同僚女「おーい、おとこ。起きろ、起きろー」
Part7
783:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2009/04/08(水) 21:07:42.61 ID:vIdZBssS0
――修羅場6日目、日曜 8:00 神楽坂作業室
男「……すぅ。……んぅ……」
女「――」
男「……くふぅ~。んぅ」
女「――」ちょん
男「……すぅ」
女「――」にこっ
男「すうぅ……。ん……。んぅ……」
女「――」
男「むぅ……」ぼー
女「起きた?」
男「……んぅ」ぼー
女「偉いぞ」ぽむっ「顔洗ってくる」
かちゃん……とてて
男「……」ぼー
789:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2009/04/08(水) 21:12:43.87 ID:vIdZBssS0
男「……んー」
男「寝れちゃったの、か……」
男「絶対無理だと思ってたんだけどな……。そか」
男「良かったような、悪かったような。すげー微妙な
気持ちになるのが割り切れないというか」
男「起きよ」むくっ
男「お。なんか身体、軽い。かも
――よっぽど熟睡できたのかな。うわーかっこわるっ
人前で寝たりして。気まずい~」
偉いぞ ぽむっ
男「じゃないでそ」つっこみ
男「エアつっこみっ。キモっ!!」
男「ファイル消去、と」
792:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2009/04/08(水) 21:17:56.93 ID:vIdZBssS0
男「おはようございます」
女「おひゃよーぐもぐ、もぐ」
男「えーっと」
女「さっきコンビニいってきたん。男の分もあるよ?
パンだけど」
男「ええ、ありがとうございます」
女「いえいえ。今日も頑張ろう~。んぐ、もぎゅ」
ジャージ+ひっつめ+眼鏡
食パン+唐揚げ+マヨ
男「……これ相手に安心して寝顔さらしたのか」
女「?」
男「鬱だ」
女「もぐ?」
男「……なんか納得いかねぇぇ」
女「おお! 戦闘力が上がった!
男くん、燃えてるね!」
795:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2009/04/08(水) 21:22:25.88 ID:vIdZBssS0
――修羅場6日目、日曜 9:00 神楽坂作業室
女「日曜は良いねー。電話も鳴らない。緊急メールも来ない」
男「はかどりますねー」
男 カタカタカタカタカタカタ
女 カタカタカタカタカタカタ
女「毎日こうなら良いのにね」
男「変な突っ込みもなく、無茶注文もなく」
男 カタカタカタカタカタカタ
女 カタカタカタカタカタカタ
女「太陽はさんさんと」
男「風はそよそよと」
男 カタカタカタカタカタカタ
女 カタカタカタカタカタカタ
799:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2009/04/08(水) 21:25:34.80 ID:vIdZBssS0
女「街には家族ずれと恋人達が」
男「手を握りあって映画に行ったりショッピングをしたり」
男 カタカタカタカタカタカタ
女 カタカタカタカタカタカタ
女「たまの休日をゆったりと過ごす」
男「シチューなんかつくっちゃって」
男 カタカタカタカタカタカタ
女 カタカタカタカタカタカタ
女「素晴らしい日曜日」
男「おめでとう祝日」
男 カタカタカタカタカタカタ
女 カタカタカタカタカタカタ
女「呪われてしまえ」
男「まったくです」
802:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2009/04/08(水) 21:29:34.53 ID:vIdZBssS0
女「んー。男~。うちがフィルタ書く? 巣鴨形式の」
男「どうしますかね。見ました?」
女「斜め見してる」
男「どうです」
女「これ、データが相対っぽい作りなの?」
男「ですね」
女「んで、更新を何回やっても、全部履歴残すと。
更新のデータも全部そのまま移植?」
男「そうです」
女「ものすごくやっかいな作りじゃない?」
男「同意」
女「バグ出ても発見に時間かかりそう」
男「その通り」
女「量にもよるけれど、少なければ人海戦術の方が
確実で早いかなぁ」
男「んー」
805:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2009/04/08(水) 21:33:44.96 ID:vIdZBssS0
男「そいつはとりあえず放置で。俺がなんか書きますよ」
女「そうする?」
男「お任せあれ」
女「頼んだー」
男 カタカタカタカタカタカタ
女 カタカタカタカタカタカタ
女「代わりにうちからの贈り物ー!」
男「唐揚げですか?」
女「そうそう。こう、指先から無限に唐揚げがね。
ぽぽぽぽぽ、って出てくるかーっ!」
男「じゃ、なに?」
女「池袋のチームの、報告書とか進捗書類~」
男「あれ? 無かったって言ってなかったっけ?
本部からはそう聞いてるんだけど」
女「HDDの奥の方に、ころがってた」
男「あー」
女「バックアップじゃないかな」
811:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2009/04/08(水) 21:37:30.22 ID:vIdZBssS0
男 カタカタカタカタカタカタ
女 カタカタカタカタカタカタ
男「……」
女「~♪」
男 カタカタ
女 カタカタカタカタカタカタ
男「…――」
女「~♪」
女 カタカタカタカタカタカタ
男「――」
女「……男?」
男「はい?」
女「おっかないオーラ出てるよ?」
男「昨日も言ってましたね」
女「まぁね。新人女ちゃんが、マネジは張り詰めた顔してて
怖いときがあるってゆってた。笑い飛ばしておいたけど
確かに、怖いオーラ出すようになったねー」
男「自覚ないんだけどな」
814:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2009/04/08(水) 21:41:41.04 ID:vIdZBssS0
女「やっかいなファイルだったね」
男「見たんですよね?」
男 カタカタカタカタカタカタ
女 カタカタカタカタカタカタ
女「うん」
男「やっぱ池袋チームの方が、酷い状況だったんだ」
女「うちらより人数多かったのにね」
男 カタカタカタカタカタカタ
女 カタカタカタカタカタカタ
男「あそこはマネージャー、半年で四回も変わりましたしね」
女「端から見てても時間の問題って言う部分も、
なきにしもあらずかなー」
男「営業部と、かなりもめてたみたいですね」
女「……うん」
男 カタカタカタカタカタカタ
女 カタカタカタカタカタカタ
男「ものすごい嫌がらせ受けてる」
女「同じ会社なのにね」
男「社員と派遣じゃ、違うんでしょ」
女「……」
815:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2009/04/08(水) 21:47:40.64 ID:vIdZBssS0
――修羅場6日目、日曜 16:00 神楽坂作業室
男 カタカタカタカタ
女 カタカタカタカタ
男「むーん」ぼきぼき
女「うわ、背中なってるよ」
男「鳴りもします」
女「うちもー」ぱきゅ
男「ぷくース。変な音」
女「むー、見てろー」
男「?」
女「いっせーのっ――」
ベギュッ
男「お、おい、すげぇ音しましたよ先輩?」
女「あ゛」
男「あ?」
女「あ゛あ゛あ゛あ゛っ」
男「だ、大丈夫?」
女「痛い~」
819:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2009/04/08(水) 21:51:10.42 ID:vIdZBssS0
――修羅場6日目、日曜 17:00 神楽坂作業室
女「酷い目にあいましたよ」
男「自業自得だ」
女「むぅ」
男 カタカタカタカタ
女 カタカタカタカタ
女「そっちは今、何作業ー?」
男「指示書。作業指示とか」
女「うち? ってか池袋?」
男「それもあるし、新人女さんの分も」
男 カタカタカタカタ
女 カタカタカタカタ
女「なんでまた。口頭でいいじゃない?」
男「いや、文面指示書も慣れておかんとねー」
女「そうかな。二度手間な気もする」
男「まぁまぁ、無駄じゃないって」
822:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2009/04/08(水) 21:55:06.63 ID:vIdZBssS0
男「明日さー。B男をこっちもらって良い?」
女「こっち、人手いる?」
男「午後からくらいで良いんだけど。
もちろん、池袋側の作業進捗のめどが立ってれば、
っていう条件だけどさ。
なんだかんだで忍者、手は動かすでしょ?」
女「うん、組んで判ったけど。結構仕事できるよね」
男「テンションの上下が激しいのが弱点なんだよ。あいつ」
女「C男もね。伸びたよ」
男「そっか。進捗票は確かに伸びてるけど。
なんかあったのかな?」
女「んー。わかんない。……そういえば、こないだ飲み会で
童貞捨てたいとか言ってたよ」
男「風俗資金でも貯めたいのかな?」
女「酔ってたんでうろ覚えだけど。そうかもー」
男「人は見かけによらないなぁ。ふむぅ」
女「最近よく仕事のことで質問される」
男「性欲って人を成長させるんだな」
女「そうだねー。もとから几帳面だったし、
基礎知識はしみてるからやる気でれば、伸びるのは早いよ」
823:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2009/04/08(水) 21:56:05.95 ID:s3pkuQAT0
男C頑張ってるのに・・・w
824:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2009/04/08(水) 21:57:14.38 ID:VLj+CJpu0
C男は誰狙いなのか・・・・
825:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2009/04/08(水) 21:58:54.23 ID:PJ6qy6Ly0
c男ガンガレ
828:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2009/04/08(水) 22:01:57.96 ID:vIdZBssS0
男「と、なると後は新人女さんなんだけどね」
女「んー。もしかしてコンバート?」
男「それも考え中」
女「そうなん? 結構きっちり育ててるから、手元で可愛がる
のかと思ってたよ」
男「直属のマネジの下でしか戦えないのって、戦闘技術訓練
としては三流だ」
女「あー」
男「どこでも実力出せるようにしてあげないとね」
女「……」
男「なので、次はしばらく女先輩に預かってもらおうかと」
女「ん。いいよ。預かる。なに教えればいい?」
男「とりあえず、適当に仕事振ってみて。
で、本人が躓いたり、興味を持った仕事を。
無いとは思うけど、つまづいて立ち止まったり泣き出すようなら
送り返して。反省房で生まれてきたことを後悔させてやるから」
女「優しいのかきついのか、よぉ判らん」
男「優しくもきつくもないよ。マネジの仕事だよ」
女「――そか」
830:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2009/04/08(水) 22:06:44.92 ID:vIdZBssS0
――修羅場7日目、月曜 12:00 神楽坂作業室
B男「おはよーござるー!」
男「おっす、お疲れさん。濡れた?」
B男「ああ、結構降ってるでござるよ~」
男「そか。悪いな、移動」
B男「いえいえ、地下鉄でござるし。C男は
女先輩と2ショットできるとか感謝してたし」
男「あいつマゾなのか? そんなにスパルタ教育されたいの?」
B男「マゾ……ああ。マゾでござるね、たぶん」
男「マゾで風俗貯金か。
……ヤツが偉大な男に見えてきたぜ」
B男「……?」
男「いや、いいんだ。俺はこの件は心に秘めるぜ」
B男「新人女さんは?」
男「昼休憩」
B男「ああ」
男「久しぶりにその言葉を聞いた、みたいな顔するな」
B男「久しぶりに聞いたでござる」
831:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2009/04/08(水) 22:06:48.70 ID:VLj+CJpu0
この男マネージメントすげーよ。
ある意味女もきっちり操ってるだろ
832:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2009/04/08(水) 22:07:25.60 ID:U0WGHoROO
しぇんしぇん
839:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2009/04/08(水) 22:11:59.41 ID:vIdZBssS0
B男「で、拙者は何をするでござるか?」
男「まずはくつろいで……」
B男「おお。くつろぐでござるか。仕事の少ない優雅な
午後でござるね」
男「この報告書の山全部目を通して」
B男「ひぎぇっ」
男「まぁ、小手調べで」
B男「うううう。拙者書類仕事は苦手でござるのに」
男「書類仕事じゃなく、概要把握ね」
B男「……?」
男「今こっちで受けてた、最初から俺たち全員でやってた仕事。
そろそろ掃討戦の段階なんだわ」
B男「早いでござるなぁ! 四人がかりでやったペースと
さしてかわらないでござるね」
男「休日に飛ばしたからね」
ペラッペラッ
B男「最初の方は拙者が書いた報告書とかもあるので
これなら、あんまり時間をかけずに把握できると思うでござる」
男「把握したら、例外処理で跳ねておいたデータを
プリントして、全部確認依頼書つくって」
B男「了解でござる」
841:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2009/04/08(水) 22:16:37.01 ID:VLj+CJpu0
なんか男辞める準備に入ってるような・・・・
842:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2009/04/08(水) 22:16:59.27 ID:vIdZBssS0
男 カタカタカタカタカタカタ
B男「……男氏~」
男「どした」
B男「先週木曜のこれは?」
男「たぶんそれは0894-5613が正解。でも、確認して。
そのケースはメールで直接問い合わせでいいや」
B男「了解」
男 カタカタカタカタカタカタ
B男「……男氏~」
男「どした」
B男「こっちはどうするでござる? 破棄でござるか?」
男「うーん。破棄でいいや。でも、破棄専用のフォルダつくって
そっちにまとめておいて。なんかあると怖い」
B男「了解でござる」
男 カタカタカタカタカタカタ
847:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2009/04/08(水) 22:20:59.26 ID:vIdZBssS0
B男「……男氏~」
男「はいはい。今度はなに?」
B男「あそこ」
男「?」
B男「エレベータホールの下の街路樹で捕まってるの」
男「?」
B男「新人女氏ではござらんかなぁ」
男「え?」
新人女「――」
正社員「――――」
B男「そうでござろ?」
正社員「――――」
新人女「――」
正社員「――――」
新人女「――」に、にこっ
男「だなぁ」
854:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2009/04/08(水) 22:25:05.86 ID:vIdZBssS0
正社員「――――」
新人女「――」ぺこっ
正社員「――――」
新人女「――」ぺこぺこっ
B男「なんの話でござろね」
男「さぁ」
新人女「――――」
正社員「――?」
新人女「――」
B男「あれは営業の人でござるね。拙者……」
男「?」
B男「愉快な気分ではござらん」
男「押さえろよなー。忍びだろ」
B男「刃の下の心でござるか」
正社員「――? ――?」
新人女「――」ぺこっ
がらがら
男「新人女さーん!」
857:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2009/04/08(水) 22:29:17.98 ID:vIdZBssS0
新人女「あ、はいっ! 男さんっ」
男「マクロの置換処理、止まってますよー」
新人女「はい? ……あ、はいっ! すみませんっ」
正社員「――」
新人女「――」ぺこっ
たたたたっ
B男「マネジャー氏」
男「ん?」
B男「考えてみたら、拙者、昼食抜きでござった。
コンビニ行ってきたりするでござるけど、
何か入り用でござるか?」
男「ああ……。プリン?」
B男「高いのでござるか?」
男「そうだね」
B男「行ってくるでござる」
がちゃり
新人女「遅れてすいませんでしたっ」
869:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2009/04/08(水) 22:33:01.80 ID:vIdZBssS0
新人女「あの、遅れてすいませんでした」
男「いや、気にしないで。そんなに焦らなくてもさ」
新人女「は、い」びくびく
男「……午後も続きね。精度あがってるから、仕事が
粗くならないようにだんだん速度を上げていってね」
新人女「はい、あの」
男 カタカタカタカタカタカタ
新人女「あの」おどおど
男 カタカタカタカタカタカタ
新人女「あの、ですね」
男「……うん」
新人女「エレベーターの下で、営業のM野さんに声を
かけられまして」
男「うん、見えた」
879:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2009/04/08(水) 22:36:50.20 ID:vIdZBssS0
新人女「それで、あの……」
男「ごめんね」
新人女「え?」
男「いや、余計な声をかけた可能性が低くない」
新人女「そんな、とんでもないです。助かりました」
男「そうかな」
新人女「え――」
男「派遣でいたい派遣の人ってあんまりいないよ。
だから余計なお節介かもしれないのは本当」
新人女「……あの」
男「?」
新人女「判りますか……」
男「うん」
新人女「どうしてですか……」
男「M野さんはそう言う人だから」
885:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2009/04/08(水) 22:40:06.10 ID:ZmBam2j40
残り100ちょい
支援もほどほどにしないと完結前に埋まる予感
890:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2009/04/08(水) 22:41:55.12 ID:vIdZBssS0
>>885
や、ごめんなさい。まじごめんなさい。
全然無理です(T∇T)ノ デヘヘ
おわらねぇよこれー
>>880
お、おわりゃないにょー!? すれおわりゅのに
いっぱいどくどくとみゃらにゃいー
891:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2009/04/08(水) 22:42:02.19 ID:8lA8L1CY0
>>885
新スレ立てればいいのさ
897:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2009/04/08(水) 22:45:33.55 ID:vIdZBssS0
新人女「……」
男「……」
新人女「あの……」おどおど
男「なに?」
新人女「いえ……」びくっ
男「――――」くるっ
新人女「っ」
男「んっと、ここ座ってください」
新人女「はい……」
男「本来は柄じゃないんだけどね。
余計なお世話かもしれないし。
だから何度も言わないし、面倒くさかったら
聞き流しておいてね」
新人女「……」
男「まずね、俺たちは、野良です」
新人女「野良……」
902:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2009/04/08(水) 22:49:17.87 ID:vIdZBssS0
男「野良だから、自分の餌は自分でとらないといけません。
野良だから自分の身は自分で守らないといけません。
派遣会社に登録して、労務相談とかあるから
何かに所属して守ってもらえるような錯覚があるけれど、
それは全部嘘。
派遣会社は野良の道具です。
野良の飼い主じゃありません」
新人女「……」
男「でも、本当は派遣社員だから野良って訳じゃないです。
IT系は全部野良。サラリーマンなんて本当はいない。
みんな一時的にプロジェクトで集まってる、会社に所属
してる気分になってる。それだけの業界なんです。
本質は全員、野良なの。
もっと言ってしまえば、今のご時世、公務員か
一部の保守的企業に勤めている人間以外は、
どこかしら野良な部分を抱えて生きて行かなきゃならない。
そういう時代だし、そういう場所です。東京って」
新人女「……」
907:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2009/04/08(水) 22:52:41.11 ID:vIdZBssS0
男「今やってる仕事はね、
スキルなんて本当はほとんどいらない。
そりゃ企業側は、スキルがある人間を欲しがるよ。
でも、座学で覚えたスキルなんて、現場じゃほとんど役に
立たないです。まったくかもしれない。
スキルは、現場で修羅場くぐれば、大抵3ヶ月で覚えます。
それがたとえ難解な言語であってもね。
でも。
野良の生き方は、そうはいかない。
ずっと覚えられない人も、います」
新人女「……ぁ」
男「だから……」
新人女「……」
男「自分で餌をとるのも、野良の仕事だから。
もし、取るのなら、邪魔はしないですし。
邪魔をしてしまったのなら、申し訳ない。
派遣の引き抜きは違法だなんて野暮な事は言いません。
正社員に誘われたでしょうに」
新人女「……あの」
男「言わなくて良いです。あんまり愉快な話でもないでしょ?」
新人女「……」
男「M野さんが人事に顔が利くのは本当ですし」
915:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2009/04/08(水) 22:58:06.37 ID:vIdZBssS0
男「野良だから。マネジなんてあてにならないですよ」
新人女「――」
男「いざというとき、マネージャーなんて絶対に自分を
守ってくれないからね? 自分を守れるのは、自分だけ
だからね?」
新人女「……はい」
男「でも、まだ神楽坂班だから」
新人女「はい」
男「今はまだ神楽坂班なので、仕事をしてください」
新人女「はい」
男「神楽坂班でいる限り、野良の生き方を教えるから」
新人女「え?」
男「こんな仕事で身につくスキルなんかしれてるけれど
野良の生き方はどこでも通用するから」
新人女「……はいっ」
がちゃり
B男「買ってきたでござる~♪」
男「お話、お仕舞いっ。
まずは、手近なところで、あの餌でもとるとしよー」
922:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2009/04/08(水) 23:02:10.46 ID:vIdZBssS0
――修羅場7日目、月曜 21:00 神楽坂作業室
――電話
男「ごめん、また予定変更」
女「おー。どないなってるん?」
男「新人女さんだけど、そっちいかせられなくなった」
女「――あらら。むむ。やっぱあれか?
可愛くなったのかなー? 慕ってくれる後輩が
しくしく泣いちゃってるのかなー。
ま、まさか揉んだ!? 揉んだのかっ!?」
男「や、ないない」
女「……そか」
男「M野がくっついてさ」
女「あ……ぅ」
男「そっちに送っても面倒くさくなるだけだ」
女「それは……。うん。だね」
931:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2009/04/08(水) 23:05:43.53 ID:vIdZBssS0
男「女先輩にゃM野は近づけさせられないからなっ」
女「ほんと、ごめん」
男「気にするな。ウォリアー的に」
女「お、おう。ウォリアー的に」
男「……」
女「んっと、新人女さんは?」
男「あー。よく判らん」
女「判らないの?」
男「うん、なんだか畏まってもぐもぐ言ってた」
女「うーん」
男「個人的には、余計なお世話かもなぁ、と思う。
M野は、とりあえず女の子には甘いじゃない?
それで正社員にはなれるわけだしさ。
それはそれで、まぁ処世術かなぁと思うんだよね。
結婚できれば永久就職じゃん」
女「新人女さんは、そっちは行かない気がするな……」
男「そうなん?」
947:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2009/04/08(水) 23:11:30.56 ID:vIdZBssS0
女「まーねー」
男「でも、スイーツ系って言ってたじゃん」
女「本当にスイーツなら、こんな派遣くるかなー」
男「そういうもん?」
女「あははは。もう実家に顔出せないような
親不孝な私と違ってさ-。親元な訳でしょ」
男「らしいね」
女「根性見せちゃうんじゃないのかな」
男「見せちゃうのか」
女「見せちゃうでしょ」
男「そか」
女「……」
男「……」
女「やっぱ、ドンパチやることになるのかね」
男「仕方ないね。処理班はうち一個なんだし
開戦も時間の問題だったともうよ。このままじゃ、
受注が出来ないんだもん。きっかけ程度だよ」
――そして翌週、デスマーチが始まった。
959:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2009/04/08(水) 23:16:23.71 ID:U0WGHoROO
デスマーチ…だと…?
いまだにパー速の見かたを知らないんだぜ
誰か教えてくだしあ
960:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2009/04/08(水) 23:16:39.32 ID:g1O6YebKO
うわあはあー
デスマーチきた……
961:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2009/04/08(水) 23:16:40.17 ID:vIdZBssS0
うお、すまねぇ(T∇T)おわんなかった
レスできないのもごめん。猿制限のせいで、
一個レスすると一個書き込みできなくなる(T∇T)
パー速は、じつはまだ落ちてないスレがあったりして
秘密基地状態なので(>_<)
まぁ、今日のところはさくっと落とす感じで! ひとつ。
ママレードで。ご容赦を。
余力があれば、近日中に建ててみたりするin Vip。
保守してくれた人、ありがとうございました!
いずみスーパーおばちゃん特製のシュウマイ(´∇`)やる!
987:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2009/04/08(水) 23:22:44.51 ID:psvw1ZgZO
次立てる時のスレタイ決めれ
988:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2009/04/08(水) 23:22:45.47 ID:+WnRSQaf0
だな。
スレタイだけでも教えてくれ
989:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2009/04/08(水) 23:22:50.32 ID:vIdZBssS0
>>973
うぃむしゅ、そうです。
すいません、ごめんなさい。がたがた。
次タイトルは
同僚女「やっぱり二人っきりになっちゃったね」
で行こうかと思います。
もちろん萌え成分は皆無の内容で。
993:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2009/04/08(水) 23:23:39.51 ID:fBQkilJw0
いちおつ
楽しかったぜ
1000:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2009/04/08(水) 23:24:08.17 ID:rv60zxx3P
>>1000なら即再開
――修羅場6日目、日曜 8:00 神楽坂作業室
男「……すぅ。……んぅ……」
女「――」
男「……くふぅ~。んぅ」
女「――」ちょん
男「……すぅ」
女「――」にこっ
男「すうぅ……。ん……。んぅ……」
女「――」
男「むぅ……」ぼー
女「起きた?」
男「……んぅ」ぼー
女「偉いぞ」ぽむっ「顔洗ってくる」
かちゃん……とてて
男「……」ぼー
789:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2009/04/08(水) 21:12:43.87 ID:vIdZBssS0
男「……んー」
男「寝れちゃったの、か……」
男「絶対無理だと思ってたんだけどな……。そか」
男「良かったような、悪かったような。すげー微妙な
気持ちになるのが割り切れないというか」
男「起きよ」むくっ
男「お。なんか身体、軽い。かも
――よっぽど熟睡できたのかな。うわーかっこわるっ
人前で寝たりして。気まずい~」
偉いぞ ぽむっ
男「じゃないでそ」つっこみ
男「エアつっこみっ。キモっ!!」
男「ファイル消去、と」
792:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2009/04/08(水) 21:17:56.93 ID:vIdZBssS0
男「おはようございます」
女「おひゃよーぐもぐ、もぐ」
男「えーっと」
女「さっきコンビニいってきたん。男の分もあるよ?
パンだけど」
男「ええ、ありがとうございます」
女「いえいえ。今日も頑張ろう~。んぐ、もぎゅ」
ジャージ+ひっつめ+眼鏡
食パン+唐揚げ+マヨ
男「……これ相手に安心して寝顔さらしたのか」
女「?」
男「鬱だ」
女「もぐ?」
男「……なんか納得いかねぇぇ」
女「おお! 戦闘力が上がった!
男くん、燃えてるね!」
795:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2009/04/08(水) 21:22:25.88 ID:vIdZBssS0
――修羅場6日目、日曜 9:00 神楽坂作業室
女「日曜は良いねー。電話も鳴らない。緊急メールも来ない」
男「はかどりますねー」
男 カタカタカタカタカタカタ
女 カタカタカタカタカタカタ
女「毎日こうなら良いのにね」
男「変な突っ込みもなく、無茶注文もなく」
男 カタカタカタカタカタカタ
女 カタカタカタカタカタカタ
女「太陽はさんさんと」
男「風はそよそよと」
男 カタカタカタカタカタカタ
女 カタカタカタカタカタカタ
799:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2009/04/08(水) 21:25:34.80 ID:vIdZBssS0
女「街には家族ずれと恋人達が」
男「手を握りあって映画に行ったりショッピングをしたり」
男 カタカタカタカタカタカタ
女 カタカタカタカタカタカタ
女「たまの休日をゆったりと過ごす」
男「シチューなんかつくっちゃって」
男 カタカタカタカタカタカタ
女 カタカタカタカタカタカタ
女「素晴らしい日曜日」
男「おめでとう祝日」
男 カタカタカタカタカタカタ
女 カタカタカタカタカタカタ
女「呪われてしまえ」
男「まったくです」
女「んー。男~。うちがフィルタ書く? 巣鴨形式の」
男「どうしますかね。見ました?」
女「斜め見してる」
男「どうです」
女「これ、データが相対っぽい作りなの?」
男「ですね」
女「んで、更新を何回やっても、全部履歴残すと。
更新のデータも全部そのまま移植?」
男「そうです」
女「ものすごくやっかいな作りじゃない?」
男「同意」
女「バグ出ても発見に時間かかりそう」
男「その通り」
女「量にもよるけれど、少なければ人海戦術の方が
確実で早いかなぁ」
男「んー」
805:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2009/04/08(水) 21:33:44.96 ID:vIdZBssS0
男「そいつはとりあえず放置で。俺がなんか書きますよ」
女「そうする?」
男「お任せあれ」
女「頼んだー」
男 カタカタカタカタカタカタ
女 カタカタカタカタカタカタ
女「代わりにうちからの贈り物ー!」
男「唐揚げですか?」
女「そうそう。こう、指先から無限に唐揚げがね。
ぽぽぽぽぽ、って出てくるかーっ!」
男「じゃ、なに?」
女「池袋のチームの、報告書とか進捗書類~」
男「あれ? 無かったって言ってなかったっけ?
本部からはそう聞いてるんだけど」
女「HDDの奥の方に、ころがってた」
男「あー」
女「バックアップじゃないかな」
811:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2009/04/08(水) 21:37:30.22 ID:vIdZBssS0
男 カタカタカタカタカタカタ
女 カタカタカタカタカタカタ
男「……」
女「~♪」
男 カタカタ
女 カタカタカタカタカタカタ
男「…――」
女「~♪」
女 カタカタカタカタカタカタ
男「――」
女「……男?」
男「はい?」
女「おっかないオーラ出てるよ?」
男「昨日も言ってましたね」
女「まぁね。新人女ちゃんが、マネジは張り詰めた顔してて
怖いときがあるってゆってた。笑い飛ばしておいたけど
確かに、怖いオーラ出すようになったねー」
男「自覚ないんだけどな」
814:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2009/04/08(水) 21:41:41.04 ID:vIdZBssS0
女「やっかいなファイルだったね」
男「見たんですよね?」
男 カタカタカタカタカタカタ
女 カタカタカタカタカタカタ
女「うん」
男「やっぱ池袋チームの方が、酷い状況だったんだ」
女「うちらより人数多かったのにね」
男 カタカタカタカタカタカタ
女 カタカタカタカタカタカタ
男「あそこはマネージャー、半年で四回も変わりましたしね」
女「端から見てても時間の問題って言う部分も、
なきにしもあらずかなー」
男「営業部と、かなりもめてたみたいですね」
女「……うん」
男 カタカタカタカタカタカタ
女 カタカタカタカタカタカタ
男「ものすごい嫌がらせ受けてる」
女「同じ会社なのにね」
男「社員と派遣じゃ、違うんでしょ」
女「……」
815:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2009/04/08(水) 21:47:40.64 ID:vIdZBssS0
――修羅場6日目、日曜 16:00 神楽坂作業室
男 カタカタカタカタ
女 カタカタカタカタ
男「むーん」ぼきぼき
女「うわ、背中なってるよ」
男「鳴りもします」
女「うちもー」ぱきゅ
男「ぷくース。変な音」
女「むー、見てろー」
男「?」
女「いっせーのっ――」
ベギュッ
男「お、おい、すげぇ音しましたよ先輩?」
女「あ゛」
男「あ?」
女「あ゛あ゛あ゛あ゛っ」
男「だ、大丈夫?」
女「痛い~」
819:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2009/04/08(水) 21:51:10.42 ID:vIdZBssS0
――修羅場6日目、日曜 17:00 神楽坂作業室
女「酷い目にあいましたよ」
男「自業自得だ」
女「むぅ」
男 カタカタカタカタ
女 カタカタカタカタ
女「そっちは今、何作業ー?」
男「指示書。作業指示とか」
女「うち? ってか池袋?」
男「それもあるし、新人女さんの分も」
男 カタカタカタカタ
女 カタカタカタカタ
女「なんでまた。口頭でいいじゃない?」
男「いや、文面指示書も慣れておかんとねー」
女「そうかな。二度手間な気もする」
男「まぁまぁ、無駄じゃないって」
822:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2009/04/08(水) 21:55:06.63 ID:vIdZBssS0
男「明日さー。B男をこっちもらって良い?」
女「こっち、人手いる?」
男「午後からくらいで良いんだけど。
もちろん、池袋側の作業進捗のめどが立ってれば、
っていう条件だけどさ。
なんだかんだで忍者、手は動かすでしょ?」
女「うん、組んで判ったけど。結構仕事できるよね」
男「テンションの上下が激しいのが弱点なんだよ。あいつ」
女「C男もね。伸びたよ」
男「そっか。進捗票は確かに伸びてるけど。
なんかあったのかな?」
女「んー。わかんない。……そういえば、こないだ飲み会で
童貞捨てたいとか言ってたよ」
男「風俗資金でも貯めたいのかな?」
女「酔ってたんでうろ覚えだけど。そうかもー」
男「人は見かけによらないなぁ。ふむぅ」
女「最近よく仕事のことで質問される」
男「性欲って人を成長させるんだな」
女「そうだねー。もとから几帳面だったし、
基礎知識はしみてるからやる気でれば、伸びるのは早いよ」
823:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2009/04/08(水) 21:56:05.95 ID:s3pkuQAT0
男C頑張ってるのに・・・w
824:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2009/04/08(水) 21:57:14.38 ID:VLj+CJpu0
C男は誰狙いなのか・・・・
825:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2009/04/08(水) 21:58:54.23 ID:PJ6qy6Ly0
c男ガンガレ
828:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2009/04/08(水) 22:01:57.96 ID:vIdZBssS0
男「と、なると後は新人女さんなんだけどね」
女「んー。もしかしてコンバート?」
男「それも考え中」
女「そうなん? 結構きっちり育ててるから、手元で可愛がる
のかと思ってたよ」
男「直属のマネジの下でしか戦えないのって、戦闘技術訓練
としては三流だ」
女「あー」
男「どこでも実力出せるようにしてあげないとね」
女「……」
男「なので、次はしばらく女先輩に預かってもらおうかと」
女「ん。いいよ。預かる。なに教えればいい?」
男「とりあえず、適当に仕事振ってみて。
で、本人が躓いたり、興味を持った仕事を。
無いとは思うけど、つまづいて立ち止まったり泣き出すようなら
送り返して。反省房で生まれてきたことを後悔させてやるから」
女「優しいのかきついのか、よぉ判らん」
男「優しくもきつくもないよ。マネジの仕事だよ」
女「――そか」
830:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2009/04/08(水) 22:06:44.92 ID:vIdZBssS0
――修羅場7日目、月曜 12:00 神楽坂作業室
B男「おはよーござるー!」
男「おっす、お疲れさん。濡れた?」
B男「ああ、結構降ってるでござるよ~」
男「そか。悪いな、移動」
B男「いえいえ、地下鉄でござるし。C男は
女先輩と2ショットできるとか感謝してたし」
男「あいつマゾなのか? そんなにスパルタ教育されたいの?」
B男「マゾ……ああ。マゾでござるね、たぶん」
男「マゾで風俗貯金か。
……ヤツが偉大な男に見えてきたぜ」
B男「……?」
男「いや、いいんだ。俺はこの件は心に秘めるぜ」
B男「新人女さんは?」
男「昼休憩」
B男「ああ」
男「久しぶりにその言葉を聞いた、みたいな顔するな」
B男「久しぶりに聞いたでござる」
831:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2009/04/08(水) 22:06:48.70 ID:VLj+CJpu0
この男マネージメントすげーよ。
ある意味女もきっちり操ってるだろ
832:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2009/04/08(水) 22:07:25.60 ID:U0WGHoROO
しぇんしぇん
839:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2009/04/08(水) 22:11:59.41 ID:vIdZBssS0
B男「で、拙者は何をするでござるか?」
男「まずはくつろいで……」
B男「おお。くつろぐでござるか。仕事の少ない優雅な
午後でござるね」
男「この報告書の山全部目を通して」
B男「ひぎぇっ」
男「まぁ、小手調べで」
B男「うううう。拙者書類仕事は苦手でござるのに」
男「書類仕事じゃなく、概要把握ね」
B男「……?」
男「今こっちで受けてた、最初から俺たち全員でやってた仕事。
そろそろ掃討戦の段階なんだわ」
B男「早いでござるなぁ! 四人がかりでやったペースと
さしてかわらないでござるね」
男「休日に飛ばしたからね」
ペラッペラッ
B男「最初の方は拙者が書いた報告書とかもあるので
これなら、あんまり時間をかけずに把握できると思うでござる」
男「把握したら、例外処理で跳ねておいたデータを
プリントして、全部確認依頼書つくって」
B男「了解でござる」
なんか男辞める準備に入ってるような・・・・
842:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2009/04/08(水) 22:16:59.27 ID:vIdZBssS0
男 カタカタカタカタカタカタ
B男「……男氏~」
男「どした」
B男「先週木曜のこれは?」
男「たぶんそれは0894-5613が正解。でも、確認して。
そのケースはメールで直接問い合わせでいいや」
B男「了解」
男 カタカタカタカタカタカタ
B男「……男氏~」
男「どした」
B男「こっちはどうするでござる? 破棄でござるか?」
男「うーん。破棄でいいや。でも、破棄専用のフォルダつくって
そっちにまとめておいて。なんかあると怖い」
B男「了解でござる」
男 カタカタカタカタカタカタ
847:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2009/04/08(水) 22:20:59.26 ID:vIdZBssS0
B男「……男氏~」
男「はいはい。今度はなに?」
B男「あそこ」
男「?」
B男「エレベータホールの下の街路樹で捕まってるの」
男「?」
B男「新人女氏ではござらんかなぁ」
男「え?」
新人女「――」
正社員「――――」
B男「そうでござろ?」
正社員「――――」
新人女「――」
正社員「――――」
新人女「――」に、にこっ
男「だなぁ」
854:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2009/04/08(水) 22:25:05.86 ID:vIdZBssS0
正社員「――――」
新人女「――」ぺこっ
正社員「――――」
新人女「――」ぺこぺこっ
B男「なんの話でござろね」
男「さぁ」
新人女「――――」
正社員「――?」
新人女「――」
B男「あれは営業の人でござるね。拙者……」
男「?」
B男「愉快な気分ではござらん」
男「押さえろよなー。忍びだろ」
B男「刃の下の心でござるか」
正社員「――? ――?」
新人女「――」ぺこっ
がらがら
男「新人女さーん!」
857:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2009/04/08(水) 22:29:17.98 ID:vIdZBssS0
新人女「あ、はいっ! 男さんっ」
男「マクロの置換処理、止まってますよー」
新人女「はい? ……あ、はいっ! すみませんっ」
正社員「――」
新人女「――」ぺこっ
たたたたっ
B男「マネジャー氏」
男「ん?」
B男「考えてみたら、拙者、昼食抜きでござった。
コンビニ行ってきたりするでござるけど、
何か入り用でござるか?」
男「ああ……。プリン?」
B男「高いのでござるか?」
男「そうだね」
B男「行ってくるでござる」
がちゃり
新人女「遅れてすいませんでしたっ」
869:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2009/04/08(水) 22:33:01.80 ID:vIdZBssS0
新人女「あの、遅れてすいませんでした」
男「いや、気にしないで。そんなに焦らなくてもさ」
新人女「は、い」びくびく
男「……午後も続きね。精度あがってるから、仕事が
粗くならないようにだんだん速度を上げていってね」
新人女「はい、あの」
男 カタカタカタカタカタカタ
新人女「あの」おどおど
男 カタカタカタカタカタカタ
新人女「あの、ですね」
男「……うん」
新人女「エレベーターの下で、営業のM野さんに声を
かけられまして」
男「うん、見えた」
879:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2009/04/08(水) 22:36:50.20 ID:vIdZBssS0
新人女「それで、あの……」
男「ごめんね」
新人女「え?」
男「いや、余計な声をかけた可能性が低くない」
新人女「そんな、とんでもないです。助かりました」
男「そうかな」
新人女「え――」
男「派遣でいたい派遣の人ってあんまりいないよ。
だから余計なお節介かもしれないのは本当」
新人女「……あの」
男「?」
新人女「判りますか……」
男「うん」
新人女「どうしてですか……」
男「M野さんはそう言う人だから」
885:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2009/04/08(水) 22:40:06.10 ID:ZmBam2j40
残り100ちょい
支援もほどほどにしないと完結前に埋まる予感
890:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2009/04/08(水) 22:41:55.12 ID:vIdZBssS0
>>885
や、ごめんなさい。まじごめんなさい。
全然無理です(T∇T)ノ デヘヘ
おわらねぇよこれー
>>880
お、おわりゃないにょー!? すれおわりゅのに
いっぱいどくどくとみゃらにゃいー
891:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2009/04/08(水) 22:42:02.19 ID:8lA8L1CY0
>>885
新スレ立てればいいのさ
897:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2009/04/08(水) 22:45:33.55 ID:vIdZBssS0
新人女「……」
男「……」
新人女「あの……」おどおど
男「なに?」
新人女「いえ……」びくっ
男「――――」くるっ
新人女「っ」
男「んっと、ここ座ってください」
新人女「はい……」
男「本来は柄じゃないんだけどね。
余計なお世話かもしれないし。
だから何度も言わないし、面倒くさかったら
聞き流しておいてね」
新人女「……」
男「まずね、俺たちは、野良です」
新人女「野良……」
902:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2009/04/08(水) 22:49:17.87 ID:vIdZBssS0
男「野良だから、自分の餌は自分でとらないといけません。
野良だから自分の身は自分で守らないといけません。
派遣会社に登録して、労務相談とかあるから
何かに所属して守ってもらえるような錯覚があるけれど、
それは全部嘘。
派遣会社は野良の道具です。
野良の飼い主じゃありません」
新人女「……」
男「でも、本当は派遣社員だから野良って訳じゃないです。
IT系は全部野良。サラリーマンなんて本当はいない。
みんな一時的にプロジェクトで集まってる、会社に所属
してる気分になってる。それだけの業界なんです。
本質は全員、野良なの。
もっと言ってしまえば、今のご時世、公務員か
一部の保守的企業に勤めている人間以外は、
どこかしら野良な部分を抱えて生きて行かなきゃならない。
そういう時代だし、そういう場所です。東京って」
新人女「……」
907:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2009/04/08(水) 22:52:41.11 ID:vIdZBssS0
男「今やってる仕事はね、
スキルなんて本当はほとんどいらない。
そりゃ企業側は、スキルがある人間を欲しがるよ。
でも、座学で覚えたスキルなんて、現場じゃほとんど役に
立たないです。まったくかもしれない。
スキルは、現場で修羅場くぐれば、大抵3ヶ月で覚えます。
それがたとえ難解な言語であってもね。
でも。
野良の生き方は、そうはいかない。
ずっと覚えられない人も、います」
新人女「……ぁ」
男「だから……」
新人女「……」
男「自分で餌をとるのも、野良の仕事だから。
もし、取るのなら、邪魔はしないですし。
邪魔をしてしまったのなら、申し訳ない。
派遣の引き抜きは違法だなんて野暮な事は言いません。
正社員に誘われたでしょうに」
新人女「……あの」
男「言わなくて良いです。あんまり愉快な話でもないでしょ?」
新人女「……」
男「M野さんが人事に顔が利くのは本当ですし」
915:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2009/04/08(水) 22:58:06.37 ID:vIdZBssS0
男「野良だから。マネジなんてあてにならないですよ」
新人女「――」
男「いざというとき、マネージャーなんて絶対に自分を
守ってくれないからね? 自分を守れるのは、自分だけ
だからね?」
新人女「……はい」
男「でも、まだ神楽坂班だから」
新人女「はい」
男「今はまだ神楽坂班なので、仕事をしてください」
新人女「はい」
男「神楽坂班でいる限り、野良の生き方を教えるから」
新人女「え?」
男「こんな仕事で身につくスキルなんかしれてるけれど
野良の生き方はどこでも通用するから」
新人女「……はいっ」
がちゃり
B男「買ってきたでござる~♪」
男「お話、お仕舞いっ。
まずは、手近なところで、あの餌でもとるとしよー」
922:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2009/04/08(水) 23:02:10.46 ID:vIdZBssS0
――修羅場7日目、月曜 21:00 神楽坂作業室
――電話
男「ごめん、また予定変更」
女「おー。どないなってるん?」
男「新人女さんだけど、そっちいかせられなくなった」
女「――あらら。むむ。やっぱあれか?
可愛くなったのかなー? 慕ってくれる後輩が
しくしく泣いちゃってるのかなー。
ま、まさか揉んだ!? 揉んだのかっ!?」
男「や、ないない」
女「……そか」
男「M野がくっついてさ」
女「あ……ぅ」
男「そっちに送っても面倒くさくなるだけだ」
女「それは……。うん。だね」
931:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2009/04/08(水) 23:05:43.53 ID:vIdZBssS0
男「女先輩にゃM野は近づけさせられないからなっ」
女「ほんと、ごめん」
男「気にするな。ウォリアー的に」
女「お、おう。ウォリアー的に」
男「……」
女「んっと、新人女さんは?」
男「あー。よく判らん」
女「判らないの?」
男「うん、なんだか畏まってもぐもぐ言ってた」
女「うーん」
男「個人的には、余計なお世話かもなぁ、と思う。
M野は、とりあえず女の子には甘いじゃない?
それで正社員にはなれるわけだしさ。
それはそれで、まぁ処世術かなぁと思うんだよね。
結婚できれば永久就職じゃん」
女「新人女さんは、そっちは行かない気がするな……」
男「そうなん?」
947:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2009/04/08(水) 23:11:30.56 ID:vIdZBssS0
女「まーねー」
男「でも、スイーツ系って言ってたじゃん」
女「本当にスイーツなら、こんな派遣くるかなー」
男「そういうもん?」
女「あははは。もう実家に顔出せないような
親不孝な私と違ってさ-。親元な訳でしょ」
男「らしいね」
女「根性見せちゃうんじゃないのかな」
男「見せちゃうのか」
女「見せちゃうでしょ」
男「そか」
女「……」
男「……」
女「やっぱ、ドンパチやることになるのかね」
男「仕方ないね。処理班はうち一個なんだし
開戦も時間の問題だったともうよ。このままじゃ、
受注が出来ないんだもん。きっかけ程度だよ」
――そして翌週、デスマーチが始まった。
959:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2009/04/08(水) 23:16:23.71 ID:U0WGHoROO
デスマーチ…だと…?
いまだにパー速の見かたを知らないんだぜ
誰か教えてくだしあ
960:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2009/04/08(水) 23:16:39.32 ID:g1O6YebKO
うわあはあー
デスマーチきた……
961:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2009/04/08(水) 23:16:40.17 ID:vIdZBssS0
うお、すまねぇ(T∇T)おわんなかった
レスできないのもごめん。猿制限のせいで、
一個レスすると一個書き込みできなくなる(T∇T)
パー速は、じつはまだ落ちてないスレがあったりして
秘密基地状態なので(>_<)
まぁ、今日のところはさくっと落とす感じで! ひとつ。
ママレードで。ご容赦を。
余力があれば、近日中に建ててみたりするin Vip。
保守してくれた人、ありがとうございました!
いずみスーパーおばちゃん特製のシュウマイ(´∇`)やる!
987:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2009/04/08(水) 23:22:44.51 ID:psvw1ZgZO
次立てる時のスレタイ決めれ
988:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2009/04/08(水) 23:22:45.47 ID:+WnRSQaf0
だな。
スレタイだけでも教えてくれ
989:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2009/04/08(水) 23:22:50.32 ID:vIdZBssS0
>>973
うぃむしゅ、そうです。
すいません、ごめんなさい。がたがた。
次タイトルは
同僚女「やっぱり二人っきりになっちゃったね」
で行こうかと思います。
もちろん萌え成分は皆無の内容で。
993:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2009/04/08(水) 23:23:39.51 ID:fBQkilJw0
いちおつ
楽しかったぜ
1000:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2009/04/08(水) 23:24:08.17 ID:rv60zxx3P
>>1000なら即再開
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