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男「少し不思議な話をしようか」女「いいよ」
Part11

男「少し不思議な話をしようか」女「いいよ」【解】
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1470812160/

1 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/08/10(水) 15:56:00.66 ID:ayu5E8Yro
【お詫び】

2 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/08/10(水) 15:56:35.99 ID:ayu5E8Yro
時系列を整理していたら
三話の友の年齢と、設定に
無理な点があったので
訂正
三話は既に解が出ているので、後から開示予定……

3 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/08/10(水) 15:57:14.91 ID:ayu5E8Yro
前スレ、>>47
友「わかりやすく、最初から話すと」
友「あれは、俺が大学二年の時だ」
友「通ってた学校が家から遠かったからさ」
友「ちょっとした憧れもあって、一人暮らしを始めようって思ったんだ」
友「まあな。それで、両親を説得して、大学近くに部屋を借りる事になったんだよ」
友「ああ。でも、家賃は自分のバイト代で出せって言われたから」
友「出来るだけ安いところを探してたんだ」
以下に差し替え
友「わかりやすく、最初から話すと」
友「あれは、俺が大学を卒業して、ここに就職した年だな」
友「実家からここまで結構、離れてたからさ」
友「ちょっとした憧れもあって、一人暮らしを始めようって思ったんだ」
友「まあな。それで、その事を両親に話して、ここの近くに部屋を借りる事にしたんだよ」
友「ああ。でも、一人暮らしするなら、家賃は自分の給料から出さなきゃならない訳だからさ」
友「出来るだけ安いところを探してたんだ」

4 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/08/10(水) 15:57:44.69 ID:ayu5E8Yro
前スレ、>>49
友「その日、俺は大学終わった帰りに」
以下に差し替え
友「その日、俺は仕事が終わった帰りに」
訂正は以上

5 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/08/10(水) 15:59:34.51 ID:ayu5E8Yro
解は全て出揃ったので
その内、全部開示します
前スレ
男「少し不思議な話をしようか」女「いいよ」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1468480837/

6 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/08/10(水) 16:03:43.53 ID:VUouE/oY0
出揃っていたのか
期待

7 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/08/10(水) 16:11:56.34 ID:MlraJ9Xvo
出揃ったか!
乙。期待

8 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/08/10(水) 16:20:07.51 ID:qbsXgW8zO
待ってた

9 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/08/10(水) 16:41:29.85 ID:zRIaGTGsO
乙!wkwk

10 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/08/10(水) 16:55:06.50 ID:FloufL0Y0
乙です。とりあえず一安心だ。

43 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/08/11(木) 17:58:30.87 ID:NlTp7Wavo
解・六話
【UFOに拐われた子供】

44 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/08/11(木) 18:00:48.49 ID:NlTp7Wavo
刑事「ガイシャは、五十歳、男、会社員か……」
部下「ええ、腹部と首の辺りを鋭利な刃物によって突かれていました。死因は恐らく出血多量による失血死でしょうね」
刑事「凶器は?」
部下「包丁が近くに転がっていましたので、今、鑑識に出しています。血がべっとりとついていたので、ほぼ間違いなくこれだと思いますが」
刑事「犯人の特定は出来ているのか?」
部下「ええ、恐らくはガイシャの妻かと」
刑事「妻か……」
部下「部屋に争った形跡がありましたし、何か口論の様なものをしていたという証言が近所の住人から出ています」
部下「なので、母親に事情を聞こうと、現在、捜索中ですが、見つかっていません」
部下「それと……」
刑事「それと?」

45 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/08/11(木) 18:03:03.10 ID:NlTp7Wavo
部下「置き手紙や遺書に近いような書き置きが台所にありました」
刑事「遺書?」
部下「ええ、筆跡鑑定する必要はありますが、これも恐らくガイシャの妻が書いたものではないかと」
刑事「それで、その内容は?」
部下「はい。錯乱気味だったのか、文章が支離滅裂でまとまりがあまりないんですが、大体のところを要約すると」
部下「『殺すつもりはありませんでした。大変な事をしでかしてしまいました。でも、不思議とあまり後悔はありません』」
部下「『ただ、もう娘や世間様に合わす顔がないので、私はこの世からいなくなろうと思います』」
部下「『この家は売り払って、残った財産は全て娘に与えて下さい』」
部下「といった感じですかね」
刑事「娘がいたのか?」
部下「はい。一人娘が」
部下「名前は、ミキ、ですね。年齢は二十三歳。今、病院に入院しているようなので、現在、別の捜査員がそこへと向かっていますが……」
部下「その娘、精神を病んでいるとの事ですので、どうなるか……」
部下「担当医師と相談してから、事情を話したり聞いたりする事になるかもしれませんね」
刑事「…………」

46 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/08/11(木) 18:04:23.98 ID:NlTp7Wavo
部下「それとですね」
刑事「?」
部下「例の置き手紙なんですけど、少し気になる事がありまして」
刑事「気になるというのは?」
部下「さっきも言った通り、その手紙、内容がほとんどまとまってないですし、誤字や脱字も結構あったので、何とも言えないんですが」
部下「所々に、一度何かを書いた後で、それを上から塗り潰して消した部分がありまして」
部下「これが、適当に消している部分と、かなり念入りに消している部分とで、分かれているんですよ」
部下「まるで、念入りに消されてるところには、見られたらまずい様な事を書いたんじゃないかって思うぐらいに」
刑事「……なるほど」
部下「こちらも今、鑑識に頼んで、元は何が書いてあったかを解明してもらっています」
部下「少し時間はかかるかもしれませんが、ひょっとしたら何かの手掛かりになるかもしれません」
刑事「わかった。了解だ」

47 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/08/11(木) 18:05:00.32 ID:NlTp7Wavo
『数日後……』

48 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/08/11(木) 18:05:59.33 ID:NlTp7Wavo
刑事「お忙しい中、お時間をとらせて申し訳ないです」
医者「いえ、構いませんよ。それで、私に聞きたい事というのは?」
刑事「ええ、実はですね」
医者「はい」
刑事「先日、殺人事件が起きたのはご存知ですよね? こちらの病院に入院している患者さんの父親が殺された訳ですが……」
医者「ああ、はい……。知っています」
医者「別の刑事さんが、私のところに訪ねてこられたものですから」
医者「今回もその件で?」
刑事「ええ、そうです。ミキさんの御両親の件で、少しお尋ねしたい事がありましたので」
医者「わかりました。私に答えられる事であれば、全てお答えします」
刑事「どうも。助かります」

49 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/08/11(木) 18:07:04.90 ID:NlTp7Wavo
刑事「ちなみに、先生は彼女の両親とは面識がありますか?」
医者「ええ。彼女の母親とは何度か会いましたね」
医者「いつも付き添いで一緒に来られていましたので」
医者「ですが、父親とは、一度も会った事がありません」
刑事「そうですか。なるほど」

50 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/08/11(木) 18:08:16.00 ID:NlTp7Wavo
刑事「では、最後に母親と会ったのはいつになりますかね?」
医者「確か、一週間ぐらい前だったと思いますが……詳しい日時までは覚えてませんね」
刑事「そうですか。会った場所は、やはりここで?」
医者「……そうですね。娘さんの様子を見に来られていたので、その時に」
刑事「その時は、看護師さんも一緒でしたか?」
医者「……? ええ、まあ……。彼女が入院している部屋でお会いしたので、誰か一緒にいたと思いますよ」
医者「ただ、その後、別室で少し話をしましてね。その時は、看護師は一緒ではありませんでしたけど」
刑事「なるほどね……そうですか」
医者「?」

51 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/08/11(木) 18:09:17.99 ID:NlTp7Wavo
刑事「ちなみに、その別室でした話というのは、どういった事でしょうかね?」
医者「それは……患者のプライバシーに関わる事なので、そう簡単にお答えは出来ませんが……」
医者「その質問、捜査に必要な事なんでしょうか?」
刑事「ああ、失礼。きちんと説明しないと話していいものか判断がつきませんよね」
刑事「いえ、実はですね、先生」
医者「はい」
刑事「その母親が、現在、行方不明になっているというのは既にニュースだとかでご存知だと思いますが」
刑事「彼女は家に書き置きの様なものを残していまして」
刑事「この書き置きの中に、上から塗り潰して消した部分があったんですよ」
医者「……はあ」
刑事「で、そこに何が書いてあったのかを調べた結果ですね」
刑事「色々とまあ書いてあった訳ですが、その中にね、こういう一文があったんです」
刑事「『先生の仰った通りでした。申し訳ありません』と」
医者「…………」

52 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/08/11(木) 18:10:22.24 ID:NlTp7Wavo
刑事「まあ、一口に先生と言っても、色んな方がいますからね」
刑事「学校の先生はもちろんですが、弁護士とかも先生と言いますし」
刑事「議員や小説家・漫画家、他に歌や踊りの先生とかもね」
刑事「とはいえ、今、行方不明の母親と一番かかわりがありそうな先生と言えば、医者のあなたなんです」
医者「…………」
刑事「なので、失礼ながら、父親が殺害された時のあなたのアリバイも、既に調べさせてもらっている訳ですが」
刑事「先生はその時、仕事中という事で、完璧なアリバイがありました」
刑事「なので、先生を犯人だと疑っている訳ではないんですがね」
医者「……そうですか」
刑事「ただ、あの母親が書いて消したメッセージ」
刑事「その事で何か心当たりがないかと思いまして」
刑事「こうして、訪ねてきた訳なんです」
医者「…………」
刑事「どうですかね、先生? 何か心当たりはありませんか?」
刑事「念入りに消すほどのものなので、今回の事件と何か密接なかかわりがあるんじゃないかと私は思っているんですがね」
医者「…………」

53 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/08/11(木) 18:11:06.32 ID:NlTp7Wavo
医者「心当たりは……」
医者「ありますね」
刑事「ほう。それはどんな?」
医者「その前に、何点か確認しておきたい事があるんですが」
刑事「何でしょう?」
医者「父親が殺され、母親が行方不明という事で」
医者「恐らく、あの家の家宅捜索はされていると思うんですが」
刑事「ええ、あの家は徹底的に調べました」
医者「それなら、あの家に、どこか隠し部屋みたいなものはありませんでしたか?」
刑事「…………」
刑事「どうして、先生がそれをご存知なんですかね?」
医者「やはり、そうですか……」

54 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/08/11(木) 18:14:32.88 ID:NlTp7Wavo
医者「ちなみに、その隠し部屋はどこに?」
刑事「屋根裏ですよ。押し入れの奥の方に、注意深く見なければわからない、上へと続く入り口が隠されてました。更にそこには物が置かれて塞がれ、見えない様にされてましてね」
刑事「旧家なので、そういう家には、たまに隠し部屋が見つかる事もあるんですが……」
医者「それで、中には何が?」
刑事「……明らかに破壊された跡が見られるテレビ一台と、旧式のビデオがありまして」
刑事「それと、何故か大量の人形がありました」
医者「人形、ですか……」
刑事「ええ、それも全部同じ人形で」
刑事「おまけに、そのどれもが鋭利な刃物でズタズタに切り裂かれてて」
刑事「そして、そのどれもに『ミキ』と書いた小さな紙が貼り付けられてたんです」
刑事「まるで、呪いの藁人形の様に」
医者「なるほど……そうですか」

55 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/08/11(木) 18:15:28.36 ID:NlTp7Wavo
医者「あと、もう一つだけ、お尋ねしたい事があります」
刑事「……何でしょうか?」
医者「家の中に、何か妙なものが捨ててあったりしませんでしたか?」
医者「例えば、ズタズタにされたビデオテープの残骸だとか、そういう物が」
刑事「…………」
刑事「先生は人の心でも読めるんですかね?」
刑事「どうして、それをご存知なのか、本当に不思議なんですが」
医者「という事は、やはりあったんですね」
刑事「ええ、家ではなく庭にですがね」
刑事「一斗缶がありまして、そこで何かを燃やした様な形跡がありました」
刑事「そして、中にはビデオテープの燃え残った残骸がありましたよ」
刑事「テープは焼けて炭になっていたので、どんな内容かは完全に不明ですが」
医者「でしょうね……。予想はしてました」

56 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/08/11(木) 18:16:09.98 ID:NlTp7Wavo
刑事「それで、先生」
医者「はい」
刑事「いい加減、教えてもらえませんかね」
刑事「何で先生はその二つの事をご存知だったんですか?」
医者「知っていた訳ではありません。ただ、ある程度、予想がついたものですから」
刑事「それなら、理由をお聞かせ願えませんか」
医者「ええ……。ただ、話すと少し長くなるんですが、構いませんか?」
刑事「ええ、いくらでも長くなって結構ですよ」
刑事「あと、その話、録音させてもらっても構いませんかね? メモ代わりという事で」
医者「ええ、どうぞ」
刑事「では、失礼して」
刑事「どうぞ、先生」
刑事「話をお願いします」
医者「……はい」

57 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/08/11(木) 18:16:50.32 ID:NlTp7Wavo
医者「多分ですが、母親がそのメッセージを書いた原因は、私とその母親との、最後の会話の件のせいだと思います」
刑事「そうですか」
医者「ただ、それを出来るだけわかりやすく話していくのなら、まずミキさんの症状の事から説明しなければなりません」
医者「ミキさんの症状の事については、刑事さんはご存知ですか?」
刑事「多重人格だとは伺っていますが」
医者「はい。医学的には、解離性同一性障害と言うのですが」
医者「心の中に、自分とは別の人格を生み出してしまうんですね」
医者「一つの体に、何人もの人間が棲んでいると思って下さい」
医者「それが何かをきっかけにして、交替して表へと出てくる訳です」
刑事「はい」

58 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/08/11(木) 18:18:58.53 ID:NlTp7Wavo
医者「ただ、ミキさんの場合は、多重人格と判断していいのか、難しい点がありまして」
刑事「というのは?」
医者「刑事さんは、悪魔憑きとか、狐憑きとか、そういうのをご存知ですか?」
刑事「……一応は。映画や小説で見たり聞いたりした程度の知識ですがね」
医者「ミキさんの場合がそれで、彼女は悪魔や狐ではなく、幽霊にとり憑かれる事があります」
刑事「……幽霊に、ですか?」
医者「ええ。憑依体質とでも言うんですかね。彼女は幽霊を見る事が出来ますし、幽霊とたまに会話したりもしますし、そしてとり憑かれたりもします」
刑事「…………」
医者「ですが、実際にその様な事があると、刑事さんは思いますか?」
刑事「ああ、いえ……。私はああいうのは嘘か演技かだと思ってますので。実際に悪魔や幽霊がいるとは思ってませんね」
医者「そうですか。それなら、話が早いんですが」
医者「精神科医としての立場から言わせてもらえば、幽霊というのは存在しません。ああいった事が起こる原因というのは」
医者「人格障害や、思い込みによる自己暗示、洗脳、虚言癖などのケースであると考えられます」
刑事「なるほど」
医者「そして、ミキさんの場合もそうだと考えているのですが、しかし、さっき言った理由の中のどれなのかは、まだ判断がついてません」
医者「恐らく、多重人格か、あるいは自己暗示のどちらかだとは思っていますが、少し珍しいケースですし、まだ十分に検査も出来ていないので」
刑事「はあ……」
医者「ですが、虚言癖ではないですね。それだけは確かです」
刑事「それはまた……どうして?」