サシャ「どんな味でも構いません」
Part5
85 : ◆H4iwFNXQsw:2014/01/24(金) 00:27:14 ID:SwiFlSqc
マルコ「……」
ライナー「……」
サシャ「……」
マルコ「……用、足していいかな?」ニコッ
ライナー「!! そ、そうだな! ここはそういうところだもんな!」アセアセ
サシャ「私たち今すぐ出ますから、どうぞお構いなく!!」アセアセ
マルコ「追い出してごめんね、二人とも」
サシャ「いっ、いえいえいえいえそんなことは!!」ブンブン
マルコ「そう? ーーあのさ、こういうことを言うのはお節介だとは思うんだけど……一応時と場所は考えたほうがいいと思うよ。お互いのためにもね」
ライナー「……肝に銘じておく」
86 : ◆H4iwFNXQsw:2014/01/24(金) 00:28:02 ID:SwiFlSqc
\ガチャッ バタンッ/
マルコ「さてと。……ジャン、出てきていいよ」
ジャン「……」ガチャッ
マルコ「災難だったね。お腹の調子はどう?」
ジャン「引っ込んだ」
マルコ「だよね」
ジャン「あのさ、マルコ……俺、もう巨人でもいいかなって思うんだけどどう思う?」
マルコ「女性型の巨人はほとんどいないよ」
ジャン「……」
マルコ「……」
ジャン「……泣いていいか?」グスッ
マルコ「そうだね、取り敢えず寮に戻ろうか」ナデナデ
87 : ◆H4iwFNXQsw:2014/01/24(金) 00:28:49 ID:SwiFlSqc
ーー とある廊下 出入口近く
サシャ「……」
ライナー「……」
サシャ「えっと……これからどうします? 流石にもう寮に戻らないと、時間が……」
ライナー「そうだな。……よし、寮まで送る」スタスタ...
サシャ「えっ? ……あの、寮までなら一人で帰れますけど」
ライナー「夜道は危ないからな。何が出てくるかわからん」
サシャ「……巨人でも飼ってるんですか、ここの訓練所は」
ライナー「俺のわがままだ。……付き合え」
サシャ「……そうですね。ライナーのわがままなら、叶えてあげないといけませんよね」クスクス
ライナー「……外は寒いな。手が冷えるからお前のも貸せ」
サシャ「はいはい、私のでよければどうぞ」ギュッ
88 : ◆H4iwFNXQsw:2014/01/24(金) 00:29:29 ID:SwiFlSqc
ーー とある廊下 会議室近く
ベルトルト(結局ライナー、帰ってこなかったな……明日の訓練、どうなるんだろ)ハァ
ユミル「よーうベルトルさん。ーー首尾はどうだい?」
ベルトルト「ユミルか。……あまりよくないね」
ユミル「そうかそうか、そりゃあよかった」ニヤニヤ
ベルトルト「……」
ユミル「なあベルトルさんよ。そうやって手をこまねいて見てるだけじゃ負けちまうぜ? 春にした賭けの話、まだ覚えてるんだろ?」
ベルトルト「それは君が一人でやってることだろ? 僕は一度も乗るなんて言ってない」
ユミル「あっそ。ベルトルさんがそのつもりでも、私は賭けを勝手に続けるつもりだが……お前、本当にそれでいいのか?」
ベルトルト「……どういう意味?」
ユミル「後から『こうしときゃよかった』って悔いても無駄だってことだよ。私は親切心から尻叩いてやってるのに、ベルトルさんときたら全然聞いちゃいねえし」
ベルトルト「……ご忠告どうも」
89 : ◆H4iwFNXQsw:2014/01/24(金) 00:30:30 ID:SwiFlSqc
ベルトルト「……」
ユミル「……」
ベルトルト「……君は」
ユミル「ちょっと待て。……コニーが来たみたいだ」シィッ
コニー「ようお前ら、ジャン見なかったか?」タタタッ
ユミル「ジャン? ……いいや、私は見てないね」
コニー「ふーん、そっか……っておいユミル、何ベルトルトに絡んでんだよ。ベルトルトの奴ビビって縮こまってんじゃねえか!」プンスカ
ユミル「別に大したことは話してねえし、もう帰るよ。ーーじゃあなベルトルさん、よく考えて行動するんだな。コニーは早く寝ろよ」フリフリ
90 : ◆H4iwFNXQsw:2014/01/24(金) 00:32:16 ID:SwiFlSqc
ベルトルト「……」
コニー「なあ、ベルトルトはジャンを見てないのか? あいつなんだか腹が痛くなっちまったみたいでさ、胃薬探して持ってきたんだけど本人がどこにもいねえんだよ。明日訓練なのに大丈夫かな、あいつ」
ベルトルト「……コニーはいい子だね」ナデナデ ジョリジョリ
コニー「は? ーーこらベルトルト、ジョリジョリするなってば!!」プンスカ
ベルトルト「あー落ち着く」ホッコリ
コニー「やめろっての!」ジタバタ
91 : ◆H4iwFNXQsw:2014/01/24(金) 00:34:54 ID:SwiFlSqc
今日はここまで 最後にage 次回はいよいよ山岳訓練開始、投下は来週になります
内容的にはこれでやっと半分です 短くまとめたいんですが、今回も200レスくらいになる見込みです
というわけでみなさんいい夢見てくださいね おやすみなさい
92 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/01/24(金) 02:22:28 ID:r.2FFFKk
ミカサが癒し要員になってるwww
一緒におしくらまんじゅうしたい
山岳訓練スタートか楽しみでならん
続き期待!乙乙!
93 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/01/24(金) 18:15:57 ID:azhG8dNk
乙!!ジャンが安定の不憫www
94 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/01/25(土) 01:18:49 ID:AKcAZG.o
ジャン乙!
いつもこのシリーズ好きだわーありがとう
95 : ◆H4iwFNXQsw:2014/01/30(木) 20:42:33 ID:wPmia5jw
投下します >>1に書き忘れましたが一応グロ注意です
96 : ◆H4iwFNXQsw:2014/01/30(木) 20:43:27 ID:wPmia5jw
ーー 山岳訓練当日 早朝 とある高台
ミーナ「……作戦開始って緑でいいんだよね?」カチャカチャ
アルミン「大丈夫だよ。合ってる」
ミーナ「よーし……」スッ...
ーー パシュッ ヒュルルルルルル...
ミーナ「……ふう、うまくいった」
アルミン「お疲れ様。じゃあ、教官のところに戻る?」
ミーナ「そうだね、行こっか。……みんな、無事に帰ってくるといいな」
アルミン「帰ってくるよ。エレンもミカサも、他のみんなも優秀だからね」
ミーナ「……」
アルミン「……? ミーナ、どうしたの?」
ミーナ「ねえアルミン? 私たちってさ、いつかこんな風に……みんなに置いてかれちゃうのかな」
アルミン「置いて……? どういう意味?」
97 : ◆H4iwFNXQsw:2014/01/30(木) 20:44:10 ID:wPmia5jw
ミーナ「今回の山岳訓練の話を聞いた時ね、私……『無理だ』って思っちゃったんだ」
ミーナ「ほら、去年の訓練の時はすごく吹雪いたじゃない? 私、あの時凍傷寸前になっちゃって……しかもその後の訓練に無理やり出てさ、体調崩しちゃったんだよね」
ミーナ「同じ部屋のアニやミカサや……班のみんなにもいっぱい迷惑かけちゃった。それでね、思ったんだ。ーー『ああ、私はここが限界なのか』って」
ミーナ「自分の限界を知るのって大事だけど、それはそれで辛いよ。……『お前はここまでしか行けないんだ』って言われてるみたいだもん。それでいて、周りの人はみんなすごいから……アニとかミカサとか見てると、いい加減自信もなくなってくるよ」
アルミン「……」
アルミン(そうか……僕だけじゃないんだな)
ミーナ「アルミン? 私の話聞いてる?」
アルミン「ああ、うん……聞いてるよ。大丈夫」
ミーナ「ねえ、アルミンもそういう気持ちになったことある? 自分が情けなくて仕方がなくなるような、そんな気持ち」
アルミン「……そうだね、よくあるよ」
98 : ◆H4iwFNXQsw:2014/01/30(木) 20:45:28 ID:wPmia5jw
アルミン「でも僕は……お荷物なんて、死んでもごめんだ。みんながどんなに先に行ったって食らいついていくつもりだよ。足手まといには絶対にならない」
アルミン「エレンやミカサには話してないんだけどさ……実は僕、教官に言われたんだ。お前は兵士よりも技巧の道のほうが合ってるって。兵団を辞めて内地に行くべきだって」
アルミン「でも、僕は調査兵団に行く。……エレンやミカサが反対したって聞いてなんかやらない。ずっと壁の外を探検するのが夢だったんだ。ここで諦めることなんかできないよ」
ミーナ「……アルミンも、調査兵団に行くの?」
アルミン「も? ってことは、まさか……」
ミーナ「私も……私も! 私も調査兵団に行く!」
アルミン「本当に? でもさ、壁の外は危険なんだよ? それでも行くの?」
ミーナ「危険だってことはわかってるよ! ……いや、どれくらいなのかは知らないけどさ。見たことないし」
ミーナ「本当は、まだ迷ってたんだけど……でもね、私もアニと対等な位置にいたいって思ってるんだ。それができるのが調査兵団だと思うから」
ミーナ「なんかアニを言い訳にしてるみたいだけど……ちゃんと自分の意思で決めたの。これでも」
アルミン「……そっか」
99 : ◆H4iwFNXQsw:2014/01/30(木) 20:46:23 ID:wPmia5jw
ミーナ「それでね、壁外調査に行く度に、私が見てきたことや聞いてきたことをアニに自慢するの! これってよくない?」
アルミン「ははっ、楽しそうだね。……そうだな、僕もベルトルトやマルコに自慢したいな」
ミーナ「そうそう! そしたら羨ましがっちゃってさ、みーんな調査兵団に移ってきちゃったりしてね!」
アルミン「そうなっちゃったら、調査兵団はすごいことになりそうだね」
ミーナ「うんうん、成績上位の人たちがみんな入っちゃうんだもんね、すごいことだよ! ……って、なんかごめんね。真面目な話してたのに、茶化す感じになっちゃって」
アルミン「ううん、全然そんなことないよ。気にしないで」
ミーナ「でもアルミンに話してよかったな。胸の支えが取れた気がする」
アルミン「……うん。僕もなんだかスッキリしたよ」
ミーナ「そう? ならよかった! それじゃあせめて、訓練所までは楽しい話をーーあっ、そうだ! ねえねえ聞いてよアルミン! 昨日アニがね、説明会から帰ってきたら私のことぎゅーってした後に『ミーナ、あんたといると癒されるよ……』って言ってくれたの!」キャー!!
アルミン「ああ、うん……楽しそうだね」
100 : ◆H4iwFNXQsw:2014/01/30(木) 20:47:11 ID:wPmia5jw
ミーナ「すっごい嬉しかったんだけどさ、でもアニって私が抱き返したら嫌がるんだよね。どうしてかなぁ」ウーン...
アルミン「アニはああ見えて照れ屋さんだからね。あまり感情を表に出したがらないと言うか」
ミーナ「だよねー……まあ、だからこそたまーに見せてくれる笑顔が嬉しいんだけどさ」
アルミン「僕もベルトルトから話しかけてくれた時は嬉しかったな。……そういえば、一緒に怪談で盛り上がったりもしたっけ」
ミーナ「うっ……私、あの肝試しの後しばらく眠れなかったんだよね。立体機動の訓練もちょっと怖かったし……」
アルミン「ハンジさんの話とかすごかったよね」ニッコリ
ミーナ「ああもう、忘れてたのにやめてってばー。……アルミンのいじわる」ムー...
アルミン「あはは、ごめんごめん。ーーでもさ、結局あの二人ってどうなのかな」
ミーナ「二人? ……ああ、アニとベルトルト?」
アルミン「うん。アニは全然そういう素振り見せないけど……ベルトルトは丸わかりだよね」
ミーナ「しょっちゅう見てるよね、アニのこと……いやぁ、青春って感じでいいですなぁ!」ムフフフフ
アルミン「ミーナ、笑顔が黒いよ……?」
101 : ◆H4iwFNXQsw:2014/01/30(木) 20:47:58 ID:wPmia5jw
ーー 山岳訓練当日 山中
サシャ「うーさーぎーおーいしーまーるーやーきー♪」バシバシ
ベルトルト「サシャ、枝で地面叩いたら雪が散らかるからやめようね。出発前に濡れちゃうよ」
サシャ「待ってる間暇なんですよ」
ベルトルト「地図でも見てなよ、ちゃんとルートは確認してきた?」
サシャ「はい、クリスタからも色々聞いてきました! ばっちりです!」
ベルトルト「……そう」ハァ
サシャ「……? ベルトルト、出発前から疲れてますね。何かありました?
ベルトルト「昨日の説明会の後、君の保護者二人に釘を刺されたんだよ」
サシャ「二人……??」
サシャ(二人ってことは、ユミルとクリスタですかね……? でも、ベルトルトはあの二人といつ話したんでしょう? 昨日寮に帰った後、今朝訓練所を出るまでクリスタたちとはずっと一緒だったのに……)ウーン...
ベルトルト(一発殴ってやろうと思ったら説教で返されるとはね……災難だった)
102 : ◆H4iwFNXQsw:2014/01/30(木) 20:49:04 ID:wPmia5jw
ーー パシュッ ヒュルルルルルル...
アニ「……信煙弾を確認した。出発できるよ」
ベルトルト「そうだね、行こうか」
サシャ「……」
アニ「サシャ、行くよ。ぼんやりしてないで」
サシャ「あっ……はい、そうですね! 行きましょう!」
サシャ(当たり前ですけど、メンバーが変わると雰囲気も変わるんですね……なんだかやりとりが淡々としてます)
ベルトルト「さっき打ち合わせした通り、殿は山に慣れてるサシャにお願いするね。先導は僕が務めるから」
サシャ「はい、おまかせください!」
アニ「よろしく頼むよ。……まあ、この面子じゃ極端に遅れるってこともないだろうけど」
103 : ◆H4iwFNXQsw:2014/01/30(木) 20:49:47 ID:wPmia5jw
ベルトルト「出発前にもう一度確認するけど、みんな荷物は持った? 忘れ物はないよね」
アニ「待って。追加の物資をまだ分けてないよ。サシャ、あんたが持ってきたんだろ? 全部担いでいくつもり?」
サシャ「あっ……すみません、忘れてました。でもやっぱりというかなんというか、私たちの班は量が少ないですよ?」ドサッ
ベルトルト「……これだけ?」
サシャ「はい、これだけです」
アニ「いくらなんでも少なすぎるね……ミカサやライナーのいる班でももう少しもらってるんじゃないの?」
サシャ「そうですか? 私、ユミルたちの班の荷物を見せてもらいましたけどあまり変わりませんでしたよ?」
ベルトルト(そんなものなのかな……まあ、仕方がないか。元々覚悟はしていたし)
アニ(十番内には余裕で残れるだろうけど、後がきつくなりそうだね。試験前はしっかり休んでおかないと)
ベルトルト「この量なら、そうだな……均等に3つに分ける?」
アニ「それでいいよ」
ベルトルト「サシャもいいかな?」
サシャ「はい、大丈夫ですよ!」
ベルトルト「じゃあ、三等分っと……よし、今度こそ出発だ」
104 : ◆H4iwFNXQsw:2014/01/30(木) 20:50:31 ID:wPmia5jw
ーー 同刻 山中 別の場所
ライナー「荷物の配分はこんな感じだな。だが、ユミルは本当にその量でいいのか? 俺よりも多いが……」
ユミル「ああ、平気だよ。無理そうだったら途中でお前に押し付けるから気にするな。ーーところで、サシャがいないから殿は私だな? まさかクリスタにやらせるわけないだろ?」
ライナー「もちろんだ。俺が先導するから、お前はクリスタの調子を見て指示を出してくれ。後ろからじゃないと見えないこともあるだろうからな」
ユミル「了解。任せときな」
クリスタ「……ねえユミル」
ユミル「荷物少し寄越せってんだろ? 絶対ダメだ。ペースを維持するためにも、私ら二人より体力がないお前に負担はかけられない。点数欲しいなら到着直前に分けてやるからそれで我慢しろ」
クリスタ「違うよ、私は点数なんかどうでもいいの! そうじゃなくて、そんな量を背負ったらユミルが目的地まで保たないんじゃーー」
ユミル「そこまで柔じゃねえって。心配するなよ」
クリスタ「……でも」
105 : ◆H4iwFNXQsw:2014/01/30(木) 20:51:11 ID:wPmia5jw
ライナー「仲間うちで助けあうのも訓練のうちだ。ユミルが限界になったら荷物は俺が請け負うさ。……お前も、体力がないことを気に病むなよ。体力がないなら別のところで挽回すりゃいいんだ」ポン
クリスタ「……そうだね。私、他のところできっと役に立つから!」グッ
ライナー「ああ、期待してるぞ。ーーさて、出発するか。お互い無理せず、目的地まで無事に物資を運ぶことを目標にするぞ」
ユミル「あいよ、了解」
クリスタ「うん、みんなで力を合わせて頑張ろう!」
ライナー「……」
ライナー(本来なら、ここにサシャがいるはずだったんだよな)
ライナー(昨日ベルトルトに散々釘は刺しておいたが……あいつら、うまくやってるだろうか)
ライナー(…………サシャに振り回されてないといいんだが)
106 : ◆H4iwFNXQsw:2014/01/30(木) 20:52:02 ID:wPmia5jw
ーー 数時間後 山中
ベルトルト「……」ザクザク
アニ「……」ザクザク ギュッギュッ
サシャ「ふーんふふーんふふーん♪」ザクザク
ベルトルト「……二人とも、疲れてない?」
アニ「ちっとも」ギュッギュッ
サシャ「平気ですよー」
ベルトルト「そう、それならよかった」
ベルトルト(順調すぎるほど順調だな……進みも早いし、これなら今晩の野営地も余裕で探せそうだ。ペースもこのままを維持できるなら、明日の出発は少し遅らせてもいいかもしれない)
ベルトルト「……ところで、アニは何してるの」
アニ「練習」ギュッギュッ ポイッ
ベルトルト「何の?」
アニ「雪玉投げる練習」ギュッギュッ ポイッ
107 : ◆H4iwFNXQsw:2014/01/30(木) 20:53:16 ID:wPmia5jw
ベルトルト「……なんで? なんで今練習してるの?」
アニ「ここに雪があるからさ。この雪の量を見てご覧よ、練習には持ってこいじゃないか」ポイッ
サシャ「なかなか投げる時の姿勢が安定してきましたね。その調子ですよアニ」
アニ「今度ミーナのお尻に当てるんだ」ニギニギ
サシャ「いい目標ですね。頑張りましょう!」
ベルトルト「……」
ベルトルト(……おかしい、絶対におかしい。そもそもアニはアホの子じゃなかったはずなのに)チラッ
アニ「……」ギュッギュッ ポイッ
アニ「……」
アニ「……」ドヤッ
ベルトルト(投げた後のそのドヤ顔は何なんだよ! ……かわいいけど)キュン
アニ(今、木の根元に当たった……! 私、もしかしたら雪投げの才能あるかも……!)ニギニギニギニギ
108 : ◆H4iwFNXQsw:2014/01/30(木) 20:54:00 ID:wPmia5jw
サシャ「ベルトルトもやります? 楽しいですよ?」ニギニギ
ベルトルト「僕も一緒にふざけたら誰が進路を見るんだよ」
サシャ「大丈夫です、私がちゃんと見てますよ。少し北にズレてきてるので、あそこの大きな木の辺りで左に曲がった方がいいと思います」
ベルトルト「え? ……あ、本当だ」
ベルトルト(へえ、見てるところはちゃんと見てるのか……意外だな)
アニ「ああっ!?」
ベルトルト「えっ、何!? どうしたの!?」ビクッ
アニ「見てよサシャ、あそこに当たった!」
サシャ「おおっ! やったじゃないですかアニ! おめでとうございます!」パチパチ
アニ「……まあね」ホクホク
ベルトルト「……」
アニ「ところでベルトルト、何か言った?」
ベルトルト「……なんでもない。あそこの尾根を越えたら、そろそろ野営地でも探そうか」
マルコ「……」
ライナー「……」
サシャ「……」
マルコ「……用、足していいかな?」ニコッ
ライナー「!! そ、そうだな! ここはそういうところだもんな!」アセアセ
サシャ「私たち今すぐ出ますから、どうぞお構いなく!!」アセアセ
マルコ「追い出してごめんね、二人とも」
サシャ「いっ、いえいえいえいえそんなことは!!」ブンブン
マルコ「そう? ーーあのさ、こういうことを言うのはお節介だとは思うんだけど……一応時と場所は考えたほうがいいと思うよ。お互いのためにもね」
ライナー「……肝に銘じておく」
86 : ◆H4iwFNXQsw:2014/01/24(金) 00:28:02 ID:SwiFlSqc
\ガチャッ バタンッ/
マルコ「さてと。……ジャン、出てきていいよ」
ジャン「……」ガチャッ
マルコ「災難だったね。お腹の調子はどう?」
ジャン「引っ込んだ」
マルコ「だよね」
ジャン「あのさ、マルコ……俺、もう巨人でもいいかなって思うんだけどどう思う?」
マルコ「女性型の巨人はほとんどいないよ」
ジャン「……」
マルコ「……」
ジャン「……泣いていいか?」グスッ
マルコ「そうだね、取り敢えず寮に戻ろうか」ナデナデ
87 : ◆H4iwFNXQsw:2014/01/24(金) 00:28:49 ID:SwiFlSqc
ーー とある廊下 出入口近く
サシャ「……」
ライナー「……」
サシャ「えっと……これからどうします? 流石にもう寮に戻らないと、時間が……」
ライナー「そうだな。……よし、寮まで送る」スタスタ...
サシャ「えっ? ……あの、寮までなら一人で帰れますけど」
ライナー「夜道は危ないからな。何が出てくるかわからん」
サシャ「……巨人でも飼ってるんですか、ここの訓練所は」
ライナー「俺のわがままだ。……付き合え」
サシャ「……そうですね。ライナーのわがままなら、叶えてあげないといけませんよね」クスクス
ライナー「……外は寒いな。手が冷えるからお前のも貸せ」
サシャ「はいはい、私のでよければどうぞ」ギュッ
88 : ◆H4iwFNXQsw:2014/01/24(金) 00:29:29 ID:SwiFlSqc
ーー とある廊下 会議室近く
ベルトルト(結局ライナー、帰ってこなかったな……明日の訓練、どうなるんだろ)ハァ
ユミル「よーうベルトルさん。ーー首尾はどうだい?」
ベルトルト「ユミルか。……あまりよくないね」
ユミル「そうかそうか、そりゃあよかった」ニヤニヤ
ベルトルト「……」
ユミル「なあベルトルさんよ。そうやって手をこまねいて見てるだけじゃ負けちまうぜ? 春にした賭けの話、まだ覚えてるんだろ?」
ベルトルト「それは君が一人でやってることだろ? 僕は一度も乗るなんて言ってない」
ユミル「あっそ。ベルトルさんがそのつもりでも、私は賭けを勝手に続けるつもりだが……お前、本当にそれでいいのか?」
ベルトルト「……どういう意味?」
ユミル「後から『こうしときゃよかった』って悔いても無駄だってことだよ。私は親切心から尻叩いてやってるのに、ベルトルさんときたら全然聞いちゃいねえし」
ベルトルト「……ご忠告どうも」
89 : ◆H4iwFNXQsw:2014/01/24(金) 00:30:30 ID:SwiFlSqc
ベルトルト「……」
ユミル「……」
ベルトルト「……君は」
ユミル「ちょっと待て。……コニーが来たみたいだ」シィッ
コニー「ようお前ら、ジャン見なかったか?」タタタッ
ユミル「ジャン? ……いいや、私は見てないね」
コニー「ふーん、そっか……っておいユミル、何ベルトルトに絡んでんだよ。ベルトルトの奴ビビって縮こまってんじゃねえか!」プンスカ
ユミル「別に大したことは話してねえし、もう帰るよ。ーーじゃあなベルトルさん、よく考えて行動するんだな。コニーは早く寝ろよ」フリフリ
ベルトルト「……」
コニー「なあ、ベルトルトはジャンを見てないのか? あいつなんだか腹が痛くなっちまったみたいでさ、胃薬探して持ってきたんだけど本人がどこにもいねえんだよ。明日訓練なのに大丈夫かな、あいつ」
ベルトルト「……コニーはいい子だね」ナデナデ ジョリジョリ
コニー「は? ーーこらベルトルト、ジョリジョリするなってば!!」プンスカ
ベルトルト「あー落ち着く」ホッコリ
コニー「やめろっての!」ジタバタ
91 : ◆H4iwFNXQsw:2014/01/24(金) 00:34:54 ID:SwiFlSqc
今日はここまで 最後にage 次回はいよいよ山岳訓練開始、投下は来週になります
内容的にはこれでやっと半分です 短くまとめたいんですが、今回も200レスくらいになる見込みです
というわけでみなさんいい夢見てくださいね おやすみなさい
92 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/01/24(金) 02:22:28 ID:r.2FFFKk
ミカサが癒し要員になってるwww
一緒におしくらまんじゅうしたい
山岳訓練スタートか楽しみでならん
続き期待!乙乙!
93 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/01/24(金) 18:15:57 ID:azhG8dNk
乙!!ジャンが安定の不憫www
94 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/01/25(土) 01:18:49 ID:AKcAZG.o
ジャン乙!
いつもこのシリーズ好きだわーありがとう
95 : ◆H4iwFNXQsw:2014/01/30(木) 20:42:33 ID:wPmia5jw
投下します >>1に書き忘れましたが一応グロ注意です
96 : ◆H4iwFNXQsw:2014/01/30(木) 20:43:27 ID:wPmia5jw
ーー 山岳訓練当日 早朝 とある高台
ミーナ「……作戦開始って緑でいいんだよね?」カチャカチャ
アルミン「大丈夫だよ。合ってる」
ミーナ「よーし……」スッ...
ーー パシュッ ヒュルルルルルル...
ミーナ「……ふう、うまくいった」
アルミン「お疲れ様。じゃあ、教官のところに戻る?」
ミーナ「そうだね、行こっか。……みんな、無事に帰ってくるといいな」
アルミン「帰ってくるよ。エレンもミカサも、他のみんなも優秀だからね」
ミーナ「……」
アルミン「……? ミーナ、どうしたの?」
ミーナ「ねえアルミン? 私たちってさ、いつかこんな風に……みんなに置いてかれちゃうのかな」
アルミン「置いて……? どういう意味?」
97 : ◆H4iwFNXQsw:2014/01/30(木) 20:44:10 ID:wPmia5jw
ミーナ「今回の山岳訓練の話を聞いた時ね、私……『無理だ』って思っちゃったんだ」
ミーナ「ほら、去年の訓練の時はすごく吹雪いたじゃない? 私、あの時凍傷寸前になっちゃって……しかもその後の訓練に無理やり出てさ、体調崩しちゃったんだよね」
ミーナ「同じ部屋のアニやミカサや……班のみんなにもいっぱい迷惑かけちゃった。それでね、思ったんだ。ーー『ああ、私はここが限界なのか』って」
ミーナ「自分の限界を知るのって大事だけど、それはそれで辛いよ。……『お前はここまでしか行けないんだ』って言われてるみたいだもん。それでいて、周りの人はみんなすごいから……アニとかミカサとか見てると、いい加減自信もなくなってくるよ」
アルミン「……」
アルミン(そうか……僕だけじゃないんだな)
ミーナ「アルミン? 私の話聞いてる?」
アルミン「ああ、うん……聞いてるよ。大丈夫」
ミーナ「ねえ、アルミンもそういう気持ちになったことある? 自分が情けなくて仕方がなくなるような、そんな気持ち」
アルミン「……そうだね、よくあるよ」
98 : ◆H4iwFNXQsw:2014/01/30(木) 20:45:28 ID:wPmia5jw
アルミン「でも僕は……お荷物なんて、死んでもごめんだ。みんながどんなに先に行ったって食らいついていくつもりだよ。足手まといには絶対にならない」
アルミン「エレンやミカサには話してないんだけどさ……実は僕、教官に言われたんだ。お前は兵士よりも技巧の道のほうが合ってるって。兵団を辞めて内地に行くべきだって」
アルミン「でも、僕は調査兵団に行く。……エレンやミカサが反対したって聞いてなんかやらない。ずっと壁の外を探検するのが夢だったんだ。ここで諦めることなんかできないよ」
ミーナ「……アルミンも、調査兵団に行くの?」
アルミン「も? ってことは、まさか……」
ミーナ「私も……私も! 私も調査兵団に行く!」
アルミン「本当に? でもさ、壁の外は危険なんだよ? それでも行くの?」
ミーナ「危険だってことはわかってるよ! ……いや、どれくらいなのかは知らないけどさ。見たことないし」
ミーナ「本当は、まだ迷ってたんだけど……でもね、私もアニと対等な位置にいたいって思ってるんだ。それができるのが調査兵団だと思うから」
ミーナ「なんかアニを言い訳にしてるみたいだけど……ちゃんと自分の意思で決めたの。これでも」
アルミン「……そっか」
99 : ◆H4iwFNXQsw:2014/01/30(木) 20:46:23 ID:wPmia5jw
ミーナ「それでね、壁外調査に行く度に、私が見てきたことや聞いてきたことをアニに自慢するの! これってよくない?」
アルミン「ははっ、楽しそうだね。……そうだな、僕もベルトルトやマルコに自慢したいな」
ミーナ「そうそう! そしたら羨ましがっちゃってさ、みーんな調査兵団に移ってきちゃったりしてね!」
アルミン「そうなっちゃったら、調査兵団はすごいことになりそうだね」
ミーナ「うんうん、成績上位の人たちがみんな入っちゃうんだもんね、すごいことだよ! ……って、なんかごめんね。真面目な話してたのに、茶化す感じになっちゃって」
アルミン「ううん、全然そんなことないよ。気にしないで」
ミーナ「でもアルミンに話してよかったな。胸の支えが取れた気がする」
アルミン「……うん。僕もなんだかスッキリしたよ」
ミーナ「そう? ならよかった! それじゃあせめて、訓練所までは楽しい話をーーあっ、そうだ! ねえねえ聞いてよアルミン! 昨日アニがね、説明会から帰ってきたら私のことぎゅーってした後に『ミーナ、あんたといると癒されるよ……』って言ってくれたの!」キャー!!
アルミン「ああ、うん……楽しそうだね」
100 : ◆H4iwFNXQsw:2014/01/30(木) 20:47:11 ID:wPmia5jw
ミーナ「すっごい嬉しかったんだけどさ、でもアニって私が抱き返したら嫌がるんだよね。どうしてかなぁ」ウーン...
アルミン「アニはああ見えて照れ屋さんだからね。あまり感情を表に出したがらないと言うか」
ミーナ「だよねー……まあ、だからこそたまーに見せてくれる笑顔が嬉しいんだけどさ」
アルミン「僕もベルトルトから話しかけてくれた時は嬉しかったな。……そういえば、一緒に怪談で盛り上がったりもしたっけ」
ミーナ「うっ……私、あの肝試しの後しばらく眠れなかったんだよね。立体機動の訓練もちょっと怖かったし……」
アルミン「ハンジさんの話とかすごかったよね」ニッコリ
ミーナ「ああもう、忘れてたのにやめてってばー。……アルミンのいじわる」ムー...
アルミン「あはは、ごめんごめん。ーーでもさ、結局あの二人ってどうなのかな」
ミーナ「二人? ……ああ、アニとベルトルト?」
アルミン「うん。アニは全然そういう素振り見せないけど……ベルトルトは丸わかりだよね」
ミーナ「しょっちゅう見てるよね、アニのこと……いやぁ、青春って感じでいいですなぁ!」ムフフフフ
アルミン「ミーナ、笑顔が黒いよ……?」
101 : ◆H4iwFNXQsw:2014/01/30(木) 20:47:58 ID:wPmia5jw
ーー 山岳訓練当日 山中
サシャ「うーさーぎーおーいしーまーるーやーきー♪」バシバシ
ベルトルト「サシャ、枝で地面叩いたら雪が散らかるからやめようね。出発前に濡れちゃうよ」
サシャ「待ってる間暇なんですよ」
ベルトルト「地図でも見てなよ、ちゃんとルートは確認してきた?」
サシャ「はい、クリスタからも色々聞いてきました! ばっちりです!」
ベルトルト「……そう」ハァ
サシャ「……? ベルトルト、出発前から疲れてますね。何かありました?
ベルトルト「昨日の説明会の後、君の保護者二人に釘を刺されたんだよ」
サシャ「二人……??」
サシャ(二人ってことは、ユミルとクリスタですかね……? でも、ベルトルトはあの二人といつ話したんでしょう? 昨日寮に帰った後、今朝訓練所を出るまでクリスタたちとはずっと一緒だったのに……)ウーン...
ベルトルト(一発殴ってやろうと思ったら説教で返されるとはね……災難だった)
102 : ◆H4iwFNXQsw:2014/01/30(木) 20:49:04 ID:wPmia5jw
ーー パシュッ ヒュルルルルルル...
アニ「……信煙弾を確認した。出発できるよ」
ベルトルト「そうだね、行こうか」
サシャ「……」
アニ「サシャ、行くよ。ぼんやりしてないで」
サシャ「あっ……はい、そうですね! 行きましょう!」
サシャ(当たり前ですけど、メンバーが変わると雰囲気も変わるんですね……なんだかやりとりが淡々としてます)
ベルトルト「さっき打ち合わせした通り、殿は山に慣れてるサシャにお願いするね。先導は僕が務めるから」
サシャ「はい、おまかせください!」
アニ「よろしく頼むよ。……まあ、この面子じゃ極端に遅れるってこともないだろうけど」
103 : ◆H4iwFNXQsw:2014/01/30(木) 20:49:47 ID:wPmia5jw
ベルトルト「出発前にもう一度確認するけど、みんな荷物は持った? 忘れ物はないよね」
アニ「待って。追加の物資をまだ分けてないよ。サシャ、あんたが持ってきたんだろ? 全部担いでいくつもり?」
サシャ「あっ……すみません、忘れてました。でもやっぱりというかなんというか、私たちの班は量が少ないですよ?」ドサッ
ベルトルト「……これだけ?」
サシャ「はい、これだけです」
アニ「いくらなんでも少なすぎるね……ミカサやライナーのいる班でももう少しもらってるんじゃないの?」
サシャ「そうですか? 私、ユミルたちの班の荷物を見せてもらいましたけどあまり変わりませんでしたよ?」
ベルトルト(そんなものなのかな……まあ、仕方がないか。元々覚悟はしていたし)
アニ(十番内には余裕で残れるだろうけど、後がきつくなりそうだね。試験前はしっかり休んでおかないと)
ベルトルト「この量なら、そうだな……均等に3つに分ける?」
アニ「それでいいよ」
ベルトルト「サシャもいいかな?」
サシャ「はい、大丈夫ですよ!」
ベルトルト「じゃあ、三等分っと……よし、今度こそ出発だ」
104 : ◆H4iwFNXQsw:2014/01/30(木) 20:50:31 ID:wPmia5jw
ーー 同刻 山中 別の場所
ライナー「荷物の配分はこんな感じだな。だが、ユミルは本当にその量でいいのか? 俺よりも多いが……」
ユミル「ああ、平気だよ。無理そうだったら途中でお前に押し付けるから気にするな。ーーところで、サシャがいないから殿は私だな? まさかクリスタにやらせるわけないだろ?」
ライナー「もちろんだ。俺が先導するから、お前はクリスタの調子を見て指示を出してくれ。後ろからじゃないと見えないこともあるだろうからな」
ユミル「了解。任せときな」
クリスタ「……ねえユミル」
ユミル「荷物少し寄越せってんだろ? 絶対ダメだ。ペースを維持するためにも、私ら二人より体力がないお前に負担はかけられない。点数欲しいなら到着直前に分けてやるからそれで我慢しろ」
クリスタ「違うよ、私は点数なんかどうでもいいの! そうじゃなくて、そんな量を背負ったらユミルが目的地まで保たないんじゃーー」
ユミル「そこまで柔じゃねえって。心配するなよ」
クリスタ「……でも」
ライナー「仲間うちで助けあうのも訓練のうちだ。ユミルが限界になったら荷物は俺が請け負うさ。……お前も、体力がないことを気に病むなよ。体力がないなら別のところで挽回すりゃいいんだ」ポン
クリスタ「……そうだね。私、他のところできっと役に立つから!」グッ
ライナー「ああ、期待してるぞ。ーーさて、出発するか。お互い無理せず、目的地まで無事に物資を運ぶことを目標にするぞ」
ユミル「あいよ、了解」
クリスタ「うん、みんなで力を合わせて頑張ろう!」
ライナー「……」
ライナー(本来なら、ここにサシャがいるはずだったんだよな)
ライナー(昨日ベルトルトに散々釘は刺しておいたが……あいつら、うまくやってるだろうか)
ライナー(…………サシャに振り回されてないといいんだが)
106 : ◆H4iwFNXQsw:2014/01/30(木) 20:52:02 ID:wPmia5jw
ーー 数時間後 山中
ベルトルト「……」ザクザク
アニ「……」ザクザク ギュッギュッ
サシャ「ふーんふふーんふふーん♪」ザクザク
ベルトルト「……二人とも、疲れてない?」
アニ「ちっとも」ギュッギュッ
サシャ「平気ですよー」
ベルトルト「そう、それならよかった」
ベルトルト(順調すぎるほど順調だな……進みも早いし、これなら今晩の野営地も余裕で探せそうだ。ペースもこのままを維持できるなら、明日の出発は少し遅らせてもいいかもしれない)
ベルトルト「……ところで、アニは何してるの」
アニ「練習」ギュッギュッ ポイッ
ベルトルト「何の?」
アニ「雪玉投げる練習」ギュッギュッ ポイッ
107 : ◆H4iwFNXQsw:2014/01/30(木) 20:53:16 ID:wPmia5jw
ベルトルト「……なんで? なんで今練習してるの?」
アニ「ここに雪があるからさ。この雪の量を見てご覧よ、練習には持ってこいじゃないか」ポイッ
サシャ「なかなか投げる時の姿勢が安定してきましたね。その調子ですよアニ」
アニ「今度ミーナのお尻に当てるんだ」ニギニギ
サシャ「いい目標ですね。頑張りましょう!」
ベルトルト「……」
ベルトルト(……おかしい、絶対におかしい。そもそもアニはアホの子じゃなかったはずなのに)チラッ
アニ「……」ギュッギュッ ポイッ
アニ「……」
アニ「……」ドヤッ
ベルトルト(投げた後のそのドヤ顔は何なんだよ! ……かわいいけど)キュン
アニ(今、木の根元に当たった……! 私、もしかしたら雪投げの才能あるかも……!)ニギニギニギニギ
108 : ◆H4iwFNXQsw:2014/01/30(木) 20:54:00 ID:wPmia5jw
サシャ「ベルトルトもやります? 楽しいですよ?」ニギニギ
ベルトルト「僕も一緒にふざけたら誰が進路を見るんだよ」
サシャ「大丈夫です、私がちゃんと見てますよ。少し北にズレてきてるので、あそこの大きな木の辺りで左に曲がった方がいいと思います」
ベルトルト「え? ……あ、本当だ」
ベルトルト(へえ、見てるところはちゃんと見てるのか……意外だな)
アニ「ああっ!?」
ベルトルト「えっ、何!? どうしたの!?」ビクッ
アニ「見てよサシャ、あそこに当たった!」
サシャ「おおっ! やったじゃないですかアニ! おめでとうございます!」パチパチ
アニ「……まあね」ホクホク
ベルトルト「……」
アニ「ところでベルトルト、何か言った?」
ベルトルト「……なんでもない。あそこの尾根を越えたら、そろそろ野営地でも探そうか」
サシャ「どんな味でも構いません」
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