キモオタ「我輩がおとぎ話の世界に行くですとwww」ティンカーベル「そう」 人魚姫編
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496 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/04/22(水)22:34:27 ID:GfN
雪の女王の世界 雪の女王の宮殿
ビュオオオォォォォ……
ファサッ
雪の女王「やれやれ、出掛けたときに限って急に吹雪かれるとは……今日はついていないな」フゥ
ガチャッ
カイ「遅かったじゃねぇか女王」
雪の女王「ただいま。カイ、良い子にしていたか?」ギューッ
カイ「抱きつくな。それで?用事は済んだのかよ?」
雪の女王「ああ、いくつかのおとぎ話に顔を出してきたんだ。協力して貰うためにね」フフッ
カイ「そうかよ、ならいいけどよ…それよりあんたに客人だぜ、娘が一人。応接間に案内してやったからあとは頼む」
雪の女王「ああ、分かっている。突然彼女の気配を感じたからね…これでも急いで帰ってきたんだ」
カイ「ああ、そういやぁ、あの娘は飲み物いらねぇとか言っていたがどうする?何か持って行くか?」
雪の女王「彼女にはホットミルクを頼む、メープルシロップを多めに入れてやってくれ。私は…コーヒー以外で適当に」
カイ「ああ、後で持って行く…だから早く行ってやれ。事情はしらねぇがひどく落ち込んでたぜ」
雪の女王「そうだな、急ぐとしよう」ファサ
雪の女王「彼女が私の元に訪れるとは余程追いつめられているのだろう……早く話を聞いてやらないとな」スタスタ
497 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/04/22(水)22:36:56 ID:GfN
雪の女王の宮殿 応接間
赤ずきん「……」ボーッ
ガチャッ
ファサッ
雪の女王「フフッ、ようこそ私の宮殿へ。よく訪ねてきてくれたね赤ずきん、こんなに早くキミと再会できるとは嬉しいな」フフッ
赤ずきん「急に訪ねたりして悪かったわね……」
雪の女王「気にすることはないさ、今日はどうしたんだ?ただお茶をするために来たわけでもないのだろう?どうやら赤鬼も居ないようだしな」
赤ずきん「ええ、赤鬼は……その……今日は別行動なの」
雪の女王「そうか、それはどうやら君の目が真っ赤に腫れているのと関係があるみたいだな。聞かせて貰おうか、何があった?」
赤ずきん「私たちは【人魚姫】の世界で……どこから話したらいいかしら……」
雪の女王「全て聞かせて貰おう、ゆっくりでいいさ。そのうちカイが温かい飲み物を持ってきてくれる、少しは時間あるんだろう?落ち着いて話すといい、どんなに長い話になっても私は聞いているよ」
498 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/04/22(水)22:38:21 ID:GfN
・・・
・・
・
赤ずきん「それで……──私は……──だから……──」ポツポツ
雪の女王「……ふむ、なるほどな」
ガチャ
カイ「邪魔するぞ、飲み物持ってきたぜ女王」
雪の女王「ああ、すまない。折角だから紹介しておこう、彼は私が預かっている少年カイだ。彼女は赤ずきん、二人とも仲良くするようにな」
カイ「ふーん…あんたが赤ずきんか、この宮殿寒いだろ?あいつの趣味はどうかしてるからな。ほらホットミルクだ、少しは暖まるぜ」コトッ
赤ずきん「えぇ……ありがとう、カイ」
雪の女王「フフッ、どうかしているとは随分だな。それでもシャンデリアの代わりがオーロラというのはシャレているだろう?」フフッ
カイ「どーだかな?ほら女王は熱いの駄目だろ、アイスティーだ」コトッ
カイ「じゃーな、俺は書庫にいるから用事があれば呼んでくれ。気が向いたら手伝ってやるから」
ガチャッ
赤ずきん「彼が、カイ…【雪の女王】の主人公ゲルダの友達であなたがさらってきたという少年ね」
雪の女王「そうだ、今はこの宮殿で私と共に暮らしている。悪魔の鏡の破片が突き刺さっているせいで性格がねじ曲がっているが……良い子だよ、少々口は悪いがな」フフッ
499 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/04/22(水)22:39:50 ID:GfN
雪の女王「さて、それはいいとして……君が今話してくれた事が【人魚姫】の世界で起きたこと全てだと言うんだな」
赤ずきん「……ええ、話した通りよ。人魚姫との出会い、ディーヴァの存在、疑問が残る人間と人魚との確執、王子を助けたドロシー……そのあげくに私は赤鬼を傷つけてしまった……」
雪の女王「世界を取るか友人を取るか悩んだ挙げ句別の友人を傷つけてしまい、それでいたたまれなくなってここに来た……か」
赤ずきん「……」
雪の女王「私は構わないが、何故ここに来た?話を聞いて貰うのならキモオタ達の方が適任だろう?そうでなくとも裸の王やシンデレラとも親しいのだろうキミは。彼等なら私よりも優しく接してくれると思うのだが」
赤ずきん「あなたなら……私を叱ってくれると思ったの」
雪の女王「あぁ、そういう事か……」
赤ずきん「彼等ならきっと私を優しく慰めてくれる。けれど私には優しくして貰う資格なんて無いもの……」
雪の女王「フフッ、私が優しくないみたいな言い方だな?」クスクス
赤ずきん「そういう意味ではないわ、あなたには聞きたいこともあったの。ただ、今の私はきっとひどい顔をしているから…彼らに合わす顔がないというのもあるわね」
雪の女王「そうか。だがキミはもう反省しているように見える、私があえて叱責する必要もなさそうだが……」
雪の女王「それでも私が言葉にすることで君の気持ちが引き締まるというのならあえて言うが、やはり話を聞く限りではキミが悪いな」
雪の女王「キミが精神的に追いつめられていていたのは分かるがそれは赤鬼だって同じだ。それで赤鬼に八つ当たりするのはお門違いだ」
赤ずきん「そうね、その通りよ……本当にね……」
500 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/04/22(水)22:41:45 ID:GfN
雪の女王「自分の過ちに気が付いて反省している点は認める。だがそれでも吐き出した言葉は無かったことには出来ない。人間と鬼の共存を目指す彼にとってそれを否定する言葉がどれだけ胸を刺すか…キミなら想像できるな?」
赤ずきん「えぇ、きっとひどく傷つけてしまった。絶対に、絶対に口にしてはいけなかったのに」
雪の女王「それも旅を共にしている友人に言われたんだ、その衝撃は計り知れない。赤の他人に言われるよりもずっとだ」
赤ずきん「私……彼の信頼を裏切っちゃったかしら」ボソッ
雪の女王「どうだろうな…?明日会うのならばその時に謝罪の気持ちを伝えなければいけないな。以前と同じ関係でいられるかはわからないがな」
赤ずきん「ええ、必ず謝る……」
雪の女王「そうか、おそらく大丈夫だろう。彼はキミとは違って大人だ、子供の八つ当たりに傷つくことはあっても反省したキミを突き放したりはしないだろう」フフッ
赤ずきん「子供だと言われても今回ばかりは…何も言い返せないわ」
501 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/04/22(水)22:42:19 ID:GfN
雪の女王「これに懲りたら今後は注意することだ。」
赤ずきん「……許してくれるといいのだけど」
雪の女王「なんだ、随分と弱腰なのだな?【裸の王様】の世界で私に啖呵を切ったのはどこの娘だったかな?」クスクス
赤ずきん「…余りの子供っぽさに自分で呆れてしまうわ。本当に傷ついているには彼なのにね。私は落ち込んでいてはいけない、しっかりしないと…」ググッ
雪の女王「…しかし、よかったじゃないか赤ずきん」
赤ずきん「よかったって…何がかしら?」
雪の女王「赤鬼のような仲間が側にいる事がだよ。キミが熱くなったら止めてくれる、八つ当たりをすれば受け止めてくれる。キミは彼の存在に大いに救われている筈だ」
赤ずきん「そうね…彼には感謝している。鬼ヶ島でも、ドロシーに挑発されたときも私をいつも助けてくれるから。でもだからこそ…何も出来ない自分が強調されるようで…彼を妬ましく思ったこともあったわ」
赤ずきん「実を言うとね、強くて頼れる彼の側にいることがたまらなく辛いときもあったのよ。自分の弱さを見つめてしまうから……」
502 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/04/22(水)22:43:40 ID:GfN
雪の女王「フフッ、彼からしたらキミの事が羨ましくてたまらないだろうに、おかしな話だ」フフッ
赤ずきん「赤鬼が…私の何を羨ましがるのかしら?私は彼とは違って何も持っていないのに」
雪の女王「あくまで私の想像に過ぎないが……キミは人間だ、それは赤鬼がどんなに努力しても手に入らない。赤鬼が人間なら、村人に恐れられることもなかっただろう。身を隠して旅をする必要だってない…人間であることを羨ましく思うこともあったんじゃないか?」
赤ずきん「そんな事……考えたこともなかった」
雪の女王「物事は視点が変わればまるっきり違う物に見えるものさ。それは君たちが悩んでいる事でも一緒だ」
赤ずきん「視点が変われば…違うものに見える…」
雪の女王「そうだ。おとぎ話を選ぶか、人魚姫の命を選ぶかという選択…赤ずきんはおとぎ話を選んだ。それはキミが過去に自分自身のおとぎ話を失っていて、その苦しみを知っているからだ」
赤ずきん「…ええ、私も人魚姫には生きて欲しいけれどあんな苦しい思いはして欲しくない」
雪の女王「一方、赤鬼は人魚姫の命を選んだ。鬼と人魚、種族は違えども二人とも人間と共存したいという気持ちは同じ。赤鬼はきっと人魚姫の姿に自分を重ねているんだろうな」
雪の女王「人間の王子に恋をしてそれが叶った人魚姫。人間の友人を欲してそれが叶った赤鬼…難しく思えた共存への一歩を踏み出して未来に希望が見えてきた。だからこそ同じ境遇の人魚姫を幸せにしてやりたいんだろう」
赤ずきん「それじゃあ……私の選択も彼の選択もどちらも間違っていなくて、正解なんて無いって事になってしまうわよ?」
雪の女王「実際、その通りさ」
赤ずきん「……」
雪の女王「『世界を選ぶか友達を選ぶか』なんて正解の存在しない問題だ。どう感じるかは人それぞれ、正解も不正解もない…模範解答を探そうという方が間違っている」
503 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/04/22(水)22:47:12 ID:GfN
赤ずきん「……だったら私達は一体どうすればいいのかしら?いつまでも答えのない問題をただ追いかけているわけにもいかないのに……」
雪の女王「それを決めるのは君たちだ。大方、ドロシーも君たちに答えのない難問を突きつけてひっかき回したいだけだろうな」
赤ずきん「本当に嫌らしい事をする娘よ、悔しいけれど」
雪の女王「では改めて聞くが、キミの選択は変わりないのか?」
赤ずきん「えぇ……私は、それでもやっぱりおとぎ話を選ぶ。人魚姫にあんな辛い思いをさせたくない。いつまでも消えたおとぎ話に未練を残してる私のようにはしたくない」
雪の女王「なるほどな……キミはそれで平気なのか?」
赤ずきん「平気かって……どういう事かしら?」
雪の女王「おとぎ話を守ると言うことは、友人である人魚姫を失うということだぞ?」
赤ずきん「……わかっているわ。私は最善を尽くして、人魚姫がなるべく苦しまないよう悲しまないようにするつもり…楽しい思い出を作ったり人魚姫の願いを叶えたり…」
赤ずきん「そして、私が王子と人魚姫を引き離す、そうして私が彼女に恨まれても仕方ないとも思ってる」
雪の女王「それだとキミが自ら悲しい結末へ物語を進める事になるが……そのことがずっとキミにのし掛かって…その心をへし折ってしまわないか?」
赤ずきん「本当に辛いのは人魚姫だもの、それを選んだことで私が弱音を吐いてはいけないの。平気よ、耐えてみせるわ」
雪の女王「決心が固いことは良いことだが本当に耐えられるか?私にはそうは思えない」
赤ずきん「……どうして、そう思うのかしら?私が子供だから出来ないと思っているの?」
雪の女王「そうじゃない。私は以前、おとぎ話を救った事で苦しみを抱えた少年を見ている」
雪の女王「だから、キミも【人魚姫】を救うことで苦しみや悲しみを背負うんじゃないかと思っているんだ。私の可愛い家族の一人…ヘンゼルがかつてそうだったようにな」
504 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/04/22(水)22:48:49 ID:GfN
赤ずきん「それって…もしかしておとぎ話【ヘンゼルとグレーテル】の主人公?」
雪の女王「ああ、そうだ。事情があって彼はしばらく前までこの宮殿に住んでいたんだ。だがある日とある目的で宮殿を後にしたよ、妹のグレーテルと共にね」
赤ずきん「その、おとぎ話を救って…苦しむってどう言うこと?」
雪の女王「ヘンゼルとグレーテルはある日、別のおとぎ話に迷い込んでしまった。そのおとぎ話はある国の民話だ、現実世界で忘れられ始めていて今にも消えてしまいそうな状態だった」
雪の女王「そうとも知らず、ヘンゼル達はそのおとぎ話の主人公の女の子と父親と親しくなった。その女の子の家は貧しくて見知らぬ子供二人を養う余裕など無かったが、その父親はヘンゼル達を家族として向かえてくれた」
雪の女王「そして、その世界でヘンゼルがとった行動が偶然にもそのおとぎ話の消滅を防ぐことになってしまったんだ」
赤ずきん「消滅寸前のおとぎ話を…そうと知らず偶然救ってしまった。結果的に何かの代役をする形になったのかしら?」
雪の女王「その通りだ、彼の行動は些細なことだったが…それがきっかけとなった」
赤ずきん「彼は…ヘンゼルは一体何をしたというの?」
雪の女王「病気の女の子のために盗みを働いた。一掬いの米と一握りのあずき、それだけを地主の倉から盗み出したんだ」
505 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/04/22(水)22:49:44 ID:GfN
赤ずきん「そんな小さな盗みでおとぎ話が救われたというの?」
雪の女王「ああ、小さな盗みだがそのおとぎ話では重要な出来事だった。ヘンゼルの行動がきっかけとなって、消えるはずだったおとぎ話は本来の筋へと軌道修正された。そして、そのまま結末へと物語は進んでいった」
雪の女王「途方もない悲しみと理不尽な苦しみが主人公の女の子に襲いかかる、悲しい結末へとね」
赤ずきん「悲しい結末…?それじゃあヘンゼルは…」
雪の女王「悔やんでいたよ、知らなかったとはいえ自らの行動でその女の子を苦しめてしまったとね。自分を責めていた、彼女を苦しめたのは自分だと」
赤ずきん「……」
雪の女王「彼と違ってキミは事情を理解した上でおとぎ話を救うことを選択している。人魚姫を失う決断はキミにとっても苦渋の選択だったと思うが、それでもキミはそれを選んだんだ。キミなりの覚悟もあるのだろうだが…」
雪の女王「…キミは本当に耐えられるか?抱える苦しみが大きすぎて身動きがとれなくならないか?」
赤ずきん「決断した以上は私はその選択に責任を持たなければいけないわ。だから、私は耐えてみせる。耐えなければいけないのよ」
雪の女王「私は、キミが望むのなら今からでもキミの代わりを手配できる。キミの住む所もだ。それでも…こんな辛い選択を強いられても旅を続けると言うんだな?」
赤ずきん「…もちろん。それ以外の答えはないわ」
雪の女王「……いいだろう。もうこの件では私は口を出さない、キミの覚悟というものを見させて貰うことにするよ」フフッ
506 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/04/22(水)22:51:36 ID:GfN
赤ずきん「雪の女王、参考までに聞きたいのだけど…あなたならどうするの?私や赤鬼と同じ選択を強いられたら」
雪の女王「おとぎ話【人魚姫】か友人の人魚姫どちらかを選ぶ状況になったら…という事だな?これはあくまで私の視点での考えになる、参考にならないと思うが?」
赤ずきん「聞かせて頂戴、あなたは様々なおとぎ話に協力を求めてくれている。私より何倍も経験を積んでいるもの、是非聞きたいわ」
雪の女王「そうだな…結論を言えば、私はおとぎ話を救う」
赤ずきん「その理由はなんなの?」
雪の女王「簡単だ、人魚姫は泡になって消えても幸せになれる余地があるからだ。泡になった後彼女はやがて空気の精になるのだから」
赤ずきん「空気の精になることは知っているけれど……幸せになれるってどう言うこと?空気の精になってたとしても彼女は人間には見えなくなる、そんなの居ないも同然じゃないの?」
雪の女王「フフッ、子供のキミにはわからないさ」フフッ
赤ずきん「はぐらかさないで、泡になって消えるのに幸せになれるなんてそんな事、信じられないわ」
雪の女王「空気の精は人間には見ることが出来ない。そのあたりの空気に溶け込むように宙をさまようだけだ。しかし空気の精は人間が見える、彼女には周りが見える」
赤ずきん「でも、見えても…触ることも話すことも出来ないなら…意味なんかないんじゃないかしら?」
雪の女王「それでも愛する男の側にいることは出来る。例え永久に恋が叶わなくても、永遠に想いが届かなかったとしても…愛する者の笑顔をずっと近くで見ていられるならそれだけで幸せになれる……そういう恋もあるという事さ」
507 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/04/22(水)22:54:08 ID:GfN
赤ずきん「例え実体を失って空気の精になったとしても、王子の側にいられるなら幸せ…という事?」
雪の女王「ああ、そのとおりだ。人魚姫はそれに幸せを感じるだろう。それこそがアスナンが彼女に与えた救いなのだから」
赤ずきん「アスナン…?どちらにしても私にはよくわからないわね……だって言葉を交わすことも触れることすら出来ないのに…本当に人魚姫はそんなことで救われるの?」
雪の女王「わからなくて良いさ、子供のキミには大人の恋愛は少し早いからな」フフッ
赤ずきん「…そうね、でも問題ないわ。いつかは私だって知ることになるでしょうから」ムッ
雪の女王「フフッ、まぁともかくだ…これが私の選択とその理由。もっともこれはあくまで私の考えだ、正解でも不正解でもない」
赤ずきん「参考にはさせて貰うわ。人魚姫が消えてしまうまでに私は出来るだけ彼女を幸せにしてあげたいから」
雪の女王「確か彼女は種族の共存を願っているのだったな?だが人間と人魚の間には不可解な確執がある…そうだったな?」
赤ずきん「ええ、人魚は人間に襲われたと主張していて人間を恨んでいるけれど人間は人魚の存在を知らない、王子ですら知らなかったから王族が隠しているとかではないと思うのだけど…どうもこの矛盾が拭えないの」
雪の女王「そうか、私には事の顛末が想像できたがな。人魚を襲っているのが何者か」フフッ
赤ずきん「……私があなたに話した情報だけでわかったというの?」
508 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/04/22(水)22:57:07 ID:GfN
雪の女王「あくまで想像だがな。人魚は人間に襲われていると思っていること、しかし人間は人魚を知らない…その矛盾を解くことが出来れば全ての黒幕を突き止めることは簡単さ、キミにも出来る」
赤ずきん「簡単に言うけれど、あなた……」
雪の女王「人魚を襲っている黒幕が誰か…それが解れば共存の道が開けるかもしれないぞ?だったら人魚姫のためにキミが頑張らなければな」フフッ
赤ずきん「……けれど、結構考えたのよ?自然災害の可能性とか海に未知の怪物が居るとか…いろんな可能性を」
雪の女王「さっきの話ではないが、視点を変えて見ろ。それと先入観には捕らわれないこと」フフッ
赤ずきん「……」
雪の女王「さぁ、今日はもう帰った方がいい。あとは宿に戻ってゆっくりと考えてみると良いさ。赤鬼になんと言って謝るかも考えなければいけないだろう?」
雪の女王「それにあまりここに長く居ると、キミをつい凍り漬けにしてしまいそうだ」クスクス
赤ずきん「……それは嫌ね、おとなしく帰ることにするわ」スクッ
雪の女王「そうしてくれ、まだキミを飾る台座を造っていないんだ」フフッ
赤ずきん「あら、それなら作らない方がいいわよ。作っても無駄になるんだから」
雪の女王「フフッ、また来ると良い。次はキミ好みのうんと苦いコーヒーをご馳走するよ」
赤ずきん「それは楽しみね。それじゃあ私は帰る。それと、雪の女王……ありがとう」
雪の女王「ああ、相談事程度ならいつだって受けてやるさ。そのかわりしっかりとやっている姿を見せてくれよ?私がキミから旅を取り上げなくても良いようにな」クスクス
509 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/04/22(水)22:58:43 ID:GfN
雪の女王の宮殿 女王の間
雪の女王「……いつになったらこの騒ぎは収まるのだろうか」フゥ
雪の女王「こんな騒ぎが起きているせいで彼女のような子供が友人を失う事を選択しなければいけない状況になっている。狂っているとしか思えない。子供達はもっと自由に暮らしても良いはずだ…」
雪の女王「そうだろう、アスナン…?」ボソッ
雪の女王「おとぎ話は子供達を苦しめるために存在するものじゃないのだからな……」
コンコンッ
???「女王様ー!ただいま戻りました!入ってよろしいか!?」
雪の女王「ああ、キミか…入って構わないぞ」
ガチャッ
白鳥「デンマークの美しき翼!この白鳥、ただいま任務を終えて帰還しましたー!」スワーン
510 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/04/22(水)23:00:51 ID:GfN
雪の女王「相変わらず賑やかだなキミは」クスクス
白鳥「えっ!?やめてくださいよ女王様!『相変わらず美しい翼だなキミは』とか言うのは!当然ですからね、僕が美しいのは!なんたって白鳥ですから!ンナハハハッ!」スワーン
雪の女王「フフッ、それは失礼したな。それで、有事の際に協力して貰えるよう別のおとぎ話に向かって貰ったが…どうだったんだ?協力は得られそうか」
白鳥「バッチリでした!【金太郎】の金太郎さんと【ジャックと豆の木】のジャック君、それと【卑怯なコウモリ】の鳥類一派に協力をお願いして約束してくれました」
雪の女王「成果は上々だな、やはりキミの美しさのおかげか?」クスクス
白鳥「でしょうね!それはそうでしょうね!僕は白鳥ですからね!」スワーン
ブスリッ
白鳥「痛っ!美しい僕に針を突き立てるとか…どういうつもりだよ!?」
???「黙れ。貴様の手柄にしようとするからだ、殆ど私が交渉しただろう。貴様はただ軽口を叩いていただけだ」
雪の女王「あぁ、キミも一緒だな。お疲れさま」フフッ
親指姫「はい、この親指姫。女王様からの任務、一生懸命遂行いたしました。騎士道に恥じぬように!」ニコニコ
511 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/04/22(水)23:02:48 ID:GfN
白鳥「女王様の前だと良い子ぶるんだもんなー、縫い針振り回してるだけのどこが騎士道だよ。一寸なんとかっていう奴に憧れてるんだかなんだか知らないけどさー」ブツブツ
親指姫「黙れ!騎士である私を侮辱するならば、この場で八つ裂きにしてくれるっ!」ブスリブスリッ
白鳥「おいやめろ!あんまり刺すと血で羽根が染まっちゃうだろ!僕のチャームポイントは美しい白さなんだよ!チャームポイントは美しい白さなんだよ!」
親指姫「二回言うな!私だけならいざ知れず、一寸法師様まで馬鹿にするとは…!恥を知れ、このアヒル!ナルシスト鳥類!」ブスリブスリッ
白鳥「言ったな!僕は正真正銘の白鳥だ!このエセ女騎士め!このままじゃピンクになっちゃうだろ!……あれっ?ピンクでも僕いけるんじゃね?女王様!ピンクでも美しいかな?どう?」
親指姫「クソッ…ポジティブな馬鹿は相手にしてられない……っ!」クッ
雪の女王「フフッ、君たちにお願いして正解だったよ。しばらくはゆっくり休んでくれ。そして、その後に行って欲しいところがある。頼めるか?」
白鳥「まっかせてください!僕がひとっ飛びいってきますよ!この美しき翼で!」スワーン
親指姫「はいっ!小さくとも女王様のお役には立ちます、なんだって申しつけてください!」
雪の女王「私は少し野暮用がある、だから君たちにはある人物に挨拶をしてきて欲しいんだ、この女王の代理としてね」
雪の女王「キモオタという現実世界の男の所だ。頼めるね?」フフッ
512 :名無しさん@おーぷん :2015/04/22(水)23:03:36 ID:YYg
みにくいアヒルの子に親指姫・・
また個性豊かなメンバーが
513 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/04/22(水)23:06:36 ID:GfN
今日はここまでです
【雪の女王】ざっくり内容
悪魔が作った鏡の破片が刺さって性格悪くなった少年カイ。
主人公ゲルダはカイを取り戻すため旅をします。
目的地はカイを連れ去った雪の女王の宮殿。
このssではゲルダに出番はおそらく無いので
性格悪くなったカイと女王が一緒に暮らしてるって事だけ認識しててください
人魚姫編 次回に続きます
514 :名無しさん@おーぷん :2015/04/22(水)23:07:35 ID:YYg
乙カレー
515 :名無しさん@おーぷん :2015/04/22(水)23:25:15 ID:Vb4
おつおつ!親指姫きたー!
518 :名無しさん@おーぷん :2015/04/23(木)00:19:00 ID:DUw
デンマーク読みの重要人物の名前間違ってますよー
もしアナグラムとかでわざとならすみません。
親指姫とティンクが会ったら楽しそう。体のサイズ的な意味で。
519 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/04/23(木)00:27:06 ID:myr
>>518
これは恥ずかしい。すいません、普通にミスですね
>>507>>509
アスナン→アナスンですね、重要な場所間違えちゃったテヘペロ
540 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/04/26(日)22:15:28 ID:pti
人魚姫の世界 宿屋
赤ずきん「もう、十分泣いた。反省もした。落ち込むのはもうおしまい…」スクッ
赤ずきん「私達は前に進まなければいけないもの。雪の女王に話を聞いて貰ったおかげで少しは落ち着いて考えられそう…しっかりしないと」ペチンペチン
赤ずきん「明日には赤鬼に会うんだから今日しっかりと考えなければね、時間はあるように見えるけれど…もたもたはしていられないわ」
赤ずきん「まずは…状況の整理をすべきね。メモに書き出すと……」カキカキ
・ドロシーの干渉で【人魚姫】が消滅の危機
・私の主張は代わらず、おとぎ話を救うこと
・そのためには人魚姫は泡にならざるを得ない
・しかし、赤鬼は(私も可能なら)人魚姫を救いたい
・私が赤鬼を傷つけたことをちゃんと謝る
赤ずきん「それに加えて…雪の女王の言っていたこれね」
・人魚と人間の確執。人魚を襲ったのは誰か?(雪の女王は犯人が分かった?)
赤ずきん「…うん、こんなところね。これについて…女王が言っていたように違う視点から洗い出してみましょう」
雪の女王の世界 雪の女王の宮殿
ビュオオオォォォォ……
ファサッ
雪の女王「やれやれ、出掛けたときに限って急に吹雪かれるとは……今日はついていないな」フゥ
ガチャッ
カイ「遅かったじゃねぇか女王」
雪の女王「ただいま。カイ、良い子にしていたか?」ギューッ
カイ「抱きつくな。それで?用事は済んだのかよ?」
雪の女王「ああ、いくつかのおとぎ話に顔を出してきたんだ。協力して貰うためにね」フフッ
カイ「そうかよ、ならいいけどよ…それよりあんたに客人だぜ、娘が一人。応接間に案内してやったからあとは頼む」
雪の女王「ああ、分かっている。突然彼女の気配を感じたからね…これでも急いで帰ってきたんだ」
カイ「ああ、そういやぁ、あの娘は飲み物いらねぇとか言っていたがどうする?何か持って行くか?」
雪の女王「彼女にはホットミルクを頼む、メープルシロップを多めに入れてやってくれ。私は…コーヒー以外で適当に」
カイ「ああ、後で持って行く…だから早く行ってやれ。事情はしらねぇがひどく落ち込んでたぜ」
雪の女王「そうだな、急ぐとしよう」ファサ
雪の女王「彼女が私の元に訪れるとは余程追いつめられているのだろう……早く話を聞いてやらないとな」スタスタ
497 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/04/22(水)22:36:56 ID:GfN
雪の女王の宮殿 応接間
赤ずきん「……」ボーッ
ガチャッ
ファサッ
雪の女王「フフッ、ようこそ私の宮殿へ。よく訪ねてきてくれたね赤ずきん、こんなに早くキミと再会できるとは嬉しいな」フフッ
赤ずきん「急に訪ねたりして悪かったわね……」
雪の女王「気にすることはないさ、今日はどうしたんだ?ただお茶をするために来たわけでもないのだろう?どうやら赤鬼も居ないようだしな」
赤ずきん「ええ、赤鬼は……その……今日は別行動なの」
雪の女王「そうか、それはどうやら君の目が真っ赤に腫れているのと関係があるみたいだな。聞かせて貰おうか、何があった?」
赤ずきん「私たちは【人魚姫】の世界で……どこから話したらいいかしら……」
雪の女王「全て聞かせて貰おう、ゆっくりでいいさ。そのうちカイが温かい飲み物を持ってきてくれる、少しは時間あるんだろう?落ち着いて話すといい、どんなに長い話になっても私は聞いているよ」
498 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/04/22(水)22:38:21 ID:GfN
・・・
・・
・
赤ずきん「それで……──私は……──だから……──」ポツポツ
雪の女王「……ふむ、なるほどな」
ガチャ
カイ「邪魔するぞ、飲み物持ってきたぜ女王」
雪の女王「ああ、すまない。折角だから紹介しておこう、彼は私が預かっている少年カイだ。彼女は赤ずきん、二人とも仲良くするようにな」
カイ「ふーん…あんたが赤ずきんか、この宮殿寒いだろ?あいつの趣味はどうかしてるからな。ほらホットミルクだ、少しは暖まるぜ」コトッ
赤ずきん「えぇ……ありがとう、カイ」
雪の女王「フフッ、どうかしているとは随分だな。それでもシャンデリアの代わりがオーロラというのはシャレているだろう?」フフッ
カイ「どーだかな?ほら女王は熱いの駄目だろ、アイスティーだ」コトッ
カイ「じゃーな、俺は書庫にいるから用事があれば呼んでくれ。気が向いたら手伝ってやるから」
ガチャッ
赤ずきん「彼が、カイ…【雪の女王】の主人公ゲルダの友達であなたがさらってきたという少年ね」
雪の女王「そうだ、今はこの宮殿で私と共に暮らしている。悪魔の鏡の破片が突き刺さっているせいで性格がねじ曲がっているが……良い子だよ、少々口は悪いがな」フフッ
499 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/04/22(水)22:39:50 ID:GfN
雪の女王「さて、それはいいとして……君が今話してくれた事が【人魚姫】の世界で起きたこと全てだと言うんだな」
赤ずきん「……ええ、話した通りよ。人魚姫との出会い、ディーヴァの存在、疑問が残る人間と人魚との確執、王子を助けたドロシー……そのあげくに私は赤鬼を傷つけてしまった……」
雪の女王「世界を取るか友人を取るか悩んだ挙げ句別の友人を傷つけてしまい、それでいたたまれなくなってここに来た……か」
赤ずきん「……」
雪の女王「私は構わないが、何故ここに来た?話を聞いて貰うのならキモオタ達の方が適任だろう?そうでなくとも裸の王やシンデレラとも親しいのだろうキミは。彼等なら私よりも優しく接してくれると思うのだが」
赤ずきん「あなたなら……私を叱ってくれると思ったの」
雪の女王「あぁ、そういう事か……」
赤ずきん「彼等ならきっと私を優しく慰めてくれる。けれど私には優しくして貰う資格なんて無いもの……」
雪の女王「フフッ、私が優しくないみたいな言い方だな?」クスクス
赤ずきん「そういう意味ではないわ、あなたには聞きたいこともあったの。ただ、今の私はきっとひどい顔をしているから…彼らに合わす顔がないというのもあるわね」
雪の女王「そうか。だがキミはもう反省しているように見える、私があえて叱責する必要もなさそうだが……」
雪の女王「それでも私が言葉にすることで君の気持ちが引き締まるというのならあえて言うが、やはり話を聞く限りではキミが悪いな」
雪の女王「キミが精神的に追いつめられていていたのは分かるがそれは赤鬼だって同じだ。それで赤鬼に八つ当たりするのはお門違いだ」
赤ずきん「そうね、その通りよ……本当にね……」
500 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/04/22(水)22:41:45 ID:GfN
雪の女王「自分の過ちに気が付いて反省している点は認める。だがそれでも吐き出した言葉は無かったことには出来ない。人間と鬼の共存を目指す彼にとってそれを否定する言葉がどれだけ胸を刺すか…キミなら想像できるな?」
赤ずきん「えぇ、きっとひどく傷つけてしまった。絶対に、絶対に口にしてはいけなかったのに」
雪の女王「それも旅を共にしている友人に言われたんだ、その衝撃は計り知れない。赤の他人に言われるよりもずっとだ」
赤ずきん「私……彼の信頼を裏切っちゃったかしら」ボソッ
雪の女王「どうだろうな…?明日会うのならばその時に謝罪の気持ちを伝えなければいけないな。以前と同じ関係でいられるかはわからないがな」
赤ずきん「ええ、必ず謝る……」
雪の女王「そうか、おそらく大丈夫だろう。彼はキミとは違って大人だ、子供の八つ当たりに傷つくことはあっても反省したキミを突き放したりはしないだろう」フフッ
赤ずきん「子供だと言われても今回ばかりは…何も言い返せないわ」
雪の女王「これに懲りたら今後は注意することだ。」
赤ずきん「……許してくれるといいのだけど」
雪の女王「なんだ、随分と弱腰なのだな?【裸の王様】の世界で私に啖呵を切ったのはどこの娘だったかな?」クスクス
赤ずきん「…余りの子供っぽさに自分で呆れてしまうわ。本当に傷ついているには彼なのにね。私は落ち込んでいてはいけない、しっかりしないと…」ググッ
雪の女王「…しかし、よかったじゃないか赤ずきん」
赤ずきん「よかったって…何がかしら?」
雪の女王「赤鬼のような仲間が側にいる事がだよ。キミが熱くなったら止めてくれる、八つ当たりをすれば受け止めてくれる。キミは彼の存在に大いに救われている筈だ」
赤ずきん「そうね…彼には感謝している。鬼ヶ島でも、ドロシーに挑発されたときも私をいつも助けてくれるから。でもだからこそ…何も出来ない自分が強調されるようで…彼を妬ましく思ったこともあったわ」
赤ずきん「実を言うとね、強くて頼れる彼の側にいることがたまらなく辛いときもあったのよ。自分の弱さを見つめてしまうから……」
502 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/04/22(水)22:43:40 ID:GfN
雪の女王「フフッ、彼からしたらキミの事が羨ましくてたまらないだろうに、おかしな話だ」フフッ
赤ずきん「赤鬼が…私の何を羨ましがるのかしら?私は彼とは違って何も持っていないのに」
雪の女王「あくまで私の想像に過ぎないが……キミは人間だ、それは赤鬼がどんなに努力しても手に入らない。赤鬼が人間なら、村人に恐れられることもなかっただろう。身を隠して旅をする必要だってない…人間であることを羨ましく思うこともあったんじゃないか?」
赤ずきん「そんな事……考えたこともなかった」
雪の女王「物事は視点が変わればまるっきり違う物に見えるものさ。それは君たちが悩んでいる事でも一緒だ」
赤ずきん「視点が変われば…違うものに見える…」
雪の女王「そうだ。おとぎ話を選ぶか、人魚姫の命を選ぶかという選択…赤ずきんはおとぎ話を選んだ。それはキミが過去に自分自身のおとぎ話を失っていて、その苦しみを知っているからだ」
赤ずきん「…ええ、私も人魚姫には生きて欲しいけれどあんな苦しい思いはして欲しくない」
雪の女王「一方、赤鬼は人魚姫の命を選んだ。鬼と人魚、種族は違えども二人とも人間と共存したいという気持ちは同じ。赤鬼はきっと人魚姫の姿に自分を重ねているんだろうな」
雪の女王「人間の王子に恋をしてそれが叶った人魚姫。人間の友人を欲してそれが叶った赤鬼…難しく思えた共存への一歩を踏み出して未来に希望が見えてきた。だからこそ同じ境遇の人魚姫を幸せにしてやりたいんだろう」
赤ずきん「それじゃあ……私の選択も彼の選択もどちらも間違っていなくて、正解なんて無いって事になってしまうわよ?」
雪の女王「実際、その通りさ」
赤ずきん「……」
雪の女王「『世界を選ぶか友達を選ぶか』なんて正解の存在しない問題だ。どう感じるかは人それぞれ、正解も不正解もない…模範解答を探そうという方が間違っている」
503 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/04/22(水)22:47:12 ID:GfN
赤ずきん「……だったら私達は一体どうすればいいのかしら?いつまでも答えのない問題をただ追いかけているわけにもいかないのに……」
雪の女王「それを決めるのは君たちだ。大方、ドロシーも君たちに答えのない難問を突きつけてひっかき回したいだけだろうな」
赤ずきん「本当に嫌らしい事をする娘よ、悔しいけれど」
雪の女王「では改めて聞くが、キミの選択は変わりないのか?」
赤ずきん「えぇ……私は、それでもやっぱりおとぎ話を選ぶ。人魚姫にあんな辛い思いをさせたくない。いつまでも消えたおとぎ話に未練を残してる私のようにはしたくない」
雪の女王「なるほどな……キミはそれで平気なのか?」
赤ずきん「平気かって……どういう事かしら?」
雪の女王「おとぎ話を守ると言うことは、友人である人魚姫を失うということだぞ?」
赤ずきん「……わかっているわ。私は最善を尽くして、人魚姫がなるべく苦しまないよう悲しまないようにするつもり…楽しい思い出を作ったり人魚姫の願いを叶えたり…」
赤ずきん「そして、私が王子と人魚姫を引き離す、そうして私が彼女に恨まれても仕方ないとも思ってる」
雪の女王「それだとキミが自ら悲しい結末へ物語を進める事になるが……そのことがずっとキミにのし掛かって…その心をへし折ってしまわないか?」
赤ずきん「本当に辛いのは人魚姫だもの、それを選んだことで私が弱音を吐いてはいけないの。平気よ、耐えてみせるわ」
雪の女王「決心が固いことは良いことだが本当に耐えられるか?私にはそうは思えない」
赤ずきん「……どうして、そう思うのかしら?私が子供だから出来ないと思っているの?」
雪の女王「そうじゃない。私は以前、おとぎ話を救った事で苦しみを抱えた少年を見ている」
雪の女王「だから、キミも【人魚姫】を救うことで苦しみや悲しみを背負うんじゃないかと思っているんだ。私の可愛い家族の一人…ヘンゼルがかつてそうだったようにな」
504 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/04/22(水)22:48:49 ID:GfN
赤ずきん「それって…もしかしておとぎ話【ヘンゼルとグレーテル】の主人公?」
雪の女王「ああ、そうだ。事情があって彼はしばらく前までこの宮殿に住んでいたんだ。だがある日とある目的で宮殿を後にしたよ、妹のグレーテルと共にね」
赤ずきん「その、おとぎ話を救って…苦しむってどう言うこと?」
雪の女王「ヘンゼルとグレーテルはある日、別のおとぎ話に迷い込んでしまった。そのおとぎ話はある国の民話だ、現実世界で忘れられ始めていて今にも消えてしまいそうな状態だった」
雪の女王「そうとも知らず、ヘンゼル達はそのおとぎ話の主人公の女の子と父親と親しくなった。その女の子の家は貧しくて見知らぬ子供二人を養う余裕など無かったが、その父親はヘンゼル達を家族として向かえてくれた」
雪の女王「そして、その世界でヘンゼルがとった行動が偶然にもそのおとぎ話の消滅を防ぐことになってしまったんだ」
赤ずきん「消滅寸前のおとぎ話を…そうと知らず偶然救ってしまった。結果的に何かの代役をする形になったのかしら?」
雪の女王「その通りだ、彼の行動は些細なことだったが…それがきっかけとなった」
赤ずきん「彼は…ヘンゼルは一体何をしたというの?」
雪の女王「病気の女の子のために盗みを働いた。一掬いの米と一握りのあずき、それだけを地主の倉から盗み出したんだ」
505 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/04/22(水)22:49:44 ID:GfN
赤ずきん「そんな小さな盗みでおとぎ話が救われたというの?」
雪の女王「ああ、小さな盗みだがそのおとぎ話では重要な出来事だった。ヘンゼルの行動がきっかけとなって、消えるはずだったおとぎ話は本来の筋へと軌道修正された。そして、そのまま結末へと物語は進んでいった」
雪の女王「途方もない悲しみと理不尽な苦しみが主人公の女の子に襲いかかる、悲しい結末へとね」
赤ずきん「悲しい結末…?それじゃあヘンゼルは…」
雪の女王「悔やんでいたよ、知らなかったとはいえ自らの行動でその女の子を苦しめてしまったとね。自分を責めていた、彼女を苦しめたのは自分だと」
赤ずきん「……」
雪の女王「彼と違ってキミは事情を理解した上でおとぎ話を救うことを選択している。人魚姫を失う決断はキミにとっても苦渋の選択だったと思うが、それでもキミはそれを選んだんだ。キミなりの覚悟もあるのだろうだが…」
雪の女王「…キミは本当に耐えられるか?抱える苦しみが大きすぎて身動きがとれなくならないか?」
赤ずきん「決断した以上は私はその選択に責任を持たなければいけないわ。だから、私は耐えてみせる。耐えなければいけないのよ」
雪の女王「私は、キミが望むのなら今からでもキミの代わりを手配できる。キミの住む所もだ。それでも…こんな辛い選択を強いられても旅を続けると言うんだな?」
赤ずきん「…もちろん。それ以外の答えはないわ」
雪の女王「……いいだろう。もうこの件では私は口を出さない、キミの覚悟というものを見させて貰うことにするよ」フフッ
506 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/04/22(水)22:51:36 ID:GfN
赤ずきん「雪の女王、参考までに聞きたいのだけど…あなたならどうするの?私や赤鬼と同じ選択を強いられたら」
雪の女王「おとぎ話【人魚姫】か友人の人魚姫どちらかを選ぶ状況になったら…という事だな?これはあくまで私の視点での考えになる、参考にならないと思うが?」
赤ずきん「聞かせて頂戴、あなたは様々なおとぎ話に協力を求めてくれている。私より何倍も経験を積んでいるもの、是非聞きたいわ」
雪の女王「そうだな…結論を言えば、私はおとぎ話を救う」
赤ずきん「その理由はなんなの?」
雪の女王「簡単だ、人魚姫は泡になって消えても幸せになれる余地があるからだ。泡になった後彼女はやがて空気の精になるのだから」
赤ずきん「空気の精になることは知っているけれど……幸せになれるってどう言うこと?空気の精になってたとしても彼女は人間には見えなくなる、そんなの居ないも同然じゃないの?」
雪の女王「フフッ、子供のキミにはわからないさ」フフッ
赤ずきん「はぐらかさないで、泡になって消えるのに幸せになれるなんてそんな事、信じられないわ」
雪の女王「空気の精は人間には見ることが出来ない。そのあたりの空気に溶け込むように宙をさまようだけだ。しかし空気の精は人間が見える、彼女には周りが見える」
赤ずきん「でも、見えても…触ることも話すことも出来ないなら…意味なんかないんじゃないかしら?」
雪の女王「それでも愛する男の側にいることは出来る。例え永久に恋が叶わなくても、永遠に想いが届かなかったとしても…愛する者の笑顔をずっと近くで見ていられるならそれだけで幸せになれる……そういう恋もあるという事さ」
507 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/04/22(水)22:54:08 ID:GfN
赤ずきん「例え実体を失って空気の精になったとしても、王子の側にいられるなら幸せ…という事?」
雪の女王「ああ、そのとおりだ。人魚姫はそれに幸せを感じるだろう。それこそがアスナンが彼女に与えた救いなのだから」
赤ずきん「アスナン…?どちらにしても私にはよくわからないわね……だって言葉を交わすことも触れることすら出来ないのに…本当に人魚姫はそんなことで救われるの?」
雪の女王「わからなくて良いさ、子供のキミには大人の恋愛は少し早いからな」フフッ
赤ずきん「…そうね、でも問題ないわ。いつかは私だって知ることになるでしょうから」ムッ
雪の女王「フフッ、まぁともかくだ…これが私の選択とその理由。もっともこれはあくまで私の考えだ、正解でも不正解でもない」
赤ずきん「参考にはさせて貰うわ。人魚姫が消えてしまうまでに私は出来るだけ彼女を幸せにしてあげたいから」
雪の女王「確か彼女は種族の共存を願っているのだったな?だが人間と人魚の間には不可解な確執がある…そうだったな?」
赤ずきん「ええ、人魚は人間に襲われたと主張していて人間を恨んでいるけれど人間は人魚の存在を知らない、王子ですら知らなかったから王族が隠しているとかではないと思うのだけど…どうもこの矛盾が拭えないの」
雪の女王「そうか、私には事の顛末が想像できたがな。人魚を襲っているのが何者か」フフッ
赤ずきん「……私があなたに話した情報だけでわかったというの?」
508 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/04/22(水)22:57:07 ID:GfN
雪の女王「あくまで想像だがな。人魚は人間に襲われていると思っていること、しかし人間は人魚を知らない…その矛盾を解くことが出来れば全ての黒幕を突き止めることは簡単さ、キミにも出来る」
赤ずきん「簡単に言うけれど、あなた……」
雪の女王「人魚を襲っている黒幕が誰か…それが解れば共存の道が開けるかもしれないぞ?だったら人魚姫のためにキミが頑張らなければな」フフッ
赤ずきん「……けれど、結構考えたのよ?自然災害の可能性とか海に未知の怪物が居るとか…いろんな可能性を」
雪の女王「さっきの話ではないが、視点を変えて見ろ。それと先入観には捕らわれないこと」フフッ
赤ずきん「……」
雪の女王「さぁ、今日はもう帰った方がいい。あとは宿に戻ってゆっくりと考えてみると良いさ。赤鬼になんと言って謝るかも考えなければいけないだろう?」
雪の女王「それにあまりここに長く居ると、キミをつい凍り漬けにしてしまいそうだ」クスクス
赤ずきん「……それは嫌ね、おとなしく帰ることにするわ」スクッ
雪の女王「そうしてくれ、まだキミを飾る台座を造っていないんだ」フフッ
赤ずきん「あら、それなら作らない方がいいわよ。作っても無駄になるんだから」
雪の女王「フフッ、また来ると良い。次はキミ好みのうんと苦いコーヒーをご馳走するよ」
赤ずきん「それは楽しみね。それじゃあ私は帰る。それと、雪の女王……ありがとう」
雪の女王「ああ、相談事程度ならいつだって受けてやるさ。そのかわりしっかりとやっている姿を見せてくれよ?私がキミから旅を取り上げなくても良いようにな」クスクス
509 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/04/22(水)22:58:43 ID:GfN
雪の女王の宮殿 女王の間
雪の女王「……いつになったらこの騒ぎは収まるのだろうか」フゥ
雪の女王「こんな騒ぎが起きているせいで彼女のような子供が友人を失う事を選択しなければいけない状況になっている。狂っているとしか思えない。子供達はもっと自由に暮らしても良いはずだ…」
雪の女王「そうだろう、アスナン…?」ボソッ
雪の女王「おとぎ話は子供達を苦しめるために存在するものじゃないのだからな……」
コンコンッ
???「女王様ー!ただいま戻りました!入ってよろしいか!?」
雪の女王「ああ、キミか…入って構わないぞ」
ガチャッ
白鳥「デンマークの美しき翼!この白鳥、ただいま任務を終えて帰還しましたー!」スワーン
510 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/04/22(水)23:00:51 ID:GfN
雪の女王「相変わらず賑やかだなキミは」クスクス
白鳥「えっ!?やめてくださいよ女王様!『相変わらず美しい翼だなキミは』とか言うのは!当然ですからね、僕が美しいのは!なんたって白鳥ですから!ンナハハハッ!」スワーン
雪の女王「フフッ、それは失礼したな。それで、有事の際に協力して貰えるよう別のおとぎ話に向かって貰ったが…どうだったんだ?協力は得られそうか」
白鳥「バッチリでした!【金太郎】の金太郎さんと【ジャックと豆の木】のジャック君、それと【卑怯なコウモリ】の鳥類一派に協力をお願いして約束してくれました」
雪の女王「成果は上々だな、やはりキミの美しさのおかげか?」クスクス
白鳥「でしょうね!それはそうでしょうね!僕は白鳥ですからね!」スワーン
ブスリッ
白鳥「痛っ!美しい僕に針を突き立てるとか…どういうつもりだよ!?」
???「黙れ。貴様の手柄にしようとするからだ、殆ど私が交渉しただろう。貴様はただ軽口を叩いていただけだ」
雪の女王「あぁ、キミも一緒だな。お疲れさま」フフッ
親指姫「はい、この親指姫。女王様からの任務、一生懸命遂行いたしました。騎士道に恥じぬように!」ニコニコ
511 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/04/22(水)23:02:48 ID:GfN
白鳥「女王様の前だと良い子ぶるんだもんなー、縫い針振り回してるだけのどこが騎士道だよ。一寸なんとかっていう奴に憧れてるんだかなんだか知らないけどさー」ブツブツ
親指姫「黙れ!騎士である私を侮辱するならば、この場で八つ裂きにしてくれるっ!」ブスリブスリッ
白鳥「おいやめろ!あんまり刺すと血で羽根が染まっちゃうだろ!僕のチャームポイントは美しい白さなんだよ!チャームポイントは美しい白さなんだよ!」
親指姫「二回言うな!私だけならいざ知れず、一寸法師様まで馬鹿にするとは…!恥を知れ、このアヒル!ナルシスト鳥類!」ブスリブスリッ
白鳥「言ったな!僕は正真正銘の白鳥だ!このエセ女騎士め!このままじゃピンクになっちゃうだろ!……あれっ?ピンクでも僕いけるんじゃね?女王様!ピンクでも美しいかな?どう?」
親指姫「クソッ…ポジティブな馬鹿は相手にしてられない……っ!」クッ
雪の女王「フフッ、君たちにお願いして正解だったよ。しばらくはゆっくり休んでくれ。そして、その後に行って欲しいところがある。頼めるか?」
白鳥「まっかせてください!僕がひとっ飛びいってきますよ!この美しき翼で!」スワーン
親指姫「はいっ!小さくとも女王様のお役には立ちます、なんだって申しつけてください!」
雪の女王「私は少し野暮用がある、だから君たちにはある人物に挨拶をしてきて欲しいんだ、この女王の代理としてね」
雪の女王「キモオタという現実世界の男の所だ。頼めるね?」フフッ
512 :名無しさん@おーぷん :2015/04/22(水)23:03:36 ID:YYg
みにくいアヒルの子に親指姫・・
また個性豊かなメンバーが
513 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/04/22(水)23:06:36 ID:GfN
今日はここまでです
【雪の女王】ざっくり内容
悪魔が作った鏡の破片が刺さって性格悪くなった少年カイ。
主人公ゲルダはカイを取り戻すため旅をします。
目的地はカイを連れ去った雪の女王の宮殿。
このssではゲルダに出番はおそらく無いので
性格悪くなったカイと女王が一緒に暮らしてるって事だけ認識しててください
人魚姫編 次回に続きます
514 :名無しさん@おーぷん :2015/04/22(水)23:07:35 ID:YYg
乙カレー
515 :名無しさん@おーぷん :2015/04/22(水)23:25:15 ID:Vb4
おつおつ!親指姫きたー!
デンマーク読みの重要人物の名前間違ってますよー
もしアナグラムとかでわざとならすみません。
親指姫とティンクが会ったら楽しそう。体のサイズ的な意味で。
519 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/04/23(木)00:27:06 ID:myr
>>518
これは恥ずかしい。すいません、普通にミスですね
>>507>>509
アスナン→アナスンですね、重要な場所間違えちゃったテヘペロ
540 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/04/26(日)22:15:28 ID:pti
人魚姫の世界 宿屋
赤ずきん「もう、十分泣いた。反省もした。落ち込むのはもうおしまい…」スクッ
赤ずきん「私達は前に進まなければいけないもの。雪の女王に話を聞いて貰ったおかげで少しは落ち着いて考えられそう…しっかりしないと」ペチンペチン
赤ずきん「明日には赤鬼に会うんだから今日しっかりと考えなければね、時間はあるように見えるけれど…もたもたはしていられないわ」
赤ずきん「まずは…状況の整理をすべきね。メモに書き出すと……」カキカキ
・ドロシーの干渉で【人魚姫】が消滅の危機
・私の主張は代わらず、おとぎ話を救うこと
・そのためには人魚姫は泡にならざるを得ない
・しかし、赤鬼は(私も可能なら)人魚姫を救いたい
・私が赤鬼を傷つけたことをちゃんと謝る
赤ずきん「それに加えて…雪の女王の言っていたこれね」
・人魚と人間の確執。人魚を襲ったのは誰か?(雪の女王は犯人が分かった?)
赤ずきん「…うん、こんなところね。これについて…女王が言っていたように違う視点から洗い出してみましょう」
キモオタ「我輩がおとぎ話の世界に行くですとwww」ティンカーベル「そう」 人魚姫編
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キモオタ「我輩がおとぎ話の世界に行くですとwww」ティンカーベル「そう」一覧に戻る
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