回、第七話
【声が変わる幽霊】
全て終わるまで、あと二話……

197 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2016/08/03(水) 22:26:49.60 ID:MoKoq7xe0

電話の相手もわからないし電話の相手が何を言ったのかもわからない…

198 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2016/08/03(水) 22:56:32.35 ID:lJAi6Upbo

相手はなんて言ったんだろう、話中にヒントは出てるのかな?

199 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2016/08/03(水) 22:58:42.22 ID:P6+aBQKN0

先が気になる

200 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2016/08/04(木) 07:39:49.42 ID:uCvOi1jso
修学旅行で消えたユカリはイマジナリーフレンド…?
ううーん不気味


201 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2016/08/04(木) 07:56:00.81 ID:ma+S472ro
女=ミキ=娘 かな?
娘は今19歳以上ってことになるしミキが高校を卒業していることとも符合するし、どっちも記憶をなくしてる
友達4+イマジナリーフレンド(ユカリ)の5人だと思ったらもう一人いたから「一人多い」って言ったのかな
他人の夢に入る話って、他人のイマジナリーフレンドになったようなものだなあとか思ったり


202 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2016/08/04(木) 10:28:14.87 ID:J+hMASiHo

この母親がしぶしぶ話さなければならない理由って何なんだろうな
もう、しませんは申しませんだったりしてww

203 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2016/08/04(木) 13:50:19.82 ID:KmKEaggdO
1話でも人が忽然と消えてるんだよな……

204 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2016/08/05(金) 20:26:30.76 ID:xiNpaiFuo
第七話
【声が変わる幽霊】

205 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2016/08/05(金) 20:26:58.75 ID:xiNpaiFuo
警察官「不思議な話?」
警察官「ん、まあ、なくはないけどな」
警察官「こんな仕事についてると、時々、意味不明な事件に遭遇する事もある」
警察官「本当に、ごく稀に、だけどな」
警察官「……どうしてだ?」
警察官「どうして、それを聞きたいんだ?」
警察官「…………」

206 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2016/08/05(金) 20:27:26.73 ID:xiNpaiFuo
警察官「……わかった」
警察官「なら、話してやる」
警察官「ただし」
警察官「俺は警察官だからな」
警察官「守秘義務というのがある」
警察官「だから、実名も、場所も、何もかも話さない」
警察官「それで構わないと言うなら」
警察官「そして、お前も、さっきの約束を守ると言うなら」
警察官「話してやる」
警察官「その条件でいいか?」
警察官「よし。なら、話すけどな」

207 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2016/08/05(金) 20:27:54.07 ID:xiNpaiFuo
警察官「もう、二年ぐらい昔の話だけどな」
警察官「幽霊の話だ」
警察官「地名は出さないが、とある場所に小さな山があって」
警察官「そこは、キャンプ場になっているんだ」
警察官「ああ。バーベキューやら、川遊びやらが出来る様になってて」
警察官「ロッジもあるし、テントを張れる場所もある。もちろん、駐車場もな」
警察官「それで、そこから歩きで少し行った場所に」
警察官「洞穴みたいなのがあってな」
警察官「立ち入り禁止にはなっているが、ロープで張られているだけだから、簡単に中に入れるんだが」
警察官「それが結構でかい洞穴でな。大人が歩いて通れるぐらいの大きさで」
警察官「中も、それなりに深くてな。別れ道とかも幾つかある」
警察官「そこは、元は、炭坑だったらしい」
警察官「江戸時代だか、それよりも昔だかに、掘られた穴らしいが、俺も詳しい事は知らない」
警察官「ああ。それが何の目的で掘られた穴かは、問題じゃないからな」
警察官「問題なのは、ここからで」
警察官「その洞穴には、幽霊が出るって噂が昔からあるんだよ」

208 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2016/08/05(金) 20:28:22.35 ID:xiNpaiFuo
警察官「ああ。そうだな」
警察官「どこにでもありそうな、ありがちな話だ」
警察官「そもそも、洞穴の中ってのは暗いし不気味だしな」
警察官「コウモリだって住み着いてる時もある」
警察官「音が反響するから、小さな物音でも大きく聞こえるし、どこから物音がしたのかもわかりにくい」
警察官「単純に、怖いんだな。中に入るっていうそれだけで」
警察官「そうだな。トンネルとかもそうだが、洞穴とかにも怪談は多いよな」
警察官「暗いし、狭い場所ってのは、人の恐怖心を煽るんだろう」
警察官「ああ。だから、そういった幽霊だとかの噂が出てきても、ちっともおかしくはないんだが」
警察官「そこだけ、少し特別でな」

209 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2016/08/05(金) 20:28:49.68 ID:xiNpaiFuo
警察官「順番に話そうか」
警察官「きっかけは、大学生グループからの通報だった」
警察官「そいつら五人は、夏休みだって事で、車でその山に遊びに行ったそうで」
警察官「それで、バーベキューやら川遊びやらをしてはしゃいでいたら」
警察官「暗くなる前に帰るつもりだったのに、いつのまにかどっぷり日も暮れていて」
警察官「帰る頃には、辺りはすっかり真っ暗になっていたらしい」

210 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2016/08/05(金) 20:29:16.81 ID:xiNpaiFuo
警察官「そうしたら、その中の一人が、例の幽霊が出るって噂の洞穴の事を思い出したらしくてな」
警察官「丁度、乗ってきた車の中に懐中電灯も置いてあったし」
警察官「肝試しがてら、そこに行こうという話になったそうだ」
警察官「ああ、ある意味、お約束だろうな」
警察官「それで、怪談にありがちな事にも」
警察官「案の定、その大学生五人グループは、そこで妙な体験をする事になる」
警察官「だろうな。よく聞く話だ」
警察官「だけど、これは少し普通の怪談と違ってな」

211 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2016/08/05(金) 20:29:45.17 ID:xiNpaiFuo
警察官「普通の怪談なら」
警察官「その中で幽霊と出くわして」
警察官「それで、必死になって洞穴の外へと逃げ帰ってみたら」
警察官「外に停めていた車のガラスに、手の跡がびっしりついていただとか」
警察官「中の一人が、いつのまにか行方不明になっていただとか」
警察官「それ以来、幽霊にとり憑かれてしまっただとか」
警察官「そういう感じで話は終わるんだがな」
警察官「そうじゃなかったんだ」

212 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2016/08/05(金) 20:30:14.89 ID:xiNpaiFuo
警察官「そいつらが、洞穴の中に、怖がりながらも全員で入るだろ?」
警察官「それで、懐中電灯で照らしながら、ゆっくりと中へ進んでいくと」
警察官「途中で、その中の一人がこう言い出したそうだ」
警察官「『……なんか、声みたいなのが聞こえない?』ってな」
警察官「それで、全員が耳をすませてみると」
警察官「聞こえてきたんだと」
警察官「何か堅いものを、手で何度も叩く様な音と一緒に」
警察官「女の子供の声で」
警察官「『助けて。助けて。助けて』って」
警察官「そういう風にな」

213 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2016/08/05(金) 20:30:43.45 ID:xiNpaiFuo
警察官「ああ。全員がそれを聞いたそうだから」
警察官「嘘や聞き間違いって事はないとは思う」
警察官「それで、その大学生達は」
警察官「もちろん、怖くもあっただろうがな」
警察官「とはいえ、本当に中で女の子が迷子になって困っているんじゃないかとも、思ったらしく」
警察官「怖がりながらも、皆でかたまって奥へと進んでいって」
警察官「呼びかけながら、中を探したそうだ」

214 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2016/08/05(金) 20:31:15.15 ID:xiNpaiFuo
警察官「だけど、洞穴の中を全部探しても、その子はどこにも見つからなくて」
警察官「ただ、何か固いものを叩く様な鈍い音と」
警察官「『助けて』という声だけが、微かにどこからか聞こえてくるんだ」
警察官「不思議だよな」

215 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2016/08/05(金) 20:31:48.34 ID:xiNpaiFuo
警察官「それで、その大学生達は、流石に不気味に思って」
警察官「洞穴から出ると、携帯電話を使って、警察へと通報した」
警察官「『女の子が、洞穴の中で迷子になってるかもしれない』とな」
警察官「その時に、通報の電話を受けたのが俺だ」
警察官「場所が幽霊が出るって噂の洞穴だっただけに、その通報には半信半疑だったんだが」
警察官「ただ、もし本当だったとしたら、放置してはおけないから」
警察官「もう一人の同僚と一緒に、パトカーでそこまで向かったんだ」
警察官「懐中電灯やら、ロープやら、蛍光テープやら、そういった物を一緒に持ってな」

216 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2016/08/05(金) 20:32:19.49 ID:xiNpaiFuo
警察官「それで、現場まで辿り着いて」
警察官「大学生の中の一人にリーダーみたいなやつがいたから、そいつに案内を頼んで」
警察官「声を聞いたって辺りまで、連れていってもらったんだ」
警察官「それで、大体この辺だって場所まで来たもんだから」
警察官「俺達は、そこで立ち止まって耳をすませたんだよ」
警察官「そうするとだ」
警察官「本当に聞こえるんだよ」
警察官「固いものを叩く様な鈍い音と一緒に」
警察官「『助けて。助けて。助けて』って」
警察官「か細いけど、どこかから、微かにそう聞こえてくるんだ」
警察官「小さな女の子の声がな」

217 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2016/08/05(金) 20:32:56.26 ID:xiNpaiFuo
警察官「それで俺は、横にいた同僚にうなずいてみせたんだ」
警察官「確かに聞こえるな、ってな」
警察官「ところがだ」
警察官「同僚は、その声が聞こえないって言う」
警察官「何かカタカタと動く様な音は、微かにどこかから聞こえてくるそうなんだが」
警察官「女の子の声は聞こえないってな」
警察官「だけどな」
警察官「俺には、その『カタカタと動く様な音』が聞こえなかったんだ」
警察官「意味がわからないだろ?」

218 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2016/08/05(金) 20:33:24.56 ID:xiNpaiFuo
警察官「そばにいた大学生も、そうだった」
警察官「『女の子の声は聞こえますけど、カタカタとかいう音は聞こえません。何か叩く様な音は聞こえますけど……』ってな」
警察官「だから、俺達が聞いたものは子供の声と鈍い音で合ってるはずなんだが」
警察官「だけど、同僚にはそれが聞こえなくて」
警察官「代わりに、何かが動く様な『カタカタ』という音が聞こえてくるんだ」
警察官「どうして、同僚にはそんな音が聞こえて」
警察官「女の子の声が聞こえないのか」
警察官「それがわからなくてな」

219 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2016/08/05(金) 20:33:59.17 ID:xiNpaiFuo
警察官「ただ、その時は聞こえる聞こえないをきちんと確かめ合ってる場合じゃないと判断したから」
警察官「その事を同僚に伝えて、とにかく女の子を探そうって事になった」
警察官「それで、俺と大学生は声が聞こえてくる方角がどっちからなのかを耳をすませながら聞いて」
警察官「大体の見当をつけながら、歩いて探し回った」
警察官「声が聞こえないという同僚には、既に探した場所をマーキングしてもらう事にした」
警察官「暗闇の中でも光るテープあるだろ? あれを貼ってもらって」
警察官「探した場所の目印にしたんだ。暗闇の中だし、洞穴の中だからな。似たような場所ばかりだったもんだから、間違えない様にとな」
警察官「それで、そうやって声を頼りに捜索をし続けたんだが」
警察官「それから、一時間近く経っても見つからなくて」
警察官「そして、洞穴の中はマーキングしたテープだらけになっていた」
警察官「それを見る限り、間違いなく、全部、探して回った事になるんだが」
警察官「それでも見つからなくてな」
警察官「でも、声と音だけは未だに聞こえてくるんだ」
警察官「『助けて……。助けて……。助けて……』って、どんどん弱々しい声に変わりながらも」

220 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2016/08/05(金) 20:34:39.90 ID:xiNpaiFuo
警察官「ああ、呼びかけても、こちらの声が聞こえないのか、返事は全くなかった」
警察官「そして、声が聞こえてくる方角もわかりにくいんだ。洞穴の中だから音が反響するし、方向感覚も掴みにくいしな」
警察官「だから、どこから聞こえてくるかは特定が難しかったんだが」
警察官「それでも、マーキングを見返してみると、洞穴の中央辺り、そこの行き止まりの通路あたりが一番多く貼られていた」
警察官「つまり、大体、その辺りから聞こえてくるってのは、わかったんだ」
警察官「だけどな」
警察官「そこら一帯をどれだけ見て回っても見つからないし」
警察官「それに、それからしばらくしたら、遂にはその声が聞こえなくなってしまった」
警察官「俺達は完全に手掛かりを失ったんだ」

221 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2016/08/05(金) 20:35:10.62 ID:xiNpaiFuo
警察官「ああ、それで、これ以上はどうしようもなくなって」
警察官「俺達は捜索を断念すると共に」
警察官「本署の方に無線で連絡した」
警察官「行方不明事件発生、ってな」
警察官「同僚か?」
警察官「ああ、あいつは最後まで首を傾げてたけどな」
警察官「本当に、そんな女の子がいるんだろうか、って」
警察官「あいつは、その子の声が聞こえなかったから、そう思って当然だろうが」
警察官「聞こえないのが、あいつだけだったから、本署に応援を呼ぶ事に反対はしなかった」
警察官「自分の耳が悪いんじゃないかって、そう思ったみたいでな」

222 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2016/08/05(金) 20:35:42.11 ID:xiNpaiFuo
警察官「それで、実際に本署から応援が六人ほど来て」
警察官「大型のライトや、赤外線カメラ、それに熱画像直視機なんかも運び込まれた」
警察官「それで、再び捜索が始まったんだが」
警察官「結局、見つからずに夜が明けたんだよ」
警察官「最後まで、その子は見つからなかったんだ」