キモオタ「我輩がおとぎ話の世界に行くですとwww」ティンカーベル「そう」 人魚姫編
Part22
823 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/06/14(日)23:05:51 ID:UFH
赤ずきん「王子に恋した人魚姫が足を得て…そのあとの展開は変わったけれど、解魔の短剣も使わず、自らの選択とはいえ恋やぶれ…空気の精霊になってしまう」
赤ずきん「自分の恋心よりも大好きな王子や皆の幸せを願って身を引く悲恋の物語……」
赤ずきん「……人魚姫が幸せか不幸せか、それこそ読む人の見方で変わってくるけれど。きっと彼女は後悔なんてしていないんでしょうね」
赤ずきん「…全てが終わったら、もう一度人魚姫と一緒にあの世界へ行かなければね。その時、あの世界がどうなっているかわからないけれど……」
赤ずきん「人魚姫が望む未来になっている事を、私はただ願うだけね」スッ
赤ずきん「さぁ、確認も済ませたしカイにお礼を言って帰りましょうか」フイッ
ポツンッ
赤ずきん「あの本棚……なにかしら、ひとつだけ少し小さくて……あの本棚だけガラス扉が付いてる、貴重な書物や魔法書の類かしら」
スタスタ
赤ずきん「全て童話ね、知っているおとぎ話のタイトルがいくつか並んでいるけれど……特別な本なのかしら?」キィッ
スッ
赤ずきん「古そうな本なのに状態がすごく良いわね、すごく年代物のようにも新品のようにも見えるもの」ペラペラペラ
少女の古びたかごにはたくさんのマッチが入っていました。しかし、一日中売り歩いてもそれを買ってくれる人はおろか、銅貨の一枚を恵んでくれる人さえいませんでした。
疲れ果て、お腹を空かせた少女は寒さにぶるぶると震えながらマッチを売り続けました。みすぼらしいその少女に手を差し伸べる者は一人もいませんでした。
赤ずきん「このおとぎ話…【マッチ売りの少女】だけど、この本……おかしいわ」
824 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/06/14(日)23:07:35 ID:UFH
ーー少女は一人でマッチを売り……
ーー凍えるような寒さの中マッチ売りの少女は一人でマッチを擦り……
ーー少女はただ一人で永遠の眠りに……
赤ずきん「何故かしら、この本にはキモオタが登場してない……」
赤ずきん「ティンクの話だと【マッチ売りの少女】はキモオタ達の干渉によって本来は登場しないはずの登場人物『キモータ』が出てくるはずなのに……」
赤ずきん「もしかして、この本棚の本は何か特別な魔法でもかけられているのかしら……?」
・裸の王様
・雪の女王
・人魚姫
赤ずきん「もしかして、【人魚姫】も【裸の王様】も……」スッ
赤ずきん「……」ペラペラペラ ペラペラペラ
赤ずきん「やっぱりこの本棚のおとぎ話は、キモオタや私達が干渉する以前の元々の内容になってる……【人魚姫】は王子と恋が実っていないし【裸の王様】にもキモータもティンクも登場しない……他の本はどうなのかしら?」チラッ
赤ずきん「……いいえ、やめましょう。勝手に本棚をあさるなんて無作法だったわ、明らかに特別な本棚だもの。この事は次の機会にでも女王に聞いてみようかしらね」スッ
トサッ
赤ずきん「いけない、大切な本を落として汚しでもしたら女王に悪いものね。キチンと棚に戻して……」スッ
ーー私の半生をこの自伝に記し、愛する女王へ贈る。
赤ずきん「……自伝?この本だけはおとぎ話では無いみたいね、署名は……」
赤ずきん「ハンス・クリスチャン・アンデルセン……?」
825 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/06/14(日)23:08:54 ID:UFH
カイ「俺達のおとぎ話【雪の女王】の作者だ、現実世界の童話作家」スッ
赤ずきん「カイ…」
カイ「言い忘れたんで戻ってきたが遅かったな。その本棚には触れない方が良いぞ、最悪の場合…宮殿の前に氷像が立つだろうからな、赤い頭巾娘の」
赤ずきん「ごめんなさいね、無作法とは分かっていたけれど…どうにも気になってしまって」
カイ「忠告を忘れた俺にも責任がある。まぁ黙ってりゃあ平気だろ。お前も余計な事はあいつに言うなよ?」
赤ずきん「ええ。でも、このハンス・クリスチャン・アンデルセンという人物……おとぎ話の作者と言ったわね?」
カイ「何も不思議な事は無いだろう?俺もお前も他の奴らだっておとぎ話の世界の住人、現実世界の人間が作り出した物語の登場人物だ」
カイ「民話なんかだと…例えばお前の知り合いの桃太郎みたいに特定の作者が居ないおとぎ話もあるが、多くのおとぎ話に作者は居るもんだ。俺にも、お前にもな」
赤ずきん「それはそうでしょうけど、あまり意識して考えたことなんかなかったわ。私のおばあちゃんは数え切れないほどのおとぎ話を教えてくれたけど作者までは聞いていなかったから」
カイ「それが普通だな、俺達が生きていく上で特に必要がない情報だ。誰が俺達の事を書いたかなんてな」
赤ずきん「でも、雪の女王はそうは思っていないという事よね?どうやらこの棚の本は全てそのアンデルセンの書いたおとぎ話だもの」
カイ「女王は俺達に会う前の事をあまり話さないけどな、それでもアンデルセンを特別なものと考えてるのは解るぜ」
カイ「現にこの本棚にはアンデルセンの童話が全て収められている、一遍も漏らさずにだ。しかも、全て初版の本を揃えて状態を維持させる魔法を掛けてるからな」
赤ずきん「状態を維持する魔法…だからこの本の内容は、私達が干渉する以前のものなのね」
カイ「そうだな。まぁ流石の女王でもおとぎ話本来の流れを…世界の時流れのような膨大な力に干渉することはできないんだろうが」
826 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/06/14(日)23:10:43 ID:UFH
カイ「お前も知ってんだろうが、おとぎ話は現実世界の人間に忘れられると消滅する。だが消滅していないおとぎ話も元々の内容をそのまま残してるってのは少ないらしいぜ」
赤ずきん「残っているおとぎ話も内容が変わっているものがあるという事でしょう?」
カイ「ああ、良くも悪くも内容が変化していくってのはよくあることだ。おとぎ話の世界の緩やかな時間の流れと違って、現実世界では長い年月が過ぎてるんだからな」
カイ「時代の変化や環境の違いで内容が少しずつ変わっていくなんて珍しい事じゃない。今の時代じゃこの表現は残酷だ、この展開は子供に悪影響だっつってな」
赤ずきん「その程度じゃあ消滅なんかしないのね。私達が干渉することで内容に変化が表れてもすぐ消滅するわけじゃないものね…どこまでの改変が許されるか、難しいところだけど」
カイ「もっとも許容範囲を越えた改編をすれば消えちまう。話の展開に必要な人物や道具を殺して壊したりな…今、アリスやドロシーがしてまわってるのがそれだ」
赤ずきん「女王はそんなふうにおとぎ話の内容が変わったり消えてしまう事が嫌で、そんな魔法をこの本に掛けたのかしら?」
カイ「少し違うだろ、そうだったら全てのおとぎ話の本に魔法をかける。現実世界の時代の流れによる改変、消滅を防ぐための改変は仕方ないと納得した上でこの本棚にだけ魔法をかけてんだからな」
カイ「雪の女王はアンデルセンの書いた童話だけは作者が書いたそのままの形で残しておきたいんだろ。せめて、自分の手元にだけでも」
赤ずきん「自分のおとぎ話を作り出した作者だから?」
カイ「さぁな、特別な理由や感情があるのかもしれねぇけど俺は知らねぇな。ただあいつがこの棚の本を読んでいるときはなんつーか寂しそうだ」
赤ずきん「あの女王が寂しそうにするなんて事あるのね…」
カイ「まぁ、人前ではしねぇけどな。あいつはおとぎ話の世界でも屈指の魔力の保有者、名前の通りいつだって雪のように冷たく静かだ。でも俺達には意外と感情豊かだぜ、特に女の子供の可愛がり具合が尋常じゃねぇんだ」ハァー
カイ「グレーテルもあいつも四六時中ベタベタされていたからな。しかも甘いんだよ、グレーテルがねだるとすぐに菓子をやるんだぜ?あいつがそんなだから一時期グレーテルは飯をまともに食わずに菓子ばっかり食いやがってな…特別扱いが過ぎるんだ」
赤ずきん「フフッ…あなた、口は悪いけれど雪の女王が好きなのね。グレーテルにやきもちを焼いてるんでしょう?」フフッ
827 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/06/14(日)23:13:04 ID:UFH
カイ「はぁ?なわけねぇだろ馬鹿か、何かあるたびに頭を撫で回してくるし何かなくても抱きつくんだぞ?うっとうしく思ってんだよ、俺は」チッ
赤ずきん「あらそう、それは失礼な事を言ったわね」フフッ
カイ「とにかく、女王は自分の作者とおとぎ話を特別に思ってるってことは確かだってことだ」
赤ずきん「雪の女王は今回の件に協力してくれるのを子供たちを救うためと言っていたけれど、アンデルセンのおとぎ話を消したくないからという気持ちもあるのかもしれないわね」
カイ「かもな、だがあいつがおとぎ話の世界全体を救うために頑張ってんのは一番近くに居る俺がよく知ってる。お前達の事も相当気に掛けてるんだぞ?感謝しろなんて言わねぇけどな、頭撫でさせてやれば喜ぶぜあいつ」フフッ
赤ずきん「…考えておくわ」
カイ「それとアンデルセンの書いたおとぎ話は覚えておいて損はないぜ。あいつはアンデルセン童話の仲間に優先的に協力を呼び掛けてるところがあるからな、特に【親指姫】と【みにくいあひるの子】の主人公はかなり協力的だ、お前達の力にもなってくれるだろうさ」
赤ずきん「【裸の王様】も本棚にあったわね、だからあの世界に居たのね」
カイ「そういう事だな。まぁ、マッチ売りや人魚姫や【赤い靴】のカーレン…死を迎えたり消えちまう結末のおとぎ話には声をかけてないみたいだけどな」
赤ずきん「それにしても…偶然かしらね?この棚にあるおとぎ話のほとんどを私は知っている」
カイ「アンデルセンは現実世界で屈指の童話作家らしいから、その作品も人気が高いみたいだぜ。人気があれば多くの人に知られているし簡単に忘れられないから消える事もない、ドロシー達みたいな例外がいなければの話だけどな」
赤ずきん「この宮殿に来ると今まで考えた事もなかった事に気づかされるわね。雪の女王の助言もだけど、現実世界の作者の事もおとぎ話の人気や知名度なんてそんなに気にしていなかったから」
カイ「だが、まぁ…人気や知名度ならそのへんのおとぎ話が束になっても敵わないような奴がいるけどな。それが今回の元凶の一人だってんだから、人気があるってのも考え物だぜ」
赤ずきん「それ…どっちの事を言っているのかしら?」
カイ「両方だな、あいつらのおとぎ話は世界的な知名度も人気も段違いだと、女王が言っていたぜ。ドロシー達のおとぎ話【オズの魔法使い】そして……」
赤ずきん「アリスのおとぎ話…【不思議の国のアリス】ね」
カイ「もしかすると、そこんところにあいつらが悪さしてる理由があるかもな」
828 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/06/14(日)23:15:25 ID:UFH
赤ずきん「悪さをしている理由ねぇ…これだけ大ごとにしてまでやり遂げようというのだから相当な事でしょうけど…」
カイ「あいつらだって考えがあって行動してんだ、その行動が俺達にとっては悪なだけであいつらにとっちゃあ正当な理由があるつもりかもしれねぇからな」
赤ずきん「……確かにブリキのきこりは言っていたわね。ドロシーを救うためだとか……その為になりふり構わず行動されちゃこっちは迷惑だけどね」
カイ「だったらそれを教えてやめさせる役が必要だと女王は考えてるみたいだな。あいつが救おうとしてるのは被害を受けた子供だけじゃねぇんだ」
赤ずきん「……彼女達にも理由がある、だから悪事を認めろなんて言われても私は従えないわよ。それが雪の女王の言葉でもね」
カイ「そんなつもりは俺にも女王にもねぇさ。ただ、俺やヘンゼル達を叱るときでも必ず俺達の言い分は聞いてくれた。あいつらのやってることは子供の悪戯にしちゃあ度を超えてるが……」
カイ「それでもあいつらを見捨てるつもりはないんだろ」
赤ずきん「……」
カイ「安心しろ、子供に甘いとはいっても罪に対する罰はキチンと与えるだろうぜ。それに関しちゃ俺にもヘンゼルにもグレーテルにもあいつにも甘くなかったからな」
赤ずきん「屈指の魔力の持ち主相手に悪さしようっていうあなた達の根性も大概だけど…どんなお仕置きなのかしら?」
カイ「……氷系のお仕置きだ、とだけ教えてやる。詳しく語らせるのは勘弁しろ」フイッ
赤ずきん「なんだか女王とあなた達の暮らしに少し興味が出てきたわ。雪の女王への第一印象は最悪だったけれど……『雪の女王』なんて呼ばれるわりには随分と人間味があるのね」フフッ
カイ「そうじゃなけりゃあ、ヘンゼル達も女王にあそこまで懐かねぇよ。あいつの名は性格や人となりから来てるもんじゃねぇしな」
赤ずきん「あら、あなたは懐いてないみたいな口ぶりね?」フフッ
カイ「当然だろ、俺は懐いてないからな。おらっ用事が済んだなら書庫のカギ閉めるぞ。ったく……」
・・・
829 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/06/14(日)23:17:52 ID:UFH
ピノキオの世界
・・・
・・・
・・・
青い鳥「アリスさん!あの木偶人形、さっきと同じ攻撃をするつもりですよ!」
ピノキオ「解っていたって簡単には避けられないよ!僕がつく嘘からは…!」ピョーン
青い鳥「身軽な奴…!本当に彼は人形なのか…!」
ピノキオ「そうだよ、僕はただの人形だよ。でも安心していいよ、女の子には優しくってお父さんに教わったからね…僕は『絶対に女の子に攻撃をしたりしない』!」ニュッ
ヒュオッ ゴシャアッ
青い鳥「どうなってるんだ彼の鼻は!煉瓦の壁を打ち抜くなんて、避けるしかないじゃないか」バサバサッ
アリス「やれやれ…まだボクは何もしていないというのに随分と手荒い歓迎をするんだね」
ピノキオ「でもこれからするつもりなんだよね?だから僕に近づいたんだ」スタッ
アリス「へぇ、随分と詳しいねピノキオ。誰から聞いたのかな?」
ピノキオ「ごめんね、教えちゃダメなんだ。君はいろんなおとぎ話を壊して魔法具を奪ってるんだって教わったからね」
アリス「なんだか、随分と余計な事をしてくれてる人がいるみたいだね」
ゼペット「この【ピノキオ】の世界へ魔法具を求めてきたという事は…当然、ピノキオを狙っているんじゃろ?そうはさせんぞ、ワシの大切な息子じゃからな」
アリス「ふぅ、ゴーテルといい君といい…ボクは我が子想いの老人とは相性が良くないみたいだ、いつもいつも警戒されてしまう。もっと容易く騙されてくれればやり易いんだけどな」クスクス
ピノキオ「そうはいかないよ、せっかくあの人が教えてくれたんだ。僕達のおとぎ話を消滅させようなんてさせない、僕は『このおとぎ話が消えても良いと思ってる』からね!」
ヒュバッ ゴシャアァ
830 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/06/14(日)23:20:20 ID:UFH
青い鳥「あぁっ、アリスさん!大丈夫ですか!」
アリス「平気だよ。少し落ち着こうか青い鳥、落ち着いたらボクに教えてくれるかい?」
青い鳥「は、はぁ…なにをですか?」バサバサ
アリス「君が焦っている理由をだよ。まさか、あんな人形如きにボク達が負けると思ってるわけがないだろう?ほら、大きくなる方だ、これを食べてゼペットを襲ってくれ」シュッ
青い鳥「ま、まぁそうですよね!良く考えたらそうですよね、僕達が負ける訳がないですね。解りました!」モグモグ ムクムク
青い鳥「むむぅ…!いつもながら力がみなぎるようです…!今の僕ならロック鳥なんて目じゃないですね!」ゴゴゴッ
ピノキオ「あれがあの人が言ってたアリスの大きくなるキノコ…!でも父さんは僕が守るっ!僕は『青い鳥を伸びる鼻で打ち抜かn」
アリス「無駄だよ、ボクには君を呼び寄せる笛がある……これを使えば君はボクのものだ」スチャッ
ゼペット「……娘さん、随分と今まで楽をしてきたみたいじゃな」
アリス「……どういう意味だい?」
ゼペット「そのままの意味じゃよ。魔法具に頼ってばかり、そんなじゃから……」
アリス「青い鳥、構わなくて良いから襲ってしまおう。どうせ老人の戯言だ」
青い鳥「ええ、わかりました!ざぁ、ゼペットじいさん僕の鍵爪を味わってもらおう!」ビューッ
ゼペット「青い鳥さんよ、いいのかい?娘さんから離れても。お主の主人であるあの娘……ピノキオに夢中で気が付いておらんのではないか?」
ガサッ
シンプルトン「へっへぇー!待ち伏せしていたかいがあったってもんだぜぇー!」ヒョコッ
アリス「……っ!」
ゼペット「自分がこの道におびき出されている事も、じきに身動きが取れなくなる事もな」
831 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/06/14(日)23:22:59 ID:UFH
アリス「ボクに触れるんじゃない……っ!」バッ
シンプルトン「無駄だアリスちゃん、俺から逃げる事は決してできねぇ!姫様が笑いでもしない限りな!」グッ
グイッ
アリス「誰だ君は…!【ピノキオ】の登場人物じゃないね?まさか…ボクがピノキオを狙うと予測してこの世界に…!」
シンプルトン「俺のおとぎ話は完結しててな、もうどこへ行くにも自由だ。少し人助けをしようってね…ああ、人形助けになるのか?」ハハッ
シンプルトン「どちらにしろ君の手は悪い手だ、少し俺のガチョウを撫でてもらおうじゃないか」サワッ
ピタッ
金のガチョウ「優しく頼みますよ?わたくしはその辺のショボイ鳥とは訳が違うのですからね?」ゴールデン
アリス「【金のガチョウ】……触れたものを拘束する鳥だったね、それなら主人公のシンプルトンだな、君は」
シンプルトン「おお、知っていてくれてうれしいねぇ。俺よりもこの金のガチョウの方が有名でちょっと嫉妬してたんだぜぇ?」
シンプルトン「どちらにしろ、君はもう悪さはできないぜ。両手がふさがっているからなぁ。おっと、青い鳥はもうちょっと上空飛んで居ろ、アリスちゃんは人質だ」
青い鳥「…くっ!」バサバサ
アリス「やれやれ…こんなか弱い少女を寄ってたかって苛めて、楽しいのかいお兄さん?」
シンプルトン「楽しかないさ、でもアリスちゃんの悪さのせいで皆が困ってるなら助けないとな、どんな時でも人には優しく仲良くだ。争いの火種を生むような事はするんじゃない、それだけのことだぜ?」
アリス「……ふぅ、わかった降参だ。両手が使えないんじゃあ何もできない、ボクのポケットにはもっと素敵なものが入っていたんだけどね」
832 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/06/14(日)23:25:30 ID:UFH
ゼペット「魔法具に頼り過ぎているからそうなるんじゃよ、じゃからワシらが君を誘導している事にもシンプルトン君がワシらの為に潜んでくれている事にも気がつかない。いつもと違ってワシらが君を知っていたのも大きかったようじゃな?」
ピノキオ「でも作戦通りいってよかったね、お父さん。シンプルトンさんもありがとうね、これで僕のおとぎ話は消えずに済むよ!」
シンプルトン「まぁ良かったぜ、アリスちゃんを怪我させずに捕まえられてな。ピノキオもゼペットさんも俺も無事だ、ガチョウもな」
アリス「……どうしてだい?」
ゼペット「あれだけ悪さをすれば耳にも入るさ。アリスとドロシーという娘がおとぎ話を消そうとしている、魔法具を狙っている。だから警戒するように。とな、じゃからワシらは緊急時に備えて居たんじゃよ」
ピノキオ「鼻を伸ばして戦う練習も、手伝いに来てくれたシンプルトンさんとの作戦会議もいっぱい頑張ったからね」
アリス「ああ、そういう事か…少し派手に動きすぎたな、ボクは」
シンプルトン「命までは取らないから安心しな、でもやっちまった悪さには責任を取らなきゃいけねぇなアリスちゃん」
アリス「ああ、反省しているよ。シンプルトン、ボクはどうなる?拷問でもされるのかい?」
シンプルトン「よしよし、反省したな?そうやってちゃんと自分の行いを悔いる事が出来るなら雪の女王もお前を酷く咎めたりしないさ」
アリス「……そうか、ありがとうシンプルトン」
アリス「君が『抜け作』で助かったよ」ニコッ
833 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/06/14(日)23:34:38 ID:UFH
シンプルトン「こいつ……反省なんかしてないだと……!」ババッ
アリス「聞こえているだろう?さぁ行け、娘を殺されたくないならね」
シュシュッ
ピノキオ「あっ!あの子のポケットからねずみが…!」
チョロチョロ
金のガチョウ「う、うわぁ!シンプルトン!わたくしの体に汚らわしいネズミが!は、はやく追い払って!早く!」
親ねずみ「……すまない、ガチョウ君。私も嫁入り前の娘を人質に取られては逆らえない…!」グイグイッ
金のガチョウ「や、やめろ!汚らしいねずみがわたくしのくちばしに物を突っ込むのは……!」モグモグ ゴクン
シュルシュルシュル
シンプルトン「くそっ…!俺のガチョウが…みるみる小さくなっちまう!」
アリス「ボクの両手を拘束するには…もう大きさが足りないね?これならねずみの力でもボクの手から引き離せるかな?」クスクス
ゼペット「小さくなる方のキノコか…!ピノキオ!シンプルトン君!ワシらの作戦は失敗じゃ!ここは逃げるんじゃ……!」
青い鳥「おっと、もう人質はいないからね。君達は魔法具を持っていない、怖いものなんて無いね!ピノキオにも嘘はつかせないよ?」バサバサー
ギャアアァァー
アリス「魔法具に頼ってるなんてひどい言いがかりだ、ゼペット。ボクはなんだって利用するよ?魔法具だろうと人間だろうと動物だろうと何だろうとね」
グワアアァァァ
アリス「もう聞こえていないか、あんな怪鳥に襲われたら余裕もないかな。おーい、青い鳥、ピノキオはバラバラにしないように頼むよ」
青い鳥「あっ、わかりました!じゃあ食事も済ませておくので少し待っていてください」バサバサ
アリス「さぁ、思わぬところで新しい魔法具が手に入った。でも、始末する奴が増えてしまったな」
アリス「雪の女王……屈指の魔力を誇る彼女を捕まえるには何が必要か…雪、雪には炎…かな?炎の魔法具か……大丈夫だ、難しいことはない」
アリス「もうすぐ叶う、私達の……いや、僕達の願い。だからボクは君のために頑張る」
アリス「ルイス……君の望む世界はもう目の前だ、だから少しだけ待っていてくれるかい?」
834 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/06/14(日)23:35:38 ID:UFH
・・・
今回の旅で一回り成長した赤ずきんと赤鬼
新たな仲間の人魚姫、そして着々と力を蓄える鬼神…そして、ドロシーを救うためというブリキの言葉
最大の協力者である雪の女王とは自らの作者へどのような思いを抱くのか
赤ずきん達の旅は続きます。
人魚姫編 おしまい
835 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/06/14(日)23:37:45 ID:UFH
今日はここまでです。そして人魚姫編おしまい。
レスや支援毎回有り難く読んでる。もうちょっと書く時間欲しいけど、なんとか今回も終わりまでこれた。ありがとね。
人魚王の処遇については納得のいかない人も多いかもしれないけど
どうしても姉ちゃんに人魚王処刑できるとは思えなかったからこの結果にした。多分、後で苦労はしてると思う
人魚姫の世界がどうなったかは、全ての旅が終わってから書く予定です。
次回は『ヘンゼルとグレーテル。とある消滅したおとぎ話編』
キモオタとティンク、あと有名どころの新キャラも登場予定
メイン回で書き足らなかったので髪がすごく長い娘を個人的に贔屓する予定です
では次回もよろしくー
836 :名無しさん@おーぷん :2015/06/14(日)23:40:05 ID:c3E
おつかれさまです!
アンデルセンにルイス…キャラクターにとっての「作者」ってどんな存在なんでしょう…。
あほの子らぷちゃん楽しみです。次回も楽しみにしていますー
837 :名無しさん@おーぷん :2015/06/14(日)23:41:51 ID:Kkx
面白かったです!楽しませてもらいました。段々現実世界とリンクしてきましたね…
ところで、次回はいつ頃になる予定でしょう?もし未定ならやると決まったらここにURLを貼ってくれたりしてくれるのでしょうか?初めてリアタイで見たためそういう知識が乏しくて…
838 :名無しさん@おーぷん :2015/06/15(月)00:19:34 ID:0wV
>>1さん、本当にお疲れ様でした!!
六冊目はやたら熱い展開が満載で、特に後半は毎週わくわくしながら読んでいました
今後おとぎ話の「作者」もストーリーに絡むようですが、色々と楽しさが増すばかりです
七冊目、久々に登場のキモオタとティンクが、どのように登場するのだろう…と期待しています
当サイトをマメにチェックしながら気長に待ちます
じっくりと構想を練って、話が十分に溜まったら新しいスレを立てて下さい…
とにかく乙でした!!
ありがとうございました!!
845 :名無しさん@おーぷん :2015/06/15(月)23:57:33 ID:h0p
登場タイトルまとめ
ピーターパン→消滅
シンデレラ→無事
裸の王様→無事
王様の耳はロバの耳→消滅
こびとの靴屋→無事
泣いた赤鬼→無事
赤ずきん→消滅
一寸法師→消滅
かぐや姫→無事
舌切り雀→不明
蛙の王子→無事
石のスープ→無事
わらしべ長者→無事
桃太郎→無事
マッチ売りの少女→無事
眠り姫→無事
人魚姫→赤コンビいまここ
おやゆび姫→無事
幸福な王子→無事
青い鳥→不明
オズの魔法使い→消滅
不思議の国のアリス→無事(ミチルが代役)
ハーメルンの笛吹き男→消滅
狼と七匹のこやぎ→消滅
雪の女王→無事
アラビアンナイト→無事
ラプンツェル→無事
三匹のくま→消滅
三匹のこぶた→不明
船乗りシンドバッドの冒険→無事
アリババと40人の盗賊→無事
ヌレンナハール姫と美しい魔女→無事
アラジンと魔法のランプ→無事(強力な結界有り)
三枚のお札→無事
ヘンゼルとグレーテル→不明
かもとりごんべえ→無事
???(ヘンゼルが救ったおとぎ話)→無事
金太郎→無事
ジャックと豆の木→無事
卑怯なコウモリ→無事
みにくいアヒルの子→不明
ブレーメンの音楽隊→無事
力太郎→不明
花咲か爺さん→不明
セロ弾きのゴーシュ→不明
赤い靴→不明
ピノキオ→消滅?
金のガチョウ→無事
ねずみの嫁入り→不明
846 :名無しさん@おーぷん :2015/06/16(火)00:02:20 ID:Iir
乙!
今回も楽しかったです!!
赤ずきん「王子に恋した人魚姫が足を得て…そのあとの展開は変わったけれど、解魔の短剣も使わず、自らの選択とはいえ恋やぶれ…空気の精霊になってしまう」
赤ずきん「自分の恋心よりも大好きな王子や皆の幸せを願って身を引く悲恋の物語……」
赤ずきん「……人魚姫が幸せか不幸せか、それこそ読む人の見方で変わってくるけれど。きっと彼女は後悔なんてしていないんでしょうね」
赤ずきん「…全てが終わったら、もう一度人魚姫と一緒にあの世界へ行かなければね。その時、あの世界がどうなっているかわからないけれど……」
赤ずきん「人魚姫が望む未来になっている事を、私はただ願うだけね」スッ
赤ずきん「さぁ、確認も済ませたしカイにお礼を言って帰りましょうか」フイッ
ポツンッ
赤ずきん「あの本棚……なにかしら、ひとつだけ少し小さくて……あの本棚だけガラス扉が付いてる、貴重な書物や魔法書の類かしら」
スタスタ
赤ずきん「全て童話ね、知っているおとぎ話のタイトルがいくつか並んでいるけれど……特別な本なのかしら?」キィッ
スッ
赤ずきん「古そうな本なのに状態がすごく良いわね、すごく年代物のようにも新品のようにも見えるもの」ペラペラペラ
少女の古びたかごにはたくさんのマッチが入っていました。しかし、一日中売り歩いてもそれを買ってくれる人はおろか、銅貨の一枚を恵んでくれる人さえいませんでした。
疲れ果て、お腹を空かせた少女は寒さにぶるぶると震えながらマッチを売り続けました。みすぼらしいその少女に手を差し伸べる者は一人もいませんでした。
赤ずきん「このおとぎ話…【マッチ売りの少女】だけど、この本……おかしいわ」
824 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/06/14(日)23:07:35 ID:UFH
ーー少女は一人でマッチを売り……
ーー凍えるような寒さの中マッチ売りの少女は一人でマッチを擦り……
ーー少女はただ一人で永遠の眠りに……
赤ずきん「何故かしら、この本にはキモオタが登場してない……」
赤ずきん「ティンクの話だと【マッチ売りの少女】はキモオタ達の干渉によって本来は登場しないはずの登場人物『キモータ』が出てくるはずなのに……」
赤ずきん「もしかして、この本棚の本は何か特別な魔法でもかけられているのかしら……?」
・裸の王様
・雪の女王
・人魚姫
赤ずきん「もしかして、【人魚姫】も【裸の王様】も……」スッ
赤ずきん「……」ペラペラペラ ペラペラペラ
赤ずきん「やっぱりこの本棚のおとぎ話は、キモオタや私達が干渉する以前の元々の内容になってる……【人魚姫】は王子と恋が実っていないし【裸の王様】にもキモータもティンクも登場しない……他の本はどうなのかしら?」チラッ
赤ずきん「……いいえ、やめましょう。勝手に本棚をあさるなんて無作法だったわ、明らかに特別な本棚だもの。この事は次の機会にでも女王に聞いてみようかしらね」スッ
トサッ
赤ずきん「いけない、大切な本を落として汚しでもしたら女王に悪いものね。キチンと棚に戻して……」スッ
ーー私の半生をこの自伝に記し、愛する女王へ贈る。
赤ずきん「……自伝?この本だけはおとぎ話では無いみたいね、署名は……」
赤ずきん「ハンス・クリスチャン・アンデルセン……?」
825 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/06/14(日)23:08:54 ID:UFH
カイ「俺達のおとぎ話【雪の女王】の作者だ、現実世界の童話作家」スッ
赤ずきん「カイ…」
カイ「言い忘れたんで戻ってきたが遅かったな。その本棚には触れない方が良いぞ、最悪の場合…宮殿の前に氷像が立つだろうからな、赤い頭巾娘の」
赤ずきん「ごめんなさいね、無作法とは分かっていたけれど…どうにも気になってしまって」
カイ「忠告を忘れた俺にも責任がある。まぁ黙ってりゃあ平気だろ。お前も余計な事はあいつに言うなよ?」
赤ずきん「ええ。でも、このハンス・クリスチャン・アンデルセンという人物……おとぎ話の作者と言ったわね?」
カイ「何も不思議な事は無いだろう?俺もお前も他の奴らだっておとぎ話の世界の住人、現実世界の人間が作り出した物語の登場人物だ」
カイ「民話なんかだと…例えばお前の知り合いの桃太郎みたいに特定の作者が居ないおとぎ話もあるが、多くのおとぎ話に作者は居るもんだ。俺にも、お前にもな」
赤ずきん「それはそうでしょうけど、あまり意識して考えたことなんかなかったわ。私のおばあちゃんは数え切れないほどのおとぎ話を教えてくれたけど作者までは聞いていなかったから」
カイ「それが普通だな、俺達が生きていく上で特に必要がない情報だ。誰が俺達の事を書いたかなんてな」
赤ずきん「でも、雪の女王はそうは思っていないという事よね?どうやらこの棚の本は全てそのアンデルセンの書いたおとぎ話だもの」
カイ「女王は俺達に会う前の事をあまり話さないけどな、それでもアンデルセンを特別なものと考えてるのは解るぜ」
カイ「現にこの本棚にはアンデルセンの童話が全て収められている、一遍も漏らさずにだ。しかも、全て初版の本を揃えて状態を維持させる魔法を掛けてるからな」
赤ずきん「状態を維持する魔法…だからこの本の内容は、私達が干渉する以前のものなのね」
カイ「そうだな。まぁ流石の女王でもおとぎ話本来の流れを…世界の時流れのような膨大な力に干渉することはできないんだろうが」
826 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/06/14(日)23:10:43 ID:UFH
カイ「お前も知ってんだろうが、おとぎ話は現実世界の人間に忘れられると消滅する。だが消滅していないおとぎ話も元々の内容をそのまま残してるってのは少ないらしいぜ」
赤ずきん「残っているおとぎ話も内容が変わっているものがあるという事でしょう?」
カイ「ああ、良くも悪くも内容が変化していくってのはよくあることだ。おとぎ話の世界の緩やかな時間の流れと違って、現実世界では長い年月が過ぎてるんだからな」
カイ「時代の変化や環境の違いで内容が少しずつ変わっていくなんて珍しい事じゃない。今の時代じゃこの表現は残酷だ、この展開は子供に悪影響だっつってな」
赤ずきん「その程度じゃあ消滅なんかしないのね。私達が干渉することで内容に変化が表れてもすぐ消滅するわけじゃないものね…どこまでの改変が許されるか、難しいところだけど」
カイ「もっとも許容範囲を越えた改編をすれば消えちまう。話の展開に必要な人物や道具を殺して壊したりな…今、アリスやドロシーがしてまわってるのがそれだ」
赤ずきん「女王はそんなふうにおとぎ話の内容が変わったり消えてしまう事が嫌で、そんな魔法をこの本に掛けたのかしら?」
カイ「少し違うだろ、そうだったら全てのおとぎ話の本に魔法をかける。現実世界の時代の流れによる改変、消滅を防ぐための改変は仕方ないと納得した上でこの本棚にだけ魔法をかけてんだからな」
カイ「雪の女王はアンデルセンの書いた童話だけは作者が書いたそのままの形で残しておきたいんだろ。せめて、自分の手元にだけでも」
赤ずきん「自分のおとぎ話を作り出した作者だから?」
カイ「さぁな、特別な理由や感情があるのかもしれねぇけど俺は知らねぇな。ただあいつがこの棚の本を読んでいるときはなんつーか寂しそうだ」
赤ずきん「あの女王が寂しそうにするなんて事あるのね…」
カイ「まぁ、人前ではしねぇけどな。あいつはおとぎ話の世界でも屈指の魔力の保有者、名前の通りいつだって雪のように冷たく静かだ。でも俺達には意外と感情豊かだぜ、特に女の子供の可愛がり具合が尋常じゃねぇんだ」ハァー
カイ「グレーテルもあいつも四六時中ベタベタされていたからな。しかも甘いんだよ、グレーテルがねだるとすぐに菓子をやるんだぜ?あいつがそんなだから一時期グレーテルは飯をまともに食わずに菓子ばっかり食いやがってな…特別扱いが過ぎるんだ」
赤ずきん「フフッ…あなた、口は悪いけれど雪の女王が好きなのね。グレーテルにやきもちを焼いてるんでしょう?」フフッ
827 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/06/14(日)23:13:04 ID:UFH
カイ「はぁ?なわけねぇだろ馬鹿か、何かあるたびに頭を撫で回してくるし何かなくても抱きつくんだぞ?うっとうしく思ってんだよ、俺は」チッ
赤ずきん「あらそう、それは失礼な事を言ったわね」フフッ
カイ「とにかく、女王は自分の作者とおとぎ話を特別に思ってるってことは確かだってことだ」
赤ずきん「雪の女王は今回の件に協力してくれるのを子供たちを救うためと言っていたけれど、アンデルセンのおとぎ話を消したくないからという気持ちもあるのかもしれないわね」
カイ「かもな、だがあいつがおとぎ話の世界全体を救うために頑張ってんのは一番近くに居る俺がよく知ってる。お前達の事も相当気に掛けてるんだぞ?感謝しろなんて言わねぇけどな、頭撫でさせてやれば喜ぶぜあいつ」フフッ
赤ずきん「…考えておくわ」
カイ「それとアンデルセンの書いたおとぎ話は覚えておいて損はないぜ。あいつはアンデルセン童話の仲間に優先的に協力を呼び掛けてるところがあるからな、特に【親指姫】と【みにくいあひるの子】の主人公はかなり協力的だ、お前達の力にもなってくれるだろうさ」
赤ずきん「【裸の王様】も本棚にあったわね、だからあの世界に居たのね」
カイ「そういう事だな。まぁ、マッチ売りや人魚姫や【赤い靴】のカーレン…死を迎えたり消えちまう結末のおとぎ話には声をかけてないみたいだけどな」
赤ずきん「それにしても…偶然かしらね?この棚にあるおとぎ話のほとんどを私は知っている」
カイ「アンデルセンは現実世界で屈指の童話作家らしいから、その作品も人気が高いみたいだぜ。人気があれば多くの人に知られているし簡単に忘れられないから消える事もない、ドロシー達みたいな例外がいなければの話だけどな」
赤ずきん「この宮殿に来ると今まで考えた事もなかった事に気づかされるわね。雪の女王の助言もだけど、現実世界の作者の事もおとぎ話の人気や知名度なんてそんなに気にしていなかったから」
カイ「だが、まぁ…人気や知名度ならそのへんのおとぎ話が束になっても敵わないような奴がいるけどな。それが今回の元凶の一人だってんだから、人気があるってのも考え物だぜ」
赤ずきん「それ…どっちの事を言っているのかしら?」
カイ「両方だな、あいつらのおとぎ話は世界的な知名度も人気も段違いだと、女王が言っていたぜ。ドロシー達のおとぎ話【オズの魔法使い】そして……」
赤ずきん「アリスのおとぎ話…【不思議の国のアリス】ね」
カイ「もしかすると、そこんところにあいつらが悪さしてる理由があるかもな」
赤ずきん「悪さをしている理由ねぇ…これだけ大ごとにしてまでやり遂げようというのだから相当な事でしょうけど…」
カイ「あいつらだって考えがあって行動してんだ、その行動が俺達にとっては悪なだけであいつらにとっちゃあ正当な理由があるつもりかもしれねぇからな」
赤ずきん「……確かにブリキのきこりは言っていたわね。ドロシーを救うためだとか……その為になりふり構わず行動されちゃこっちは迷惑だけどね」
カイ「だったらそれを教えてやめさせる役が必要だと女王は考えてるみたいだな。あいつが救おうとしてるのは被害を受けた子供だけじゃねぇんだ」
赤ずきん「……彼女達にも理由がある、だから悪事を認めろなんて言われても私は従えないわよ。それが雪の女王の言葉でもね」
カイ「そんなつもりは俺にも女王にもねぇさ。ただ、俺やヘンゼル達を叱るときでも必ず俺達の言い分は聞いてくれた。あいつらのやってることは子供の悪戯にしちゃあ度を超えてるが……」
カイ「それでもあいつらを見捨てるつもりはないんだろ」
赤ずきん「……」
カイ「安心しろ、子供に甘いとはいっても罪に対する罰はキチンと与えるだろうぜ。それに関しちゃ俺にもヘンゼルにもグレーテルにもあいつにも甘くなかったからな」
赤ずきん「屈指の魔力の持ち主相手に悪さしようっていうあなた達の根性も大概だけど…どんなお仕置きなのかしら?」
カイ「……氷系のお仕置きだ、とだけ教えてやる。詳しく語らせるのは勘弁しろ」フイッ
赤ずきん「なんだか女王とあなた達の暮らしに少し興味が出てきたわ。雪の女王への第一印象は最悪だったけれど……『雪の女王』なんて呼ばれるわりには随分と人間味があるのね」フフッ
カイ「そうじゃなけりゃあ、ヘンゼル達も女王にあそこまで懐かねぇよ。あいつの名は性格や人となりから来てるもんじゃねぇしな」
赤ずきん「あら、あなたは懐いてないみたいな口ぶりね?」フフッ
カイ「当然だろ、俺は懐いてないからな。おらっ用事が済んだなら書庫のカギ閉めるぞ。ったく……」
・・・
829 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/06/14(日)23:17:52 ID:UFH
ピノキオの世界
・・・
・・・
・・・
青い鳥「アリスさん!あの木偶人形、さっきと同じ攻撃をするつもりですよ!」
ピノキオ「解っていたって簡単には避けられないよ!僕がつく嘘からは…!」ピョーン
青い鳥「身軽な奴…!本当に彼は人形なのか…!」
ピノキオ「そうだよ、僕はただの人形だよ。でも安心していいよ、女の子には優しくってお父さんに教わったからね…僕は『絶対に女の子に攻撃をしたりしない』!」ニュッ
ヒュオッ ゴシャアッ
青い鳥「どうなってるんだ彼の鼻は!煉瓦の壁を打ち抜くなんて、避けるしかないじゃないか」バサバサッ
アリス「やれやれ…まだボクは何もしていないというのに随分と手荒い歓迎をするんだね」
ピノキオ「でもこれからするつもりなんだよね?だから僕に近づいたんだ」スタッ
アリス「へぇ、随分と詳しいねピノキオ。誰から聞いたのかな?」
ピノキオ「ごめんね、教えちゃダメなんだ。君はいろんなおとぎ話を壊して魔法具を奪ってるんだって教わったからね」
アリス「なんだか、随分と余計な事をしてくれてる人がいるみたいだね」
ゼペット「この【ピノキオ】の世界へ魔法具を求めてきたという事は…当然、ピノキオを狙っているんじゃろ?そうはさせんぞ、ワシの大切な息子じゃからな」
アリス「ふぅ、ゴーテルといい君といい…ボクは我が子想いの老人とは相性が良くないみたいだ、いつもいつも警戒されてしまう。もっと容易く騙されてくれればやり易いんだけどな」クスクス
ピノキオ「そうはいかないよ、せっかくあの人が教えてくれたんだ。僕達のおとぎ話を消滅させようなんてさせない、僕は『このおとぎ話が消えても良いと思ってる』からね!」
ヒュバッ ゴシャアァ
830 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/06/14(日)23:20:20 ID:UFH
青い鳥「あぁっ、アリスさん!大丈夫ですか!」
アリス「平気だよ。少し落ち着こうか青い鳥、落ち着いたらボクに教えてくれるかい?」
青い鳥「は、はぁ…なにをですか?」バサバサ
アリス「君が焦っている理由をだよ。まさか、あんな人形如きにボク達が負けると思ってるわけがないだろう?ほら、大きくなる方だ、これを食べてゼペットを襲ってくれ」シュッ
青い鳥「ま、まぁそうですよね!良く考えたらそうですよね、僕達が負ける訳がないですね。解りました!」モグモグ ムクムク
青い鳥「むむぅ…!いつもながら力がみなぎるようです…!今の僕ならロック鳥なんて目じゃないですね!」ゴゴゴッ
ピノキオ「あれがあの人が言ってたアリスの大きくなるキノコ…!でも父さんは僕が守るっ!僕は『青い鳥を伸びる鼻で打ち抜かn」
アリス「無駄だよ、ボクには君を呼び寄せる笛がある……これを使えば君はボクのものだ」スチャッ
ゼペット「……娘さん、随分と今まで楽をしてきたみたいじゃな」
アリス「……どういう意味だい?」
ゼペット「そのままの意味じゃよ。魔法具に頼ってばかり、そんなじゃから……」
アリス「青い鳥、構わなくて良いから襲ってしまおう。どうせ老人の戯言だ」
青い鳥「ええ、わかりました!ざぁ、ゼペットじいさん僕の鍵爪を味わってもらおう!」ビューッ
ゼペット「青い鳥さんよ、いいのかい?娘さんから離れても。お主の主人であるあの娘……ピノキオに夢中で気が付いておらんのではないか?」
ガサッ
シンプルトン「へっへぇー!待ち伏せしていたかいがあったってもんだぜぇー!」ヒョコッ
アリス「……っ!」
ゼペット「自分がこの道におびき出されている事も、じきに身動きが取れなくなる事もな」
831 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/06/14(日)23:22:59 ID:UFH
アリス「ボクに触れるんじゃない……っ!」バッ
シンプルトン「無駄だアリスちゃん、俺から逃げる事は決してできねぇ!姫様が笑いでもしない限りな!」グッ
グイッ
アリス「誰だ君は…!【ピノキオ】の登場人物じゃないね?まさか…ボクがピノキオを狙うと予測してこの世界に…!」
シンプルトン「俺のおとぎ話は完結しててな、もうどこへ行くにも自由だ。少し人助けをしようってね…ああ、人形助けになるのか?」ハハッ
シンプルトン「どちらにしろ君の手は悪い手だ、少し俺のガチョウを撫でてもらおうじゃないか」サワッ
ピタッ
金のガチョウ「優しく頼みますよ?わたくしはその辺のショボイ鳥とは訳が違うのですからね?」ゴールデン
アリス「【金のガチョウ】……触れたものを拘束する鳥だったね、それなら主人公のシンプルトンだな、君は」
シンプルトン「おお、知っていてくれてうれしいねぇ。俺よりもこの金のガチョウの方が有名でちょっと嫉妬してたんだぜぇ?」
シンプルトン「どちらにしろ、君はもう悪さはできないぜ。両手がふさがっているからなぁ。おっと、青い鳥はもうちょっと上空飛んで居ろ、アリスちゃんは人質だ」
青い鳥「…くっ!」バサバサ
アリス「やれやれ…こんなか弱い少女を寄ってたかって苛めて、楽しいのかいお兄さん?」
シンプルトン「楽しかないさ、でもアリスちゃんの悪さのせいで皆が困ってるなら助けないとな、どんな時でも人には優しく仲良くだ。争いの火種を生むような事はするんじゃない、それだけのことだぜ?」
アリス「……ふぅ、わかった降参だ。両手が使えないんじゃあ何もできない、ボクのポケットにはもっと素敵なものが入っていたんだけどね」
832 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/06/14(日)23:25:30 ID:UFH
ゼペット「魔法具に頼り過ぎているからそうなるんじゃよ、じゃからワシらが君を誘導している事にもシンプルトン君がワシらの為に潜んでくれている事にも気がつかない。いつもと違ってワシらが君を知っていたのも大きかったようじゃな?」
ピノキオ「でも作戦通りいってよかったね、お父さん。シンプルトンさんもありがとうね、これで僕のおとぎ話は消えずに済むよ!」
シンプルトン「まぁ良かったぜ、アリスちゃんを怪我させずに捕まえられてな。ピノキオもゼペットさんも俺も無事だ、ガチョウもな」
アリス「……どうしてだい?」
ゼペット「あれだけ悪さをすれば耳にも入るさ。アリスとドロシーという娘がおとぎ話を消そうとしている、魔法具を狙っている。だから警戒するように。とな、じゃからワシらは緊急時に備えて居たんじゃよ」
ピノキオ「鼻を伸ばして戦う練習も、手伝いに来てくれたシンプルトンさんとの作戦会議もいっぱい頑張ったからね」
アリス「ああ、そういう事か…少し派手に動きすぎたな、ボクは」
シンプルトン「命までは取らないから安心しな、でもやっちまった悪さには責任を取らなきゃいけねぇなアリスちゃん」
アリス「ああ、反省しているよ。シンプルトン、ボクはどうなる?拷問でもされるのかい?」
シンプルトン「よしよし、反省したな?そうやってちゃんと自分の行いを悔いる事が出来るなら雪の女王もお前を酷く咎めたりしないさ」
アリス「……そうか、ありがとうシンプルトン」
アリス「君が『抜け作』で助かったよ」ニコッ
833 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/06/14(日)23:34:38 ID:UFH
シンプルトン「こいつ……反省なんかしてないだと……!」ババッ
アリス「聞こえているだろう?さぁ行け、娘を殺されたくないならね」
シュシュッ
ピノキオ「あっ!あの子のポケットからねずみが…!」
チョロチョロ
金のガチョウ「う、うわぁ!シンプルトン!わたくしの体に汚らわしいネズミが!は、はやく追い払って!早く!」
親ねずみ「……すまない、ガチョウ君。私も嫁入り前の娘を人質に取られては逆らえない…!」グイグイッ
金のガチョウ「や、やめろ!汚らしいねずみがわたくしのくちばしに物を突っ込むのは……!」モグモグ ゴクン
シュルシュルシュル
シンプルトン「くそっ…!俺のガチョウが…みるみる小さくなっちまう!」
アリス「ボクの両手を拘束するには…もう大きさが足りないね?これならねずみの力でもボクの手から引き離せるかな?」クスクス
ゼペット「小さくなる方のキノコか…!ピノキオ!シンプルトン君!ワシらの作戦は失敗じゃ!ここは逃げるんじゃ……!」
青い鳥「おっと、もう人質はいないからね。君達は魔法具を持っていない、怖いものなんて無いね!ピノキオにも嘘はつかせないよ?」バサバサー
ギャアアァァー
アリス「魔法具に頼ってるなんてひどい言いがかりだ、ゼペット。ボクはなんだって利用するよ?魔法具だろうと人間だろうと動物だろうと何だろうとね」
グワアアァァァ
アリス「もう聞こえていないか、あんな怪鳥に襲われたら余裕もないかな。おーい、青い鳥、ピノキオはバラバラにしないように頼むよ」
青い鳥「あっ、わかりました!じゃあ食事も済ませておくので少し待っていてください」バサバサ
アリス「さぁ、思わぬところで新しい魔法具が手に入った。でも、始末する奴が増えてしまったな」
アリス「雪の女王……屈指の魔力を誇る彼女を捕まえるには何が必要か…雪、雪には炎…かな?炎の魔法具か……大丈夫だ、難しいことはない」
アリス「もうすぐ叶う、私達の……いや、僕達の願い。だからボクは君のために頑張る」
アリス「ルイス……君の望む世界はもう目の前だ、だから少しだけ待っていてくれるかい?」
834 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/06/14(日)23:35:38 ID:UFH
・・・
今回の旅で一回り成長した赤ずきんと赤鬼
新たな仲間の人魚姫、そして着々と力を蓄える鬼神…そして、ドロシーを救うためというブリキの言葉
最大の協力者である雪の女王とは自らの作者へどのような思いを抱くのか
赤ずきん達の旅は続きます。
人魚姫編 おしまい
835 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/06/14(日)23:37:45 ID:UFH
今日はここまでです。そして人魚姫編おしまい。
レスや支援毎回有り難く読んでる。もうちょっと書く時間欲しいけど、なんとか今回も終わりまでこれた。ありがとね。
人魚王の処遇については納得のいかない人も多いかもしれないけど
どうしても姉ちゃんに人魚王処刑できるとは思えなかったからこの結果にした。多分、後で苦労はしてると思う
人魚姫の世界がどうなったかは、全ての旅が終わってから書く予定です。
次回は『ヘンゼルとグレーテル。とある消滅したおとぎ話編』
キモオタとティンク、あと有名どころの新キャラも登場予定
メイン回で書き足らなかったので髪がすごく長い娘を個人的に贔屓する予定です
では次回もよろしくー
836 :名無しさん@おーぷん :2015/06/14(日)23:40:05 ID:c3E
おつかれさまです!
アンデルセンにルイス…キャラクターにとっての「作者」ってどんな存在なんでしょう…。
あほの子らぷちゃん楽しみです。次回も楽しみにしていますー
837 :名無しさん@おーぷん :2015/06/14(日)23:41:51 ID:Kkx
面白かったです!楽しませてもらいました。段々現実世界とリンクしてきましたね…
ところで、次回はいつ頃になる予定でしょう?もし未定ならやると決まったらここにURLを貼ってくれたりしてくれるのでしょうか?初めてリアタイで見たためそういう知識が乏しくて…
838 :名無しさん@おーぷん :2015/06/15(月)00:19:34 ID:0wV
>>1さん、本当にお疲れ様でした!!
六冊目はやたら熱い展開が満載で、特に後半は毎週わくわくしながら読んでいました
今後おとぎ話の「作者」もストーリーに絡むようですが、色々と楽しさが増すばかりです
七冊目、久々に登場のキモオタとティンクが、どのように登場するのだろう…と期待しています
当サイトをマメにチェックしながら気長に待ちます
じっくりと構想を練って、話が十分に溜まったら新しいスレを立てて下さい…
とにかく乙でした!!
ありがとうございました!!
845 :名無しさん@おーぷん :2015/06/15(月)23:57:33 ID:h0p
登場タイトルまとめ
ピーターパン→消滅
シンデレラ→無事
裸の王様→無事
王様の耳はロバの耳→消滅
こびとの靴屋→無事
泣いた赤鬼→無事
赤ずきん→消滅
一寸法師→消滅
かぐや姫→無事
舌切り雀→不明
蛙の王子→無事
石のスープ→無事
わらしべ長者→無事
桃太郎→無事
マッチ売りの少女→無事
眠り姫→無事
人魚姫→赤コンビいまここ
おやゆび姫→無事
幸福な王子→無事
青い鳥→不明
オズの魔法使い→消滅
不思議の国のアリス→無事(ミチルが代役)
ハーメルンの笛吹き男→消滅
狼と七匹のこやぎ→消滅
雪の女王→無事
アラビアンナイト→無事
ラプンツェル→無事
三匹のくま→消滅
三匹のこぶた→不明
船乗りシンドバッドの冒険→無事
アリババと40人の盗賊→無事
ヌレンナハール姫と美しい魔女→無事
アラジンと魔法のランプ→無事(強力な結界有り)
三枚のお札→無事
ヘンゼルとグレーテル→不明
かもとりごんべえ→無事
???(ヘンゼルが救ったおとぎ話)→無事
金太郎→無事
ジャックと豆の木→無事
卑怯なコウモリ→無事
みにくいアヒルの子→不明
ブレーメンの音楽隊→無事
力太郎→不明
花咲か爺さん→不明
セロ弾きのゴーシュ→不明
赤い靴→不明
ピノキオ→消滅?
金のガチョウ→無事
ねずみの嫁入り→不明
846 :名無しさん@おーぷん :2015/06/16(火)00:02:20 ID:Iir
乙!
今回も楽しかったです!!
キモオタ「我輩がおとぎ話の世界に行くですとwww」ティンカーベル「そう」 人魚姫編
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キモオタ「我輩がおとぎ話の世界に行くですとwww」ティンカーベル「そう」一覧に戻る
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