同僚女「おーい、おとこ。起きろ、起きろー」
Part5
486:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2009/04/08(水) 11:54:32.78 ID:vIdZBssS0
――修羅場4日目 21:00 神楽坂作業室
女「ただいまー」
男 カタカタカタカタカタ
男「おかえりー。――あれ? おかえり?」
女「ラーメン食ってきた!」
男「そっか。柴犬?」
男 カタカタカタカタカタ
女「うん。ヘッドクォーター行ってきたんだって?」
男「あー。新人女さんに聞いたの?」
女「うん、そう」
男 カタカタカタカタカタ
男「……」
女「どう?」
男「んー」
男 カタカタカタカタカタ
女「いいずらい?」
男「いや」
488:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2009/04/08(水) 11:58:25.60 ID:vIdZBssS0
男「言葉を選んでる」
男 カタカタカタカタカタ
女「またまた。言葉選んでも地獄は地獄でしょー。
仕事が減る訳でもないし。お姉さんに言ってみよう」
男「ほい」
女「で? wktk」
男「まぁ、ご想像の通りだよ。残業はしないで、派遣社員を
酷使しないで、でも締め切りは延びないし、仕事は確実に
納期までにあげろってさ」
女「そか」
男「……」
女「……」
男「増員するとは言ってた。来週半ばをめどに5人増員して
もうひと班編制するつもりだって。……でもこれはね」
女「?」
男「――んー。まぁ、いっか」
女「なにさ?」
男「いや。保留。もちっと裏とる」
490:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2009/04/08(水) 12:01:43.45 ID:vIdZBssS0
女「現行の受注はどうなってんの?」
男「巣鴨のクライアントのは納期伸ばしてもらえるらしいね」
女「お!」
男「二日くらい」
女「意味ねーっ!」
男「無いよりはあった方が、くらいかね」
女「あ。でもでも。二日延びるんならさ。今週末に神楽坂の分
あげてさ。来週の火曜までに池袋の粗変換までかましてさ。
巣鴨の仕事がどれくらいの規模か手をつけてないから判らな
いけれど、締め切りまで10日前後はあるって事じゃない?
そんなら、なんとかなるかも?」
男「まぁ、ね」
女「んー。ノリわるいなぁ。どしたんさ?」
男(たしかに今の受注分は何とかなるんだよね。
でも、池袋チームが壊滅した今、実際の仕事処理能力は
半分になっている訳で。っていうことは会社の受注能力も
半分になってるって事だろ。――それがなぁ。
このまま、いくのか? このまま行って、良いのか?
今回の修羅場は死にものぐるいでやれば勝てるけれど
勝てば、全員体力ぼろぼろなんだぞ……。
いいのか? ここで体力使い切っちゃって平気なのか?)
493:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2009/04/08(水) 12:04:52.52 ID:vIdZBssS0
男「実は……」
女「うんうん」
男「女先輩が」
女「うち?」
男「トンコツ独り占めしたのが許せなくて」
女「えー!? そっちなん!?」
男 こくり
女「でもしかたないでそ。新人女さんといったんだよ」
男「あー。どうでした? あの娘」
女「びっくりしましたよ。うちは!
ネジ、まき直してあるじゃないですか。仕事になってる!」
男「まーね」
女「あのレベルなら、雑用中心で行くなら問題ないよね」
男「雑用ってのもね。女だしさ」
女「あー。そりゃそうだけど。まぁ、けなげに仕事してたよ。
自分の分はこなそうと頑張ってたね。うちびっくりしたよ!
すごいね、男の調教!」
男「調教とかエロワード禁止」
494:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2009/04/08(水) 12:08:51.14 ID:vIdZBssS0
女「ぶーぶー」
男「で、池袋どうなんです?」
女「あー。あっちもね。最悪の予想よりは、まだましだった」
男「ふむ」
男 カタカタカタカタカタ
女「C男がねー。思ったよりは意地見せてね」
男「ほほぅ」
女「うちも仕事しながら話そーっと」
男「どぞ」
男 カタカタカタカタカタ
女 カタカタカタカタカタ
女「編制このままで、池袋3人でいくなら、来週の火曜までに
粗変換はいけると思うな。うちは」
男「それって、先輩無茶する気でしょ?」
女「リトル無茶」
男「なんですそれ?」
女「日常化した無茶のこと」
497:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2009/04/08(水) 12:14:09.13 ID:vIdZBssS0
男「んー。っと、それはちょっとセーブで」
女「えー?」
男「今週、来週はディフェンス進行でいきます」
女「なんでさー。このまま行けば勝てるのに」
男「まぁ、ほら。ね」
女 カタ
男 カタカタカタカタカタ
女「あ」
男「……」
男 カタカタカタカタカタ
女 カタカタカタカタカタ
女「うん。判った」
男「ありがたい。今週は、遅くても21時あがり徹底で。
池袋班は特に」
女「うん、判った。B男もC男にも伝えておくよー」
男「おねがいしますー」
女「でも、それならマネジの男も無茶しちゃダメだよ」
498:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2009/04/08(水) 12:17:37.07 ID:vIdZBssS0
男「――もちろん」
女「うっわ。微妙にラグがあったよ。今の発言」
男 カタカタカタカタカタ
女 カタカタカタカタカタ
男「通信速度の遅延じゃないですか?」
女「直接対話だってば、空気振動だってば」
男 カタカタカタカタカタ
女 カタカタカタカタカタ
男「……声が、おく、れて、きこ、える、よ?」
女「それは腹話術だって」
男 カタカタカタカタカタ
女 カタカタカタカタカタ
女「で、なんかあるの? 男は」
男「今週は結構野暮用が多くてですね。ここ離れなきゃ
ならんのですよー」
女「どしてー?」
男「派遣事務所行ったり」
女「なんかあったの? 還付金の処理とか-?」
男「そんな感じで」
500:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2009/04/08(水) 12:22:13.00 ID:vIdZBssS0
男「そんなわけで。仕事の遅れは週末に取り返そうかなーとか」
女「休日出勤ですよ、来たこれ」
男「池袋も土曜は出て欲しいかなー」
女「んー。二人に言っておくけれど。二人とも土日両方覚悟
してたから問題ないと思うよ。新人女さんも?」
男 カタカタカタカタカタ
女 カタカタカタカタカタ
男「いや、さすがに新人は無理でしょ。あの子根性なさそうだし」
女「そうかな」
男 カタカタカタカタカタ
女 カタカタカタカタカタ
男「なんにせよ、壊しちゃったら元も子もない訳で」
女「んだね。んじゃ、あの子は土日休みで?」
男「そのつもりです」
女「じゃあさ-。ちと提案だけど」
男「はい?」
女「あの子が根性見せたら、残業許可出してあげて」
男「……?」
女「見せたら、で良いから。覚えておいて。
一応うち先輩だし。先輩のコメントって事で」
503:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2009/04/08(水) 12:25:25.78 ID:vIdZBssS0
――修羅場5日目 23:00 駅
女「やー。風、涼しいね」
男「やっとね。寒さが抜けてきた感じ」
女「家に帰れるって素晴らしいね!」
男「終電ですけどね」
女「素晴らしいって、いっえっ」
男「痛っ」
女「素晴らしいですよね?」
男「素晴らしいです」
女「今のクライアントって土日休み?」
男「らしいですよ。役所系だから」
女「んじゃ、どっちにしろ土日は状況動かないか」
男「です」
女「んじゃ、金曜ちょっと気合い入れて。土曜は飲み行こうか」
男「なんで?」
女「新人女さんのチーム参加記念」
504:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2009/04/08(水) 12:28:39.27 ID:vIdZBssS0
男「あー」
女「やろー」
男「必要ですか? それ。修羅場中に」
女「必要か、必要じゃないかで言えば、必要じゃない」
男「ですよね」
女「でもやろう」 男「でもやりますか」
女「……あはははは」
男「……あはははは」
女「んじゃ、そういうノリでひとつ」
男「了解です。上官殿!」
女「マネジは男でしょ」
男「でも、上官は女先輩」
女「えへへへ。偉いぞ」
男「マネジですからねっ」
女「自慢しなければもっと偉いぞ」
男「善処します」にこっ
506:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2009/04/08(水) 12:33:50.27 ID:vIdZBssS0
――修羅場5日目 10:00 神楽坂作業室
男 カタカタカタカタカタカタカタカタ
新人女 カタカタ
新人女「……ん」
男「……」
男 カタカタカタカタカタ
新人女 カタカタカ
新人女「セーブ、リロード……」
男 カタカタカタカタカタカタ
新人女 カタカタ
男「……」
男 カタカタカタカタカタ
新人女 カタカタカ
新人女「……これは、変則処理」
男「……」
男 カタカタカタカタカタカタ
新人女 カタカタ
507:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2009/04/08(水) 12:37:43.23 ID:vIdZBssS0
新人女「あの、マネージャー……さん」
男「男で良いよ」
新人女「――男さん。終わりました」
男「そか。……ん、後半、時間詰めたね」
新人女「ちょっと覚えました」
男「ん。じゃ、見るね。お茶でも飲んでて」
新人女「はい」
男 カタカタカタカタカタカタカタカタ
男「んーっと、クロスチェックのマクロ走らせる。
そっちはファイルセーブして閉じて」
新人女「はい。――やっぱり、早いなぁ」ボソリ
男「?」
新人女「えと、どうですか?」
男「問題なさそうだよ」
新人女「良かった」ほっ
513:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2009/04/08(水) 12:40:58.47 ID:vIdZBssS0
男「じゃぁ、報告書とドキュメント書こうか」
新人女「はい」
男「メアドもらってる?」
新人女「はい、もらってます」
男「共有のとこにデキュとか書類とかはテンプレ入ってるんで」
新人女「はい」
男「今回処理したファイルのナンバリングと処理内容を
ここに書いて、この上の部分は諸元ね。日付は西暦で。
時間は24時間表記ね」
新人女「はい」
男「一回やってみせる?」
新人女「お願いし――いえ、一回自分でやります」
男「そか」
新人女 カタ
新人女「……」
新人女 カタ
新人女「…………」
515:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2009/04/08(水) 12:44:19.77 ID:vIdZBssS0
男 カタカタカタカタカタカタ
新人女 カタ
新人女「……」
男 カタカタカタカタカタカタ
新人女 カタ
新人女「……」
男「新人女さん?」
新人女「はいっ?」かたんっ
男「いや、そんなに緊張しなくても」
新人女「はい……」
男「そろそろお昼だよ?」
新人女「えっと、はい」
男「俺はもうちょいがんばるけど。食べ行って良いからね」
新人女「外出しないんですか?」
男「電話待ちが一件あるんだよね」
520:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2009/04/08(水) 12:50:18.22 ID:vIdZBssS0
新人女「判りました」
男「それから」
新人女「はい?」
男「ここのキャビネットの、青いファイルね。これ」
新人女「はい」
男「これ、先月と先々月の報告書の控えなんだ。神楽坂の分
だけだけどね。うちのチームの人間が書いた分はそろってる」
新人女「はぁ」
男「午後はこれ読んで良いよ。暇を見つけて読むと良い」
新人女「はい」
男「報告書もクライアントへの質問書も提案書も入ってるから」
新人女「……?」
男「判らないよね。提案書なんて」にこっ
新人女「はい」
男「流してで良いからさ。報告書の書式とか、他の人が何を
書いてるのかとか……。興味を持てば、それだけで
仕事は覚えるよ。好奇心だけ」
新人女「はいっ」
男「では、休憩どうぞ」
新人女「はい……」
男「時間なくなっちゃうよ。良い天気だし。いってらっしゃい」
新人女「いってきます」
522:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2009/04/08(水) 12:55:43.68 ID:vIdZBssS0
――修羅場5日目 12:15 神楽坂作業室
――電話中
男「はい。そうです……。頂いた資料には、はい」
男「はい。判りました……。御社の仕様だと、おそらく
40枚強になると思います。ええ、神奈川分ですか?」
男「御社の本拠地は四国でしたよね? あ、いえ。ネットで
拝見させていただいただけです。……はい。 はい。
千葉と、神奈川と。……ええ、判ります。
そうなると関東全域ですね?」
男「それはちょっと自分の方では判断つきかねますね。
いえ、そう言う訳ではなく。……え? はい」
男「申し訳ございません。……はい、週明けにでも営業の者に
連絡を取らせますので。はい、お手数をおかけします」
523:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2009/04/08(水) 13:00:33.08 ID:vIdZBssS0
男「……そう、ですか。そうなりますと、実際の移行は
夏ですね。ええ、はい。それは問題がありません。
実際のところはデータの傾向と分量を見てみないと。
そう、ですね……はい。はい」
男「私の方の連絡先ですか? こちらは神楽坂の作業事務所に
なりまして。電話番号は、はい……。メールアドレスは、
こちらから送らせていただきます」
男「いえ、こちらこそ。……ご挨拶も出来ずに申しわけありません。
円滑にプロジェクトを進めるためですので、はい。
はい? ――はい。
来週末の検品の時に、お伺いさせていただきます。
その時にご挨拶を。ありがとうございました。
――失礼します」
カチャン
男「……やっぱしなぁ。残りも発注する予定、ってか。
これは地獄じゃ、済まないなー」
525:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2009/04/08(水) 13:08:13.41 ID:vIdZBssS0
新人女「ただいま帰りましたー」
男「あれ、早かったね」
新人女「はい。あの男さん」
男「?」
新人女「昨日のサンドイッチなんですけど、買ってきたので」
男「あ。ごめん! 気を遣わせちゃったね」
新人女「いえ。あの、ついででしたし」
男「ごめんね。お金いくらだった」
新人女「はい。あ」
はらり
男「うわ、すごいね」
新人女「気がつきませんでした」
男「桜の花びら、一杯だ」
新人女「風ではらはら舞っていたので……」
男「そういう季節だしね」
新人女「どうぞ」
男「ありがとうございます」
新人女「紅茶で良かったですか?」
男「なんでもOKです。生き延びれるなら」
527:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2009/04/08(水) 13:16:03.26 ID:vIdZBssS0
――修羅場5日目 20:00 神楽坂作業室
――電話中
女「もしもしー。きいてまーすか」
男「聞こえてますよ、先輩」
女「どうですか? 調子は」
男「普通」
女「なんだか張り合い無いですな」
男「まぁ、トラブルがなかったって事っすよ。とりあえず
今日のところは~。そっちはどう? まだB男もC男も
いるんでしょ」
女「うん、いるよー。進捗は報告書あげたー」
男「あー。メールね。見たよ。これほんと?」
女「ほんとほんと。まじまじ」
男「すごいじゃん」
女「うちがエロいマクロ書いたからね!」
男「エロいのかよっ!」
女「偉くてロマンチックでイかすマクロなのだ!!」
男「……えーっと」
529:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2009/04/08(水) 13:19:36.70 ID:vIdZBssS0
女「褒めて!」
男「突っ込み希望じゃなかったの?」
女「褒める希望」
男「偉いぞ!」
女「ふふーん」
男「エロイぞ!」
女「ふふふーん♪」
男「じゃ、池袋は間に合いそうなんだ」
女「この調子で行くなら、毎日家に帰っても来週火曜には行けるね」
男「ふむふむ」
女「どうする? 作戦変更する?」
男「いや、このままで」
女「ほーい」
男「あと今後、進捗は個人メアドか、電話による口頭で」
女「うっわ。ねぇねぇ。警戒段階あげてるよ! マネジが!」
B男「わー。ほんとでござるか-?」
C男「もうダメだ。捨てよう」
女「どうしたの?」
530:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2009/04/08(水) 13:22:05.10 ID:77NzDAnC0
C男のキャラいいなww
531:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2009/04/08(水) 13:22:13.29 ID:YYsGdXZiO
捨てんなwwwwwwwwww
532:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2009/04/08(水) 13:23:08.47 ID:vIdZBssS0
男「その辺はまた今度で。飲み会ででも」
女「らじゃー。場所はどうしよっか?」
男「いつものあたりでいいんじゃないかな?」
女「はいはい。了解。えーっと、土曜日に仕事あげて
そっちに移動すると、それでいい?」
男「はいはい。時間は17時とかにしとこか」
女「およ。早いね」
男「宴会も早めにきりあげて、帰さないとね。
せっかくの休日だし。新人女さんには言ってある。
彼女は休日に出てくることになるけどねー」
女「残業してった?」
男「粘ってたけど、定時で帰したよ」
女「そか。……マネジの要求はきついなー」
男「なんのこと?」
女「いやいや、こっちの話」
男「じゃ、今週はそんな感じで」
女「了解。もうちょいだけ、がんばりますか!」
B男「おー!」
C男「ファイトー!」
533:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2009/04/08(水) 13:23:29.30 ID:PLZ6CsbyO
いや、捨てよう
534:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2009/04/08(水) 13:25:41.78 ID:/Wy95xSLO
なんかB男C男いい味だしてるなw
しえん
540:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2009/04/08(水) 13:32:05.85 ID:vIdZBssS0
支援とかあんがとなー(´∇`)
でも書き貯め、尽きたよ……。
書き休憩してきます。すんません。1時間くらいで戻ります。
――修羅場4日目 21:00 神楽坂作業室
女「ただいまー」
男 カタカタカタカタカタ
男「おかえりー。――あれ? おかえり?」
女「ラーメン食ってきた!」
男「そっか。柴犬?」
男 カタカタカタカタカタ
女「うん。ヘッドクォーター行ってきたんだって?」
男「あー。新人女さんに聞いたの?」
女「うん、そう」
男 カタカタカタカタカタ
男「……」
女「どう?」
男「んー」
男 カタカタカタカタカタ
女「いいずらい?」
男「いや」
488:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2009/04/08(水) 11:58:25.60 ID:vIdZBssS0
男「言葉を選んでる」
男 カタカタカタカタカタ
女「またまた。言葉選んでも地獄は地獄でしょー。
仕事が減る訳でもないし。お姉さんに言ってみよう」
男「ほい」
女「で? wktk」
男「まぁ、ご想像の通りだよ。残業はしないで、派遣社員を
酷使しないで、でも締め切りは延びないし、仕事は確実に
納期までにあげろってさ」
女「そか」
男「……」
女「……」
男「増員するとは言ってた。来週半ばをめどに5人増員して
もうひと班編制するつもりだって。……でもこれはね」
女「?」
男「――んー。まぁ、いっか」
女「なにさ?」
男「いや。保留。もちっと裏とる」
490:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2009/04/08(水) 12:01:43.45 ID:vIdZBssS0
女「現行の受注はどうなってんの?」
男「巣鴨のクライアントのは納期伸ばしてもらえるらしいね」
女「お!」
男「二日くらい」
女「意味ねーっ!」
男「無いよりはあった方が、くらいかね」
女「あ。でもでも。二日延びるんならさ。今週末に神楽坂の分
あげてさ。来週の火曜までに池袋の粗変換までかましてさ。
巣鴨の仕事がどれくらいの規模か手をつけてないから判らな
いけれど、締め切りまで10日前後はあるって事じゃない?
そんなら、なんとかなるかも?」
男「まぁ、ね」
女「んー。ノリわるいなぁ。どしたんさ?」
男(たしかに今の受注分は何とかなるんだよね。
でも、池袋チームが壊滅した今、実際の仕事処理能力は
半分になっている訳で。っていうことは会社の受注能力も
半分になってるって事だろ。――それがなぁ。
このまま、いくのか? このまま行って、良いのか?
今回の修羅場は死にものぐるいでやれば勝てるけれど
勝てば、全員体力ぼろぼろなんだぞ……。
いいのか? ここで体力使い切っちゃって平気なのか?)
493:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2009/04/08(水) 12:04:52.52 ID:vIdZBssS0
男「実は……」
女「うんうん」
男「女先輩が」
女「うち?」
男「トンコツ独り占めしたのが許せなくて」
女「えー!? そっちなん!?」
男 こくり
女「でもしかたないでそ。新人女さんといったんだよ」
男「あー。どうでした? あの娘」
女「びっくりしましたよ。うちは!
ネジ、まき直してあるじゃないですか。仕事になってる!」
男「まーね」
女「あのレベルなら、雑用中心で行くなら問題ないよね」
男「雑用ってのもね。女だしさ」
女「あー。そりゃそうだけど。まぁ、けなげに仕事してたよ。
自分の分はこなそうと頑張ってたね。うちびっくりしたよ!
すごいね、男の調教!」
男「調教とかエロワード禁止」
494:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2009/04/08(水) 12:08:51.14 ID:vIdZBssS0
女「ぶーぶー」
男「で、池袋どうなんです?」
女「あー。あっちもね。最悪の予想よりは、まだましだった」
男「ふむ」
男 カタカタカタカタカタ
女「C男がねー。思ったよりは意地見せてね」
男「ほほぅ」
女「うちも仕事しながら話そーっと」
男「どぞ」
男 カタカタカタカタカタ
女 カタカタカタカタカタ
女「編制このままで、池袋3人でいくなら、来週の火曜までに
粗変換はいけると思うな。うちは」
男「それって、先輩無茶する気でしょ?」
女「リトル無茶」
男「なんですそれ?」
女「日常化した無茶のこと」
男「んー。っと、それはちょっとセーブで」
女「えー?」
男「今週、来週はディフェンス進行でいきます」
女「なんでさー。このまま行けば勝てるのに」
男「まぁ、ほら。ね」
女 カタ
男 カタカタカタカタカタ
女「あ」
男「……」
男 カタカタカタカタカタ
女 カタカタカタカタカタ
女「うん。判った」
男「ありがたい。今週は、遅くても21時あがり徹底で。
池袋班は特に」
女「うん、判った。B男もC男にも伝えておくよー」
男「おねがいしますー」
女「でも、それならマネジの男も無茶しちゃダメだよ」
498:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2009/04/08(水) 12:17:37.07 ID:vIdZBssS0
男「――もちろん」
女「うっわ。微妙にラグがあったよ。今の発言」
男 カタカタカタカタカタ
女 カタカタカタカタカタ
男「通信速度の遅延じゃないですか?」
女「直接対話だってば、空気振動だってば」
男 カタカタカタカタカタ
女 カタカタカタカタカタ
男「……声が、おく、れて、きこ、える、よ?」
女「それは腹話術だって」
男 カタカタカタカタカタ
女 カタカタカタカタカタ
女「で、なんかあるの? 男は」
男「今週は結構野暮用が多くてですね。ここ離れなきゃ
ならんのですよー」
女「どしてー?」
男「派遣事務所行ったり」
女「なんかあったの? 還付金の処理とか-?」
男「そんな感じで」
500:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2009/04/08(水) 12:22:13.00 ID:vIdZBssS0
男「そんなわけで。仕事の遅れは週末に取り返そうかなーとか」
女「休日出勤ですよ、来たこれ」
男「池袋も土曜は出て欲しいかなー」
女「んー。二人に言っておくけれど。二人とも土日両方覚悟
してたから問題ないと思うよ。新人女さんも?」
男 カタカタカタカタカタ
女 カタカタカタカタカタ
男「いや、さすがに新人は無理でしょ。あの子根性なさそうだし」
女「そうかな」
男 カタカタカタカタカタ
女 カタカタカタカタカタ
男「なんにせよ、壊しちゃったら元も子もない訳で」
女「んだね。んじゃ、あの子は土日休みで?」
男「そのつもりです」
女「じゃあさ-。ちと提案だけど」
男「はい?」
女「あの子が根性見せたら、残業許可出してあげて」
男「……?」
女「見せたら、で良いから。覚えておいて。
一応うち先輩だし。先輩のコメントって事で」
503:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2009/04/08(水) 12:25:25.78 ID:vIdZBssS0
――修羅場5日目 23:00 駅
女「やー。風、涼しいね」
男「やっとね。寒さが抜けてきた感じ」
女「家に帰れるって素晴らしいね!」
男「終電ですけどね」
女「素晴らしいって、いっえっ」
男「痛っ」
女「素晴らしいですよね?」
男「素晴らしいです」
女「今のクライアントって土日休み?」
男「らしいですよ。役所系だから」
女「んじゃ、どっちにしろ土日は状況動かないか」
男「です」
女「んじゃ、金曜ちょっと気合い入れて。土曜は飲み行こうか」
男「なんで?」
女「新人女さんのチーム参加記念」
504:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2009/04/08(水) 12:28:39.27 ID:vIdZBssS0
男「あー」
女「やろー」
男「必要ですか? それ。修羅場中に」
女「必要か、必要じゃないかで言えば、必要じゃない」
男「ですよね」
女「でもやろう」 男「でもやりますか」
女「……あはははは」
男「……あはははは」
女「んじゃ、そういうノリでひとつ」
男「了解です。上官殿!」
女「マネジは男でしょ」
男「でも、上官は女先輩」
女「えへへへ。偉いぞ」
男「マネジですからねっ」
女「自慢しなければもっと偉いぞ」
男「善処します」にこっ
506:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2009/04/08(水) 12:33:50.27 ID:vIdZBssS0
――修羅場5日目 10:00 神楽坂作業室
男 カタカタカタカタカタカタカタカタ
新人女 カタカタ
新人女「……ん」
男「……」
男 カタカタカタカタカタ
新人女 カタカタカ
新人女「セーブ、リロード……」
男 カタカタカタカタカタカタ
新人女 カタカタ
男「……」
男 カタカタカタカタカタ
新人女 カタカタカ
新人女「……これは、変則処理」
男「……」
男 カタカタカタカタカタカタ
新人女 カタカタ
507:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2009/04/08(水) 12:37:43.23 ID:vIdZBssS0
新人女「あの、マネージャー……さん」
男「男で良いよ」
新人女「――男さん。終わりました」
男「そか。……ん、後半、時間詰めたね」
新人女「ちょっと覚えました」
男「ん。じゃ、見るね。お茶でも飲んでて」
新人女「はい」
男 カタカタカタカタカタカタカタカタ
男「んーっと、クロスチェックのマクロ走らせる。
そっちはファイルセーブして閉じて」
新人女「はい。――やっぱり、早いなぁ」ボソリ
男「?」
新人女「えと、どうですか?」
男「問題なさそうだよ」
新人女「良かった」ほっ
513:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2009/04/08(水) 12:40:58.47 ID:vIdZBssS0
男「じゃぁ、報告書とドキュメント書こうか」
新人女「はい」
男「メアドもらってる?」
新人女「はい、もらってます」
男「共有のとこにデキュとか書類とかはテンプレ入ってるんで」
新人女「はい」
男「今回処理したファイルのナンバリングと処理内容を
ここに書いて、この上の部分は諸元ね。日付は西暦で。
時間は24時間表記ね」
新人女「はい」
男「一回やってみせる?」
新人女「お願いし――いえ、一回自分でやります」
男「そか」
新人女 カタ
新人女「……」
新人女 カタ
新人女「…………」
515:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2009/04/08(水) 12:44:19.77 ID:vIdZBssS0
男 カタカタカタカタカタカタ
新人女 カタ
新人女「……」
男 カタカタカタカタカタカタ
新人女 カタ
新人女「……」
男「新人女さん?」
新人女「はいっ?」かたんっ
男「いや、そんなに緊張しなくても」
新人女「はい……」
男「そろそろお昼だよ?」
新人女「えっと、はい」
男「俺はもうちょいがんばるけど。食べ行って良いからね」
新人女「外出しないんですか?」
男「電話待ちが一件あるんだよね」
520:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2009/04/08(水) 12:50:18.22 ID:vIdZBssS0
新人女「判りました」
男「それから」
新人女「はい?」
男「ここのキャビネットの、青いファイルね。これ」
新人女「はい」
男「これ、先月と先々月の報告書の控えなんだ。神楽坂の分
だけだけどね。うちのチームの人間が書いた分はそろってる」
新人女「はぁ」
男「午後はこれ読んで良いよ。暇を見つけて読むと良い」
新人女「はい」
男「報告書もクライアントへの質問書も提案書も入ってるから」
新人女「……?」
男「判らないよね。提案書なんて」にこっ
新人女「はい」
男「流してで良いからさ。報告書の書式とか、他の人が何を
書いてるのかとか……。興味を持てば、それだけで
仕事は覚えるよ。好奇心だけ」
新人女「はいっ」
男「では、休憩どうぞ」
新人女「はい……」
男「時間なくなっちゃうよ。良い天気だし。いってらっしゃい」
新人女「いってきます」
522:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2009/04/08(水) 12:55:43.68 ID:vIdZBssS0
――修羅場5日目 12:15 神楽坂作業室
――電話中
男「はい。そうです……。頂いた資料には、はい」
男「はい。判りました……。御社の仕様だと、おそらく
40枚強になると思います。ええ、神奈川分ですか?」
男「御社の本拠地は四国でしたよね? あ、いえ。ネットで
拝見させていただいただけです。……はい。 はい。
千葉と、神奈川と。……ええ、判ります。
そうなると関東全域ですね?」
男「それはちょっと自分の方では判断つきかねますね。
いえ、そう言う訳ではなく。……え? はい」
男「申し訳ございません。……はい、週明けにでも営業の者に
連絡を取らせますので。はい、お手数をおかけします」
523:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2009/04/08(水) 13:00:33.08 ID:vIdZBssS0
男「……そう、ですか。そうなりますと、実際の移行は
夏ですね。ええ、はい。それは問題がありません。
実際のところはデータの傾向と分量を見てみないと。
そう、ですね……はい。はい」
男「私の方の連絡先ですか? こちらは神楽坂の作業事務所に
なりまして。電話番号は、はい……。メールアドレスは、
こちらから送らせていただきます」
男「いえ、こちらこそ。……ご挨拶も出来ずに申しわけありません。
円滑にプロジェクトを進めるためですので、はい。
はい? ――はい。
来週末の検品の時に、お伺いさせていただきます。
その時にご挨拶を。ありがとうございました。
――失礼します」
カチャン
男「……やっぱしなぁ。残りも発注する予定、ってか。
これは地獄じゃ、済まないなー」
525:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2009/04/08(水) 13:08:13.41 ID:vIdZBssS0
新人女「ただいま帰りましたー」
男「あれ、早かったね」
新人女「はい。あの男さん」
男「?」
新人女「昨日のサンドイッチなんですけど、買ってきたので」
男「あ。ごめん! 気を遣わせちゃったね」
新人女「いえ。あの、ついででしたし」
男「ごめんね。お金いくらだった」
新人女「はい。あ」
はらり
男「うわ、すごいね」
新人女「気がつきませんでした」
男「桜の花びら、一杯だ」
新人女「風ではらはら舞っていたので……」
男「そういう季節だしね」
新人女「どうぞ」
男「ありがとうございます」
新人女「紅茶で良かったですか?」
男「なんでもOKです。生き延びれるなら」
527:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2009/04/08(水) 13:16:03.26 ID:vIdZBssS0
――修羅場5日目 20:00 神楽坂作業室
――電話中
女「もしもしー。きいてまーすか」
男「聞こえてますよ、先輩」
女「どうですか? 調子は」
男「普通」
女「なんだか張り合い無いですな」
男「まぁ、トラブルがなかったって事っすよ。とりあえず
今日のところは~。そっちはどう? まだB男もC男も
いるんでしょ」
女「うん、いるよー。進捗は報告書あげたー」
男「あー。メールね。見たよ。これほんと?」
女「ほんとほんと。まじまじ」
男「すごいじゃん」
女「うちがエロいマクロ書いたからね!」
男「エロいのかよっ!」
女「偉くてロマンチックでイかすマクロなのだ!!」
男「……えーっと」
529:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2009/04/08(水) 13:19:36.70 ID:vIdZBssS0
女「褒めて!」
男「突っ込み希望じゃなかったの?」
女「褒める希望」
男「偉いぞ!」
女「ふふーん」
男「エロイぞ!」
女「ふふふーん♪」
男「じゃ、池袋は間に合いそうなんだ」
女「この調子で行くなら、毎日家に帰っても来週火曜には行けるね」
男「ふむふむ」
女「どうする? 作戦変更する?」
男「いや、このままで」
女「ほーい」
男「あと今後、進捗は個人メアドか、電話による口頭で」
女「うっわ。ねぇねぇ。警戒段階あげてるよ! マネジが!」
B男「わー。ほんとでござるか-?」
C男「もうダメだ。捨てよう」
女「どうしたの?」
C男のキャラいいなww
531:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2009/04/08(水) 13:22:13.29 ID:YYsGdXZiO
捨てんなwwwwwwwwww
532:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2009/04/08(水) 13:23:08.47 ID:vIdZBssS0
男「その辺はまた今度で。飲み会ででも」
女「らじゃー。場所はどうしよっか?」
男「いつものあたりでいいんじゃないかな?」
女「はいはい。了解。えーっと、土曜日に仕事あげて
そっちに移動すると、それでいい?」
男「はいはい。時間は17時とかにしとこか」
女「およ。早いね」
男「宴会も早めにきりあげて、帰さないとね。
せっかくの休日だし。新人女さんには言ってある。
彼女は休日に出てくることになるけどねー」
女「残業してった?」
男「粘ってたけど、定時で帰したよ」
女「そか。……マネジの要求はきついなー」
男「なんのこと?」
女「いやいや、こっちの話」
男「じゃ、今週はそんな感じで」
女「了解。もうちょいだけ、がんばりますか!」
B男「おー!」
C男「ファイトー!」
533:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2009/04/08(水) 13:23:29.30 ID:PLZ6CsbyO
いや、捨てよう
534:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2009/04/08(水) 13:25:41.78 ID:/Wy95xSLO
なんかB男C男いい味だしてるなw
しえん
540:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2009/04/08(水) 13:32:05.85 ID:vIdZBssS0
支援とかあんがとなー(´∇`)
でも書き貯め、尽きたよ……。
書き休憩してきます。すんません。1時間くらいで戻ります。
続きの記事 同僚女「やっぱり二人っきりになっちゃったね」
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