しんのすけ「アローラ地方を冒険するゾ」
Part78
521 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/21(水) 19:20:24.95 ID:dm7r2v8b0
ハラの乾杯の合図で、いよいよ送別会が始まった!
各々飲み物を片手にしんのすけと今回の島巡りの思い出話をし、新たにひろしとみさえに挨拶したりと、送別会を楽しんだ。
マオ「さ、みんな食べて食べて! 」
ハプウ「わしの畑で採れた新鮮な野菜もあるぞ」
ひろし「おっ、みずみずしくて潮の香りがするな。この野菜!」
しんのすけ「オラ、お野菜は別にいいかな」
リーリエ「食わず嫌いはよくないですよ、しんちゃん」
しんのすけ「じゃあリーリエちゃん代わりに食べれば」
ライチ「あら? 好き嫌いは良くないわよ? あたしはね、好き嫌いせずによく食べる子が好みなの」
しんのすけ「ハプウちゃんの野菜は何杯でもイケるゾ。コクとのどこしがまったりしてますな」モグモグ
リーリエ「」ズルッ
ひろし「ビールかよっ!」
ハプウ「この変わり身の速さは賞賛に値するな……」
522 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/21(水) 19:31:31.55 ID:dm7r2v8b0
マーレイン「やあ、しんのすけくん!」
マーマネ「しんのすけ……アローラ……」
しんのすけ「よ、ご両人」
マーレイン「まずは島巡り達成、おめでとう! 」
マーマネ「……ウラウラのみんな、注目してる。しんのすけ、すごい」
しんのすけ「それほどでも」
マーレイン「残念だね、君がアローラを去るなんて。しんのすけくんの才能なら、ハラさんからキャプテンに指名されーー将来、しまキングにだってなれたかもしれないのに」
マーマネ「うん……。僕も勝負したかった」
マーマネ「それで、ロトム図鑑を預かってもいいかな……?」
しんのすけ「いきなりですな。なんで?」
マーレイン「餞別になれるかわからないけど、僕らなりにしんのすけにプレゼントをしたくてね。それで、ロトム図鑑をアップデートすることを思い付いたのさ」
マーマネ「勝負できない代わりに……お礼」
523 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/21(水) 19:32:06.87 ID:dm7r2v8b0
しんのすけ「いいよー。ぶりぶりざえもーん!」
ロトム図鑑「んあ?」
マーレイン「やあ、ぶりぶりざえもんくん」
ロトム図鑑「何の用だ?」
マーマネ「キミを……アップデートしようと思って」
ロトム図鑑「私をアップデートだと? 私のレベルをー85なんて結果を出したポンコツ装置を作ったお前たちにアップデートなんて出来ると思えないな」
マーレイン(まだ引きずってたんだね)
ククイ博士「まあそう言うなよ、ぶりぶりざえもん! マーレインもマーマネも、優れた発明コンビだからね」
しんのすけ「ぶりぶりざえもんも、しばらく修行して来なさい」つロトム図鑑
マーレイン「やあありがとう。バージョンアップを終えたら、必ず郵送するよ」
ロトム図鑑「おいっ! 私の意見は無視か!」
マーマネ「ロトム図鑑……早くアナライズしたい」
ロトム図鑑「貴様ら! もし私になにかあれば国際警察が黙ってないぞ!!」
しんのすけ「おたっしゃでー」ドナドナドーナードーナーニバシャガユーレールー
524 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/21(水) 19:41:24.80 ID:dm7r2v8b0
ライチ「みさえさん……だっけ? どうやったら結婚できると思う?」
みさえ「結婚ですか?」キョトン
ライチ「こう言うと恥ずかしいけど、まだ彼氏が出来てなくてねえ……」
バーネット「だ、大丈夫ですよ。きっと、ライチさんにも素敵な男性が現れますって!」
みさえ「そーよ! 男なんて星の数ほどいるんだから、いっそ選り好みしちゃいなさいよ」
ライチ「そ、そうかい? なんか自信ついてきたよ」
しんのすけ「……星に手は届かないけどね」ボソッ
ライチ「」orz
みさえ「余計なこと言うなっつーの!!」
しんのすけ「ま、安心なさい。オラが貰ってあげますからー」
ライチ「ほ ん と に ? ! 今すぐ貰ってくれるの? ライチさんがしんのすけくんをお持ち帰りしてもいいんだねっ?!!」
しんのすけ「ひいっ!?」ビクッ
525 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/21(水) 19:41:56.27 ID:dm7r2v8b0
マオ「だからライチさん、犯罪ですって!」
ライチ「罪を重ねるより彼氏作って愛と思い出を重ねるのが最優先なのおおお!! マオにはまだ分からないでしょうけどねえええ!!!」ゴゴゴゴゴ
マオ「ひええっ!」
カキ&スイレン「いつものライチさんじゃない……」
しんのすけ「ライチおねいさん、松坂先生みたい……」
プルメリ「結婚ね……今んところあたいには縁がなさそうだね」
バーネット「本当に怖いのは、女の執念ってところかしら……?」
526 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/21(水) 19:42:44.38 ID:dm7r2v8b0
クチナシ「……よう」
しんのすけ「お、幸薄そうなおじさん」
アセロラ「あー! クチナシおじさん来てたのー?」
プルメリ「おっさん……来てるなら来てると言えばいいのに」
クチナシ「おじさん、しまキングだからねえ。島巡りを終えたトレーナーに、一声かけなきゃな」
クチナシ「ま、坊主。島巡りチャンピオン、おめでとさん。向こうでも元気でやれよってね」ニヤリ
しんのすけ「おじさんも、なにかいい出会いとかあるといいねー」
クチナシ「……じゃあな」スタスタ
アセロラ「あーあ行っちゃった……。もっと楽しんでいけばいいのに」
しんのすけ「やっぱり地味ィ」
プルメリ「ま、なんだかんだで、しんのすけを見送ろうって気持ち、ちゃんとあるんだね。じゃなきゃ、ウラウラからこっちまで来ないさ」
527 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/21(水) 19:43:29.80 ID:dm7r2v8b0
しんのすけ「そーいや、くさやのおじさんも見かけないね」
プルメリ「まぁ……あいつはこういうの、出るの苦手だからね」
ハラ「グズマは一応呼んだのですが、祭りの後からずっと、ポニ島へ修行しに行ってしまいましてなあ」
しんのすけ「おお! びっくりした!」
プルメリ「修行……か、やっぱりしんのすけとハウの戦いを見てトレーナーとして何か感じるものがあったんだろうね」
しんのすけ「ちゃんと首を洗えるといいね」
プルメリ「それを言うなら足を洗う、だよ」
ーーその頃、屋敷の外では
クチナシ「……そんなところで何してるんだ? グズマのあんちゃん」
グズマ「ああ? なんだっていいだろ? 」
クチナシ「ま……飲みモンくらいなら取ってきてやるよ」
グズマ「うるせえよ! ブッ壊されたいか、クチナシさんよ」
クチナシ「……別にいいけどよ。グズマのあんちゃん、何事もほどほどにな」スタスタ
グズマ「……」
528 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/21(水) 19:45:46.90 ID:dm7r2v8b0
イリマ「そういえば聞きましたよ、ひろしさんは元トレーナーらしいですね!」
ひろし「え? ああ、まぁ」
カキ「なるほど……。おれの試練でも、しんのすけと同じく観察眼に優れていたところが見受けられた。さすがは親子というべきか」
ひろし「いや、あれは観察力もへったくれもねぇと思うけど……」
スイレン「しんのすけさんに、なにか特別な訓練でもしてあげていたのですか? 私の試練での行動には驚かされました!」
ハウ「カザマと一緒にヨワシの中に突っ込んで、群れを率いているぬしヨワシをクリティカットで倒したんだよねー」
イリマ「それはすごいですね! ひろしさんはなにか勝負のコツでもお教えになったんですか?」
ひろし「いや、俺は何も……。それに、元トレーナーと言っても、バッジを途中で集めるのやめちゃったしな」
ハウ「ホントかなー? だって、しんのすけってーゼッタイただの5歳の子供じゃないよー! スカル団とかエーテルパラダイスの時も、ほとんどしんのすけが解決したようなものだよー」
カキ「やはり……しんのすけにはなにか秘密があるのでは?」
ひろし「……わかった、ちょこっとだけあいつの強さを教えるよ」
イリマ「おおっ、本当ですか?」
ハウ「なになにー? 教えてー!」
529 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/21(水) 19:49:12.42 ID:dm7r2v8b0
ひろし「といってもだな、ただ単純に、しんのすけも俺たちも、色んなところを冒険してきたってだけなんだ」
カキ「どんな冒険を繰り広げてきたのですか?」
ひろし「……例えばだな、しんのすけとしんのすけにそっくりな王子様と一緒に地下宮殿に行ってなんでも願いが叶う伝説のポケモンと出会ったりーー」
ひろし「温泉に入ってすごいパワーを得て巨大ロボットを倒したりーー」
ひろし「後はシロにくっついた、地球がぶっ壊れる威力の爆弾を狙ってきた2つの組織から逃げたりーー」
ひろし「俺とみさえが薬を飲んだらポケモンになってある組織に攫われちまって、しんのすけとカスカベ防衛隊が助けに行ったりーー」
ひろし「最近だと、宇宙からやってきたポケモンの光線を浴びて子供になっちまって、元に戻るためにそのポケモンたちと一緒に全国を回って親玉を探し回ったんだ」
ハウ「へー」
スイレン「うふふ、面白い話ですね!」
イリマ「やっぱり、秘密ってところですか。気になります!」
カキ「だが、嘘ならスイレンの方が上手だな」
ひろし(嘘じゃねぇんだけどなー)
スイレン「ですが、驚かないでくださいよ? 実はしんのすけさん、ポケモンとお話が出来るのです!」
カキ「スイレン、それも嘘だろう?」
スイレン「さーて、どうでしょうね~♪」
530 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/21(水) 19:56:00.02 ID:dm7r2v8b0
しんのすけ「はぁ……」
ハウ「どしたのー? 暗い顔なんかしてー」
しんのすけ「オラ、島巡り終わって、がっかりしたことがあるの」
アセロラ「ガッカリ? どうして? 島巡りチャンピオンになったんだから、もっと胸を張っていいんだよ?」
しんのすけ「だって、オラ島巡りチャンピオンになっておねいさんにモテモテになりたかったのに、全然そんな気配がないもん! 来るのはオラと勝負したいっていうむさくるしい男のトレーナーばっか! オラの努力ってなに?」
ハプウ「……なぜお前の頭は女の子ことばかりなのか。呆れてものも言えんな」
ハウ「おじさんに似たからだよー」
ハプウ「ま……年頃の娘はライチくらいしかおらんが、わらわにアセロラ、それにリーリエもおるぞ? みな、お前のこれからの活躍に期待しておるのじゃ!」
アセロラ「うんうん! しんちゃんモテモテだね!」
しんのすけ「10代前半はちょっと……」
アセロラ「それどーゆー意味? アセロラじゃ不満なの?」
ハプウ「ま、そう言うと思ったわ」
ハウ「しんのすけらしいねー」
531 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/21(水) 19:57:32.27 ID:dm7r2v8b0
マオ「ねえねえ、しんのすけのためにあたしが腕によりをかけて作った料理があるんだよ! その名もマオスペシャル・Z!! これ食べて、元気だしなよ!!」ドンッ
マオスペシャル・Z「」ズオオオ
しんのすけ「これ……なに?」
ハプウ「……マオ、この料理はどうやって作った?」
マオ「えっと、とっておきのスターのみとサイコシードを砕いて、ミックスオレを混ぜてドロドロにしたあとしんかいのきばで混ぜて……」
ハプウ「分かった。もう何も言わんで良い」
しんのすけ「と、とーちゃん食べてみなよ。最近、昼ご飯とかにこだわりがあるんでしょ? とーちゃんの食レポ聞いてみたいな~」
ひろし「そ、そんなわけねぇだろ! 俺がそんなこだわり派に見えるか? しんのすけが食べてみなよ」
ライチ「へえ……マオ、ずいぶん手の込んだ料理を作ったのね。味見してもいいかしら?」パクッ
しんのすけ&ひろし「!??」
ライチ「……うん、おいし! しんのすけも食べてみなよ」
しんのすけ「え、えぇ……」
532 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/21(水) 19:58:18.08 ID:dm7r2v8b0
マオスペシャル・Z「」ズオオオ
しんのすけ「……」ゴクッ
ーーあたしはね、好き嫌いせずによく食べる子が好みなの
しんのすけ「……愛の力は何者にも負けないっ!!」パクッ
しんのすけ「……」モグモグ
ひろし「お、おい。しんのすけ?」
ハプウ「平気なのか……?」
しんのすけ「……」ゴクン
ハウ「しんのすけー?」
533 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/21(水) 19:59:06.15 ID:dm7r2v8b0
しんのすけ「……ライチおねいさん、ごめんなさい」
ドサッ
ひろし「おいっ! しんのすけ、しっかりしろ! しんのすけ!」
リーリエ「しんちゃんっ!! 大丈夫?!」
ハウ「わー! しんのすけが気ィ失っちゃったー!」
マオ「そっか、あたしの料理ってぶっ倒れるほどおいしかったのね!」
ハプウ「絶対違うと思うぞ」
カキ「マオ……力入れすぎだ」
534 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/21(水) 20:01:29.38 ID:dm7r2v8b0
パチッ
しんのすけ「う……うーん」
リーリエ「あ、目が覚めましたか?」
しんのすけ「ハッ! ここはどこ? オラはクロツグ?」ガバッ
リーリエ「ここはハラさんとハウさんのお家で、あなたはしんちゃんでしょ?」
しんのすけ「あれ? そうだっけ?」
リーリエ「しんちゃん、マオさんの料理を一口食べて気を失ったんですよ」
しんのすけ「のわわ~っ! 思い出した! オラもうライチおねいさんの彼氏になれない……」
リーリエ「そっちですか?!」
リーリエ「はあ……心配して、なんだか損しました。いつものことですけど」
しんのすけ「てゆうか、リーリエちゃんこそ、なんでここにいるの?」
リーリエ「しんちゃんが倒れちゃったから、看病してたんです」
しんのすけ「やれやれ、リーリエちゃんに看病されてもらうなんて、オラもずいぶん体力が落ちましたなぁ」
リーリエ「あー! そういうこと、言うんですか?」
535 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/21(水) 20:02:06.96 ID:dm7r2v8b0
リーリエ「これからわたし、ほしぐもちゃんに乗って空を飛んでみようと思ったんですけど、しんちゃんが意地悪するなら、わたし一人で行こうかなー……」ムスッ
しんのすけ「えっ? 空飛ぶの? 乗りたい乗りたい!!」
リーリエ「さて、どうしましょうか」シラー
しんのすけ「いいじゃん乗せて乗せて! よっルージュラ! 色女! 憎いねーっ! ほい決まり! 」
リーリエ「クスッ……それ、褒めてるんですか? 仕方ないですね、じゃ、2人であの窓からこっそり出ましょうか」
しんのすけ「わーいわーい!」
536 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/21(水) 20:04:00.21 ID:dm7r2v8b0
1番道路
リーリエ「出ておいで、ほしぐもちゃん」ヒョイッ
ルナアーラ「マヒナペーア!」ポンッ!
しんのすけ「よ! ほしぐもちゃん!」
ルナアーラ「マヒナペ!」
リーリエ「ふふ、ほしぐもちゃんも、しんちゃんと会えて喜んでるみたいですよ」
しんのすけ「ケツだけ星人ブリブリ~ブリブリ~!」
ルナアーラ「マヒナ! マヒナペ!」キャッキャッ
リーリエ「もうっ! しんちゃんったら……まあ、今回はいいかな。ほしぐもちゃん、お願いね!」
ルナアーラ「マヒナペ!」バサッ!
ルナアーラはしんのすけとリーリエを、両翼で抱えると軽やかに満月の浮かぶ星空へと飛び出した。頭上の星空には薄い雲ひとつない。
しんのすけとリーリエはジェットコースターに乗ったような気分で、歓声を上げて見下ろすと、メレメレ島の街や野原、山、海とパノラマが広がっていた。
しんのすけ「わーお! すげー!!」
リーリエ「わたしもほしぐもちゃんと空飛ぶの初めてですが、とっても興奮してます! ほしぐもちゃんすごいです!」
ルナアーラ「マヒナペーア!!」
537 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/21(水) 20:04:54.15 ID:dm7r2v8b0
しんのすけ「このままずっと飛んでたい気分ー」
リーリエ「そうですね!」
リーリエ「……ね、しんちゃん」
しんのすけ「なに? どしたの?」
リーリエ「わたし、ハンサムさんとリラさんのチームに入って、ほしぐもちゃんと一緒にビーストさんを元の世界に帰そうと思います」
しんのすけ「ほう」
リーリエ「最初は、またほしぐもちゃんを失うのが怖くて、奥手になっていたのですが、みんなが、ポケモンさんと未来を切り開く姿を見て、自分もそれに憧れていたことを思い出したんです」
リーリエ「わたしも、ほしぐもちゃんと一緒に未来を切り開きたい。きっとかあさまも、そう望んでいるような気がして……失う怖さよりも、ドキドキがまさったんです」
ルナアーラ「マヒナペィーア!」
リーリエ「そのため、わたしもトレーナーとして強くなるために、ビーストさんを助けるのです」
しんのすけ「だいじょぶ、リーリエちゃんはきっといいトレーナーになれるよ」
リーリエ「本当ですか?」
しんのすけ「うん! オラの言うことはごくたまに当たるんだ!」
リーリエ「たまにですか……」ズルッ
538 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/21(水) 20:07:23.78 ID:dm7r2v8b0
しんのすけ「……ただリーリエちゃんの方向音痴が治らないかがちょっと心配。 それにブティックに寄ったり、無駄にトラブル起こしたり。リーリエちゃんはオラがいないとダメダメですからなあ」
リーリエ「……そうかも、しれませんね」シュン
しんのすけ「?」
しんのすけ(いつもならムキになって返すはずなのに、どうしたんだろ?)
リーリエ「わたし……しんちゃんがカザマさんと一緒に元気でいるところ、見ているのが好きなんです。……あんなふうに離れ離れになって、しんちゃんが危ない目に遭うのは、絶対嫌ですから」
リーリエ「……しんちゃん、ナッシー・アイランドでわたしが話した夢、覚えてますか?」
しんのすけ「なんだっけ?」
リーリエ「……やっぱり、覚えてないんですね。しんちゃんらしいですけど」ムスッ
しんのすけ(んー……なんだっけ! 確か借りたアクかめのDVD返すとかそんな約束じゃなかったハズだけど~!)オロオロ
リーリエ「……本当はわたし……しんちゃんにはカスカベへ帰って欲しくないです。このまま、ずっとそばにいて欲しいです。あなたはわたしの夢だから。あなたがいなくなったら、掴んだ夢を忘れてしまいそうでーー」
しんのすけ「……」
しんのすけは悲しげに俯くリーリエに顔を近づけると、耳に向けて……。
しんのすけ「あむ」ハミッ
リーリエ「ひゃあ!」ビクッ
ハラの乾杯の合図で、いよいよ送別会が始まった!
各々飲み物を片手にしんのすけと今回の島巡りの思い出話をし、新たにひろしとみさえに挨拶したりと、送別会を楽しんだ。
マオ「さ、みんな食べて食べて! 」
ハプウ「わしの畑で採れた新鮮な野菜もあるぞ」
ひろし「おっ、みずみずしくて潮の香りがするな。この野菜!」
しんのすけ「オラ、お野菜は別にいいかな」
リーリエ「食わず嫌いはよくないですよ、しんちゃん」
しんのすけ「じゃあリーリエちゃん代わりに食べれば」
ライチ「あら? 好き嫌いは良くないわよ? あたしはね、好き嫌いせずによく食べる子が好みなの」
しんのすけ「ハプウちゃんの野菜は何杯でもイケるゾ。コクとのどこしがまったりしてますな」モグモグ
リーリエ「」ズルッ
ひろし「ビールかよっ!」
ハプウ「この変わり身の速さは賞賛に値するな……」
522 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/21(水) 19:31:31.55 ID:dm7r2v8b0
マーレイン「やあ、しんのすけくん!」
マーマネ「しんのすけ……アローラ……」
しんのすけ「よ、ご両人」
マーレイン「まずは島巡り達成、おめでとう! 」
マーマネ「……ウラウラのみんな、注目してる。しんのすけ、すごい」
しんのすけ「それほどでも」
マーレイン「残念だね、君がアローラを去るなんて。しんのすけくんの才能なら、ハラさんからキャプテンに指名されーー将来、しまキングにだってなれたかもしれないのに」
マーマネ「うん……。僕も勝負したかった」
マーマネ「それで、ロトム図鑑を預かってもいいかな……?」
しんのすけ「いきなりですな。なんで?」
マーレイン「餞別になれるかわからないけど、僕らなりにしんのすけにプレゼントをしたくてね。それで、ロトム図鑑をアップデートすることを思い付いたのさ」
マーマネ「勝負できない代わりに……お礼」
523 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/21(水) 19:32:06.87 ID:dm7r2v8b0
しんのすけ「いいよー。ぶりぶりざえもーん!」
ロトム図鑑「んあ?」
マーレイン「やあ、ぶりぶりざえもんくん」
ロトム図鑑「何の用だ?」
マーマネ「キミを……アップデートしようと思って」
ロトム図鑑「私をアップデートだと? 私のレベルをー85なんて結果を出したポンコツ装置を作ったお前たちにアップデートなんて出来ると思えないな」
マーレイン(まだ引きずってたんだね)
ククイ博士「まあそう言うなよ、ぶりぶりざえもん! マーレインもマーマネも、優れた発明コンビだからね」
しんのすけ「ぶりぶりざえもんも、しばらく修行して来なさい」つロトム図鑑
マーレイン「やあありがとう。バージョンアップを終えたら、必ず郵送するよ」
ロトム図鑑「おいっ! 私の意見は無視か!」
マーマネ「ロトム図鑑……早くアナライズしたい」
ロトム図鑑「貴様ら! もし私になにかあれば国際警察が黙ってないぞ!!」
しんのすけ「おたっしゃでー」ドナドナドーナードーナーニバシャガユーレールー
524 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/21(水) 19:41:24.80 ID:dm7r2v8b0
ライチ「みさえさん……だっけ? どうやったら結婚できると思う?」
みさえ「結婚ですか?」キョトン
ライチ「こう言うと恥ずかしいけど、まだ彼氏が出来てなくてねえ……」
バーネット「だ、大丈夫ですよ。きっと、ライチさんにも素敵な男性が現れますって!」
みさえ「そーよ! 男なんて星の数ほどいるんだから、いっそ選り好みしちゃいなさいよ」
ライチ「そ、そうかい? なんか自信ついてきたよ」
しんのすけ「……星に手は届かないけどね」ボソッ
ライチ「」orz
みさえ「余計なこと言うなっつーの!!」
しんのすけ「ま、安心なさい。オラが貰ってあげますからー」
ライチ「ほ ん と に ? ! 今すぐ貰ってくれるの? ライチさんがしんのすけくんをお持ち帰りしてもいいんだねっ?!!」
しんのすけ「ひいっ!?」ビクッ
525 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/21(水) 19:41:56.27 ID:dm7r2v8b0
マオ「だからライチさん、犯罪ですって!」
ライチ「罪を重ねるより彼氏作って愛と思い出を重ねるのが最優先なのおおお!! マオにはまだ分からないでしょうけどねえええ!!!」ゴゴゴゴゴ
マオ「ひええっ!」
カキ&スイレン「いつものライチさんじゃない……」
しんのすけ「ライチおねいさん、松坂先生みたい……」
プルメリ「結婚ね……今んところあたいには縁がなさそうだね」
バーネット「本当に怖いのは、女の執念ってところかしら……?」
クチナシ「……よう」
しんのすけ「お、幸薄そうなおじさん」
アセロラ「あー! クチナシおじさん来てたのー?」
プルメリ「おっさん……来てるなら来てると言えばいいのに」
クチナシ「おじさん、しまキングだからねえ。島巡りを終えたトレーナーに、一声かけなきゃな」
クチナシ「ま、坊主。島巡りチャンピオン、おめでとさん。向こうでも元気でやれよってね」ニヤリ
しんのすけ「おじさんも、なにかいい出会いとかあるといいねー」
クチナシ「……じゃあな」スタスタ
アセロラ「あーあ行っちゃった……。もっと楽しんでいけばいいのに」
しんのすけ「やっぱり地味ィ」
プルメリ「ま、なんだかんだで、しんのすけを見送ろうって気持ち、ちゃんとあるんだね。じゃなきゃ、ウラウラからこっちまで来ないさ」
527 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/21(水) 19:43:29.80 ID:dm7r2v8b0
しんのすけ「そーいや、くさやのおじさんも見かけないね」
プルメリ「まぁ……あいつはこういうの、出るの苦手だからね」
ハラ「グズマは一応呼んだのですが、祭りの後からずっと、ポニ島へ修行しに行ってしまいましてなあ」
しんのすけ「おお! びっくりした!」
プルメリ「修行……か、やっぱりしんのすけとハウの戦いを見てトレーナーとして何か感じるものがあったんだろうね」
しんのすけ「ちゃんと首を洗えるといいね」
プルメリ「それを言うなら足を洗う、だよ」
ーーその頃、屋敷の外では
クチナシ「……そんなところで何してるんだ? グズマのあんちゃん」
グズマ「ああ? なんだっていいだろ? 」
クチナシ「ま……飲みモンくらいなら取ってきてやるよ」
グズマ「うるせえよ! ブッ壊されたいか、クチナシさんよ」
クチナシ「……別にいいけどよ。グズマのあんちゃん、何事もほどほどにな」スタスタ
グズマ「……」
528 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/21(水) 19:45:46.90 ID:dm7r2v8b0
イリマ「そういえば聞きましたよ、ひろしさんは元トレーナーらしいですね!」
ひろし「え? ああ、まぁ」
カキ「なるほど……。おれの試練でも、しんのすけと同じく観察眼に優れていたところが見受けられた。さすがは親子というべきか」
ひろし「いや、あれは観察力もへったくれもねぇと思うけど……」
スイレン「しんのすけさんに、なにか特別な訓練でもしてあげていたのですか? 私の試練での行動には驚かされました!」
ハウ「カザマと一緒にヨワシの中に突っ込んで、群れを率いているぬしヨワシをクリティカットで倒したんだよねー」
イリマ「それはすごいですね! ひろしさんはなにか勝負のコツでもお教えになったんですか?」
ひろし「いや、俺は何も……。それに、元トレーナーと言っても、バッジを途中で集めるのやめちゃったしな」
ハウ「ホントかなー? だって、しんのすけってーゼッタイただの5歳の子供じゃないよー! スカル団とかエーテルパラダイスの時も、ほとんどしんのすけが解決したようなものだよー」
カキ「やはり……しんのすけにはなにか秘密があるのでは?」
ひろし「……わかった、ちょこっとだけあいつの強さを教えるよ」
イリマ「おおっ、本当ですか?」
ハウ「なになにー? 教えてー!」
529 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/21(水) 19:49:12.42 ID:dm7r2v8b0
ひろし「といってもだな、ただ単純に、しんのすけも俺たちも、色んなところを冒険してきたってだけなんだ」
カキ「どんな冒険を繰り広げてきたのですか?」
ひろし「……例えばだな、しんのすけとしんのすけにそっくりな王子様と一緒に地下宮殿に行ってなんでも願いが叶う伝説のポケモンと出会ったりーー」
ひろし「温泉に入ってすごいパワーを得て巨大ロボットを倒したりーー」
ひろし「後はシロにくっついた、地球がぶっ壊れる威力の爆弾を狙ってきた2つの組織から逃げたりーー」
ひろし「俺とみさえが薬を飲んだらポケモンになってある組織に攫われちまって、しんのすけとカスカベ防衛隊が助けに行ったりーー」
ひろし「最近だと、宇宙からやってきたポケモンの光線を浴びて子供になっちまって、元に戻るためにそのポケモンたちと一緒に全国を回って親玉を探し回ったんだ」
ハウ「へー」
スイレン「うふふ、面白い話ですね!」
イリマ「やっぱり、秘密ってところですか。気になります!」
カキ「だが、嘘ならスイレンの方が上手だな」
ひろし(嘘じゃねぇんだけどなー)
スイレン「ですが、驚かないでくださいよ? 実はしんのすけさん、ポケモンとお話が出来るのです!」
カキ「スイレン、それも嘘だろう?」
スイレン「さーて、どうでしょうね~♪」
530 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/21(水) 19:56:00.02 ID:dm7r2v8b0
しんのすけ「はぁ……」
ハウ「どしたのー? 暗い顔なんかしてー」
しんのすけ「オラ、島巡り終わって、がっかりしたことがあるの」
アセロラ「ガッカリ? どうして? 島巡りチャンピオンになったんだから、もっと胸を張っていいんだよ?」
しんのすけ「だって、オラ島巡りチャンピオンになっておねいさんにモテモテになりたかったのに、全然そんな気配がないもん! 来るのはオラと勝負したいっていうむさくるしい男のトレーナーばっか! オラの努力ってなに?」
ハプウ「……なぜお前の頭は女の子ことばかりなのか。呆れてものも言えんな」
ハウ「おじさんに似たからだよー」
ハプウ「ま……年頃の娘はライチくらいしかおらんが、わらわにアセロラ、それにリーリエもおるぞ? みな、お前のこれからの活躍に期待しておるのじゃ!」
アセロラ「うんうん! しんちゃんモテモテだね!」
しんのすけ「10代前半はちょっと……」
アセロラ「それどーゆー意味? アセロラじゃ不満なの?」
ハプウ「ま、そう言うと思ったわ」
ハウ「しんのすけらしいねー」
531 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/21(水) 19:57:32.27 ID:dm7r2v8b0
マオ「ねえねえ、しんのすけのためにあたしが腕によりをかけて作った料理があるんだよ! その名もマオスペシャル・Z!! これ食べて、元気だしなよ!!」ドンッ
マオスペシャル・Z「」ズオオオ
しんのすけ「これ……なに?」
ハプウ「……マオ、この料理はどうやって作った?」
マオ「えっと、とっておきのスターのみとサイコシードを砕いて、ミックスオレを混ぜてドロドロにしたあとしんかいのきばで混ぜて……」
ハプウ「分かった。もう何も言わんで良い」
しんのすけ「と、とーちゃん食べてみなよ。最近、昼ご飯とかにこだわりがあるんでしょ? とーちゃんの食レポ聞いてみたいな~」
ひろし「そ、そんなわけねぇだろ! 俺がそんなこだわり派に見えるか? しんのすけが食べてみなよ」
ライチ「へえ……マオ、ずいぶん手の込んだ料理を作ったのね。味見してもいいかしら?」パクッ
しんのすけ&ひろし「!??」
ライチ「……うん、おいし! しんのすけも食べてみなよ」
しんのすけ「え、えぇ……」
532 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/21(水) 19:58:18.08 ID:dm7r2v8b0
マオスペシャル・Z「」ズオオオ
しんのすけ「……」ゴクッ
ーーあたしはね、好き嫌いせずによく食べる子が好みなの
しんのすけ「……愛の力は何者にも負けないっ!!」パクッ
しんのすけ「……」モグモグ
ひろし「お、おい。しんのすけ?」
ハプウ「平気なのか……?」
しんのすけ「……」ゴクン
ハウ「しんのすけー?」
533 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/21(水) 19:59:06.15 ID:dm7r2v8b0
しんのすけ「……ライチおねいさん、ごめんなさい」
ドサッ
ひろし「おいっ! しんのすけ、しっかりしろ! しんのすけ!」
リーリエ「しんちゃんっ!! 大丈夫?!」
ハウ「わー! しんのすけが気ィ失っちゃったー!」
マオ「そっか、あたしの料理ってぶっ倒れるほどおいしかったのね!」
ハプウ「絶対違うと思うぞ」
カキ「マオ……力入れすぎだ」
534 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/21(水) 20:01:29.38 ID:dm7r2v8b0
パチッ
しんのすけ「う……うーん」
リーリエ「あ、目が覚めましたか?」
しんのすけ「ハッ! ここはどこ? オラはクロツグ?」ガバッ
リーリエ「ここはハラさんとハウさんのお家で、あなたはしんちゃんでしょ?」
しんのすけ「あれ? そうだっけ?」
リーリエ「しんちゃん、マオさんの料理を一口食べて気を失ったんですよ」
しんのすけ「のわわ~っ! 思い出した! オラもうライチおねいさんの彼氏になれない……」
リーリエ「そっちですか?!」
リーリエ「はあ……心配して、なんだか損しました。いつものことですけど」
しんのすけ「てゆうか、リーリエちゃんこそ、なんでここにいるの?」
リーリエ「しんちゃんが倒れちゃったから、看病してたんです」
しんのすけ「やれやれ、リーリエちゃんに看病されてもらうなんて、オラもずいぶん体力が落ちましたなぁ」
リーリエ「あー! そういうこと、言うんですか?」
535 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/21(水) 20:02:06.96 ID:dm7r2v8b0
リーリエ「これからわたし、ほしぐもちゃんに乗って空を飛んでみようと思ったんですけど、しんちゃんが意地悪するなら、わたし一人で行こうかなー……」ムスッ
しんのすけ「えっ? 空飛ぶの? 乗りたい乗りたい!!」
リーリエ「さて、どうしましょうか」シラー
しんのすけ「いいじゃん乗せて乗せて! よっルージュラ! 色女! 憎いねーっ! ほい決まり! 」
リーリエ「クスッ……それ、褒めてるんですか? 仕方ないですね、じゃ、2人であの窓からこっそり出ましょうか」
しんのすけ「わーいわーい!」
536 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/21(水) 20:04:00.21 ID:dm7r2v8b0
1番道路
リーリエ「出ておいで、ほしぐもちゃん」ヒョイッ
ルナアーラ「マヒナペーア!」ポンッ!
しんのすけ「よ! ほしぐもちゃん!」
ルナアーラ「マヒナペ!」
リーリエ「ふふ、ほしぐもちゃんも、しんちゃんと会えて喜んでるみたいですよ」
しんのすけ「ケツだけ星人ブリブリ~ブリブリ~!」
ルナアーラ「マヒナ! マヒナペ!」キャッキャッ
リーリエ「もうっ! しんちゃんったら……まあ、今回はいいかな。ほしぐもちゃん、お願いね!」
ルナアーラ「マヒナペ!」バサッ!
ルナアーラはしんのすけとリーリエを、両翼で抱えると軽やかに満月の浮かぶ星空へと飛び出した。頭上の星空には薄い雲ひとつない。
しんのすけとリーリエはジェットコースターに乗ったような気分で、歓声を上げて見下ろすと、メレメレ島の街や野原、山、海とパノラマが広がっていた。
しんのすけ「わーお! すげー!!」
リーリエ「わたしもほしぐもちゃんと空飛ぶの初めてですが、とっても興奮してます! ほしぐもちゃんすごいです!」
ルナアーラ「マヒナペーア!!」
537 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/21(水) 20:04:54.15 ID:dm7r2v8b0
しんのすけ「このままずっと飛んでたい気分ー」
リーリエ「そうですね!」
リーリエ「……ね、しんちゃん」
しんのすけ「なに? どしたの?」
リーリエ「わたし、ハンサムさんとリラさんのチームに入って、ほしぐもちゃんと一緒にビーストさんを元の世界に帰そうと思います」
しんのすけ「ほう」
リーリエ「最初は、またほしぐもちゃんを失うのが怖くて、奥手になっていたのですが、みんなが、ポケモンさんと未来を切り開く姿を見て、自分もそれに憧れていたことを思い出したんです」
リーリエ「わたしも、ほしぐもちゃんと一緒に未来を切り開きたい。きっとかあさまも、そう望んでいるような気がして……失う怖さよりも、ドキドキがまさったんです」
ルナアーラ「マヒナペィーア!」
リーリエ「そのため、わたしもトレーナーとして強くなるために、ビーストさんを助けるのです」
しんのすけ「だいじょぶ、リーリエちゃんはきっといいトレーナーになれるよ」
リーリエ「本当ですか?」
しんのすけ「うん! オラの言うことはごくたまに当たるんだ!」
リーリエ「たまにですか……」ズルッ
538 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/21(水) 20:07:23.78 ID:dm7r2v8b0
しんのすけ「……ただリーリエちゃんの方向音痴が治らないかがちょっと心配。 それにブティックに寄ったり、無駄にトラブル起こしたり。リーリエちゃんはオラがいないとダメダメですからなあ」
リーリエ「……そうかも、しれませんね」シュン
しんのすけ「?」
しんのすけ(いつもならムキになって返すはずなのに、どうしたんだろ?)
リーリエ「わたし……しんちゃんがカザマさんと一緒に元気でいるところ、見ているのが好きなんです。……あんなふうに離れ離れになって、しんちゃんが危ない目に遭うのは、絶対嫌ですから」
リーリエ「……しんちゃん、ナッシー・アイランドでわたしが話した夢、覚えてますか?」
しんのすけ「なんだっけ?」
リーリエ「……やっぱり、覚えてないんですね。しんちゃんらしいですけど」ムスッ
しんのすけ(んー……なんだっけ! 確か借りたアクかめのDVD返すとかそんな約束じゃなかったハズだけど~!)オロオロ
リーリエ「……本当はわたし……しんちゃんにはカスカベへ帰って欲しくないです。このまま、ずっとそばにいて欲しいです。あなたはわたしの夢だから。あなたがいなくなったら、掴んだ夢を忘れてしまいそうでーー」
しんのすけ「……」
しんのすけは悲しげに俯くリーリエに顔を近づけると、耳に向けて……。
しんのすけ「あむ」ハミッ
リーリエ「ひゃあ!」ビクッ
しんのすけ「アローラ地方を冒険するゾ」
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