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サシャ「どんな味でも構いません」

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Part8
160 : ◆H4iwFNXQsw:2014/02/09(日) 22:45:06 ID:BCi7cAmc
ーー 深夜 とある洞窟
アニ「ベルトルト、起きて。……交代」ユサユサ
ベルトルト「んん……? もう時間……?」モゾモゾ
アニ「暴れてた上にうなされてたけど、変な夢でも見た?」
ベルトルト「夢は見たけど、暴れてるのはいつものことだから……寝相悪くてさ、僕」
アニ「自覚してるなら治せばーーって、できるわけないか。寝てるんだし」
ベルトルト「治せるものなら治したいんだけどね。……さてと」チラッ
サシャ「zzz...」スピー
アニ「……ったく、呑気にアホ面晒してよく寝れるよね。やっぱりどこかおかしいんじゃないの、この子」プニプニ
サシャ「んぅ……んー…………」モゾモゾ
ベルトルト「ダメだって、アニ。サシャが起きちゃうよ」
アニ「あれだけ大見得切っといて普通に寝てる奴が悪い」プニプニ
ベルトルト「……さっきは、勝手に話してごめん」

161 : ◆H4iwFNXQsw:2014/02/09(日) 22:45:55 ID:BCi7cAmc
アニ「終わったことだしもういいよ。……今から思えば、下手に誤魔化すよりはさっさと認めちゃったほうがよかったのかもしれないね。そのほうが余計なことまで話さず済んだかもしれないし、殴り合いなんて発想も出なかっただろうから」
ベルトルト「二人とも、僕のことを無視してはじめようとするんだもんな……なんていうか、肝が冷えたよ」
アニ「……迷惑かけたね」
ベルトルト「いや、大したことにならなくてよかったよ。二人にもしものことがあったら、ライナーにいったい何されるか……」プルッ...
アニ「投げられずに済んだね」クスクス
ベルトルト「笑いごとじゃないってば。……こっちは生きた心地がしなかったよ」ハァ
アニ「それにしても、世の中って上手くバランスが取れてるものなんだね。サシャがまともになった代わりに、すっかりあいつは馬鹿になっちゃったんだから」
ベルトルト「……取り敢えず、明日会ったら一発殴ろう。ライナーを」
アニ「賛成。私も呼んでね。……って、話してる場合じゃないね。もう寝るよ」
ベルトルト「うん、おやすみアニ。……せめて、いい夢見てね」
アニ「……ん。おやすみ」モゾモゾ
ベルトルト「……」
ベルトルト(そういえば、久しぶりにアニが笑った顔見たな……睡眠時間も中途半端だし、疲れて気が緩んでたのかもしれない)
ベルトルト(昨日のペースならなんとかなりそうだよな……うん。今日の出発は、少し遅らせよう)

162 : ◆H4iwFNXQsw:2014/02/09(日) 22:46:46 ID:BCi7cAmc
ーー 昼過ぎ 営庭
ユミル「やぁーっと着いたぁー……あー、もう無理死ぬ」グデーン
クリスタ「ユミル、こんなところで座り込んじゃ駄目だってば! みんなの邪魔になっちゃうよ!」グイッ
ミーナ「荷物計量しないと成績になんないよ、ユミル。ほら起きてー」グイグイ
アルミン「おかえり、ライナー。……大変だったみたいだね」
ライナー「主にユミルがな。半分持つって言ったんだが、あいつがどうしても聞かなくてな。しかも時間の加点も欲しいってわがままを言い出すもんだから、大幅に予定が狂っちまって……」ブツブツ...
アルミン「あはは、リーダーは気を配らないといけないから大変だよね。エレンも帰ってきてすぐはグッタリしてたよ」
ライナー「慣れない班長で大変だっただろうな、エレンは。ーーところで、あいつらはもう戻ってるか?」ヒソヒソ
アルミン「誰のこと?」ニッコリ
ライナー「……………………………………ベルトルトたちだ」
アルミン「えっと、ちょっと待って……いや、まだ来てないみたいだよ」ペラッ
ライナー「そうか……まだ帰ってきてないのか」シュン
アルミン「上位はベルトルトたち以外全員帰ってきてるんだけどね。おかしいなぁ……あの三人なら、もうとっくに着いててもおかしくないはずなのに」

163 : ◆H4iwFNXQsw:2014/02/09(日) 22:47:39 ID:BCi7cAmc
ーー 同刻 山中 とある山道
サシャ「なんでベルトルトまで一緒になって寝ちゃうんですかぁっ! 火も消えちゃってましたし、危うく凍死するところでしたよ!?」ザクザクザクザク
ベルトルト「だからそれについては謝ったじゃないか! 何度も蒸し返さないでよ!!」ザクザクザクザク
アニ「口じゃなくて足動かしなよ二人とも。……サシャ、時間には間に合いそう?」ザクザクザクザク
サシャ「このペースで飛ばせばなんとか……最悪、滑り降りていけば」
アニ「滑る? 滑るってどうやってーー」
サシャ「ソリで」
ベルトルト「そんな便利なもの持ってないよ!」
サシャ「大丈夫です、平らな板でも代用できますから!」グッ
アニ「平らな板ね、平らな……ってことは、立体機動装置の替刃でも?」
ベルトルト「!? だ、駄目! 絶対駄目!! 怪我したらどうするんだ!」ブンブン
サシャ「それならお尻で滑っていくとかどうですか? 速度は落ちますけど形にはなりますよ」
アニ「成績上位三人が雪山から尻で滑り降りていくとかシュールすぎるね。却下」
サシャ「じゃあ急ぐしかないですね、頑張りましょう!」

164 : ◆H4iwFNXQsw:2014/02/09(日) 22:48:41 ID:BCi7cAmc
ーー 夕方 営庭
ミーナ「残りあと5つかー……待ってるだけってのも暇だねぇ」
アルミン「さっきは忙しくて目が回るくらいだったのにね。こんなに待たされるなら、本でも持ってきたらよかったよ」
ミーナ「まあ……その点は大丈夫じゃない? 暇潰しになりそうなものがここから見えるし」チラッ
アルミン「ああ……まあ、確かにね。見えるよね」チラッ
ライナー「……」ウロウロ
アルミン「……」
ミーナ「……」
アルミン(怖い……怖いよライナー! 荷物置いて真っ先にここに来ただろ! せめてお風呂くらい入ってきなよ! 報告書書いてからここに来なよ! ご飯食べてからここにおいでよ!!)
ミーナ(待ってるのはベルトルトたちだよね……? 計量してる最中に飛びかかってこられたらどうしよう……)ビクビク
アルミン(疲れが抜けきってなくていい感じに虚ろな目なのが尚更怖いよ! 辺りも暗くなってきたから軽くホラーだよ! 怖い話は好きだけど今の君はなんか……なんか駄目だ! 駄目な気がする!)
ミーナ(ライナーには悪いけど、誰か追い払ってくれないかな……あ、あそこから来るのはーー)


165 : ◆H4iwFNXQsw:2014/02/09(日) 22:49:32 ID:BCi7cAmc
ユミル「よおアルミン、ミーナ。やってるかー? 教官から茶の差し入れ持ってきたぞー」スタスタ...
アルミン「ああ、うん……ありがとう」チラチラ
ミーナ「わぁい、嬉しいなー……」チラチラ
ユミル(……ん? なんだ、あっちのほうに何かーー)チラッ
ライナー「……」ウロウロ
ユミル(……何してんだあいつは)
ユミル「おいライナー! 鬱陶しいから部屋戻れよ、ウロウロすんな」
アルミン(! さすがユミル! 僕たちにできないことを平然とやってのける!)グッ
ミーナ(ありがとうユミル! 後で夕食のパンあげるから!)グッ
ライナー「ん? ああ、ユミルか……エレンが部屋で疲れて寝ていたからな。邪魔しちゃあいつに悪いだろ?」
ユミル「現在進行形でアルミンとミーナの邪魔してんだよ。部屋が駄目なら食堂行け食堂」
ライナー「食堂に行ったらいつ帰ってきたのかわからん。却下だ」

166 : ◆H4iwFNXQsw:2014/02/09(日) 22:50:15 ID:BCi7cAmc
ユミル「お前は一分一秒単位で行動を把握しないと気が済まないのか? あいつらのことだからそのうち帰ってくんだろ。とっとと風呂入って飯食って報告書書いて寝ろよ。起きたら着いてるはずだから」
ライナー「……いや駄目だ! この目できちんと確認しない限り、気になって寝られん!」ブンブン
ユミル「うわぁ、意外と面倒っちいなお前……けどよ、せめて風呂には入ってこいよ。汗臭えぞ」
ライナー「……確かに身だしなみは大事だな。わかった、風呂に入ってくる」スタスタ...
アルミン「……」
ミーナ「……」
ユミル「ーーとまあ、ざっとこんなもんよ」ニッ
アルミン「ユミルさま……!」キラキラキラキラ...
ミーナ「ユミルさま、素敵……!」キラキラキラキラ...
ユミル「はっはっはー! もっと私を褒め称えろー!」エッヘン

167 : ◆H4iwFNXQsw:2014/02/09(日) 22:51:19 ID:BCi7cAmc
ーー しばらく後 食堂近くの廊下
コニー「……」ウロウロ
ジャン「おい、廊下で何してんだコニー。まだメシ食ってねえのか?」
コニー「いや、メシはもう食った。今は茶を入れに来たんだ」
ジャン「報告書書きながら飲むつもりか? またこぼしても手伝わねえぞ俺は」
コニー「んな何回も同じことしねえよ、大丈夫だ。……それよりさ、あれ」
ジャン「ん? なんだよ、中に誰かーー」ヒョコッ
ライナー「……」ウロウロ
ジャン「……」
コニー「なんかさ……不気味で入りたくねえんだよな。おかしいよな、ただのライナーのはずなのに」
ジャン「いや……お前の判断は正しい。ここは引き返すのが正解だ。帰るぞコニー」
コニー「でも、俺のお茶……」シュン
ジャン「水でも飲んどけ。それくらい我慢しろ」スタスタ...

168 : ◆H4iwFNXQsw:2014/02/09(日) 22:51:59 ID:BCi7cAmc
ーー 更にしばらく後 営庭
アルミン「おかえり、三人とも。随分遅かったんだね」
アニ「……色々あってね」
ベルトルト「疲れた……早く汗拭きたい……」
サシャ「お腹が空きましたぁ……」
ミーナ「時間での加点はなしっと……それじゃ、それぞれ計量するねー。サシャとアニはこっち来て」スタスタ...
ベルトルト「もう日が暮れちゃったね。僕らの班で最後?」
アルミン「ううん、まだ2つ残ってるよ。でも、ひとまず僕たちの仕事はこれで終わりかな……あとは教官に引き継ぐことになると思う」
ベルトルト「昼からずっとだったんだろ? 疲れたんじゃないか?」
アルミン「みんなに比べたらそうでもないよ、大丈夫。……そういえば、ライナーが三人のこと待ってたよ」
ベルトルト「はい? 何のために?」
アルミン「いや、それは流石に僕にもわからないけど……って、あれ? ベルトルトの荷物軽すぎない? 荷物抜いてないよね?」
ベルトルト「? ううん、そのままだけどーー」

169 : ◆H4iwFNXQsw:2014/02/09(日) 22:54:29 ID:BCi7cAmc
ミーナ「おっ、重っ!? 何これ、こんなの背負ってここまで来たの!?」ズシッ
サシャ「そんなに重たいですか? 自分じゃよくわかりませんけど」
ミーナ「これならたぶん、ユミルと同じ量じゃないかな……ほらやっぱり! しかもユミルよりちょっと多い!」
サシャ「ユミルも同じくらい背負ってきたんですか?」
ミーナ「そうだよー、でもサシャのほうが多いから記録更新だね、おめでとう!」カキカキ...
ベルトルト「……」
アルミン「ああ……そういうことか。サシャに荷物譲ったんだね、君たち」
ベルトルト「……アルミン。ところで今回の追加物資の中身って何?」
アルミン「え? そうだね、班によって違うけど……ガスボンベが一番多かったかな。後は水とか食料とか……麻縄で編んだ網とかもあったな。ミカサたちの班が持ってたよ」
ベルトルト「……なるほどね。やられたよ」

170 : ◆H4iwFNXQsw:2014/02/09(日) 22:55:18 ID:BCi7cAmc
ーー とある廊下
サシャ「いやー、時間の加点がもらえなかったのは残念でしたね。こういうのって骨の……骨のなんて言うんでしたっけ? お二人はわかります?」スタスタ...
ベルトルト「……」
アニ「……」
サシャ「やだなぁ、そんな怖い顔で睨まないでくださいよ。だからあの時言ったじゃないですか、『私のほうがよっぽどあなたたちに酷いことしてる』って」
アニ「……最初から、私たちのこと騙してたんだね」
サシャ「そうですよ? でもあの時、アニもベルトルトも私の荷物を確認しようとすらしませんでしたよね。舐められてるってのが丸わかりだったので、こちらも騙しやすかったです」
ベルトルト「……ライナーは、こういう手は好きじゃないよ」
サシャ「そうですね、真面目な人ですしきっと怒ると思います。ですから本人には言わないでいただけると、こちらとしても嬉しいです。私もベルトルトやアニが訓練中に話したことは言いませんので」
ベルトルト「……もし言ったら」
サシャ「さあ? ……どうなるんでしょうね」
アニ「……」
ベルトルト「……」
サシャ「私が本気だってこと、わかってもらえました?」

171 : ◆H4iwFNXQsw:2014/02/09(日) 22:56:11 ID:BCi7cAmc
アニ「……わかったよ。これ以上、私はあんたたちのことには口出ししない。ライナーに今回のことは言わないし、あんたの邪魔も基本的にはしないよ。そんなに欲しいならあいつはあげるから、後はあんたの好きにしな」
サシャ「いいんですか?」
アニ「ただ、あいつが素直にもらわれてくれるとは限らないけどね。見ての通り頑固だし」
サシャ「いえ、私はそういうところも含めて好きなのでいいですよ。後は自分でなんとかしますから」
アニ「ベルトルトもそれでいい? 何か言いたいことはある?」
ベルトルト「ううん、僕もアニの判断に従うよ。文句はない。……ただ」
アニ「ただ?」
ベルトルト「あのさ、アニもサシャも勘違いしてるみたいだから言っとくけど……ライナーは物じゃないし、二人の所有物でもないよ? ちゃんとわかってる?」
サシャ「はい? 何言ってるんですかベルトルトったら」
アニ「いくら私たちでもそれくらい知ってるよ」
ベルトルト「……うん、それならいいんだ」
ベルトルト(知っててこのやり取りなのか……アニやサシャといいユミルといい、どうしてこうやって物扱いするんだろう……)

172 : ◆H4iwFNXQsw:2014/02/09(日) 22:57:10 ID:BCi7cAmc
ーー しばらく後 食堂
ベルトルト「……」
アニ「……」
ベルトルト(部屋に戻って荷物を置いて、エレンと少し話をして……)
アニ(お風呂入って着替えて、「食堂で待ってる」って聞いたから、何か一言言ってやろうと思って来たのに……)
ライナー「zzz...」グオー
ベルトルト「……寝てるね」
アニ「人の気も知らないで呑気だね。……ああもう、腹立ってきた」イライラ
ベルトルト「奇遇だね、僕もだ。……そうだよ、大体ライナーがさっさと決着つけとけば、今回こんな大変な目に遭わずにすんだのに」ムカムカ
アニ「ねえ、ちょっとその辺に何かない? 嫌がらせグッズみたいなの都合よく落ちてない?」ウロウロ
ベルトルト「いや、流石に食堂にはないみたいだ。手持ちの物でケリつけるしかないね」チッ
アニ「私は墨でお絵かきしよ」カキカキ
ベルトルト「僕は……そうだな、鼻穴に花束を詰めよう」ポン

173 : ◆H4iwFNXQsw:2014/02/09(日) 22:58:22 ID:BCi7cAmc
クリスタ「へえ……ウサギ鍋かぁ。珍しいもの食べたんだね、サシャの班は」
サシャ「機会があったらクリスタにもご馳走しますよ! 狩りは手伝ってもらいますけど」
クリスタ「狩りか……私にもできるかな?」
サシャ「大丈夫ですよ! ウサギ狩りは比較的簡単ですからね、少なくとも魚のワタ抜きよりはーーって、あれ?」
ライナー「zzz...」
アニ「……」カキカキ
ベルトルト「……」プスプス
クリスタ「……」
サシャ「……」
クリスタ「えっと……アニ? ベルトルト? 何してるの?」
アニ「アホ面を眺めてるんだよ。……よし、こっちの頬には食べちゃったうさちゃん描こ」カキカキ...
サシャ「眺めてるっていうか思いっきりイタズラ中っていうか」
ベルトルト「クリスタとサシャもやろうよ。まだ右鼻が空いてるよ」プスプス

174 : ◆H4iwFNXQsw:2014/02/09(日) 22:59:05 ID:BCi7cAmc
クリスタ「えっ……えっ? やろうよって……駄目だよ、そんなことしたら後でライナーに怒られるよ?」
アニ「こんなところで寝てる奴が悪い」
ベルトルト「バレなきゃいいんだよ、バレなきゃ。……ね、サシャ?」
サシャ「……ノーコメントで」プイ
クリスタ「サシャもこんなことしてたの!?」
サシャ「え、えーっと……いえ、私はバレなきゃいいって話に乗っかっただけで、別にこういうことは……」モゴモゴ
アニ「ところでクリスタは何の用? あんたも夕食まだ食べてないの?」
クリスタ「ううん、私はこれを持ってきたの。……はい、二人とも」ピラッ
ベルトルト「なるほど、紙か……紙で花束を作れってことだね。お安いご用だ」
クリスタ「違うよ!? ええっとね、アルミンが渡し忘れたって言ってたから持ってきたの。今回の山岳訓練の報告書だって。明後日までに教官に提出しないと点数がつかないみたいだからちゃんと出してね? ライナーの鼻に突っ込んじゃ駄目だよ?」
アニ「それはちょっと保証できないね。……額にはニンジンでいいかな。天国でお食べ」カキカキ...
クリスタ「天国って何?」キョトン

175 : ◆H4iwFNXQsw:2014/02/09(日) 22:59:51 ID:BCi7cAmc
ーー しばらく後 夜 食堂
サシャ「……」カリカリ...
サシャ「……よしっ、報告書できましたー!」ピラッ
サシャ(後は明日教官に提出したら終わりですね。……さて)チラッ
ライナー「zzz...」デローン...
サシャ「…………………………」
サシャ(アニに墨のお化粧を施され、ベルトルトに雑草を突っ込まれて……後からやってきたコニーが口にパンを突っ込んだのに、それでも起きないなんて……)
サシャ(やっぱり途中で起こしたほうがよかったんでしょうか……? でも、正直あの二人には負い目があったので何も言えなかったんですよね)ウーン...
サシャ(クリスタたちも大変だったって聞きましたし……気を張って疲れたんですかね)
サシャ(……まあ、取り敢えず)
サシャ「今日もお疲れ様でした。……頑張りましたね」ナデナデ

176 : ◆H4iwFNXQsw:2014/02/09(日) 23:00:37 ID:BCi7cAmc
サシャ(というか、私の上着じゃ丈が足りないですねー。ベルトルトに頼んで毛布か何か持ってきてもらったほうが……いえ、今日のベルトルトなら麻縄の布団とか持ってきちゃいそうですね、やめといたほうがーー)ブンブン
ライナー「さ、しゃ……」
サシャ「……!」ピクッ
ライナー「……」
サシャ「……」ドキドキ
ライナー「それは……食うもんじゃ、ない、ぞ……」ムニャムニャ
サシャ「……」
ライナー「……zzz」グオー
サシャ「……」
サシャ(……いえ、別に何か期待してたわけじゃないですけどぉ……でももうちょっとこう、なんて言うかぁ……)イジイジ

177 : ◆H4iwFNXQsw:2014/02/09(日) 23:01:25 ID:BCi7cAmc
ライナー「……ふが?」パチッ
サシャ「あっ、起きました? ーーおはようございます。もうこんばんはの時間ですけど」
ライナー「……」ボンヤリ
サシャ「……」
ライナー「……ふがふが」モゴモゴ
サシャ「口の中のパン食べちゃってから話したほうがいいですよ。あとそれ半分ください」クイクイ
ライナー「……やらん」ムシャムシャ
サシャ「じゃあ、一口! 一口だけ!」アーン
ライナー「やらんといったらやらん」モグモグ
サシャ「……」プクーッ...
ライナー「……ちょっとだけな」ブチッ
サシャ「やったー!」ワーイ

178 : ◆H4iwFNXQsw:2014/02/09(日) 23:02:35 ID:BCi7cAmc
ライナー「……」モグモグ
サシャ「パンおいしいですね! やっぱり携帯食料なんかよりこっちのほうが断然いいです!」モグモグ ニマニマ
ライナー「……お前、いつの間に帰ってきた」
サシャ「はい? ええっとー……大体二時間くらい前ですかね。細かい時間はわかりませんけど」
ライナー「アニとベルトルトは? 一緒じゃないのか?」
サシャ「二人とも、もうとっくの昔に部屋に戻りました。……あの、パン食べ終わったら顔洗ってきたほうがいいですよ? 顔が……顔が、すごいことになってますから」
ライナー「そうだな……よし、ちょっと洗ってくるか」スタスタ...
サシャ「……」
サシャ(あれー……? 普通にパン食べてましたけど、鼻穴に違和感とかなかったんでしょうかね……? それとも寝ぼけてたんでしょうかーー)
                                \ナンジャコリャー!!/
サシャ「あー……ですよねー……」

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